2月24日から国債のWI取引が開始された。また、来週3月4日には始めて物価連動国債の入札が実施される。そして、26日の日銀金融政策決定会合において、日銀保有の国債を市場に対し品貸しする制度の導入検討を執行部に指示したと発表された。今回はこれらについて簡単に見ていきたい。
WI取引とは国債の発行日前取引ではあるが、このうちの入札日前取引のことを指している。2月24日の午前10時半に、財務省は一週間後に入札される予定の10年利付国債(3月債)の発行予定額等について、WI取引に不可欠な4つの項目を発表した。その4つの項目は、入札予定日(平成16年3月2日)、発行予定日(平成16年3月22日)、償還予定日(平成26年3月20日)、発行予定額(額面金額で1兆9,000億円)である。特に発行日と償還日がわかったことでWI取引が可能となる。半年複利で売買することで、入札日に利率が発表された段階で単価が計算される仕組である。
日本相互証券の端末には早速、WI取引の気配が現れ、まもなく1.230%が出合った。これによって日本でもついにWI取引がスタートした。WI取引が本格化すれば、入札時のイベントリスクがなくなり、また事前にある程度水準も読めるために、相場にとっての大きな波乱要因がひとつ減少することとなる。
続いて物価連動国債であるが、これは満期が10年で、消費者物価指数(全国、除く生鮮食料品)に応じて元本が増減する国債である。償還時の元本保証(フロアー)はない。表面利率は固定され、元本の変動により利子額が変化する仕組みになっている。
インフレヘッジのためには長期金利よりも直接物価指数に連動させたほうが使い勝手が良い。物価連動の国債がすでに欧米では発行されていることもあり、日本でも導入されることになった。ただ、この物価連動国債には譲渡制限があり、源泉徴収不適用主体と非課税主体のみ譲渡可能となり、事業法人や海外投資家など課税法人は譲渡できない。もちろん個人の購入もできない。これは大きなネックとなる可能性がある。どれだけ投資家のニーズが集まるか。まずは4日の入札の動向に注目したいと思う。
そして、日銀は26日の金融政策決定会合において、日銀保有の国債を市場に対し品貸しする制度の導入検討を執行部に指示したと発表した。大量に国債を抱えている日銀が、市場で品薄となって踏み上げ圧力な銘柄を貸し出すことによって市場の安定化に繋がる。これは国債の流動性に大きく寄与するものと思われる。
WI取引、物価連動国債、日銀保有国債の品貸制度ともに国債を取り巻く環境整備の役割を持つ。日銀の福井総裁も「これから国債市場が重要になっていくのは誰の目にも明らか」とコメントしていたが、今後もさらなる国債市場改革も必要とされるものと思われる。
日銀は本日の決定会合において日銀保有の国債を市場に対し品貸しする制度の導入検討を指示した。日銀は昨年9月末80兆円近くの国債を保有しており、それを貸し出す制度が導入されれば国債の流動性に寄与し相場の安定化策ともなりうる。制度内容についてはこれから本格検討されるようだが、使い勝手の良いものとなれば流動性の問題による銘柄間格差も是正されイールドカーブもスムーズに引けることになる。何故これまで実施されなかったのかといった市場の声も出ているぐらいであり早期導入が望まれる。
少し前に流行ったアニメに「フルメタルパニック」というものがあった。最近になって始めてDVDで見たのだがなかなか面白く思わず原作も買って読んでしまった。この物語の主人公は、軍事おたくにしか見えない高校生なのであるが、実は腕の立つ傭兵との設定になっている。ヒロインを守るために日本の普通の高校に編入してきたのだが、何せ小さいころから傭兵だっただけに、あらゆるものが危険物と認識し、それに対処してしまう。たとえば不審車を発見すると爆弾が仕掛けられていないかと全部解体したら、初心者マークの先生のクルマだったりするのである。非常時と平時のギャップにこのアニメの面白さがあるのであるが、それだけ今の日本がある意味平和ボケしてしまっているということも実感させてくれる。ここのところの東京株式市場の下落は、テロへの警戒による海外勢の売りとの見方が強い。イラク自衛隊派遣に絡んだテロ、またオウム判決に絡んでのテロへの警戒が強まっているとも言われる。実際に米国大使館周辺、空港周辺への警戒から地下鉄のゴミ箱封鎖と、今回はかなり徹底しているようである。ただ、そういった警戒が強まっているにも関わらず、政府や警察などからテロ警戒についての正式コメントが流れていない。へたに煽ってパニックを引き起こしかねないとの懸念もわからなくもないが、情報があるのならばそれは可能な限り出したほうが良いと思う。もしなくてもとりあえず一般市民も警戒するようにとの投げかけも必要ではなかろうか。
