「若き知」
「過去データは一番下に移行しました」


2003.10.31「パソコンの進化」

パソコンはソフトやコンテンツとともに隆盛を極める。最初はほとんどマニア向けであったものが、ロータス123など表計算ソフトの登場でビジネス需要が広がった。その後、パソコン通信の普及とともにCDROMの使用が拡大し一時マッキントッシュが流行った。しかしそれも一時的でインターネットの普及とウインドウズ95の登場でウインテルがシェアを急拡大する。その後、MP3の拡大やデジカメの普及により、パソコンが音響機器の役割をもち写真の保存・閲覧の道具になった。プリンターが安価となり、年賀状印刷の需要も広まった。しかし、これによって劇的に販売台数が伸びたわけではなかった。そしてCDからDVDに移行し、動画を扱えるパソコンが増加した。DVDはデータ保存としての機能も持つようになった。ハードディスクも容量が巨大化し120Gバイトのハードディスクも内蔵型で1万円を割り込んできた。パソコンにテレビの機能がつくのも当たり前となり、ハードディスクやDVDに録画するようになってきている。ブロードバンドの普及によって大量のデータのやり取りが高速で行えるようになり、動画の配信といったものが可能になった。グラフィックボードも高性能化し、3D画像もゲーム機に迫るものも出てきている。文字のデータ主体でパソコンを使うのと、マルチのエンターテイメント機器として使用するのでは、必要とされるスペックは大きく異なってくる。テレビもプラズマ液晶のものなどが普及し、DVDレコーダーも普及しつつある。いずれこのテレビとパソコンは融合化してくるものと思われる。DVDの音響システムもさらに高度化されつつあり、リビングがパソコン制御の映画館のようになるのも時間の問題か。また、映像付きのインターフォンとの接続、テレビ電話などとの接続なども行えば、リビングに居ながら電話をしてメールを送受信するといったことも可能になる。無線LANの使用によって、各自の部屋では普通のパソコンで仕事をするなり、音楽を聴くことなども可能になろう。しかし、これではビル・ゲイツが昔作った自宅そのもののような気もするが・・・。


2003.10.30「選挙の行方」

衆院選挙については、当初自民党圧勝といった見方も強かったが、意外と民主党が善戦するのではとの見方も強まっており、予断を許さない。債券相場も小泉政権継続を前提にして動いていると思われ、政権交代リスクといったものはほとんど無視されたかたちになっている。しかし、自民党の当選者数によっては状況が変化するという懸念が全くないわけではない。その時に備えたリスクといったものも多少は考慮する必要があるかもしれない。現政権が維持されるという前提においては債券需給への懸念はほとんどない。補正予算編成もあろうが。財政規律がまず優先されるであろうとの認識は強い。しかし、首相が変わればその前提は確かなものでなくなる。仮に民主党が政権を取った際には、財政再建がどれだけ考慮されるのかは確かなものではない。債券相場にとっては、それで良いのかどうかは別にして、自民党がそれなりの議席数で勝ち抜いてもらわないと困ったことになる懸念がある。


2003.10.30「藍色のベンチャー」

本日の日経新聞2面の5段広告にもありましたように、幸田真音さんの新作「藍色のベンチャー」上下巻(新潮社)が発売されました。桜田門外の変で藩主井伊直弼が倒れ混乱の彦根藩、そんな中で「湖東焼」という新事業を巡って物語が進んでいきます。幸田真音さん初の時代小説ですが、本当に面白いですよ。来週4日に東京日本橋丸善書店さん(午後6時から7時)、6日には同じく八重洲の八重洲ブックセンターさん(午後6時から7時)でサイン会も開かれる予定です。ぜひお近くの方はいらしていただければと思います。私もどちらかに顔を出させていただく予定です。


2003.10.29「何故、損をするのか(その9)」

最近売れている本の表題の中に「自動売買」という言葉をみつけた。これはたぶん「システム売買」と呼ばれているものと同じものと思われる。日計りディーラーの多くはチャートをかなり頼りにしており、自分なりにひとつふたつのシステム売買を作った経験を持つディーラーも少なくないと思われる。それなりのディーリングの経験とこういったシステム売買の構築を経験したものにとって、儲かるシステム売買の構築がいかに難しいものであるかは実感しているはずである。

それでもこのような自動売買で儲かるという本が売れているというのはある意味驚きではある。しかし、これはあくまで経験者による感想であり、相場の初心者もしくはあわよくば株や為替で一儲けを企んでいる方にとっては無視できない表題なのかもしれない。ただし、本当に儲かるシステム売買の存在はほとんど聞いたことがない。もしあるとすればそれは表には絶対に出せるものではなく、密かに売買を行う必要があるためでもある。システム売買の手法がオープンにされれば儲かるものも儲からなくなるのは必然である。皆真似をしたりそれに向かう売買が入るためである。

しかし、それでもシステム売買は儲かると断言しているプロ達もいる。絶対儲からないとは言わないまでも、そういった声については良く吟味する必要がある。明らかな欠点もなかなか見えにくいために大いなる勘違いをしている方も多いと思う。たとえば、移動平均の組み合わせ次第では確実に儲けられたシステムができるという人がいる。別に組み合わせなくても単純移動平均でも儲けられたシステムを構築するのは実は非常に簡単である。過去数年遡ってシミュレートすれば、何日移動かまたその組み合わせのいくつかは、かなりの収益性を示すことであろう。ただ、それはあくまで儲けられたシステムであり、儲けられるシステムではない。つまり過去に遡っていくら収益性があってもそれがこれからも同様の収益をもたらす保証はまったくない。

これはあくまで数値のマジックにすぎない。もし、それが債券先物でシミュレートしたものであれば、それを日経平均先物で同じシミュレートをしてみるとよい。もしくは、さらなる過去のデータで検証するのもよいかもしれない。株と債券とかでは現商品の特性が違うというかもしれないが、あくまで価格の推移によって売買を行うものであれば、それは商品が違っても同じような収益性を持っていておかしくはない。流動性の問題があるかもしれないが、債券先物と日経平均先物ならばそれほど遜色はない。為替で試すことも必要かもしれない。ドル円でも9時と15時の数値を寄り付きと引けと置けば同様のシミュレートは可能であろう。

なんにせよ、少なくても表面化しているシステム売買で、儲けられるものはほとんどないといって過言ではない。ただし、相場の動きを知るための指標としてはそういった分析をツールにして売買することはたいへん重要と思っている。移動平均や一目均衡表、パラボリック、ストキャスティックスといったものは、システム売買化しても儲かるものではないが、相場の動向を知るためのツールとしては必要なものと思われる。それが自分で作ったものならばなおさらである。毎日データを更新していくと、儲かる儲からないというよりも、そのツールの癖とかがわかる。それをうまく利用することで、相場の地合いの変化などを知るといったことは可能になる。


2003.10.28「政府保有外債、日銀に売却」

為替介入を実施しているのはどこでしょう。マスコミなどでも日銀による介入とコメントされることも最近ではさすがに少なくなりましたが、実際にはちょっと違います。これに対しては日銀のホームページに以下のようにコメントされています。

「わが国では、為替介入は財務大臣の権限において実施されます。日本銀行は、財務大臣の代理人として、財務大臣の指示に基づいて為替介入の実務を遂行しています」

「わが国では、為替介入は財務大臣が所管しており、実施の決断のほか、タイミングや金額等の決定は財務大臣が行います。日本銀行は、財務大臣の代理人として、介入の実務を担っています」

