今年2月23日以降に実施される予定のWI取引は、国債の発行日前取引のうちの入札日前取引となる。概要は以下の通り。
「財務省が入札のアナウンスメントを行う国債につき、当該国債の入札予定日、発行予定額、発行予定日及び償還予定日が判明した時点から当該入札日における回号及び表面利率等発表時刻までの間において、市場参加者が行う国債の停止条件付売買取引である。」 (「国債の発行日前取引に関するガイドライン」日本証券業協会より)
固定利付債の場合は半年複利利回りで約定することとなる。複利利回りで約定し利率が発表された段階で価格を算出することになる。
それでは、この入札日前取引が導入されることにより、どのような影響が出るであろうか。7日の「若き知」にてご紹介させていただいたご意見などを元にまとめてみた。
これまで国債の入札は債券市場にとってビックイベントであり、その結果によって債券相場が大きく揺れ動くことも多かった。特に入札に参加する業者は、そのヘッジを債券先物や国債の残存期間の近い現物をショートすることで行っているが、それにはベーシスリスクやスプレッドリスクが常に伴う。先物は流動性の面では非常に優れているものの、実質残存7年の国債に連動するため、そのベーシスリスクは大きいものがある。また、現物はレポ市場が機能していることでショートすることは容易にはなったものの、やはりスプレッドリスクといったものが存在することに加え、先物ほどの流動性はない。
WI取引を導入することで、その銘柄自体をショートすることが可能となり、業者はその分リスクを軽減できる。特に今年10月から国債市場特別参加者制度が導入され、その参加者は入札額・落札額ともに一定の義務を負うことになり、そのリスクの軽減化ということにもなろう。また、すでに入札される国債の取引が行われているため、落札結果発表もそれほど大きなイベントリスクにはならなくなる。
その反面、一部の業者にとっては大きな収益源の損失になるとの指摘もある。国債の入札がイベントリスクであったということは、その分リターンを得る可能性があったということにもなる。一定のノウハウを持った特に外資系金融機関の一部などはこの入札に伴う収益が大きいと言われている。米国においてもWI取引が導入されたことで裁定取引により巨額の収益を得ていた一部の金融機関が大きくその収益を減少させたとも言われる。現在では、国債入札における海外金融機関の占める割合がかなり大きいだけに、WI導入に伴う海外金融機関の動向といったものもやや気になるところではある。
しかし、債券相場にとっては国債入札リスクの軽減化ともなることで、当然ながら好感されるものと思われる。巨額の国債の発行を円滑化し、国債への信任も高め、異常とも言える残高を維持するためにも、こういった市場改革は必要不可欠なものと言えよう。
FOMCの声明文から有名な言葉「Considerable Period」が消え、「Can be Patient in removing Accommodation」という表現に変わった。「かなりの期間超低金利を続ける」ということは、時間軸効果により長い期間の金利にも作用する。日銀はさらに進めて、CPIが安定的にゼロ以上になるまで量的緩和策を続けるとしており、かなり強固な時間軸を設定している。為替対策とも思われ追加緩和まで実施してさらに足枷を強固なものにしてしまっている日銀に対して、米FOMCは早期に機動性を取り戻したとも言える。たしかに声明文の変更はマーケットに対して少なからず影響を与えたが、それも一過性のものに止まろう。日銀もいざとなったとき、このような機動力を発揮できるかどうか。来週、金融政策決定会合が開かれる。G7を前にどのような内容となるのかどうか。あまり期待せずに(?)注目していきたい。
債券市場もそれなりの経験をつめばたとえば先物の動きを見て後ろに投資家の動きがあるとか、これは海外ヘッジファンドの仕掛けだとかある程度は察しがつく。先物の売り板が突然厚くなっても、それが本当に売りたいものでない場合も多い。むしろ、それを同じ人物が買い上げて、買いを誘うことも多い。板は厚いほうに向かうというのも債券先物相場の有効な格言のひとつである。嘘の板は見透かされる。また、無理やり相場を作ろうとしても一時的な効果が出ても長続きはしない。89回債の相場は「あの頃みんな若かった」からできた相場であったのかもしれない。銀行のフルディーリングの認可と債券先物の登場で債券の流動性が一気に高まっていわゆるディーリング相場を形成した。しかし、それも一過性のものでしかなく、タテホショックのような反動を迎えることとなった。
