速水日銀総裁の動きは実はたいへん読みやすいといえます。こういうと総裁にしかられるかもしれませんが、発言等は首尾一貫しています。G7とか政治家の動きがフィルターになって総裁のスタンスが突然変更したようなコメントが出るときがありますが、それが間違いであったことはこれまでの日銀の動きが証明しています。2000年4月のゼロ金利解除に前向きな総裁会見はその後のG7の共同声明でうち消されたかに見えましたが、それはご存じのように間違っていました。8月の山口副総裁の講演を聞き違えたのはマスコミとフラッシュニュースに動かされがちな我々市場参加者でした。しっかりと内容を読めばそれがゼロ金利解除を目指したものであることは明白でした。その速水総裁が最も重視していたもののひとつが構造改革であったものと思われます。ゼロ金利は構造改革の阻害要因でした。それを続けることは、決して日本経済にとってはプラスではないとの認識であったものと思われます。そのために政府の反対を押し切ってでも日銀はゼロ金利を解除しました。その後公定歩合を引き下げたことで総裁の認識が変更したのかとの見方もあるでしょうが、あれは公定歩合をロンバート化し新型貸出制度のキャップを低めに設定しただけです。確かに内外の圧力をかわす意味での貸し出し幅の縮小であったのかもしれませんが、これまでのような公定歩合の引き下げとはまったく意味が異なります。依然としてゼロ金利解除は維持されています。しかし、ここに来て柳沢金融相から不良債券処理の直接償却を勧める発言が出たことで構造改革が進展する可能性が出てきました。思い切った不良債権処理は一時的な混乱を招きますが、構造改革にとっては当然プラスです。この場合にはいったんゼロ金利に戻して0.25%に縛られず潤沢な資金供給を行うことは総裁も辞さないと思われ、これはこれまでの総裁の行動と実は一致するものと思われます。なんといっても今の日本経済を立て直すには量的緩和といった施策ではなく根本的な構造改革が必要なのです。山口副総裁の発言もこれに沿ったものであり、これが執行部の意見であることも確かだと思われます。総裁の言動は一環しています。それが総裁の良いところでもあり、悪い?(融通がきかない?)ところであるのかもしれません。ただ、これが見えている人はいまだに少ないようにも感じますがいかかでしょうか。
お待たせしました!!!。えっ、待ってない?。そんなことおっしゃらず。本日、東京兜町の千代田書店さんと大手町の紀伊国屋書店さんから「牛さん熊さんの金融講座 ゼロ金利解除」がテスト発売されました。また予約いただいた方々にも送付させていただきました。振り込み、よろしくお願いいたします。当面都内の大手書店中心に並ぶと思いますが、今月一杯は送料・振り込み手数料なしでの通信販売も実施しております。ぜひご利用いただければと思います。新生日銀の金融政策を読む上でたいへん参考になると思います。新生日銀のスタートからゼロ金利政策、そしてその解除までの日銀の動きを追っています。本日の大機小機のように「デフレだからインフレにすれば良い」といった短絡的な考え方では金融の舵取りはできません。この本を読んでいただければ、今後の日銀の動きも読めてくるはずです。量的緩和を囃す政治家やアナリスト、経済評論家の考え方に惑わされることのない日銀ウォッチングが可能となります。ぜひぜひお求めいただければと思います。めざせ!「日本国債」って、それは無謀というものかもしれません。その幸田真音さんの推薦もいただきました。
その男はJR駅の切符販売機の前にいた。おもむろに定期券を出して挿入口に差し込んだ。券売機から「切符をお求めの際は定期券を入れないでください」と声がした。男は言った、「わかったよ!」。その男は財布から金を取り出して券売機に入れた。そして、男は言った、「桜木町!」。券売機「・・・」。券売機は答えなかった。もちろんボタンを押さないと切符も出てこない。あたりまえである。この男は音声認識装置を期待していたのか、それとも声がしたので昔の切符売りを思い出したのかは定かでない。私は笑いをこらえてその場を離れた。
