「若き知」
「過去データは一番下に移行しました」
2003.2.28「アコード」

昔、アコードが売れたころ、アコードにするかインテグラにするか悩んで結局、インテグラを買った。のアコードではない。日銀と政府のアコードである。accordという英語の意味には、一致、合う、調和、協定といった意味がある。そういえば大阪万国博覧会のテーマは「人類の進歩と調和」であった。この場合のアコードは「政策協調」などとも訳されている。アメリカでのFRBと財務省の「アコード」が持ち出されたわけであるが、アメリカの場合は1951年にFRBが財務省から「独立」して財政は財務省、金融はFRBと決めたのがアコードである。しかし、竹中大臣の言う日銀と政府のアコードはまったく反対であり、良く言えば、財政政策と金融政策を協調して推し進めるというものであるが、悪く言えば、経済対策やってんだから、日銀も同じことばかりしないで、リスクとってやらないとだめやんかというものである。インフレターゲットの押し付けも同様の認識に基づく。日銀法の第4条には「日本銀行は、その行う通貨及び金融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。」としており、日銀はすでに政府とアコードを取る必要性が書いてある。政府の経済政策の基本方針は、現在の場合は景気対策であろう。日銀はこれに対して、「量的緩和」「ゼロ金利」で答えている。それでも足りないという。いや足りないのではなくて、この景気をデフレという言葉で片付け、デフレを無くせば景気が回復するというように思い込ませている。同第2条には「日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。」としている。デフレとは物価の下落のことであり、それならば確かに日銀の仕事になる。それならば、デフレが解消しないのは日銀の金融政策が誤っていたからなのか。もっと早く金融緩和を進めていれば良かったというのであろうか。バブルが加速したのは、日銀が本来金融引締めをするべきときに、財政が出れないので、円高対策を日銀の金融緩和に押し付けられたためではなかったか。政府の言うことを聞いて、バブル崩壊の犯人にされたり、政府の言うことを聞かないからといってデフレの犯人に仕立て上げるのは勝手だが、それでよいのか。インフレターゲット導入論者に聞きたい。インフレターゲットを採用して日本の経済が立ち直る具体的なプロセスを教えてほしい。インフレ期待が強まるからなんていう抽象論、精神論ではなく、どういう資金の流れが生じてどのような効果が出るのか。副作用はないのか。海外への影響はないのか。それで構造改革も進むのか。誰か答えてほしい。


2003.2.27「昔が昔でなくなる?」

昨日、たまたま歌番組を見ていてちょっとびっくりした。10年以上も前の映像が流れていたのだが、平成3年とかのクリップがなければ生番組かと見間違えた。一緒にみていた子供たちもこれ今流行っている歌なのかと聞いてきた。服装にも大きな変化もなく、髪型もそんなに変わらない。ファッションも髪型も体型もここ10年ぐらいはあまり大きく変化はしていなかったのだろうか。流行は確かにめまぐるしく変化しているもののそれは結局循環しているだけではないか。街角で見かける女性の服装なども、大きな変化はなかったのではなかろうか。それとも歳をとれば取るほど、生涯における1年間の割合が少なくなってきたため、速度が速すぎておいつけないだけなのであろうか。しかし、映像画像などは10年前のものも現在もテレビなどで見る限り大きな変化はない。我々のころは白黒からカラーへと劇的な変化があった。ハイビジョンなど出ているが、それは普及してはいなかった。このため画質だけ見てもそれが昔撮影されたものかどうかの識別は難しくなっている。ただ10年前にはまだ普及していなかったある生活道具もある。インターネットと携帯電話である。ここ10年間はある意味変化は激しかった。しかし「目」に見えるかたちでの変化には実際乏しかったのではなかろうか。だから失われた十年とも言われるのか?。


2003.2.26「帰ってきた水の番」

ハヤが水の守番になって早くも5年の月日が流れた。ハヤも疲れ果てそろそろ交代する時期になってきた。そこで「変な獅子」と称される村長が後任の水の守番を決めることになった。最初、鍛冶屋の棟梁に頼もうとしたところ、道普請の寄り合い喧嘩に巻き込まれ、それどころでなくなった。獅子の友人が収穫高目標値を自論にする者を勧めたが、村の長老たちに反対された。獅子は水の番には、水の守番をしたことがない人物が良いと言っていたものの、水を制することができるのは水のことを良く知っている者じゃなきゃだめだと断られた。そこで獅子はもう考えるのやめて全部長老筆頭に任せてしまった。長老筆頭は倉の番などとの協議の上、以前、水の守番補佐をしていたフクが良いということになった。しかし、長老筆頭や倉の番たちは、水の番たちとの間にこれまで以上に意思の疎通、いや、早く言えば水の番に好き勝手させない楔も必要と考えた。そこで、フクを水の番とすることの条件に、倉の長は以前倉の番をしていたムトに水の番補佐にするように頼んだ。それならばと、収穫高目標値を自論とする村長の一人も、岩を水の番補佐にするようにと頼んだ。こうして、あたらしい水の番3人が決まった。しかし、ここ5年間は、門を開きっぱなしにして水量目標を多量に設定しても、収穫はいっこうに延びなかった。一定の収穫高を目標に水を入れろという声も強いのはそのためだ。だけんと、収穫高は水だけで決まるんじゃない。お天とう様の具合とか、品種の改良にも勤めなければならん。しかし、倉の番の倉庫には村民から借りた米して入ってない。これ以上借りると返せねえこともありうる。すでに年間収穫高程度も借り入れてしまっているらしい。しかも、借りた米で村を横断する本格的な馬車道なんか作ったもんだから余計に借金が膨らんだ。川の橋も1本でいいところ3本も作っちまった。収穫のええときゃそれでも良かったが、収穫のええとき蓄えもしなかったもんで、収穫が落ち込んだらそれでしまいだった。アリとキリギリスのまさにキリギリスやった。ただ、村人達は生活のためと必死に蓄えていた。それを村が借り受けることでなんとかしのいでいるが。いつまで持つことやら。水を増やせば収穫が上がると村の知恵者は言う。けんど稲の育ちや水の動きを肌で感じている者たちにはそうとは思えねえ。やるんなら水がうまく田んぼに回るようにしていい稲がたくさん育つ工夫をせにゃあかん。道路はもうええ、橋ももういらん。水のことをよーく知っている水の番がそれを言わんで誰が言う。水の使い道、それが大事なんだ。


