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1971年8月15日、ニクソン大統領は、テレビとラジオで全米に向けて声明を発表。この中で特に注目されたのが「金とドルの交換停止」。これによって第二次大戦後の通貨の枠組みであったブレトン・ウッズ体制が崩壊し為替市場は新たな展開を迎えた。
通貨は通貨間の相対価値が基準になるという現在に続く変動相場制へと移行することになる。このニクソン大統領による声明は世界に大きなショックを与えニクソン・ショックやドル・ショックと呼ばれた。
ニクソン・ショックの同年12月に、ワシントンのスミソニアン博物館で開かれた10か国蔵相会議では、ニクソン大統領が発表した米国の新経済政策をうけて、通貨に関するいくつかの措置が合意された。これがスミソニアン合意である。
ドルを切り下げ、為替の変動幅を従来の上下1%から暫定的に2.25%に拡大された。円レートは16.88%切り上げられて308円に変更された。
スミソニアン体制でも為替相場は安定せず、1973年のオイル・ショックによるインフレ圧力も追い討ちをかける格好となった。1973年に主要先進国は変動相場制に移行、スミソニアン体制はわずか2年で崩壊した
1976年に変動相場制の正式承認を含むIMF協定の第に次改正が決定。これにより加盟国は正式に変動相場制へ移行する。この制度は1978年4月1日に発効となりこれをキングストン合意と呼ぶ。
1985年9月ニューヨークのプラザホテルで秘密裏に開かれたG5蔵相会議において、米国の貿易赤字と財政赤字の双子の赤字問題による対外不均衡を先進各国は為替相場の調整でこれを是正することとし、ドルを引き下げる方向で合意した。いわゆるプラザ合意である。
プラザ合意前の為替市場においてドル円は242円近辺であったがプラザ合意後の11月末には202円近辺まで円高ドル安が進行した。
プラザ合意後、ドル安はさらに進み1987年2月にはドル円は140円台に到達した。1987年2月にパリのルーブル宮殿でG7が開催され行き過ぎたドル安にストップをかけることが検討された。
日本の内需拡大や米国の財政赤字圧縮などが合意され為替相場についても当面の水準に安定させる旨の声明を発表し、これはルーブル合意と呼ばれた。
1994年2月のメキシコ通貨危機の影響もあって1995年4月19日にドル円は一時79円75銭を記録。
4月25日のワシントンG7後の共同声明で「こうした変動を秩序ある形で反転させることが望ましい」と宣言。
2007年あたりからの金融危機、その後の2010年あたりからの欧州の信用不安によってドル円は2011年10月31日に75円32銭まで下落しここがボトムとなった。
その後のドル円はじりじりと上昇し、2026年7月28日に一時163円88銭を付けた。
10日の米10年債利回りは10日、一時4.96%と2023年11月以来、2年10か月ぶりに4.9%台をつけた。米30年債の利回りは一時、5.35%台をつけ、こちらは2007年6月以来、およそ19年ぶりの高い水準を付けてきた。
10日のドイツの10年債利回りは2011年以来の水準に上昇し、フランスの30年債利回りは2003年以来の水準を付けてきた。
英国の10年債利回りは5.37%と2007年7月以来の水準に上昇し、20年債の利回りは5.89%、30年債の利回りは5.94%とそれぞれ1998年以来の水準に上昇した。
ECBは10日の政策理事会で政策金利の預金ファシリティ金利を0.25%引き上げ2.50%とした。
これはほぼ予想通りであり、これが国債の利回りを大きく上昇させた直接要因ではない。
ただし、利上げの理由が中東情勢の混乱で原油・天然ガスの価格上昇が収まらず、インフレを抑える必要性があるためとしていたが、その懸念が強まったためである。
米国とイランの攻撃の応酬が激化するなか、トランプ米大統領は9日にイランとの戦闘終結や原油価格の下落が11月の米中間選挙後になるとの見通しを示した。
ウォール・ストリート・ジャーナルは10日にイランが弾道ミサイルの生産を再開したと報じた。
これらを受けて米国とイランの戦闘とエネルギー輸送の停滞が想定以上に長期化するとの観測が広がった。