現在、財務省・日銀が実施している介入もしかり。無理やり相場をねじ伏せようとしても所詮無理であるし、それで抑えられることができたとしても、あとからたいへんな副作用を及ぼしかねない。いや、たぶん確実に副作用は起きるはずである。大量の介入資金の問題や日銀の金融政策への影響は無視できない。市場に任せられないという気持ちもわからなくはない。ただ、市場が絶対正しいとも言わないが、介入が絶対に正しいものとも言えないはずである。もう後戻りはできなくなりつつあるかもしれないが、それでも引く勇気も必要ではなかろうか。介入がなくなれば確かに一時的に円高ピッチが早まることは避けられない。しかし、そのまま永久に円高が続くとは思えない。売られるときに売られ、買われるときに買われるという当たり前のマーケットが存在しないのであれば、適正な価格形成など見込まれない。
日本証券業協会の「国債の発効日前取引に関するガイドライン」はこちらで閲覧できます。
http://www.jsda.or.jp/html/pdf/gline031028.pdf
日経平均が11000円を抜いてきた。昨年4月末前後に底打ちした日経平均株価は、その後徐々に上昇基調をたどったものの、いったん11000円が壁となってもみあいとなった。しかし、米国株の上昇などを背景に大きな壁となっていた11000円を抜いたことであらたな上昇トレンド入りする可能性が強まったといえる。
政府も月例経済対策において「景気回復」との文字を組み込んだが、米国経済に引っ張られるかたちで、日本も輸出企業などを中心に業績が上向きつつあり、国内景気も久しぶりに明るい兆しがみえつつある。
今回の景気回復はあくまで一部輸出企業の業績が良くなっただけであり設備投資も力不足。また企業業績の回復もリストラの効果が大きく雇用は依然として厳しいし、個人消費も伸びていない。しかも、米国経済の好調さの背景には大統領選挙を睨んでの経済対策が功を奏しているといった見方もある。それはそれで正しい見方なのかもしれない。実際に今後の景気の見通しといったものも、エコノミストによってまちまちであるように、予測するのが難しい。日銀短観などでも先行き予測についてはやや悲観的な見方も出ていることも確かである。
昨年からの株価の上昇や長期金利の上昇は、大きな流れが変化したとチャートは示していると私は考えている。経済指標などから見ても昨年の株の動きはファンダメンタルに基づいたものであったことも裏付けられた。そしてこのまま景気回復が順調なペースで仮に進んだ場合には、債券市場にとってはやや不安定な状況にもなりうるため注意が必要である。
かつて運用部ショックのように国債需給が要因で相場が急落した場面はあったが、ファンダメンタルズに即した金利上昇でなかったため、その下落も一時的なものに止まった。運用部ショック時の金利上昇に際しては外圧もあって、日銀がゼロ金利政策を打ち出すなどやや無理に押し込んだとも思われるが、仮に何もしなくても、金利はいずれ低下していったものと思われる。なぜならば債券市場は「需給」によってトレンドが変化することはほとんどといっていいほどありえない。トレンドが変化するとするならば、それはファンダメンタルの変化によるものとなる。今回はそのファンダメンタルの変化による金利上昇とも言えるため、今後いろいろなかたちでインパクトも与えそうである。
20日の日銀金融政策決定会合では追加緩和が決定されたが、日銀は少なくても2004年度中の量的緩和政策の解除はないとしている。それでも、もしこのまま景気が回復基調となり、消費者物価指数が安定的にゼロ以上になってきた場合にはどのような対応が必要になるのであろうか。
金融緩和の期間が長期に渡り、これまで採用してきたことのない量的緩和まで採用してしまった以上、その舵を切った際のインパクトは計り知れないものがある。すでに短期市場は量的緩和によって機能不全に陥りつつあり、職人芸が必要とされた短期資金のやり取りも現在では事務的なものとなってしまっているといわれる。債券市場関係者も本格的な金利上昇局面を知っている人も少なくなりつつある。もし、日銀の金融政策が引き締めに転じられた際には各所でリスクが高まる恐れがある。
また、国債市場にとっての大きな関心事は、日銀が現在実施している国債買い切りオペをどうするのかという問題であろう。買い切りが仮に中止されれば、新規財源債の最大の買い手が消滅する。仮にそのまま継続するとしてもツイテトオペといった形をもし取れば短期市場に影響が出よう。
景気が本格回復すれば、現在余資を国債で運用している大手銀行などがその資金を貸し出しに振り向けてくる可能性もある。生保などが一部受け皿になると思われるが、現在国債の最大の買い手である民間金融機関のシェアがダウンするインパクトも大きい。
