「若き知」
「過去データは一番下に移行しました」


2004.4.30「貯金と預金」

日本における郵便貯金制度は1875年(明治8年)に開始された。その模範となっていたのが1861年から業務を開始していたイギリスの郵便貯金制度である。この制度は国民にとっては、簡易で安全な少額貯蓄手段の提供となり、そこで集められた資金は、社会資本整備などに充当されてきたのである。

日本でのこういった動きは1878年に郵便貯金が大蔵省国債局に預けられて運用されることになってから本格化した。1897年ごろまで、預金部の運用はほとんどが公債であった。当時は公債公募が困難な状況にあったためである。明治40年代以降は日本経済の発展に伴い、各種の政策が要請されるようになり、この預金部の運用は広がっていったのである。

銀行預金については、あまり過去の資料が見当たらない。明治時代に国立銀行が設立されたが、当初の銀行は日銀から借りた金を商人たちに貸し利さやを稼ぐのが銀行の仕事だったと思われる。民間銀行が預金というかたちで庶民からお金を預かるようになったのは国民の所得や貯蓄の規模が飛躍的に向上した第二次大戦後ではないかと思われる。ただ、銀行の歴史を紐解くと貯蓄銀行という存在もあった。

貯蓄と預金の違いについて、お金を金融機関に預けることを預ける先の金融機関によって「預金」と「貯金」とに使いわけている。都銀、地銀、長信銀、信用金庫、信用組合に預けることを「預金」と言いこの預金は預金保険制度で保護される。郵便局、農協、漁協等に預けることを「貯金」と言っており、郵便貯金は郵便貯金法第3条で国が保護し農協・漁協貯金は農水産業協同組合貯金保険制度で保護されている。

ちなみに英語では、郵便貯金のことをpostal saving、銀行預金のことをa bank account[deposit]と表現するが、普通預金のことをsaving accountとも言っている。

貯金は自分のお金を貯めるとのイメージで、預金は預けて貸すといったイメージであろうか。郵便貯金と銀行預金の一番大きな違いは、そこに政府保証が付加されているかどうかである。今回の郵政民営化においても、郵便貯金のもつ利点である政府保証・利子の相対的有利性・利便性をどうするのかが焦点となる。

郵便貯金は民営化に伴い預金保険制度で保護されるかたちとなると思われるが、政府保証は外され利子の相対的有利性がなくなればその資金が次第に流出していく可能性がある。そうなった場合には、郵貯そして簡保の保有する国債の換金のための売却が問題となるが、この国債への影響については次回にまとめてみたい。


2004.4.28「経済・物価情勢の展望」

日銀の金融政策決定会合ののち「経済・物価情勢の展望」が発表された。これまでの「経済・物価の将来展望とリスク評価」「標準シナリオ」及び「リスク評価」という表題が「経済・物価情勢の展望」「2004年度見通し」及び「上振れ・下振れ要因」に改められているが、あまり深読みは禁物か(?)。

「前回(昨年10月)の経済・物価の将来展望とリスク評価において示された標準シナリオと比べると、総じて上振れて推移していると考えられる。」 総裁も景気に対してはやや強気の見方を強めているように伺える。 「生産活動や企業収益の増加の好影響は、雇用・所得面や資産価格の変化を通じて家計部門にも徐々に及んでいくと考えられる。このため、個人消費は緩やかな回復に向かうと想定される。 」 これも同意。

「消費者物価についてみると、以上のような景気回復を背景に、物価の基調に影響する需給ギャップは着実に縮小すると見込まれる。しかし、これまで下落幅縮小に寄与してきた医療費自己負担の引き上げや米価格の上昇をはじめとする一時的要因が剥落するほか、商品市況上昇が川下段階に及ぼす影響も、企業部門における生産性上昇等によってかなりの程度吸収されると見込まれる。このため、本年度の消費者物価指数は、基調的には依然小幅の下落が続くと予想される。」 特殊要因の剥落により今後は再びマイナスに移行すると予想されている。それはある程度織り込み済みかと思われる。問題は「企業部門における生産性上昇等によって」の箇所。それよりも売上減少を懸念しての販売価格への転嫁は極力避けたいとの意向の方が強いようにも思われる。しかし、個人消費の回復度合いによっては価格転嫁も可能になりうるのではなかろうか。まだ。これは期待感といったものも強いが。

<上振れ・下振れ要因>

「米国や中国をはじめとするアジアの景気展開次第では、世界景気に上振れ・下振れいずれの可能性もある」
米利上げ・中国経済の過熱感など下振れリスクとの見方が今のところ強い。

「地政学的なリスクや米国の双子の赤字等を巡る海外金融・為替市場の動向によっては」
地政学的リスクは確かに大きい。ただ双子の赤字等による円高リスクはかなり軽減されているかに思われる。

「市場は中長期的には実体経済の動向を反映して動くが、短期的には様々な要因によって変動する。株価、長期金利、為替相場の変化の程度と方向によっては、経済活動に対して上振れ・下振れいずれにも作用し得る。」
長期金利よ勝手に先に上がっては困る、といったようにも聞こえなくはない。しかし、長期金利は先を読まざるを得ない。思惑で動くとなればリスクは生じる。

「企業・家計の支出マインドが強まる場合」となるのか「企業の人件費抑制姿勢の強さ等によっては、企業部門における回復の家計部門への広がりが遅れ」るのかは見方はかなり分かれている。私は前者に近い。