代表的な原油先物取引となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で10月限は一時は103.06ドルと100ドルを突破し期近物として5月中旬以来の高値を付けた。
2026年4月に117.63ドルを付けており、このあたりまでの上昇も予想される。2022年6月には123ドル台に上昇していた。WTI原油先物の史上最高値は、2008年7月11日に記録した1バレル147.27ドルとなる。
ホルムズ海峡は封鎖された状態が続いている。堺屋太一氏の小説「油断」で書かれていたような事態が本当に発生している。
国内では政府補助によって原油価格の上昇が見えなくなっているが、米国でディーゼル燃料の平均小売価格が10日に初めて1ガロン当たり6ドルを超え、過去最高を更新するなどしている。
米国とイラン紛争による液化天然ガス(LNG)供給への懸念の高まりを受け、欧州のガス価格は2023年初頭以来の高値水準に上昇している。
10日発表の8月の米卸売物価指数(PPI)は前年同月比では5.4%上昇と7月の4.8%から加速した。
11日発表の日本の8月の企業物価指数7.6%上昇と3か月連続で7%超えとなった。
エネルギー価格の上昇とそれによる物価への影響が懸念されて欧米の国債利回りが押し上げられている。
トランプ氏は9日の共和党大会で、共和党が上下両院の多数派を維持すれば、米国の成人市民1人当たり5000ドルを支給するとぶち上げた。2億7000万人が対象となるとすれば単純計算で1兆3500億ドル規模の支出となる。
これによる米国財政への影響も懸念された可能性はあるが、これまで同様の発言を繰り返しながらも現実化されておらず、今回もぶち上げただけと冷めた見方も強い。
11日の日本の債券市場では10年国債の利回りが一時3.000%に上昇した。
ベッセント米財務長官は8日、テキサス州のサザンメソジスト大学で開催されたイベントで、足元の円相場や日米当局による円買い介入を巡って「私は(市場には流れていない)非対称な情報をもっている。今や私が胴元だ」と発言し、投機的な円売りをけん制した。
ベッセント氏は1992年、ジョージ・ソロス氏の側近としてのポンド売りを支えイングランド銀行を撃破した「伝説のディーラー」として知られている。
2012年末から始まった第2次安倍政権のアベノミクスにおける大規模な金融緩和を見越し、ソロス・ファンドを率いて猛烈な円売り(ショート)と日本株買い(ロング)」のポジションを構築して大きく利益を得ていた。
ベッセント氏は屈指の「日本通」でもあり、ドル円の動きは誰よりも知っているという自負がある。また、現在の財務長官という非対称的な情報を得られる立場から、「今は私が胴元(HOUSE)だ」と自信を示したようである。
「われわれが円相場に介入する際、私は日本政府や日本銀行、日本の政策立案者が何をしようとしているのかを十分に把握している」と述べ、「望むなら私と反対に賭けてみろ」と語ったとか。
たしかに過去のヘッジファンドとしての経験、それに加えて非対称的な情報を得られる財務長官という立場は強力だが絶対ではないし、「驕れる者は久しからず」という言葉も存在する。
相場にこれほど通じている人が行政側のトップになるという事例をあまり聞いたことはないため、たしかにベッセント氏の自負したいところはわからなくもない。ただし、非対称的な情報を得られてもそれを相場に生かせるということは実は難しい。
9日に米財務省は9日、10日に実施するバイバックについて残存期間が10〜20年の米国債を最大60億ドル買い入れると発表していた。
米財務省が超長期金利の急伸を受けてバイバック増額方針を打ち出した8月19日の段階では実施上限を従来の20億ドルから「40億ドル以上」に増やすと説明していた。そこから一段と積み増した。
これはベッセント氏の意向も働いていた可能性はあったが、結果としてこれを受けて米債は買われるどころか売られていた。
市場では事前に100億ドル規模もあるかと過剰な期待も出ていたことで、なんだ60億ドルかという失望もあった。
それ以上に原油先物価格の上昇で欧州の国債が大きく売られ、米債も売られた格好となっていたのである。
バイバックの規模拡大で、どうだこれで米債を買え、といっても市場は結果としてそうならなかった。市場でそれ以上の願望があったことや親分(トランプ大統領)がそもそも原油価格の上昇を促すような施策ばかり打つことで、こちらをどうにかしないとならないはずである。
