2002年9月20日、この日「日本国債は危なくない」という本が発売され、それとタイミングを合わせたかのように?10年国債初の入札における「未達」が発生した。しかし、この日以降は、相場は上昇し続けることとなった。そして今回の下落を迎えるわけだが、この9月20日の現物債の引け値を見てみると、5年22回は0.355%、10年242回は1.275%、20年57回は1.890%、30年7回は2.055%となっている。先物は139円04銭まで下落して引けは139円48銭であった。5年ゾーンは本日0.365%まで利回りが上昇し、昨年9月の水準にまで利回りが上昇している。しかし、それよりも長いところは、昨年9月に比べるとフラットニングのままとなっている。これは今回の相場が、短期から利回りが低下し最後には超長期ゾーンへの積極的な買いが入り、先行きの相場上昇期待が極端に強まったことが要因と思われる。また、ほぼ一方的な上昇相場であり、値動き事態も小さくなっていたことで、リスク管理上大きな要因にもなるボラティリティも低下し続けていった。債券への投資環境としては文句ない状況が続いた。しかし、それが長く続くわけでもないことは、ある意味当然ともいえる。先物も限月によって結構くせというか性格が異なる。おとなしかった6月限に変わって出てきた9月は台風のような暴れん坊であった。ボラティリティが上昇することで銀行などのリスク許容度も低下する。銀行足元金利が上昇しているとなれば、長期から超長期の本格的な利回り上昇が今後起きないとは限らないし、その際にはさらにボラティリティが大きくなる可能性もある。「材料無き」相場下落ではあるが、ある意味過熱相場の反動ともいえる。それならばもう少し超長期ゾーンの利回りが上昇してもおかしくはない。ここのところの急落によってだいぶ上昇したように見えるが、10年はまだ0.9%にも達していない。どこが適正な利回りなのかは把握は難しいが、10年債がいずれ1%台に利回りが上昇したとしても、まったくおかしくはない。いったんここまで急落したからには、余程のことがない限り元に戻ることも難しいであろう。2002年9月のようにはっきりとした材料があり、その要因による長期債への影響が一時的となれば戻ることも考えられようが、今回の相場下落にははっきりとした材料がない。あまりに強すぎた反動が大きな要因であろうが、ファンダメンタルの微妙な変化といったこともありうる。とはいっても、どこか落ち着きどころを模索することと思うが、まだこの程度の位置落ち着かないのではなかろうか。そうなると3日の長期国債入札はかなり気になる。参考までに今月3日、私の本が出るといった観測はない?。
本日の下げによって、この国債の急落は一過性のものではないことが示された。しかし、何が原因での下落かといえば今回ほど材料がはっきりしない急落もめずらしいかもしれない。過熱相場の反動と言ってしまえばそれまでだが、ここまで大きく下げてなおかつさらに売られる懸念もあるというのは、やはの何かしら様相が変わってきたためとも思われる。米国債の下落や銀行の中期売りも要因であろうし、 株が出来高を伴なって堅調であることも気になる。下げのきっかけは20年国債入札にあったことは確かであると思う。思うがあの時は大口の買いを期待されていた買い手が引いたためとも言われるが、決して売ってきたわけではない。利回りがあまりに低下したために、利回り水準が投資に見合わないとの判断からであろう。その水準訂正が起きたとも思えたが、20年はあっさり1%台に乗せ、一時は押し目買いも入ったが、今日は再び1.1%台に乗せている。落ち着くまで待つということであろうか。チャートを見るとさらに下落してもおかしくはない。材料無き下落だけに、まだそれほど大きな売りも出ていない。現在の売りは国債がメインで社債市場は静か。この社債にも売りが入ってくるようになると、本格調整の懸念も膨らむ。来週は10年国債の入札が実施される。これで落ち着くのか、それとも入札をきっかけにさらに下落するのか。来週の動きは要注意なのかもしれない。
「何か違う」「何かおかしい」と感じたとき。それが何であるかを探るが、どうもわからない。クルマを運転して、流れがおかしいと感じたら速度を落とした方が良い。取り締まりをしていたりする。ある種、普通のパターンというものを頭がたぶん覚えているのかもしれない。何かしら違いがあったときに警戒が発せられることがある。これは相場も同様である。見た目はいつものような動きに見えるが、何かおかしいときには、大きく動く前兆であったりする。先週の国債急落にあっても、17日の相場は何かおかしかった。ひとつの例として、いつもならば12時前後には、ある程度落札結果に近い数値が噂として飛び交ったりするが、17日はその数値が大きく一人歩きしているように見かけられた。当たっているかどうか別にして、自分としては「どこか無理している」という印象であった。先物チャートをみていて、このように長期にわたるじり高はどこかで急反落すると予想はしていた。ただし、きっかけがまったくといってよいほどつかめなかった。そんななかにあっての入札時の感覚は、やはり危険信号であったのかもしれない。相場においてのリスク管理とは、ある程度の損失が発生したらポジションを閉じるとか、急落した際には買いは控えるといった結果に対してのリスク管理が多いと思われる。それは、相場へのリスクというより、上司や担当役員に対してのリスク管理であったりはしていないであろうか。相場が落ちたときにどうするというよりも、相場が落ちそうになる前にある程度の対処が必要になるというのがリスク管理とは言えまいか。災害に対してのリスク管理についていえば、災害を防止することがまずは大事ではあるものの、地震や火山の噴火などは防止できない。それをある程度「予知」するのがリスク管理となる。相場も同様であろう。実は相場自体、人間が行っていることもあり、その予知は自然災害などよりも把握しやすい。ただしこればかりは計算でできるものではない。10年国債の利回りが何%切ったら危ないとか言うものではない。日本の長期金利は計算して求められるものではなく、利回りの形成に際してはその時その時の材料やその材料のバイアス度合いが常に変化している。絶対値で観るのではなく流れを読み、その流れに生じる変化を嗅ぎ取る必要がある。そうすれば、相場の危機は未然に防ぐことは不可能ではない。しかし、こればかりは長い経験とそれによって培われた感性といったものが必要になろう。そういった感覚を兼ね備えた者がマーケットを統括していれば、どのような相場においても大きな痛手を食うことはなくなる。マーケットの現場を知っているというのは何も制度を熟知しているといったことではない。マーケットの恐さを知っていることと、それに対処することを知っている者こそマーケットを統括すべきと思うが、いかがであろうか。