スポーツの監督にしろ、会社の経営者にしろいろいろなスタイルがある。あれこれと細かいところまで注文をつけ自分の理論通りの動きをさせるタイプとポイントは指摘するが細かいところは選手、社員に任せるというタイプがいる。米国の政権が交代し始めてのG7。米国による日本への対応は前者のタイプから後者のタイプに変わったようである。ルービン・サマーズコンビは何かにつけて注文をつけてきた。それは財政・金融政策が主体であった。しかし、オニール財務長官は「不良債権処理」という最大のネックをいきなりついてきた。ただし細かい注文はなし。自分たちで考えなさい、でも結果をださないと承知しないと。日本では結果よりも過程が重んじられることも多い。しかし、日本経済はすでにそのようなことは言っていられない。ゼロ金利に戻しました、では許されない。量的緩和をしましたでは、「何やってんの」と言われるだけである。量的緩和論者は量的緩和して景気が良くなれば自然に不良債権は処理されるというのであろうか。そもそも量的緩和が本当に景気に対して効果があるのか。副作用は無視していいのか。痛みを伴う処理は避けたいと言う気持ちもわかる。不良債権を本格的に処理すると倒産件数が増加し失業率も大きく上昇する。金融不安も招きかねない。それは確かである。だから銀行の不良債権は処理しちゃいけないという論理が通用するのであろうか。
牛熊日本酒倶楽部のオフ会が17日(土)に六本木で開催された。倶楽部会員約20名の方に六本木交差点近くの「丈六(ぜいろく)」という店に集まっていただいた。まずは遠くロンドンから名酒「獺祭」を届けていただいた「ねこやん」さんにお礼を言わねば。とてもとても美味しかったです。ありがとうございました。早くケガと病気を治してください。お酒は「強力」や「梅の宿古酒」「写楽」「山桜桃」「雨後の月」等々名だたる銘酒揃い。結局スタートが夕方4時で店を出たのが確か夜10時ぐらい?。6時間も飲んでいたので、いったいどれだけの種類のお酒を飲んだのか記憶が定かではない。幹事をしていただいた「強力」さんのおかげでとてもいい店でしかも酒も肴もたいへんおいしくいただくことができました。やっぱり日本酒っていいですね。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。
あまり本のことは日記に書かないのですが、たぶん年間数十万円は本代に使っていると思います。部屋も本とパソコンで埋もれている状態です。「牛さん熊さんの金融講座 ゼロ金利解除」はさすがに参考文献が必要となり20冊近く買い込みました。「マーケットサバイバル」は自分の体験記みたいなもので参考文献はなかったのですが、やはり本を書くにはそれなりの下準備は必要ですね。幸田真音さんも「日本国債」には取材等で2年間を費やされたそうですが、しっかりした準備があってのベストセラーであると思います。10万部突破というのは本当にすごい数値ですね。幸田真音さんのところにはあちらこちらから取材申込が来ているとか。それがますます「日本国債」の売り上げにむすびついているようです。ずっと丸善書店のフィクション部門の1、2位を独占していたのに今週はランクが下がってしまってどうしたのかなと思ったら、原因は売れ行きが鈍ったためではなくて在庫がなくなったためでした。他の書店にはなくても丸善書店には豊富な在庫があったにもかかわらずその丸善書店からも消えてしまったというのは、いやはや、すごいの一言。「牛さん熊さんの金融講座 ゼロ金利解除」も「日本国債」同様に売れてくれればうれしいのですが。帯には幸田真音さんからの推薦文もいただきました。この本では日銀がどういった考え方で金融政策を実施しているのかを牛と熊がわかりやすく説明しています。通信販売は今月いっぱい続けます。本の発送は予定より少し遅れて23日ごろになりそうです。ご予約いただいた方ももうしばらくお待ちいただければと思います。