2003.2.25「日銀総裁に福井氏、副総裁に武藤・岩田氏」

3月19日に5年の任期を終える日本銀行の速水優総裁の後任に、元日銀副総裁の福井俊彦富士通総研理事長の起用が昨日内定した。同時に、やはり任期満了となる山口泰、藤原作弥両副総裁に代わり、武藤敏郎前財務省事務次官、岩田一政内閣府政策統括官・東大教授の起用も決定した。福井氏は次期総裁の本命中の本命と言われていたが、民間人登用を重視した小泉首相はなかなか首を縦に振らなかったようである。日経新聞によると小泉氏は福井氏について「古いタイプの中央銀行マン」と称していたという。速水日銀総裁も自らの後任に福井氏を推していたようだが、それをすんなりとは首相は受けていなかったかに見える。最終的には、財界や福田官房長官、宮沢元首相の働きかけにより、福井氏に落ち着いたように思われる。首相は民間人登用に固執していたものの、本命今井氏が道路関係民営化推進委員会委員長を辞任したことで、今井氏の日銀総裁就任はなくなった。小泉首相の構造改革路線は支持するものの、この日銀総裁まで民間人の登用を考えたことに対しては疑問を感じざるを得ない。金融のプロフェッショナルとして国際的にも信認を受け、日銀内部の事情にも精通しさらに政財界とのパイプも持ちえる人材でなければ、日銀総裁は勤まらない。それにもまして人望といったものも必要になろう。日本ばかりでなく世界の金融経済にも影響を及ぼす日本の中央銀行のトップ人事を軽軽しく民間登用といったものを考えるというのはいかがなものであろうか。さすがに今回は、福田官房長官や塩川財務大臣などは、民間登用のリスクも感じていたものと思われる。今井氏の可能性がなくなったことで山崎自民党幹事長の推す中原氏が候補にあがり、俄然インフレターゲット派が活気付いた。伊藤隆敏氏なども海外メディアによって総裁候補として挙げられていた。しかし、マスコミが騒ぐほどインフレターゲット採用を進める人は少ない。一部の学者、マスコミに良く出ているエコノミスト、一部政治家、そして竹中氏あたりが主張しているに過ぎない。冷静に考えれば、すでにCPIが安定的にゼロ近辺になるまで量的緩和を続けるというインフレターゲットを採用している日銀に対して、さらにインフレターゲット採用と言っているのは、ETFなどの株や不動産、円安のためも含めた外債などを日銀が購入することを求めていることを示す。それがそもそも効果があるのか。いや効果が出てきたときのほうが心配である。構造改革を進めず経済実態に変わりがないにも係わらず資産インフレで誤魔化せば、バブルの悲劇のみならず、高橋是清氏の暗殺すら連想されてしまう。つまり、いったん日銀が国債直接引き受けを実施した場合にいくら歯止めをかけても所詮それは破られる。実際、国債買い切りについても日銀券の流通残高までという歯止めを外そうとしているぐらいである。とにかく、危険なインフレターゲット論はいったん退けられたものの、副総裁となる岩田氏は採用に前向きであるため、やや注意も必要になろう。福井氏については総裁としては申し分ないと思われる。私も福井氏以外には考えられなかったので総裁人事についてはほっとした。しかし、注目すべきは武藤前財務省事務次官の副総裁への起用である。武藤氏は小泉財政構造改革の推進派でもあり財政規律を重んじ、インフレターゲット採用についても慎重派と思われる。国債の安定消化にも努めた方ではある。日本国債は危なくないように推進された方ではあるが、私個人としては財務省出身者が次期総裁の昇格含みでの副総裁就任については、やや問題ありとしたい。武藤氏が適格ではないというのではもちろんない。適格すぎるぐらいすぐれた人物とも聞く。しかし、この人事により日銀の独立性の問題が再び生じる可能性がある。日銀法改正は大蔵省の過剰接待などに絡むスキャンダルがきっかけになって実施されたが、結果としては改正は大蔵省主導のものとなり、また日銀内部でもスキャンダルが発生したこともあり、完全に日銀の独立性が保てたものとは言いがたいものであった。ちなみにこの大蔵省スキャンダルによって武藤氏は降格し、また福井氏は副総裁を辞任している。ただし、たすきがけ人事は新日銀法の元では実施されないと私個人としては思っていたが、それが復活する可能性が出てきた。本来ならば、決定会合のアドバイザー的な存在であるはずの財務省と内閣府の出席者が今度は、決定権者になることはやはり注意する必要がある。実際に米FRBと財務省のアコードというのは決してマネタイゼーションの促進を目指したものではなく、財政規律を促すものであったはずである。しかし、何を勘違いしているのか竹中氏の言うアコードがさらに求められそれが問題を引き起こす懸念がある。ゼロ金利解除時における議決延期請求権の行使などが、今後は完全に反対票となって現れる。しかも速水総裁には山口副総裁がいた。政治家などとの対外折衝は速水さんがメインとなり、日銀内部との折衝は山口氏が行っていたと思われ、日銀内部による執行部への信認は厚いものがあったと思われる。しかし、今度の執行部は日銀の金融政策が根本的に変化した肝心の直近5年間を民間で過ごした福井総裁しか、日銀出身者は審議委員を合わせても存在しない。これは日銀内部との協力なパイプがなくなることを意味する。これまでの執行部と次期執行部はこういった意味で大きく異なる。これが日銀の金融政策にどのように影響するのか。ただ、日銀の副総裁となることで市場に接することとなる岩田氏が意見を変えてくることも考えられる。武藤氏は国債市場などを通じてそれなりの市場への理解もあると思われる。マーケットを見れば、どのような政策をとるべきか、いやどのような政策をとってはいけないのかが見えてくる。マーケットが絶対ではないが、マーケットを知らず机上の論理だけを信じていては危険すぎることが理解できるはずである。金融は会議室で動いているのではない。現場で動いているのである。