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2003年3月末の国の債務残高は668兆7605億円、財務省。国民一人当たり525万円に相当。国債残高は504兆2500億円。
実はまだハリー・ポッターシリーズは一巻も読んでいない。別に読まず嫌いとかいうわけではない。実際に映画も観ているしDVDも買っている。我が家には、日本語版は第四巻までちゃんと揃っている。娘達が繰り返し繰り返し読んでいるので、借りるのにちょっと躊躇してしまっているだけである。たぶん読んだらさらにはまってしまうに決まっている。そんな危惧もある。しかも、それを通勤電車で読むのもちょっと気が引ける。どう見てもハリポタと分かってしまう大きさであるしさらに重い。文庫にならないかと思っているが、こんなに売れていてはいつになることやら。その第五巻が発売され、欧米では死語が復活している。「ハリポタ・フィーバー」だそうである。特に米国では、21日発売で24日には第三刷が刷り上り、すでに米国だけで発行部数930万部を数えるとか。日本語訳はまだ先のようだが、全世界でいったいどれだけ売れるのか見当もつかない。そんな子供だましみたいな本には興味がないという方もいるかもしれないが、なんでこんなに売れるのか。それを自ら探っていくという好奇心も必要ではなかろうか。本が売れないといわれる昨今。ハリー・ポッターの売上を見る限り、決して本が売れてないとは言い切れない。売れる本と売れない本がはっきりしすぎているのも確かであろうが、売れるものは売れるのである。しかし、なんで今、魔法が売れるのであろうか。
厚生労働省の教育訓練給付制度対象講座であり、金利と債券、デリバティブの基礎、マーケットの基本を3か月で学ぶ講座です。初心者の方からベテランの方までどなたでも受講いただけます。これまで受講いただいた方にお話しをうかがうと、現場にいる方はちょっと基礎に振り返って、考え方をまとめるためにと。また、フロントが何をしているのか興味があるミドルやバックの方も多くいらっしゃいました。そして、金融系のシステムを構築されているSEの方は仕事上必要な知識を学びたいと、もちろん新人の方や学生の方もいらっしゃいます。そのほか、会計士の方とか翻訳や執筆を仕事とされている方々などなど。どのような質問もチャットやメールにて問い合わせ可能です。期間中は「債券ディーリングルーム」の会員向けページの閲覧も可能。現場の雰囲気を味わっていただきます。7月生受付は30日まで。テキストの発送もございますので、なるべく早いうちにお申し込み下さい。詳しくは、こちらのページをご覧ください。
牛熊専属インストラクター氏よりのアドバイス「腹筋が弱っているということが想定されます。人間は立って歩いているだけで背筋は結構使っているんですが、腹筋は運動しないと使いません。前後の筋肉のバランスが悪くなると良くないので、腹筋を鍛えてみましょう。まず膝を立てた状態で仰向けになり、両手でタオル等を持って、頭の後ろに回し(肘が90度位になるように持つ位置を調節)、反動をつけずに背中を丸めて肩を浮かす運動(ヘソを覗き込むイメージ)を20回×3セット位やると効果的です。最初は相当辛いと思いますから、回数を調節して・・・。」
相場の格言のひとつに、「上げ100日に下げ3日」というものがある。100日間かけてじりじり上昇した相場も、いったん下げると3日で元の水準にまで下落してしまうというものである。今回の債券相場の急落もまさにこの格言に近い動きとなった。
債券先物中心限月のチャートを見ると、4月10日の142円40銭を底にしてじりじりと上昇し、6月10日に145円09銭の高値をつけた(限月移行の関係で先物としては11日の6月限の145円28銭が高値)。100日とはいかなかったが約2か月もの間、ほぼ一本調子の上昇であった。
この要因としては、日本のデフレの長期化観測が根幹にあり、その上、欧米でもデフレへの懸念が強まったことで金融緩和期待から長期金利が低下し、それが日本にも影響を及ぼした。6月6日には5年国債の金利は0.145%まで低下し、資金はさらに長期の国債に向かい、6月11日に10年国債は0.430%、20年国債も0.745%、30年国債は0.960%にまで低下した。10年国債の利回りは0.2%あたりまで低下するといった観測すら流れはじめていた。過熱感がやや強まりすぎていたともいえる。
これまで超長期債に投資をしてこなかった投資家も積極的に買い始め、その中には都銀などの買いもあったといわれていた。ところが、堅調だった米国債がFRBによる大幅な利下げ期待の後退で売られたことや、米国株式の上昇を受け日経平均が9000円台に乗せるなどやや外部環境が変化した。このため債券も戻り売りに押されたが、この時点での下値も限られた。債券先物では144円台の後半での動きとなっていたのである。
その先物の中心限月が交代したのが6月限の最終売買日の11日であったが、6月限の最終建て玉が、通常ならば2、3千億円程度しか残らないところ1兆円以上も残っていたのである。これは大量の現引き・現渡しが実行されるということとなる。実際に16日あたりから、中期からチーペストにかけて現引きしたところからのの売りが入ったとも言われ、17日も大量の売りが都銀あたりから出ていたとの観測があった。
こういった中にあって17日に20年国債の入札が実施されたのである。利率は0.8%と発表された。1%を割り込み、もちろん過去最低利率である。ただし相場に対して先行きさらに強気の見通しが多かったこともあり、この入札に関して懸念する声はほとんど聞かれなかった。いや実際には一部にあったとも思われる。