そして、非対称的な情報を得られるからといって相場に勝てるわけではないという事実が存在する。
財務省が国債の落札先情報を得られ、取引所は債券先物の売買状況を得られ、日本相互証券は現物債の売買状況を得られる。業者は業者で委託先情報を得られる。
だからといって、それぞれがその情報を生かして仮に売買したとしても利益を得られるとは限らない。
すべての情報を得てみようとの試みもあったように聞く。しかし仮に本当の全情報を得たとしても、その時点で過去の情報となってしまっているため、それを生かせないであろう。これはたぶんAIでもしかりである。
ネット証券が個人向け国債の販売を伸ばしている。主要4社の2026年1〜6月の販売額は5400億円超と前年同期の4.4倍になったと日本経済新聞が報じた。
ネット証券は大半の販売を担う対面証券や銀行窓口と比べて伸びが大きく、全体に占める割合は1割を超えた(7日付日本経済新聞)。
実は個人向け国債はネット販売と相性が良いとされる。その実例として米国の個人向け国債がある。
日本の個人向け国債の誕生にあたって参考にされたのが、米国の個人向け国債である。米国の個人向け国債は「貯蓄国債」と呼ばれている。
米国の貯蓄国債はトレジャリー・ダイレクトと呼ばれるネットで財務省から直接購入ができる。ただし、社会保障番号とかが必要であったと記憶しており、日本の個人が米国の貯蓄国債は買えなかったはずである。
日本でも財務省ダイレクトが検討されたようだが、国債の決済を担当する日銀に個人が口座を持てないことなどが理由でそれは叶わなかった。
しかし米国と同様に気軽にネットで購入できるということで、ネット証券の利用が増加するというのは日本で個人向け国債が発行された当初の予想通りということになろうか。
日本ではネット証券を通じて購入可能なのだが、実はネット証券を介しているだけで、個人は財務省から個人向け国債を購入している格好となる。
たとえばネット証券が在庫を抱えて、それを販売するという形式ではないためである。証券会社は個人ではないため、個人向け国債は保有できない仕組みとなっている。
若者などが気軽に個人向け国債を購入するようになると個人向け国債の保有層の裾野が拡大する。
今回、財務省が個人向け国債のイメージキャラクターに鈴木愛理さんを起用したのも若者層への認知度を高めることが目的と思われる。
ネット証券も口座開設などを通じて個人向け国債販売の恩恵を受けることになる。
複数のネット証券によると購入者の多くは銀行などに預けていた待機資金を動かしているとされる。預金と同じ安全資産で、より利回りを確保できる金融商品として国債が注目されているとも日経は報じた。
流動性リスク、価格変動リスクはなく、信用度は国内金融商品随一で、なおかつ利率は預貯金金利よりも有利となっている個人向け国債である。
国債利回りはもっか上昇中でもあり、その魅力度は今後ますます高まってくると予想される。
8日にドル円が152円台を付けてきた。ユーロ円も177円台となり、ここにきて急速な円高が進んでいる。
現状、レートチェックや為替介入といった動きはなかったようである。介入時などとはまた違った動きのようにもみえる。
ただし、7日に円買い為替介入への警戒感はそれなりに出ていようである。日本の介入は過去、日本の大型連休中など薄商いのタイミングであったことによる、いわゆる経験則による警戒である。
介入はなくともこれだけ円高が進んできた要因は何であろうか。円安にもいくつもの要因があったが、そのひとつ金利の修正への思惑もあったようである。
米国のベッセント財務長官の発言などをきっかけに、日銀の利上げ加速観測が強まっている。市場では9月17、18日の金融政策決定会合での利上げはベッセント発言前からかなり織り込んでいた。
それに加え、9月会合からそれほど時を置かずに追加利上げを決定するとの観測も出てきた。12月の会合にもとの見方が増えてきたが、早ければ10月会合でとの見方も出てきていた。
高市政権はリフレ的な政策を止めることは考えられないものの、積極財政はさておき、日銀の金融政策の正常化は外圧もあって容認せざるを得ないと考えている可能性も出てきた。
むろんこれから景気が悪化したら日銀の利上げを批判対象にしてくる可能性はある。ちなみに遅ればせながら日銀は金融政策の正常化を進めてきたが、それが景気にブレーキを掛けたという痕跡は現状ない。