このように景気動向次第では債券相場にとっててはかなりの波乱要因となりうる。国債残高も2017年度末には903兆6800億円になるとの予測もある。景気が低迷しデフレが継続しているうちは「日本国債は危なくない」状況ながら、その前提条件が変化すると、危ないとまでは言わないが一時的にリスクが高まることも考えられるため注意も必要になるものと思われる。
昨年の日経平均や長期金利のチャートを見てみると、日経平均株価は4月の終わりごろを底にして上昇トレンドに入っている。それに対して長期金利は6月上旬を底にしてやはり上昇基調となっている。これは景況感の変化が先に株式に織り込まれ、ややタイミングが贈れて債券市場にも波及したといえるのだが、この日経平均と長期金利のタイミングのズレは今回だけでなくバブル崩壊時にも見られる。
大きくトレンドが変化するときの特有の動きとして「行き過ぎ」がある。昨年で言えば、10年国債の利回りが0.4%台にも低下していたにも関わらず、当時の市場参加者はそれが当たり前のように見ており、0.2%をつけるのも時間の問題かといった認識すら強かった。ところがすでにその時点において株価は回復基調になっていたのである。株式関係者から見れば、景況感が変化しつつあるなかにあって、何故長期金利がこれほどまでに低下しているのか、といった疑問も当然あったかと思う。これはおかしいとの見方も多かったのではなかろうか。しかし、債券市場参加者はまさにバブルの真っ只中にいたため、株の動きなどほとんど意識されなかった。6月17日の20年国債入札において利率が1%を割り込み、大手機関投資家が購入に躊躇したことを確認して始めて異常な金利水準にいたことを認識した。ここでやっと株の動きなどを気にするようになり、その後の長期金利の急上昇に繋がったのである。
それとまったく反対のことが1989年から1990年に起きている。1989年の5月に、日銀は公定歩合を3.25%に引き上げた。また10月には、さらに3.75%に引き上げ、完全に金融引締め政策に転向していた。これを受けて長期金利も1989年の10月ごろから上昇基調になっていた。しかし、日銀の金融政策など目にとまらない株式市場は年末にかけて上昇が止まらず、日経平均5万円説まで流れていた。まさにバブルであった。これを債券市場関係者はむしろ冷めた目で見ていたのである。この株価の異常なまでの上昇期待はおかしいと。
相場の転換点にはこのようなバブルが引き起こされることも多い。あとで考えれば異常な相場であったものの当事者は意外と気がついていない。相場転換のエネルギーがいったんバブル形成によって蓄積されたとも言えるのかもしれない。相場の流れを見るうえにおいては冷静に他市場の参加者の視点で見るということも必要なことなのかもしれない。
孫子に「兵は拙速を聞く」という有名な言葉がある。拙速とは文字通り、拙くて速いということである。現在の日銀福井総裁による金融政策はまさに「拙速」という言葉が当てはまるのかもしれない。福井総裁による金融政策というのは少し御幣があるかもしれないが、速水総裁からバトンタッチされてからの政策変更はそれまでのパターンとは異なっており、福井氏の意向が強く働いていることは確かだと思われる。20日の追加緩和は金融市場関係者にとってはあまり好意的には受け取られなかった。そもそも政府・日銀のよる為替介入自体に問題ありとの見方が強いためである。私もこの意見には同意する。見方によっては福井流の政策変更はまさに拙速と言えるのかもしれない。前任の速水氏は政府の圧力と対峙していたことが多かったが、福井氏は政府の先手を取っている。クレームやプレッシャーが来る前に先んじて動くことで、政府や今回の場合には介入を実施している財務省の意向を嗅ぎ取って行動している。それならば量的緩和解除に向けても迅速に動くことができるのか。政府が景気回復宣言をしたりデフレ脱却宣言をしたりした際に、タイミングを逸せずに日銀が行動を起こせるのか。片道だけ高速でも反対車線はのろのろといったことになると市場の信任すら失う結果にもなりうる。反対車線に変わった際にもぜひ「拙速」な行動を期待したい。
パソコンでテレビの画像をキャプチャーしたものをDivXで圧縮しようと試行錯誤したが、なんとかできた。しかし、すでにMpeg2形式となっているものを圧縮しても半分程度の容量にしかならずもう少し圧縮する必要もあると、これは今後の課題。シャープではSDカードにテレビ録画したデータを圧縮することができるテレビを開発したようだが、これもなかなか面白い取り組みである。さすがシャープといったところか。SDカードに圧縮した動画はザウルスなどで鑑賞が可能だとか。私は残念ながらザウルスを持っていない。なんとか昔買ったカシオのFIVAで圧縮したテレビキャプチャー画像を見ることができるようにといろいろ試したが、やっと普通に見られるフリーのプレーヤーソフトも見つかった。これでテレビ録画したものを通勤時間途中でも見ることが可能になった。すでに携帯用のDVDプレーヤーも出ているが、パソコンだと仕事にももちろん使えるし、原稿書きも可能。音楽鑑賞も当然できるため、汎用性という意味ではパソコンで見られるようにした方がなにかと便利。ただいくら軽いPCといっても760グラムあり、そこそこかさばるのも確か。その意味ではザウルスなどPDAのほうが便利かもしれない。とにかく、今後PCは動画の再生機器として用いられることがさらに多くなると思われる。