本日からWI取引がスタートした。午前10時半、財務省は10年利付国債(3月債)の発行予定額等について、WI取引に不可欠な4つの項目を発表した。入札予定日平成16年3月2日、発行予定日平成16年3月22日、償還予定日平成26年3月20日、発行予定額額面金額で1兆9,000億円である。日本相互証券の端末には早速、1.200−1.300%そして1.220−1.250%の気配が出たのち、1.230%が出合ったことで日本でもWI取引がついにスタートしたのである。この1.230%(複利)については、妥当な付値との見方になっている。10時半現在、基準となる10年257回は1.190%がついていた。これは単利であり複利になおすと1.195%程度になる。来週入札される10年債の償還日と257回の償還日は3か月違うため修正を加えなくてはならない。昨日の引けでたとえば利率が同じで償還が3か月違いの254回と256回など較べやすいかと思われる。複利で比較すると利回り格差は0.03%となる。それともうひとつ修正する必要があるのが決済日の違いである。本日の257回などの現物は4日渡しとなるため2月27日の受渡しになる。来週の新発債は3月22日が発行日つまり決済日となる。2月27日から3月22日までのキャリー分の修正が必要になる。これが約7銭、0.01%程度になる。償還日の修正にキャリー分を加えて、約0.04%の修正となる。10年257回の複利利回りで1.195%であったため、これに0.04%を加えると1.235%となる。多少誤差もあり最初の付値1.230%(複利)はほぼ妥当な値と言えるかと思われる。
1月20日の金融政策決定会合において日銀は当座預金残高の目標値を従来の「27〜32兆円程度」から「30〜35兆円程度」と、3兆円の幅を持って引き上げた。この日、日銀の福井総裁は会見で次のように述べている。「短期金利が非常に低いところで安定し、かつできる限り期間の長い金利についても低位で安定するように長短ともなるべく金利が低いところに安定的に抑制されているようにする。」これが福井日銀総裁のミスリーディングな発言ではなかったのかとの観測が流れている。このコメントが流された際にはある程度違和感を感じたことも確かである。それ以前に何故このタイミングで追加緩和するのかといった疑問の方が強かったのも確かだが。ただ、この追加緩和によって長期金利の上昇抑制に働きかけるという解釈は本当にそれでよいのか。昨年の長期金利が大きく変動した際の福井総裁の会見の内容を再考してみたい。
2003年6月13日日銀総裁会見
「金融の現象というのは・・・必ず何がしかの副作用を伴う。特に量的緩和の著しい進展のもとでは、短期の金融市場の機能が低下するという副作用を伴うわけであるし、長めの金利についても下がり過ぎではないかという議論が出るくらいになっている。従って、狙っている効果とそれに対する副作用の両方を常に考えていかなければならない。・・・我々が今金融緩和を続けているのは、先行き経済を良くしようとしてのことであるし、経済が良くなってくれば当然、多かれ少なかれ金利は上がってくる。いわばそういう状況を早く実現するために、金融緩和を続けているようなものなので、金融緩和政策の仕上がりの過程では、金利の上昇に対して、金融政策としていかに上手く立ち向かっていくかが課題として残っているということは、おっしゃる通りだと思う 」(太字は筆者)
この発言に対して特に違和感はない。長期金利は下がりすぎているという認識をもっていたとも思える。加えて、ここでは「金融緩和政策の仕上がりの過程」という言わば出口についてもコメントしている点に注目か。
2003年7月7日日銀総裁会見
「世界的な株価上昇につれて、海外主要国の長期金利もある程度反転しており、こうした動きにわが国の長期金利も触発されたということがあるのだろう。また、これまでの超金融緩和の下で、金利がかなり急速に低下し、少し行き過ぎではないかという心理が市場に累積していたことの反動といったことも、やはり出ているのではないかと思う。・・・このところの長期金利の動きは少し不安定であるが、先週末あるいは今日あたりをみていると、多少落ち着いてきているように思う。市場というものは、本来、次の均衡点を見出そうとする運動法則を持っている。おそらく、短期的にはそういう動きの中から、新しい均衡点に落ち着いていくのだろう。他方、かなり長期的にみて、日本経済が活発化する動きが本当に出始めたときには、長期金利が本格的に上昇していく局面も来るだろう。その場合、日本経済に分厚い国債発行残高が組み込まれているとすると、金利が本格的に反転上昇し始めた際には、地雷のように埋もれている国債発行残高が、人々に様々な期待を与えたり、強く刺激したりする可能性がある。景気が良くなること自体は望ましいが、長期金利がスムーズに形成されるか、人々の期待が入り乱れて不安定に形成されるのかという点が、一つの心配の種として、頭の中に思い浮かぶということである。」
この総裁のコメントも相場を素直に見ていると受け止められる。長期金利が本格的に上昇していく局面における国債管理政策との兼ね合いについても言及しているが、これについても違和感はない。
2003年7月17日日銀総裁会見
「1つには、株価が上昇し、それに伴って長期金利が上がるという現象が、海外の市場と日本の市場において、いわば平仄の合うかたちで現れてきているということがあると思う。加えて、日本においては、金融市場に多額の流動性が供給されている中で、ひと頃国債バブルではないかとのご懸念を多くの方がお持ちになったような現象、つまり相場の行き過ぎ感というようなものが幾ばくか存在した。その反動的調整、市場自体の自律的な調整といった面も、日本の市場の動きについては含まれていると判断している。・・・時間軸効果というものは、緩和を長く続けるとコミットすることによって、将来の緩和を前借りするということであるから、その意図するところは、長期の金利についても下方プレッシャーをかけるということだと思う。従って、長期金利に全く関心がないということではなく、長期金利に強い関心を持ちながら、金融調節を行い続けるということだと思う。しかし、そのことは、長期金利について、ある特定の水準を意識して、意識的に直接コントロールするということとは違う。