「若き知」
「過去データは一番下に移行しました」
2001.12.27「信用リスク元年?」

今年の債券市場のキーワードは「信用リスク」ではなかろうか。1997年の山一證券や拓銀など一連の金融破たんが生じたときにも信用リスクが高まったが、このときの大きな要因は破綻した三洋証券がコール市場においてわずか10億円のデフォルトを起こしたことによる。これが金融市場をパニックに陥れた。日本にもデフォルトが発生することを金融関係者はこのとき思い知らされた。

バブル崩壊と不良債権の問題は大蔵省の相次ぐ不祥事事件も影響し、大蔵省という旗艦に守られた金融機関の護送船団方式は完全に崩壊したのである。しかしこれはあくまでプロ同士の場だけの話であり、個人にとっては別な世界・・・のはずであった。ところが生保などが相次いで破綻し本来戻るべきお金が戻らなくなってきた。日本人が貯蓄好きであるのはご承知の通りではあるが、その前提にあるのは低金利でも預けておくのが安全だからであった。バブル時のNTT株などを中心とした個人における株式ブームはあくまで一過性のものでしかなかった。

ただし株とは違って「公社債」にはリスクがないという前提が個人には強かった。いやプロの運用者でもそうであったかもしれない。今年に入っての公社債投信の元本割れの際に投信会社がシステムなどでそれを想定していなかったことも露見している。「元本は保証されていません」と小さくパンフレットに書かれているにもかかわらずである。

9月14日に流通大手のマイカルが破綻しマイカルの発行した残高合計約3500億円の普通社債と転換社債が債務不履行(デフォルト)に陥った。社債の中には計900億円の個人向け普通社債も含まれていた。

米国テロの影響により11月22日に大成火災が破綻した。これによって中期国債ファンドに組み込まれていたCP50億円がデフォルトとなり事実上元本保証と認識されていた中期国債ファンドの額面割れが発生した。

12月2日には米国の大手電力会社のエンロンが破綻に追い込まれた。日本で起債されたエンロン債は短期中心であったことでMMFなどの公社債型の投資信託などに組み込まれていた。このためエンロン債を組み入れていた投資信託の基準価格が下落しMMFの一部では元本割れが生じた。公社債投信も額面割れのリスクがあることが認識されたことによって公社債投信からの大規模な資金流出が生じた。

来年4月からペイオフが解禁される。不良債権処理も進んではいるが、今だに金融機関に対する不信感はぬぐえ切れていない。護送船団方式が崩れた以上、さらなる淘汰が進むと見られているため個人も「信用リスク」に対してさらに関心を強めてくる。より安全性の高いと思われる金融機関への資金の移し変えが起ころう。また今後公社化となるとはいえ政府保証がついているも同然な郵貯。しかしこれは預け入れに限度額が設定されている。このため最終的には「信用リスク」の最も低い国債に間接なり直接に資金が流れてくるのは当然といえる。

海外からみれば日本の国債の信用リスクは高いといわざるを得ない。ムーディーズなどの日本国債に対する格付けを見てもそれは明らかである。しかしこれだけの借金を抱えながらも日本がデフォルトするまでは認識されてはないであろう。それは日本が経済大国であり長年の蓄積もあるためである。実際に国債の利回りが低位推移しているのをみても明らか。今年の年初、無事にRTGSもスタートして日銀の金融緩和もあり1%近くまで金利が低下したにもかかわらず、その後長期金利が上昇したのは森首相の後継者がさらなる経済政策を取ってくるからとの認識からであった。ところがふたを開ければ財政構造改革を唱える小泉首相が圧勝。国民は国がデフォルトを起こすリスクを感じ取っているのである。その意味では景気対策よりも30兆円枠を守り通する姿勢を評価している。