本日の日銀金融政策決定会合において、賛成多数で追加緩和が決定された。「日本銀行当座預金残高が30〜35兆円程度となるよう金融市場調節を行う」となり当座預金の目標が引き上げられた。また、資産担保証券の買入基準に関しての見直しも決定された。当座預金の引き上げは、噂には上がっていたが現実にはないとの見方が多勢であった。もし実施されるならばそれは為替介入に絡んでのものとの見方もあったが、それが正しい見方だと思われる。株にはプラス要因となるかもしれないが債券にとっては中立もしくはマイナス要因とも考えられる。
政府はプライマリーバランスの均衡を2010年台までに達成したいとしているが、今後の国債発行を考えるとやはりたいへん厳しい数値が浮かび上がる。
2004年度のプライマリーバランスを見てみると、約19兆円程度の赤字となっている。プライマリーバランスの均衡とは、国債の利払費と償還費を除いた歳出(政府の支出)が、国債発行以外の収入で賄う状況のことを言うが、つまり、税収や税外収入である日銀納付金などの合計から一般歳出及び地方交付税交付金の合計を差し引いたものとなる。
(税収+その他収入)−(地方交付税交付金+一般歳出等)
(417,470+37,739)−(164,935+476,320+4,169)=▲190,215(単位、億円)
このバランスを均衡化するには、まず税収を増加させ、歳出を抑制しなければならない。そうしなければ、政府債務は膨れ上がってしまうためである。
読売新聞の報道によると、財務省は19日、政府の新規国債発行額が2005年度以降も過去最高を更新し続け、2007年度には42兆8000億円に達するとする試算結果をまとめたようである。(ただし、長期金利が2005年度以降に3%に上昇した場合と、デフレが長期化して2005年度以降も名目成長率が0・5%、消費者物価上昇率が0%にとどまった場合は、2007年度の新規国債発行額はそれぞれ46兆9000億円、45兆2000億円に膨らむ。)
2005年度以降にもし長期金利が上昇したり、デフレ脱却が遅れた場合はさらに発行額が増えると予想している。2007年度には新規財源債の発行額が税収を上回る可能性も指摘
試算において、長期金利は年2%、名目経済成長率は2004年度の0・5%から、翌年度以降、1・25%、2・0%、2・5%と改善することが前提となっている。少子高齢化に伴う社会保障関係費が伸びるため、一般歳出は2007年度には51兆円まで増加する見込みとしている。 そして、2017年度末には903兆6800億円と、2004年度末の倍近くに達する見込みとなる。
以上のようにかなり厳しい予想が立てられているがこれが現実であろう。2000年ごろあと4年あまりで国債の発行額が160兆円にも及ぶとは想像できなかったが、現実にはそれでもとりあえず国債の消化は可能になっている。新規財源債の発行にどれだけ耐えられるのか。試算もむずかしいが国債残高だけで900兆円という数値はやはりかなり厳しいものといわざるを得ない。とりも直さず、財政再建をさらに進める必要があろう。なんといっても国債価格を支えているのはまさに「信認」によるものであるためである。
先週末の米国市場ではNYダウは1年10か月ぶりの1万600ドル台、ナスダック総合指数は2001年7月以来の高値更新。ダウは前日比46・66ドル高の10600・51ドル、ナスダック総合指数は31・38ポイント高の2140・46の引けとなったことから、本日の日経平均株価は11000円台を回復した。今年は株高・債券安の動きとなると予想していたのだが、株の上値が重く債券は10年債が再び1.3%を割り込んだ。日銀短観などでも足元景気はともかく先行きはややスローダウンといった見方もあり、また円高傾向なども加わって先行きの景気に対しては悲観的な見方も強い。今日11000円を上回ったとはいえ、これで株が再び上昇基調に乗るかどうかは懐疑的な見方も強い。ただ、それでも個人的には今年中に10年債の2%台に乗せる可能性はまだ高いと思っている。去年の6〜7月の債券の急落が大きな流れの変化と見ているためである。株がここで失速するのか、それともこれから上昇トレンドに移行するのか。あまり過剰な期待も禁物とは思いながらも、そろそろかなといった淡い期待も抱いていたりするが・・・。
