2000.9.28「統一理論」
アインシュタイン博士が夢見たと言われる統一理論。森羅万象を説明しうる究極の理論。相対論と量子論を統一する理論。超ひも理論やM理論といったものも考え出され、この究極の理論といわれる「統一理論」解明を目指す動きもすすんでいる。天才アインシュタインですら考えつかなかった理論が解明されるのか。ただひとつの思いつきが大きな発見に繋がるのも確かである。ジェームス・D・ワトソン博士などがDNAの螺旋構造の考え方を考えついたのは1953年。それから半世紀経たずに人間のDNA構造が解明された。果たして統一理論は解明されるのか。それとも結局存在しないのか。は、ともかくとして相場の動きも理論づけていこうという動きがある。ファンダメンタル分析とテクニカル分析、需給分析の統一理論ではない。日本の経済物理学の先駆者といえるソニーコンピューターサイエンス研究所シニアリサーチャーの高安先生は、ゆらぎの変動が突然大きくなる、つまりひとつの状態から別の状態に移り変わる「相転移」という考え方を相場変動に取り入れられた。例えば水はある一定の温度で固体が液体となり液体が気体となる。安定しているものがある一定温度になると突然変異を起こす。相場では小さなゆらぎが続いているうちに突如として大きなゆらぎが生じる。そのあとは需要と供給のバランスのとれた状態に落ち着く。これを物理学では「自己組織臨界現象」と言われているとか。相場を客観的に分析する手法としてのこの「経済物理学」は医学におけるDNAの二重螺旋構造に匹敵するような発見をもたらす可能性がある。常にゆらいでいる価格が安定した状態から大きな変動も起こす。その動きの解明はファンダメンタルやテクニカル、人間心理といったものの個別な分析ではかなりむずかしい。儲けているディーラーはそのゆらぎの増幅具合を経験則で感じることができる。従って相場のトレンドで取る必要はなく、ゆらぎの振幅さえ大きいものがあれば儲けることが可能である。そのディーラーの勘といわれるものが理論化されるというのはたいへん興味がある。相場に対する「統一理論」は果たして見いだされるのであろうか。
2000.9.26「女子マラソン」
9月24日の日曜日は早起きした方も多かったようである。私もそのうちの一人。日曜日は9時すぎに起きることが多いのだが、この日はさすがに早起きした。というか、前日のサッカーで日本がアメリカにPK戦の結果負けてしまったため、やけ酒を飲んで早く寝てしまったことが早起きの主因と思われる?。サッカーはあと一息だったのに・・・。まあ、その憂さ晴らしをマラソンの高橋尚子選手はしてくれた。日本女子陸上史上始めての金メダル。みごとな作戦勝ちではあったが、最後のトラックでの高橋選手の様子は如何に金メダルをとるのが苦しいことなのかを教えてくれた。もちろんここにくるまでには想像を絶するトレーニングも積んだものと思われる。我々はその結果しかみていない。楽して世界の最高峰に立つことはできない。楽して目立ちたがる若者も多いが、結局彼らが出来るのは人に迷惑がられるものがほとんど。白鳥の優雅な姿の裏には水に隠された必死の水掻きがあるのを覚えていてほしい・・・って、うむ、おじさんのお説教になってしまったような。とにかく、高橋選手、おめでとうございます。
2000.9.26「第二回エコノフィジックスフォーラム」
9月22日、5時30分より「第二回エコノフィジックスフォーラム」が開催された。前回を超える200人近くの方々にご参加いただいた。司会進行はご存じチェース証券の倉都康行さん。CMDRのYoonさんの講演を皮切りに、スタンレー教授そして高安先生と続いた。前回のフォーラムもそうであったが、たいへん熱心に聞かれている方がほとんど。確かにこのフォーラムは、会社から行かされたとかのセミナーではなく、興味ご関心のある方に集まっていただいている以上、当然といえば当然。そしてそれ以上に講演そのものに対して刺激を受けたためではなかろうか。しかし、著名なスタンレー教授はたいへん気さくな方であった。また、今回初めて高安先生の奥様の高安美佐子さんにお会いしたのだが、なんと私のことを高安先生からお聞きになっていたとおっしゃっていた。いたく感動!!。翌日は新潟での学会にスタンレー教授、高安先生が講演され、そして倉都さんも講演なさったとか。いやはや、こんなすごい方々と知り合うことができたのも、やはりインターネットのおかげであろうか。そうそう、ロイター社の藤崎さん、お疲れさまでした。盛況で大成功でしたね。