相場上昇によって強気が広がったことによって、超長期ゾーンに対しての投資層が拡大していた。都銀ばかりか地銀なども算入してきていたと言われる。相場がほぼ一本調子の上昇であったことで、証券会社などの業者も在庫を抱えてもヘッジをすることが少なくなってきた。つまりそれだけ先物のヘッジ機能が失われつつあったと思われる。国債の入札時なども、とりあえずノーヘッジで問題はなく、むしろヘッジをかけたときの損失の方が気になるくらいであった。まさに総強気が蔓延していたといえよう。
実はこういったときが一番危険だということは、相場を長く経験していた者ならば理解できよう。ただ、それでも流れに乗るためには、買うしかなかったのも事実である。気をつけるべきはそのターニングポイントなのである。
そしてターニングポイントは、この20年国債の入札にあったといえる。下落が当初、チーペストや中期国債主体であったことで、この売りがきっかけかとも言われたが、多少ロットは大きくても、中期ゾーンということもあって影響はそほど大きくはないはずであった。ただし、先物はこれによって多少影響を受けたことも事実である。しかし、相場は反落のタイミングは、20年国債の入札結果発表後にあった。
落札結果自体は、やや過熱感があったほどで、問題はなく多少応札倍率が下がったことが気になるくらいであったといえる。ところが見えないところで何かが違っていた。それは20年国債の入札時の投資家層の変化であった。20年の買い手が様変わりしていたのである。これまで超長期を買い支えていた大手投資家の姿が見えず、その代わりなれない超長期を買い込んでしまった投資家もいたと思われる。
また、利率が引き下げられたときなどは業者も積極的に在庫を手当てする。これは、投資家もいったん様子を見るが、結局は相場が強く利率が下がってもセカンダリーで買ってくるとの読みからであった。しかし、今回はセカンダリーの買いも見えなかったのである。肝心の投資家の姿が消えた。
その結果は、ご存知のとおりである。17日から19日の3日間で先物は、144円76銭から141円80銭まで急落した。10年250回も0.730%、20年62回は1.075%にまで利回りが上昇したのであった。
昨日は夏至。夜の時間は短いがこの時期は星が綺麗な季節でもある。来月には七夕もあるが、今、地球に接近しているのは火星とか。火星といえば、「火星人の襲来」というSF映画があった。タコのような宇宙人が突然地球にせめてくる様子をH・G・ウェルズは見事に描写している。SFといえば先日の新聞にパワードスーツの記事があった。足に障害を持つ人が装着することによって日常歩行が可能になるとか。さらに通常の人間の力をさらに増強することでオリンピック選手並みの脚力も得られる可能性があるとか。米国では軍事利用目的の開発が進められているとのコメントもあった。このパワードスーツを想像で生み出したSF小説がハインラインの「宇宙の戦士」である。その宇宙の戦士がモデルになって、日本のアニメを代表する「機動戦士ガンダム」が生まれたといわれている。人間の力をマシーンを使って強化するというのはSFだけのものかと思っていたら、実際に開発が進んでいるということに驚いた。いずれ人類も星ぼしを探索することになり、その際にはこのパワードスーツが活躍するのかもしれない。星には夢がある。月を始めて天体望遠鏡で見たショックはいまだに忘れられない。今年の夏は子供たちに天体望遠鏡を買ってあげようかとも考えている。いつか行く星を眺めてもらうために。
1957年、オオムラサキという蝶が日本の国蝶として指定されました。全国どこにでもいながらたいへん綺麗な羽を持つ蝶です。しかしもこの蝶を見たことがありますか。7月ごろ野山をかけ回っていた人ならばクヌギの木にいるオオムラサキを見ていたかもしれません。しかし、現在、自然のものはほとんど目にすることはできないようです。場所によっては森を立ち入り禁止にして保護しているところもあるようです。先日、子供たちが参加しているサイエンスキッズに私も一緒についていったのですが、このときは「オオムラサキを見てみよう」というのが目的でした。自宅から車で30分少々のところにその保護区があったとのです。そして、その近くの民家で「オオムラサキ」を育てている家があり、そこを見学させてもらったのです。実際にオオムラサキが飛んでいました。特にオスは、羽の一部が紫色となっており確かに美しい蝶でした。日本全国にいた蝶が今はほとんど見られないというのも残念なことです。環境庁発行の「日本の絶滅のおそれのある野生動物」(レッドデータブック・1991年)のなかにも希少種として扱われているとか。今回も貴重な体験をさせてもらいました。
5年国債の最低利回りは、6月6日につけた26回債の0.145%。10年国債は6月11日につけた250回の0.430%。20年国債は11日につけた61回債の0.745%。30年国債はやはり11日の10回0.960%。債券先物の高値は中心限月としては10日の145円09銭。先物としては中心限月が9月限に移行した当日、6月限のつけた145円28銭がレコードとなる。
9日に「天災は忘れたころにやってくる」と書いたが、ついに債券が急落した。10年債の0.5%割れとなり、次の利回り目標が0.2%、0.3%との声を聞いて、さすがに過熱感が強すぎると思っていた。しかし、売るきっかけが何になるのかを想定できなかった。株高も大きな要因ではあるが、それだけでは売り材料にもしづらい。しかし、マグマは溜まっていた。とにかく強気が広がり、超長期ゾーンに対しての投資層が拡大した。相場がほぼ一本調子の上昇であったことで業者なども在庫を抱えてもヘッジをすることが少なくなってきた。入札などもとりあえずノーヘッジで問題なく、むしろヘッジをかけたときの損失の方が気になるくらいであった。まさに総強気が蔓延した。そういったときが一番危険なのは経験者ならば理解できよう。ただ、それでも流れに乗るには買うしかなかったのも事実である。そして、そのターニングポイントは20年国債の入札にあった。下落が当初中期主体であったことで、銀行の中期売りがきっかけかとも言われたが、銀行が何故、このタイミングで売ったのか。それは20年国債の入札時の投資家層の変化を嗅ぎ取っていたためとも思われる。