陸上自衛隊の先遣隊が本日イラクに向けて出発した。自衛隊のイラク派遣を巡ってはいろいろと議論の分かれるところである。自衛隊は軍隊なのか。憲法に違反するのではないか。自衛隊から死傷者が出たらどうするのか。イラク戦争自体にも問題を孕んでいただけに、これはあまりに問題が複雑すぎて私自身その賛否に対しての解答はできない。世の中の動きにはかならずといって良いほど建前と本音があるためでもある。世界政治のパワーバランスなども影響しているであろうし、特に日本においては米国による影響を受けやすい面も持っている。日頃からあまり物事を深く考えることをせず、ある意味直感に頼ってものを見ることが多い自分としては、派遣はいたしかたないとの、まさに庶民的な意見しか持ち得ない。ただ義理の弟も自衛隊員であり、家からさほど遠くないところにも陸上自衛隊の駐屯地がある。生まれ故郷の横須賀の田浦も海上自衛隊の基地に近い。このためもあり昔から自衛隊関係者の知り合いも多く、他人事というつもりもない。先日、民間人としてはかなりイラクに詳しい方のお話しも聞いたが、その方も自衛隊の派遣には大反対であった。なぜ自衛隊がイラクに行かなければならないのか。本当はもっと真剣に論議すべき問題であるのも確かであろう。ただ、派遣が決まってしまった以上、とにかく無事に帰って来てくれることを願うばかりである。
来週19日には、とある公的機関さんで国債についてのお話をさせていただくことになっている。23日にはブルムバーグさんのパネルディスカッションのパネラーとして参加する予定になっている。また2月上旬にはある証券会社さんでのセミナーの講師をさせていただくことになった。ここに来てなぜか講演の依頼が相次いだ。人前で話しをするのは実際苦手である。つい早口になってしまうという欠点もある。しかし、わざわざ時間を割いて着ていただく方のためには、一生懸命お話させていただかなければならない。自分の能力にも限度はあるが、国債に関するものならばなんとお話もできると思い、引き受けさせていただいた。個人向け国債の売れ行きが好調となり、個人による国債への関心も以前よりは高まっているかとも思う。国債というものがどのようなもので、どのような取引が行われているのか。また国債投資にはリスクがないのかといった点について、機会があれば今後もいろいろなところでお話させていただければとも思っている。もし私でよろしければ声をかけていただきたい。以上、今回はちょっと営業でした・・・?。
10日の日曜日に子供たちの付き添いで以前こちらでもご紹介したサイエンスキッズに行った。今回は潮来市で白鳥を見るというのがテーマであった。潮来といえば歌でも有名な水郷の街であるが、水郷ではなく北浦という湖の湖岸が集合場所になっていた。行ってびっくり。そこには白鳥やカモ、カモメがひしめくように集まっていたのである。地元の白鳥を守る会というところが、かなり昔に餌付けを始め、最近では40羽程度の白鳥が飛来してくるという。その餌を撒く場所が今回のサイエンスキッズの目的地であった。野生の白鳥が人間の手から直接餌をもらったいたり、カモメはホバリングして空中でパンなどをキャッチするなどなかなか見ごたえがある。最初は餌を食べ始めたばかりのようで異常なくらいの数の鳥達が傍に寄ってきていたが、そのうち満腹になったのかほとんど食べなくなった。白鳥をこれだけ間近で見たのはオーストラリアのバースで見て以来であった。ただ、あの時は白鳥ではなくブラックスワン、つまり黒鳥であったが。地元といえどまだまだ知らないところはありそうである。
幸田真音さんのベストラー小説「日本国債」改訂版が文庫となり昨年11月末に発売された。単行本として日本国債が発売されたのは2000年11月であった。それから3年の月日が流れたが、この間の国債市場は大きく変化している。幸田さんからの依頼もあり、改訂版を出すために国債市場に関して変化した場所をチェックしたのだが、細かい点を含めてかなりの修正が必要であった。もし可能ならば単行本と文庫を読み比べてほしい。その違いがわかるはずである。今回はこの期間の国債市場の変化を時間を追ってみてみたい。
平成12年(2000年)
2月 待望の5年利付国債の発行がスタート。
4月 国債入札結果発表時間の繰上げ(14時半から14時に)
6月 15年変動利付国債の公募入札が開始される。日本国債初の変動利付タイプ。
8月 債券先物のスプレッド取引開始。これにより先物の限月移行に伴なう踏み挙げが解消される。
9月 国債市場懇談会の開催が開始。財務省と市場参加者の直接対話が可能になる。