DVDが数量、売り上げともにビデオを抜いた。ビデオ雑誌はすでにDVD雑誌となっている。このDVDは画質もさることながら音もすごい。5.1chとか6.1chとかのスピーカーで聞くと映画館さながらの迫力である。2〜3万円程度でもスピーカーとアンプセットが買えるようであるが、その前にテレビも買う必要があるかもしれない・・・うーむ、元手がない。それはともかく、この迫力は一度お試しあれ。家電売場などは大音量で視聴できるスペースを作っていたりしている。そういえば大昔4チャンネルのステレオが流行ったこともあったが、それとはまったく比較にならないので念のため。デジタル化はこれまでアナログではとんでもない費用がしたものを安価で提供できるようになっている。これがデフレの要因うんぬんはともかく、それ以前にDVDって観たことあります?、また5.1chの迫力を聞いたことありますか?。デジタル化に遅れてませんか???。えっ、余計なお世話・・・失礼しました。
2月9日の金融政策決定会合において日本銀行は、公定歩合を0.15%引き下げ、また「ロンバート型貸し出し」を導入すること、そして短期国債の買い切りオペレーションを積極活用することを決定した。タイミング良く(?)「牛さん熊さんの金融講座 ゼロ金利解除」が2月20日頃発売されることもあり、その一部を紹介しながら今回の日銀の決定について見ていくことにする。
(以下、牛さん熊さんの金融講座 ゼロ金利解除」第一部 第一章の原稿より)
3.日銀の金融政策
ここで少し日銀の金融政策について考えてみたい。日銀法が変わっても日銀の金融政策が変わったわけではない。学校の教科書には日銀による3つの金融政策の柱が示されていた。しかし、実際には金融政策のあり方は大きく変化してきているのである。それをこれから熊さんと牛さんに解説してもらおう。
熊「そういえば、日銀の金融政策について学校の教科書には、公定歩合操作(13)と預金準備率操作(14)、そして公開市場操作(15)の3つがあげられていたっけ」
牛「熊にしては良く覚えていたんやな」
熊「こうみえても社会は得意だったんだ」
牛「そうはみえんけど。まあとにかく、そのうちの公定歩合はすでに形骸化しつつある」
熊「そういえばあまり公定歩合、公定歩合って騒がなくなったような」
牛「日銀に限らず米国なんかでも公定歩合操作は形骸化している」
熊「どうして形骸化してしまったんだ」
牛「いろいろと指摘はされているが、ひとつの要因は金融政策によってコールレート(16)が公定歩合を下回ったためと言われるんや」
熊「そうか市中銀行(17)は高い公定歩合で借りるよりコールで調達したほうがいいもんなあ」
牛「日銀も日々の操作を日銀貸し出しから短期国債(18)の売買などにシフトしてきた」
熊「これは日銀貸し出しによって銀行に対する影響力を持ちすぎるためと言った見方もあった」
牛「日銀法の改正によって大蔵省のみならず日銀に対しても金融機関への影響力を押さえる必要もあったようやな」
熊「そういったこともあって公定歩合の実質的な意味合いが薄れてきたのか」
牛「とはいってもアナウンスメント効果(19)はあると言われる」
熊「公定歩合の操作によって日銀の姿勢があきらかになるといわけか」
牛「しかし、アナウンスメント効果についてもどれだけのものかといった見方も強くなっている」
熊「現在の日銀の金融調節は主としてコール市場でやっているんだろう」
牛「コールというのは金融機関同士での貸し借りをする市場なんや」
熊「うむ、俺と牛との金の貸し借りみたいなもんか」
牛「そういえば、この間の飲み代、返してもらってないで」
熊「しっ、しまった。変なことを思い出させてしまった。そんなことはあとにして、コールといってもいろいろと種類があるんだろう」
牛「あとで返してな。コールの中でも、特に中心的な存在が無担保コール翌日物(20)と呼ばれるものや」
熊「ちょっと長い名前だなあ」
牛「しょうがないやろ。担保付きと無担保は違うし、期間もいろいろ分かれているんやから」
熊「そもそもなんでコールと言うんだ」
牛「呼べばすぐに戻ってくるというぐらい短い期間の資金だからだそうや」
熊「翌日物というと一番期間が短いものなんだな」
牛「オーバーナイトといった言い方もする」
熊「夜を越えれば翌日になるわなあ。しかし、あまりカタカナ使うのは嫌いだなあ」