景気回復は7月で最長となり「いざなみ超え」の74か月を経過かとの見方も出ている。
日銀は今後さらに正常化の速度を速めるとともに物価に応じた金利形成を急ぐことが予想されるが、それだけで円安の大きな流れが果たして止められるのか。
リフレ政策のひとつ積極財政は変わらず、債務悪化への懸念は今後さらに強まることも予想される。少子高齢化などによる日本経済そのものの弱体化も円安の背景にある。
今回の円安修正はトレンドの変化とは考えづらいが、それなりに円のショートポジションも構築されていたとみられその解消の動きが強まった可能性はある。
長期金利が3%代に上昇し、9月17、18日の日銀金融政策決定会合での利上げが予想されるなど、金利上昇が気になっている方も増えているかと思われる。特にこれから住宅ローンを組もうとしている人など、固定にすべきか変動にすべきか悩ましいところとななろう。
住宅金融支援機構は9月1日に長期固定金利型の公的住宅ローン「フラット35」の9月の適用金利を公表。返済期間が21年以上35年以下の最低金利(住宅の購入価格に対する融資率が9割以下)は3.460%と8月の3.290%から上昇し、現行制度になった2017年10月以降での最高を更新した。
住宅ローンの固定金利が過去最高となったわけではない点に注意したい。あくまで「フラット35」の最高金利となったのである。
実際に私が住宅ローン(固定)を組んだのが1995年あたりで当時の固定ローンの金利は4%となっていた。結果からいえば、私は固定ではなく変動にすればかなり金利は抑えられたことになる。しかし、国債の売り買いを生業にしながらも金利が失われる時代がそこから30年近く続くなど予想だにしなかった。
それではこれからの住宅ローン金利はどうなるであろうか。予想は難しいことは確かである。ただし金利がさらに上昇するリスクシナリオも頭の片隅においてほしいと思う。私か30年前に金利が大きく低下しそれが続くことを予想できなかったように。
それでは戦後の住宅ローン金利が最も上がったのはどの時期なのか。昭和生まれとかであれば、それは日銀の政策金利がピークを付けた1970年台のオイルショックの時ではないかと考える方もいると思う。
実際に調べてみるとそうではなかった。1970年代のオイルショック時には原油価格の急騰によるインフレに対処するため金利が高騰し民間の住宅ローン基準金利は確かに8%〜9%に上昇していた。ところが当時は国の政策による「住宅金融公庫」が 5.0%〜5.5%の低利・全期間固定融資を提供していたため実質的な利用金利の過去最高値とはなっていなかったのである。
それではいつ住宅ローン金利の最高値を付けたのかといえば、バブル崩壊直後の1990年から1991年にかけててあった。この期間に変動金利が8.5%、固定金利が約8.9%と過去最高水準を記録していた。
固定は金利リスクを金融機関が負担する代わりにリスク相当分が実勢金利に上乗せされる。それに対して変動金利については借り手側の個人が金利上昇リスクを負担することになる。
金利の先行きを正確に見通すことなどできないものの、いまの状況からみて金利が想定以上に上昇するリスクはかなり高いとみている。
むろんそれぞれ個人が判断することではあるが、多少負担金利が上昇していても固定金利のほうが将来を見据えて安心感は高いのではないかと思う。
すでに変動で借りている方はどの程度までの金利上昇に耐えうるか。自分は金利の先行きをどのように判断するのか、慎重に見極めて判断してほしいと思う。
2026年9月1日に長期金利が3.000%を付けてきた。これは1996年9月以来、30年ぶりのことになる。
日本だけではなく欧米の国債利回りも上昇してきた。この背景のひとつに中東情勢が再び緊迫化したこともあるが、物価そのものが高止まりしていることも要因となろう。
そこに日本だけでなく、欧米でも財政への懸念が強まりつつある。失われた30年の間に、確かに物価や金利は低迷していたが、その間に大きく増加していたものがある。政府債務である。債務規模はいったん大きくするとなかなか削減は難しい。
金利の先行きを予測するのは極めて困難であることは重々承知の上で、ひとつのリスクシナリオとして今後の日本の金利がどこまで上昇する可能性があるのかを考えてみたい。