・・・時間軸効果は長期金利に下方プレッシャーを及ぼすとは言え、イールドカーブの長期部分の形状はあくまで市場に委ねるということであり、イールドカーブそのものを一定のかたちに誘導するという政策とは峻別されるものとして捉えている。・・・我々は長期金利そのものに介入して、相場水準を操作すれば良いという発想からはおよそ遠いところにいるということである。・・・経済の停滞が長引き、緩和が長く続き、緩和の度合いが深まっていればいるほど、折り返し局面での金融政策にはその反動要因がいやというほど降りかかってくる。そうした要因を全て吸収し、マーケットの期待を常に安定させながら、次のゴールに向かっていくということは、大変な難事業だと思っている。・・・いずれにせよ、折り返し局面以降は、マーケットの期待の安定化を図るための厳しい戦いが始まる。そのことは今から覚悟している 」
時間軸効果は長期金利に下方圧力を加えていることには確かであるものの意識的に直接コントロールするということとは違うとコメントしている。そうなると「長短ともなるべく金利が低いところに安定的に抑制されているようにする」という1月20日とコメントとはややニュアンスが微妙に異なる。これは追加緩和を正当化させるために、つい出てしまったコメントとの見方も外れてはいないのかもしれない。1月20日の追加緩和はある意味「折り返し局面以降、マーケットの期待の安定化を図るための厳しい戦いをさらに厳しくさせてしまう結果とはならなかったのであろうか。
2003年9月3日日銀総裁会見
「長期金利が大きく動いているというご質問であるが、金融市場の中で、今一番大きく動いているのは株価、そして長期金利ということだろうと思う。・・・これら全体の動きは、大きく言えば、世界経済、そして日本経済の先行きに対する見方、市場参加者の先行きに対する見方が変わりつつあるということの反映ではないか。株価の上昇ピッチがかなり速い、それにつられて、長期金利の上昇テンポも、ごく最近になってやや加速したということではないかと思う。・・・しかし、ごく短い期間で捉えてみると、私自身は、印象としてはピッチが少し速すぎるのではないかという感じをもっている。・・・この先、経済の変化が良い方向に行くだろうという見通しがそのとおりになり、市場参加者だけでなくて誰の目からみても経済が少しずつ良くなってきているということがあっても、我々は、消費者物価指数の前年比変化率が安定的にプラスになるまで断固今の緩和を続ける、それだけ景気回復の芽を大事に育てていくために日本銀行はかなりリスクを冒しますよという約束であり、これが金利の安定化効果を一番強くもたらすだろうと考えている。・・・物価の状況に関しては、ディスインフレーションの状況を通り越してデフレの状況に入っているのは、主要国の中では日本だけで、物価の形成プロセスが世界的に変わっているという共通の現象プラス日本特有の問題、いわば日本が克服しなければならない構造的な問題がプラスアルファであるが故に、日本に対しては物価低下圧力がより強く掛かっているということである。従って、日本経済が回復過程に入り、多少経済の鼓動が良くなってきたと言っても、多分、外国に比べて余計に持っている構造的な問題の解決が尾を引いている限り、消費者物価の前年比上昇率が安定的にプラスになるということにはなかなかなり難いのだろう。逆に言えば、構造的な問題の処理を行っている間はそれだけコストが掛かるので、経済が過熱して日本銀行の緩和政策と矛盾するという事態に行き着く可能性も比較的小さいのではないかということである。ただ、絶対的にそうだと言えないところに日本銀行は大きなリスクを取っている。
かなり長期金利の上昇を気にしている姿勢が伺える。また、長期金利抑制に直接的なコメントはないが、時間軸を強化しているといった印象がある。この理由として日本がディスインフレーションの状況を通り越してデフレの状況に入っていることを指摘している。日本経済が回復しても物価への波及効果は限定的であり、経済が過熱する懸念も比較的小さいとしている。ここでは折り返し局面といった出口に関するコメントを封印している。以前の発言内容とは趣きが異なっていることは確かであろう。総裁などによる出口を意識したコメントが長期金利急上昇を招いたとの批判に答えたものといった見方もあったが、ここで福井総裁はタカの爪を隠してしまったのかもしれない。
18日に発表された10−12月期GDP第一次速報値は実質前期比+1.7%、年率+7.0%となり事前に予想された数値を大きく上回った。これを受けて債券先物は一時的に売られ139円28銭まで下げた。しかし、現物に投資家の押し目買いが入ったことで急反発となった。銀行や年金、生保など幅広い投資家に債券は買われ、20日には10年国債257回の利回りは昨年8月18日以来となる1.2%割れとなった。先物も140円台を回復した。
なぜ景気回復期待が強まったにも関わらず債券は買われ長期金利は低下しているのであろうか。いくつか要因が挙げられる。たとえば、GDPデフレーターが前年同期比▲2.6%となり、マイナスが続いていることで、デフレは継続との見方もひとつ。また、今回のGDPは一時的なもので年央にかけて米景気減速に伴なって日本の景気も腰折れするといった見方もある。しかし、これらは説明としてはわかりやすいものの、それがここまで積極的な投資家行動に働きかけるとも思えない。GDPデフレーターはやや癖があり、むしろ別な物価指数を見るとたとえばCPIなどは着実に回復しつつあることでデフレーターの数値だけをもってしてデフレが進行していると決め付けることは無理がある。先行きの景気見通しについてもあまりに不確定要素が多いため、確実に景気が減速するという保証もない。それで投資行動も起こしづらい。