ただ、その30兆円枠を守るために隠れ借金などを復活させたことはちょっといただけないが・・・。景気回復には何が必要であるか、一連の構造改革をめぐる議論などを聞くだけでもそれは国民にも理解できるはずである。決してそれは目先の経済対策ではない。なぜ景気が回復できないのか。これは言うまでもなく金融システム構造と経済構造の大きな変化にも関わらず昔ながらの対策しかとらなかったことが原因である。そればかりか湯水のように金をばら撒いたことで結果として借金だけ残ってしまった。これにより少しでも財政改革の手を緩めると最後の砦となっている日本国債自体の信用リスクが高まり長期金利は上昇する。

景気悪化の主犯が小泉首相とされることは考えられず、抵抗勢力が抵抗すればするほど主犯が誰であるか認識されるであろう。また、日銀に対してインフレターゲットなどを求めている政治家やエコノミストなどもそれで本当に景気が回復すると信じているのであろうか。日銀は確かにターゲットを金利から量に買えるなど大きな政策変更をしたが、実際にはもうこれ以上何をやっても効果はない。金融政策でできることは限られている。外債など購入して作為的にしなくても円安は起きることすら予見できなかったのであろうか。

来年はさらに小泉改革が進むことを望まざるを得ないし、進むであろうと確信している。このため当面、長期金利は低位安定しよう。もしかすると長期金利は1%近くまで低下することもあるかもしれない。そして今度長期金利が本格的に上昇するときは景気が回復するときであると思っている。


2001.12.26「2001年9月末時点での国の借金」

25日財務省は国債や借入金などをあわせた「国の借金」が、2001年9月末時点で565兆5553億円と発表した。これは言うまでもなく過去最高。内訳は国債が14.4%増の412兆9698億円、借入金が0.7%増の106兆7543億円、短期国債の一種である政府短期証券(FB)が10.7%増の45兆8312億円。同時に発表した政府保証債務残高は前年同期比5.8%増の57兆8661億円。


2001.12.25「ハリー・ポッター」

今、世界で一番有名な少年はハリー・ポッターであろう。全世界でベストセラーとなり映画化されたことでさらに人気が高まった。実際映画館は長蛇の列。「千と千尋の神隠し」をも抜く勢いであるとか。クリスマスイブに我が家でもこの「ハリー・ポッター 賢者の石」を観に行った。二時間前に券を買い40分前にはすでに列が出来ていた。行った映画館は座席分しか券は発行されないにもかかわらずである。2時間を越す映画であったが飽きさせない。しかし次女と三女は少し恐かったようで目を伏せている場面もあった。原作を読んでいる長女はさすがに目を凝らして観ていた。映画も面白いがさすがに小説にはかなわないようである。最近小説はあまり読んでなかったが正月休みに一冊目を読んでみようかと思う。ただ凝り性なものでそのあとが恐いような・・・。


2001.12.21「サンタクロース」

さすがに長女も4年生になってサンタクロースの存在を疑うようになってきた。次女と三女からは「サンタさんに何頼んだの?」との問いかけに、「秘密!」といわれながらやっと「内緒だけど・・・」と聞くことができた。しかし疑いのまなざしで見ている長女からは聞き出せず、サンタもピンチに陥っている・・・らしい。どうやら携帯を欲しがっているとの情報を得たがさすがにそれはちょっとまだ早い・・・とサンタさんは言っている。

子供を持つ家庭には密かにサンタクロースとの代理店契約を結んでいるところが多い。さすがに狭いところでも離着陸可能な高性能ソリを保有しているとはいえ全世界を一晩で回り切ることはサンタさんでも出来ないはず。

昔の子供達にとってはクリスマスぐらいしかほしいおもちゃを買ってもらえなかった。だから余計にこの日が来るのを指折り数えていたような気がする。今の子供達はほしいものはいつでも手に入る。特にクリスマスに限ってということはないため、クリスマスに対する憧れみたいなものは薄らいでいるのであろうか。

今年はイブが休日。どんなクリスマスを予定されていますか?。皆様にとって楽しいクリスマスイブでありますよう、お祈りしております。さて、プレゼント、どうしよう!!!。