「経済の持続的な成長とデフレ克服を実現するためには、民間需要が拡大し成長予想が高まることが前提となる」
これは大前提であろう。まだその兆候ははっきりはしていない。可能性はあるのだが。

「経済には前向きの循環が働き始めており、物価についても需給ギャップが着実に縮小を続けるもとで、前年比のマイナス幅は縮小してきている。今後、幅広い経済主体がこれまでのような取り組みを粘り強く続け、景気回復の動きがさらに確かなものとなっていけば、経済全体の需給バランスの改善が進み、デフレ克服の可能性が高まっていくと考えられる。 」
量的緩和のゴール地点の確認。

2004年度の政策委員の見通し 実質GDP、+3.0〜3.2%(中央値+3.1、昨年比+0.6)
国内企業物価、+0.1〜0.3%(中央値+0.2、昨年比+0.8)
CPI、−0.2〜−0.1%(中央値−0.2、昨年比+0.1)

中央値の昨年比、実質GDPと国内企業物価の改善幅に比べてCPIの改善幅があまりに小さく感じるような。もちろん単純比較すべきものではないでしょうが。


2004.4.26「続、個人向け国債の購入層」

昨日の「個人向け国債の購入層」に対し、実際に個人向け国債を販売されている方からメールをいただいた。一部をご紹介したい。

「(個人向け国債の)ほとんどの購入者は、初めて国債を購入する方で、また年代もそこそこ若い方が多く見られます。購入額は一人で3千万円も購入される方もおり、1千万円台の方は多数おられます。現在でも、次回の個人向け国債は何時発売か問い合わせる方がかなり見られ、国債購入未経験者への個人向け国債の販売余地は大いにある様に思えます。」

実は先日、私も知り合いの若い方に個人向け国債をまとまった金額で購入したいのだけれど、との問い合わせを受けた。また、以前にテレビの取材を受けた際にも、担当のディレクターが話しを聞いた金融機関では若い人がやはりそれなりの金額で購入していたと言っていた。いただいたメールを含め予想以上に若い方が積極的に購入しているとの印象も強い。このためアンケートの結果とはやや感触が違う気もするのだが、販売されている現場での印象はどのようなものなのか。よろしければメールなどでお聞かせ願いたい。

メールをいただいた方のご勤務先を含め銀行などの金融機関でも口座管理手数料は取っていないところもあるとか。購入される方はぜひ事前にこの口座管理料の有無はご確認いただいた方が良いかもしれない。次回の個人向け国債の募集は6月である。ポスターのキャラクターが誰になるのかも気になるところだが、それ以上にボーナスシーズンということもあるため、若い方を中心にさらに人気化することも十分に考えられ、販売額がどこまで伸びるかも気になるところである。


2004.4.26「個人向け国債の購入層」

以前に個人向け国債の購入層は主に60歳以上の方々が主流との記事が出ていた。もちろん日本人の中で最も金融資産を有している層ではあるが、この層はこれまで国債を買ったことがある経験者も多いのかもしれない。銀行で個人向け国債を購入する際にひとつの大きなネックになるのが、口座管理手数料の問題である。先日、大手銀行の支店窓口業務をしていた方にお話しを聞いたのだが、「個人向け国債の購入者はご年配の方が多く、しかも以前に国債を購入したことがある方が多い。このため、すでに口座管理料を頂いている方々も多いく、その方々にとっては個人向け国債の購入時における管理料の問題は発生しない」。確かにそうである。口座管理料は個人向け国債だけにかかるものではなく国債買い付けの際に一部の金融機関で取られるものである。可能ならばこの国債に関わる口座管理料はぜひ撤廃してほしいが、国債購入者による購入ならば負担にならないというのは自分にとって盲点であった。


2004.4.26「投資家動向」

4月20日に財務省で開催された「国債投資家懇談会」の議事要旨の内容を見ながら、投資家動の国債に対する今後の姿勢といったものを見てみたい。

まず、「国債投資家懇談会」とは「国債の消化を一層確実かつ円滑なものとするとともに、国債市場の整備を進めていくため、国債の投資家と直接かつ継続的に意見交換を行う。」(財務省ホームページより)もので、開催は四半期に1度のペースとなっており、現在は次のような参加者構成となっており、

メンバー
信金中央金庫・住友信託銀行株式会社・全国共済農業協同組合連合会・第一生命保険相互会社・東京海上火災保険株式会社・株式会社東京三菱銀行・農林中央金庫・株式会社八千代銀行・株式会社横浜銀行

今回の議事要旨では、「物価連動国債は、他の国債とリスク・プロファイルが異なる商品である。将来の金利上昇リスクやインフレ・リスクを想定すると、投資対象として非常に興味深い。今後、着実に発行額を増加していただきたい。」といったように、先行きの金利上昇リスクを見越して、変動利付債や物価連動債の増額を求める声が多い反面、「イールド・カーブがスティープ化すれば、それに伴い投資家の購入額が増加するため、今後、長期金利が過度に上昇するリスクは小さいと考えている。」といったように過度な金利上昇を予想する向きは少ないようである。

これは、「平成16年度も、引き続き貸出残高の減少が見込まれる一方、余資の運用ニーズは大きいため、国債に資金を向けざるを得ない状況は続く」「平成16年度も、運用先を探すことが重要課題であり、余資の大部分を国債投資に向けざるを得ない」といった認識が強いためと思われる。ただし「現時点では、昨年度ほど債券収益に対するプレッシャーは高くないと考える。」とのコメントがあったが、株高によって無理に債券で収益を稼ぐ必要はなくなり、なるべく損失を軽減させるようなやや後ろ向きの姿勢に転じているのも確かである。