利率が0.8%と1%を割り込んでいたが、入札への懸念はまったくといってよいほどなかった。実際に落札結果も悪くない。ところが、その20年の買い手が様変わりしていたのである。業者も在庫を抱えた。しかしセカンダリーの買いも見えない。肝心の投資家の姿が消えた。なれない超長期を買い込んでしまった投資家もいたと思われる。こうなるとあとは崩れるのを待つだけとなってしまう。債券のベンチマークとなっている先物が売られたことで、不安感が広がり、業者も致し方なくヘッジ売りを入れるが、下げがとまらない。結果としては手持ちの超長期をどこがいつどのタイミングで外しにかかるのかというだけとなってしまった。いったん売りが出れば、売りが売りを呼ぶ。押し目買いも入るが、こういった動きの際の押し目買いはリスクが高い。これまでの上昇相場がやや異常とみれば、その上げ始めの時点あたりまで下げることは十分に考えられる。それが20年の1%台であったり、先物の142円40銭近辺であったりする。今日はその水準すら大きく割り込んでしまったが、売られる際にもオーバーシュートは良く起こりうる。先物はストップ安近くまで下げた。しかし、この下げは過熱相場の反動であり、大きな材料があったわけではない。だから下値も限られると思う。ただし、株価を見る限り大きな流れの変化の可能性も無視はできない。とりあえず落ち着きどころを探って、次第にレンジ相場に向かうと思う。そして、このレンジ相場の次にどのような相場がくるのかは予想できない。ただもしかすると、この下げの足を見る限りにおいて、日本の長期金利は底を打ったと見てもおかしくはない。それぐらいインパクトのある下落であった。
日銀の金融政策においては長期金利は操作できないということが前提にあった。このため長期金利に直接働きかけるような金融政策はある時期まで打ち出すことがなかった。しかし、ひとつの出来事をきっかけとして長期金利に働きかけるような政策を取らざるを得なくなった。それは大蔵省資金運用部ショックによる長期金利の大幅上昇がきっかけであった。のちにゼロ金利政策といわれる政策の大きな目的は、国債の価格維持、つまり長期金利の上昇を食い止めることにあった(詳しくは、拙著「日本国債は危なくない」もしくは「日銀の金融政策入門講座テキスト」にて)。大蔵省(現財務省)も国債発行計画を改めたりするなどしたこともあり、結局、長期金利は再び低下することになった。その後、日銀は量的緩和策を導入しその際に国債の買い切りオペの金額を次第次第に増額し現在では毎月1兆2千億円の買い入れを実施している。これは国債管理計画の一環として実施しているわけではないものの、長期金利の低位安定要因となっている。また、量的緩和導入時に設定された時間軸が時間軸効果として長期金利の低下を促しているともいえる。福井日銀総裁は、経済財政諮問委員会などで、「金融政策と国債管理政策を表裏一体の問題として財務省とも協力して行きたい」とコメントしている。副総裁に財務省事務次官として国債管理政策に大きく関わってきた武藤氏もおり、今後、長期金利が大きく上昇する際には日銀もそれなりの対応を取ってくるものと思われる。しかし、もし日本経済が回復基調となり、デフレの解消が見えた際には、当然ながら長期金利は上昇する。もしそれに対応するならば、買い入れ増額とは別に、本来、解除すべき量的緩和の解除のタイミングが大きく遅れる懸念も出てくる。日銀があまり国債管理政策に踏み込むと本来の金融政策の舵取りにも影響が出る可能性はあるまいか。もちろん、日本国債の異常な残高については、大きな懸念材料ではある。財務省の国債管理政策にも限度もあろう。だからといって日銀がどれだけ関与すべきなのか。日銀の国債買い切りについては、保有国債残高を日銀券発行残高までとするキャップが存在している。福井総裁はこのキャップを外すことについては、積極的でないとみられ、実際、当座預金残高の引き上げの際に、国債買い切りを増額していない。現在以上に国債買い切りを増額すると、早期にキャップを外さざるを得なくなることも確かである。福井総裁、武藤副総裁ともに「財政の規律」に対してはたいへん重視しているともみられ、いたづらに国債の買い切りを増額したり、ましては国債の直接引受といったことは安易には行わないとも思われる。長期金利がどのようなかたちで上昇するのかにもよるが、日銀の舵取りもなかなかむずかしいものになりそうである。
()内は2002年12月末比
合計 100.0% 5,384,464億円 (155,734億円)
民間金融機関 20.3% 1,092,577 (120,327)
日本銀行 14.9% 800,646 ( -9,252)
郵便貯金 13.2% 709,605 ( 40,312)
民間保険・年金 12.2% 658,578 ( 7,385)
財政融資資金 12.2% 657,276 ( -3,350)
簡易保険 9.2% 493,814 ( 24,796)
公的年金 6.9% 372,957 ( 15,967)
金融仲介機関 3.8% 201,968 ( -9,183)
海外 3.5% 190,011 (-16,392)
家計 2.4% 126,825 ( 679)
その他 1.5% 80,207 (-15,555)
経済財政諮問委員会の議事要旨の内容について、引き続き見ていきたい。細かい点を根掘り葉掘り問題視するのもどうかとは思うが、ここの委員会の参加者は、日本の財政について直接的な影響力を持つ方々ということで勘弁していただきたい。今回は、吉川議員に続いての本間議員(大阪大学教授)のコメントから。
「現在は、公的資金を調達しても金利が非常に非感応的で、御用金調達のような発想の中で調達できる異常時だ」。確かに外部から見ればそのように写ることは確かであろう。しかし、現実のマーケット参加者との意識とこの発想はやや乖離していると思われる。まず、公的資金を調達しても金利が非常に非感応的であるように見えるのは、前提として小泉政権が、財政再建に取り組んでいるという暗黙の安心感が存在しているためである。確かに、そうはいっても新規財源債30兆円の公約が守られなかったりしたのも事実だが、来年度の歳出を抑制しようとしている姿勢などに対して、市場にはやみくもな国債増発はないという安心感が前提に存在している。「御用金調達のような発想」とは、100兆円の補正を組んでまでもといった発想であろうが、それを仮に実施するとなれば、国債は暴落しかねない。