このように、実施に際しては財務大臣が決定権を持っています。このため、政府・日銀による介入との表現がなされています。日銀は財務大臣の指示のもと実際に市場での取引を行うことなど実務面で関わっているのです。もちろん介入の資金も日銀が出しているわけではなく、政府が短期証券(FB)を発行して市場から調達するのです。ただし、市場からの借り入れには国会で限度が定められています。今年度は積極的な介入実施により、今年度上限の79兆円に近づいており(70兆円程度)、今年度補正を組むにしても予算の成立は1月以降となるため、もし大きな為替変動が生じた際に大規模介入ができなくなる可能性も出てきます。このための臨時措置として、日銀への売却が検討されたものと思われます。

インフレターゲット論が盛んになっていたころ、その具体的方法として日銀による株や外債、不動産などの購入といったものを上げた学者の方もおりました。実際に昨年9月に日銀は金融調節と切り離し金融システムの安定化策として銀行保有の株式買取を決定し、一時債券が急落しましたが、これは日銀の資産劣化を気にしたものでした。このためこの日銀による外債購入についても資産劣化に配慮して、、買戻し条件付きで、為替差損は日銀に負担させないものとして検討されるようです。来月にも政府は日銀に正式に要請し、政策委員会によって日銀は外債購入を決定する予定となっているようです。結果とすれば株に続いて外債までも、といった気もしないでもないのですが・・・。


2003.10.27「何故、損をするのか(その8)」

新聞のコラムに、最近は個人投資家が頻繁に株を売買するようになっているが、相場の解説本などを見てロスカットルールを適用することで、8割から9割の個人投資家は儲かっていないとのコメントがあった。闇雲に売買していれば確かにそうかもしれない。しかし、相場の流れを掴み、勝率を上げていくことで多少ロスカットにかかろうが、トータルでの損失は免れるはずである。もし、頻繁にロスカットルールに抵触するような張り方をするようなら、そもそも相場との相性がないと早めにあきらめるべきであろう。野球やゴルフ、麻雀や接待にうまい下手があるように相場もやはり、うまい人と下手な人に分かれてしまうことはいたしかたない。自分に向かないと思ったら辞めるべきである。しかし、下手な人が8割も9割もいるとも思えない。飛びぬけてうまくなくてもそこそこうまい人はそれなりにいるはずである。そういった人が頻繁にロスカットにかかるとも思えない。

ロスカットルールとはある一定水準の損失が発生した際に、ポジションを切ることである。これは機械的に行うべきものながら、一律である必要はない。相場をそれなりに経験すると、価格でどの程度、張った方向に反対にいった際には、取り戻せないかといったことを次第にわかってくる。相場に入ってからのあやなどで反対に振れることはよくある。しかし、自分の思惑や相場勘が正しければ、思った方向に切り替えしてくるはずである。それが切り返さず反対方向にいった際には、相場の読みが間違ったことになる。それがどの程度の価格の動きで判断しうるかは人それぞれによって異なるであろうし、それも経験に頼らざるを得ない。

ディーラーなども社内ルールといった規制を受ける上、例えば銀行などはVARといったリスク管理手法を取っているが、それはすべて一律であることが本来おかしい。リスク管理は確率だけで導きだすべきものではない。そこに人間の経験といったものを加味する必要がある。どんなに機械が発達しようと職人の勘といったものが求められるのと同じである。相場は機械的にはまず確実に儲からない。システム売買といったものも、一時期儲かってもいずれ損失を発生させるはずである。相場に錬金術はない。しかし経験といったものは十分に有効になる。マーケットに入って最初は損失を発生させようが一定期間経験したのち、勝率を高めることができるならば、経験を積むことでたぶん負けないディーラーにはなれると思う。あとはマーケットに関する知識の積み上げ、情報ネットワークの構築などを行っていくことで知識武装すればよい。相場に負けないディーラーになれば、自然と人脈も広がる。他人の考え方、また経験といったものはたいへん重要なものである。


2003.10.24「11月の国債発行予定」
 1日(土)
 2日(日)
 3日(月) 文化の日
 4日(火) 割引短期国債(6か月)
 5日(水) 政府短期証券(13週)
 6日(木) 10年利付国債
 7日(金) なし
 8日(土)
 9日(日)
10日(月) なし
11日(火) 5年利付国債
12日(水) 政府短期証券(13週)
13日(木) 30年利付国債
14日(金) なし
15日(土)
16日(日)
17日(月) 割引短期国債(1年)
18日(火) 15年変動利付国債
19日(水) 政府短期証券(13週)
20日(木) 20年利付国債
21日(金) なし
22日(土)
23日(日)
24日(月) 勤労感謝の日振替休日
25日(火) なし
26日(水) 政府短期証券(13週)
27日(木) 2年利付国債
28日(金) なし
29日(土)
30日(日)
(財務省ホームページより、http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/yotei/nittei.htm)


2003.10.23「何故、損をするのか(その7)」

金融市場でもし少しでも利益を出したいのであれば、対象となる商品価格が動いている間はそれを常にウォッチしている必要がある。引け後に、四本値とか調べてもそれなりの推移は把握できるかもしれない。しかし、実はどの時点で高値、安値をつけ、そのときは他の商品がどのような価格推移をしていたのか、また、出来高は多かったのか少なかったのか。そういった価格だけでは見えないものを現場で見ていなければならない。つまりは、債券先物であるならば、それが何によって大きく変動しているのかを掴んでおかなければならない。

次の行動を起こすときは、その変動要因に注意して、トレンドを掴むようにしなければならない。もちろんそれは絶対的なものではなく相対的なものであり、感覚を研ぎ澄ましておかないと肝心なときに相場に乗り遅れてしまったりする。この感覚は引け後の数値だけでは決して掴みきれるものではない。

これは別に相場だけの話ではない。仕事をしていらっしゃればご自分の仕事について、関係者以外ではわからない感覚が身についているはずである。駅の売店のおばさんも、今日の売れ行きがどのようなものになるか、曜日や天気などを通じて直感的に把握しているはずである。漁業な農業など自然と接している方にとっては、天気や風、波、雲の動き、湿度、潮の流れなどもろもろの変動要因から、魚の取れ具合や稲の成長度合いなどを予測しているはずである。

つまりは、株や為替、債券投資もまったく同様なのである。だからまったくの素人がいきなり手を出せばまず損をしてしまうこと必然である。魚を釣ったことがない人が、簡単そうだと漁船に乗り込んでみたものの、いきなり魚が取れるはずもない。金融市場とて同様である。結局、全財産を投資するというのは無謀であり、投資資金はあくまで余裕資金で行うべきである。休みの日に釣り道具を抱えて岸壁で魚を釣るようなひとつの趣味といった感覚で投資も行う必要があると思う。


2003.10.22「何故、損をするのか(その6)」

大学時代のゼミは生田正輝先生(現慶応義塾大学名誉教授)のゼミで専攻はマスコミ論であった。マスコミに入りたいというより、マスコミの影響といったものに興味があった。マスコミのなかでも特にテレビによる影響は大きなものがある。ただし、注意すべきことは、テレビに出ているからといってその人がある分野で評価された専門家であるとは限らないという点である。マスコミに出ているというだけで権威付けがなされ、特定分野の専門知識を有してない一般の方々にとっては、その出演者のコメントが特定分野を代表してのコメントとみなしがちである。もちろん我々の興味や関心が高い分野では、そういった良し悪しの選別はある程度可能となる。例えばスポーツの解説者などは、我々も現役時代の活躍を知っているがために問題はない。ところが、これが経済とかになると一般の方の興味は薄い上にかなり専門的であるため、スポーツ解説者同様にテレビに出るくらいだから、それなりの実績を伴なった人であろうと認識してしまう危険性がある。もちろん、市場参加者に評価されている方もテレビとかに出演されていることも事実である。