国債需給については、今のところそれを懸念する声は市場参加者の間からはほとんど出ない。それだけ投資家の債券に対するニーズは引き続き強いということであろう。今回の長期金利上昇に関しても景気実態に基づいたものとの見方が強く、投資家にとっては資金運用の上で、ある程度の利回り上昇は歓迎すべきものであろう。しかし、過度な金利上昇は保有する国債において大きな損失を招く懸念があるため、避けたいところであろう。

今回の国債投資家懇談会の議事要旨からは、金利上昇局面にはあるものの、投資家は引き続き国債投資を継続していく。しかし、積極的な売買は避け、ある程度利回りが上昇した局面でたんたんと買っていくといった姿勢を垣間見ることができるかと思われる。


2004.4.26「大型連休を控えての債券相場」

今週は大型連休を控えた月末ということもあり、生保・年金などの投資家が超長期ゾーンに買いを入れてくる可能性もある。このため需給が下支えするものと思われる。

日銀は28日に公表する「経済・物価の将来展望」において、政策委員が予想する2004年度の消費者物価指数の変動率が、前年比で小幅のマイナスに止まる見通しになっており、これも債券にとってはどちらかといえばフォローの材料となろう。ただし、堅調な株価の動向や週末G7や日米財務相会談では現状の為替水準を容認する姿勢をしめしていることから為替の動きには注意したい。また、26日に発表される3月法人企業統計調査、27日の3月消費動向調査、30日の3月消費者物価指数・3月家計調査・3月労働力調査など経済指標の発表にも注意する必要がある。

先物チャートを見るとここのところの債券は、先物で136円半ばあたりから138円手前までのレンジの中で推移しており、2月26日の140円45銭を高値にした下げ相場はいったん下げ止まり、踊り場を形成している。景気の回復期待も強まっており、いずれここを抜けてさらに下値を模索する可能性が高いと見ているが、そのタイミングは株価動向などにもよるが、連休後になるのではないかと思われる。


2004.4.22「夏日」

BGMにはチューブやサザンが流れ、風鈴の音も一瞬の涼しさをもたらし、眩しい空を見上げれば、まさに夏空が浮かぶ。街にはツツジも咲き乱れまさに、夏・・・いや、まだ春本番のはず。いったい全体どうしたことか、4月に夏日もしくは地域によっては真夏日が何日も記録されている。まさに異常気象と思いきや、去年も年に均すと平均気温はほとんど変わっていないという。6月あたりが猛烈に暑い日が続いたものの8月の夏日は1日か2日程度しかなかった。どうも今年も夏が前倒しされている気がする。暑いうちに夏休みにしてしまう、というわけにもいかないかもしれないが、このままでは冷夏となる懸念もある。できることならば、春は春らしく夏は夏らしくあってほしい。体調管理もままならない。しかし、歳取るとこんな寒暖の差に敏感になってしまうというのも悲しいような。


2004.4.22「経済・物価の将来展望」

日銀は来週28日に公表する「経済・物価の将来展望」において、政策委員が予想する2004年度の消費者物価指数の変動率が、前年比で小幅のマイナスに止まる見通しになったと22日の日経新聞が伝えている。21日に日銀の須田審議委員も、「近い将来にCPIが安定的にプラスに転じることは展望しにくい」「CPIがプラスに転じても持続性や安定性は慎重に見極める必要」「CPIの前年度比は弱含みで推移と考えている」とコメントしている。

福井日銀総裁は記者会見などで、景気に対しては楽観的な見通しを示しているが、日本の景気回復が消費者物価を押し上げるには時間がかかるといった認識によるものかと思われる。

企業物価指数が水面上に浮上してきたが、この企業物価の上昇が消費者物価に波及する際に必要になってくるのが個人消費の回復であろう。個人消費が上向けば価格転嫁も容易になる。この個人消費についてもいくつか回復の兆しがみえつつある。22日の毎日新聞では、「景気の鏡」とも言われる紳士服の売れ行きが好調と伝えている。買い替え需要もあると思われるが、価格より質が求められている傾向とも伝えられ、これも個人消費回復を示すひとつの指標にもなるのではなかろうか。

個人消費を上向かせるために重要な要素としては雇用の回復という大きな問題がある。これについても21日の日経新聞は、2005年度の採用計画を集計したところ大卒採用が20%程度増加すると伝えている。これは2004年度の5.6%増に比べても大幅増となっており、雇用の改善についてもかなり明るい兆しが見えつつある。ただし、新規求人数など今年に入ってからマイナスに転じるなど足元雇用はやや不安材料を抱えているのも確かである。

米国や中国の利上げ観測も強まっており、この両国経済の強さにかなり恩恵を蒙っている日本経済の先行きにも不透明感は強い。しかし、輸出産業主体の業績回復から次第にその裾野は広がっていることもここに来て見え始めている。日経新聞調べによる来年度採用計画の採用数トップの企業は、輸出企業ではなく、傘下のコムスンをもつグッドウィルグループであった。金融機関の採用も大きく伸びる見通しともなっている。やはり回復の裾野は広がっていることがこれからも伺える。

このように、雇用もいずれ改善傾向となれば今後個人消費もさらに回復基調を強める可能性も強い。日銀の予想のように2004年度の消費者物価指数の変動率が、前年比で小幅のマイナスに止まるかどうか。今後の動向にも注意を払いたい。