現在の長期金利の低位安定に大きな影響を及ぼしているのは、確かにデフレではあろう。しかし、国債需給悪化懸念による1998年末の大蔵省資金運用部ショック後の、大蔵省(財務省)の国債管理政策の強化、ゼロ金利政策など長期金利の跳ね上がり押さえつける日銀の金融政策などがかなり影響していることも事実である。
先日も某省の方にお話しさせたいただいたのだが、現在国債発計画行にからんだような財務省発のイベントリスクは低下している。それは、国債市場懇談会の存在が大きいと。市場参加者と財務省との意識の共有は、市場を安定化させるための大きな機能を果たしている。たとえば、日銀による銀行保有株の買取りが発表された際に国債は急落した。市場参加者にとって、予想外のイベントが発生した際には、このような反応を示す。運用部ショックそのものもそうであった。資金運用部の国債引受比率の大幅低下は、まさに寝耳に水であった。金利は国債需給を含めて決して外部材料に対して非常に非感応的であるとは思われない。公的資金を調達しても金利が非常に非感応的に見えるのは、マーケット参加者が何も考えていないわけでもなく、まして、御用金調達のような発想の中で調達しようものなら、マーケットは反乱しかねない。まさに、財政への規律、政府への信認といったものがあるからこそである。国債はその多くを入札によって発行している。シ団引き受けはすでに10年国債の20%にしかすぎない。御用金調達という前提で国債市場を見ると見誤る可能性があると思うのだが(さらに続く)。
6月9日に開催された経済財政諮問委員会の議事要旨が発表された。その中の「資金の流れ」という項目のなかで、国債に関しての各委員のコメントがあった。このなかで、吉川洋東京大学教授は、この10年間の国債残高について結果として郵貯、民間金融機関が約7割国債を抱えていると言及した。2003年12月末の資金循環表から見て、この7割というのには、都銀や地銀などの民間金融機関(18.6%)、民間の保険と年金(12.5%)、郵便貯金(12.8%)、簡易保険(9.0%)、証券会社などの金融仲介機関(4.0%)に、日本銀行の保有分(15.5%)を加えたものと思われる(72.4%)。ここに加えていないのは、財政融資資金・公的年金・海外・家計・その他となる(数値は資金循環表より独自に集計)。これら民間金融機関が国債の価格変動リスクに対してリスク管理が出来ているのかと指摘している。この区分けが適切かどうかはちょっと考えるところではあるが、リスク管理についてはどうなっているのであろう。
銀行が保有する国債の価格変動によって発生する損失に備えて積み立てる国債価格変動引当金については、以前は一定割合の引き当てが義務づけられていたが、1997年12月の大蔵省による貸し渋り対策の中で義務づけが廃止されている。時価会計の導入なども引当金の必要性をなくしている。また、生保などの責任準備金対応による国債の買い付けなども制度上引当金は必要とされない。しかし、日銀では債券取引損失引当金を積み立てている。
日本銀行法施行令の第十五条 日本銀行は、各事業年度において、債券(国債その他の財務省令で定める債券をいう。次項において同じ。)又は外国為替等(外国為替及び外国通貨で表示された資産(財務省令で定めるものに限る。)をいう。次項において同じ。)のそれぞれについて、その売買、保有等に伴い生じた収益の額として財務省令で定めるところにより計算した金額(次項において「収益金額」という。)が、その売買、保有等に伴い生じた損失の額として財務省令で定めるところにより計算した金額(次項において「損失金額」という。)を超えるときは、財務省令で定めるところにより、それぞれ、その超える部分の金額の全部又は一部を、財務大臣の承認を受けて、債券取引損失引当金又は外国為替等取引損失引当金として積み立てることができる。
金融機関はこういった引当金等もなく、国債の急落が起こればそのまま大きな損失を蒙ることは間違いはない。このため、この国債のリスク管理について、吉川教授は「金融機関がリスクを抱えるよりも、個人に分散するほうが健全ではないか」と指摘している。価格変動リスクを個人に押し付けるべきと言われるのであろうか。それとも、変動利付タイプの個人向け国債を意識しているのか。それならそれで利回り上昇時には、国の利払い負担が強まるはずだが。それに国債の保有者構成を見ても、いくら国債には下落リスクはあれど、それなりの国債を保有せざるを得ないところも多い。日本銀行、生保や年金、郵貯、簡保などはある程度の国債を保有せざるを得ないはずである。リスクフリー資産としての国債に変わる金融資産は存在しない。数兆円単位で資金を運用できるものとしては国債抜きには考えづらい。ただし、銀行などは融資などに振り向けてくることも考えられるため、他の業態よりは国債への依存度は軽減されるかもしれないが、それでも一定量は保有してくるものと思われる。「金融機関がリスクを抱える」ことはそもそもいけないのか。金融機関は預かった資金を運用しているわけであり、それなりのリスクを負わなければリターンも得られない。しかも個人にリスクを押し付けるというのも納得できるものではない。私の解釈が違っているのであろうか(続く)。
下記買い入れは7月末までに開始され、2005年度までに残高として1兆円をめざすこととなる。今回の発表のなかで意外と思われたのは、資産担保債券・シンセティック型債券は、複数の格付機関から最低BB格相当以上の格付けを取得していることであった。トリプルBではなくダブルBまで、踏み込むことによって、買い手の薄い層とも言われるBBリスクのメザニンに日銀という買い手が現れ、資産担保債券・シンセティック型債券の流動性を促すことになりそうである。反面、日銀はリスクを負うこととなる。また、シンセティックといわれるクレジットデリバティブを活用した合成された債券の買取を行うことも、予想外といえたかと思う。今後、信用リスク市場もさらに拡大するものと思われるが、この日銀の動きでさらに拍車をかける可能性がある。日銀の資産担保証券買い入れについては、市場でもそれほど大きな期待を寄せていたとは思えなかったものの、ここまで日銀が踏み込む以上は、まったく効果をもたらさないとも言い切れないかもしれない。信用リスクについて興味・関心のある方は、来月募集される弊社講座の「信用リスク市場入門講座」もぜひご利用いただければと思う。