牛「しょうがないやろう。金融市場もグローバル化しているんやし。翌日物というよりオーバーナイトといったほうが市場参加者は作者以外ピンとくるみたいなんやし」
熊「作者がなんで俺だけ違うんだって顔してるぞ」
牛「話を進めよう。この無担保コール翌日物はその取引量も多く、また日銀としてもコントロールしやすい市場と言えるんや」
熊「どうやってコントロールするんだ。リモコンとか持って?」
牛「それは鉄人28号(21)やろ。そのコントロールは公開市場操作といった手段をとる」
熊「おおっ、それはさっき言った教科書に載っていたやつだな」
牛「オープン・マーケット・オペレーションとも呼ばれるもので、日銀が短期国債の売り買いなどにより資金を出したり吸収したりして、資金の量をコントロールするんや」
熊「そういえば、オープン・マーケット・オペレーションという言葉の響きがカッコよくて、小学校当時から言葉の意味はともかく作者はそれを覚えていたらしい」
牛「債券市場に参加して日銀の金融調節がそのオープン・マーケット・オペレーションというものだということに当初気がつかなかったとか」
熊「日銀の金融調節が米国のようにオープン・マーケット主体となったの1995年あたりからのことでもあるしな」
牛「とにかく現在の日銀の金融調節はこのコール市場でほとんど行っているといっても過言やない」
熊「教科書にあったもの一つの預金準備率操作は?」
牛「預金準備率操作というのは、市中銀行がその預金の一定割合を日本銀行に預金させているんやが、その割合を操作することで通貨の量を調節するというものなんや」
熊「この預金準備率が操作されたことはあまりない。効果も限定的と言われている」
牛「預金準備率操作はそうそうできないみたいやな」
熊「そんなもんなのか」
牛「でも未だ日銀の金融政策の三大柱として残っているんやな」
熊「国民主権と基本的人権の尊重と平和主義(22)だったな」
牛「・・・」
(13)公定歩合操作
公定歩合とは日本銀行が民間金融機関に対して貸出を行う際に適用する基準金利のこと。公定歩合操作とはこの公定歩合を上げ下げすることによって日本銀行の金融政策のスタンスを明らかにさせること。コールレートの操作が金融政策の主眼におかれているためすでに実質的な効果はない。ただアナウンスメント効果の働きがあるとされている。
(14)預金準備率操作
金融機関は保有している預金の残高に応じた一定の資金を日銀の当座預金に積んでおくことが義務づけられている。このときに使う比率が預金準備率で、それを日銀が操作することで金融政策を行うこと。あまり実施されたことがない。前回は1991年10月に引き下げられた。
なお、準備預金は準備預金制度によって銀行に義務づけられているが,銀行以外のたとえば短資会社や証券会社には準備預金は義務づけられていない。しかし、ゼロ金利政策以降、これらの会社が日銀にもつ当座預金の金額がかなりの額にのぼってきたことが問題視された。
(15)公開市場操作
日銀が市場で短期国債などを売買し資金の出し入れを行うことによって金融の調節を図る政策。
(16)コールレート
金融機関の間で資金を貸し借りする市場がコール市場。「呼べば直ちに戻ってくる」ほどの期間の短い期間(半日決済から7日までの期日物まで)であるためコールと言われる。コールレートとは通常、無担保翌日物の金利を指す。そしてこれは現在、日本銀行が金融調節を行うに当たっての誘導目標値としている金利である。
(17)市中銀行
中央銀行(日銀)に対する民間の銀行。
(18)短期国債
償還期間が1年以内の国債。通常TBと呼ばれているのは借り換えを目的として3カ月、6カ月、1年物の割引短期国債。これに対してFBというのは政府短期証券と言われ以前の大蔵省証券、食糧証券、外国為替資金証券を統合したもの。以前には大部分が日銀引き受けとなっていたが1999年度から公募入札制に移行。この場合の短期国債はTBとFB両方を指している。
(19)アナウンスメント効果
