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住宅金融支援機構は1日、6月の「フラット35」の金利を発表した。借入期間が21年以上で、購入価格に対する融資率が9割以下の場合の最低金利は3.21%となった。
2017年に現行制度となって以降、初めて3%を超えた。長期金利の上昇を踏まえたものであり、5月から0.5%の上昇となり、前月比の上げ幅は最も大きかったそうである。
フラット35とは民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する最長35年の全期間固定金利の住宅ローンとなる。資金の受取時に返済終了までの借入金利と返済額が確定する。
住宅ローンの固定金利は、長期金利、つまり10年国債の利回りに応じて決まる。このため、長期金利が上昇すれば住宅ローンの固定金利も上昇する。
5月18日に10年国債の利回りは一時、2.800%と1996年10月以来およそ29年6か月ぶりの水準に上昇していた。
つまり長期金利はここ30年の間にみられなかった水準にまで上昇していた。とはいえ過去最高利回りかといえばそんなことはない。
先日、ある方とのメールのやりとりのなかで「1996年に固定で組んだ住宅ローン金利が3%強でしたが、先輩が1990年代初めの頃に組んだ時の金利は確か5〜6%だったように記憶しております」という文面があった。
1990年代の長期金利は激動の時代であった。長期金利は一時、8%を超えており、そこから1998年には1%割れにまで低下していた。
実は私も1995年頃に住宅ローンを組んでいた。たしか金利は4%あたりで組んでいた記憶がある。
当時はバリバリの債券ディーラーであったが、固定と変動では迷うことなく固定を選んだ。1990年代には当時の政策金利である公定歩合が6%まで引き上げられるのもみていた。
多少高くとも資金の受取時に返済終了までの借入金利と返済額が確定する固定で組んだ方が良いとの判断である。
結果からみれば、その後の長期金利、政策金利ともに低下し続けていたことで、変動金レの方が良かったことになる。だからといって、どうして変動にしなかったのかという悔いなどはない。
相場の先行きを予想するのは困難であることはディーラー時代に身にしみていたこともある。それであれば自ら金利変動リスクを負うのはかなり、リスキーであると考えていた。
低金利しか経験がないと変動金利のリスクがあまり意識されなくなる。しかし、固定金利は貸し出す側が金利変動リスクを負い、変動金利は借り手が金利変動リスクを負うということを考えておく必要がある。
何を言いたいとかといえば、3%台であれ、私が借りた固定金利よりも低いではないかと言いたいのである。
3日に6月に募集される個人向け国債の条件等が発表された(募集期間6月4日から30日)。
「個人向け国債の発行条件等(財務省)」 https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/houdouhappyou/p20260603.pdf
長期金利は5月18日、19日、20日に2.800%まで上昇したあとは、米長期金利の低下に合わせるようにいったん低下基調となり、6月2日の10年国債の入札日には2.565%に低下していた。
変動10年国債の初期利子は1.74%(税引き前)となった。これは5月募集の1.67%を上回って過去最高利率となった。
固定5年の利率は1.86%(税引き前)となった。5月募集の1.89%からは低下した。
固定3年の利率は1.51%(税引き前)となった。こちらも5月募集の1.57%から低下した。
3年固定、5年固定は前回の利率からは低下したものの、過去最高水準にあることに変わりはない。
個人向け国債の利率が上昇してきたのは日銀が金融政策の正常化に乗り出し、政策金利を引き上げ、物価の上昇や欧米の長期金利の上昇も手伝って、日本の国債利回りも上昇してきたことによる。
昨年12月18、19日の日銀金融政策決定会合では政策金利を0.75%に引き上げた。4月の金融政策決定会合では中東情勢の緊迫化などを理由に利上げは見送られたが、今月15、16日の金融政策決定会合ではさらに1.00%まで引き上げるとの観測が強まっている、
中東情勢の緊迫化は続いており、ホルムズ海峡は閉鎖された状態が続いている。原油だけでなくナフサや肥料などへの影響も出てきており、世界的な物価上昇が懸念されている。
日本では消費者物価はいったん2%を割り込んでいるものの、今後は上昇が加速する恐れがある。
欧米の長期金利が上昇し、日本の長期金利も一時2.8%台に上昇するなど、この金利上昇が個人向け国債の利回りに反映されている。
5年固定の利子が1.86%となっているのに対して、4月の全国消費者物価指数は生鮮食品を除く総合で前年同月比1.4%となっている。
預貯金金利などはまだ低位となっているが、個人向け国債については物価上昇に耐えうる水準となっている。
特に将来必要とされる資金は安全性を優先すべきであり、1年経過後の途中売却でも財務省が元本で買い取ってくれる個人向け国債は、個人における資金運用において大きな選択肢となりうる。
個人的には10年変動を引き続き推している。
いずれあらたな個人向け国債の発行も検討されるとみられる。
