「若き知」
「過去データは一番下に移行しました」
2003.4.28「選挙」

昨日は統一地方選挙の後半戦となり、私の住んでいるところでも首長選挙があった。その選挙に、小学校から高校まで一緒だったひとつ下の後輩が、現役との対抗馬として立候補していた。彼にとっては初めての選挙であり、その上農村地区ということもあり、現役有利との声も強かった。しかし、市町村合併問題もあり、守旧派を代表する現役よりも、やや革新的な若い新人に対しての期待もあったのであろう。わずか70票程度の差ながらも後輩が勝利した。これで地域が少しでも変わってくれるとうれしい。もちろん後輩ということで影ながら応援していたが、公約のひとつにADSLの普及が入っていたことも支援材料?。私の家の地域には、まだADSLが来ていないのである。早くなんとかしてほしい・・・という願いもあったのだが。


2003.4.25「国債の保有者別内訳(2002年12月末)」

銀行など民間預金取扱機関 97兆2,250億円 18.6%
日 本 銀 行         80兆9,898億円 15.5%
郵便貯金         66兆9,293億円 12.8%
財政融資資金         66兆0,626億円 12.6%
民間の保険・年金     65兆1,193億円 12.5%
簡易保険         46兆9,018億円 9.0%
公的年金         35兆6,990億円 6.8%
投信など金融仲介機関    21兆1,151億円 4.0%
海外             20兆6,403億円 3.9%
家計             12兆6,146億円 2.4%
その他          9兆5,762億円 1.8%
合計              522兆8,730億円
(日銀資金循環統計より)


2003.4.25「個人向け国債」

牛熊インデックスにご協力ありがとうございます。今回は個人向け国債について皆様にお尋ねしている。まずはこちらをご覧いただきたい。もし、金融関係者以外の方がご覧になると、多少の違和感を感じられるかもしれない。個人向け国債の条件設定については、40%以上の方が「申し分ない条件」と答えていただいている。また、民間金融機関の売れ残りについては、口座管理料の存在が要因し半分近くの方が答えている。ただ、以外であったのは、「もし同条件で個人向け国債が法人向けに出されるとすれば」という問で、「かなりのニーズが見込める」ではなく「多少ニーズはある」であったことである。これは金融関係者が今後、10年間も低金利が続くと予想しており、変動金利は不利といった見方が働いているのであろうか。実際に「今後10年間の平均長期金利利回りはどの程度を予想しますか」という質問に対しては、1〜2%と答えた方がもっとも多かった。もし今後、個人向け国債の購入を検討されている方は、こういったプロの見方もぜひ参考にしていただければと思う。


2003.4.24「国債が現金化」

23日に実施された2年国債の入札における応募額が68兆円もあった。募入決定額が1兆7,889億円だったため、応札倍率は38.2倍となった。68兆円といえば2003年度における国債発行額の約半分近い。もちろんこれは、都銀などのニーズを掴んでいた業者が、ほぼ一本値で落札されることを想定して、按分狙い、つまり同一価格の募入額の割合に応じて振り分けられることを狙ったためと思われる。これは以前に短期国債の入札でも見られた。2年国債もほとんど利回りがついてない(0.054%)にも関わらず、これほどのニーズを集めるというのは、ほとんど現金と同じ扱いになっているものと思われる。運用というよりも、現金を保管しておく存在になっている。2年国債がTB化して、10年も次第に2年とか5年国債の感覚になり、10年のかわりに指標になりつつあるのが20年。その20年利回りに接近しているのが30年ということになる。これまでせいぜい10年債ぐらいまでしか買っていなかった都銀なども積極的に超長期債を購入しているとか。政府・日銀によるリスク封じ込め政策は資金の流れをさらに狭めているような気もする。


