. 若き知
2022年12月2日「12月のFOMCでは利上げ幅は0.5%に縮小か」

 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は11月30日に、ワシントンのブルッキングス研究所で講演した。利上げを減速する時期について「早ければ12月の会合になる」と表明した。

 FRBは11月1〜2日のFOMCで4会合連続となる0.75%の利上げを決定した。12月13〜14日に開催予定の次回会合での利上げ幅が注目されていた。

 米労働省が11月10日に発表した10月の消費者物価指数は前年比伸び率が7.7%となり、9月の8.2%から減速し、市場予想の8%程度も下回った。年6月には9.1%と1981年11月以来の大きさを記録していたがそこから鈍化傾向にある。

 これを受けて市場では利上げが鈍化するのではとの観測が強まった。これに対してたとえば、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、インフレ抑制のため政策当局にはやるべき仕事がまだあると指摘していた。

 12月のFOMCで0.75%のままの利上げか、0.5%に圧縮するかどうかが焦点となっていた。これに対して、パウエル議長の発言によって0.5%に減速するであろうとの見方が強まった。

 11月30日の米10年債利回りは3.60%と前日の3.74%から低下し、ダウ平均は続伸し737ドル高、ナスダックは482ポイントの上昇となった。ドル円は一時140円に接近後、戻り売りに押され137円60銭台となっていた。

 12月に利上げ幅を0.5%とし、その後も物価動向をみながら利上げ幅を縮小させてくる可能性は高い。ただし、利上げのスピードは落としても、金融政策の方向を変えるまでにはまだかなりの時間を有することが予想される。

 株式市場などでは先をみて動くが、さすがに利下げを織り込むには時期尚早であろう。FRBの政策金利は、物価上昇にブレーキが掛かるまで高止まりが続くとみておく必要もあるのではなかろうか。

 ウィリアムズ総裁はインフレ率について、年末までに5〜5.5%に鈍化し、来年には3〜3.5%に減速すると予想。失業率については現在の3.7%から、来年末までに4.5〜5%に上昇する可能性があるとしていた。 


2022年12月1日「日銀保有のETFをどうするのか問題」

 日銀は異次元緩和の際に、国債や社債などだけでなくETFやREITの購入も行ってきた。11月10日現在における日銀による日本株ETFの保有残高は約37兆円、REITは約6574億円となっていた。

 日銀が保有している日本株ETFとは日本の株式で組成されている投資信託のことである。

 もちろん日銀が保有している国債がすでに500兆円を超えており、こちらをどうするのかも問題となる。

 イングランド銀行は11月1日に資産買い入れプログラムで購入した英国債の最初の売却を実施した。

 FRBについては主に償還期日を迎えた債券への再投資を単に控えることによって、徐々に残高を減少させようとしている。

 日銀はすでに金融政策を量から金利に移行させている。これによって国債買入の量は一時減らしていたが、世界的な物価上昇と金利上昇を背景に、日本国債の利回り上昇を受けて、毎営業日連続無制限指し値オペを実施。さらに10年以外の年限の国債買入も増加させるという、市場への対抗手段をとった結果、減少にブレーキが掛かった。

 すでに消費者物価指数(除く生鮮)が前年比で軽く3%を超えてきており、日銀は少なくとも非常時対応の金融緩和から、柔軟で機動的な金融政策に舵を切らなければならなかった。しかし、それをせずむしろ市場が間違っているとばかりに結果として緩和を強化した。

 こんな政策がいつまでも続けることは考えづらい。ノーマルな金融政策に戻さないと市場の歪みが拡大しかねない。

 ということで、ノーマルな政策に戻す場合に、国債のように償還がないETFやREITはどうするのか。このまま永遠に保有するつもりなのか。

 解決策としては売却以外には考えづらい。日銀が保有資産を売却できないわけではないし、国債も売りオペは可能である。

 しかし、マーケットへの影響が、という声も出てこよう。それについてはタイミング次第である。そして、日銀が大量に日本株ETFを購入したことで、株式市場がある程度、底上げされていたことも確かではなかろうか。それが剥がれ、本来の東京株式市場の姿に戻す必要もあるのではなかろうかとも思う。ただし、時間は掛かることも予想される。投資も買うタイミングより売るタイミングの方が難しい(?)。


Copyright 牛熊 1996-2021