2001.12.20「2002年度国債発行計画」

昨夜、財務省より2002年度の国債発行計画が発表された。国債発行総額は133兆9683億円、うち市中消化104兆7978億円となる。国債発行総額は、新規財源債30兆円+借換債69兆6156億円+財投債34兆3527億円の合計。ここから公的引受となる郵貯窓販の2兆1千億円と日銀乗換えは3兆3704億円、そして財投債の経過措置分23兆4千億円を引くと105兆わ0979億円となる。財投債の経過措置分とは2001年間から7年間は市場に配慮して郵貯(13兆6千億円)、公的年金(6兆7千億円)、簡保積立金(3兆1千億円)がその一部を直接引き受ける措置である(ちなみに財投債の市中消化額は10兆9527億円)。来年度から導入される個人向け国債3000億円は市中消化に含まれないためこれを引いた数字が市中消化額の104兆7978億円となる。

これにより2002年度末の公社債残高は約414兆円となり、国と地方合計の長期債務残高は693兆円となる。


2001.12.19「日銀追加緩和を決定」

日銀は本日の金融政策決定会合において追加緩和策を決定した。まず日銀当座預金残高が10〜15兆円程度となるように金融市場調節を行うこととした。塩川財務大臣が14兆円の当座預金残高を求めていたがこれに答える格好になった。そして長期国債買い入れを月8000億円ペースに増額した。このふたつはほぼ想定されていたが、その他に細かい政策も打ち出している。CP現先オペの積極的活用をはかる。ABCPをCP現先オペの対象及び適格担保に加えるための検討を開始。住宅ローン債権、不動産を裏付け資産とするABSを適格担保に加えるための実務的検討を開始。国債買入オペ、レポオペ、CP現先オペ、手形売出オペを全先に毎回オファー。全店買入の手形オペのオファー頻度を引き上げるといったことなど信用不安の高まりに対応し潤沢な資金供給が可能にする政策をとった。日銀は「本日の措置は金融市場の安定的な機能確保し景気回復支援する効果を確実にするため。」としている。また今回の金融市場調節方針の変更は賛成多数で決定したとされるが、これまでの発言内容から速水日銀総裁はあまりこれらの追加緩和には積極的でなかったとみられ総裁を説得する時間が必要になった可能性もある(結局は議長提案というかたちにはなるが)。この追加緩和の効果は限られようが、景気悪化、デフレスパイラルのリスク、信用不安など環境が悪化しているところにあり日銀としても出来る限りのことを行うとの姿勢が見える。予想通り外債や社債・CPの買い切りは除外されたが、これは執行部もまた多くの審議委員も非伝統的手段として容易には採用できないということは認識していると思われる。


2001.12.19「ハリーポッター」

書店からハリーポッターの本が消えている。別に販売停止になったわけではなく売り切れで増刷が間に合っていないようだ。我が家でも長女が読み出して2巻まで読み終えたので3巻目を探したのだが近所の書店にはどこにもなかった。あれだけ映画がヒットされこれまでは一部でフィーバーしていたものが全国区、いや全世界区にまで人気が広がった。

あまりの売行きで子供達が昔の童話を読まなくなると心配していた学者もいたが、そもそもグリム童話もアンデルセン童話もそれまで子供向け物語を読まなくさせる要因にはならなかったはず。ハリーポッターは新たな童話として後世に残るのか、それとも一過性に過ぎなくなるのか。

「星の王子様」や「ムーミン」など近年になって子供向け童話の定番になったものも多い。カモメのジョナサンは残念ながら童話の定番にはならなかった。

私はまだ読んでいないが今週末にも映画を子供達に見せにいく予定で原作より先に映画を観ることになりそうである。流行を追うというより何故、これほどまでにハリーポッターが人気化したのか探ってみたい。