実質的な効果はないもののそれが実施されることによって生じる心理的な効果。たとえば公定歩合操作などは日銀の金融政策の方向を示すものとして実質効果よりも金融市場関係者などに対して心理的な効果を与えると言われる。
(20)無担保コール翌日物
無担保の消費貸借取引。翌日物(オーバーナイト物)以外に2〜6日物や1〜3週間物などがある。
(21)鉄人28号
横山光輝氏原作のマンガ。1963年にアニメにもなり、当時の子供達が夢中になったと言われる。私も見ていた。リモコンで動かすロボットのお話。最近ではCMにも取り上げられている。
(22)国民主権と基本的人権の尊重と平和主義
もちろん日本国憲法の三大原則。
かなり前置きが長くなってしまったような。とにかく今回の日銀の決定に関してはあらためて日銀の金融政策とは何であるかということをまず考えてみなければならない。上記のように「公定歩合」はすでに形骸化されていた。しかしそれを再び生かそうとしたのが今回の決定である。9日は「公定歩合」の引き下げの噂が早くから駆けめぐっていたが、それはないだろうと私は見ていた。その効果が限定していることが明らかなためである。それ以前に総裁が前回の決定会合で日銀の執行部に何らかの流動策に対して指示をしていたということもそれが金融政策の変更を意味するものではないと考えていた。例えばゼロ金利に戻したり量的緩和をするのにいちいち執行部への指示は出さない。それは政策委員会で決めることである。しかし、執行部は、いや速水総裁自身は意外な手を考えていた。それが公定歩合のロンバート金利化であった。その噂を聞いたとき、これはあると思い、9日の昼の牛熊がいったん書き終わっていたものを一部変更して「ロンバート金利」について言及した。牛熊の変更は実はめずらしい。原因は面倒だからである。それはともかく、このロンバート金利、つまり公定歩合を上限金利とするというのは手段としてたいへん面白い。短期金利の上昇に対しての抑制効果となる。それに政策委員は公定歩合引き下げというスパイスをつけた。これは効いた。まさに公定歩合のアナウンスメント効果が出た格好である。みな公定歩合、公定歩合と大騒ぎしてくれた。しかし、今回のリーク合戦は目を覆うばかり。TBSは「公定歩合を0.125%引き下げへ」と昼過ぎに発表した。「えっ、公定歩合?、なんで・・・」と思ったが、そのときには合わせ技まで考えが及ばなかった。ただ、これはちょっと誤報となった。0.125%ではなくて0.15%だった。これはリークされたので決定会合で軌道修正が行われたのではとも言われるが、グリーンスパンを敬愛している?と言われる速水総裁だけに0.125%はありえた。もしそうなると久しぶりに少数第三位までの公定歩合となっていた。それはともかく、今回のリーク騒ぎも出所は政治家と噂されている。旧日銀法時代、某新聞社が日銀の金融政策の変更を抜いていたのも政治家からと言われていた。新日銀法になり1999年9月に決定会合が行われている最中の某新聞のしかも夕刊に「量的緩和決定へ」との記事が出されそれが覆されたことがあった。日銀はこのときから変わった。しかしリークはその後も続いた。ゼロ金利解除の時はまるで実況中継のように決定会合の様子が伝わった。これは決定会合に出席している政府代表によるものではと考えられた。つまり宮沢蔵相や堺屋経済企画庁長官に張り付いていた記者を通じてとされるが定かではない。それはともかくルール違反はいけない。今回はこの公定歩合の大きな制度変更とともに公開市場操作においても日銀は手を打った。それが短期国債買い切りの再開と拡充である。ただ、これは繰り返せば国債買い切り増額、つまり擬似的な国債引受にも繋がりかねない。いつの間にか6ヶ月が1年、1年が2年と拡充されないように見ていないと?。とにかく日銀はゼロ金利に回帰することなく、ましてや量的緩和政策を採ることなくあらたな流動性供給手段を見いだした。即時効果はないにせよ、それなりの金利上昇抑制効果はある。今回の決定について買い切り拡大やゼロ金利に戻すという期待もあったようだが、日銀の動きをしっかり追っていればそれはあり得なかった。そういった日銀の動きを見るためには、この「牛さん熊さんの金融講座」は絶好の教科書になりうる。ぜひご予約を(え、結局宣伝かって?、少しでも日銀を理解してほしいんです、これ本音)