それならばどのような理由で今回債券は買われたのであろうか。18日に発表された10−12月期GDPはかなり高い数値が出るというのは事前から予想されていた。株価も堅調となっていたこともあり、投資家はむしろ先行きの金利上昇を予想していたものと思われる。それに備えて買いを控え、GDP発表によって売られたところで買うというスタンスを取っていたと考えられる。また、債券の下落リスクを抑えるために保有債券の平均残存期間を短くしたり、先物やスワップでヘッジ売りを行っていたものと思われる。ところが、GDPによって売られたのも一時的であった。投資家が揃って同じような行動を取っていたことで、新たな売り手が出てこなかったのである。むしろ、押し目買いを狙っても買えなかったことでいたしかたなく高いところを買うことになり、それによって先物のショートカバーを誘い、また保有債券の平均残存期間を少しでも戻そうと中期売り長期買いといった動きも長い期間の債券の買いを誘ったと思われる。加えて、3月決算に向けての動きも影響かとの指摘もあった。
今月は20年と30年国債の入札があり、インデックス運用を行っている年金なども、いずれなるべく長い債券を買わざるを得ない。このため、それに先んじての買いなども見られた。結局、投資家にとってはいくら金利は上昇すると見ていても、国債の償還金や新たな資金の導入などによっていずれこれら資金を国債を主体とする債券に振り向けざるを得ない。そのタイミングが同時に発生したことで、好調なファンダメンタルにも関わらず長期金利が急速に低下したものと思われる。
問題はこういった買いが一巡したあとであろう。為替市場では資金が高金利通貨へと向かっていることで円安地合いとなっている。これが株価にも影響を与え、さらには日銀の金融政策にすら影響する可能性がある。そうなれば長期金利が再び上昇基調となる可能性も十分ありうる。今後の債券相場の展開にはかなり注意が必要となりそうである。
リスク(負担)・リターン(収益)・情報の移転が適切に実施されているのか。
これまで日本のシステムは右肩上がりの経済に適応した高度成長型システムが構築されてきた。リスクは国や銀行などに集約され、それに応じたリターン(収益)や情報もリスク負担者に集中していた。
直接的なリスク負担が軽減されていた国民・企業はそれでもそれなりのリターンを享受できたため、このシステムは機能し続ける。しかし、利権の巣が蔓延り、密室で取り決めが行われるなど、リターンは一部に集中しそれが肥大化していたともいえる。 安定成長からバブル崩壊を経て高度成長型システムが機能不全を起こす。これによって銀行の不良債権、財政債務の肥大化が問題化。このため、国・銀行などがリスク負担に耐え切れなくなりリスクの分散を計る。
問題解決に向けてリスク負担は間接的に国民や企業に押し付けられる。将来の税負担、不良債権に対しての政府負担による処理、貸し渋りなどによる企業業績の悪化。しかし、それに応じたリターンが国民・企業にうまく配分されないどころか、本来移転されるべき必要情報の開示も後れ、リスク負担のみがさらに高まる結果となっている。
10−12月期GDP第一次速報値、実質前期比+1.7%、年率+7.0%と予想よりも高い数値となった。また、デフレーターは前年同期比▲2.6% となり、23期連続のマイナスで前期よりもマイナス幅は0.5ポイント拡大した。このうち民間設備投資デフレーターがこのうち1.0%と最も大きく、個人消費も同0.8%、政府最終消費が同0.4%分となった。これについて内閣府は「(政府最終消費デフレーターは)公務員のボーナスの低下がまともに効いているため。特殊要因的なもので、これを除くと前期とほとんど変わっていない」。消費者物価指数などとの違いについて「GDPデフレーターは付加価値に関係する物価で、最終的な製品から中間投入品を除いた後の付加価値に関する物価を事後的に出している。物価としての概念の違いもある」としている(日経)。
なお、GDPデフレーターとCPIなどの物価指数との乖離については、日銀経済調査課古賀麻衣子さんのレポートに詳しい。一部ご紹介すると、
GDPデフレーターの下落率が恒常的に大きいという点については、主に2つ理由がある。@カバレッジが広く価格下落率の大きい投資財を含んでいること、ACPIとは逆方向のバイアスを持つ「指数算式」で作られていること
GDPデフレーターの内訳項目のうち、CPIとの乖離がとりわけ大きいのは、CPIが対象としていない投資財などの価格を表わす設備投資デフレーターである。技術革新の速いIT関連財などは、「品質調整」が大きく影響することもあって、価格の下落テンポが速い。品質調整とは、例えばパソコンの表面価格が20 万円のままで変化していなくても、機能が2 倍になったと評価できる場合は、価格は半値になったとみなす統計処理のことである。設備投資デフレーターは、そうした性格を持つ投資財の価格を多く含んでいるため、GDPデフレーターに恒常的な下落をもたらす最大の内訳項目となっている
CPIはラスパイレス指数であり、GDPデフレーターや各需要項目のデフレーターはパーシェ指数である。したがって、個人消費デフレーターの下落幅がCPIのそれよりも恒常的にやや大きいのは、基本的には、この指数算式の違いによる面が大きいと考えられる・・・
