「若き知」
「過去データは一番下に移行しました」
2001.8.30「臨界点」
「日本経済の罠」という本の中に国債市場の「臨界点」に関するこんな記述があった。「一説によれば、過去の海外における財政破綻の事例などからすると、国の税収から地方交付税交付金を控除した純税収が、公債金収入(国債発行による収入)を下回るときに長期金利の急騰がはじまるという」(「日本経済の罠」小林慶一郎・加藤創太著、日本経済新聞社)。本日の日経新聞によると今年度の税収見積は前年度比4.2%増の50兆7270億円としていたが、企業業績の悪化で50兆円割れは避けられない見通しだとか。とりあえず税収を50兆円とする。今年度の地方交付税交付金等は約17兆円でこれを差し引くと純税収は約33兆円となる。公債金収入は当初の28.3兆円に加えて補正で1.7兆円の国債増発が予想されており、今のところ30兆円。純税収と公債金収入の差は約3兆円程度。税収の落ち込具合や補正の規模によってはさらにこの差が縮むことも予想される。確かに「臨界点」は近い。来年度は財務省が発表した財政の中期展望によると税収は約50兆円、地方交付税交付金等約20兆円で仮に国債発行額を30兆円に抑えたとしてこの臨界点に達する。
参考までに平成12年度の税収は当初見込みは48.7兆円だが最終的には約50.7兆円。地方交付税交付金等は14.9兆円。公債金は補正後の34.6兆円から1.6兆円減額分を差し引き33兆円。税収から地方交付税交付金等を控除すると35.8兆円。その差は2.8兆円。
2001.8.29「補正予算」
小泉首相は2001年度の補正予算を編成する方針を決めた。来年度の国債発行額を30兆円に抑えるとの公約は今年度にも適用される。このため30兆円の枠まで国債を増発すれば1兆7千億円程度が可能となる。これに公共事業予備費の3千億円と剰余金2千億円を加えると国費2兆2千億円程度の補正予算が組まれる見込みである。ここで気をつけなくてはいけないのが、9月7日のGDPの数値を見て経済対策を打ち出すとしていたことが前倒しされたこと。これは5%を超えた失業率やバブル後の最安値を更新している株価に対応したものと見られるが小泉改革のスケジュールの乱れが生じている。国債の増発額についてはほぼ予想されていた数値ではあるが、これがそのまますんなり行くかどうかはまだ疑問。国民世論が景気重視に傾きつつあり、仮に日経平均が1万円を割り込むことになるとマスコミに大きく取り上げられ、さらに世論が喚起される恐れがある。なし崩し的に30兆円の枠が取り払われる懸念も出てくる。靖国参拝についても微調整を行い、補正の決定も前倒し、そこに30兆円も反故となると小泉改革が挫折する懸念が強まる。補正の額やインフレターゲットなどについても政府内で意見が分かれており、細かい亀裂が大きなひびとなりかねない。そうなると何があろうと結局は国債のさらなる増発に結びつく。それは日銀引受となったところで財政の規律の問題が残る。10年の金利が相対的に高くなっているのもそういった発行圧力が高まる危険を示しているのか。
2001.8.27「江ノ島」
25日に湘南江ノ島に家族総出で出かけてきた。家を7時前に出発して江ノ島に着いたのは11時過ぎ。首都高・横浜新道・国道一号線は相変わらずの混雑であった。天候には恵まれ当日はそのまま片瀬海岸へ行った。子供達にとっては初めての湘南の海。ちょっと汚れているが、水が温かく遠浅ということでほとんど水の中で遊んでいた。海の家はちょっとおしゃれなところにしたが、なかなか対応が良く森さんとちいうマスターの人柄が出ていた。夕方まで海水浴を楽しんで江ノ島の民宿に向かった。インターネットで調べた「重助」さんという民宿。子供達が江ノ島の家並みを歩いて言ったのは「江ノ島は猫が似合う町」。猫がいたるところにいるのである。食事の時間まで江ノ島のお土産屋が並ぶ弁天様への道を歩く。ほとんど一軒一軒店を汲まなく娘達は探索していた。途中の射的場で景品を取りとりあえず父親の威厳を見せた(?)。翌日は江ノ島近くのマリンランドに行く。三十数年ぶりのマリンランドである。すでに開業して40年、そのままの建物のマリンランドであった。