2004.4.21「新版 現代社債投資の実務」

2000年に発行された{現代社債投資の実務」にあらたなトピックスなどを組み込むなど大幅に加筆修正された改訂版が発売されました。債券関係者にとって仕事机の本に置いておきたい一冊かと思われます。国債に関しましては拙著「日本国債は危なくない」、社債に関しましては徳島勝幸さん著、財経詳報社より発売されました「新版 現代社債投資の実務」をぜひご購読いただけたらと思います(ちゃっかり自分の本も宣伝してしまいました・・・)。


2004.4.21「米国利上げ懸念と債券相場」

米国連邦準備理事会(FRB)のグリーンスパン議長は20日に行った上院の銀行住宅都市委員会の証言で、「昨年、重大な懸念だったデフレの脅威は、もはや我々にとって問題ではない」とコメントし、米国市場では利上げ懸念が再燃し、株・債券ともに大幅安となった。

米国市場においては雇用統計の発表のたびに、その数値によって利上げ懸念が強まったり後退したりしていた。しかし、今回のグリーンスパン議長の発言によって、問題は利上げの有無ではなくそのタイミングに移ってきた感がある。早ければ8月にも利上げを実施するとの見方もあるが、大統領選挙も控えており、それを予測するのは難しい作業となりそうである。

この米国の金融引締め観測は日本の債券市場にどのような影響を与えるであろうか。米国利上げ観測の背景には、雇用の増加など各種の経済指標が示しているような景気の拡大基調がある。日本経済もここにきて回復の兆しが見えつつあるが、その牽引役となっているのが輸出産業であり、このため米国や中国の経済動向に大きく影響を受ける。この両国ともに利上げ観測が強まっているのはそれだけ力強い景気の拡大が続いている現われとも言える。米中の利上げによる景気へのマイナスの影響ももちろんあろうが、むしろ景気を安定的に上昇させる働きとなることも考えられる。過剰流動性に対しての思惑や利上げによる景気の腰折れ観測もあるが、それはやや懸念しすぎではないかとも思われる。

この両国の景気に負うところが大きい日本経済も今後も回復基調が続くと期待しても良いのではなかろうか。このため、米国の利上げ懸念は、日本の債券にとってはやはり売り材料となりうる。ここのところ先物は136円60銭あたりを下値にして、踊り場を形成していたが、そこをさらに下に抜けてくるものと思われる。10年国債の利回りは、1.6%をつけてくるのも時間の問題ではなかろうか。そして1.6%もまだ通過点であると思われる。

ただし、福井日銀総裁は、量的緩和の出口議論するには早すぎるとコメントしているように、日銀の政策転換はまだ先になると思われことから、これが長期金利上昇の抑制要因にもなる。投資家も利回りが上がれば、それなりの買いも入れてくると思われる。20日の国債投資家懇談会においても、その記事要旨からは投資家は債券の購入意欲が強いことが読み取れる。このため、急激な債券の下げというのは現状考えづらく、長期金利の上昇もなだらかなものとなるものと考えている。


2004.4.21「リスクの移転」

イラクの人質事件では事件そのものよりも「自己責任」論が一人歩きしていたが、この自己責任はこの問題に限らず、現在の社会構造変革期における大きなキーワードにもなっていると思われる。

銀行の不良債権問題や長引く不況そしてデフレの進行の影に、我々の日本社会は大きな構造変化を起こしていた。たとえば終身雇用制度や年功序列制度の崩壊、年金問題、不良債権処理にともなう間接金融制度の変化、ペイオフ解禁、政府債務残高に伴う財政構造改革等々。これは、我々日本社会において大きなリスクの移転といったものが起きているということではなかろうかと考える。

金融市場で使われる言葉のひとつに「ハイリスク・ハイリターン」といわれるものがある。それなりの利益を享受するためにはそれなりのリスクが必要ということを示している。反対に利益は少ないが元本は保証されるなどリスクを軽減したものは、「ローリスク・ローリターン」とも言われる。投資とかで例をあげるとすれば、ハイリスク・ハイリターンとしては株式投資などがあり、ローリスク・ローリターンとしては預貯金などが該当しよう。

金融の世界ばかりでなく、それなりの収益を取ろうとするならばそれなりのリスクは当然、覚悟する必要がある。まさに「虎穴にいらずんば虎子を得ず」である。反対になるべくリスクを避けたいならば低収益でがまんしなければならない。孫子の言うところの「三十六計逃げるにしかず」はなるべくリスクを取らないほうが安全であることを指している。

さて、異論はあるもしれないが、日本社会で最もリスクをとってきたのが「政府」ではなかったかと思う。これまで政府はいろいろなかたちで、銀行や企業や我々個人を保護してきた。銀行でいえば有名な護送船団方式であり、企業に対しては銀行を介在とした間接金融制度であり、個人に対しては医療や年金制度などを社会福祉制度など、そして地方に対する地方交付税交付金制度などが該当するのではなかろうか。

そういったリスクを政府が負っていた分、リスクも被っていた。それがうまくいったときは大きなリターンを享受できる。日本の高度成長などはその典型ではなかろうか。高度成長期などは、整備が遅れていた日本のインフラ整備に国は巨額の資金を投じてきた。そしてそれは投資効果が絶大であり国全体が豊かになるという大きなリターンを得た。所得倍増計画である。庶民の所得が倍増した以上に富がいろいろなかたちで蓄積されていったのではなかろうか。ところが、これがあまりにうまく行き過ぎていたため、そこに存在するリスクを忘れていたのではなかろうか。