すでに政策金利・長期金利ともに1990年台に付けていた水準に上昇してる。チャートの上からは大きな転換期に入ったと私はみている。
日本では円安が進むとともに物価がスパイラル的に上昇する懸念を強めている。高市政権の積極財政も結果として物価の押し上げ要因となる。ここに中東情勢の緊迫化による原油価格の上昇なども重なるとその速度が増す可能性が高まることになる。
1986年から2001年にかけて債券ディーラーであった私は激動の時代を生き抜いてきた。そこで得た教訓は金利は動くというものである。金利は低位で安定するものでは決してない。
むろん2000年以降、30年近くも金利は動かなかったので、いまさらそんなに動くことは信じられないと言う人もいるかもしれない。とにかくも金利は動くときは動くのである。金利のボラティリティ(変動率)は今後も高まると予想している。
つまり金利が上昇するとして、かなりオーバーシュートする懸念が高まる。日米ともに政権交代などがなければ状況は悪化するばかりだと考えられる。両国ともにトップが物価と金利を引き上げる主要因となりかねない。
ひとつの目安として、1990年台の政策金利のピークである6%がある。このあたりがひとまずの目途となろう。同時期には米国の金利も上昇していたことにも注意したい。
これはあくまで過去の金利の歴史からみただけの目安であり、そんなに上昇したら、住宅ローン金利はどうなる、それ以上に財政が保たないといった意見も出てこよう。
しかし物価とともに金利が上がりだしたらブレーキがきかなくなる恐れもある。しかもいまの政治経済情勢からみてそのリスクはそれなりに高いとみざるを得ないことも確かである。
2日に9月に募集される個人向け国債の条件等(募集期間9月3日から30日)が発表された。
「個人向け国債の発行条件等(財務省)」 https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/houdouhappyou/p20260902.pdf
9月1日に10年国債の利回り(長期金利)が3.000%を付けてきた。これは1996年9月以来、30年ぶりとなる。この日に10年国債の入札があり、その結果を基に10年変動の初期利子が決定された。
この10年国債の入札結果を受けて変動10年国債の初期利子は1.95%(税引き前)となった。これは8月募集(9月発行)の1.87%を上回って過去最高利率となった。
固定5年の利率は2.24%(税引き前)となり、こちらも8月募集の2.06%を上回り、過去最高利率となった。
固定3年の利率は1.96%(税引き前)となった。8月募集の1.71%を上回って過去最高利率となった。
参考、「個人向け国債の発行額の推移」財務省 https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/appendix/kojin_suii.xls
3年固定、5年固定の利率と10年変動の初期利子はすべて過去最高を更新した。5年固定は個人がさらに食指を動かしそうな2.0%を超えてさらに引き上げられている。
個人向け国債の利率が上昇してきたのは日銀が金融政策の正常化に乗り出し、政策金利を引き上げたこと。物価の上昇や欧米の長期金利の上昇も手伝って日本の国債利回りも上昇してきたことによる。
6月15、16日の日銀の金融政策決定会合では政策金利を1.00%まで引き上げた。7月30、31日の会合では金融政策は現状維持となったが、9月会合での追加利上げ観測が強まりつつある。
日本では消費者物価はいったん2%を割り込んでいるものの、今後は上昇が加速する可能性が強い。
欧米の長期金利が上昇し日本の長期金利も3%台に上昇するなど、この金利上昇が個人向け国債の利回りに反映されている。
5年固定の利子が2.24%となっているのに対して、7月の全国消費者物価指数は生鮮食品を除く総合で前年同月比1.8%となっている。
預貯金金利などはまだ低位となっているが、個人向け国債については物価上昇に耐えうる水準となっている(ただしエネルギー関連の政府補助もあり消費者物価指数が低めになっている事にも注意)。
特に将来必要とされる資金は安全性を優先すべきであり、1年経過後の途中売却でも財務省が元本で買い取ってくれる個人向け国債は個人における資金運用において大きな選択肢となりうる。
