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政府の2027年度予算の概算要求総額が一般会計で143兆円前後となることが31日、分かった。2026年度要求の122.4兆円を大幅に上回る過去最大の規模となる。上限を設けない成長投資枠の新設に加え、補正予算も含めた一体予算としたことで要求額が急増した(31日付日本経済新聞)。
高市早苗政権が手掛けた2025年度補正と2026年度当初を足し合わせた140.6兆円を2兆〜3兆円ほど上回る水準となった。31日までに各省庁が財務省に要求した政策経費をもとに日本経済新聞が集計した数値となる。
このうち長期金利の上昇で国債の利払い費と償還費用を加えた国債費は。国債費を36兆6386億円で要求するとしている。過去最大規模となる。2027年度の利払い費の想定金利は3.8%と2026年度予算の3.0%から引き上げる。
ただし、今後の長期金利の上昇次第では、想定金利が引き上げられたり、引き下げられたりする可能性がある。引き上げられる可能性が高いと個人的には思っている。
国債費の増加もあり、本来であれば全体の予算額を前年度以下に抑えるなどして財政の健全化を意思している姿勢を示す必要があるが、それでころか発散している。
補正予算も含めた一体予算というが、予算規模を増加させるための言い訳にしか聞こえないのだが。いざ物価が想定以上に上昇した際とかには、補正予算を編成してガソリン補助などの延長等を行うことなどは容易に想像できる。
債券市場では中東情勢の再緊迫化による原油価格の上昇とそれによる欧米の国債の下落などもあって、日本国債も売られている。日米の利上げ観測もある。ただし、現状は国債のパニック売りといった様相とはなっていない。
しかし、この2027年度予算が本当に現実化するのであれば、これをきっかけに日本版トラスショックが起きる懸念が強まると私はみている。
長期金利が3%で止まる保証はない。すでに金利や物価がおとなしかった時代は終わっている。それ以前の時代の金利動向を見る限り、国債利回りがどこまで跳ね上がるのかは予想が難しい。
物価に応じたなだらかな金利上昇であれば、まだそれによる影響は限定されよう。しかし、特に国債利回りが大きく跳ね上がるリスクが出てきたとみざるを得ない。
FRBのウォーシュ議長が米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で、基調的なインフレ率が目標の2%に向かわなければ「やるべき仕事がある」と述べた。これを受けてFRBが9月のFOMCで利上げを決めるとの観測が広がり、28日の米2年債の利回りは一時4.36%と大きく上昇した。
31日には中東情勢が再び緊迫化を強めたことから、原油先物価格が上昇し、インフレへの懸念から米債は売られ、米10年債利回りは4.75%と節目の4.74を突破した。こちらは5%が見えてきた。
ベッセント米財務長官は、日銀の金融政策運営を巡って、日銀の植田総裁が正しい判断を下すと期待していると語っていた。そしてG20・主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議が開かれている米国ノースカロライナ州・アッシュビルでベッセント財務長官が日銀の植田総裁や片山財務大臣と、相次いで会談し日銀が利上げに踏み切ることなどが必要だという認識を日本側に伝えたと明らかとなった。すでに9月の日銀の利上げは市場ではだいぶ織り込んではいるが、その可能性を強めさせた格好となった。
国の来年度予算案の編成に向けて、各省庁による概算要求が31日に締め切られる。新たに設ける投資枠で要求額に上限を設けないことなどから総額は一般会計で、前回の122兆円余りを大きく上回って、143兆円程度になるとの見方となっている。つまり過去最大を更新する見通しとなっている。これは補正予算を込みでということらしいが、本当に補正は組まない保証はない。
新規国債の発行額は40兆円規模との予想も出ているが、その規模で消化できるかどうかというより、このインフレ下にあって財政規模を大きく膨らませて、さらに物価上昇圧力を強めるとの懸念も出てこよう。むろん国債市場では金利上昇過程にあって、先行きの懸念から投資をいったん控える動きも見えている。28日の2年国債入札が低調な結果となったのもその現れとなる。
高市政権が積極財政を引っ込めない限りは、金利と物価が上昇する懸念が強まることが予想される。
そんな最中、今度は中東情勢が再び怪しくやってきた。トランプ米政権はイランとの戦闘終結に向けた交渉が行き詰まるなか、経済制裁拡大で圧力を強める方針に転換した。弾薬不足や他地域への影響といった制約に直面しているとの観測もある。
そのタイミングで米軍は30日、ホルムズ海峡に浮かぶイランのララク島を攻撃したとも報じられた。これに対してイラン側は「トランプ政権は重大な過ちを犯した。この攻撃には報復がなされ、侵略者は罰せられる」と述べたと伝わった。
31日のWTI原油先物は一時、85ドル台に上昇してきた。これを受けて米債だけでなく、欧州の国債利回りも上昇してきている。ドイツの10年債利回りは2011年5月以来の水準に上昇し、フランスの10年債利回りは2008年11月以来の水準に上昇した。世界規模での金利上昇となっている。
どうやら負の連鎖が重なり、ドル円は160円台を回復するとともに、10年国債の利回りは3%に向けて上昇しつつある。本日はこんな状況下で10年国債の入札も予定されている。何度も繰り返しているが長期金利の3%も通過点に過ぎないとみている。