そして自分が娘達の年代でマリンランドで見たハナゴンドウクジラがしっかり生きていた。ここで昔、南極観測船「ふじ」のプラモデルを買った記憶が残っている。江ノ島水族館ではカメ好きの次女が海亀の水槽の前でじっと観察していた。二階に展示されていたくらげが神秘的であった。また、海上動物園での「アシカの白雪姫」はなかなか面白かった。あそこまでアシカに芸をさせるというのもなかなか大変であろう。帰りは海沿いを鎌倉方面に行き朝比奈峠から横横道路に入った。帰りの道は空いており3時間ちょっとで帰ることができた。娘達にとってどんな夏休みの思い出になったのであろうか。
2001.8.23「責任準備金対応債券」
昨年212月1日以降終了する事業年度から生命保険会社には「責任準備金対応債券」適用が認められた。これは一種のヘッジ会計であり、様々な制約があるものの時価会計の適用外となる。生命保険会社のデュレーションは銀行などに比べてかなり長くなり、それに見合った債券を購入するとなると超長期債中心に購入しなければならない、しかし、これが時価会計で評価されてしまうと、例えば金利が上昇した場合に資産に損失が発生してしまう。それでは価格変動リスクの大きな残存期間の長い債券は購入しづらくなってします。そのためにもし資産と負債のデュレーションがマッチしていれば資産部分の債券を時価評価しなくても良い(ただし各種条件付)というのが「責任準備金対応債券」である。生命保険会社にとっての負債の大部分は将来の保険料支払い義務である責任準備金が占めるため、それにデュレーションが対応した債券である。保険金支払いのデュレーションと運用資産のデュレーションが一致すれば将来の保険金支払いに係わるリスクを回避できるためにこれが認められた。現在では大手では一社この制度を利用して決算を行っている。
2001.8.23「ユニクロ」
ファーストリテイリングが経営するユニクロは計算し尽くされた経営を行っているかにみえる。中国での製造工程、品質管理、広告宣伝、販売店舗とどれをとっても工夫が見られる。たぶん見えていないところでも隙のない経営をしていると思われる。売上の伸びが鈍化したらすぐに出店ペースを落とし店舗面積を増加して対応する。先送りとか様子見といったことをせずにうまくブレーキとアクセルを使い分けている。果たしてマクドナルドやセブンイレブンのように息の長い安定した企業になるかどうか。ここからが腕の見せどころかとも思われる。
2001.8.22「竹中大臣」
インターネットが普及してこれだけ情報が氾濫してもマスコミの影響力は大きい。マスコミの情報はしっかりと取材してチェックを受けているため信頼感が違うためであろう。しかし、その情報が常に正しいというものではない。今回のインフレ論についても反日銀の急先鋒となったのが読売新聞である。金融関係のエコノミストやストラテジストの多くがインフレターゲット導入に反対しているという事実はほとんど伝わっていない。むしろ一部の賛成派のコメントを集中的に載せることで、いかにも市場関係者も望んでいるような書き方をしているようにも見受けられる。常識で考えてもインフレ論にはかなりの無理がある。まずインフレにさせる方法が明確ではない。具体的にどの指標を使うべきなのかもはっきりしない。現在のところそれはコアCPIとなるかもしれないが、それを1%まで引き上げるにはどのようなアプローチをすればよいというのか。日銀が株や土地や国債を買えばよいとの意見もある。しかし資産価格を上げたところで物価上昇にはほとんど影響がないのは実証済み。仮に物価を上げられる手段があったとして、そうなれば今度は国債相場が暴落する。インフレとなると金利上昇圧力がかかる。経済実態にそぐわない金利の上昇や物価の上昇が大きな歪を生む可能性もある。そのようなことは百も承知のはずの竹中大臣の最近の金融政策に対するコメントは摩訶不思議としか言いようがない。日銀が株や土地を買って一番喜ぶのは誰かといえば、もちろん政治家であろう。銀行も救えるし建設会社も救える。政府は構造改革をするので景気対策は日銀に押し付けているのか。それとも構造改革すらやる気がないのか。塩爺や麻生氏はインフレ論を展開することは止めたようである。市場の声に敏感に反応したともいえる。それに対して竹中氏のコメントは伝わってこない。なぜそれほど金融政策に固執するのか。インフレ論のリスクについてはどういった考えをもっているのか。個人的にはかなり期待していた大臣であっただけに最近の動向はちよっと竹中氏らしくないという気もする。景気の悪いのも分かるし手段が限られるのもわかる。だから日銀という短絡的な発想は守旧派の発想に近い。そのうち30兆円の補正もなんておっしゃらなければ良いのだが・・・。