2003.2.24「泥棒」

週末、どうも自宅の庭に誰かが侵入したらしい。くっきりと大きな足跡が残っていた。家人はこれまでも、何度か足跡を見かけたことがあるというもののはっきりとは断定できなかったらしい。しかし、今回はたまたまプランターの土の中に足跡があり、間違いなく長靴のあとであった。その足跡がつく前日に警察らしき人が近所に来ていたこともわかった。地元の警察署に電話したところ、やはりこそ泥がいるようで、実際に近所で被害も出ていたようであった。夜中に不信な音とかしたらすぐに110番に電話するように言われた。田舎にもそういった泥棒が入ってきているとは聞いていたが、自分の家まで狙われていたとは思わなかった。さっそく夜間のライトを購入。戸締りもより厳重にするようにした。犯罪も全国的に増加し凶悪犯罪も多くなってきている。自分の身は自分で守らなければならない。電話した警察の方もかなり忙しそうで、徹夜で別の事件の捜査をしており、我が家の地区の巡回といったところまではなかなか手が回らないとか。人をみたら泥棒と思えという格言があるが、今は残念ながらその格言が生きてる時代になってしまったようである。電車に乗っていても、ついどんな人が乗っているのか確認するようになってしまった。韓国の地下鉄の放火事件もあり、同様の事件が日本の鉄道でも起こらないとは限らない。みなさんも、ご自宅の戸締りをしっかりし、通勤時にもご注意を。


2003.2.21「WI取引追記」

WI取引について、外債の専門家に方に解説をいただいたのでご紹介します。

WI取引(米国では1975年から導入されています。また、1998年11月以降はダッチ入札方式で入札されています。クーポンの設定は小数点以下が1/8単位になるよう最も近いレベルへ落札最高利回りを切り捨てしたものが利率となります)。WI取引は米国では複利での売買となります。刻みは通常、1/4bp刻みです。日本的にいうと2糸5骨刻みということですね。そして、入札後にFEDから配信される複利利回りと価格の対照表によって価格に変換して価格での取引が成立します。WI取引時には利回りでの仮契約書が発行されますが、入札後に再発行される価格による新たな本契約書によって決済が進みます。決済日は発行日となります。先物感覚でお金が無くても取引できます(先物の様に担保が要る訳でもありませんし)が、信用による取引なので、当然ながらクレジットライン内での取引となります。入札の1週間前に行われる発行のアナウンス後から取引され、受け渡しは発行日なので2週間程度、受け渡しまでに時間もある場合があることから決済リスクが生じます。最近の四半期定例入札ではWIがトレードされている間は入札のヘッジなどが交錯するものの、債券へのニーズの強さから10年国債入札の後はトレーダーやヘッジファンドなどの短期売買の買いが先物感覚(米債は通常T+1決済だが、新発債は受け渡しまで数日あることが普通)で入り、現金を用意する必要のある発行日の1日前に売り抜けるということが数度見られました。今回の10年入札は2月12日で、17日が休日であったことから、払込日が18日となっており、その手の短期売買を行っている投資家は14日の金曜日には早くも売らなければならなく、12日、13日と上昇した相場は金曜日に急落を見ています。

欧州のWIは米国のそれとは、少し違うので参考になるかもしれません。例えば、ドイツ、フランスなどの場合はクーポンを含め発行条件のアナウンスを2・3日前までに行います。そうするとWI取引が始まるのですが、クーポンを決めているので通常通り、価格で取引されるのです。その意味では単利で取引することも可能ということです。ただ、米国のように1週間程度時間をかけて入札準備が行われるのとは違い、2・3日しか日が無いということです。そのため、入札によっては、そんなに活発に取引をされない場合も多いです。元々、米国ほどカレント銘柄とオフザラン(カレント以外)の流動性に極端な違いが無いので、米国のようなロール(乗換え)ニーズが高くないことも要因のひとつでしょう。また、時価会計が進んでいないことも要因のうちかもしれません。ただ、ドイツなど、今回の10年債はカレントから離れたクーポン設定を初めからしており、結局101.63の発行価格となってしまいました。相場が下がると読んでいたのでしょうか。