2003.4.23「相場の反乱」

日本経済は再び社会主義経済化をめざしているのであろうか。社債市場では低格付け銘柄にも買いが入っており、クレジットデリバティブなどのタイト化も進んでているという。これはつまり、業績が悪かろうが大手企業・大手銀行は潰さないという前提条件によるものなのか。産業再生機構が何でも救ってくれるといった見方すら強まっている。政府も何ら対策を講じられないとの見方は、結局は政府信用の極度の広がりを意味する。30年の国債が1.01%まで低下しているのは、景気回復への期待の低さに加えて、政府への信認が強いことも示している。財政規律を守る姿勢は反面、財政による経済対策には限度があることを意味する。しかし、銀行株は下落を続けている。持ち合い解消や代行返上による売りが要因とも言われるが、買い手がいないということも事実かと思う。このまま超長期の金利が低下し続け、銀行株が売られ続けるとしても、それぞれ残りはあとわずかでしかない。超長期金利が0%になったり、銀行株が0円になることは考えづらい。そこに行き着く手前で、何かが起きることは十分に考えられる。現在の債券相場を買い支えているのは、投資家である。これまで投資してこなかったところも超長期国債を買い始めている。運用のミスマッチとか逆ザヤとか言っている場合ではない。何もしないとますます金利が低下してしまう。少しでも、運用益を稼ぐにはとにかく長いところを購入せざるを得ない。これはある意味買いが買いを呼んでしまっている。武藤日銀副総裁は国債は償還があるためバブルではないとコメントしたが、それは確かにそうであるが、今の債券の買われ方は、バブル時の買い方に似ていなくもない。債券はこれまで幾度か暴落している。6.1国債、先物上場直後の急落、89回債の反落とタテホショック。これらの暴落前にはほとんどバブルのような相場が存在していた。今回も同様の下落がいつ起きてもおかしくはない。しかし、それは高値警戒といったものによっては引き起こされない。外因的なショックによるものとなると思われる。そのショックが何になるのかは今は予測がつかない。しかし、何かが起きる可能性は日に日に高まりつつある。価格変動リスクやクレジットリスクを無視していくような買いが続くような異常ともいえる相場は決して長続きはしないはずである。


2003.4.22「国の財政」

財務省のホームページで、財政制度審議会が財政についての意識調査を実施している。我々の生活に直接関係していながら、あまり国の財政とかには関心のない方も多いのではなかろうか。税はとられる一方ながら、その使い道については我々ももう少し認識すべきなのかもしれない。我々はどうしても選挙、つまり政治家を通じて、国政に関与しているという認識が強い。我々が何を言っても、結局政治家に決められてしまうと思い込んでいるし、実際そうではないか。それはそれで我々が選んでしまったのだからいたしかたないというのもどこかおかしい。我々も見ているだけでなく、動くことも必要なのかもしれない。そのためにはこういったアンケートに対しては、とりあえず参加してみることも必要であろう。少なくとも「財政制度審議会」というところで、我々の意見が多少なり反映されれば、それはそれで何がしかの効果もあるのではなかろうか。


2003.4.21「タマちゃん」

今度は埼玉県の中川にアゴヒゲアザラシが出現した。アザラシが2匹いるとの情報や、タマちゃんにそっくりなので、転居したのではないかといった観測もある。もし二匹いるとすれば前代未聞との声も専門家から聞こえる。たかがアザラシ一匹になんで大騒ぎするとか、もっとニュースで流す必要のある情報があるのではないかとの声もある。それはそれでわからないではないが、ニュースは発信者と受け手が存在する。受け手が何を欲しているかということが重要になる。これは視聴率のほしい民放ばかりではなく公共放送も同様である。だからタマちゃんがニュースになる。タマちゃんの出現によって、川の水が昔に比べ綺麗になっていることや、関東地方の川の位置など再確認できたりする。子供みたいに騒いで、というのは簡単である。しかし、子供みたく騒げなくなるのもつまらない。SARSといった深刻な問題も当然より正確で詳しい報道が求められる。しかし、そのニュースがタマちゃんのあとだからといって目くじら立てることもどうかと思う。相場だってそうであろう。なんでもっと重要な材料に真剣に反応せず、そんな些細な材料に反応するんだと言っても、所詮相場に負ければおしまいである。市場参加者の興味関心がどこを向いているか、それ掴むことができなければマーケットで生き残ることは難しい。相場に勝つためにはそれが絶対に必要なことである。これはマスコミや企業にとっても同じ事ではなかろうか。


2003.4.18「夏日」

昨日も気温が上昇したが、本日はさらに上昇し、東京は25.2度と夏日となった。毎年のように暑い日が早く来るようになった気がするが、気のせいであろうか。人間不思議なもので、いきなりこういった暑い日がくるとうきうきしてしまう、暑い日が続くとうんざりするが、やはり太陽はまぶしいほうがいいのかもしれない。しかし、このまま今年の夏が暑くなると、問題は電力。東京電力は原子力発電所を止めており、どう考えても電力不足に陥ることは目に見えている。節電してくれと言われても、なんでしなくちゃいけないんだとの声もあろう。しかし、せっかくだから昔の夏を思い出すのもいいかもしれない。昔の人は暑いときは動かず、夕方近くになり、打ち水をしたり、縁側にござを引いて、夕涼みなど楽しんだ。みんな外にいるから、自然と会話が進む。また、縁側で将棋など指す人もいるであろう。エアコンのある部屋で、じっとしていてはこんなふれあいのチャンスはない。昔、夕方は人と人とが触れ合う時間帯でもあったような気がする。買い物にいけば、八百屋さんや魚屋さんのおじさん達と買い物のおかあちゃんが会話している光景も、スーパーのレジではそんなこと無理である。日本人の夕方を取り戻すと案外、犯罪なんかも減ってくるのかもしれない。