2001.12.18「日本インデックス」

本日よりインデックスページにRPtexを掲載します。これは日本の信用リスクを数値化したものです。ご参考になれば。


2001.12.18「財投」

日経新聞によると2002年度の財政投融資計画の財務省原案では財投の総額は26兆7千億円前後となり規模としては13年ぶりの低水準とか。財投機関債の発行額は2兆8千億円程度。特殊法人改革が進んできている現われとも言える。

財投の規模は縮小することによって来年度の財投債の発行額は減少するが、市中消化額は今年度より微増となる。これは郵貯や公的年金の引受が7年間の経過措置によるもので、それに備えて財投債の市中消化額は年々増加される見込みとなると思われるためである。


2001.12.17「円安」

先週末から円安の勢いが加速している。対ドルで128円、対ユーロで115円と円の独歩安状態となっている。政府関係者からも円安要望論が出ていたが今の日本の景気や膨大な財政赤字と経常黒字の減少傾向だけでも十分に円安の条件は整っている。いったん弾みがつけば「日本売り」を仕掛けたい向きは多いはず。それに火をつけかねない日銀の外債購入要望など本来ならもってのほかの話である。

円安になってからの後講釈の言われそうであるが、そもそも日銀が外債購入してどういったプラス効果があるというのか。日本国債ばかり買っているより安全性の高い米国債を買ってるほうが良いというのであろうか。為替政策は日銀の仕事ではない。金融政策としての外債購入はどうやったらよいのか教えてほしい。またそれがどのように短期市場に影響を与えるのかについても教えてほしい。

そもそもそれがどうやったら貸し出しに結び付けられるというのか。現在でもブタ積みは続いているがその解消になるわけでもない。何も出来ないから日銀にやらせる。そのパターンももう止めた方が良い。そもそもバブルを過熱させたのは必要も効果もなかった日銀による公定歩合引き下げによるものであった。また、本来操作できないと言っている長期金利の上昇抑制とこれまた円高対策のため日銀にプレッシャーをかけゼロ金利政策をさせたのは誰であったのか。

ゼロ金利解除について日銀の責任問題とする向きもいるが、必要ない緩和策をとらせられた結果がゼロ金利解除後のごたごたに繋がっている。そもそもそういった政府やマスコミ(?)の意向を汲んで金融政策の決定をすること自体問題はないのか。言われるばかりでなく政府に対して注意を促したりできないのか。今回の円安はかなり注意してえかないとさらに加速していく可能性も強い。


2001.12.14「マル優廃止」

65歳以上の方、遺族基礎年金を受けられる配偶者 、寡婦年金を受けられる方、身体障害者手帳を持っている方などは「老人等の小額預金の利子所得等の非課税制度」いわゆるマル優が使えるが、「65歳以上の高齢者」に関しては2003年1月から段階的に廃止されることになった。

マル優とは1人につき元本350万円までの利子等を非課税扱いにできる制度。マル優が使える商品は、国債・地方債・政府保証債・事業債・転換社債・ワラント債、設定日に購入した公社債投資信託、設定日に購入し安定運用であることが信託約款に記載されている株式投資信託、円建の外国債、そして預貯金、貸付信託・金銭信託などである。また「特別マル優」という制度がある。「老人等の小額公債の利子の非課税制度」といい、マル優とは別枠でさらに1人につき元本350万円までの利子が非課税になる制度。これは国債と公募地方債だけにしか認められていない。こちらも「65歳以上の高齢者」に関してはマル優同様に段階的に廃止される。

低金利下にあって利率自体が低くそれにかかる税金もわずかなものとなる。それを優遇したとしてもあまり意味がない。また、金融資産を多く持っている65歳以上の方を中心に個人金融資産を貯蓄から投資に誘導する観点から廃止する方針を打ち出したものと思われる。

まず2003年1月以降、新たに設定した預貯金や購入した国債について非課税枠の適用を認めない。2005年末で制度そのものを廃止するが、同年末までの期間に対応する利子は非課税。2006年1月以降の期間に対応する利子から課税する。マル優の対象者がすでに預入期間の長い定期預金などを設定している場合、実際に利子に課税されるのは2006年からとなる。