2003.2.20「WI取引」

入札日前取引(WI)における取引は「複利」で行われると14日の「若き知」でも指摘しました。日本での利付国債における日本国債の売買は「単利」で行うのが慣習となっています。国内での利付国債の売買においては「複利」では行っていません(割引国債は除く)。しかし、実際には投資家が運用利回りを考える際は複利で考えています。また、社債と国債とのスプレッドを比較する際にも複利をベースにして行っております(実際には社債は新規で発行されたものを中心に単価で売買されるケースが多いのですが)。ニュースなどで出て来る「長期金利」は単利で示されます。10年国債が0.75%をつけたといったようにです。しかし、利付国債において入札前取引を実施するとなれば、これまでどおり単利で行うには「利率」が必要となります。ところが入札日より1週間も前に利率を発表してしまうとこの1週間の間に大きく相場が変動してしまい、入札における落札価格が大幅なアンダーパーやオーバーパーとなってしまう可能性があります。そうなるとパー近辺を好む投資家のニーズが薄れる懸念とかが出てきてしまいます。今でこそ、債券市場における価格変動は小幅ですが、相場はいったん動き出すと短期間で1%ぐらい動くことがあります。今の小幅変動の方がむしろ例外的といってもよいかもしれません。そのために利率は発表できないとなれば、単利が同じでも利率が違うと複利利回りは変わってきてしまいます。このためにほかの条件だけで売買するには米国のように複利で売買せざるを得ません。このような事情があり、WIは複利で売買されることとなるのです。


2003.2.19「貨幣的現象」

「インフレ(デフレ)は貨幣的現象」(Monetary View)なのであろうか。それとも「インフレ(デフレ)は貨幣的現象ではなく、財政的現象である」(Fiscal View)なのであろうか。 日銀総裁候補の一人と言われている福井氏による講演において、「日本固有の現象というのは、過去の高コスト構造の是正に伴うデフレです。人件費にしても資本コストにしても、土地の値段にしても、やはり相対的に高くなりすぎたものは、いったん調整を受けざるを得なません。ここのところは、いくらお金をばらまいても修正出来ない部分です。ここは本当に難しい点だと思います。」という部分があった。高度成長が止まり、収益が限定しているなかにあって、費用に対する改革は官民ともに大きく出遅れていたと思う。それを修復する前にバブルが発生したことで、株や土地が急ピッチで上昇し、本来業務における収益の増加は止まっていたものの、資産価格の急騰とそれに伴ない負債が増加した。評価上の資産価格は上昇していったが、バブルがはじけ飛んだ。負債はそのまま残ったものの資産価格は急落したのである。これは、異常ともいえた資産価格の上昇の反動、つまり価格調整にすぎなかったものの、資産と負債の巨額のギャップが不良債権問題を引き起こし、ただでさえ収益が上がらない状況下、そのギャップを埋めることのために多額の資金が投じられた。結果として政府の負債は増大した。日本企業も終身雇用・年功序列といった昔ながらの体系を壊し、少しでも費用を削減せざるを得なくなった。しかし、本来、収益構造を変革すべき企業ほど、過剰負債を抱え身動きが取れなくなっていた。最後は銀行・政府がその債務の対応に追われることとなる。冷戦が終了したことにより、ある程度の競争力を持っていた企業も、中国などの台頭で、さらに競争が激化していった。こういった一連のことが、デフレの原因ではないのであろうか。デフレは貨幣的現象でも財政的現象でもなく、経済的な現象なのではなかろうか。経済学からは何をバカなことを言っているのかと笑われるかもしれないが、こういった経済状態にあって、さらに過剰な資金を供給することで、経済構造が良いほうに変化するとは思えない。デフレだからインフレにすればよいというのはとても簡単だが、ではなぜデフレが生じたのか。いやあくまでデフレは現在の経済実態の一部を示しているにすぎない。現在の日本経済がどのような状況に陥っているのかをしっかりと認識し、今するべき対策を考え講じなければいけない。


2003.2.18「10年国債の引受手数料」

10年国債の引受手数料の記述に対して一部メディアで厳しいご指摘があったようで、それについてコメントしたい。10年国債の引受手数料は2002年5月債より39銭に引き下げられた。「債券投資まるごとガイド」においてはこの引き下げによる手数料の訂正を行わなかった。容易には訂正が難しいと事前に言われていたため、何かの際にまとめて修正せざるを得ないという事情があったこともご了承いただきたい。また、10年国債を個人が購入する際には引受手数料が取られるとコメントに対してもやや誤解を与える表現となっていた。しかし、この点については、なぜそうなったかを当初詳しく説明したものの、これを見ている個人に理解してもらうのが難しいとの掲載を担当される方の御意見があり、このような表現となってしまった。実際に新発10年国債を個人が買う際に引受手数料が別途取られるわけではもちろんない。しかし、それはすでに平均落札価格となる募集価格に上乗せされてしまっているために、実勢価格よりも引受手数料分高く個人は買わざるを得ない点を示したかったのである。なぜそのようなことになってしまったのかについては、これをご覧いただいている方は御理解されていると思うので割愛したい。