2003.4.18「信用リスク市場入門講座」

日銀が資産担保証券の購入を検討しているなど、さらに信用リスク市場に注目が集まっています。特に金融機関にお勤めの方にとっては「信用リスク」の知識が必要不可欠な知識となると思われます。まさに隣の人に差をつけるためにはぜひこの機会をご利用ください。今は、自分の商品性を高めていかなければいけない時代です。RPテックは少しでもそのお手伝いをしたいと考えます。 「信用リスク市場入門講座」につきましては、http://www.rptech.co.jp/risk/をご覧下さい。


2003.4.16「金融業会内申書 RPテック 2003.04.16より(弊社代表倉都著)」

国債の勢いが止まらない。20年は1%を割れて更に金利低下、30年も1%が視野に入ってくる。10年債の0.5%割れも時間の問題であろうか。金利という概念が薄れてくる中で、危機は金利上昇懸念ではなく、資金の熱死状態化にあるといった方が良いかもしれない。エントロピーの増大でお金の本質の一部である流動性が死滅する状態である。既にその兆候は明らかだ。お金がお金でなくなるという現象である。

日銀からのお金が熱死状態の閉じた箱に供給される限り、そのお金が本来のお金でなくなるのだから、いくら供給しても意味はない。それが今日の姿なのだろう。こういうのは経済学者ではなく物理学者に説明してもらった方が解りやすいかもしれない。閉じた系でエントロピーが極限にまで増大すればもう資金循環など起こりようがないのは自明である。解決方法は、閉じた系に穴を空けて開放空間とのパイプを作ることである。問題は穴のあけ方と、どこの開放空間にパイプを繋ぐか、だ。日銀は中小企業金融に向けた作業を始めた。。

海外も開放空間の一つである。国内や円の世界に開放された系は見当たらないとすれば、資金は海外に流れていく。それは円の資金循環には役に立たない、円のローカル化に繋がるという意見が必ず出る。だが本当にそうか。系の外に資金が流出してもまたその資金は還流してくる。その資金は外の空気を吸って帰ってくる。その結果、閉じた系に自己組織化する動きが出てこないとも限らぬ。もっとも、いま重要なのは、閉じた系の中だけではもはや解決方法はない ことを認識することであろう。日銀だけにその責を負わせる訳にはいかない。 


2003.4.15「20年国債1%割れ」

昨日の20年国債の1%割れは、ひとつのエポックメーキングになるのかもしれない。1998年の資金運用部ショック以降、日銀の株式購入などで長期金利が上昇した場面はあったが、ほぼ一貫して低下し続けている。2002年9月20日からはねほとんど調整らしい調整もなく、10年金利が史上最低を更新し、20年や30年という期間の長い金利も低下し続けた。その20年の金利までもが1%を割り込んだ。「日本国債は危なくない」(文春新書)でも指摘させていただいたが、デフレが継続し国債への信認が続く限りにおいて、長期金利は低下し続ける。これは国の債務としての国債を見るのではなく、国内金融資産で最も安全な資産である国債、もしくは長期金利としての役割をもつ国債という側面から見れば理解は可能であろう。また、国債の発行残高を気にする方もいると思うが、国債の年間発行額のなかで気にするべきは、新規財源債の部分である。借換債はその名のとおり、償還されたものの乗換えのための国債であり、借換債購入の裏づけとなる資金が存在する。また、財投債も資金運用部が郵貯・簡保・公的年金等への返還した資金があることで資金の裏づけが存在する。もちろん、借換債にしろ、償還資金で国債をまた買ってくれるかどうかは投資家の判断に委ねられるが、結果として国債に資金を振り向けることになるのではなかろうか。そして、日銀という買い手が別途存在することで、新規財源債に見合う額の買い手が存在するのである。デフレの継続は日銀の時間軸効果によって、さらに長期の金利低下要因になる。次第次第にローラーで潰されるように短いところから金利は押しつぶされている。その結果として20年の金利までもが1%を割り込んだ。1%に何の意味があるわけではない。数値の区切りに過ぎないかもしれない。しかし、超長期の金利がここまで低下するということは、やはり異常な事態であることも確かである。これに対処するには、デフレの解消ということになろうが、デフレを解消するには景気回復を図らねばならない。やるべきことはたぶんみなわかっているはずである。これまでの資金の流れを断ち切り、過去を引きずる既得権者を排除して、利益誘導型政治から脱却し、まさに日本にとっての「無駄」を取り除かなくてはならない。これは当然ながら日銀の仕事ではない。円安誘導・インフレターゲットなど机上の空論である。もしどうしてもやりたいというならば、試してみればよい。その前にG7なりサミットなりでまずはそれを提唱してみればよい。各国の賛同すら得られるとは思えない。結局、過去の遺物を捨て去らない限り再生などありえない。ただし、長期金利を見る限り、残された時間がそれほどあるとも思えない。