ここで某人気番組に出演されている経済エコノミストのM氏について考えてみたい。これは決してその方個人に対して批判めいたことを言うつもりではない。テレビに出て人気を博することはたいへんなことであると思うしその意味では尊敬に値するとも思う。また著作もかなり売れていると聞く。ただし、それではその方が現場の声を反映したコメントをしているのかといえば、それはかなり距離があるというか、正確なものとは言いがたい。つまりM氏に対してプロから見た評価はほとんどない。低いとかいうのではなく、プロ向けのエコノミストコメントとしては、ほんとんど評価されていない。彼が何を言おうとそれが金融市場に与える影響は皆無である。

何を言いたいのかといえば、テレビでの専門家と称される方々のコメントについては、自らがよほど専門知識を有さない限りは、真偽を求める必要があり、まずは疑ってかかる必要がある。わからないジャンルについて自らの損益に絡むような状態が発生したときは、安易にマスコミに頼らないほうが良い。これは新聞なども同様である。さすがに新聞記者は取材を通じて現場の声を聞いているため、ある程度現場を理解している場合が多い、例外も多いが。ただし、それが紙面を飾る前にデスクなり編集長なり、はたまた社主などの検閲が必要になる。日本を代表する大衆紙が経済記事においてかなり穿った記事が目に付いたのも、記者の質よりもそういった新聞社の体制が影響していたと思われる。

もしも金融市場で損をしたくなかったら、マスコミからの意見を安易に捉えるべきではない。市場参加者、つまりプロ達が見たり読んでいるものをまずは参考にして知識を蓄える必要がある。債券先物の設立当初に個人が多く算入したものの、ほとんどが損失を抱えて撤退している。今回の円高局面での個人の損失も同様である。金利や為替はプロが競っている場である以上、そこに算入する際には実戦のための理論武装が絶対に必要になる。その際にM氏のコメントは実戦向きではない。あくまで大衆向きのコメントであることを承知すべきなのである。


2003.10.21「出口政策」

最近、金融市場で良く耳にする言葉に「出口政策」といわれるものがある。今回はこの出口政策の意味を追いながら、日銀の金融政策と債券市場の関係について見ていくことにする。

10月10日の日銀金融政策決定会合において、日銀は、日本銀行当座預金残高の目標値の上限を引き上げ、これまでの「27〜30兆円程度」から、「27〜32兆円程度」とすることを決定した。この際に、「かねてより消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで、量的緩和政策を続けることを約束しているが、経済情勢が回復に向かいつつある現時点において、上記の方針を堅持することを強調したい。」とのコメントしている。

消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで量的緩和政策を続けるというのは「時間軸」という言葉にも置き換えられる。つまり、量的緩和を解除するまでの時間がどの程度あるのかという見通しが債券市場に特に大きな影響を与えている。

日銀が現在行っている金融政策は、以前のように公定歩合や無担保コールのオーバーナイト金利を誘導目標としているわけではない。金利ではなく日銀の当座預金の残高が誘導目標になっているのである。利子のつかない当座預金の残高を日銀は増加させようと働きかければ、リスクはあるが利子がつく貸し出しなどに資金が回ることを前提にしたものである。短期金利がほぼゼロ近辺に低下しておりこれ以上、金利の操作が困難になったことも影響している。

量的緩和はゼロ金利政策の延長にある。つまり量的緩和を実施している限り、短期金利はゼロ近辺に押さえ込まれる。その時間軸が長期に渡るとの思惑が広がれば、多少期間が長く価格変動リスクがあっても利回りのつく国債などが買われ長期金利低下を促す。

ところが、日銀自体も経済月報などで景気に対する見方を上方修正している。株価上昇の背景には、米国経済の回復などに触発された日本経済の回復期待が当然ある。6月以降の長期金利上昇の背景も同様である。つまり市場の思惑による時間軸が短期化したのである。

そこで次第に注目されてきたたのが量的緩和を解除する、つまり金融政策の大きな変更がいつ実施されるのかという点にあった。これがいわゆる出口政策である。

実際に消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)の前年比上昇率はすでにゼロ近辺に接近している。ゼロを上回るのも時間の問題となっている。日銀としては本来、この量的緩和の解除についても前もって真剣に討議するべきではあるが、市場の思惑が先行して長期金利の急上昇を招きかねないと日銀は判断したようである。このため、今回のように、まだ出口は見えないことを追加緩和の形式で市場にアナウンスし、出口を封鎖しようとしているのである。

これによって長期金利上昇が止まるかといえば、なかなか難しいと思われる。なぜならば、追加緩和によって短期金利は押さえても、長期金利は市場参加者の思惑により動くためである。日経平均株価が11000円を上回って来た際にも債券は売られている。景気が回復すれば物価もある程度上昇してくると考えるのが普通であろう。このため、今週に入っても長期金利も一時的にせよ1.5%台をつけている。日銀の出口封鎖も、強固な封鎖ではなくちょっと出口を見えにくくしただけといった見方にすらなっている。

景況感がさらに強まり、消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)の前年比上昇率がプラスを維持し始めた際、日銀はどのような政策を打ち出すのであろうか。解除のタイミングを遅らせれば、バブル時の二の舞にもなりかねない。バブルを加速させたのは円高対策のためにとらせられた日銀の追加緩和であるというのは周知の事実である。

今後の債券相場の行方にはこの出口がいつになるのかというポイントが重要な要因になる。今後の消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)の動向とそれにともなう日銀の動向にはさらに注意を払っておく必要がありそうである。


2003.10.20「長期予測」

相場の長期予測は原則無意味と考えている。異論もあるかと思うし、また長期予測の必要性も無視するわけではない。しかし、当たらないものは当たらない。1年後の相場を結果として当てることはあるかもしれない。しかし、その過程をすべて的確に予想することはタイムマシンでもなければ無理である。相場に絶対値がない以上、価格を形成する要因は常に変化する。そしてそれぞれの要因の比重も刻々と変化してしまうためである。現在は特に株価に連動性が高いとはいえこれがこのまま続くわけではない。もし物価上昇が顕著となった際など、日銀の量的緩和解除のタイミングを見極める必要から、債券市場が物価指数などに大きく影響を受けることも十分に考えられる。また、来年度の国債市中消化額は、新規財源債を40兆円程度と仮定すれば、120兆円程度が予想され今年度の113兆円程度(当初予算ベース)よりも確実に増額され、この国債需給に焦点が集まることもありえる。しかし、それで絶対債券相場が動くとも断言できない。昨年の日銀ショックのような突然のアクシデントがあるかもしれない。あまり予想したくないが関東地方に大地震が発生するなど自然災害の影響も絶対ないとは限らない。また、選挙の結果、政局が一変するやもしれぬ。

というように、まずは言い訳を先にしてから、来年の債券相場について独断と偏見の予測をしてみたい。長期国債に関して気になる数字がある。それは「2」である。10年国債の利率は1998年末の運用部ショックの急落によって2%をつけた1999年の1月債以降、2%をつけていない。今年の6月以降の債券急落によって、6月債の0.5%から9月債は1.6%にまで利率が引き上げられている。この上昇ピッチがどの程度継続するかはわからない。10月債は1.4%にやや引き下げられてもいる。しかし、先行きはまだ金利上昇トレンドと私自身は見ているため、来年には2%がいずれ視野に入るはずである。そしてもうひとつの「2」は10年国債の毎月発行額である。、運用部ショック以降、10年国債の毎月発行額は1兆9千億円までと2兆円まで引き上げられていない。しかし、来年度は2兆円に増額される可能性も高い。運用部ショックのときの債券急落と今年の下げの要因は異なるため、このふたつの2はあまり気にする必要もないとは思う。むしろ、無理にそこで債券利回りの上昇を押さえつけると、あとで一気に跳ね返りがくる可能性もある。