2000.9.21「サッカー、ブラジル戦」
サッカー日本代表は対ブラジル戦で0対1で負けたもののスロバキアが南アフリカをくだしたことから32年ぶりの決勝トーナメント出場が決まった。最後は運命の神様に委ねられた結果であり、前回のアトランタではやはりブラジルを破り2勝をあげながらも決勝には進めなかった。しかし、このオリンピックのサッカーはテレビでも高視聴率をあげている。それに対してJリーグの人気はかなり落ち込んでいる。サッカー熱が冷めているわけではないことはオリンピックをみれば明らかだが、このギャップは何なんだろう。スター選手が不在だからであろうか。現在最も人気がある選手の中田英寿がセリエAでプレーしているためということもあるかもしれない。野球も強くて当然のジャイアンツの優勝が目の前だが視聴率が落ち込んでいるらしい。相撲も含めてカネをとって見せるプロのスポーツの人気が停滞気味。ここにも消費の落ち込みといったことが影響しているのであろうか?。
2000.9.20「先物の四本値どうします」
Evを抜きにして前後場のみを使用。 47人
Evを含めて前後場を合わせたものを使用。24人
前後場とその日のEvを合わせたものを使用。 9人
2000.9.19「チャンスは必ず来る」
本日の日経新聞のスポーツ欄にJリーグ、鹿島アントラーズの牛島社長のコラムが掲載されていたが、その中にアントラーズを支えるジーコの言葉が書かれていた。これは我々も肝に銘じておかるばならないことではないかと思う。
「チャンスは必ず来る。いつ来ても、つかめるように備えておくのが本当のプロだ」
「自分と同じぐらいの才能の選手は、ブラジルにはごまんといた。ただ、私は自分で自分を磨くすべを知っていた」
さすが神様ジーコである。
2000.9.18「UKI 11月国債の増額は」
2千億増額され1兆6千億に・・29人、45.3%
1千億増額され1兆5千億に・・16人、25.0%
ない・・・・・・・・・・・・・15人、23.4%
4千億増額され1兆8千億に・・・4人、6.3%
2000.9.18「イブニングセッション」
本日18日から東証の債券先物取引においてイブニングセッションが開始される。15時30分から18時まで東証にて債券先物の取引が出来るようになる。これまではこの時間帯に先物取引をする場合にはLIFFEと言われるロンドンにある先物市場に上場されている円債先物取引を利用せざるをえなかった。現物債が17時まで売買されていたこともあり(ただし、本日から日本相互証券においても17時10分から18時5分までの取引が開始される)、LIFFEにおいても先物はそこそこ取引されていた。東証ではイブニングセッションの導入の意義として「利便性の向上」「新たな取引機会の創出」「グローバル・スタンダードへの対応」といったことが上げられている。先日取引が開始された限月間スプレッド取引など予想以上に売買されており、このイブニングセッションもそれなりの利便性はもたらしてくれるとは思う。ここにきて債券の価格変動幅が大きくなってきており15時以降の取引も増加する可能性がある。ただし、先物の利便性が良くなっても現物債の売買が膨らまなくては意味がない。しっぽばっかり大きくなってしまう結果となりかねない。現在日本の債券市場、つまりは長期金利を動かすベンチマークとなっているのは債券先物である。流動性といった意味合いからいたしかたないというものの、日本の長期金利の行方を派生商品に託して果たして良いものであろうか。