日銀が量的緩和を解除するためには大きな障害がいくつかある。国債管理政策への影響、為替政策への影響、金融システムへの影響、そして当然ながら短期金融市場への影響等である。しかし、こういった障害があるとはいえ、機動的な金融政策の変更をする余地は残すべきである。FRBは先に時間軸を外しており、機動性を高めたと言える。しかし、日銀は追加緩和をも実施してそれで長期金利にも働きかけるといったコメントまで出てしまったことで、マーケットは大きな勘違いをしているとも思える。景気回復期にあっていつまでも長期金利を低位安定化させるのは難しいはずではないのか。デフレが解消していないというのも理由としてあげられているが、これとて納得できない部分もある。時代は移り変わるにもかかわらず昔の尺度でのみ物を見据えてもよいのかどうか。すぐに量的緩和を解除せよというわけではない。ただ、どう考えても出口を封鎖しているかに見える発言を繰り返し続けてよいものなのか。政府やマーケットに安心感を与えることは確かに大事ではあるが、日銀への信認は適切なタイミングで適切な金融政策を取れるかどうかにかかるのではなかろうか。自分を縛り付けるようなことをするのは、それに反してはいないであろうか。
10日の日経新聞一面に財務省は個人向けに5−6年国債を財務省が検討しているとの記事が掲載された。発行は2005年初めを予定しているとか。これは2005年4月のペイオフ完全解禁を睨んでの発行とも考えられる
現在発行されている個人向け国債は、利率が10年国債の利回りに応じて金利が変動する変動利付といわれるタイプだが、今回検討されているのは金利が満期まで固定された固定利付の個人向け国債である。
満期は変動タイプよりも短い5年もしくは6年ものが検討されている。5年というのは区切りが良いためであろうが、6年というのも個人の資金運用にとっては区切りが良いとも思われる。たとえば将来の子供のための学資に充てるための資金を国債で運用することを考えれば、学校が6・3・3制でもあり6年満期は都合が良い。
この個人向け国債の最大のポイントは、固定利付タイプながら中途換金の際は手数料がかかるものの「元本保証」となる点である。変動利付の場合は、利子がその時々の利回りに応じて変化する分、債券価格の変動が少なく、元本が保証されてもそれほど違和感はない。しかし、固定利付の債券の場合は金利変動によって価格が揺れ動くために、この元本保証はかなり魅力的なものとなる。ただし、この利点もあるために固定利付個人向け国債の金利の設定は通常の5年債よりは低くなる見通しである。それでも5年物定期預金金利より高くなる可能性が大きい。中途換金の際の手数料については変動タイプと同様なものになると予想されるがこれは今後検討される見通しである。
固定利付で元本保証となれば限りなく預貯金に近いものとなる。特に郵貯の定額貯金に近い。2007年4月にも予定されている郵貯の民営化による資金流失の際の受け皿としての役割も期待されているのかもしれない。
本当に郵貯が民営化されれば、郵貯の保有する国債をどうするかという問題もあるが、新規資金や満期資金は個人向け国債が代替商品になりうる。ただし、郵貯に変わる販売窓口も新たに必要になろう。証券会社などがすでに積極的な販売姿勢を見せているが、さらに販売窓口を広げるため、米国のトレジャリーダイレクトと言われるインターネットを使った財務省からの直販システムの構築も急務ではなかろうか。これには決済のために使われる日銀との問題や、トレジャリーダイレクトで使われている社会保障制度の番号を利用した本人確認のためのシステムといったものも必要になろう。
また、塩川前財務大臣が提唱していたが、インターネットを利用しづらいお年寄りなどのためのコンビニでの個人向け国債の販売も検討の必要があろう。こちらも商品説明や本人確認の問題もあるが、「財務省ダイレクト」同様に検討を進めていただきたいと思う。
幸田真音さんの新著「代行返上」が今月18日、小学館より発売されます。書店では16日ごろから並ぶかと思います。題名からおわかりのように、今大きな問題となっております「年金問題」を主題にされた小説です。すでにかなり反響を呼んでいるようで、幸田真音さんは15日の日曜日にサンデーモーニング、発売当日の18日朝には、TV東京オープニング・ベルにご出演の予定だそうです。また、サイン会も、20日に八重洲ブックセンター、25日には日本橋丸善で行われる予定だそうです。ぜひ「代行返上」お買い求めいただけたらと思います。
グリーンスパンマジックは健在なりといったところか、G7はあくまで政治色が濃いためその存在感は表に出なかったが、議会証言のコメントによって相場は大きく動いた。FRBが時間軸を外したこともあり、景気に対して強気のコメントが出るといった観測もあったが、実際には超低金利策を我慢強く維持するといった内容であった。これを好感して株と債券が見事に上昇している。まさにお見事といったところか。むろん大統領選挙前に利上げすることもありえないため、利上げなどに触れることはできないのはある意味当然のことであったろう。インフレが沈静化しており、雇用も思ったほど伸びていないという事実もあろうが。しかし、中央銀行のトップの発言がこれほど市場にインパクトを与えるというのも興味深い。もちろん米国では今に始ったことではないが。それに較べて日本では日銀総裁発言を受けて株価が急上昇したということがあったであろうか。急落したことはあったようにも記憶するが。カリスマ議長もある意味マーケットの作り出した虚像であるが、なかなかしたたかな虚像でもある。