日銀は昨日の決定会合において、資産担保証券の買い入れスキームを発表した。内容は下記の通り。
(1)買入対象資産は、資産担保債券(公募債のみ)、シンセティック型債券(クレジットリンク債券・公募債のみ) ・ 資産担保CP(電子CP形態のものを含む)
(2)適格基準は、円建てであること。国内において発行または振出等が行われたものであること。 準拠法が日本法であること。
裏付資産(シンセティック型債券の場合は、信用リスクを引き受ける契約の対象となっている資産)の種類は、売掛債権および貸付債権に限定せず、中堅・中小企業金融の円滑化に資すると認められるものを幅広く対象とする。
裏付資産に占める中堅・中小企業(=資本金10億円未満の会社)関連資産の割合が、金額ベースで5割以上であること。裏付資産が金融機関の貸付債権である場合には、その債務者が金融検査マニュアルに定める「正常先」に分類されているものであること。
資産担保証券の信用度等に関する要件については、
(a) 資産担保債券・シンセティック型債券は、複数の格付機関から、最低BB格相当以上の格付けを取得していること。発行から償還までの期間が3年以内であること。 シンセティック型債券については、発行代わり金が信用度および市場性に照らして日本銀行が適当と認める資産(例えば国債等)に運用されていること。
(b) 資産担保CPは、複数の格付機関から、a-1格相当の格付けを取得していること。発行から償還までの期間が1年以内であること。取引先金融機関のフルサポート型についても適格とする(適格担保における特例措置と同様の扱い)。
買入方式
(1) 資産担保債券・シンセティック型債券
募集期間終了後、対象先金融機関からの売却申込みを受けて、公募時の募集価格をベースに、売却希望金額を買入れる方式とする。買入対象先は、日本銀行の本店取引先の中から、信用力基準等により選定する。
(2) 資産担保CP
金利入札によるオペレーション方式とする。買入対象先は、現行のCP買現先オペの対象先をベースに選定する。
買入限度額
(1)全体の買入限度額(残高)は当面1兆円とする。
(2)個別銘柄ごとの買入限度額
資産担保債券、シンセティック型債券については、個別銘柄のトランシェごとの発行総額の5割を、日本銀行による買入れの限度額とする。
その他 本スキームによる買入期間は、2005年度末までとする。 上記の買入対象資産、買入方式、買入限度額等については、資産担保証券市場の発展の状況・取引動向や日本銀行の財務の健全性等を勘案しつつ、必要に応じて見直すこととする。
7月15日(火)に、「牛熊友の会」を開催させていただきます。場所は、千代田区九段近辺を予定しておりますが、人数次第では場所の変更もございます。ご出席が可能な方は、メールにて「牛熊友の会参加希望」と書き込みいただき、私宛、お送りいただければと思います。会員の方及び会員の紹介あれば会員外の方もぜひご参加いただけけばと思います。
やっと我が家も7月末からブロードバンドが使えるようになる。最近は見かけなくなったが白装束のおにいさん、おねえさんが、「モデム無料」といくら叫んでも、見向きもしなかったのは、ただほど高いものはないとか、キャッチセールスに見えたとか、ヤフーが嫌いだからという理由だけからではない。もらっても使えないからだったのである。それがいきなり、ADSLモアとかいう12Mがいきなり開通するそうである。そういえば、首長選で勝利した小学校から高校が一緒の後輩の公約に、地域のブロードバンド化というのもあったような。なにはともあれ、NTT東日本のフレッツADSLに早速申し込みをした。なぜかこちらも一応抽選で当たったというがモデムがただで付いてきた。
30年国債の利回りが1%に接近し、20年国債の利回りが0.8%割れ、10年国債は0.46%、5年国債は0.15%にまで低下している。そして、2年国債は0.035%と0.1%を大きく下回っている。しかし、この2年国債の利率はずっと0.1%のままである。2年以上の利付国債の利率は0.1%を下限としているためである。また、利率の刻み幅も0.1%単位となっている。超低金利下にあって、この刻み幅を変更してほしいとの声も出ている。しかし、現在の制度のままでは、たとえば最小額面単位が5万円となっているため、仮に0.05%刻みでは最低額面買った際など半年の利払い金額において、50000円×0.05%÷2=12.5円と、1円以下の端数が発生してしまう。また、仮に0.1%以下の利率を適用するとディープディスカウント債と認識され、利付債だと非課税とされている譲渡所得が割引債同様に課税になってしまうという問題もある。今のところ2年債の入札において、刻み幅が支障になったとの声もあまり聞かないが、仮に5年国債まで0.1%割れとなった際には、刻み幅の検討も必要になってくるかもしれない。
災害も警戒している時には起きることなく、忘れたころに起きる。相場の格言に「まだはもうなり、もうはまだなり」というのがある。もうこんなに買われているなら下がるはず。ところがいっこうに下がらない。反対に、まだまだこれからが本番なんて皆が思ったりすると、反落してしまったりする。最近の株価の戻りは一時的なものと見ている人が多い。米国株に追随しているだけとの見方も強い。しかし、以前は米国株の上げ下げにあまり関係なく下げ続けていたようにも思うのだが、なんで今度は上げに連動しているのか。経済指標も決して景気の回復を示すものはない。ないが株が下げなくなったのは何故なのか。誰か無理に買っているわけでもないようである。1989年のバブルの絶頂期。株式市場関係者は日銀による度重なる金融引締めなどほとんど無視するかのように株を買い続け、それが年末まだ続いた。しかし、それがピークになった。このときには金利の関係者はかなり冷めた目で見ていたはずである。金利が反転しているのに何で株を買い続けているのかと。今度はその反対に、株が戻りつつあるのに、なんで債券をまだ買い続けているのかと株式関係者が見つつあるとしたらどうだろう。もちろん景気回復とかデフレの解消に対して過度の期待はできない。しかし、大きな流れが変わりつつある兆候と言えなくもない。その動きはたぶん目に見えないものであろう。しかし、株価がその兆候を捕らえているとしたらどうなるのか。今回も結果として株は一時的な反発に留まるかもしれない。だが、このようなちょっとした兆候みたいなものは常に気をつけなければならない。何かを買おうとしているとき、もしくは何かを買ったときには、そのものに対しての思いが強まり、それがやや視野を狭めることとなったりする。国債の価格変動リスクはどこかに置き忘れられている。それは、デフレが続く限りにおいては問題はないかもしれない。しかし、そのデフレも永遠には続かないはずである。もしデフレが解消に向かうようなことがあれば、それを想定してのリスク対応といったものは当然ながら必要になろう。