2003.4.14「日銀の金融政策入門講座」

4月に引き続き5月も、「日銀の金融政策入門講座」を開講いたします。ここ数年で日銀の金融政策は様変わりしています。その様変わりしてきた経緯や要因を知らずに現在の金融政策を見ると判断を誤る可能性もあります。日銀には何故「独立性」や「透明性」が求められているのか。なぜ「量的緩和策」を導入したのか。何故、国債をそれほど買っているのか。何故、インフレターゲットに対して拒否反応を示すのか。その答えを求めため方にぜひお勧めです。金融市場への見方も変わってきます。書き下ろしテキストに対して、「感激した」というご感想までいただいております。なるべく新鮮な情報をお届けするため、あたらしい政策などは随時、テキストへの追記というかたちでお送りしています。最近では資産担保証券についてもコメントしています。この講座は決して学ぶものではありません。情報を武器とするために使うための講座ともいえます。知っているのと知らないでいることは、ものの見方が大きく異なります。他の人との知識による差別化はこれからの競争社会にあっては必要になるものと思います。ぜひこの機会に、「日銀の金融政策」にお申し込みいただければと思います。詳しくは、こちらのホームページをご覧ください。

「日銀の金融政策入門講座」 http://www.rptech.co.jp/boj/


2003.4.11「スクールゾーン」

愛知県で、集団登校している児童の列に乗用車が突っ込み、3人の新一年生が怪我をおったとのニュースがあった。以前にも集団登校している児童の列に車が突っ込むという事件が何度も発生している。最も注意すべき子供たちの列に突っ込むとは何事であろうか。愛知県の事件は、児童たちが横断歩道を渡っていたために停車した車を追い越して、列に突っ込んだという。前方不注意とかの問題以前であろう。実は同様のことが我が家の子供たちにも起きていた。やはり集団登校時、信号のない横断歩道を渡ろうとした際に、止まってくれた車に後続車が衝突したのである。子供たちに怪我はなかったが、かなり恐かったと子供たちは話していた。また下校時に、やはり横断歩道を渡っているとき、ブレーキをかけそうにない車が来ることがわかり、急いでもどったところ、まったく停止の意思を見せず走り去っていた車があったとも聞いた。通勤に車を使って、急ぐ気持ちは理解できなくもないが、子供たちに一切注意を払わないドライバーに車を運転する資格などなかろう。また学校としても、渋滞は招こうが児童の登校時には通学路に一切車を入れさせないという対策も必要ではないか。多くのドライバーは良心的でも一部のドライバーが悪質である以上、凶器ともなる車の乗り入れを禁じてもいたしかたない。弊社オフィースのある九段近辺は学校が固まってあることもあり、一定時間の一定地域への車の乗り入れは禁じられている。地方といえど同様の措置をさらに強化すべきかと思うが。


2003.4.10「第二回個人向け国債販売額は3500億円」

4月10日に発行する第2回個人向け国債の発行額が当初予約より500億円減額し約3500億円となった。金融機関などの売れ残りが500億円程度発生したためと見られる。第2回の個人向け国債は民間金融機関の販売希望の額は3223億円となり、郵政公社向けに750億円と4000億円程度の販売予定となっていた。郵便局向けの750億円は募集開始日にすでに完売となっていたが、金融機関では第2回同様に売れ残りが生じた。これは口座管理手数料の問題もあろうが、金融機関によっては積極的な販売を控えたためとも思われる。個人向け国債は郵便局やインターネットでの販売を主力にすべきかもしれない。金融機関では競合商品と手数料の問題などがネックになるのかもしれない。50銭でも販売ロットを増やせばそれなりの収益源となると思っていたのだが。また、商品性の理解もまだまだ進んでいないのかもしれない。私自身もう少しがんばって個人向け国債の利点をさらに強調していきたいと思う。