2月6日から7日にかけて米国ボカラトンで開催された7カ国財務相・中央銀行総裁会議における共同声明では、「過度の変動や秩序なき動きは経済成長の観点で望ましくない」との表現が組み込まれたことで日欧への配慮の姿勢も伺われたが、為替相場の柔軟性を求める立場も強調したことでやや玉虫色の表現となった。このため、現在のドル安トレンドはさらに継続していく可能性もあり、政府・日銀による円売りドル買い介入は引き続き実施されていくものと見られる。
この外国為替市場における介入は「外国為替平衡操作」と言われるが、この言葉にはあまり馴染みがない。「外国為替平衡操作」とは、中央銀行や財務省等の通貨当局が、外国為替相場に影響を与えることを目的に、外国為替市場で通貨間の売買を行うことで、日本においては円相場の安定を実現するために、「財務大臣の権限」において実施されるとある。要するに介入である。日銀は、財務大臣の代理人として、財務大臣の指示に基づいて為替介入の実務を遂行している。日銀による為替介入という表現が良く使われるが、指示は財務大臣から出されている。
政府はこの為替介入資金を調達するために、外国為替資金証券(FB)を発行している。この外国為替資金証券は無制限な発行を防ぐため、毎年度の予算で発行残高の上限が規定されている。2003年度発行限度額は9日に2003年度補正予算の成立が成立したことによって当初予算総則で決められた79兆円から100兆円に拡大している。更に、2004年度予算案では発行限度額を140兆円に増額している。また、臨時措置として、政府と日本銀行は、外国為替市場での円売り介入に使用する円資金が不足する場合に、政府が外貨準備で保有している米国債券を日本銀行に売却して必要とする円資金を調達することができる契約を結んでいる。外国為替資金特別会計が日本銀行に売却できる期限は2004年3月末まで10兆円を上限とし、3か月以内に買い戻すことが条件となっている。
参考までにこの外貨準備とは、通貨当局が為替介入に使用する資金であるほか、通貨危機などによって、他国に対して外貨建債務の返済などが困難になった場合に使用する準備資産である。その内訳は、大きく分けて、外貨証券、外貨預金、IMFリザーブポジション、SDR、金となっている。 財務省(外国為替資金特別会計)と日本銀行が外貨準備を保有しているが、日銀は、国際金融協力の実施などに備えて、外貨準備のうち、金と外貨資産の一部を保有しているにすぎない(金額で数兆円?)。2004年1月末の外貨準備等の状況では、7412.46億ドルの外貨準備のうち5564.01億ドルが外貨の証券となっている。そのほとんどが 外国為替資金特別会計が保有する米国債となっているのである。
1月経済諮問会議に参考資料として提出された内閣府試算では、国と地方の2008年度の公債残高を791.5兆円としているとか。
10日の日経新聞一面に、個人向けに5−6年国債を財務省が検討しているとの記事が掲載された。発行は2005年初めを予定、満期が5−6年、固定利付、中途換金の際は手数料がかかるが元本保証となる。金利の設定は通常の5年債よりは低くするが、5年物定期預金金利より高くなる可能性が大きい。期間は区切りの良い5年、もしくは学校の6・3・3制なども意識した6年となることが有力。ある程度金利が上昇してくれば固定利付の個人向け国債へのニーズも強まる。米国の貯蓄国債のように変動タイプと固定タイプの2種類が用意されることでさらに個人による国債投資が促進されるものと思われる。
2月6日から7日にかけて米国ボカラトンで開催された7カ国財務相・中央銀行総裁会議における共同声明では、「過度の変動や秩序なき動きは経済成長の観点で望ましくない」との表現が組み込まれたことで日欧への配慮の姿勢も伺われたが、為替相場の柔軟性を求める立場も強調したことでやや玉虫色の表現となった。
昨年9月のドバイG7においては「為替レートのさらなる柔軟性が、主要な国・経済地域にとって必要」という表現が盛り込まれたことで、日本の巨額の為替介入を批判したものとみなされそれ以降の急激な円高を誘った。このドバイのG7の前に急性胆のう炎で入院されていた塩川財務大臣が欠席したことや、日銀総裁も速水総裁から変わったばかりの福井総裁が出席していたことなどで、日本にとってはやや発言力の低下も危惧されていたかと思う。塩川財務大臣が出席されていたならばG7の声明文に変化が出ていたかどうかはわからないが、財務大臣の存在によって多少の混乱が回避されたことも考えられる。ただ、この時の塩川財務大臣は確かにドバイに行ける状態ではなかったと伺っている。これはいたし方なかったとも思われる。
現在のG7での日本の発言力がどうなっているとかは雲の上の状況でよくわからないが、日銀を見るとイングランド銀行総裁と旧知であった速水前総裁に加え、各国中央銀行関係者からも一目おかれていたと言われる山口前副総裁の存在は大きかったとも言われる。福井総裁ももちろん副総裁時代などを通じて各国とのパイプも持っていらっしゃるとは思うが、前執行部に較べると現執行部は国際舞台での活躍といったものは未知数との見方もある。G7自体が何かギクシャクしているようにも見られ、今後はそういったパイプ作りといったものもさらに求められるのかもしれない。
ちなみに、G7の際、食事は会議しながら食べるようで、しかもどうやら、あまり美味しくはない・・・とか?