そしてもうひとつ注意すべき数値が「0」となる。消費者物価指数(生鮮食料品を除く)が前年同月比プラスとなったあと、いくら日銀が出口を封鎖していようが、量的緩和解除のタイミングを市場は予測してくるものと思われる。こうなると時間軸効果が薄れてくる可能性がある。時間軸を設定したのは日銀だが、その長さを予測するのはマーケットである。

株価や為替動向、海外情勢の変化といったものも考えなくてはいけないが、仮に長期金利が上昇し続けた場合、2%を突破するのは不可避となるのではなかろうか。その際に2.5%程度で止まるとも考えづらいが、来年の10年債カレントの利回りのコアレンジは1.5から2.5%あたりかと現時点では予想したい。


2003.10.17「日銀審議委員」

独断と偏見で、日銀の各審議委員がどのような位置になるのかを探ってみたい。16日に発表された9月11、12日の日銀金融政策決定会合議事要旨を見ても、福間審議委員は当座預金の目標の引き上げを提案している。実際に今月10日の決定会合では、6対3で当座預金の目標が引き上げられており、6名の賛成派の一人が福間審議委員であるのは間違いない。また、政策変更は議長提案となっており、福井総裁と武藤・岩田副総裁のいわゆる執行部の3名は賛成に回ったと考えられる。問題は残りの審議委員である。ちなみにこのときの決定会合は予想より長時間に渡っている。執行部が各審議委員を説得させたという思惑が出ても不思議はない。

当座預金残高目標の引き上げについて5月の決定会合で反対した須田審議委員は今回も反対に回った可能性が強い。また、田谷議員も同様に以前の追加緩和に反対していた経緯もあり今回も反対票を投じたと思われる。そしてもう一人の反対票は、植田審議委員といわれる。対外的な説明がつかないという理由のようだが、それは春日委員と中原委員も同様だったのではなかろうか。しかし、この2票の獲得を執行部が成功させたとも思われる。あくまで推測であるが。

ところで、福井総裁は15日の会見において、「32兆円という数字は算術的な根拠を持っているわけではない。従って、32兆円という数字をあまり神経質にお考えになられても、それは無駄だ。もう少し肩の力を抜いて自然に考えてもらいたい」とコメントしているが、総裁自身が会見場ではかなり苛立ちを示されていたとも聞く。肩の力を抜いて自然に考えても、やはり円高が気になって、無理に引き上げたといった感触も受ける。これにより審議委員との不協和音など広がらなければよいなとも思うが・・・。

早速、各審議委員のマトリックス表を作ってみることにする。左右は追加緩和の賛否。縦は総裁との距離を示している。福井総裁は追加緩和容認派。岩田・武藤両副総裁も自論はともかくも執行部として総裁に近くなる。福間委員は追加緩和賛成派ながらやや総裁との距離を持つ。春・中原委員は追加緩和については中立の立場ながら賛成票を投じたと思われ、副総裁に準じて総裁に近く置いてみた。

そして須田委員は追加緩和反対で最も総裁と距離感があると思われる。田谷さんは追加緩和反対で須田さんほどではないが距離があるのではなかろうか。そして、植田委員は追加緩和には慎重派で自論を貫き通したことで執行部との距離を置いた。独断と偏見のマトリックス。ぜひご意見などお寄せいただけるとうれしいのですが。

マトリックス(敬称略)

「追加緩和賛成」−−−−−−−−−−−−−−「追加緩和反対」

−−−−−−−−−−−福井−−−−−−−−−−−−−−−−

−−−−−−−−−−−−岩田・武藤−−−−−−−−−−−−

−−−−福間−−−−−−−春・中原−−−−−−−−−−−−

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

−−−−−−−−−−−−−−植田−−−−−−−田谷−須田−



2003.10.16「円高と債券相場」

先週の債券市場では一時円高を好感して買い進まれ、長期金利は2%台をつけた。なぜ円高になると債券が買われるのであろうか。これにはいくつかの理由が存在する。

まず円高は輸出企業にとって収益の悪化要因になる。輸出企業に支えられている日本経済にとってのマイナス要因となるたる、せっかく出てきた景気回復の芽が潰されてしまうといった懸念が出てくる。そうなると金利は再び低下する可能性が強まり債券が買われるのである。

そして、円高になれば輸入物価が下落する。それはデフレを加速させる要因ともなり、やはり金利低下圧力がかかる。すでに円高対策として日銀に追加緩和策をとるべきとの意見も出されていた。

実際、10日の日銀金融政策決定会合において、「金融調節の柔軟性を高め、流動性供給面から機動的に対応する余地を広げる観点から、日本銀行当座預金残高の目標値の上限を引き上げ、これまでの27〜30兆円程度から、27〜32兆円程度とする。」というように追加緩和策を決定した。この追加緩和の目的は円高対策であるのは明らかであった。福井総裁はその後の記者会見で「円高だけで直結した判断で金融政策は決めない」としながらも「円高が限定的にリスクもたらす心配あり」「金融緩和策が為替相場を円安方向に及ぼすこと、理論的にはある」ともコメントしている。

円高によって債券が買われる理由には、もうひとつある。円高になるということは海外投資家が保有する円資産の価値が上昇する。さらなる円高が期待されそれに伴なう金利低下の期待が強まれば、日本の債券を海外投資家が購入してくる可能性が強まり、債券が買われる。

加えて、円高抑制のため政府・日銀は大規模な介入を実施しているが、介入に伴ないドルが手元に残る。それは現金化しておくにはスペースがない。それに現金では利息がつかないためにドルの資産、たとえば米国債を購入する。8日に実施された米国債の5年ものの入札のうち約半分を日本が介入資金で購入したとの観測があった。それにより米国の投資家は余資が残ってしまいそれを円資産に振り向けることも考えられる。

このようにいくつもの要因から、円高は日本の債券にとって買い材料となる。しかし、今回の円高は日本の景気回復期待によるものとの見方も当然ある。急激な円高によって景況感が一気に悪化するようなことがあれば別であるが、実態経済への影響がそれほど大きくならなければ、債券を買い進むというのも難しくなる。また、円高ということはドル安でもあり、仮にドルの急落で米国債まで暴落してしまうようなことがあれば、日本の債券への影響も出てくる。

また、為替だけが債券の相場変動要因でもない。円高がどの水準まで続くのかは想定しにくい。しかし、今回の円高局面での長期金利の低下は限られたものになると考えている。これまでも何度か日本は円高を経験しているが、そのたびごとに企業は努力して円高による収益悪化を押さえ込んできている。今回もこれによって景気が腰折れするとは思えない。また、円高はやや思惑的な動きが強いとも考えられ、いずれ自律調整してくるはずである。

今後の債券相場は次第に円高に反応しなくなってくるものと考えている。円高にともなう買いといったものが薄れ、日経平均などがさらに回復すれば、それによって再び金利の上昇圧力も強まるものと予想する。結局、先週つけた10年の1.3%割れはやや買われすぎであったと思われる