2003.4.10「消えた1兆円の謎?」

本日、5年国債の入札が実施された。発行予定額1兆9千億円。市場推定での落札業者としては、野村證券6642億円、みずほ証券361億円、UBSウォーバーグ証券266億円、農中証券190億円、みずほコーポレート銀行190億円、東京三菱銀行190億円、CSFB152億円、新光証券114億円、三菱証券114億円となっているが、これでは1兆円ほど足りない。また、今日の前場には先物が不可思議な動きをしている。1500億円の売りをきっかけにして先物が急落、板寄せ後に1800億円程度の商いで142円40銭をつけ、そこから急反発しているのである。その乱高下とこの1兆円には何かしら関係があるのであろうか。しかし、先物の売られたタイミングで即座に現物の押し目買い注文を出しても全然間に合わなかった。これはつまり、売りを待ち構えていたとも見えなくもない。5年債といえど1ショット1兆円程度の注文が出ていたとしたら過去にそれほど例のないものとも言える。債券市場としてはめずらしく非常にミステリアスな動きであった。それにしても史上最低利回りを更新中の債券投資も次第次第にリスクに麻痺してきているともいえるのかもしれない。


2003.4.9「速水さんと福井さん」

日本銀行総裁としての速水さんと福井さんのスタンスの違いというかカラーの違いが次第に鮮明になってきたように思う。平成14年度の日本銀行の入行式と平成15年度の入行式の総裁挨拶を比べてみた。平成14年度の速水総裁の挨拶のなかで「信念に基づく行動をしてほしい」とコメントしている。それに対して平成15年度の福井さんは「知恵くらべが重要」とコメント。信念の人が速水総裁であれば、知恵の人が福井総裁なのかもしれない。電撃的な臨時の金融政策決定会合と銀行保有株式の買取枠拡大の決定については、まさにスピードとタイミングをうまくついた行動で政治的配慮も窺わせる。イラク開戦もあったが、やはり決算期末にきての株安に対して政府は動くことができずにおり、まさにタイムリーなものであった。ただし、これはあくまで例外中の例外と福井総裁はコメントしている。また3兆円への株式の枠を拡大もここまでと念を押している。まずは行動力を適切なタイミングで見せ、やや距離が置かれた政府との関係修復を計ったとみえなくもない。そして、昨日の資産担保証券購入の検討についても、具体的なスキームが検討される前に発表したことは、ある意味アナウンスメント効果を狙ったものと伺える。福井総裁は就任以前のコメントで、国債買い切りについて量を増やしても効果は限られていることをコメントしている。それに対して速水総裁は、政府からの要望に対し、国債買い切り増額・当座預金残高目標の引き上げで対処してきた。この延長上で福井総裁の行動を考えるべきではないかもしれない。同じ行動を起こすには、知恵を使い、より効果的な手段を模索している。この効果的というのはもちろん金融市場に対してのものばかりではない。総裁コメントなどを読んでも、あれほど騒がれたインフレターゲットの文字がない。昨日、決定会合に参加した竹中担当相ですら「政策手段の選択については日銀の独立性を尊重」し、政策協定にこだわらないとコメントしている。つまり、アコードについて棚上げしているのである。やはり決定会合に同席した谷口副大臣は「国債の買い切り増額を要請したが、議論にはならなかった」との発言があった。これは従来のように、国債買い切り増額で応じるといった姿勢の変化を意味するものと思われる。そこで持ってきたものが、資産担保証券。これを切り札とすることで、いろいろな副次的な効果を狙ったのではないかと思われる。そのひとつとして、国債買い切りでは資金を流す一方であるのに対して、資金繰りが厳しくなっている中小企業の売掛債権を買い取ることで、ピンポイントでの資金注入が可能となる。国債買い切りが麻酔とすれば、資産担保証券は患部に直接働きかける薬の役目ともみえる。昨夕の食事会で、福井総裁は小泉首相にこの資産担保証券の買入について噛み砕いて説明し、首相は「それはいい」とコメントしたそうである。これで政府のお墨付きも得られた格好になる。ただし、スキームなどはまだ検討段階に入ってない時点での発表は、決定会合でのゼロ回答を避け、なおかつ具体的な決定事項と同様の効果をもたらしたとも思える。日銀が金融政策としてリスク資産を購入するには多くのハードルがあるということも、今回強調していたようにも思える。すでに金融システム対策としての株式購入は行ったものの、それはもう打ち止めということも半ば宣言している。金融政策として信用リスクをとることは、中央銀行としては例外的なものであることを強調することにより、安易にETFやREITなどを日銀が買い取ることに対して否定しているともとれる。資産担保証券を購入するなら、いずれリスク資産であるETFやREITも購入するだろうとの見方は、たぶんちがうのではないかと私は思う。以上のことをみても、福井総裁はいろいろな意味でまさに知恵の人なのかもしれない。資産担保証券をどのようなかたちで購入し、それ以降どんな施策をとってくるのかたいへん興味深い。


2003.4.8「日銀、資産担保証券の買い入れ検討について」

日銀は決定会合において、現状の金融政策の継続を「賛成多数」で決定した。これまでの「全員一致」から賛成多数になったということは、反対票があったこととなる。邪推すれば、やはり岩田副総裁がインフレターゲット導入の必要性から反対した可能性もある。ちなみにこの会合には竹中担当相も出席していた。もし、執行部(総裁・副総裁)の意見が分かれたとすれば、新日銀法のもと初めてのケースにもなるが真偽のほどは議事要旨の発表待ち。