最近、量販家電店が独自にショップブランドのパソコンを販売し始め次第にシェアが伸びているという。私自身は、PC98時代のNECと1995年ごろのMACを最後に、それ以降、デスクトップは大手メーカーパソコンは買っていない。1996年あたりから買っているのは主にショップブランドのものである。たぶん4台ぐらい変え買えたと記憶している。それではメーカー品とショップブランドは何が違うのか。まず大きいのはスペックに対応した価格である。それと何ができるかというのもポイントになっている。今でこそメーカー品にもテレビ受信機能な録画機能がついているが余計な機能が付属したものが多くかなり割高になっている。それでもまだパソコンでのテレビ録画というのも少数派であろうが、そういった新たな機能はややマニアックなパソコンマニアが先に飛びつくため、ショップブランドなどではその機能をかなり前から安価で組み込んでいる。ショップブランドだからといって使い勝手が悪いわけではない。使い方はまったく一緒である。またDVDマルチといった機能もショップブランドの方が当然安く組み込まれている。もちろんパソコンの楽しみ方次第ではあるが、パソコンの進化を身をもって知りたいならばまずは自作がベストであろう。そこまで無理ならショップブランドがお勧めである。ただし、パソコンはあくまで仕事の一環というならばDELLとかで十分。私がDELLを使わないのはあまりにビジネスライクになっているためである。パソコンが面白いのはその可能性が広がるためであり、それを試せるものでないと面白みがない。何でもついているメーカーのパソコンは重すぎるし高すぎるしいじれない。表面のロゴだけに価値があり、中身についてはほとんど変わらないにもかかわらずである。トヨタが売れているのは高性能で高燃費のエンジンもトヨタで作っているからである。それに対してパソコンの心臓部のCPU、マザーボード、ハードティスク、OSにいたるまでパソコンのロゴのメーカーが作っているものはほとんどないと言ってよい。そしてどうせ買うならばパソコン本体の蓋を開けてグラフィックボードなどを差し込むぐらいのことはできたほうが良いとも思う。そんなに難しいものではないし、そう簡単にパソコンは壊れるものでもない。それができるようになればより新しく高性能の部品の入れ替えとかも可能になる。メーカーブランドのものは勝手にいじるのはたぶんためらいもあろう。その点でも安価なショップブランドの方が気軽にできるとも思うのだが。
誠に勝手ながら今年3月末を持ちましてRPテックポイント制を廃止させていただくこととなりました。
このため、新規ポイントの賦与は今月で中止し、また現ポイントでの3月からの講座申込割引も中止とさせていただきます。 ただし、現在のポイントの利用は、本年3月末まで以下の割引として有効となりますので、ぜひご活用ください。
次回債券会員割引 (6ポイントで半額)
世界潮流割引 (6ポイントで半額)
CRP個人割引 (3ポイントで半額)
ポイント残高のお問い合わせ、並びにご質問等ございましたら、久保田までメールにてお問い合わせください。
hkubota@rptech.co.jp
よろしくお願いいたします。
本日の債券市場は先物のみ上昇するという最近ではめずらしい展開となった。昨年6月10の高値145円09銭、9月3日の安値134円09銭、この半値の139円59銭を抜いたことで、ストップロスといったものも巻き込んだものと思われる。ヘッジのカバーなども入ったと見られ、現物はむしろ利食い売りも入ったことで上値が押さえられたものと思われる。先物は直近の高値を抜いたにも関わらず、建て玉は依然として7兆円と高水準を維持している。買い方と売り方がはっきり分かれているとの見方もあり、今後先物が大きく乱高下する懸念もあるため注意も必要か。
「平成16年度国債発行のポイント」に、「金利スワップの導入に向けた準備等を含め、適切な債務管理を実現するためのシステム等の体制整備」という表現があったが、2日の日経金融新聞一面では、この財務省によるスワップ取引の導入に関する記事が報じられていた。
結論から言えばこのスワップ活用については保険的な意味合いが強く、財務省はスワップ取引を積極的に活用しようとしているのではないと思われる。たとえば、何かの事情で10年国債の発行ができなくなった際に、短期国債を発行するとともに長期固定受けのスワップ取引を行うことが想定されている。これは国会での財務省のスワップ取引導入に関する質問の答えにもあったものであるが、これについては市場参加者から疑問を呈する声が強い。そもそも、JGBとスワップのマーケットでは市場の厚みも参加者層も異なる。昨年も、スワップ市場で大手銀行が大量の払いを持ち込んで一時的に市場が麻痺状態になってしまったようなことあったが、さすがに財務省となるとそれなりの規模の取引が予想され、これと同様の事は十分起こりうる。そもそも長期国債が発行できないような環境下で、まともなレートで長期のスワップ取引ができるとも思われない。
ただ、日経金融新聞にもあったが、5年変動利付国債の発行にともなってスワップを活用し利払いを固定化するということは可能性としてはありうる。すでに発行されている15年変動利付国債への活用も考えられる。
変動利付きタイプの国債にはもうひとつ、今後さらに発行量が増額される可能性のある国債が存在することを忘れてはならない。個人向け国債である。長短金利のスプレッドがある程度維持される中、ペイオフ解禁や郵政公社の民営化などもあり、今後さらに個人向け国債の発行量は増加するはずである。すでに個人向け国債の発行残高は3兆3,506億円となっている。個人向けには固定金利タイプのものもいずれ発行されるであろうが、現在は変動利付タイプのニーズが強いと思われる。今後この変動タイプの個人向け国債の発行残高が膨れ上がれば利払い負担の問題も当然発生しよう。そのためにスワップを活用するということもありうると考えている。ただし、スワップを活用するとはいっても、発行額の一部を固定化するに留まるものと思われる。