2001.8.21「台風11号」
台風11号が関東地方に22日朝、上陸する恐れが出てきたとか。今年はなぜか天候は「前倒し」が多いような気がする。春も早かったし夏も早く来た。台風もはやくもやってきた。これは夏休みの宿題を先送りしている子供達への警告か。それともなんでも先送りしている日本政府に対する警告であろうか。竹中大臣も塩川大臣もなぜか日銀を叩いて視点をぼやけさせようとしているかにも見える。デフレ退治は日銀というより政府の対応が最も効果的なはずである。いじめられやすいところをいじめ、恐い守旧派や既得権益をもっていらっしゃる方にはあまり刺激を与えないようにしているようにも見える。それをマスコミもフォローしている。しかしも日銀も市場関係者という援軍を得たようである。台風は多くの被害をもたらすが、それは自然の摂理にかなったものであり消し去ることはできない。破壊があれば創造がある。結局、頼りにできるのは小泉台風による破壊のみなのであろうか。
2001.8.21「インフレターゲッティング」
「経済財政諮問会議(議長・小泉首相)は19日、日本銀行が当面とるべき金融政策の方向性について、早ければ9月にも初の政府統一見解をまとめる方向で検討に入った。(20日読売新聞一面)」
日銀は今月14日に追加金融緩和策を発表した。しかし、株式市場が反応したのは一時的であり再び日経平均はバブル後の安値を更新している。政府は確かに構造改革の道筋を示したかに見える。しかし、実際の進展には反対勢力の壁が立ちふさがりそれを突破できるとの保証はない。竹中経済財政担当大臣や塩川財務大臣が日銀に対してインフレターゲッティング導入まで言及しているのは「構造改革」の側面支援を日銀に要請しているというより、経済政策をすべて日銀に押し付けているかにも見える。読売新聞を始めとした新聞などマスコミの論調もこういった政府要人の発言に即したものとなっている。インフレの番人であった日銀はデフレの番人にもならなければならない。かといって今回言われるデフレはバブル崩壊とそれに伴う不良債権が大きな要因であることは確かである。このデフレを抑制するために「日本銀行」ができることは限られている。先日の決定会合における追加緩和策がほとんど金融市場に影響を与えなかったのは市場も日銀の金融政策の限界を感じ取っているためであろう。そのために竹中竹中経済財政担当大臣などは日銀に対してインフレターゲッティングを求めた。ところがこれに対しても市場関係者からはかなり非難の声も強まった。そもそもインフレにする手段があるのか。日銀が株や土地を買えばいいとの議論はあるが、資産インフレが起きたとしてもそれが物価にどれだけ影響を与えられるかは未知数。そもそも資産インフレの後遺症が今の景気低迷につながっていることを忘れては困る。もし仮に日銀がインフレターゲットを採用したとすると、日銀はこれまでのように物価上昇に働きかけるというより、直接物価を上昇させなければならなくなる。それは長期金利が急上昇する要因ともなりうる。こういったことは竹中大臣はさすがに理解されていると思うのだが。21日になって政府サイドのトーンが違ってきた。日銀包囲網の先鋒だった塩川財務大臣はインフレ目標に対して経済壊すおそれと慎重姿勢を示した。少しは市場の懸念が伝わったのであろうか。
2001.8.17「補正後の国債増発」