マクドナルドのハンバーガーが平日半額になって売り上げが急増している。ただし他のハンバーガーチェーン店にとっては死活問題。ユニクロが急成長している。私もついに買ってしまった。これが既存の衣料品店を脅かしている。ところでユニクロは安売りで利益があがっていないのか。パソコンは年々、いや月ごとに価格が低下して性能が向上している。かといってパソコンや半導体メーカーが全然儲かっていないといえるのか。スーパーの売り上げが落ちているが、ダイエーの収益悪化は単純に売り上げの落ち込みが要因であろうか。過剰といえる出店が原因、つまり経営に問題があったのではないか。物価の下落には「良い物価下落」と「悪い物価下落」が存在すると言われるが、その区分けはむずかしい。ユニクロは消費者にとって「良い物価下落」となるが、他の衣服メーカーにとっては「悪い物価下落」となる。既存製品が売れなくなり価格競争のために価格を下げそれにより収益が圧迫され従業員の給与カットとなる。そして消費の後退に繋がっていく。しかしこれは競争社会にとって至極あたりまえの出来事である。これまで日本の経済構造はあまり競争というものを意識したものではなかった。金融機関などは規制に保護され護送船団方式のもと、どの金融機関も一定利鞘が稼げるような体質となっていた。それがバブルの崩壊と日本版ビックバンによって自由競争社会に一気に投げ出された。合併や統合により巨大な金融機関が日本でも生まれたが、それで競争力が持てたとは言えない。不良債権という足かせもあり、また、世界的な金融機関に太刀打ちできるノウハウを保有しているとは言い難い。すでに含み資産といったものには頼れない。構造改革、構造改革と口では言うが既存の企業群を拠り所にしている政府が構造不況業種に手を着けることは本音では避けたいところであろう。しかし構造改革は政治家の手を経なくても徐々に進行しつつある。それが淘汰を招き競争原理からさらなる価格の低下を招いているともいえる。金融の世界でも人の流出入が激しくなっている。金融に限らず高額の賃金を得るだけの技能を持った人間はさらに高賃金となり、既存の会社型人間はすでに居場所を失いつつある。人材の流動化は絶対数のことを考えれば賃金の低下を意味するものとなろう。残念ながら日本企業には会社社型人間がまだまだ多数である。こういった状況下にあって日本の景気回復は無理といった声も強い。だからさらなる政府の経済対策を求めたり日銀には量的緩和を含めた金融緩和を要請するというのもいかがなものであろう。何もしなければ景気はさらに悪化してしまうという懸念は理解できる。しかし、それはこれまで日本の経済をひっぱり上げてきたシステムが今後も通用するという前提にたっている。すでに競争社会に足を踏み入れている日本経済にとってやるべきことはあらたな経済システムに対応できる企業群の養成である。ヨーカドー銀行やソニー銀行に対して既存の銀行は冷めた目で見ている。新興の銀行が既存の大手銀行を脅かすことはできるはずないと言いながら足を引っ張っているという指摘すらある。ところが、新興の銀行は新たな流れに対応することが容易となる。今後はフレキシビリティというのが大きな成長要素となりうる。ネットなどを通じて情報がまさに光の早さで広がっているためである。大手だから生き残れる時代ではない。もちろんソニーのようにフレキシブルな大手企業は別である。構造改革というのはすでにやるべきものというよりも始まってしまったものである。そういった流れのなかでの日銀による量的緩和といったものは果たして必要なのであろうか。量的緩和論者にひとつ問いたい。インフレターゲットは何をターゲットにするのか。ついこの間まで「長襦袢」も対象になっていた消費者物価(生鮮食料品を除く)を使うのか。算出根拠が不透明な上、速報値すら出るのが遅れるGDPから求めたGDPデフレーターを使うのか。ちなみにGDPデフレーターは名目GDPと実質GDPから逆算して出される。