ムーディーズ、日本国債をAa1からAa2に引き下げ
債券先物・オプションのイブニングセッション開始。
11月 3年割引国債発行。しかし、これは個人向け国債の発行開始により発行が停止。このため現在、2年以上の割引形式の国債は発行されていない。
平成13年(2001年)
1月 日銀により即時グロス決済(RTGS)化開始
東京証券取引所の国債の上場日を発行日に変更
3月 日銀、無担保コールレートから日銀当座預金残高に操作目標を変更。加えて時間軸を設定し、長期金利の低下を促す。
リ・オープン(即時銘柄統合)方式の導入。
4月 財投債の発行開始、運用部の国債買い切り停止。財投債はあくまで国債。
非居住者が保有する国債の利子非課税制度の適用対象拡充。しかし、海外投資家の日本国債保有比率は低迷し続ける。
5月 入札結果発表時間の繰上げ(14時から13時半に変更)
12月 ムーディーズ、日本国債をAa2からAa3に引き下げ
平成14年(2002年)
1月 日銀国債買い入れオペ対象、発行年限別の直近発行2銘柄を除くに拡大。
4月 10年国債より、シ団引き受け縮小(38%)
入札結果発表時間の繰上げ(13時半からに13時に変更)
国債投資家懇談会を開催。投資家との直接対話を開始。
5月債から10年国債の価格競争入札シェアを75%に引き上げ、引受手数料を39銭に引き下げ。
S&P、日本国債をAAからAA−に格下げ
財務省は欧米の格付け会社三社に対して、日本国債の格付けに関する「意見書」を送付
5月 ムーディーズ、日本国債をAa3からA2に引き下げ
平成15年(2003年)
1月 国債ペーパレス化。国債発行が簡素化され、個人向け国債の発行も可能に。
2月 国債バイバック開始。2008年問題によるもの。
3月 個人向け国債発行
5月 5月債から10年国債の価格競争入札シェアを80%に引き上げ
平成16年(2004年)予定
2月 WI取引(入札前取引)を導入
3月 物価連動国債の発行開始
10月 国債市場特別参加者制度導入
年内 国債の清算機構の業務開始
以上のようにここ数年で国債市場改革は飛躍的に進んでいるといっても過言ではない。小説「日本国債」が出版されたころは、国債は暴落して当然のごとく認識されていたようにも思う。しかし、毎年度国債の発行額は過去最高となっているにもかかわらず、国債需給を懸念する声は債券市場参加者からは出ていない。むしろ、リスクの高い期間の長い国債を増発するべきと投資家サイドからの要望すら出ているのである。これはそれだけ国債市場改革が進んだ証拠ともいえよう。 幸田真音さんは文庫の「日本国債」のあとがきで、もし文庫版を読んで何か違和感を感じたならば、それは国債市場改革が進んでいることを示すといったコメントをされている。日本の財政を成立させるには、すでに国債抜きに語ることは出来ない。可能な限り国債の発行を押さえることも必要ながら、安定消化も計る必要がある。その意味ではここ数年間の改革は必要不可欠なものであったとも考えられる。
今年の長期金利は昨年前半のような大幅な低下は考えづらく、1.5%前後から場合によっては2%程度までの上昇を予想している。この長期金利についてはある程度の利回りが維持されることで、個人向け国債の利子も預貯金などに比べて優位な状態が続くものと思われる。
1月13日に発行される第5回個人向け国債の発行額は、過去最高の1兆3951億円となったと財務省が発表した。前回の9432億円をも大きく上回り過去最高となる。このうち民間金融機関の販売額は1兆2956億円で、日本郵政公社の995億円であった。事前からかなりの販売額となることが予想されてはいたが、その事前予想の数値(1兆円程度)をも大きく上回る結果となったのである。
参考までにこれまでの個人向け国債の回号別発行額は次の通りである。
第1回(2003年 3月) 3,835億円
第2回(2003年 4月) 3,486億円
第3回(2003年 7月) 2,802億円
第4回(2003年10月) 9,432億円
第5回(2004年 1月)1兆3,951億円。
(すべて郵便局取り扱い分込み)
すでに個人向け国債の発行残高は3兆3,506億円となっている。しかも、直近2回は1兆円規模となっており、かなり人気化していることが伺える。販売している証券会社も独自のテレビCMなどを流すなどかなり積極的な販売姿勢だったことに加え、初期利子が預貯金金利に比べて格段と有利になったことが人気化した要因であったと思われる。
長期金利はマーケットで形成されるだけに、景気の動向とかに敏感に反応して動く。しかし、短期金利は日銀が誘導しており、少なくても来年度中の金融引締めはやらないことを明言している。このため、長期金利と預貯金金利のスプレッドは、今後も現状維持もしくは場合によってはさらに開く可能性すらある。