そのリスクがはっきりと顕在化したのがバブル崩壊後である。しかし、政府はそれまでの行動様式を変えようとはせずに、非効率ともいえる公共事業投資に景気対策という名目のもと莫大な費用をかけていった。これは決してローリスクというものではなく、完全にハイリスクな投資であった。結果は政府債務というかたちで損失が雪だるま式に膨れていったと言えるのではなかろうか。それに気付いたからこそ小泉政権が成立したものと思われる。

現在の小泉改革こそは、このリスクの移転作業とはいえまいか。大きな政府から小さな政府への移行というのは国の負っているリスクを個人や企業そして地方などに移転させようとしていることでもある。三位一体の改革、融資制度の見直し、雇用制度の変化といったものがリスク移転の例としてあげられる。

ただし、これまでリスクを負っていた国がリターンを得た際に構築していったシステムはそのまま残ってしまっていることも問題化している。それが既得権といったものであろう。このため、現在のシステムを維持すればするほど、リターンどころか損失だけが増加しかねない状況に陥りつつある。それを打破しようとしたのが、道路改革であったり、現在進みつつある郵政の民営化であったりする。

しかし、結局、道路改革は道途中で挫折してしまった感もある。郵政民営化室のトップ人事も決定したようだが、郵政民営化に関してもかなり激しい抵抗にあう可能性が高い。郵貯・簡保が保有している国債をどうするのかといった課題も多い。

政府がリスクをとって大きなリターンが享受できていた際に、作り上げた基盤のうえに成立しているのが自民党であるとするならば、いくら首相といえどもこの根底を再構築するのは無理であろう。幕末に徳川幕府がいくらがんばっても内部からの構造改革はできなかったように。内部からの改革には限度があるというのも、これまでの小泉改革では何度も見られていたことではある。ただし、小泉改革はその道筋をつけたという意味では評価されるのではなかろうか。今後、どのようなかたちで政府からのリスクの移転が進むのか今はわからない。ただ、我々はリスクを負うばかりでなく、そこにはリターンの可能性の移転も同時に行ってもらう必要もあろう。


2004.4.20「非効率」

昨日NGOの方の話を聞く機会があったのだが、現在取り沙汰されている「自己責任」問題はとりあえず置いといて、国の事業と民間NGOなどによる事業の費用が同じような事業にも関わらず、数十倍の開きがあるとコメントされていた。NGOなどでは大きな費用を集めるだけでもたいへんなのだが、それをやりくりしてたとえば海外途上国の浄水施設を作ったのしているという。それを政府が資金を出す場合はなぜ金額が大きく膨らむのか。それはその予算を途中で搾取されるような仕組になっているためという。搾取といってもいろいろな業者が絡み合ってそれぞれの利益分が余計な費用になって積み重なっていくという。国の公共事業投資といったものもそういった傾向はまだまだあるような気がする。我々は税金を払っているが、それが効率よく使われているのかどうかは判断できない。いろいろな意味で我々には自己責任が覆い被さってきているのは確かである。今後の少子化や現在の国や地方の債務などを考えれば、今後は増税といったものも当然ありうるだろう。しかし、国の資金の流れやその使われ方そのものが明確でないならば、我々自身のリスクの高まりに応じたリターンは享受できなくなる。政府が抱えていたようなリスクが我々に移転しつつあるのが現状であり、我々のリスクの高まりとは、終身雇用の崩壊や年金の問題、ペイオフ全面解禁等々である。


2004.4.19「日銀の金融政策と債券相場」

米国市場では経済指標の発表ごとに利上げ観測が強まったり後退したりを繰返している。日本においてもここにきていくつか景気回復を示す経済指標が出ている。たとえば9日の金融政策決定会合後に発表した日銀金融経済月報では、日銀は景気判断を4カ月ぶり上方修正した。「わが国の景気は緩やかな回復を続けており、国内需要も底固さを増している。」としていたが、底堅さを増しているとのコメントは1997年以来のものである。また13日に日銀が発表した3月の国内企業物価指数速報は、前年同月比0.2%上昇と2000年7月以来の前年比プラスとなっている。中国や米国を主体とする世界経済の回復を受けて商品市況の上昇が続き、鉄鋼や非鉄金属などの需要が強まりとともに素材価格を押し上げた。

日銀の金融政策の動向を予測する上で鍵となるのは、こういった景気回復が何処まで継続し、また企業物価の上昇が消費者物価指数に波及するかどうかである。参考になりそうなのが、14日に発表された3月15、16日の日銀金融政策決定会合の議事要旨である。

「現時点では先行きの消費者物価上昇リスクを警戒すべき状況とは言えないのではないか」といったコメントがある反面、「ひとりの委員は、需給面からは原材料のコストアップを製品価格に転嫁しやすい環境になりつつあると指摘した。別のひとりの委員は、鉄鋼などでは少しずつ値上げ交渉が進む動きもみられると述べた。さらに別のひとりの委員は、台湾や香港、シンガポール、中国等では川下の物価の上昇傾向がみられていることを紹介した。」「これらの委員を含め、多くの委員は、今後とも商品市況上昇の動向、およびその物価や企業収益等への影響を注意深くみていく必要がある、との見解を述べた。」