2003.2.18「個人向け国債」

本日の日経新聞によると個人向け国債の金融機関販売分のうち180億円売れ残りが出たため、それを他の金融機関に再配分したとのことである。当初10倍を超える金融機関からの申し込みがあり、金融機関販売分を3000億円から3300億円に引き上げていた。しかし、金融機関の一部では口座管理料が取られることや、あまり積極的な販売を行わない金融機関もあったことで、売れ残りが発生したものと思われる。個人向け国債は非市場性国債で譲渡が個人に限られるため、金融機関は自己保有できない。そのため21日まで販売目途が立たなければその分、政府に返却するかたちとなる。ただし、金融機関によっては積極販売を行っていたところもあり、また早くに完売してしまったものの顧客からの問い合わせが多いところもあったため、再配分することで結局3300億円は完売となるものと思われる。その商品性からもっと過熱するかとも思ったが、滑り出しはまあまあといったところか。国債には批判的なメディアもその多くは好意的な記事も多かったことは私にとっては意外であった。今後は個人向け国債が浸透することで個人の国債に対する認識も変化するものと思われる。ただ、いくつかの記事やコメントでひとつ気になった点があった。国は借金を円滑にすることばかり考えずに借金を減らすことを考えるべきとの意見である。それはごもっともではあるが、国債発行を担当しているのは財務省理財局であるが、理財局はあくまで国債の順調な消化を行うことが大きな仕事である。予算は主計局が案を作るにしても、最終的には国会を通らなければならない。国会審議が必要であり、国債を削減すべきと言うならばそれは政府に対して言うべきものであり、国債の発行形式とは別の次元の問題となるのではなかろうか。また、いずれ機関投資家が買ってくれなくなるから個人に押し付けるという見方もいかがなものか。機関投資家が国債などに資金を振り向けられないぐらい景気が回復してくれば、当然ながら国債発行は抑えられる。また、500兆円近い国債残高の投資化構成をみれば、日銀や資金運用部、郵貯、簡保、公的年金の比重が高いことがわかる。また金融機関においても生保などはある程度の残高を安全資産である国債で運用せざるを得ない。また2010年代には国債残高が現在の残高の倍近く膨らむという試算も出ている。これは当面の間新規財源債が当面40兆円近く出さざるを得ないということが要因のひとつではあるが、借換債や財投債の残高が大きく膨らむことも考え合わせておかなければならない。キャッシュの流れだけで考えれば、トータルの残高ではなくて新規の国債を消化しきれるかどうかを把握しなければならない。それというのも借換債を発行するということはその分償還があるということであり、財投債についても相応の財投資金があるため、その資金が国債以外のもので運用されない限り、見合いのキャッシュが存在するということになる。残高に恐れおののくだけではいけない。そのような借金は返せないと悲観するのも勝手ながら、それを支える資金も存在することを認識しておく必要があるのではなかろうか。結果として我々の個人金融資産が回りまわって国債を買っていることとなり、つまり国への信頼・信用がそれを支えている。このため、削減すべきはまず新規財源債であり、その努力を怠れば信認はいずれ崩れてしまうであろう。


2003.2.17「日銀総裁」

21〜22日のG7を前に3月19日で任期満了となる速水日銀総裁に変わってのあたらしい日銀総裁が今週中にも発表される。もちろん副総裁2人も同時に発表されるものと思われる。この新日銀総裁人事をめぐっては、中原前審議委員を押す山崎自民党幹事長のコメントが伝わってから、おかしな方向に向いてしまったように思う。声をひそめていたインフレターゲット派が一気に勢いを盛り返そうとしている。伊藤隆敏氏を押しているむきもあるそうで、また竹中氏自身も含めてインフレターゲット派の候補者が目白押し。マスコミでも連日のように特集が組まれたりしている。さすがに、ただ「インフレターゲット」ばかり叫んでいる方を、日本の金融政策を担う中心人物に押し上げるのには抵抗もあるのか、財界などからは福井氏を押す声が強い。日銀総裁はやはり物事をしっかり理解し、日本ばかりではなく世界の金融情勢についてもきっちりとした理解を示す人がふさわしい。また、政治からの圧力も回避できるだけの忍耐力とパワーも兼ね備える必要があろう。加えて「日銀」にも精通しなければならない。これはなにも日銀の金融政策だけという意味ではない。日本銀行の総裁なのである。新総裁は株や不動産、もしくは外債さえ買ってくれる人ならば誰でもよいのか。それだったら私にだってできる。理論理屈はマーケットでは通用しない。そればマーケットの現場に接している日銀関係者ならば理解できよう。学者が自らの理論を実践で試したいというのはわからなくもないが、それを日銀の金融政策などを利用して行ってもらうのは困る。それは市場の混乱を呼び、日銀への信頼が傷つけられれば、マーケットは機能しなくなる。失敗しましたでは許されないのが「現場」である。国債が暴落するのは勝手と言われるかもしれない。ただ国債バブルが弾けただけといわれるかもしれない。しかし、それだけで本当にすむのか。我々の生活は国債が暴落する政策をとることで、デフレ解消期待が出てまた豊かになるというのか。誰かこの答えを教えてほしい。


2003.2.14「WIとシ団」

財務省は来年度中にもWIを導入すると日経新聞が伝えている。米英などではすでに導入されている制度であり、入札日の一週間前から国債の取引が可能となることで入札のニーズを探ることができるため、入札がスムーズに行われるとの期待がある。ただし、導入に対して問題がひとつあった。利率の設定をどうするかということである。日経新聞によると利率は事前に発表されないことになったようである。それはつまり入札日前の取引は「複利」で実施されるということになりそうである。また、同時に国債引受シンジケート団の引受比率の引き下げも検討されているとか。4月から10年国債入札に占めるシ団の引受比率を25%から10%程度に引き下げる可能性がある。


2003.2.13「金融サバイバル講座」

3月よりあらたな講座をスタートします。名づけて「金融サバイバル講座」。我々は今後常にリスクと向き合っていかなければなりません。お金も銀行に預けておけば安全確実という時代ではなくなりました。まして、デフレの進行で利息はほとんどつかず、それなりの運用も考えていかなければなりません。リスクに向かうには何が必要なのでしょう。それはやはり知識武装かと思います。金融市場関係者からご自分の資金運用を行っている方々まで、なるべくわかりやすく金融商品を解説するとともに、そこで使われる数式などの基礎知識、そしてマーゲットで生き残る知恵を学んでいただくコースです。お申し込みはこちらから