2001.12.13「洗剤を使わない洗濯機とスイカ」

技術は不景気だろうがなんだろうが着実に進歩している。「洗剤を使わない洗濯機」も開発されているが、いずれ水も使わない洗濯機もでてくるであろう。火を使わない料理焼き器が電子レンジ。紙を使わない紙芝居がテレビ受像機。馬を使わない馬車が自動車。歯車を使わない時計がデジタル時計。最近一番驚いたのが「スイカ」。やっと定期をスイカにしたが定期入れから定期を出さず所定の位置にかざすと「ピッ」といって認識する。しかもそれは自動精算までこなしてしまう。JRであれば定期外の駅からもスイカを翳して入れる。もちろん精算が自動的に行われている。ICカードを応用したシステムであるが、カードに一定料金をストックできるというのはほかの用途にも使えそうである。インターネットに接続されているパソコンにカードを接続すればネットで決済といったことも可能になる。JRのスイカはICカードの本格普及のきっかけとなるかもしれない。


2001.12.12「スパイキッズ」

ハリーポッターの影に隠れているが「スパイキッズ」という映画がまもなく公開される。この映画、限りなくおじさん達の子供の頃の夢を映画化している。自宅が海沿いにポツンと建っている。しかしそこはまさに秘密基地。車が海に飛び込むと潜水艦に早変わり。背中にジェットをつけて飛び回る。南海の無人島にあるハイテク隠れ家。

昔の子供達は秘密基地が大好きであった。木の上や洞穴、はたまた家の中に秘密基地を作って遊んだ。自分達で想像し背景などを設定。多くはテレビのヒーロー者が原作になり、それぞれが役割分担をする。年長者が当然ヒーロー役、年少者は泣く泣く敵役であったりした。実はこの遊びの経験が社会生活の基本的な知識を育成していると指摘する学者もいる。今の遊びはテレビゲームに代表されるように大人が勝手に決めたルールに従わざるをえない。たしかに反射神経は求められても創造性は育たない。

夢を映画にするといえば「千と千尋」もまさに夢の世界である。どこかで見たことがあると思ったら、一気に海が出来たり海の中を電車が走るといった光景は私の夢の中に出てきたものであった。不思議なノスタルジーがあの映画の魅力なのであろう。現実がかなり厳しいだけに大人も子供のころ見た夢に回帰したがっているのであろうか。


2001.12.11「ニッポン放送出演」

12月6日に電話にての録音された「国債」に対する私のコメントがニッポン放送の番組から放送された。毎週金曜日の8時半ごろからはラジオたんぱで「牛熊金融道場」に電話出演させていただいているが、AMは始めてであった。次はFMをというのはともかく、ニッポン放送の番組名は「高嶋ひでたけのおはよう中年探偵団」。投書に答えるコーナーで視聴者から「国債」についての問い合わせが来た。それに答えるかたちで私の声が出てくるのである。国債についてはその電話インタビューでも多少は話をしたが、番組での小口恵理子さんのコメントがずいぶん詳しい。どうやら私だけできなくしっかりと一番詳しいところに取材に行っていたらしい。とにかく名前と声が出たときはなんともいえなかった。早口なのはわかっていてもなかなか直らない。というか小口恵理子さんとのやり取りが結構過熱を帯びてつい早口になってしまったところがしっかり放送で流れていた。ホームページで見ると小口さんはなかなか美人アナ。こういう時に限ってなぜか電話取材なのである。


2001.12.10「国債発行等懇談会の廃止」

10日、財務省は国債市場懇談会後の記者会見において「国債発行等懇談会」の廃止を決定した。 「国債発行等懇談会」については牛さん熊さんの日本国債入門において下記のようにコメントしている。