2000.9.14「債券先物15周年記念パーティー」
昨夜、東証さん主催の「債券先物15周年記念パーティー」が開催された。かなりの人数の方が集まったようで盛大であった。食べ物も豪華、なんとおみやげ付きであった。1985年10月に日本で最初の本格的な金融先物取引として債券先物取引がスタートした。当時、私は投資信託の事務をやっていたが、この先物には大変興味が引かれ、当時出版された先物関係の本を買いあさり、会社を休んで債券先物のセミナーにも参加した。スタート時までにどうやら会社のシステム対応は無理と判断し、勝手に当時のソードのコンピューターを使い債券先物の事務処理システムまで作り上げた。実際には会社のシステムは間に合わず、パソコンのシステムがしっかり動いたもので、実は今でもオンライン化されていないといった副作用(?)も生んでしまった。先物がスタートして1年後に、念願の債券ディーラーとなった。先物主体にやるつもりが、債券はディーリング相場となり89回国債を中心として現物債が売買の中心となっていた。そのため現物と先物、両方を日に何回転もトレードした。当時の先物の注文は専用回線の電話を使い実栄証券さんに取り次いでもらっていた。その人間味ある取引が好きであったが、いつのまにか売買もシステム化されてしまった。債券バブルが弾けると債券のディーリングは先物中心となった。途中1年ほど企画に移ったがすぐに現場復帰し結局13年も債券ディーリングをやっている。その経験から書かせていただいたのが「マーケットサバイバル」である。それはともかく、昨日のパーティーではいろいろな方にご挨拶をいただいた。「債券ディーリングルーム」のおかげで本当に多くの方と知り合うことができた。ぜひこういった機会があった時は、また声をかけてください。「牛熊見ているよ」だけでも結構ですので。声をかけていただくだけでもとてもうれしいのです。
2000.9.13「館山」
昨日、館山にトレーダーとともに出張した。ディーラーという立場上、なかなか出張という機会がないのだが、ある金融機関で運用をご担当されている方が私のホームページを見ていただいている上に「マーケットサバイバル」までご購入いただいたという話を聞いて、おじゃますることにしたのである。1時半の東京駅発「ビューさざなみ」という特急で約1時間半ほどかかる。京葉線から接続するようになって始めて内房線に乗ったのだが、なかなか景色がいい。東京湾やディズニーランド、幕張新都心を抜け、ザウスが通り過ぎる。居眠りをして気が付くと単線になっていた。館山に近づくと海岸が迫ってくる。東京湾には静かに貨物船が浮かんでいた。たまにはこういった風景を味わうのもいいかなと車窓の風景を楽しんだ。館山について支店の車でお客様のところへ。30分ぐらい相場の話をさせていただいた。あまり中長期的な相場を常日頃考えていないこともあって、年末予想とか聞かれてどぎまぎ。出張する時はなにはともあれ、相場の先行き見通しぐらいしっかりとシナリオを作っていかねばならないと反省。といっても、2時間以上の先行きを読むことは困難であると自覚している者がはたして1カ月先の相場を読めるかどうか。当たるも八卦、当たらぬも八卦である。それはともかく、支店長に地元の魚料理をごちそうになり館山を後にした。たまには出張もいいものである。それにしても毎日のように遠方に出張されている方は確かにたいへんであると感じたことも事実であった。
2000.9.12「ガロ」
漫画雑誌ではない。昔、「ガロ」というグループがあった。1970年に結成しいつの間にか消えていった。フォークグループのようでそうではない。かといって歌謡曲ともいえない不思議な魅力。「学生街の喫茶店」がヒット。その後、「ロマンス」「君の誕生日」、かまやつひろし作曲の「四つ葉のクローバー」が次々にヒット。1つの時代を築いた、堀内 護(マーク)、日高富明(トミー)、大野真澄(ボーカル)からなる三人組。中古のCD「GAROベストアルバム」が300円で売っていたので思わず買ってしまった。そして、その中に入っていたのは、まさに若かかりし頃の自分の思い出だった。