現時点では原材料の上昇の最終消費財への価格転嫁が遅れているのは確かで、最終消費財への価格転嫁が進むかどうかは今後の個人消費といったものが影響するものと思われるが、その個人消費も回復基調となりつつある。また、雇用や賃金なども改善傾向を見せ始め、このまま景気回復基調が継続すれば、徐々に価格転嫁も可能な状況になりつつあるのではなかろうか。

実際に消費者物価指数の上昇が顕著にならない限り、日銀も出口政策については慎重な姿勢をとり続けると思われる。しかし、こと景気の動向については福井総裁も強気のコメントも多くなっている。今年度の債券相場はこれまで以上にやや神経質な展開となることも考えられる。


2004.4.19「NPOとNGO(用語解説)」

NPOとはNON-PROFIT-ORGANIZATION の略であり、営利を目的としない団体や組織体のことで、通常は「非営利団体(組織)」と言われている。1998年3月に成立したNPO法(特定非営利活動促進法)では、この法律の対象となる団体の目的を下記のように12分野に特定している。 「保健、医療又は福祉の増進を図る活動」「社会教育の推進を図る活動」「まちづくりの推進を図る活動」「文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動」「環境の保全を図る活動」「災害救援活動」「地域安全活動」「人権の擁護又は平和の推進を図る活動」「国際協力の活動」「男女共同参画社会の形成の促進を図る活動」「子どもの健全育成を図る活動」「前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動」

これに対して、NGOはNon-Governmental Organization の略であり、 もともとは、国連と政府以外の民間団体との協力関係について定めた国連憲章第71条の中で使われている用語であり、国際協力に携わる「非政府組織」「民間団体」のことを意味している。つまり、 開発、人権、環境、平和など地球規模の問題に国境を越えて取り組んでいる非営利の民間組織。


2004.4.16「横山光輝さん亡くなる」

火事で重体と伝えられていた横山光輝さんが亡くなった。ショックである。私が小学校2、3年の頃であったか、テレビのない寮に住んでいた父の知り合いが毎週水曜日にコンバットを見るために我が家に来ていた。その際、いつももってきてくれたのが少年サンデーであった。それをきっかけにして小学校を卒業するぐらいまでずっと少年サンデーを読み続けていた。その少年サンデーに連載されていた伊賀の影丸、仮面の忍者赤影、ジャイアントロボといった横山作品がとても好きであった。テレビアニメになった鉄人28号も、実写となった仮面の忍者赤影も夢中で見ていた記憶がある。そういえば、魔法使いサリーの原作者でもある。ただ、三国志が出たころは、すでに物心ついていたのか(?)昔ほど夢中になっては読めなかったが、手塚作品のように主義主張が見えない分、エンタテイメントとして純粋に楽しめる作品が多かった。また一人巨匠が逝ってしまった。ご冥福をお祈りしたい。


2004.4.15「再び景況感の変化を意識しはじめた債券相場」

日銀は9日の金融政策決定会合後に発表した日銀金融経済月報において景気判断を4カ月ぶり上方修正した。「わが国の景気は緩やかな回復を続けており、国内需要も底固さを増している。」としていたが、底堅さを増しているとのコメントは1997年以来のものである。「輸出はこのところ大幅に増加しており、設備投資も回復を続けている。」「企業収益は増加を続けており、企業の業況感は広がりを伴いつつ改善している。」「雇用者所得は徐々に下げ止まってきており、個人消費もやや強めの動きとなっている」といったコメントもあり、日銀が景気回復への認識を強めていることが伺える。

しかし、この日の日銀総裁会見において、福井日銀総裁は、「時間軸への信認はしっかりある」「当預残引き下げ、近い将来には全く年頭にない」「量的緩和からの出口、至近距離において考えるには至っていない」「デフレ脱却の残り1マイルは非常に厳しい」 「2005年度のデフレ脱却については明確なことはいえない」とやや慎重な言い回しとなった。

これまでの福井総裁の発言を見ても日本経済に対してはやや楽観的な表現が垣間見られるものの、デフレ脱却については慎重姿勢をとり続けている。「残り1マイル」との表現がそれを示している。これは日銀の景気判断上方修正により、過度な長期金利上昇への懸念を強めたものと思われる。

しかし、長期金利はすでにこの景況感の変化を感じ取って動きつつあるといえる。特に15日の入札を控えた国債では最長期ものとなる30年国債の利回りが大きく上昇し、2.6%台に乗せ、10年国債の金利も1.5%半ばとなっている。

いまのところ、こういった長期金利の上昇に関しては、政府や日銀関係者から警戒するようなコメントは出されていない。経済実態に即した長期金利の上昇はある程度容認せざるを得ないのではないかとも思われる。

それでは目先どの程度まで長期金利は上昇するのであろうか。10年の1.6%は通過点といった見方も強い。6月ぐらいまでに1.7%台に乗せるといった見方もある。ただ、その場合、日経平均株価で見ると13000円をトライしてくるものと思われる。

米国でも利上げ懸念が強まっているが、地政学的リスクも残るものの現在の世界的な景気回復はかなり確固たるものと考えても良いのではなかろうか。特に日本経済の状況を見る限り、これまでの一時的な回復とは様相を異にしているとも思われる。