年度の国債の発行についての流れを簡単に説明していきます。毎年12月になると翌年度の予算編成が進んでいきます。そして財務省の予算原案が閣議に提出される直前に、財務大臣は国債と政府保証債の発行額について「関係者」の意見を求めます。このために開催されるのが「国債発行等懇談会」なのです。債券市場や財政、金融の専門家が集まりますが、その顔ぶれは日銀総裁や全銀行会長(シ団幹事でもある)、証券業協会会長、もちろん財務大臣といった蒼々たるお年寄り・・・ではない、蒼々たる顔ぶれである。もちろんこの会議で国債発行額が多すぎるなんて意見が出て来るとも思えないが。2001年度の国債発行額を検討するために「国債発行等懇談会」が開かれたのは2000年12月19日であったが、この年は2年ぶりで会議形式となったようである。1999年と1998年は日程の調整がつかずに「持ち回り」の形式となったようで、ようするにハンコかサインをもらうだけで済んでいたようである。年末のひとつの行事ということであろうか。」

また似たような名前で「国債発行世話人会」というのがあります、これはシ団が正式に年度の国債引受総額について承諾する場です。その年度における国債発行に関わる手続きがすべて完了してからとなるため、一般予算が成立し、もし赤字国債も出すならば「特例公債法」も可決されていなければなりません。その上で「国債発行世話人会」が開かれますが、これはシ団メンバーの頭取とか社長クラスの集まりであり、形式的なものでしかないと思われます。

シ団が正式に承諾するのは「国債発行世話人会」でありながら、その前の「国債発行等懇談会」にはシ団幹事も出席していることで一応シ団も了承したということになる。このため「国債発行等懇談会」の廃止はシ団廃止への布石かと思われる。


2001.12.10「国債買戻し」

9日の日経新聞によると財務省は来年度から発行済みの国債を市場から買戻す方針とか。2005年度や2008年度に大量の償還を迎えるために過度の借換債発行を避けて別の年限に振り分けることが目的である。2008年度に償還期日を迎える10年国債を対象に合計5兆2500億円程度を買い入れ償却する。借り換えで発行する対象は10年債が中心になる。2002年度に2500億円程度。2007年度までに各1兆円程度買い入れる予定。

国債には60年償還ルールというものがある。例えば10年国債は10年後に償還されても6分の5は借換債が発行される。つまり60年かけて償還される仕組みになっている。戦後国債が始めて発行されたのが1965年。その後国債発行は一時的に抑えられることはあっても発行額は増え続けている。特に1998年からは大量の国債が発行され、来年度の借換債はすでに68兆8千億円と70兆円近くに膨らむ。これは今後も増加し続ける。毎年10兆円程度の増加が予想され2008年度には133兆円もの借換債の発行が予想されている。

ただ借換債の増加額は年によってややばらつきがある。2005年度と2008年度は前年比大きく増加すると見込まれている。特に2008年度は前年比16兆円の借換債の増加が見込まれる。これはもちろん1998年の小渕内閣におけるなんでもありの政策による国債増発が影響している。特に10年国債の大規模な増発が要因である。また2005年は2000年度から新設された5年国債の発行が要因となっている。

これによる相場への影響は限定的である。バイバックが来年度における残存3年と6年ゾーンで行われ、借換債は10年債の発行が見込まれる。このため中期ゾーンが買われ長期が売られる要因にはなるが買戻す額が年間1兆円程度ならば中立要因か。それでも今後の国債発行が借換債だけでも年間10兆円ずつ増加されることが再認識され心理的な売り要因となる恐れがある。

参考資料 「国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算」 上記資料の「借換債収入」が借換債の発行額になります。


2001.12.7「小泉首相」

昨夜会社を出て帰ろうとすると、ある店の前に人だかりが出来ていた。NHKや民放テレビのカメラも並んでいる。その店の近くにはイヤホンを耳にした体格の良い人達も数人。あきらかにSPと分かる。さて、誰がくるのだろうと野次馬に紛れ込む。その店には次々と黒塗りの車が到着。到着するたびにテレビカメラのライトが光る。店に入るのは大物政治家のようだ。加藤氏、山崎氏、村岡氏等々。