2000.9.11「2%をつけるのは」
今週は無理でも今月中には?・・・30人、38.5%
今月は無理かも・・・ 25人、32.1%
来週にも? ・・・10人、12.8%
年内2%はつけない・・・ 10人、12.8%
先週中?・・・3人、3.8%
2000.9.8「ムーディーズの格下げ」
ムーディーズは円建て国債の格付けをAa1からAa2に引き下げ、日本政府円建て債務格付けの見通しはネガティブに据え置いた。2ノッチの引き下げも想定されていたが、1ノッチに止めたことで今後さらに引き下げられる可能性がある。それをムーディーズは五分五分としている。この格下げに対してはすでに想定されており、あとはどういったタイミングで発表されるかを市場は注目していた。何かしらのイベントの前後といった見方もあり、11日のGDPを前にしての発表となったようである。もちろん格下げの理由は言わずもがな、日本の財政悪化である。自民党の亀井政調会長は10兆円の補正予算について言及したが、それに対して加藤元幹事長は激しく非難した。「ダムや道路をつくるのも良いが、効果があるのは病院や学校施設」という意見に対して全面的には賛成しにくいが(建物を造れば良いと言う問題でもないはず)、構造改革を進めるにあたって補正予算の使い道についてはよりいっそう踏み込んだ論議をしてほしい。この格下げについては政治家から批判的な声が相次いだが、これは立場上いたしかたないかとは思う。果たして「ムーディーズの方が亀井氏より信用ある」かどうかはわからないが、何が何でも大型補正という考え方はまさに旧態依然。衰退産業にいくら金をつぎ込んでも乾いた砂漠に水をまいているようなもの。すでに芽が出てこれから伸びてくる草木にこそ水をまくべきである。政府は確かに弱者を救済する必要もあるかもしれない。しかし、その弱者がただ政府からのばらまきを待っているようでは効果は限られる。別に「IT関連」うんぬんではなく、先を見据えた金の使い方を考えてほしいが、やはり無理か・・・。
2000.9.6「限月間スプレッド取引と限月移行」
東証の債券先物がスタートして15周年を迎えるそうである。私がディーリングをスタートしたのは先物が上場されてから丸一年後であった。この15周年を記念して13日にパーティーが開催されるとか。東証の正会員もしくは特別会員の金融機関で債券先物を担当されている方は是非出席いただきたいと東証の方がおっしゃっていました。お問い合わせは東京証券取引所派生商品部まで。
それはさておき、債券先物取引において8月14日からの限月間スプレッド取引がスタートした。また、今月18日からはイブニングセッションがスタートし、その際に制限値幅の臨時拡大措置も取り入れられるようである。本日はちょうど限月移行をしたこともあり「限月間スプレッド取引」による影響を考えてみたい。
「限月間スプレッド取引」の導入はロールオーバーと言われる先物の限月間の乗換をしやすくさせる。これまではそれぞれの限月で売買を実施する必要があり、特にショートロール(ショートつまり売りを次に限月に移行させること)が入ると「踏み上げ」という現象が起こった。先物を現物決済する場合にはチーペストの残存額等の関係で売り方が不利になるためである。
このショートロールを狙っての期近の買い仕掛等も入ったことも踏み上げの原因だが、恒常的に大量のショートをしていた金融機関がいたこともおおいに影響していたと思われる。実際にはショートロールだけではなくロングロールも存在しているため、「限月間スブレッド取引」の導入により両者のロールが同時に出来ることで踏み仕掛も入りにくくなる。また、今回踏み上げが起きなかった理由としてはこれ以外に大きな両建てが存在しなかったことも影響している。中心限月が2000年6月限から9月限に移行した際にピーク時から建て玉が15兆円程度減少している。大手ヘッジファンドが債券先物の建て玉を減らしたことも建て玉減少の一因と言われるが、主因は一部金融機関が大規模の建て玉を保有していたものを解消したためと推測されている。この建て玉解消と限月間スプレッド取引の導入、そして金利が上昇局面となり、現引き側にとっても不利な要素が加味されたことで、今回の限月移行が比較的にスムーズにいったものと思われる。