国債の利回りはまだ上昇途中とみていることもあり、個人的には10年変動を引き続き推している。ただし、2%台に乗せた5年固定も魅力的ではある。
ニューヨーク・タイムズは1日、ベッセント米財務長官が今年5月に片山財務大臣と夕食を共にした際、2時間以上にわたって日本の経済政策に対する不満をぶちまけたと報じました。
記事によるとベッセント長官が今年5月に来日した際、都内の高級料理店で片山大臣と夕食を共にし、日本の過剰な円安が日本のインフレを悪化させているとの認識を示し、2時間以上にわたって高市政権の経済政策に対する不満をぶちまけたということ。
ベッセント長官は片山大臣に対し、日銀が利上げをすれば状況が改善すると述べたほか、「なぜ日銀に独立性が与えられていないのか」と追及したと。
ニューヨーク・タイムズには以前、私も取り上げてもらったことがあるが、それはさておき、「不満をぶちまけた」との表現は怒り心頭の現れであったのか。
米南部ノースカロライナ州アッシュビルで開幕した20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席していたベッセント財務長官は8月31日、「日本政府や日銀が円高につながる措置を講じると信じている」と語った。
また、ベッセント米財務長官は1日にはG20の記者会見で、日本を名指しし「(金融緩和と積極財政を志向する)リフレ政策をやめるべきだ」と述べていた。高市政権が進める積極財政の見直しや、円安是正に向けた日本銀行の利上げを事実上、求めた格好となる。
日本ではなかなかリフレ派である高市首相に楯突くコメントはあまりみられない。しかし、さすがにインフレ下にあってリフレ政策を進めることのリスクは多くの人も意識されつつあろう。
結果として外圧といった格好とはなったが、これで果たして高市氏がリフレ政策を諦めるのかといえば、むしろこれが高市氏の政策の根幹ともいえるべきものであり、政策転換は期待しても無駄であろう。
せいぜい日銀の利上げをいやいや認める程度でしかないのではなかろうか。
9月1日に日銀の高田審議委員は札幌市で講演し、物価の上振れリスクに対応するため、一定のペースや幅にとらわれず、機動的に利上げを進めるべきだという考えを示した。
まだ一人の審議委員の意見であり、執行部を含めた全体の意思表示ではないとの意見もある。確かに執行部は慎重である。しかし慎重であったことで、正常化が遅れに遅れた。それが今後の金利上昇ピッチを速めるリスクが存在する。
リフレ派は日銀の利上げに拙速と批判していたが、欧米はすでに2021年から2022年にかけての物価上昇に応じて政策を切り替えている。何が拙速だ。
拙速どころか、遅れに遅れた状態となってしまっているいま、一定のペースや幅にとらわれず、機動的に利上げを進めるべきだという考えは当然のことである。
2026年9月1日に日本の長期金利はついにというか、やっと3%を付けてきた。3%を付けるのは1996年9月以来、30年ぶりとなる。
長期金利の3%は通過点と言い続けてきたが、なかなか3%すら付けず、自分はオオカミ少年となってしまうのかと思っていた。まさか自分の誕生日に3%を付けるとは思ってもみなかった。
今回の長期金利3%の復活は、複合的な要因が重なって押し上げてきた格好となる。その複合的な要因がすぐに収まるとは考えられず、繰り返すが3%はあくまで通過点になると予想している。
3%というのは2026年度予算編成にあたっての想定金利と同じである。今年4月当初の長期金利が2.300%あたり、9月1日で3.000%に。5か月0.7%、月あたり0.14%上昇のペースか。このままの速度で上昇するとなれば2027年3月末に3.980%と4%近くに上昇する。年平均長期金利は2026年度予算の想定金利3%超えとなる可能性もある。となれば、少なくともバッファーはなくなる計算となる。
これまで補正予算の編成等で国債のカレンダーベースの増発を回避できたのは、この想定金利と実際の利回りのギャップによる財源があったためである。、これが今年度はなくなる可能性が出てきた。政府は2027年度予算編成にあたり、補正予算を込みとしているようだが、私には予算規模を大きくするための言い訳にしか聞こえない。
それはさておき、気になるのは長期金利のターミナルレートとなろう。