それはさておき、日銀は資産担保証券としており、資産担保CP(ABCP)というよりは資産担保証券(ABS?)の買い入れをメインに検討したのであろうか。ただし、実施するにはまだ超えるべきハードルもあり、あくまで検討するということになった。「資産担保証券市場の活性化通じ企業金融円滑化を図り、金融緩和効果強化することが目的」であり「民間債務の買い切りは中銀として異例の措置、日銀の財務の健全性など見極めながら最終的に決定」とのコメントも出されていた。このため総裁は、「5月上旬にパブリックコメントもらい検討、資産担保証券の最終スキーム詰めたい」としている。関係者との協議などもこれには含まれよう。

しかし、5月上旬というのも先であり、最終スキームを決めるのはさらに先。これもある意味、金融政策の先送りというか、これに全力を傾け、金融緩和策と中小企業対策を実施するとの大義名分のもと、当面金融政策の変更は見送る構えともとれなくもない。会合後、財務省から出席した谷口副大臣が面白いコメントをしている。「国債の買い切り増額を要請したが、議論にはならなかった」というのである。実際に総裁も、 「今回決定したもの以外の議論はしておらず、勉強したい」とコメントしている。 「REIT購入は具体的検討しておらず答える段階にない」ともコメント。やや曖昧にすることで、期待を残させるところなど前任者とはちょっと違う感じも受ける。国債買い切りによる資金供給には限度があるということは、就任前の福井氏のコメントにもあった部分でもある。

日銀が資産担保証券を購入するにあたって一番の注目点はクレジットリスクをどうするかということである。「日銀がクレジットリスクとることは、日銀の自己資本との関係でも限界ある」と総裁はコメントし、また「政府系金融機関の協力もお願いしたい」ともコメントしている。 つまり劣後部分への政府保証といったものも検討されるものと思われる。ただし、すでに市場に出回っているABCPなどは、劣後部分は超過担保という形になっているようで実際に出回っているのは優先部分ともいえる。そうなれば無理に劣後部分への政府保証はいらなくなる。それとも、これとは違ってしっかり劣後部分にもサポートをつけた新スキームで発行するというのであろうか。

そしてこちらも指摘されていたことであるが、「資産担保買い入れ価格決定メカニズムに害与えないこと重要」としている。市場という海にいきなりに日銀という鯨が出てくると価格形成をゆがめかねない。こうったことのため、実際に買い切りが決定するにはなお時間が必要になるかもしれない。


2003.4.7「鉄腕アトム」

今日、天馬博士によって作り出されたロボットが鉄腕アトム。これを祝ってあちらこちらでイベントが開かれ、またテレビアニメの新シリーズも開始された。残念ながら主題歌は谷川俊太郎氏のあの歌ではなかったのが残念。日本での本好的なアニメーションでもあり、また巨匠と言われた手塚治虫氏の生み出したキャラクターということで、これほど大きく騒がれていたが、実を言うと私はあまり好きではない。手塚治虫原作のアニメだと、ジャングル大帝やワンダースリー、ビックXといったものは良く見たが、アトムはさほど熱中しては見ていない。むしろ鉄人28号やエイトマンのほうが好きであったが、これはまさに好みの問題なのかもしれない。しかし、日本初の本格的なアニメがSFロボットものというのは、現在のロボット開発にも少なからず影響を与えているものと思われる。確かに10万馬力で空を飛ぶロボットはまだ生まれていないが、駅の改札は無人化し、高速道路もETCを使えばノンストップ。東京湾には橋が掛けられ、また無人運転の電車もある。1950年代の人が現在にタイムスリップすれば、この東京といえど高度な未来都市に見えるのかもしれない。子供の成長は毎日顔を合わせていると、意外と気が付かない。たまに会ったりするとその成長ぶりに驚いたりする。ただ、バブル後はあらゆる面で成長が妨げられているような気もするが、これも気のせいなのであろうか。


2003.4.7「外貨準備高、4カ月連続で過去最高を更新」

財務省が7日発表した3月末の外貨準備高は4961億8100万ドルと、前月末に比べ109億1600万ドル(約1兆3000億円)増加。これで4カ月連続で過去最高を更新した


2003.4.7「長期債は何故買われるのか」

今週の債券はイラク情勢の影響から、戻り売りに押されたが、先週長期金利が史上最低利回りをさらに更新している。今回の調整も一時的であり、また再び市場最低利回りを更新していくものと思われる。何ゆえ長期金利はこれほどまでに低下しているのかについて、まとめてみた。