現在、小泉首相は箱根で夏休み。9月に入り7日発表される4〜6月期のGDPを見て、政府は何らかの経済対策をとってくるものと思われる。従来型の公共投資は手控えられるとも思われ。どのような対策になるかははっきりしないがある程度の規模のものとなろう。来年度だけではなく今年度の国債発行額も30兆円に抑えるとして、約1.6〜1.7兆円程度の国債増発が可能となる。剰余金当を合わせて2兆程度の補正予算が組まれると想定して国債の発行額を探ってみたい。今年度の国債発行額は今年度の市中消化額にマッチするように調節されている(日興SSBの佐野一彦氏8月14日レポートを参考にさせていただきました)。したがって増発分は今年度内に発行されると過程できる。ただし補正予算が決まるまでは先に発行額を決定することはない。9月に経済対策がまとめられ、その後の国会で審議され可決されるのはやはり昨年のように11月あたりとなりそうである。そうなると12月発行分からの増発との予想が妥当であろう。財務省は今後、国債の個人消化にちからを注ぐともみられ、その意味でも2年、5年ゾーン中心の増発が想定される。10年増発の可能性もあるが投資家のニーズからみても中短期の増発の方が好まれる。また来年度も市中消化が今年度よりも10兆円近く増加すると想定されているため、今年度の増発が来年度の増発へのスタート台となり、来年度の増発額も意識してスタート台が決定されるものとも考えられる。何はともあれ国債の発行額は増え続けることに変りはない。現在の発行額にも慣れてしまい多少の増発では市場も驚かなくなっている。結局、増発されても消化は可能ということになりそうである。景気低迷、デフレが債券市場を支えている。それが果たしていつまで続くのか・・・。
2001.8.16「12月限チーペスト問題」
空も次第に秋の空となりまもなく夏休みも終わる。9月に入ると債券先物は限月移行が気になってくる。その限月移行について次の12月限月は実はかなり昔に起きた現象にたいへん近い状態にあると言われる。それはチーペスト候補となる207回、208回債にまず問題がある。207回は0.9%、208回は1.1%と低クーポン銘柄。投資家にはあまり好まれずしかも流動性があまりないと言われる。日銀保有のうち208回が1兆円以上あるのも影響しているのか。ただ利払いに関しては12月利払いのため現引き現渡しには影響を与えない。207回と208回は流動性の問題からレポ供給もむずかしいためスクイーズされやすい銘柄とも言われる。この2銘柄に関しても海外投資家がかなり保有しているとも言われるがこれはスクイーズのためというより源泉税のインパクトを減らす為に出来るだけロークーポンを持った為と思われる。このため現渡しには209回がかなり使われる可能性が高い。問題はこれが3月利払いであること。つまり、非課税玉として209回を前もってショートしておいて、先物は12月限月を買っておく。そしてそのまま現引きするとかなりの割合で209回の課税玉を現引きすることになる可能性が強くなる。これは海外投資家がかなり209回も所有していると観測されているためである。そうすると非課税玉のショートは経過利子を期間利子の100%に受け取ることが出来る。その20%分のスプレッドがノーリスクで儲かる。この仕組みを早くから先取りし1986年当時、これを利用して実際に儲けたといわれるのが元ソロモンブラザースの明神氏と言われる。これは大きな波乱要因でもあり、経過利子の源泉徴収相当額分というのは税法上の税額控除の扱いが受けられないという問題から実際の仕掛けが入った場合に業者などでその分の損失が発生するリスクが生じる。このため、12月限をスキップして3月限を中心限月にという声もあがっているとか。
2001.8.15「エコノフィジックスフォーラム」
ホームページでもレポートを掲載させていただいたおります、ソニー・コンピュータ・サイエンス研究所の高安秀樹氏を迎えてのフォーラムが来月開催されます。9月21日(金)16時−18時、ロイター・ジャパン3F会議場にて。定員50名、参加費は無料となっております。今回は高安秀樹氏が皆様の御質問にお答えします。また、申し込みは先着順とさせていただきます。FAXでのお申し込みはこちらのPDFファイルで。FAX(03−3512−0340)までお申し込みください。また、メールでのお申し込みはWORDファイルでこちらのメールアドレスにお申し込みください。お申し込み、お待ちしております。