長期金利は景況感の変化にともない、あらたな着地点を求めて、この先も上昇基調となるのではないかと考えている。


2004.4.14「為替介入」

相場は一見勝手気ままに動く。そのままにしておくと勝手な方向に限りなく行ってしまう。そういった危惧は確かにあろう。しかし、だからといって、それを押さえつけるのもどうであろうか。日本や米国の経済実態に即さない動きに対処するといった大義名分もあろうが、経済実態とはどのような尺度を用いているのか、さらには日米の経済実態だけが相場の変動要因であるのか。為替介入を止めてからの動きを見る限り、無理矢理おさえこまずとも円安に振れるときは振れる。ドルの買い手が政府・日銀しかいないよう状態こそ異常なのであり、相場変動をいびつにさえしかねない。もし介入がなければ今ごろドル円は100円を割っていたのであろうか。こればかりは時間を戻すことはできないためわからない。ただ、介入無き場合、たとえ一時的に100円を割れるようなことはあったとしても、やはり今ごろは107円あたりに戻っている可能性は強いのではなかろうか。もちろん絶対にそうなるとは言い切れないが、あのまま円高が続くことを想定するほうがむずかしい。やめてはじめてわかる介入効果。もう少し市場関係者の声に耳を傾けてほしかったような気がするが。これもまた結果論なのであろうか。


2004.4.13「国内企業物価指数2000年7月以来の前年比プラス」

本日発表された3月の国内企業物価指数速報(2000年=100)は、前年同月比0.2%上昇と2000年7月以来の前年比プラスとなった。ちなみに国内企業物価指数とは企業間で取引される商品の取引価格である。国内卸売物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数の3指数とこれらを合成した総合卸売物価指数で構成されている。

中国や米国を主体とする世界経済の回復を受けて商品市況の上昇が続き、鉄鋼や非鉄金属などの需要が強まり素材価格を押し上げている。鉄鋼が前年同月比10.7%、銅地金などの非鉄金属が同13.4%のプラス。スクラップ類も同38.9%と大幅に上昇。農林水産物は7.3%上昇しているが、コメ不作に伴う自主流通米価格の高騰やBSE問題にともなう牛肉の輸入価格上昇などが影響したようである。


2004.4.12「君子危うきに近寄らず?」

著名なエコノミストが、なんと「のぞき」で現行犯逮捕されていたことが一斉に報じられた。大学教授がセクハラなどで訴えられることはよくあるが、大学教授でもあるものの、「人気エコノミスト」でもある人物がこういった犯罪で逮捕されるというのは前代未聞ではなかろうか。その方はテレビにもよく出演していたが、マーケットからはほとんど無視されるような自称経済評論家といわれる人たちとは一線を異にしており、マーケットからもそれなりの評価も得ていた人物である(私はかなり意見を異にしていたが・・・)。つまり、それなりの「信用」を勝ち得ていた人物が、まったく別なところで信用を失墜させてしまった。ある種のオピニオンリーダーといった立場を形成したのならば、それなりの社会的責任も生じるはずである。今回の事件は金融関係者にとってもかなりショッキングな事件であった。


2004.4.9「日銀金融経済月報、景気判断4カ月ぶり上方修正」

「わが国の景気は緩やかな回復を続けており、国内需要も底固さを増している。」
「輸出はこのところ大幅に増加しており、設備投資も回復を続けている。」
「企業収益は増加を続けており、企業の業況感は広がりを伴いつつ改善している。」
「雇用者所得は徐々に下げ止まってきており、個人消費もやや強めの動きとなっている。」
「住宅投資は低調に推移しており、公共投資も減少している。」
「国内企業物価は、内外の商品市況高などを反映して、上昇している。」
「消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、米価格の上昇など一時的な要因も押し上げに働く中ゼロ%近傍で推移している。」
「消費者物価の前年比は、需給バランスが徐々に改善しつつもなお緩和した状況のもとで、診療代などが前年比押し上げに働かなくなるにつれて、小幅のマイナスで推移すると予想される。」


2004.4.9「イラクで日本人3人が拘束される」

イラクで日本人3人が拘束された。人質解放の条件はイラクに派遣されている自衛隊が3日以内に撤退すること。政府はこの要求には応じない考えを示した。イラク情勢の緊迫化に日本も完全に巻き込まれてしまった。政府が今後どのように対応するのか注意深く見守っていきたい。債券相場への直接の影響はないにしろ、株や為替が大きく動く可能性もある。それによって債券も揺れ動く可能性もある。


2004.4.8「10年国債の競争入札比率を5月債から85%に引き上げ、引き受け手数料は23銭に引き下げ」

10年国債の競争入札比率を5月債から85%に引き上げ、引き受け手数料は23銭に引き下げられると財務省筋の情報として流れた。昨年度もやはり5月債から競争入札比率を75%かに80%に引き上げられていたが、その際、手数料は据え置かれた。今回は手数料もシ団引受の縮小とともに引き下げられるようである。手数料は前回引き下げなかったことで、39銭の15/25相当の23銭となった模様。


2004.4.8「リンク」

「平成15年度予算の後年度歳出・歳入への影響資産」

「ムーディーズ、日本の外貨建て政府債務格付けをAa1からAaaへの引き上げ」


2004.4.8「ムーディーズは日本の外貨建て政府債務格上げ」

7日、米国大手格付け機関のムーディーズ・インベスターズ・サービスは、日本の外貨建て政府債務格付けをAa1からAaaへの引き上げを発表した。1998年11月17日にムーディーズは、日本政府が発行もしくは保証する円建て債券の格付け、及び日本国の外貨建て債務及び預貯金に対するカントリーシーリングを、それぞれAaa(トリプルA)からAa1(ダブルA1)と最も高い段階から、一段階引き下げており、外貨建てについてはそれ以来の格付け変更となる。ちなみに日本の外貨建て政府債務は、日本政策投資銀行、国際協力銀行、公営企業金融公庫、中小企業金融公庫、日本道路公団、東京都の政保債である。