2003.10.15「何故損をするのか(その5)」

小学生時代、クラスで何かを決めるときには学級会で決めることが多かったかと思う。今は死語になりつつある「学級委員」という役職が存在し「学級委員長」が議長となって決めたりする。決定については通常は採決による。会社などでの重要事項の決定は役員会や取締役会などで決定されると思うが、ここでは多数決というより事前に根回しが済んでいることも多いのではなかろうか。その点、日銀の金融政策決定会合は完全に多数決で決定される。審議委員も日銀総裁も同じ一票である。10月10日の決定会合はかなり時間がかかったようで、追加緩和については6対3で決定された。時間がかかったということは反対した審議委員の一部を賛成票に組み込もうとの動きとかあったのかもしれないが、これは議事要旨というより10年後の議事録を見なければはっきりしたことはわからないかもしれない。それはさておき、相場の動向については会議室で何をどう議論しようが、それで相場の適格な予想は立てられない。朝のミーティングも大事であろうが、前日の動きがそのまま当日の動きに連動するとも限らない。つまり相場はまさに現場にいない限り、その動向はつかみにくい。相場は会議室で動いているわけではない。

ただし、会議室によって動かされることはある。6月以降の債券下落に拍車をかけたのが、まさに会議室の売りであった。いや、その前に6月に史上最低の長期金利を演出したのも会議室の買いと思われる。債券相場の上昇は長期にわたり、しかも大きな上下動もなくなり、じりじりと上昇してきた。このため、相場変動をポジションのリスク管理に用いている銀行など、リスク許容度が上昇し、値上がりの含み益を抱えてさらにポジションを膨らませ、それがまた相場を上昇させるといったような好循環が続いた。しかし、そんな世の中、甘くない。このまま半永久的に金利が下がり続けるというという期待が蔓延し、それが周囲を見えにくくしてしまった。まさに金利に恋をしてしまったかのように。周りではすでに株価が上昇しつつあり、経済指標もぽつぽつと良いものが現れていた。そして、ふと霧が晴れた瞬間、自分がどんなに高いところにいるのか気がついたのである。しかもその山は買いで溢れていた。崩れ去るのにそれほど時間は必要とはしなかった。売られる時は相場変動が極端に大きくなる。そうなるとリスク許容度が一気に縮小し、投げても投げてもさらに投げ、その投げが相場の下落をさらに速め、と今度は悪循環となってしまう。会議室が相場の加速装置になった事例である。

これは何も今回の債券相場に限ったものではない。バブル崩壊後の株価や不動産価格、プラザ合意後の為替市場などむしろ急激な価格変動は相場にはついてまわる。「もうはまだなり」という相場格言がある。もう、相場はピークを迎えたと上昇過程で主張しても、そうかもしれないがまだ上がっているのだからと、相場を降りることはためらわれる。ところが「まだはもうなり」、つまりまだ相場はさらに上昇するとの思いが広がったとき、ピークを迎える。10年債利回りが、0.2%とかの声が上がっても誰も異常だとは思わなかった。そんな状況は、コンサートステージで自分を忘れて歌い踊るファン達と変わりはない。強い相場に皆が舞い上がっていたときこそ危険なのである。それは結果論だろうといわれるかもしれない。確かにピークはどこなのかは反転しないとわからない。ただし、反転しはじめたとき、いち早く逃げることができるかどうか。あそこで売っておけばこんなに儲かったのに今売ればこれだけしか益がない。と思っているときに売らなければ、益などあっという間になくなってしまうことになる。


2003.10.14「非市場性国債」

今月1日に「若き知」でも紹介した2003年6月末現在の国債保有者別残高(日銀資金循環統計より)を再度、見ていただきたい。今度は大きく分けて2つのグループとしたが、何を基準に区分けをしたのかと一目瞭然かと思う。そもそも、日銀の資金循環統計はそのまま数値を使っても非常にわかりづらいものであり、それをわかりやすくある特長のもと独自で再集計したものであるが、その大きな目的は、公的部分との民間部分の区分けであった。

日本銀行・・・・・・15.0%  81兆3,887億円
財政融資資金・・・・11.3%  61兆4,532億円
郵便貯金・・・・・・15.1%  81兆9,969億円
簡易保険・・・・・・ 9.3%  50兆7,894億円
公的年金・・・・・・ 6.7%  36兆2,688億円
小計・・・・・・・・57.3% 311兆8,980億円

民間金融機関・・・・18.9% 102兆6,369億円
民間保険・年金・・・12.4%  67兆2,690億円
金融仲介機関・・・・ 4.3%  23兆3,320億円
海外・・・・・・・・ 3.0%  16兆5,638億円
家計・・・・・・・・ 2.3%  12兆4,766億円
その他・・・・・・・ 1.8%   9兆9,617億円
小計・・・・・・・・42.6% 232兆2,400億円

合計・・・・・・・・・・・ 544兆1,370億円

それでは、グループ1(公的部門)について見てみたい。中央銀行分を公的部門に加えるべきかどうかとの問題もあるが、限りなく公的部門に近いということで加えると、公的部門で日本国債の残高のほぼ半分以上を占めていることがまずわかる。今回、日本銀行の保有額を郵便貯金が抜いたが、今後も財投改革に伴ない財政投融資の保有分は、郵貯・簡保・公的年金分に振り変わる。まずこの財投改革について振り返ってみよう。

2001年4月から財政投融資改革によって、大蔵省(現財務省)資金運用部は廃止され、郵便貯金及び年金積立金のよたく預託義務も廃止された。我々は郵便局へ貯金したり年金を払ったりしているが、こういった政府機関に集まった資金は、これまで財務省の資金運用部というところに集められて(資金運用部によたく預託され)運用されていた。その資金を住宅金融公庫・国民生活金融公庫をはじめとする公的金融機関や、日本道路公団などの公共事業実施機関、国の特別会計、地方自治体などに貸し出していたのである。しかし、財政投融資改革、いわゆる財投改革によって、資金運用部に預託する義務が廃止され、郵便貯金や簡易保険で集められた資金は郵政事業庁、公的年金は厚生労働省の年金基金運用基金が、それぞれ独自で運用することとなったのである。

これまで、郵貯や公的年金からの資金は7年間運用部へ預託し、それが財投機関への貸し出し等に使われていた。満期になるといったん郵貯などに返還されるのだが、通常はそのまま乗り換えていた。しかし、財投改革によって、これまでのようなロールオーバー(乗換え)ができなくなり、元本を郵貯や公的年金に返済しなければならず、その資金を手当てするために発行されるのが財投債である。もちろん、貸し出し回収分もあり、また国債投資に向かった分の償還金もあるため、これを預託額から差し引いた金額相当分の財投債が発行される。しかし、いきなり数十兆円もの国債が余計に発行されると、債券市場に大きな影響を与えかねない。そこで、経過措置として、2001年から7年間だけは、市場に配慮して郵貯、公的年金、簡保積立金が財投債の一部を直接引き受けることが決められた(拙著「日本国債は危なくない」文春新書より一部抜粋)。

7年間かけて財政投融資の資金が郵貯・簡保。公的年金に返還されるが、その資金は主に国債で運用されると思われる。また経過措置として、財投債の引受も発生しており、これも郵貯・簡保・公的年金の国債保有残高の増加要因となる。

また、日銀は国債の直接引受もあるが国債買い切りによるところが大きい。日銀が国債を直接引き受けることは、財政法で禁じられている。しかし、日銀が国債の買い切りオペによって市場から購入した国債が償還を迎えた場合に限って、これに対応する借換債を日銀が引き受けることは、インフレを招かないとの理由から例外的な処置として認められているのである(こちらも、「日本国債は危なくない」より)。

つまり今後も多少の増減はあるにしろ、日本の国債の約半分は公的部門によって保有される状況は当面続くものと思われる。2002年4月2日の「若き知」では、下記のようにコメントしている。