もうひとつ潜在成長率というよくわからない数値もあるが、何をもって潜在成長率とするのか。それは変動するものでもあり適格に捉えることは不可能のはず。このためGDPギャップの算出についても疑問を持たざるをえない。数値ありきでインフレターゲットをしてもよいのというのか。その数値の信憑性は二の次でよいのであろうか。もちろん使える指標がないからだめだと言うわけではない。物価を計る適格な手段があれば金利と同様に金融政策の手段となりうるかもしれない。しかし、金利の調節ができても物価の調節は可能であろうか。インフレもデフレもオーバーシュートしがちであるのは過去の事例が示している。この物価を操作するむずかしさは日銀が最も把握しているはずである。量的緩和に関しても同様なリスクが存在する。私はゼロ金利政策後の日銀の対応についてはベストではなかったがベターな選択であったと思う。ゼロ金利の解除時期に関しては時期尚早との声も強かった。実際に政府は議決延期請求権を行使し、ゼロ金利解除後、株価はさらに下落し長期金利は低下した。景気は踊り場との認識も広がっている。ゼロ金利解除によりデフレが再燃し景気が悪化したといえるのであろうか。構造改革が進んでいるあいだは景気の急回復は望みづらいはず。かといってゼロ金利を継続させれば構造改革の遅れを招くのは必然。我々は構造改革とデフレといったものの関係をしっかりと見ていかなければならない。フレキシブルで国際競争力のある企業を育成していかなければならず、それには政府の保護ではなく規制の解除が必要である。構造改革、規制緩和というのはかなり前から指摘されていたが少しずつそれは進みつつはある。そういったなかにあっての金融政策の舵取りもむずかしい。ましてや政治家などが日銀に対して要求するのは結局金融機関を含めて過去の業種の保護に繋がることとなりかねない。こういった矛盾も含み、これからの金融政策についてはいろいろな視点から見ていく必要があるのではなかろうか。
小説「日本国債」や今週の公社債情報でも紹介されましたが、あらためて金融市場関係者向けチャットを新設しようかと思います。業者間での電話による情報交換とは違って一度に多くの方との情報交換が可能なチャットというのは使い方さえ誤らなければたいへん効果的な情報交換の場となります。ご興味ご関心のある方はぜひご参加いただければと思います。チャットということで管理が必要になります。このために参加者には一定の制限をさせていただきます。まず「金利」に関係する業務に従事されている方に限定します。短期市場や債券市場に関わっている方々です。資産を運用されているファンドマネージャーの方、債券のディーラー、トレーダー、セールスの方。スワップなどデリバティブに携わっている方。金利に関するストラテジスト・エコノミストの方。フロント、ミッド、バック等は問いません。金融機関に限らず公共法人や事業法人等で債券等を運用されている方々、取引所や協会そして公的機関に属している方の参加も歓迎です。チャットの経験の有無は問いませんが日中にインターネットへのアクセスが可能な方に限ります。もちろん書き込みをしていただくことが絶対条件となります。一定回数の書き込みがない場合には退出していただきます。今回はなるべく新規の方にご参加いただこうと思っておりますので、現在すでに私の管理しているチャットに参加いただいている方のご応募はお控えください。30〜50名程度の参加者を募集します。私宛メールにて「チャット参加希望」と件名にお書きいただいた上、お名前、会社名、所属部署名、電話番号、ご担当の職種(例、国債中心のディーラー、年金のファンドマネージャー等々)、そしてお使いになるハンドルネーム(ニックネームのようなものを何か考えてください)をお書きになり、お送りください。なお、価格操作や風説の流布、他人への中傷誹謗といったものは当然ながら厳禁です。30名以上集まり次第、チャットルームを設置してスタートします。いずれ既存のチャットとの併合といったことも考えています。皆様のご参加、お待ちしております。