SPがなにやら記者に伝えている。「もう出ました」。7時は過ぎたがどうやらもう一人来るようだ。するとこれまでの黒塗りの車は一台ずつであったが、今度は3台以上まとめてやって来た。一台目が店の先に止まり、すぐに人が降りて来て二代目の車に駆け寄る。三代目の車はサイレンをつけているのでパトカーなのであろう。

二代目に乗っていた人物が降りてきた。野次馬から黄色い声が飛んだ。「小泉さーん!!」。果たしてこのふぐやで何が話し合われたのであろうか。名目は同期会のようだが、別室にはどうやら別の政治家のグループもたまたま(?)いたようである。それはともかく、小泉さんが首相になってからは始めて生小泉さんを見ることができた。

小泉首相を確認して家路を急いだ。路地を曲がるといつものようにいつもの九段の町並みであった。歩いている人もこのすぐ近くで総理大臣がいることなど知る由もない。そこで何が話し合われたのかはわからない。しかし何かまた政治の世界で動きがあるのかもしれないと勝手に考えながら市ヶ谷駅に向かった。


2001.12.6「個人向け国債」

クイックによると小泉首相は財務省が検討している個人向け国債について「来年度から是非進めて欲しい」と述べ、2002年度からの発行を指示。譲渡を制限し満期までの途中償還を認める。満期は10年。金利は変動。購入最低単位は1万円。

11月の国債市場懇談会でも財務省から個人向け国債のコメントが出ていたが、国債消化の裾野を広げるためにも米国などのように個人向け国債を発行することは必要ではないかと思う。国債発行残高のうち個人が直接所有しているのはわずかに2.5%。これを倍程度には引き上げたいのではなかろうか。

変動金利型というのは良いかと思う。2年国債の郵貯における窓販が急減したがこれはあまりの低金利が主要因。金利変動型ならば問題はない。しかし4月からの発行はたぶん間に合わないかもしれないが、来年度中には発行されると思われる。財務省の発表によると2002年度からの導入予定の個人向け国債の発行額は2〜3千億円の見込み。


2001.12.5「89回債」

最も印象に残っている国債は何かとベテランディーラーに問えば、多くの方は「89回債」と答えるのではなかろうか。銀行のフルディーリングが開始され、債券先物も上場。一時金利の高め誘導で暴落したが、すぐに相次ぐ公定歩合の引き下げなどから債券相場は急反発。地価や株価とともに債券も上昇。特に10年国債の89回債が指標銘柄になると本格的なディーリング相場が始まった。

当時の債券市場は日本相互証券での現物債取引が主戦場であった。大手証券の一角が都銀などと組んでまさに相場を作っていった。ピークは1987年の5月14日。この日の日経新聞にはその大手証券のチーフディーラーによる「公定歩合が高すぎる」というコメントが載った。その日、そのコメントを証明するかのごとく89回債は公定歩合2.5%に迫る2.55%まで買い進まれた。2.555%に3千億円程度、2.55%には2千億円程度の売りが並んでいたのだが、それぞれ一回でオールテイクン、つまり一社で全部買ってしまったのである。

しかし、89回債はその2.55%が当時の日本相互証券での最低利回りとして記録された。Sチーフディーラーのコメントはむしろ市場の反感を買ってしまったのかもしれない。債券相場はこれ以降下落基調となる。ほとんど暴落に近い動きもあり、それがタテホショックを生んだ。

と、当時のことを思い出そうと調べていて気がついたのだが、債券先物の高値はこの2.55%をつけた14日ではなく前日の13日につけている。89回債が突出していた相場であったのは確かであるが、こんな派手な買い方を見せられても先物は冷静であったのか。なぜ14日に先物は高値を更新しなかったのかが思い出せない。どなたかご記憶の方がいらっしゃったら、教えていただけないであろうか。


2001.12.4「ムーディーズの格下げ」

4日、米大手格付け機関のムーディーズ・インベスター・サービスは日本政府が発行もしくは保証する円建て国内債券の格付けをAa2からAa3に引き下げた。また格付けの見通しはネガティブに据え置かれた。