いずれ財投債は全額市中消化されるため、国債全体の発行額の増加とともに民間金融機関などの消化額も大きく増加することで、それほど公的部門の国債保有額の全体に占める割合が大きくなるわけでもない。ただし、資金運用部の運用に比べて公的年金のほうが機動的であり、相場の撹乱要因にはなりうる。米国のように非市場性国債の発行といったことも検討にあたいするのではなかろうか。ちなみに米国の政府の債務残高は額とすれば、日本とあまり変わらない(もちろん対GDP比では大きく違う)ものの、その約半分が非市場性国債となっている・・・。

米国の社会保障基金は非市場性国債が運用することが義務づけられているように、国債管理政策つまり巨額の国債の発行をスムーズに行うことを目的とした政策において、この非市場性国債の検討はこれまでもいろいろなかたちで出されている。

非市場性国債という耳慣れない言葉も最近では個人向け国債の発行で知っている方も多いかと思うが、簡単に言えば流通市場で売買されない国債である。個人向け国債も非市場性国債である。通常の国債も個人向け国債も途中換金する場合(個人向け国債は発行後1年経過してから)、買い付けた証券会社や郵便局、銀行に行って国債を現金に変えるわけだが、それを金融機関が現金にする方法は通常の国債と個人向け国債は大きく異なる。通常の国債は個人が保有していた国債を市場で売却するか金融機関が自己で買い取っているのに対して、個人向け国債を買い取るのは財務省である。非市場性国債である個人向け国債は市場では売れないし、各金融機関が自己で保有することもできない。

ということで、郵政公社が「非市場性国債」を直接引き受けるという記事があったが、これについてはまだ非現実的な側面が多い。郵政公社の民営化も論議されている最中であり、郵貯が今後どのようなかたちで残るのかは明確ではなくこれは簡保も同様であろう。仮に民営化した場合に、これまでのように公的機関同様の扱いを期待されても困るかもしれない。現在のかたちでほぼ永久に存続するという前提ならば非市場性国債の引受も現実味を帯びてこようが、現在はむしろそれはかなり流動的である。米国のように非市場性国債が大きなシェアを占めていることはそれはそれで国債消化の安定化になろう。財政赤字の解消期待でむしろ市場性国債の減少まで懸念されていたぐらいである。だから日本でも非市場性国債を郵政公社に引き受けさせろというのはやや乱暴な議論になると思うのだが。


2003.10.10「日銀、当座預金残高の目標値の上限を引き上げる追加緩和を決定」

日本銀行は本日の金融政策決定会合において、「金融調節の柔軟性を高め、流動性供給面から機動的に対応する余地を広げる観点から、日本銀行当座預金残高の目標値の上限を引き上げ、これまでの27〜30兆円程度から、27〜32兆円程度とする」追加緩和策を賛成6反対3で決定した。

福井総裁はその後の記者会見で「円高だけで直結した判断で金融政策は決めない」としながらも「円高が限定的にリスクもたらす心配あり」「金融緩和策が為替相場を円安方向に及ぼすこと、理論的にはある」ともコメントしており、今回の追加緩和の決定が、円高対策というのは明らかであろう。109円を割りこむ円高に対して介入効果も上がらず、苦慮した政府を配慮したのか日銀は再び円高対策のための緩和策を実施してしまったといわざるを得ない。

量的緩和の副作用を飲むとも総裁はコメントしているが、顕在化したときは飲みすぎに注意しなければならない?。また、決定会合の結果に関して、 「CPI前年比上昇率が再びマイナスになる見込みなくなるまで量的緩和維持」としており、先日の福井総裁の会見と呼応したコメントもしており、時間軸を強化したと捉えられている。

「情勢判断は上方修正だが、景気回復の芽を確実にするため措置講じた」との総裁コメントにもあるように、景気回復期の緩和策であり、これは長期金利の低下には直結しなかった。総裁はまた「当座預金残高の下限の引き下げ、政策的リスクから行わないだろう」ともコメントしたが、これは引き締め策に転じるときは、リザーブターゲットの引き下げではなく量的緩和そのものを中止することを示唆したものとも受け取れる。今回の緩和策が今後市場にどのように受け止められるか。私個人としてはできればやってほしくなかった。


2003.10.10「何故損をするのか(その4)」

たとえばパソコンの理論価格というものは存在するであろうか。まさに日進月歩で進化しており、また価格も数万円のものから20〜30万円もするものもある。売れ筋商品の価格とか平均価格とかは算出できるかもしれないが、それを理論価格としても意味はないように思う。それでは金利とか為替にも理論値が存在するのであろうか。絶対的な理論値は存在しないと思って間違いはない。金利や為替も同様だと思う。長期金利もわずかの期間で0.4%から1.4%に動いたりする。どちらが金利水準として正しいのかと言われても、両方正しいとしか言いようがない。これは将来への期待値が反映されているためである。つまり足元ファンダメンタルの位置ではなく、その流れ方、流れる方向が重要となる。

このような価格は異常だと良く言う方がいる。それは価格が異常なのではない。その価格をつけさせている状況が異常なのである。その状況や環境が変わらない限り、価格がおかしいと言っても価格だけが修正されるわけではない。実際に長期金利が0.4%台をつけたとき、この利回りが異常であると誰の目にも映っていたはずである。しかし、そこから反転上昇するのは、利回りが低すぎたからではない。その利回りをつけた環境に変化が出てきたことによる。0.4%台で長期国債を売った人は結果として儲かった。しかし、長期金利がたとえば1%を割ったときも、同様に利回りが異常との認識はあったはずである。この時、長期債を売った人はさらに金利が低下し続けたことで、悔やむに違いない。いや、それどころかまた買ってしまったのではなかろうか。

価格に変化が起きるときは、何かしら外部にシグナルが発生している。それを適格に認識できるかどうかが重要になる。ただしそのシグナルは何であるかはその場その場で異なってくる。2003年6月以降の長期金利の急上昇の際のシグナルは、株価であったと思われる。そしてその株価を動かしたのは、市場関係者の景況感の変化であった。それを敏感に捉えていたのが海外投資家であったと思われる。国内の機関投資家は足元ばかり見てしまい、流れの変化に気がついていなかった。


2003.10.9「5年国債入札」

本日実施された5年国債(31回、利率0.6%)の入札は、銀行などのニーズが強く問題ないと見られていたが、業者の積極応札でむしろやや過熱気味になってしまった。事前の予想は100円15銭程度であったが、落札結果は100円17銭が最低で平均は19銭と予想を上回った。モルガンスタンレーが発行額の約半分となる9327億円を落札したとみられ、5年以上の国債入札にあっては一社での落札額は過去最高かと思われる。ほかにみずほコーポレート銀行など直接1500億円を落とすなど、直接取りに行く銀行もあり、そのニーズの強さが示された。ただし、結果発表後の相場は、先物の売りやスワップの払いなどが入って一時反落した。


2003.10.7「何故損をするのか(その3)」

金融市場では金融商品を売買する担当者がいる。会社の資金を使って自己の思惑で勝負を賭けているのが、所謂、ディーラーと呼ばれる職業の人達である。ヘッジファンドなども含めて、金融商品の売買を生業としている者たちは、いわゆるプロということになろう。これに対して、個人の場合はほとんど別の職業を持ちながら金融商品の売買もしている、所謂アマチュアとなろう。金融市場のプロとアマには大きな違いがある。それは相場が動いている時間に常にそれと向き合っていられるか否かという点である。