日銀の政策金利のターミナルレートが2%超え予想が多くなっているようだが、長期金利のターミナルレート(最終到達利回り)はどのあたりを想定すると良いのであろうか。
長期金利の1990年以降のチャートをみると手元の動きはまだ勢いがあるので、5%あたりまではあっさりと上昇してくるようにみえる。すでに30年国債の利回りは4%台に上昇している。
代表的な国債運用指標であるFTSE世界国債インデックス(WGBI)によると残存期間が10年以上の国債を束ねた同指数の最終利回りは2025年末の4%付近から足元で4.5%まで上昇したそうである。これはリーマン・ショック前の2007年を上回り、2004年以来22年ぶりの高水準となったとか。
日本の長期金利は1996年以来の水準となっていることから、それ以前の利回りを確認する必要がある。そのピークとなったのが1990年から1991年に掛けてである。バブル潰しに積極的となった平成の鬼平と呼ばれた三重野日銀総裁時代、日銀は政策金利を6%まで引き上げていた。
日銀が政策金利を短時間に大きく上げすぎていたために、その後の失われた30年が生まれたとされているが、実際はそうではない。米国もやはり1990年あたりで金利がピークアウトしていたのである。日本だけの現象ではなかった点にも注意が必要となる。
1990年9月28日に長期金利は8.240%まで上昇したとの記録が手元にある。しかし、実際に長期金利がどこまで上昇したのかは私は確認できない。というのも1990年に何故か1年ほどディーラーから外されて企画室で上場準備を手伝っていたためである。前年に大きな損失を抱えて、といったわけでもなく1年後はディーラーに復帰しているが、1990年は相場にタッチしていなかった。
ということで、もし当時の10年国債の利回りのピークがどこまでだったのかご存じの方がいらっしゃったら教えてほしい、という問い合わせをしたところ、調べていただいた方がいた。ありがとうございます。やはり1990年9月28日であるが、8.685%まで上昇していたのである。
それとともに1990年から1991年の公定歩合(当時の政策金利)の「6%」というのが気になっている。国債利回りの6%というのは超長期ベースではすでに見えつつある。
10年国債の6%というのも個人的には大きな意味を持っている。1985年に東証に上場した長期国債先物の標準物の金利が6%だったからである。ここにきて債券先物は125円台で推移しているが、10年国債の利回りが6%に上昇してくると100円が見えてくる。チーペストは7年債に連動するだろうとのご意見もありそうだが、とにかく私は債券先物の100円をまた見てみたいのである。
ただし、金利が上がって困る方は大勢いるとは思う。しかし、これが本来の金利の動きだとも思っている。
2000年あたりから結果として金利が閉じ込められていた反動もあってここにきての上昇のスピード感は半端ないかもしれない。また、2021年から2022年にかけての世界的な物価上昇に応じた金利の引き上げが欧米などに比べて大きく遅れた結果、円金利の上昇ピッチが速まる懸念もある。
いずれにしても今回の金利上昇は日本だけでなく、欧米もなので世界的に金利の「大転換」が起きていると考えられる。
政府の2027年度予算の概算要求総額が一般会計で143兆円前後となることが31日、分かった。2026年度要求の122.4兆円を大幅に上回る過去最大の規模となる。上限を設けない成長投資枠の新設に加え、補正予算も含めた一体予算としたことで要求額が急増した(31日付日本経済新聞)。
高市早苗政権が手掛けた2025年度補正と2026年度当初を足し合わせた140.6兆円を2兆〜3兆円ほど上回る水準となった。31日までに各省庁が財務省に要求した政策経費をもとに日本経済新聞が集計した数値となる。
このうち長期金利の上昇で国債の利払い費と償還費用を加えた国債費は。国債費を36兆6386億円で要求するとしている。過去最大規模となる。2027年度の利払い費の想定金利は3.8%と2026年度予算の3.0%から引き上げる。
ただし、今後の長期金利の上昇次第では、想定金利が引き上げられたり、引き下げられたりする可能性がある。引き上げられる可能性が高いと個人的には思っている。
国債費の増加もあり、本来であれば全体の予算額を前年度以下に抑えるなどして財政の健全化を意思している姿勢を示す必要があるが、それでころか発散している。