ただし景気が腰折れするなどすれば再び長期金利が1%を割り込む可能性がないとはいえない。そう指摘する債券アナリストも意外と多い。まさにこれは購入者の判断に委ねられものでもある。もし、景気がこのまま回復すると読めば、個人向け国債は買いであろう。たとえ意に反して長期金利が急低下しても、預貯金金利並みの0.05%は最低保証される。長期金利が低下している中にあっては預貯金金利が上昇することはありえない。ただし、期間が10年であり当初の1年間は売却できないといった点については、しっかり考慮に入れておく必要もあろう。
財務省による来年度の個人向け国債の発行予定額は2兆1千億円である。これはすぐに超えてしまうのではなかろうかと思っている。2003年9月末現在の国債全体に占める個人の比率は、2.3%に過ぎないが、いずれ3%台まで上昇してくるものと思われる。
マーケットで出会う価格は、市場参加者の思惑が集積した結果である。それが正しいとか正しくないというものではない。理論価格と言われるものが存在はするが、その前提となっている条件がはっきり定まっているものならともかく、前提条件すら不確定要素があるのなら理論値もあってなきが如しであろう。
たとえば為替にしても、ドル円が1日で1円以上動くことは良くある。1ドル107円が正しいのか106円が正しいのか。いや、日本のファンダメンタルを考えれば110円が正しい。いやいや地米国の双子の赤字からドルは売られても当然で100円を割り込んでもおかしくはないのか、などなど様々な意見もあり、どれが正しいとは言い切れない。このためにとりあえずマーケットで形成された価格ありきとしてみていかなければならない。それが正しいものかとかは別にしても。
ただし、その価格が人為的に作られているとすれば問題である。このためにマーケット参加者の多くは財務省・日銀による為替介入には反対している。輸出企業、しいては日本経済を守るためという大義名分はあろう。しかし、介入が自然に形成される価格を歪めているともいえまいか。
さて、国債の価格もしくは利回りも当然ながら揺れ動く。2003年には大きな乱高下も生じたが、これは株高とそれに伴なう景況感の変化が影響したものである。VARといわれるリスク管理の手法が動きを加速させたのも事実である。この際の乱高下は、国債の需給悪化懸念といったものが原因ではない。
ただし、1998年末からの長期金利の急上昇はこの国債需給懸念が要因となった。当時は、国債暴落が騒がれていたり、国家破産なる本も出ていたように記憶するが、国債は需給悪化で暴落するというのが「一般的」な見方であった。実際に国債発行額は今でも年々増加している。しかし、現在、マーケット参加者からは国債需給を懸念する声はほとんど出なていない。これはある意味不思議なことである。
国債の価格もマーケット参加者の思惑が集積した結果であるならば、その思惑に影響を与えることで、価格を安定化させることが可能となる。これはマインドコントロールといったものではない。需給悪化が原因で国債価格が急落するとなれば、それは、運用部ショックのように事前に全く知らされていない要因によって起こりうる。国債需給が悪化するとなれば、先行して売っておこう。しかもなるべく早く売らなければという、あせりや恐怖によって急落が引き起こされる。一時的なパニック現象である。そのパニックが起きる大きな要因は情報不足によるものであったりする。事前にある程度予測が成立しているものに対しての相場の反応は微々たるものとなる。よく言われるイベントリスクをなるべく回避させることで、特殊な要因でのパニック売りは回避できるのである。
運用部ショックといわれた1998年末からの長期金利の上昇は、まさにこのイベントリスクによるものであった。国債を大量に引き受けていた資金運用部が国債の買い切りを停止するとの発表が発端であった。実際には買い切りよりも、国債発行増に加えて運用部の引受比率が大きく減少するこによる国債市中消化額の急増が主要因であった。しかし、運用部の買い切り停止の発表が市場参加者の先行き不安を一気に煽ってしまったともいえる。
この運用部ショックをきっかけにして財務省の国債管理政策は大きく変化していく。この運用部ショックの教訓はどのように生かされたのであろうか。それはとりも直さず「市場との対話」にあった。国債市場懇談会や国債投資家懇談会などで、市場参加者と財務省は直接に対話する場を設定した。この場で意見交換をすることで、たとえば翌年度の国債増発についたも、ある程度事前に推測が可能な状態になっている。しかも投資家などから超長期国債をもっと増発すべきといった提言すらなされるようになっているのである。このため、たとえ国債の市中消化額が増加し続けても、それをもって国債の売り材料には現状なりえない。