2003.2.13「風邪」

今年に入ってずっと風邪を引きっぱなしの感じである。更新ができなかった日もあり、大変ご迷惑をおかけいたしました。医者にはインフルエンザではないと言われたものの、家の子供たちも交代交代に40度近い熱を出している。私も胃腸を中心に風邪の影響を受け、熱も一時38度を越していた。ここまでしんどい風邪は風邪を引きやすい体質の私でもはじめてではなかったかに思う。それだけ歳なのかといったことも言われるかもしれないが。胃腸がやられていたことで、どうも体重も減少傾向。ウエストもまた縮んでしまったようで、ベルトがゆるくなったような気がする。


2003.2.10「マスコミ」

本日の「週刊ポスト」に国債に関する記事が出ており、私の名前も掲載されていた。タイトルから見て個人向け国債に批判的なものであるのがわかるが、当然ながらインタビュー時はまったく反対で、記者からは自分でも個人向け国債を買いたいのだけれどといった感じでのインタビューであった。その本人が私から情報を引き出すべく、そのようなアプローチをしたのか、本音は良いものと思っても週刊誌の販売を考えると批判的なものにせざるを得なかったのかどうかはわからない。私ももしかするととは思っていたことも確かだが、あまりにあからさまな記事となってしまい、むしろあきれて記者に抗議する気もなくなった。週刊誌もそうであるが、売れている経済書は「国家破綻」といったものをテーマにしているものが多いように感じる。むしろ日本国債は危なくないといった、あまりにまともすぎてつまらない(ある意味インパクトのある題名だとは思っていたが)本はなかなか売れないようである。私もこれまで新聞・雑誌などの記者を中心にインタビューを受けいるが、記者のほとんどが国債の現状はしっかり把握していたのである。もちろん私にインタビューする以上は、ある程度意見をあわせる格好でインタビューするのであろうが、専門知識自体もしっかりしている方が多い。もちろんそれをそのまま書いてくれる記者も多いが、現状を把握していながら、書いた原稿は私が言ったこととはまったく正反対であった記者も今回の週刊ポストに限らず少なからずいた。

マスコミにとっては国家権力に反対する姿勢が大事なのか、それとも大衆の期待に迎合しなければ売れないためなのか、それはよくはわからない。ただ、彼らも一様に国の政策などには反対しながらも、例えば本当に国が破綻するなどとはほとんど考えていないようなのである。ただただ国の債務の大きさのみ誇張して報じているケースが多い。またテレビなどに出ているコメンテーターの一部の方にも問題がある。大衆に対して分かりやすく経済を論じてくれるのはいいが、それは金融の現場にいる人間から見ると、何をトンチンカンなことを言っているのかというコメントもかなり多い。これでは素直に国債は危ないと信じてしまう個人も多いかもしれない。テレビに出るくらいの人は、きっとすごい人という一般的な認識はたぶん間違っている。いやこれでは語弊があるかもしれない。すごい人かもしれないが、すべてを把握されているわけではないとしておこう。もちろん中にはしっかりした分析力を持つ方もいるが、テレビなどで名前が売れているような方に対してはむしろ市場の評価ははっきり言って低いといわざるを得ない。正しいことを言うのは実はつまらないこととなり、それはニュースにはならないからかもしれない。国債が買われ10年の金利が0.75%をつけて、なぜこんなに買われるのか素直に解説しても誰も聞いてくれない。むしろ、こんなに金利が下がった反動で急落したら銀行の決算に大打撃になるなど、暴落してすらないのにそんなコメントが受けてしまうぐらいである。

個人向け国債についても、面白い評価があった。こんな低金利の時代にあって、いずれ金利は急激に上昇する。そうなったら変動金利なんかより固定金利の方がよい。だから高金利時の買い付けは不利となる個人向け国債は妙味がないと言っている専門家がいた。これは良く考えずとも、間違っていることはおわかりになろう。金利が高いときは確かに固定がいい。しかし、今のように超低金利ならば反対に変動金利が有利なはずである。国債は暴落し金利は急騰するものとの思い込みがこんな変なコメントになってしまったのであろうか。


2003.2.7「第二回個人向け国債について」

今後の個人向け国債の発行予定についてわかっている範囲でコメントしたい。第二回個人向け国債の募集期間は3月12日〜3月26日。発行は4月10日となる。第一回発行分が人気化したこともあり、第二回債以降は発行量が増額される見込みとなっている。現在はまだ第一回個人向け国債の募集期間中であるが、第一回債が完売している金融機関では第二回債の予約を受け付けることができる。それは各金融機関が引き受けた第一回債の倍の金額まで可能となる。つまり、第二回債は金融機関だけで合計最大6600億円まで販売できる。ただし、金融機関によっては予約受付をまだ行っていないところもあるため、事前に購入予定の金融機関に問い合わせたほうがよい。また、郵便局での予約は行っていないのでご注意を。第二回債の第一回利子を決める基準金利は、3月4日に入札される10年国債の基準金利となり、利払いは4月、10月の各10日。


2003.2.7「閣僚にETFの積極的な購入を要請?」

個人向け国債を塩川財務大臣が購入したことをヒントにしたのか、はたまた日銀が買ってくれそうもないからか、竹中平蔵経済財政・金融担当相は閣僚にETFの積極的な購入を要請した。国債は国で出しているものであり、それを担当大臣がPRの一環として購入することは理解できるが、ETFの積極的な購入を要請することについては何の意味があるのであろうか。もちろん現在の株価は低迷しており、それを引き上げる努力は必要だと思う。しかし、実態を伴なわず価格だけ吊り上げたところでどれだけの効果があるというのか。銀行や公的年金の株式含み損が解消されるから?。マーケットはそんな単純なものではない。これはインフレターゲットの一環として日銀がETFを購入しても同様であろう。株式は発行している企業の収益増加などを期待して購入するものであり、株価は実態経済を映す鏡でもある。もし実態経済と乖離していればバブル崩壊後のように急激な価格調整が起きる。現在の株価が実態経済と比較して過度に割安というならば閣僚によるETFの購入をきっかけに株価も上昇するかもしれないが、はたして割安といえるのか。仮に閣僚のETF購入をきっかけに株価が上昇したとすれば、絶好の売り場として投機筋などが売り向かってくる可能性もある。もう少しマーケットとはどういったものか理解していただきたいものであるが、インフレターゲット論者はこういったことに対して聞く耳持たずなのであろうか。