2000.9.5「増発その3、10年国債」
10月以降の前倒し発行において最も可能性が高いと言われていたのが10年国債の増発である。しかし、ここに来てその可能性が薄れてきたと思われる。その理由として、まず上げられるのが7日に入札される変動利付国債の増発がなかった事。9月発行ということもあり、そもそも増発はないと思っていたむきも多いと思うが、実は増発の可能性がたいへん高かったと言えるのである。特に前回入札がかなり好調だったことに加え市場参加者からも増発希望があったと言われる。加えてなんといっても金利上昇局面に強い債券だけになおさらである。6000億円から場合によると4000億増発し1兆円となるのではとの見方もあった。しかし、その増発は見送られた。加えて8月31日に大蔵省は国債市場懇談会の開催を発表した。これは今後の国債増発を睨んでのものとも考えられ、増発に対してかなり神経を使っているのではとも思われる。日銀のゼロ金利解除後に長期金利は0.2%上昇しカレントで2%が目前となっている。2%といえば1998年の運用部ショックが思い出されるところである。その際に取られた政策が「10年国債の減額(1兆8千億円から1兆4千億円に)」と「資金運用部の国債買い切りの再開」である。もちろんその後の日銀によるゼロ金利政策自体も長期金利対策と見られている。ゼロ金利は解除されたものの、10年国債の減額と運用部の買い切りは継続しており、先日、大蔵省は当面買い切りを継続するとアナウンスした。ということは市場が予想している10月からの10年国債の増額の可能性は低いものと見ざるをえない。むろん来年度の国債市中消化額や今後の補正の行方によっては、ある程度の前倒し発行は避けられないと見られている。しかし、宮沢蔵相は補正に関しては極力国債発行を伴わないかたちで実行したいむね発言もあった。それでも来年度の市中消化額の大幅増が存在する。市場では10月以降、2000億円程度の増発はいたしかたないといった認識を持っていたような気もするがいかがであろうか。今回もまた牛熊インデックスにご協力いただければと思う。
2000.9.5「UKI 5年国債統合について」
5年国債と4年、6年国債の統合は・・・統合した方が良い。47人、69.1%。
5年国債と4年、6年国債の統合は・・・統合しなくてもよい。21人、 30.9%。
2000.9.5「慎吾ママ」
さすがに、これはご存じの方が多いと思うが、フジテレビの「サタスマ」の慎吾ママがソロデビューした。「慎吾ママのおはロック」という題名だが、すでにあちらこちらで流れている。ベストテンでもトップ近くにいるらしい。「おっはー」というのはテレビ東京のヤマちゃんこと山寺宏一氏が司会をしている「オハスタ」が元祖であるが、どうやら正式に使用許可を得ているらしい。ヤマちゃんはポケモン映画で「ミュー」や「ルギア」の声も担当しているが、洋画の吹き替えも多数ある声優でもある。それはともかく、この「慎吾ママのおはロック」は単純明快でノリがいい。ヒットすべくしてヒットしている。我が家の三女も運動会のダンスでこれを踊るそうである。もし聞いたことがない方がいらしたら、一度は聞いておいた方が良いかもしれない。時代に乗り遅れないためにも?。
2000.9.4「増発その2、5年国債」
前回、増発可能銘柄のひとつとして5年国債をあげたが、これには「統合」という問題がある。