理由として「景気低迷の長期化と、それに対する効果的な政策の難しさから、財政面への制約が続くとみられることを背景」としている。また「デフレの加速により実質的な債務が増大し、経済全般にわたる信用リスクが高まっている」とムーディーズは見ているとコメントしている。

これに対して塩川財務大臣は「どこに原因があるか検証し、国債の信任維持に努力する必要がある」と発言。また「残念だが横並びでやっているのだろう」と本音もちょっぴり。海外格付け機関の格付けをどう評価すべきか。以前の財務大臣ならば勝手なことをという感じのコメントだが塩爺はさすがにわきまえている。これはひとつの警告とみなすべきである。

格付けの見通しがネガティブに据え置かれたのはかなり影響が出るかもしれない。さすがにシングルAになると新BIS規制で海外投資家保有の日本国債にリスクウエイトがかかるだけではなく、国内投資家からの信頼度も低下させる恐れがある。いくら国債保有残高に占める海外投資家の比率が6%程度とはいえ、残りの94%の国内投資家もその信用リスクに大して過敏になる懸念もないとはいえない。

国の信頼度というのはやはり政府への信頼度が大きく影響する。既存産業を守ることばかり考えるのではなく、より付加価値の高く他国には真似できない技術やノウハウを構築していかねばならない。需要をどう喚起していくのか、さらに真剣に考えていかなければならない。構造改革は既存のものを壊すだけでなく価値を生み出す新規のものを作らねばならない。それは決して新規の高速道路や新幹線ではない。


2001.12.4「お仲間をご紹介下さいキャンペーン」のお知らせ」

アール・ピー・テックでは、今月、「お仲間をご紹介下さいキャンペーン」を実施いたします。お仲間、お知り合いの方をご紹介いただけませんでしょうか。


2001.12.4「お仲間をご紹介下さいキャンペーン」のお知らせ」

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「債券ディーリングルーム」もしくはクレジットレポートにご興味、ご関心のある方がいらっいしゃいましたらご紹介ください。

弊社よりご紹介いただいた方に(1)債券ディーリングルーム、及び(2)Credit Research & Pricing(国内信用リスクレポート)をご案内させて頂きます。

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債券ディーリング・ルームのご案内とCRPのサンプルを、「○○様よりのご紹介で」という文面とともにご紹介頂いた方へメールさせていただきます。
宜しくお願い申し上げます。


2001.12.3「新刊案内」

まずは「我々は外資に負けなかった」津川清編、ISコム出版。

ディーリングやデリバティブがスタートした黎明期に世界の金融市場で活躍した日本人の物語である。今でこそ高度な金融ビジネスは外資系主流であるが、日本人も実はかなり早い段階でそういったものを取り入れてきた。しかし、バブルとその崩壊により日本の金融は世界の潮流から取り残されてしまった。そういった侍達を抱えていた旧東京銀行の物語である。

続いて「日銀は死んだのか」加藤出著、日本経済新聞社

日銀の金融政策の分析に定評ある加藤氏がついに本を出した。彼ほど日銀に近いところで働きながら金融政策を知り尽くしているエコノミストも少ない。現場サイドの状況も知らずに象牙の塔にいて勝手なことをコメントするエコノミストとはわけが違う。必読書。


2001.12.3「ロイヤルベビー」

新宮様御誕生は久しぶりに明るいニュースであった。予想されていた(?)ように女のお子様であった。ちなみに我が家も三人娘でいる。皇位継承権に関して女性も認めるべきとの声も高まっている。過去の歴史において女性の天皇は存在している以上、男子に限る必要はないのではないか。

しかし、皇位継承者が広範囲にわたってしまうことによる混乱なども予想され政府もかなり慎重になっているとか。ただ改正するには今がチャンスかと思う。男女平等が叫ばれて久しい。国民の大多数も反対はしないであろう。


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