2003.2.6「個人向け国債の長所と短所(日経ネットさん向け原稿より)」

今回は個人向け国債の購入を検討されている方の参考になればとも思い、個人向け国債の長所と短所についてコメントしたい。まず、長所について。最大の長所としては、日本国債は日本の金融商品のなかにあって最も安全なものであるという点である。国債は暴落するとか紙くずになると、言うのは勝手だが、皆さんの預けている預貯金、生保・損保、年金のかなりの部分は国債で運用されている。国債が仮に紙くずになれば、同じ国が保証する郵便貯金は安全と言えるのか。民間金融機関の預金のほうが優先して保護されるといえるのか。これは冷静に考えてみれば必然のことである。国の信用が国内では最も高いということをしっかり認識すべきであろう。

また、この個人向け国債は債券のリスクでもある価格変動リスクといわれるものと流動性リスクが押さえ込まれたものであるということがあげられる。つまり、発行日して1年たてば、いつでも政府が元本で買い取ってくれる。これまでに発行されている国債は、市場で売り買いされている関係で価格の上下がある。債券は金利が上昇すれば価格が下落し、金利が低下すれば価格が上昇する。つまり元本割れのリスクが常に存在しているのである。これは利付国債ばかりでなく15年の変動利付国債もそうなのである。しかも、機関投資家同士の売り買いと異なり、個人が国債を売却する際には市場でついた値段よりやや不利になる。それは売却を受けた金融機関が市場についた価格よりも若干手数料分を差し引くことに加え、市場では通常「億円」単位の売買が行われており、数百万、数千万といった額面の取引は価格上不利になること。また、金融機関同士の取引は利子に対して非課税が前提で、課税が主体の個人の国債の売却価格は不利になるためである。個人向け国債は、こういった不利な点を政府が直接買い取ることで解消され、しかも1年たてば売りたいときにいつでも売れるのである。

また、利子の設定については半年毎10年国債の利回りをベースに変更されるが、元本保証に加えて、最低利率0.05%が設定されている。10年国債の利回りから引かれるこの0.8%というのは10年間変わらないが、これは有利な設定といわざるを得ない。これは単純に定期預金などと比べられるものではない。もし例えば仮に同条件で法人にも販売できるとなれば、この国債に資金が一気に集中しかねないほどである。

次に短所について考えてみたい。最大の懸念は、長所と裏返しになるが、国がデフォルトを起こすかどうかという懸念である。つまりは国債が紙くずになるかどうかという点であるが、ロシアやアルゼンチンと異なり日本は海外債務を抱えていない。国は回りまわって国民に借金している。つまり我々が国を見離して、海外へ資金を移す行動を国民全体がとるようなことになれば国債は暴落する。そのリスクを判断するのは皆さんということにもなる。

そして変動利付という点も、欠点になりうる。変動金利のものは利回りの上昇には強いが低下には弱い。このまま10年間も低金利が続くかどうかは誰もわからない。プロですら1年後の金利すら予想はできない。現在が超低金利であるということは確かであるが、絶対に利回りが上昇する保証はない。ただし、低金利が続いても0.05%の利子が最低でも保証されている。

また、途中解約に関しても注意点がある。発行から1年経過後、二回分の利子(つまり1年分の利子)相当額が手数料になるわけだが、もしマル優等がつかえなければその受け取りの利子に対しては20%が課税されるが、支払う手数料は20%は差し引かれない。このため、1年経過してすぐに売却すると総手取り額が当初の支払額を割り込む可能性がある。

もうひとつ、短所といえば短所になるが、この個人向け国債は1年経てばいつでも売れるが、反対にいつでも買えるかどうかは何ともいえないという点である。これは発行額が限定されており、人気化すればあっと言う間に売れてしまい、購入したくても購入できないリスクも存在する。しかし、4月以降は毎年4回発行され、発行量もある程度増やすことができるため、買いたくても買えないという状況はあっても一時的かもしれない。

最後に10年という期間が長いということも短所といえば短所になるかもしれない。途中解約が可能といえど手数料がかかるため、できれば償還まで持つことを前提に購入したほうがよい。このため、子供の教育資金のためとか、ある程度長期的なスタンスでの購入を考えたほうが良いと思われる。


2003.2.6「インフルエンザの猛威?」

我が家の子供たちが通っている小学校もインフルエンザや風邪で休む児童が多く、始業時間を遅らせたとか。インフルエンザは全国的に猛威を振るい、各都道府県で警報が発せられている。このような流行に過敏な私もしっかり風邪をひいてしまい、先週木曜日と今週月曜日、休ませていただいたがまだ完全に治り切っていない。とにかく風邪かなと思ったら医者に行ったほうが良い。ただその前に、インフルエンザの検査をしてくれるのかを尋ねたほうが良い。治療薬のみならず検査薬も不足しているとか。風邪とインフルエンザは症状が似ているがまったく違う病気であり、インフルエンザの場合には、薬には十分注意しなければならないとか。予防が大事だが、引いてしまったら、十分な睡眠と栄養が必要である。ただ今回の風邪は内蔵にきており、食欲がまったくなくなる。この際には柔らかいものを中心に果物など、とにかく食べられるものを少しでも取ることも必要かもしれない。しかし、私は今回、水分すら取れない状態にもなった。なにはともあれ、皆様もご注意を。