相場というのは連続した動きになっている。相場を見る上ではこの動きの特性を掴む必要がある。海の潮の流れが変化するように相場の流れも微妙に変化する。その変化を読み取って市場参加者のマインドを掴んでいかなくてはならない。そして相場が何に反応しやすいのかをチェックしていると、どのような材料にバイアスがかかっているのかを読み取ることも可能になる。このようなチェックを常を行っていても簡単には儲けさせてはくれない。つまり先行きの適格な読みは難しい。それでもこれをしっかりチェックしていないと、自分の信念というか、考え方を軌道修正することが難しくなり、相場の変動についていけなくなってしまう。

今はインターネットがあり、以前はプロのディーラーしか持ち得なかった価格情報やニュースの速報などを個人も見ることができるようになっている。しかし、だからといって個人投資家がプロと同じ土俵に乗れるのかといえばそうではない。いくら道具がプロ並みでも腕が必要なのはゴルフばかりではないはず。情報もそれの使い方、読み方といったものが大変重要なのである。

株も為替も債券も、今市場参加者は何を見て動いているのかを適切に読み取らないと、自分が正しいのにマーケットが間違っているという自己本位の発想に陥ってしまう。自分の考えが正しいだろうが正しくないだろうといったことではないのである。マーケットが何と向き合っているのか。材料をどのように認識しているのかを絶えずチェックしていかなければならない。たとえば現在ヒット中の歌は何かと問われて答えられるであろうか。好きな曲を聞いているわけではない。曲名は無理でもどのようなテンポ・リズムの曲が売れているのかぐらいは知っているであろうか。曲の流行り廃りとマーケットのマインドは似たり寄ったりである。つまりマーケットは今どんな曲調を好んでいるのかを理解しない限り相場では負けてしまう。

デフレの強さばかり気にして買い続けていた債券市場が、突然ころっと変わって株や経済指標を気にするようになったのは2003年6月以降のことであった。何を軸に相場は動いているのかということを常に意識していかなければならない。以前は売り材料であったものが、まったく反応しなくなってしまうことは日常茶飯事である。教科書的な発想しかできないと相場の動きはまったくわからないであろう。こればかりは人に説明しようともなかなかできるものでもない。そこにはマーケットに向き合う時間と、時間とともに養われる経験が不可欠となるのである。


2003.10.7「何故損をするのか(その2)

今回の円高ではかなり個人投資家が損失を蒙ったと言われるが、その大きな原因として、ある種の思い込みが働いていたためと思われる。相場である以上、株と為替、債券のうちでどれがもっとも難しいといったことは言えないが、個人のシェアが高いものほど個人にとっては売買しやすいと思う。そうなると為替や債券の動きといったものはあまり個人向けの市場とは言えない。ドル円も債券も上がるか下がるかどちらかで勝負をかけなくてはならない。確率はまさに二分の一ながら、その動きを予測するのはプロですら困難を極める。

知り合いの歯科医の先生は、ぼそっと「こんな日本経済なのに、なんで円高になるんだ」とおっしゃっていた。実はこれが大きなポイントになりうる。それに対して私の答えは「為替は相対的なもので判断する必要があるため」と答えた。たとえ日本経済が弱くても、米国経済動向次第では円高にもなりうる。いや、経済環境ばかりが判断材料でもない。日本人の多くは自らの国がたいへんな状況にあると認識している気がする。特に識者と言われる方々の話を聞くと、すでに日本はどうしようもない。小泉改革など実現不可能。国の借金は増え続け、デフレの解消の見込みも立たない。そのような国の通貨が強くなることはありえないと考えているようにも思われる。

こういった考え方は本などにも顕著に表れている。最近売れている本に「預金封鎖」というものがあるが、これもその類の本であろう。そういえば2000円札の流通量が増えているにも関わらず巷で見かけないのは、新札に入れ替わる際に2000円札だけは変わらないため、それを必死で集めている金持ちがいるのだとか。戦後の預金封鎖とそれに伴なう新円の入れ替えがイメージされているようである。

日本経済に対しての悲観的な見方は理解できなくはない。しかし、預金封鎖が起きる可能性ははたしてどの程度あるというのか。銀行が多額の不良債権を抱ええているし日本政府も多額の借金を抱えている。にもかかわらずなんで預金を封鎖する必要性があるのか。ハイパーインフレが来るというトンデモ本が売れているらしいが、その前に今まだデフレである。確かに日銀は過去なかったような金融緩和政策をとっており、景気が反転しても、それを実施し続ければ、まさにバブルの二の舞にもなりかねない。しかし、それによって日本がアルゼンチン化するというのはひとつの考え方としては面白いが現実味はない。すでに世界第二位の経済大国であり、米国の借金まで背負っている日本がそのような状態になる可能性はほとんどない。そうなったら軍事大国といえど米国も共倒れしよう。それでも円を売るというのであろうか。ただ米国は倒れず日本だけが非常事態となるれば確かに円は売られるであろう。しかし相場として円を売るならば、今売るのではなく少しでもその兆候が見えてきてからでも全然遅くはない。

つまり、そういった思い込みだけで円を売るべきではないのである。相場は風のようなものである。追い風であったり迎え風であったり、強かったり弱かったり。そしてその風向きや強さは人々の思惑といったものによって左右される。日本が危ない、預金封鎖が起きると市場参加者が材料としてそれを捕らえ始めたときに、円を売るというのならばそれは読みとして正しくたぶん儲かるであろう。しかし、今、ドル円を実際に取引しているプロ達がそんなものを材料として捕らえてなどいない。独りよがりの思い込みで相場に入っても結局怪我をするだけである。相場は信念によって張るものではない。流れに逆らわずに張るべきものであり、そこには一般常識といったありふれた考え方が意外と重要な要素になったりする。


2003.10.7「第4回個人向け国債」

10月発行の第4回個人向け国債の発行額が9432億円となった。内訳は、金融機関が7772億円、郵便局が1659億円。これで年度目標は達成。12月募集分は、今年度の国債発行額を減額せず、来年度の前倒し債としての組み入れとなりそうである。個人向け国債は通常は借換債として発行されている。この借換債の発行限度額に対しては、新規財源債のように国会の議決は必要としない。そして、大量の国債発行を円滑に行うために、借換債は年度を越えて前年度に前倒して発行ができる。いわゆる「前倒し発行」が可能となっている。これは翌年度の国債発行額を多少なりとも減額させられるときには借換債を前倒しで発行し、国債の安定消化を図るように調整するためのものである。ただし、この前倒し発行額は、国会の議決をうけた限度額の範囲内で発行される。このため、第5回個人向け国債の発行分は他の年限の前倒し発行分を減額が可能になる。


2003.10.7「米国債の海外投資家の保有が35.6%」

10月5日付け日経新聞の一面の記事では、米国債の海外保有比率が35.6%となったと伝えている。2003年6月末現在、米国債における海外保有残高は、1兆3465億ドルとなり過去最高を更新している。そのうち、日本が4410億円、英国が1228億ドル、中国が1225億ドルとなっている。(日経新聞より、数値の出所は米FRBの資金循環統計)


2003.10.6「何故損をするのか(その1)」

ここのところ一月に一回ぐらい近所の歯医者に通っている。一応朝晩の歯磨きは欠かしたことはないが、あまりうまくは磨いておらず、また栄養の偏りなどもあってか、歯は決して強くない。結婚前には歯医者に行く人が多いと聞いていたが、それを無視してしまって新婚旅行先のオーストラリアで、見事に虫歯が悪化。その時からこの歯医者に通っているので、すでに10数年通っていることになる。先生のおっしゃるには、とにかくだましだましするしかないと、末期的な歯の状態のようである。

それはさておき、この先生に以前に「日本国債は危なくない」を差し上げたことから、治療の合間に為替とかの話をすることがある。先日も同僚の歯医者さんが為替で大きく損失を出したことを聞いた。そういえば、少し前から個人が為替取引を行うのがひとつのブームになっていたようで、今回の円高で信じられないぐらいの損失が出ているといった噂も耳にしていた。実際にかなり損をしている人もいたようである。