RPテックでは、隔週レポート(有料)」を発行しております。本日発行の「クレジット・リサーチ&プライシング(第52号)」はこんな目次となっております。お申し込み(年間購読のみ)お問合せは admin@rptech.co.jp へお願いいたします。
◆信用リスク市場・国債市場のアップデート RPテック
◆ クレジット・モニター RPテック
◆ SARS、中共、中国経済 谷口 智彦
(日経ビジネス)
◆ 日本に外貨建てクレジット市場の設立を 中原伸之・倉都康行
(前日銀審議委員・RPテック)
◆ ゼロ金利下での「円」を考える 大関 洋
(日本生命 証券アナリスト)
◆ 信用リスクモデル#6 藤崎 達哉
(ベリングポイント)
◆ 年金債務に着目した債券インデックス 猪田 義浩
(企業年金アナリスト)
◆ クレデリ2003年定義集#5 RPテック
◆ 編集ノオト 編集人
ホームページ http://www.rptech.co.jp/report/index.htm
日経新聞に連載されている「デフレが蝕む」のなかで、公共工事の単価高止まりについてのコメントがあった。「国のばらまき型公共事業などで地方の負担が膨らんだことが(地方の)財政基盤をむしばんだ」という表現があった。当たり前のようなコメントが新鮮に見えるというのもおかしいが、でも新鮮に見える。我が家でとっている新聞は、日経新聞と読売新聞である。特に読売新聞の経済記事に対してはかなりの違和感を覚えている。インフレターゲットや積極的な拡大財政政策など一部の学者や、政治家のなかでも守旧派と呼ばれる方々の意見が反映されている記事が多々目に付く。それはそれで新聞社の意見ということではあろう。また、日経新聞についても、編集委員によってはやはり読売新聞と同様な意見が書かれることも多い。だからこそ、今回の記事が余計新鮮に見える。1990年あたりから世界の政治や経済そして社会構造が大きく変化している。日本はその構造変化を迎える前に、旧来型の経済がバブルという形でピークアウトしてしまったため、その負の資産が大きく経済全体に蔓延して、構造改革を遅らせてしまった。冷戦の終結、中国の台頭が貿易の流れを変え、物価下落も引き起こした。インターネットという印刷技術の発明に匹敵するほどの情報革命によって、社会構造に大きな変革をもたらせた。右肩上がりの経済は終焉し、小さくなったパイを競争して取らざるを得なくなった。もしくはそのパイを自ら生み出す工夫も必要となった。これにより終身雇用といった制度も崩壊し、会社の価値ではなく自らの価値を社会人は見出さざるを得なくなった。そして、政治も同様に変化しなくてはいけなかった。そのために小泉政権が生まれたが、そのバックボーンとなっているのは、1990年以前に築き上げた既得権を放棄できない人達となっている。また、マスコミもそういった既得権を放棄できない人たちの影響も受けやすいともいえるのかもしれない。デフレといわれるものは、決して金融政策の失敗で生まれたものではない。社会経済構造の急激な変革のなかにあって、不良債権という大きな痛手から日本が回復できないことによって、生じたものではなかろうか。このためデフレが解決できればうまくいくという考え方は非常に危険な発想である。結果としてのデフレであり、デフレを引き起こした要因を探って対処しなくてはいけないはずである。不良債権処理もそうであろうが、社会経済構造の急激な変革に対しては、それに立ち向かうのではなく、それにあわせるような政策も必要かと思う。公共工事の単価高止まりということは、どこかに資金が流れているはずである。それはたぶん、1990年以前の日本経済を支えていたところではなかろうか。つまり、本来は構造変化に合わせて、淘汰されるべきところの延命に使われているとも見えるわけであり、それは経済にとってはプラスの要因とはなりえない。むしろ、資材などの価格下落分をうまく生かして、浮いた資金を新社会構造構築のために使うなり、場合によっては国が身動きが取れなくなりつつある大きな要因となっている政府債務の削減に生かすべきではなかろうか。数百兆の政府債務に対してどれだけの効果があるというのかと言われるかもしれないが、政府債務の拡大をまず止めることが必要であろう。
上がったものは下がるし、下がったものは上がるというのが相場である。バブル期には、土地や株は永遠に上昇するとの期待すらあった。しかし、バブルは崩壊し土地の価格も株価も急落した。現在10年国債の利回りは0.5%にまで低下している。これはもちろん歴史的な低利回りである。価格という面から見れば、バブル期の株のように国債の価格は上昇を続けている。この国債相場に対して懸念する声も強い。また国債の価格の上昇による売買益などは無視して、国債が急落したらどれだけ損失が発生するのかといった見方しかできないようにすら思える記事なども見受けられる。1%金利が上昇したら銀行保有の国債はどれだけ損失が発生するのか計算するのは簡単である。しかし、それ以前に1%金利が上昇するという根拠を述べてほしい。買われたものは確かにいずれは売られる。上がったものは下がる。けれど、上がるには上がるだけの理由がある。しかし、上がった価格が実態と乖離していれば当然その修正は入る。それでは、この国債の価格つまり長期金利は日本の経済実態と乖離しているのか。デフレ下にあって、経済成長率も低いなかにあって、日銀が短期金利をゼロにしているなかにあって、10年金利が0.5%はそれほど異常なのか。