「5年国債」の発行というのは市場参加者も、もしかすると発行体にとっても悲願であったのではないかと思われる。しかし、発行を難しくさせていたのは「利付金融債」の存在であったと言われる。長銀、日債銀が一時国有化され、興銀も、みずほグループとして第一勧業銀行と富士銀行とともに統合される。また都銀のSB発行が認可されたことなどもあり、5年国債の発行を妨げるものが次第になくなり、2000年の2月債から5年国債が毎月8000億ずつ発行された。今年度に入り1000億円増額され、毎月9000億円発行されている。5月8日から東証で新中期国債先物がスタートしたこともあり、まさに中期ゾーンのエースとして期待された。
しかし早期に実施されると思われた4年、6年国債との統合は今だ実現していない。隔月毎に発行されている4年、6年国債(それぞれ5000億円ずつ発行)と毎月発行されている5年国債を統合することによって、1兆4000億円と10年債と同規模の発行により、流動性の強化をはかるのではと思われていた。そもそも4年、6年という国債は5年ものの代替銘柄という意味合いが強かったはずである。
新中期先物のスタートに合わせた流動性強化策は今だ実現していない。なぜであろうか。新中期国債先物の出来高が予想されたほどには増えていないというのは後講釈にも聞こえる。4年と6年のそれぞれの投資家ニーズが存在し、入札も順調であったためとの見方も可能かもしれない。加えて、勝手な憶測をさせてもらえば、そこにシ団の問題も絡んでいるような気もする。つまり5年債に統合し1兆4000億とした場合に、国債の安定消化という意味合いから、今だに存続されている10年国債のシ団引受と整合性がなくなるのではなかろうか。10年国債の月々1兆4千億円という発行額のうち4割に当たる5600億円がシ団の引受となっている。それに対して5年国債の1兆4000億円の全額入札というのは残存期間の違いというだけでは説明が難しいのではないかと思う(1兆2000億の2年国債はひとまず置いとくとして・・・)。もちろんシ団の存続自体の必要性の有無も問われるところではあるが、どうも5年債の統合には引受シ団という存在も影響しているように私には感じるのだが。
さて、こういった状況で、5年国債の統合をするべきかすべきでないか、したほうが良いのか必要ないのか。これは先物の流動性強化の必要性を含めて今後我々としても考えていく必要がある。もちろんそれを決定するのは大蔵省ではあるが、「マーケットフレンドリー」な政策をとっている以上、市場の声は反映されるはずである。月々1兆4000億円もしくはそこに多少の増発も加わるとして、大型銘柄の存在は今の市場に必要なのかどうか。
現物債の流通市場での流動性強化も必要になってくるはずである。すでに「指標銘柄」という存在が消滅している。直近発行された国債がそう呼ばれているが、特に売買高が突出しているわけではない。発行量が多ければ流動性は高まる。しかしセカンダリー市場の機能低下を考えると、むしろ4年、6年の入札が順調な限り存続させたほうが良いのではないかという気もしている。中期国債先物は標準物クーポンの引き下げ等実施されたが、我々のようなスペックなディーラーが入りこまないと流動性は確保できない。ヘッジャーやアービトラージャーだけでは売買が一方方向に偏ってしまう。受渡適格銘柄の発行額の多さだけでは、先物の流動性は計れないのも事実。
これ以外にもいろいろとご意見もおありかと思うが、とりあえず牛熊インデックスにおいて、統合をした方がよいかどうかのアンケートに答えていただきたい。そして、またご意見もちょうだいできるとうれしいのだが。
2000.9.1「偽造証券」
新潮文庫から「偽造証券」が発売された。著者はご存じ幸田真音さん。「ニューヨーク・ウーマン・ストーリー」を改題されたものである。主人公の女性はまさに幸田さんご自身がモデルのようである。特に金融関係者にぜひお勧めしたい。もちろん関係者以外の方にも。内容については・・・読んでからのお楽しみということで。幸田真音さんの公式ホームページの「スケジュール」にも紹介されているが、11月に「書き下ろし長編小説」が発売される予定とか。こちらもとても楽しみである。
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