2001.8.14「追加緩和策」
市場予想を覆して日銀は本日の金融政策決定会合にて追加緩和策を打ち出した。当座預金残高を5兆円から6兆円に増額し長期国債買い入れを月4千億円から6千億円に増額したのである。9月7日のGDPの発表後に政策変更との見方も強かっただけに債券も株も大きく買われ円は売られた。しかし、内容はほぼ予想通り。当座預金残高の引き上げと国債買い切り増のミックスであった。5.5兆円ではなく6兆円としたのは日銀のシミュレーションによるぎりぎりの選択であったろう。この預金残高を今後継続して維持することが果たして可能なのかどうか。短期国債オペの札割れもおきないとは限らない。そしてその札割れが起きていないにも関わらず国債買い切りを増やしたというのは他の選択肢が取れなかったためと思われる。石を投げた政治家による包囲網を突破すべく日銀は現状の日銀でできうる政策を打ち出してきたと言える。インフレターゲッティングにはまだ踏み込むことは避けたいであろう。しかし、国債買い切り増加にいったん手をつけると歯止めがなくなる恐れがあることは以前に何度も指摘した。今後も国債発行額は増加することはあっても減らない。政府側とすれば国債の買い手となってくれる上に、円安の材料ともなる、その上に効果云々はともかく余剰資金をさらに放出。それはまた国債に向かうのであろう。本来ならば構造改革を進めてそのセーフティーネットの役割をとるべき役割を、進んでもいないのに実施してしまった。手術の予定はあってもその手術はかなり高度な技術が必要で場合によったら中止される可能性が強いにもかかわらず麻酔を先に打ってしまった。速水総裁は「政府から圧力を受けたとは思ってないが、石が飛んできたことは確か」とも発言。自らいじめがあったことを暴露した(?)。政府サイドからは早くも歓迎の声が強まった。これをバブル後期の円高抑制のために公定歩合を引き下げた日銀とオーバーラップしてはいけないのであろうか。日銀の意思決定システムの中心は2月より執行部から個々の審議委員に移っている。多数決での決定はある意味民主的ではあるが、日銀内部の意向よりも外部勢力の圧力を受けやすくなっているとも思われる。今回も総裁は「効果が確実に出るとは限らない」とも発言。石が飛んできて効果があるかどうかわからない政策を取ったとも受け取られる発言をしている。もちろんこれで打ち止め感など出ていない。次に何をするのか。インフレターゲッティングを導入するのもそう遠くないかもしれない。「量的緩和」「国債買い切り増額」と以前は禁じ手とみられていた政策を実行している以上、その可能性は否定できない。
2001.8.13「靖国神社」
今私のいるオフィースは九段というところにある。靖国通りを挟んだ反対側に靖国神社がある。ご存知のように小泉首相の公約?のひとつがこの靖国神社の参拝であった。これについての是非はともかく、債券市場参加者にとってこれはもうひとつの公約である来年度の国債額を30兆円に抑えるのが本当かどうかを試すものでもあった。どうやら15日ではなく今日、参拝したようである。ただ、これで30兆円の公約も守れるかどうかはまだわからない。特殊法人改革もかなり厚い壁が控えている。来年度の概算要求は通っても今後はまさに茨の道であり、外から見る限り構造改革が達成できるようには思えない。それでも実行するならば歴史に残る政治家となるやもしれない。
2001.8.10「来年度予算概算要求基準」
一般歳出は1.8%減の47.8兆円
公共投資関係費は10%減、1兆400億円削減し9.3兆円
構造改革特別要求枠は8000億円(重点7分野に配分)
一般政策経費は10%減、8500億円削減し8.4兆円
社会保障関係費は7000億円増
構造改革特別要求の期限は9月末
予算編成過程では、道路等の特定財源のあり方について見直しを行う。
国債発行30兆円以下の目標を明記(以上、ロイター等)
2001.8.10「ルット@マーケット」