市場との対話によって、市場参加者の予測を可能にさせ、それによってイベントリスクを軽減させるというのは、これを見ても非常に有効的な手段である。ある意味、情報公開を徹底することで価格の乱高下を回避することが可能になるのである。つまりは、どんな悪い情報でも事前にある程度マーケットに浸透させることによって価格の急激な変動は押さえられると考えるがいかがであろうか。
相場の乱高下は力で抑えるものではない。それがうまくいったとしても市場からしっぺ返しを食らう。昨日、ドル円は一時105円台をつけたが、これは、システム上の問題や与信といった問題とともに、あまりに介入規模が大きすぎたこととや買い手が財務省・日銀のほかなほとんど存在していないというのが理由であったとも言われる。介入で無理に押さえ込まずとも、一時的なオーバーシュートはあったとしても、それが長続きするとも思えない。市場にすべて任せよとは言わないまでも、異常なまでの介入はむしろ相場の秩序すら乱す。過去にも日本が単独で円高阻止をしようとしたことが何度もあった。しかし、それが日本経済にとって本当に効果的なものであったという証拠があるのか。ドルを売って円を買うにはそれ相応の理由もある。円高がおかしいというなら、その理由を追求して解消しなければならないはずである。
チャットに書き込みいただいたWI取引に関するコメントを、書き込みいただいた方の同意をいただきこちらにもアップさせていただきました。
「JGBですと入札に向けて先物をショートするか、今一番流動性の高いカレントを売るか、いずれかしかヘッジの方法がないのでベーシスリスクやスプレッドリスクをどうしても負うことになります。日本では仮に応札ゼロでもペナルティーはありませんがアメリカのプライマリーディーラーは余程の事情がない限りゼロ応札は許されません。従って、入札での相応の責任を彼らに持たせる代わりにWIを導入して、そのものずばりをショートして応札しやすくしたというのがそもそもの発想です。日本も同様の流れになるのか、注目されますが、JGBではむしろこのあたりのベーシスリスクや、スプレッドリスクの取り方こそが業者の腕の見せ所と言う面があり、まさに収益源になっており(勿論情報の不公平さがそれを生み出すのですが)各応札業者がそれを本当に望んでいるのかは??と思われます。流動性と公平性という点ではWI取引に軍配があがりますけどね。」
1月13日に発行される第5回個人向け国債の発行額が過去最高の1兆3951億円となった。前回の9432億円を上回り過去最高。民間金融機関の販売額は1兆2956億円で、日本郵政公社の995億円を合わせて1兆3951億円となった。事前にもかなりの販売額となることが予想されてはいたが、その事前予想の数値をも大きく上回る結果となった。参考までにこれまでの発行額は次の通り。第1回(3月)3,835億円、第2回(4月)3,486億円、第3回(7月)2,802億円、第4回(10月)9,432億円、第5回(2004年1月)1兆3,951億円。すべて郵便局取り扱い分込みです。
21世紀に入って早くも3年目。オリンピックイヤーでもあり米国大統領選挙の年でもある2004年がスタートいたしました。昨年末は日米ともに景気の回復期待から株価が上昇し、大発会の本日も日経平均株価は10800円での今年寄り付きとなりました。昨年は景気回復の兆しが顕著になり、今年はいよいよ飛躍の年となることが期待されています。1990年以降の長期金利の低下トレンドも昨年6月以降に変化の兆しが現れました。デフレを伴なう景気回復というこれまでにないパターンとなることも考えられ、長期金利の大きな跳ね上がりはないにしろ、徐々に上昇し長期金利の2%突破も良い金利上昇というかたちで実現するのではと予想しております。ペイオフ解禁は気になるところではありますが、今年は国債需給にとっては非常に良い年であるとも思われます。来年度の国債発行額は史上最高額になるとはいえ、国債管理政策も強化され、超長期債などへの投資家ニーズも依然として強い上、日銀の量的緩和は当分の間継続される見込みです。国債需給による国債価格の急落は現状ではあまり考えにくい状況です。ただし、経済実態に即した長期金利の上昇は、資金を運用している投資家にとっても歓迎すべきものとなるものと思われます。ただ、イラク情勢など懸念材料も存在しますが、世界的な景気回復とともに日本経済も予想以上のピッチで回復することをあらためて期待したいと思います。本年もどうかよろしくお願いいたします。
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