政府は3日午前に臨時閣議を開き、中東情勢の混乱の影響に備えた予備費の創設を柱とする2026年度補正予算案を決定した。一般会計の歳出総額は3兆1135億円。地方のLPガス利用者などを支援する重点支援地方交付金を盛り込んだ。財源は全額赤字国債の発行で賄う。
財源には決算剰余金を使うとの見方もあったが、今回のタイミングでは前年度の決算が済んでおらず剰余金が使えない。年度が始まったばかりとあって不要な歳出で財源を捻出するのも難しい。
結果として特例公債(赤字国債)を追加発行するが、新規での国債増発は抑える見込みとなる。これはいわゆる「前倒し発行」分の取り崩しとなろう。
年間の国債発行額については長期金利の水準を予想した上で利払い費が算出される。もし市場で形成される金利がそこに届かない場合には、利払い費が想定を下回ることになる。その分を翌年度の国債発行に回すといったことが可能となる。
大量の国債発行を円滑に行うために借換債は年度を越えて前年度に前倒して発行ができる前倒し発行が可能となっている。
そういったバッファーが特に超低金利下では存在していた。想定長期金利に年度平均の長期金利が届かないとその分の利払い費が想定を下回ることとなっていた。
そして今度は飲食料品を対象にした2年間限定の消費減税について、政府・与党は1日、2027年4月から適用する方向で調整に入ったと報じられた。減税後の税率はレジのシステム改修期間を考慮して、消費税率を1%とする案が有力だとか。
レジ云々が最大の問題ではない。その財源をどうするのかが最大の問題点となる。年4兆〜5兆円規模の財源を巡り、新規の国債発行を前年度から増やさずに対応する案が浮上したとされるが、それも前倒し発行分と決算剰余金などが頼りとなるのではなかろうか。
高市政権が掲げる「強い経済」の実現に向けた提言案を示した。政権の成長戦略の一つである危機管理・成長投資の財源に、将来の償還財源をあらかじめ法律で定めて発行する「つなぎ国債」を活用するとあるが、結果としての国債増発に変わりはない。
物価高によって名目上の税収は増加する。このため、計算上は10兆円規模の財源は確保できるかもしれない。
しかしこのままではいわゆるバッファーを使い果たしかねない。さらに低金利下ではなくなっている点にも注意が必要となる。
今年度の長期金利の想定金利は3%となる。4月1日に長期金利き2.300%でスタートし、5月に一時2.800%まで上昇した。
いずれ3%を超えてくることが予想され、年度平均で3%を上回る可能性も否定できない。その際には今年度に生じるバッファーが消えることになる。
消費減税をしても物価そのものへの影響はほとんど皆無であり、むしろその財源となる10兆円規模のバッファーがあるならば、それは本来、危機管理のためとして取っておく必要があるのではなかろうか。
とはいえ、現在の中東情勢を取り巻く環境に対して現政権はあまり危機とも認識していないようなので、そのような危機管理も不要ということなのであろうか。
証券用語に「手口(てぐち)」と言うものがある。
これは株式市場など証券取引所の売買で、どの証券会社がどの銘柄に、どれだけの売りまたは買いを行なったかという売買状況を示すものである。
株式市場ではこれが公開されていたが、債券先物が東証に上場した際には、特別会員として銀行が入っていたこともあり、手口情報は伏せられることになった。
日本相互証券(BB)の売買も同様であり、端末画面上の板情報で売買の額は表示されるが、どこが出しているのかは証券会社などの端末では表示されていない。
このため、債券市場が大きく動いた際、実際にどこが買った、売ったかという情報は現実にはわからない。
財務省の国債入札では、財務省はどの金融機関がどれだけ落としたのかは当然わかる。取引所やBBでは、売り買いの手口はわかる。
しかし、たとえば某生保が某証券会社を通じて入札や売買を行った際には、その証券会社の担当しか最終的にどこが売り買いをしたのかは見えてこない。
つまり大きく動いた際、本当はどこが売り買いをしたのかは憶測に頼るしかなくなる。
ということで6月2日に大きく買われた日本の債券市場では、誰が動いたのかを勝手に推測してみたい。あくまで推測である。
2日の債券市場で起きたことをピックアップしてみたい。
この日の10年国債の入札はそれほど好調なものではないが、無難というより順調といったものとなった。
それにもかかわらず落札結果からややタイムラグがあって債券先物は大きく買い戻された。債券先物の出来高は5兆円台と久しぶりの大商いとなっていた。
10年国債の入札では、ヒアリングでのわかる範囲での落札状況から、いわゆる不明玉が大量に存在した。数千億円規模での不明玉といえるのではなかろうか。
現物債はこの10年国債を中心に買い進まれた。中期債も買われたが、日銀が利上げを躊躇するといった報道とかあったわけではない。
債券先物の動きをみると、踏み上げというより、大規模な買いにより、買い戻しを迫られたような動きであった。
ここで疑いの目が向けられられるのが生保、メガバンク、海外などである。
ただし、生保が現状、数千億円規模で長期債を買うことは考えづらい。
落札状況からみても銀行の可能性もないといえた。
海外ヘッジファンドが決算絡みでとの見方もあるが、どうも踏み上げとは違うし、何しろ現物主導にみえていた。