昨日、BSJAPANさんの「ルット@マーケット」に出演させていただいた。丸三証券の金子会長がメインゲストでその脇に座らせていただいた。金子さんは大蔵省ご出身で現在は証券のご意見番をなさっているとか。確か以前は債券先物のディーリングもなされていたといった事を伺っていたが、今回はそれについてはお話を聞くことができなかった。テレビはこれで二度目。ラジオでは毎週金曜日の朝8時半からラジオ短波さんの「牛熊金融道場」という番組を持たせていただいている。口下手で人前で話すのがたいへん苦手だったにも関わらず、最近はそれなりに話せるようになってきたようにも自分では思っている。これもやはり慣れというものがあるのであろうか。来週のお盆休み明けあたりから、少し皆さんにお話を伺いたいので皆様のオフィースにおじゃましようかと思っています。もし来てもよいと言う方が゜いらっしゃいましたら、ご都合がつく日を指定していただけるとうれしいのですが。
2001.8.7「織り込み済み」
相場には「織り込み済み」と言われる言葉がある。いずれ出てくると思われる材料を先取りしてすでに相場が動いてしまっているか。またはその材料では動かないとすでに市場参加者に浸透している場合などに使われる。つまり相場の価格に織り込まれる場合と参加者の心理に織り込まれる場合がある。例えばもうすぐ発表されるGDPの数値がかなり悪いとの予想が出たとする。相場はその予想が確かなものであると感じるとそれが価格に織り込まれる。債券市場で言えばその分、上昇するわけである。そして実際の数値が発表されると、相場が比較するのはその予想との乖離である。つまり予想値よりもさらに悪ければさらに買われ、もし悪い数値ながらも予想ほどは悪くない場合には、売られてしまうのである。もちろんその予想に対してどの程度信憑性があるのかという問題もあり、この織り込み済みというのを数値化するのはむずかしい。相場はあくまで予想、予測で動く。相場各人がいろいろと予想しているものが価格となって織り込まれてゆく。大方の参加者の予想が正しければ相場は安定した動きとなる。それだけ予想がしやすいということでもあり、大きな儲けも期待できない。しかし、大方の参加者が予想せず、相場に織り込まれていないことが起きたときに相場は大きな動きを示すのである。
2001.8.6「赤信号」
日本人は車がまったくこないところでも赤信号を守っていたと言われる。ニューヨーカーは信号を守らないことで有名と聞いていたが、実際にそうであった。そのニューヨーカーを気取ってか、東京でも信号を守らない人を良くみかける。もちろん車の通りが激しいところは別であるが。自動車は道路交通法によって信号を守らないと罰せられる。通行人は信号を無視していても横断歩道にいる限り、自動車の運転手が全面的に罰せられる。だからといって通行人が信号を守る必要がないわけではない。自分の身を守るために必要となる。特に小さい子供にはそういった教育が徹底されてきたのが、日本の教育であった。「日本人は何で車がこないのに渡らないのか」という問いが新聞にあったが、それはそういう教育を受けていたからと思う。構造改革とはこういった教育といったものも改革してしまうものなのであろうか。無駄な時間を使いたくないために、赤信号を渡ることもある意味合理的であるのかもしれない。しかし、社会ルールを守らないと安定した社会生活も送れなくなる。やはり日本人は赤信号で止まる国民であってよいと思うのだが。
2001.8.6「RED SHADOW」
「RED SHADOW」が11日から劇場公開される。「仮面の忍者赤影」ファンとしては、あまり見たくはない。赤い仮面をつけていない赤影なぞ、都銀の参加のない債券市場のようなものである(意味不明?)。当然、ある主題歌が流れるわけはない。何故、今でもゴジラ映画が受けているか知っているのであろうか。ゴジラの出現シーンであの主題歌を聞きたいためである。「RED SHADOW」はまさにアメリカ版の「ゴジラ」のようになってしまいかねない。横山光輝原作の漫画をはるかに超越して「仮面の忍者赤影」ができた。それを「RED SHADOW」が超越できるのか。
2001.8.2「複雑怪奇?」