このように、財務省によるスワップ取引の活用はあまり過剰な期待は禁物であり、あくまで保険的なものと認識していたほうが良いと思われる。
日経平均株価が10500円を割り込んだ。ここにきてオリンパスやキャノンなど所謂勝ち組企業の一部で先行き業績の下方修正があったり、米国のシスコなどハイテク企業の決算などが要因と指摘されている。一部ヘッジファンドの仕掛け的な動きがきっかけとも言われるが、それに追随する売りも入っている。10−12月期の実質GDPは同時期の米国のGDPを上回るのではないかとの観測もあるが、その反動によって景気減速見通しも出ている。しかしだからといって昨年からの景気の底打ち感が後退するとも思えない。少し加速しすぎた反動であると考える。確かにアジアでは鳥インフルエンザといった新た問題も発生している。米国では猛毒リシンが議会やホワイトハウスに送りつけられるといった事件も発生している。しかし、それによる景気への影響はあくまで限られたものになるのではないかと思う。2月は8月とともにどうしてもあまり景気が良い月ではない。株式市場では節分天井という言葉もある。しかし、この株の下げはがまんのしどころではないかと思う。株安・円高によって債券先物は直近高値を抜いた。三角持合を上離れたかたちとなった。ここまではほぼ予想通りの動きである。問題はこのあとである。この上昇がダマシであると見ている。春の到来を前に再び景気が上向き、債券相場は今度は下値を模索するというのが私の予想なのではあるが。
ノーベル賞受賞者など知的レベルの高い人は、子供の頃、両親や先生などから知的な好奇心を触発されたことが多いという。ガリ勉やスパルタでの暗記による学習では本来の知的レベルを引き上げられないというのもわかる気がする。頭がいいなあと感じる人はその専門分野に限らず、幅広い知識と専門とはまったく関係ない専門知識もかなり深く持っているケースが多い。子供のうちは詰め込み学習もある程度必要かもしれないが、いろいろなものを見たり体験させる必要もあるのではなかろうか。今、小学生は帰宅すると習い事や塾に行くことが多い。泳ぎを覚えることやピアノを弾くこと、もちろん受験も大事である。ただそのため、野外で友達と遊ぶ機会が減り、近所の大人から知識を得ることなどもできない。おじいさん、おばあさんの体験に基づく知識といったものもたいへん貴重なものであったはずである。また、野山を駆け回って、虫や花などを自然に観察することもできない。ゆとり教育といわれるものは、それを押し付ければ「ゆとり」でなくなる。今はその見直しも入っているとか。教育というのもたいへん難しい問題であるとも思うが、まずは先生に押し付ける前に親が好奇心を持つことも必要なのかもしれないと、自分でも反省している。
本日実施された10年国債は久しぶりに利率が1.4%を割り込み1.3%となったが、やや割安感も強まっていた10年だけに業者が積極的に落札し、落札結果は事前予想を上回った。最低落札価格は100円30銭、平均落札価格は100円32銭とテールも短い。応札倍率は2.63倍。今回入札時の基準価格(1.31%)が第一回個人向け国債の今年9月の利子に適用(−0.8%)され、0.51%となった。
1月20日に実施された日銀の追加緩和策は債券市場参加者にとって不評であった。この追加緩和を日銀は名目上デフレ対策としているが、為替介入支援であったことは明白である。日銀の田谷審議委員はこの追加緩和について、「市場に理解得られていない側面ある」「金融政策の変更、様々な解釈出ること望ましくない」とコメントしており、市場の思惑を否定しようとしている。しかし、なぜあのタイミングで追加緩和を行う必要があったのか。日銀から市場参加者が納得できる説明はされていなかった。
G7のうち日本だけが必死になり為替介入を続けているが、こういった大規模介入により当然ながら副作用も起こりうる。外為特会の介入限度枠は今年度補正予算が成立すれば100兆円にもなるが、その枠全てを使ってFBを発行すると、毎週のFB入札は7〜8兆円規模にもなることが予想される。さらに来年度の予算ではこの介入限度枠が140兆円にも増額される。介入額が増えればさらなる追加緩和の必要性も出てくる。
それよりもこれだけの規模のFBをロールしていくことが果たして可能であろうか。FBではなくもう少し期間の長い債券を発行して為替介入のための資金調達をしてはどうかとの意見もある。FBの発行で調達された円は円売りドル買い介入によってドルとなる。このドルを運用するために米国債を買っているわけだが、買っている米国債はFBに比べ期間が長く、期間のミスマッチも指摘されている。しかし、もし介入資金の調達のため発行される債券が中長期となれば今度は国債需給にも影響を与えかねない。
さらにこれだけ大量のFB発行は量的緩和解除の足枷にもなる。つまり量的緩和解除は直接に短期金融市場に影響を与えることになり、じゃぶじゃぶとなっている資金が引き上げれば、その資金の運用先になっているFBの発行に支障をきたす恐れがある。
米国はFOMCの声明文から「Considerable Period」を削除して「Can be Patient in removing Accommodation」という表現に変わった。時間軸を取り除くことによって、米FOMCは、早期に機動性を取り戻したといえる。しかし、日銀はむしろ追加緩和によって時間軸をさらに強固なものとしてしまっている。これは自らの金融政策の機動性を弱める結果になる。
このように大規模な為替介入は日銀の金融政策を縛ってしまう懸念があるとともに、国債需給への影響も出てくるため、今後も注意が必要となろう。
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