「鬼は外、福は内」と幼稚園に通っている三女が作った鬼の面をかぶり、娘達に豆をぶつけられながら豆まきをした。また、近くの神社での年男による豆まきにも今年は行ってみた。そういえば自分が蒔いてからすでに3年が経っている。娘達はおひねりのお金が目的だったようで、おもちばっかり拾ったと嘆いていた。実は私は密かにおひねりをダイレクトキャッチしていた。また餅もいくつか、お菓子も少々。ポケットから次々に出すと子供達がびっくりしていた。おひねりは長女に渡したが、金額はともかくうれしかったようである。神社の豆まきではなく自宅においても豆だけではなくお金を蒔くところもあるそうである。娘達は豆まきのご褒美にお小遣いを貰っていたが、これもひとつのお年玉なのであろうか。娘達は大事そうに貰ったお金をしまっていた。そういえば自分も小さいころはお金を貯めて目的のものを買おうとがんばった。大人になるとその反動からか「大人買い」というものをしてしまうそうである。例えばカードなどをまとめて箱で買ってしまうことを「大人買い」というそうである。しかし、これは目的を達成するためには手段は選ばず?といった感じとも受ける。子供の頃のくじ引きなどでのワクワク感はとても大事な気がする。実際には1等や2等は入っていないことを薄々感じながらも、少しでも違った商品が取れないかと期待する。何でも買い与えてしまうとそういった一種の緊張感が喪失されてしまう。子供達に必要なのは想像力であり夢である。「節分」で豆を蒔かなくなった子供達も増えているのであろうか。
今年に入って急にいろいろなメディアに顔を出させていただくようになった。年初のラジオ短波に始まり、テレビ東京でのホームページの紹介。先日は日経金融新聞にもはじめてコメントさせていただいた。本も最終稿のチェックが済み今月中旬に発売される。来週もとあるところに登場させていただく予定となっている。また、某出版社とあらたな企画もあり来週打ち合わせ。これもやはり「日本国債」の影響が大きいと思われる。最近になりさらに「日本国債」の反響が増していると幸田真音さんからお聞きした。せっかくの機会をいただいたこともあり、いろいろと積極的にチャレンジしていってみたい。これも毎日のように牛熊を見ていただいている方々に支えられているということはもちろん忘れるべきではない。ご批判、ご意見、そしてなにかしらの企画等ありましたらぜひメールにてちょうだいできればと思う。
「牛さん熊さんの金融講座 ゼロ金利解除」の最終稿を訂正しいよいよ発売日を待つばかりとなりました。今月の中旬には、まず千代田書店さん(前野店長さん、よろしくお願いいたします)と大手町の紀伊国屋書店さんに並びます。他の書店には下旬ぐらいまでに並ぶ予定ですが、地方の方でご購入いただける方はぜひ通信販売を利用していただければと思います。通信販売は今月いっぱい受付させていただきます。牛さんと熊さんの会話形式でゼロ金利からその解除までの日銀の動きを追っていきますが、用語解説を含め金融関係者以外の方にも読みやすいものとなっています。もちろん金融関係者の方々にはこれまでの金融政策を整理する上でお役立ていただけるものと思います。
平成13年1月分 平成12年12月分 平成12年11月分 平成12年10月分 平成12年9月分 平成12年8月分 平成12年7月分 平成12年6月分 平成12年5月分 平成12年4月分 平成12年3月分 平成12年2月分 平成12年1月分 平成11年12月分 平成11年11月分 平成11年10月分 平成11年09月分 平成11年08月分 平成11年07月分 平成11年06月分 平成11年05月分 平成11年04月分 平成11年03月分 平成11年02月分 平成11年01月分 平成10年12月分 平成10年11月分 平成10年10月分 平成10年9月分 平成10年8月分 平成10年7月分 平成10年6月分 平成10年5月分 平成10年4月分 平成10年3月分 平成10年2月分(その2) 平成10年2月分(その1) 平成10年1月分(その2) 平成10年1月分(その1) 平成9年12月分 平成9年11月分 平成9年10月分 平成9年9月分 平成9年8月分