本日の債券相場は20年国債の入札に絡んで乱高下したが、非常に読みにくい相場になっている。その大きな要因は都銀の動向によるものと考えられる。海外のヘッジファンドの担当者が来日し都銀などの担当者と会ったと言われているが、その目的はなぜスワップとJGBのスプレッドが広がらないのか理由を知るためと言われる。これはマクロヘッジ会計が期限延長されるという予測に起因する。時価会計導入により現物債のポジションを減らさざるを得ない。その分マクロヘッジ会計が期限延長されることで時価会計の影響を受けないスワップをレシーブをするといった行動を都銀中心にとっていると言われている。これに対してヘッジファンドは不良債権処理等により銀行収益が圧迫され、銀行のクレジットリスクが影響するスワップレートとJGBのスプレッドが拡大すると読んでいた。このために「ペイ買い」と呼ばれるスワップを払って国債を買うというポジションを大きく取っていた。ところが実際はスプレッドは縮小する一方。ヘッジファンドにすれば納得がいかないのも当然であろう。納得いかないというのは一般債も同様か。政府保証債を中心に国債との利回り格差はかなり縮まっている。流動性の面からも国債と政保債には格差があって当然ながらそれが縮まっている。他の一般事業債も人気化しており、株式の下落といったことは関係なく一般債と国債のスプレッドが縮まっているのである。都銀は株の下落や不良債権処理に伴う損失を補うために6月中心に数兆円の現物売りを行っていた。先日の5年国債入札ではこの都銀による買いを期待したようだが、まだ買いの手は見えてなかったようである。9月の決算まで買いを手控えるとの見方も強い。これが最近の現物債を重くしている主因である。しかし、それに対してエクステンションの買い、つまりインデックス対応の買いを入れているのが生保や年金である。突然、勢いよく相場が上昇する際にはだいたいこういった買いが入っているといわれる。今日の反発も同様である。都銀というビッグプレーヤーが手を引いている分、相場は下振れしやすく、反面ちょっとした買いで一気に反発するといったややボラタイルな相場展開となっているのが現在の債券市場である。
2001.8.1「債券と株」
問題、債券と株は連動するか。答えは「しない」。正確にはする時もある。たとえば景気が悪いとき、株は売られて債券が買われる。株は企業収益を先読みして動く。債券は景気悪化に伴い金利低下圧力が加わるために買われる。しかし最近では株が売られると債券も売られてしまうことがよくある。これは株価の下落が銀行収益に影響しそのために債券で益を出しておかなくてはならない。もちろん短期金利がゼロ近くになっていることで長期金利の低下余地も限られるといった事情もある。今後、たとえば日銀が追加緩和策をとって国債買い切りを増加させるとする。一時的に債券需給は良くなるので債券は買われ、金融緩和によって株式も買われる。ところが国債買い切りをさらに増加させることになると。財政の規律が失われ国債の格下げといったことも考えられる。それにそもそもこれはインフレを生み出すために行っているものであり、インフレ懸念は金利を上昇させる。株高債券安ともなりうる。実際に景気が回復してくれば、債券はさらに売られ株は買われるであろう。ただ、債券が売られてこんどはそのために銀行収益を圧迫させれば、株の売り材料とされることもある。このように状況に応じて株と債券は連動したりしなかったりする。「質への逃避」という言葉が使われることもあるが、実はこれもあまりありえる話ではない。絶対金額が異なり状況が変化したからといって即座に資産の配分を大きく変更することもありえない。たまたまそのときの状況が、株を売って債券を買わなくてはいけないということであったにすぎない。そもそも株の担当者は債券の動きはそんなに気にしていないはずである。もちろん債券の担当者も同様。景気の動向とか政府・日銀の動向、米国の動き、為替等々、気にすべき材料は多々ある。あくまでそういった指標のひとつにしか担当者は見ていないのである。
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