一般に長期金利と呼ばれるものは、直近、入札が実施された10年国債の利回りのことを指す。4月3日に10年国債(248回)の入札が実施されたが、この入札日の翌日から、247回債に変わってこの248回債の利回りが長期金利ということになる。

248回債の利率は0.7%と史上最低水準となった。3月末から生保など大手投資家が積極的に残存期間の長い国債を購入しており、20年国債や30年国債の利回りは連日のように史上最低金利を更新している。3日に10年債で0.660%、20年債で1.035%、30年債で1.160%をつけている。20年の利回りまで1%に接近してきている。このため、10年国債の利率も0.7%に引き下げられたのである。

なぜこれほどまで、国債が買われているのか、もう一度まとめてみたい。最大の要因は、景気の低迷とそれに伴なうデフレの進行である。日銀が量的緩和策を導入した際に、消費者物価指数(除く生鮮食料品)が安定的にゼロ近辺になるまで量的緩和策を続けるという時間軸を設けた。デフレはさらに続くといった見通しによって、期間の長い債券にまで投資家の買いが入っているのである。

しかし、ここまで金利が低下してしまうと、生保などは支払う予定利率より運用する国債の利率が低くなり逆鞘にもなりかねない。大手投資家といえど、実際には積極的に買い進むことはやはり躊躇していたものと思われる。また高値警戒感(利回りが低いということは債券の価格が高いということ)もあって、どうしても利食い売りを出してしまう。ところが一向に価格は下がらず、売却資金を運用しようにも短期金利はほぼゼロとなり、結局また長期の国債を買わざるを得ないといった循環が続いている。

ものの価格が下落するデフレ下にあって、唯一といっていいほど大きく値上がりしているのは国債だったりするのは、ある意味皮肉にも思える。資産運用するにあたって、ここ数年間で良い運用成績を上げるのには、なるべく期間の長い国債を買ってじっと持っていることが最適であったともいえる。

個人の資産運用にあたっても、同様にやはり国債を買うのがもっとも有効な手段であったと考える。国の借金としてみた国債を信頼できないという気持ちも働こうが、金融資産としてみた国債はかなり魅力的な投資先であった、いやまだそうであるのかもしれない。また、短期金利がゼロに張り付き、日銀が大量に資金供給を実施していることもあり、長期金利が低下し続けているのも納得できるものと思う。決して安全だからとの理由だけで闇雲に買われているわけでもない。この金利低下はまだ続くものと思われる。


2003.4.4「コンビニで個人向け国債を販売?」

塩川財務相は、個人向け国債についてコンビニエンスストアでの販売を含め、販路の拡大を検討したいとの意向を示したとの報があった。ただし、これが本格的な準備段階に入ったわけでもないとも示した。販売方法もコンビにの買取なのか金融機関の委託販売なのかといった問題もある。ただ、セプンイレブンには系列にIYバンクがあり、そこを通じての委託販売などは可能なのかもしれない。それよりも、米国のトレジャリーダイレクトのようにインターネットで財務省から買える方が買いやすいとも思うのだが。


2003.4.3「シ団買取比率を20%に削減」

5月債からシ団買取比率を20%に削減


2003.4.3「ABCPとは?」

日銀においてABCPの買い切りが検討されている。そこでこのABCPとはいったい何なのであるのか再確認してみたい。ABCPとは、Asset Back Commercial Paperの略称であり、訳せば「資産担保コマーシャルペーパー」ということになる。コマーシャルペーパー(CP)とは企業や金融機関などが短期資金調達を目的として振出す約束手形のことであり、その約束手形とは、一定の期日に振出人(支払人)が名宛人(受取人)に対して、手形に記載した金額を支払うことを約束した証券のことである。

企業が保有している売掛債権を流動化するために、この売掛債権を担保に発行されるCPのことをABCPと言う。売掛債権とは、企業が取引の相手先に対して商品やサービスの提供を行ったことにより、当該相手先からその代金を請求することができる権利のことである。 企業同士の取引は現金のやり取りで行われるのではなく「掛け」で行われることが多い。このため、期日前に現金が必要になる場合にこの売り掛け債権を譲渡することによって現金が得られることとなる。

ABCPの仕組みとしては、銀行などの設立母体が連結対象にならない特別目的会社(SPC)を設立し、SPCが金融資産の種類や条件を決めて、これを裏付けとしたCPを発行して資金を調達する。SPCとはこのように売掛債権などを含め特定の資産を担保にした証券の発行など限定された目的のために設立される会社のことである。その多くはケイマンなど税制上の優遇措置のある地域で設立されている。SPCは、譲渡された資産を裏付けにして証券を発行し投資家に販売する。資産が企業から切り離されているため、元の企業が倒産などの事態に陥ってもSPCが保有する資産が健全であれば、投資家は安心して証券の支払いを受けることが可能となる。

