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高市早苗政権が進める予算編成改革の絵姿が見えてきた。危機管理や成長についての投資は予算要求の上限を撤廃する「積極財政」の面を色濃く打ち出した(29日付日本経済新聞)。
首相は4月の成長戦略会議で「リミッターを外して必要な施策をやり抜く」と語っていた。
リミッターを外すというのは、危機管理や成長向けの予算である「新たな投資枠」については各省庁からの概算要求では上限を設けないことを示す。要求段階では事実上の青天井となる。
「責任ある積極財政」の「積極財政」部分を推し進めようとしている。「責任ある」の部分は年度途中で赤字国債を増発しないようにするといったことを想定しているようである。
ただし、現実に数兆円単位の予算が必要となれば、表面上は赤字国債の増発はなくてもその分、財政そのものは悪化することは確かである。それが見える数値で示されなければむしろ、潜在的なリスクを強める格好となりかねない。
この「責任ある積極財政」の命名者は城内実経済財政政策担当大臣だとか。
「今回の利上げにつき説明責任を果たすとともに、過度な景気変 動が生じた場合には主体的かつ適切な対応が重要である。今後 の成長型経済への変化が重要であり、マクロの需給動向と物価 の関係の慎重な確認が必要である」
これは6月16日の金融政策決定会合で利上げを決定した際の、内閣府による意見である。この日の内閣府からの出席者は城内実経済財政政策担当大臣であり、内閣府というより城内大臣の意向が強く反映されたもので、追加利上げへの牽制球といえる。
政府が7月に策定する経済財政運営の指針「骨太方針」に、経済成長の実現に向け「適切な金融政策運営が行われることも非常に重要だ」と明記する方針を固めたことが27日分かったと報じられた。
これらも今後の日銀の追加利上げに対する牽制球ともいえる。
そもそも現在の経済実態で積極財政は必要なのか。しかも政府主導で経済を活性化できる保証はあるのか。
ここでの財政拡大はインフレへの圧力ともなりかねない。加えて日銀の正常化に政府が釘を刺すようなことをすれば日米の金利の方向性の違い等も意識されて、さらに物価上昇圧力ともなる円安を招きかねない。
すでにドル円は162円台を付けてきた。
介入警戒もあろうが、そもそも政府が財政悪化、日銀の正常化を牽制している以上、円安圧力はさらに強まりかねない。
結果として物価上昇圧力を強めることとなる。いま政府に求められているのは積極財政よりもインフレにブレーキを掛けることではないのか。