補正予算も含めた一体予算というが、予算規模を増加させるための言い訳にしか聞こえないのだが。いざ物価が想定以上に上昇した際とかには、補正予算を編成してガソリン補助などの延長等を行うことなどは容易に想像できる。
債券市場では中東情勢の再緊迫化による原油価格の上昇とそれによる欧米の国債の下落などもあって、日本国債も売られている。日米の利上げ観測もある。ただし、現状は国債のパニック売りといった様相とはなっていない。
しかし、この2027年度予算が本当に現実化するのであれば、これをきっかけに日本版トラスショックが起きる懸念が強まると私はみている。
長期金利が3%で止まる保証はない。すでに金利や物価がおとなしかった時代は終わっている。それ以前の時代の金利動向を見る限り、国債利回りがどこまで跳ね上がるのかは予想が難しい。
物価に応じたなだらかな金利上昇であれば、まだそれによる影響は限定されよう。しかし、特に国債利回りが大きく跳ね上がるリスクが出てきたとみざるを得ない。
FRBのウォーシュ議長が米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で、基調的なインフレ率が目標の2%に向かわなければ「やるべき仕事がある」と述べた。これを受けてFRBが9月のFOMCで利上げを決めるとの観測が広がり、28日の米2年債の利回りは一時4.36%と大きく上昇した。
31日には中東情勢が再び緊迫化を強めたことから、原油先物価格が上昇し、インフレへの懸念から米債は売られ、米10年債利回りは4.75%と節目の4.74を突破した。こちらは5%が見えてきた。
ベッセント米財務長官は、日銀の金融政策運営を巡って、日銀の植田総裁が正しい判断を下すと期待していると語っていた。そしてG20・主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議が開かれている米国ノースカロライナ州・アッシュビルでベッセント財務長官が日銀の植田総裁や片山財務大臣と、相次いで会談し日銀が利上げに踏み切ることなどが必要だという認識を日本側に伝えたと明らかとなった。すでに9月の日銀の利上げは市場ではだいぶ織り込んではいるが、その可能性を強めさせた格好となった。
国の来年度予算案の編成に向けて、各省庁による概算要求が31日に締め切られる。新たに設ける投資枠で要求額に上限を設けないことなどから総額は一般会計で、前回の122兆円余りを大きく上回って、143兆円程度になるとの見方となっている。つまり過去最大を更新する見通しとなっている。これは補正予算を込みでということらしいが、本当に補正は組まない保証はない。
新規国債の発行額は40兆円規模との予想も出ているが、その規模で消化できるかどうかというより、このインフレ下にあって財政規模を大きく膨らませて、さらに物価上昇圧力を強めるとの懸念も出てこよう。むろん国債市場では金利上昇過程にあって、先行きの懸念から投資をいったん控える動きも見えている。28日の2年国債入札が低調な結果となったのもその現れとなる。
高市政権が積極財政を引っ込めない限りは、金利と物価が上昇する懸念が強まることが予想される。
そんな最中、今度は中東情勢が再び怪しくやってきた。トランプ米政権はイランとの戦闘終結に向けた交渉が行き詰まるなか、経済制裁拡大で圧力を強める方針に転換した。弾薬不足や他地域への影響といった制約に直面しているとの観測もある。
そのタイミングで米軍は30日、ホルムズ海峡に浮かぶイランのララク島を攻撃したとも報じられた。これに対してイラン側は「トランプ政権は重大な過ちを犯した。この攻撃には報復がなされ、侵略者は罰せられる」と述べたと伝わった。
31日のWTI原油先物は一時、85ドル台に上昇してきた。これを受けて米債だけでなく、欧州の国債利回りも上昇してきている。ドイツの10年債利回りは2011年5月以来の水準に上昇し、フランスの10年債利回りは2008年11月以来の水準に上昇した。世界規模での金利上昇となっている。
どうやら負の連鎖が重なり、ドル円は160円台を回復するとともに、10年国債の利回りは3%に向けて上昇しつつある。本日はこんな状況下で10年国債の入札も予定されている。何度も繰り返しているが長期金利の3%も通過点に過ぎないとみている。