ここであらたな犯人、いや買い手が浮かんでくる。
実は6月1日と2日の「牛さん熊さんの本日の債券」で株式市場の動向について下記のように指摘していた。
1日、熊「ただし、プライム市場では7割超が下落するなど全体では弱含みに」
2日、牛「日経平均は一時1300円を超す下げに。東証プライム市場の約8割の銘柄が下落」
1日から2日にかけて売りが幅広い銘柄に出ていた可能性があったのである。
日経平均が過去最高値を更新していることに合わせて考えると、株を売って国債を買っている構図にも映る。
つまり大手年金が株価指数の上昇に合わせてのリバランスを行ってきた可能性がここで浮上する。
株式市場が上昇し、株式の保有比率が大きくなってしまったことで、株の一部を売却する。相対的に債券の保有率が低くなっていたため、10年国債の入札に合わせて数千億円単位でそれを購入した可能性がある。
10年国債の落札者が思うように落とせなかった可能性もあり、債券先物の買い戻し等に繋がったのではないかとの推測である。あくまで推測なのであるが。
イスラエル軍がレバノンの親イラン組織ヒズボラへの攻撃をやめないことにイラン側は反発を強めており、イランの通信社は米イラン間の協議は停止したと伝えた。
米国のトランプ大統領はイランが苦境に陥っており、米国の要求を最終的にのむとの見通しを繰り返している。しかし、1日には米CNBCの番組でイランとの交渉が破談に終わっても「気にしない」と答えていた。
これを受けて原油先物は買われ、一時WTI先物7月限は1バレル95ドルに接近していた。
米国の政府関係者は5月28日に、米国とイランの交渉が暫定的な合意に達し、トランプ米大統領の承認を待っていると記者団に明らかにしていた。これを受けてWTI先物は86ドル台に下落していたが、結果として合意に至っていない。
米国政府は核問題やホルムズ海峡をめぐりイラン側の強硬姿勢を突き崩せずにおり、苦境に陥っているのが現状となっている。
米国サイドは大統領の希望的観測も加え、楽観的な見方を繰り返していたが、イランとの溝は埋まっていないようである。
特にイスラエル軍がレバノンの親イラン組織ヒズボラへの攻撃をやめないことにイラン側は反発を強めており、イランの通信社は米国とイラン間の協議は停止したとも伝えていた。
イランと米国の歩み寄りが果たして可能なのか。このままでは米国とイラン間の協議そのものが破談に終わる可能性すら出てきている。
結果として原油先物価格の高止まりは継続している。ホルムズ海峡の封鎖は続いており、正常に戻る気配はいまのところない。
一時4.7%近くまで上昇していた米10年債利回りは、停戦期待も加わって一時、4.5%割れとなっていた。しかし、ここで目先底打ちして再び上昇してくる可能性が出てきた。
これは日本の10年国債の利回りも同様であろう。5月18日、19日、20日と2.800%に上昇していたが、いったんここがピークとなった。ここにきて2.7%を割り込んできたが、ここで目先底打ちしてくる可能性が出てきた。
6月15、16日の日銀金融政策決定会合では何が決まるのか。最も注目されているのが、利上げの有無となろう。
審議委員のうちの3名が4月の決定会合で利上げを主張して反対票を投じた。またその後の講演などで2名の審議委員が利上げが必要であることを主張していた。
金融政策決定会合で金融政策は合議制で決まる。つまり多数決によって決まるため、9名の政策委員中、5名が利上げを主張すれば、利上げが決定される。
高市首相は利上げには賛成していないようであり、政府の意向を尊重し、執行部の3名(総裁1、副総裁2)が現状維持を主張してくる可能性はないとはいえない。
しかし、現在は第四次オイルショックというべき状況となっていることからも、政府の意向はさておき、執行部主導で利上げを決めると期待したい。
それとともに6月の会合では、2027年4月以降の国債買い入れについても議論される。
2025年6月に決めた現在の減額計画では、四半期ごとの減額幅をそれまでの4000億円程度から2000億円程度に緩めた。それでも月間の購入額は、減額前の約6兆円から2027年1〜3月に2.1兆円程度に縮小する。
その後はどうするのか。これは様々な意見はあろう。ここまでの日銀国債買入の減額による市場への影響は限られた。
何を言っているのだ、長期金利が2.8%まで跳ね上がったのは、日銀が国債を買わなくなったためだろうとの意見もあるかもしれない。
しかしそれについては、物価の上昇が続き、それに応じてスローながらも金融政策正常化が進み、さらに海外の長期金利の上昇でほぼ説明が付く。
このまま淡々と買入額を減少するのもひとつの手段であるとは思うが、私自身はこの買入の最終的な落とし所は2014年4月の量的質的緩和前の数値(1兆8600億円)とみていた。 ひとまず異次元緩和以前の水準まで戻してから、いったん考えようというのが2024年6月当時、減額の話が出たあたりでの私の考えであり、それは現在も変わりはない。
このため、2027年4月以降の国債買い入れについては一端減額はなし、としても良いのではなかろうか。
日銀が無理矢理国債を大量に買い入れる必要はないものの、資産の一部として国債を保有することについては異論はない。
ただし、これを政治的な道具のように扱われては困ることもたしかである。