2003.2.5「個人向け国債って安心?」

3日から募集開始された個人向け国債は事前に予想されたように好調に販売されているようである。この国債購入の注意点として、国の借金はすでに返せないぐらい膨らんでいるため、返済されないリスクを強調しているものも多い。例えば、「個人向け国債が、変動金利の定額貯金のようなものと説明されている。MMFが普通預金のようなものとして販売されたことによる悲劇が繰り返されないことを祈りたい」といった表記もあった。私もマスコミを通じて、安全性から見て定額貯金と同じようなものとコメントしたことがある。MMFを始めとする公社債型投資信託は、本来元本は保証されていないにもかかわらず、元本保証のような金融商品との認識が広まっていた。投資信託とは顧客から預かった資金で運用している。それは株式といったリスク資産は入っていないものの、クレジットリスクの伴なう社債などが組み入れられている。そのために、中期国債ファンドやMMFの元本割れが生じている。それと国債を比較することは根本的に間違ったものといえる。国債は確かに国の借金であり債券である。そこにはデフォルトリスクが当然存在する。しかし、発行しているのは国である。元本・利払いを国が保証している。それでは定額貯金はその利払い・元本を誰が保証しているのであろうか。また、仮に国債がデフォルトを起こした際には、その資産の8割近くを国債で運用している郵便貯金に与える影響はないと言えるのであろうか。フィナンシャルプランナーと言われている金融知識を保有している方ですら、このような認識では、一般の方々にとっても国債イコール危険とのイメージが焼きついていてもおかしくはない。国債が危険というのは、そもそも国の財政に問題があるためであり、それをまず指摘すべきである。国債が仮にデフォルトを起こしたならば、貯金に限らず預金、生命保険、損害保険、年金基金などその資産運用においてコアの資産となっている国債による影響を考えてみたことがあるのであろうか。ならば外貨預金や外債投資が良いとの見方もあろう。しかし、日本人である限りしかも日本で生活している限り、国の保証、日銀の信用で発行されている円から完全に逃れ切れることは不可能である。「危ない」と警鐘を鳴らすことは必要だが、だから国債の信用がないと言うことはできない。財政に取り込まれている国債だけでなく、金融商品としてどのような役割を果たしているのかを認識しておく必要がある。しかし、FPの方々ばかりでなく、マスコミに登場されるエコノミストなどによる不用意なコメントが、一般人へ無用な誤解を与えているのも確かであると思うのだが・・・。


2003.2.5「新刊案内!!」

弊社代表倉都康行著「相場を科学する」(定価本体600円+税)が日経文庫から2月1日に復刊いたしました。もしブルーバックスで読み逃した方には特にお勧め。市場関係者、投資家にとって必読の書。また、2月10日に「天候デリバティブのすべて」(税込み3300円)という本が、東京電機大学出版局から発売されます。聞いたことはあるけど「天候デリバティブ」って何?という方にお勧めです。


2003.2.3「個人向け国債発売開始!!」

ついに本日から個人向け国債の募集が開始された。発売と同時に完売した金融機関もあったようだが、それほど過熱感もないものの、かなりの関心を集めているのも確かのようで、昼には500億円募集した郵便局の分も完売となった。大手金融機関などでも本日中、もしくは明日ぐらいまでには完売しそうな感じである。個人的にはもっと過熱してもおかしくはないと思っていたのだが、あまり過熱するのもどうかということもあり、落ち着いた消化となりむしろよかったのかもしれない。マスコミの報道も好意的なものが多い。国民にまだ押し付けるのかといった的を射ないコメントはさすがに見受けられなかった。第一回募集期間中ならば、第一回個人向け国債が完売しても、第二回債の予約をすることができる。各金融機関が引き受けた第一回債の金額は倍まで第二回債の予約が可能であるため、もし購入したいが第一回が売り切れてしまった際には、第二回債の予約を考えてみてはいかがであろう。


2003.2.3「スペースシャトル」

スペースシャトル「コロンビア」が墜落した。搭乗員7名の全員死亡が確認された。宇宙開発は尊い犠牲の上に行われてきた。宇宙というまさにフロンティアに行くのは命がけである。コロンブスが大西洋を渡った当時の航海も同じような危険性を伴なっていたと思う。しかし、宇宙を知ることは我々人類のことを知るためでもある。昨日、たまたまつくば市にあるNASDAに子供たちの用事で行ってきた。ここには、現在、製作が進んでいる宇宙ステーションの一部となる予定となっている日本の実験棟「きぼう」の実物大模型がある。この宇宙ステーションは我々人類にとっても希望となるはずのものである。無重力化でしか作ることができない新薬の製造実験なども期待されている。しかし、それには人類をなんとかして宇宙に無事送り届け、無事に帰還させなければならない。有人でなければできないことも多い。今回の事故により、数年間はスペースシャトルを飛ばすことはできなくなるかもしれない。すでに20年以上前に製造されたものを使い続けるのにも無理があるかもしれない。宇宙ステーションの計画自体が白紙に戻されてしまうかもしれない。しかし、それでも前進しなければならない。宇宙飛行は子供たちの夢であり、人類の夢でもある。7名の搭乗員の方々には本当にご冥福をお祈りしたい。そして、彼らもきっとこれで止まってはいけないと言ってくれるのではあるまいか。


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