手数料も安くなっているためか、株のような短期売買なども為替取引で盛んになっているのであろうか。その実態は詳しくは知らないが、為替についてもあまり一般の方は手を出すべきものではないかとも思っている。債券先物も上場当初はかなり個人の算入があったが、ほとんど損失を出して撤退したと聞く。個人が相場に手を出すべきではないと言うつもりではない。しかし、マーケットの習性といったものをまず理解しないでマーケットに入ってしまうと確実に損失が発生する。

そもそもプロといわれるディーラーですら本当に儲けられるのはほんの一部にすぎない。これは何もディーリングに限ったことではない。プロ野球選手でも年収が億円となっている選手は一部だけであろう。ただプロ野球の選手は野球は上手である。しかし、金融機関に勤めながらのディーラーはそうとも限らない。ディーリングの良し悪しは実際にマーケットに向き合ってはじめてわかることでもあり、養成学校もない。その良し悪しといったものはなかなか説明しにくいものでもある。以前それを「マーケットサバイバル」という本にまとめたことがあるが、発売されて時間もたっていることもあり、また債券に限らず株や為替にも動きが出ている。ここでひとつ売買益を、という個人を含めた投資家も多いかと思う。そういった方々に儲ける方法は残念ながら教えられないが、損をしない方法ならばある。

私も以前ディーラーだったが、あくまで損をしないディーラーであった。年間10億円近くをコンスタントに稼ぐディーラーは確かに知っているだけでも数人はいる。彼らはそのノウハウを教えようという気はないであろうし、そんな暇もなかろう。すでに引退して悠悠自適の生活をしている者もいるというが、彼らとてディーリングのノウハウなど公開する気はないであろう。つまりは世の中に出ている「・・・億円稼ぐ方法」というたぐいの本は、残念ながら読んで楽しむものでしかない。そんな秘伝などあろうはずはなく、あったとしてもマーケットに知られれば秘伝ではなくなり、ひとつの妙な売買システムみたいなものになってしまい、それに向かってくるシステムに粉砕されてしまう。

ということで前置きが長くなったが、これから何回かにわけて、儲けるのではなく損をしないための方法を探っていきたい。まず、損をしないために必要なものは、「何故損をするのか」ということを知ることである。


2003.10.3「武道館」

オフィースから歩いて何分かのところに日本武道館がある。高校生のころだったろうか、初めて武道館でのコンサートを観に行ったとき、九段下で降りたのはよいが、武道館の場所がわからず近くの人に聞いたところ私の後ろを指差した。振り返ってみるとそこに武道館があった。武道館といえばコンサート会場のイメージが強いが、本来は柔道などのための大きな道場なのである。そもそもこれが建てられたのは、東京オリンピックにおける柔道会場としてであった。戦後、GHQによって武道が禁止されていたため、大きな道場などはなかったとか。しかし、東京オリンピックから柔道がオリンピックの正式種目に採用されたことで、正力松太郎氏が中心となって武道館が建設されたそうである。ところが、ビートルズの来日によって一躍コンサート会場として注目され、チープトリックの「武道館」の名前のついたアルバム「at BUDOKAN」がヒットしたことで、まさにコンサートの殿堂となったと言われる。週末などはいつものように九段下から武道館にかけて長い人の列が出来ている。そういえば20年近く武道館でのコンサートを観ていないことに気がついた。今度機会があれば行ってみたい。というわけで今日は日本武道館が開館式を行った日を記念しての武道館の日だそうである(一部、J−WAVEの番組で紹介されていたものを引用させていただきました)。


2003.10.2「携帯動画端末」

地上波テレビを観ることができる携帯電話が出るそうだが、電車の中などで気軽に動画を観ることができる端末がいずれ発売されるものと思われる。これまでもPDAなどで動画も閲覧可能なものがあったが、メモリーの制約もありCPUの力不足もあり、滑らかな画像を見ることはできない。しかし、PCなどでは動画の圧縮技術が進歩しており、それほど画質を落とさずにDVD画像を十分の1程度に圧縮が可能になっている。2時間の動画が600Mバイトにするのだが、これでもまだメモリーカードの容量からみても大きすぎる。しかもCPUもペンティアム4レベルが必要になる。ただ技術の進歩は早い。メモリーカードの容量も年々アップしている。CDからMDになどに音楽をコピーするように、テレビの録画をメモリーカードが行って、それを通勤途中で見るといったことも近い将来可能になるものと思われる。電車通勤などでテレビ画像を見ようとしても、画面が不安定となってしまうため、携帯液晶テレビもあまり普及しなかったがビデオ付きとなれば話は違ってくるかもしれない。地上波テレビのデジタル化も予定されており、CSなどを含めて動画のコンテンツは溢れていながら、そういったものを見る時間は限られてしまう。携帯動画端末は空き時間を利用して、そういったものを見ることを可能にしてくれると思う。もちろん観たい番組があればという話にもなるのだが・・・。


2003.10.1「2003年6月末現在の国債保有者別残高(日銀資金循環統計より)」

民間金融機関・・・・18.9% 102兆6,369億円( -66,208)
郵便貯金・・・・・・15.1%  81兆9,969億円(+110,364)
日本銀行・・・・・・15.0%  81兆3,887億円( +13,241)
民間保険・年金・・・12.4%  67兆2,690億円( +14,112)
財政融資資金・・・・11.3%  61兆4,532億円( -42,744)
簡易保険・・・・・・ 9.3%  50兆7,894億円( +14,080)
公的年金・・・・・・ 6.7%  36兆2,688億円( -10,269)
金融仲介機関・・・・ 4.3%  23兆3,320億円( +31,352)
海外・・・・・・・・ 3.0%  16兆5,638億円( -24,373)
家計・・・・・・・・ 2.3%  12兆4,766億円( -2,059)
その他・・・・・・・ 1.8%   9兆9,617億円( +19,410)
合計・・・・・・・・・・・ 544兆1,370億円( +56,906)
()内は2003年3月比増減

保有順位が一部入れ替わる。郵便貯金が日銀の保有残高を抜く。これは財投改革によるところもあると思うが、積極的な買いもあったのか。民間金融機関や海外が大きく残高を減少させている。個人も減少しているが、個人向け国債はここにカウントされていると思うのだが、この減少は何を意味するのであろうか。


2003.10.1「第4回個人向け国債の申し込み額は9810億円

第4回個人向け国債の購入申し込みが9810億円(民間金融機関8144億円、郵便局1666億円)と1兆円近くにのぼった。1兆円を超えるかなとも期待したが、少し届かなかったようである。実際の販売額については、10月6日に発行額が決定されるためその際に正式な発表があるかと思う。参考までにこれまで発行された個人向け国債の発行状況は次のようになっている。第1回(3月) 3,835億円、第2回(4月)、3,486億円、第3回(7月)、2,802億円。今回はこれらに比べてもかなり多い金額となっている。次の募集は12月のボーナス期となる。長期金利はここからさらに上昇するかどうかは予測がむずかしいところではあるが、長期金利が今後低下して再度1%を下回るといったことは難しいと考えている。そうなれば今後も利子面で他の金融商品に比べてかなり優位となる。民業圧迫といった見方もあるかもしれないが、少なくとも公社債投信から流れた金額程度が個人向け国債の買い付けに回ってもさほど影響はないとも思われる。認知度がさらに高まれば、貯蓄性金融商品として大きな柱のひとつにもなるのではないかと期待している。


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