金利が上昇するにはファンダメンタルの変化が必要である。大量の国債発行残高も気になるかもしれないが、需給だけでは相場のトレンドは変化しない。もちろん運用部ショックのような一時的な下落はあるかもしれないが、トレンドが変化するようなことにはなりえない。デフレ下にあっては、何が安全かといえばまずは現金であろう。その現金に最も近い存在が国債である。国債発行残高は確かに巨額である。しかし、500兆円も発行されていても、急落の懸念はない。ないどころか、0.5%まで買われている。ということは、この残高は現在のファンダメンタルに変化が無ければロールは可能ということになる。問題にすべきは新規財源債分が消化可能かどうかということになる。実態経済を金利が反映しているとすれば、この国債相場をバブル時の融資とかとは比較はできない。投資家も借金してまで国債を買っているわけではない。投資の裏づけとなる資金も存在する。利回りが低く逆鞘になるという指摘もあるが、それは運用利回りが実態以上に低いからではないはずである。調達利回りが実態以上に高いのが要因ではなかろうか。なぜこれほど金利が低下しているのか。闇雲に日本の金融機関が国債を買っているのか。その理由に裏づけが無ければ確かに危険であるが、しっかりした裏づけが存在している。利回り上昇時の損失などを計算するよりも、国債の利回りが上昇するためにはどうしたら良いのかということを考えるのが先決であろう。デフレを解消し、経済成長率を高めるためにはどうしたらよいのか。もちろん「規律」を欠いたような政策をとるならば、国債は期待どおりに暴落してくれるかもしれないが・・・。
本日10年国債の入札が実施された。この落札結果を元にして第3回個人向け国債の最初の利子が決定される。利率はすでに0.5%であり、どう考えても0.8%を引けばマイナスとなる。とりあえず、基準金利はこちらの一番下に掲載されているように、0.51%。ということでつ最低保証利子の0.05%となる。取扱金融機関は、証券会社及び銀行等が676機関と第2回債より243機関増加した。そして郵便局の取扱額は、1,500億円と第2回債の倍になる。「個人向け国債」の発行条件(財務省)
ここで気になるのが、昨日の日経新聞朝刊である。財務省は来年度にも、新型の個人向け国債を発行する見込みと伝えている。満期は10年、一口1万円から上限なし。利率は固定。手数料を支払うことで政府が元本を保証。ただし、元本が保証されるというメリットがあるために、10年の通常の利付国債よりも利率は低く押さえられるという。
この記事に対して、財務省はそのような検討はしていないと否定的なコメントを出している。確かにまだ変動型の個人向け国債がスタートしたばかりであり、もしこの時点で違うタイプの個人向け国債が発行されるとなれば、投資家のみならず、販売する金融機関も混乱する可能性がある。まずは変動タイプの個人向け国債が順調に消化させることが先決であろう。こういった記事が出ると、変動タイプの個人向け国債の売行きが不振なのかといった思惑も働きかねない。
しかも、現在のような低金利下にあっての利付国債は個人にとってはあまり魅力あるものとは思われない。実際、個人は途中解約ということはあまりしない安定した投資家である。このため、そこそこの利回りがつけば、これまでも通常の利付国債でも郵便局で瞬間蒸発ということもあった。やはり個人にとっては、固定金利となればある程度の利回りも必要になろう。
ただ、現在の変動タイプの個人向け国債の利子の設定などがわかりにくいというのも事実である。私も機会あるごとに、説明させていただくのだが、説明すると現在の個人向け国債がいかにすぐれた金融商品であるか納得してくれる。債券市場関係者ならば、その商品性を理解しているはずであり、実際にプロ中のプロが集う国債市場懇談会の議事要旨を読んでも、そういった意見が多いことがわかる。ただ、債券の専門知識がそれほどない個人といえど直感的に良いということを理解している人もいるのも事実かと思う。昔から絶対的な信用があり、管理手数料も取られない郵便局で当日早くに売切れてしまったという事実がそれを物語っていると言えるかもしれない。
とにかく、昨日の日経新聞の記事は、あまりタイミングとしては良くない記事であったようにも思われる。個人向け国債もいずれは品揃えが必要になる。また、新規の国債を発行するにはペーパレスになったとはいえそれなりの期間も必要になる。これを考えれば、検討されていてもまったくおかしくはないし、個人的な意見を言えば、検討してほしいとも思う。ただ、繰り返しとなるが、固定ならばある程度利回りが上昇してから発行したほうが良いかとも思うため、もう少し期間を置いてから具体的な検討に入ったほうが良いような気もする。
それよりも現在の変動タイプの販売に注力すべきかとも思う。すでに財務省によるテレビコマーシャルも始っている。今後さらに分かりやすく変動金利を説明する方法も検討しても良いのではなかろうか。手前味噌になるかもしれないが、私も5月発売のダイヤモンド社発行のマネー雑誌ZAIにてグラフ等を用いて説明させていただいている。この時にはZAIの担当者と視覚から訴える良い方法はないかとずいぶん検討を重ねた。また、5月発売のやはりマネー雑誌「日経マネー」においても、こちらはコメントだけだが、個人向け国債について解説させていただいている。
三女の誕生日(3月)プレゼントのディズニーランド行きが、私を含めた家族の体調不調や行事・天候不良等々でのびのびになっていた。しかし、昨日、天気が悪いにも関わらず、どうしても行きたいとの三女の願いを聞き入れ、早朝、ディズニーランドに向かった。開園は9時であったが、開園時間はすでに大雨、しかしそれも一時的で、当日は降ったり止んだりとなったが、パレード時間とか花火の時間は雨が止んでおり、見ることができた。ディズニーランドは20周年。もうそんなになるのかといった感じもする。テーマパークと言われるもののなかにあって、ほぼ一人勝ち状態となっているとか。娘達3人ともに誕生日プレゼントはディズニーランド。ということで、我が家もしっかりとしたリピーターである。
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