このSPCに対しては銀行などの設立母体が流動性補完(バックアップライン)を付与することによって格付けに際しても、銀行の格付けと同様の格付けが得られる。万が一、CPの期日に償還資金が不足する場合には、期日通りにCPを償還するため、設立母体の銀行がSPCにローンを付与する(これは設立母体がフルサポートしている場合)。

すでにABCPは日銀の適格担保となっており、CP現先の対象資産となっているが、日銀はABCPを直接購入することで売掛債権の売買や中小企業のABCP発行を活性化させることで中小企業への資金繰り対策を実施したいものと思われる。現在、ABCPの規模は約7兆円程度といわれているが、日銀が直接購入すれば、さらに規模が膨らむものと思われる。すでに現先の対象にもなっており、ETFの購入などよりも、実施しやすい上に中小企業への支援という大義名分もある。ただし、買い切る以上は、ABCPに内在する信用リスクを直接負うこととなる。つまり、流動性補完・信用補完を行う金融機関への信用といったものも問題となる可能性がある。7日から開催される金融政策決定会合においてどのような形でABCPの買い切りを行うのかといったことも討議されるものと思われる。


2003.4.2「貯蓄率の低下」

日本の貯蓄率が大きく低下して日米の貯蓄率が逆転する可能性も出てき ている。貯蓄率の低下の要因はいろいろと考えられるが、所得の減少によ り貯蓄を取り崩さなくてはならなくなりつつあるとの見方もある。

「一時的な所得の減少に対して、家計は過去の消費水準を維持しようと して消費性向を引き上げる」という、いわゆる「ラチェット効果」が働い ているとの見方もある。バブル崩壊後、金融機関の破綻、年功序列や終身 雇用といった日本型の雇用構造は大きく変化し、欧米のようなリストラが 実施されている。能力給・実力給という言葉は格好いいかもしれないが、 それへの移行は結果として平均給与の引き下げを意味しよう。護送船団方 式が崩れた金融業会もまさに同様であり、日本型経営システムが崩壊し、 それが我々の将来ビジョンを描けなくさせている。

将来の不安に対しては貯蓄を増やして備えなければならないものの、そ の余裕すらなくなりつつあるのではないか。ただ、今のところ本格的な不 安もなく多少の節約はすれど、これまでの生活習慣を大きく変えることは 難しいといえよう。まだ貯蓄に余裕があるとも言えるかもしれない。

この貯蓄率の低下は日本経済をある意味支えている、国民の金融資産の 減少を意味する。国債が大量発行され巨額の残存が維持されているのは、 この国内の国民による金融資産が回りまわって支えているためであり、そ れ故に、海外投資家の保有が少なく格下げにもほとんど影響を受けていな かった。

1400兆円弱の国民金融資産が一気に減ることはないにしろ、国債の 発行残高も一向に減らないとなれば、いずれこのバランスは崩れる。その 時が恐い。バランスがまだ崩れなくても、崩れるという予想だけで、国債 市場は大きな打撃を受けかねない。

いつまでもあると思うな親とカネ、といったことも昔からわ言れている が、「いつまでもあると思うな国民のカネ」ともなりかねない。過去の資 産を食いつぶすにはさほど時間はかからない。デフレの解消なんて流暢か ことを言っている場合ではない。さらに国民資産に打撃を与えかねない政 策などを考えるのではなく、とにかく、カネを有む産業を早期に育成して、 カネ食い虫となっている部分を早く切除しないとたいへんな事態を迎えか ねない。日銀が資金供給すればそれで良いなどという他力本願が通用する ほど甘くないだろう。自ら考え、行動しとにかく自分の食い扶持を稼げる ように皆で努力し、政府もそれを妨げるのではなく後方支援をしなければ いけないはずである。残されている時間は少ない。 (以上、「日本国債は危ない」より???)


2003.4.1「対談」

3月28日、ダイヤモンド社で松尾貴史さんと対談させていただいた。御題は「国債」。ダイヤモンド社取締役でZAIの発行人をされている藤岡さんを交えて、およそ1時間半程度、国債に関するお話しをしたのである。松尾貴史さんは、国債に関してそれほど知識がないとおっしゃりながらも、鋭い質問を何度もされ、こちらも必死で説明させていただいた。芸能人と呼ばれる方との面識もこれまでほとんどなかったため、写真撮影なども緊張の連続であった。とても基調な機会を作っていただいた藤岡さんにはあらためて感謝申し上げたい。しかし、芸能人の方はなんであんなにはつらつとされているのであろうか。


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