円建て債券の格付けに関してムーディーズは、2000年9月8日には、Aa1からAa2(ダブルA2)ともう一段引き下げ、2001年12月4日にはもう一段格下のAa3(ダブルA3)にまでに引き下げた。そして、2002年5月31日には、A2まで二段階引き下げた。日本国債の格下げの理由として、「日本の政策では国内債務の持続的悪化に歯止めがかけられないため」といったことをあげている。

問題は今回の格上げの理由である。ムーディーズは格付け変更の理由として、「日本の外貨準備高が急増」したことを要因としているのである。外貨建て債務なので外貨が豊富ということは返済可能というのが理由なのか。そもそも外貨準備が急増したのは大規模な介入による要因がかなりあり、加えて介入資金はFBというかたちで調達している。しかも、日本の外貨準備高は格下げ当時も高水準を維持しており、日本国債の格下げに対して財務省から出された意見書にもそれは明記されていたはずである。

3月24日にはやはり大手格付け会社のS&Pが日本の格付け見通しをネガティブから安定的に引き上げていたが、その大きな理由は、日本の経済成長見通しが名目・実質ともに改善しているためとしている。ムーディーズが国内債務残高を主な理由にしていたことに対して、S&Pは構造改革の遅延を理由にしており、ここにきての景気回復によってとりあえずアウトルック(見通し)の変更を行ってきたものと思われる。

しかし、ムーディーズは日本の景気回復とかを要因としたのではなく、無理やり理由付けしたような外貨準備高の急増としたのは、結局、日本経済への見方の変化によって、将来、円建て債券の格付け変更のための地ならしをしたと見えなくもない。ただ、今回のムーティーズの格付け変更によって、格付け会社に対しての信頼性を疑問視する声もさらに強まるのではないかとも思われる。


2004.4.7「消費者物価指数」

昨年10月以降の消費者物価指数(除く生鮮食料品)の前年同月比を見ると、10月0.1%、11月0.1%、12月0.0%、1月−0.1%、2月0.0%となっている。さすがに安定的にゼロ以上にはなっていないもののここのところはゼロ近辺で推移している。そして10月以前のデータから比較してその下落幅が次第に縮まっていることがわかる。これが今後、ゼロを上回って推移するのかどうか、予測は難しいもののその可能性は強まってきていると考える。

消費者物価指数がゼロ近辺にまで戻ってきた背景はもちろん景気の回復によるものと考えられる。実質個人消費も昨年10月は前年比マイナスであったが、11月以降はプラスを続けており回復基調にあることがわかる。閏年要因もあるが2月の全国百貨店売上は+2.3%となっている。4月7日の日経新聞によると2003年度の新車販売実績で高級車の売行きが目立だっており、ゴールデンウイークの旅行予約も国内で3年ぶり、海外で4年ぶりに前年を上回る見込みとも伝えている。こういったものから読み取れるのは、株価の上昇などを背景にして消費マインドが変化しつつあるということであろう。

ただし、消費するには収入も考えなければならない。毎月の勤労統計の賃金を見ると全体でのマイナスが10〜12月にかけて継続している。ただし、規模が30人以上の企業は昨年5月以降そして製造業は同1月以降、プラスが継続している。足を引っ張っているのが、卸小売業とサービス業である。それでは、第三次産業指数の1月の数値を見ると、季節調整済みで前月比+2.6%となっている。そして、このうちのサービス業も+2.5%となっている。加えて4月1日発表された日銀短観においても非製造業は大企業・中小企業ともに5ptの改善となっている。

時系列のデータを見ても大手輸出企業主体の景気回復の裾野は非製造業にも広がりつつあるところと考えられる。もちろんもう少し様子を見る必要もある。これはいずれ卸小売業やサービス業の賃金にも影響し、さらに個人消費を高める要因になり消費者物価指数へ波及しよう。

ただし、いくつか問題も残る。そのひとつが景気回復の牽引役となっている大手輸出企業の業績が今後も拡大傾向を続けられるかどうかである。中国経済や米国経済の動向が気になるところではあるが、金融引締めの影響はあるにせよ、これまでの中国の景気動向を見てもこれが突然大幅にスローダウンすることも考えづらい。米国に関しては大統領選挙とテロという不確定要素があるものの、雇用の回復期待も出ており利上げの懸念すら出ている中での景気の腰折れも考えづらいのではないかと思われる。 景気の先行きを見通すには、かなり不確定要素も多く、相場の先行きを読む以上に難しさもある。ただし、各種経済指標を相場のチャートに例えて見るならば、消費者物価も上昇トレンドにあると見て良いのではないかと思う。


2004.4.7「ムーディーズは日本の外貨建て政府債務格付けをAa1からAaaに引き上げ」

ムーディーズは日本の外貨建て政府債務格付けをAa1からAaaへの引き上げを発表した。日本の外貨建て政府債務は、日本政策投資銀行、国際協力銀行、公営企業金融公庫、中小企業金融公庫、日本道路公団、東京都の政保債である。ただ、問題は格上げの理由である。ムーディーズは格付け変更の理由として、「日本の外貨準備高が急増」したことを要因としている。外貨建て債務なので外貨があるということは返済可能というのか。そもそも外貨準備が急増したのは介入による要因がかなりあると思うのだが・・・。


2004.4.6「長期金利へのコメント」

「長期金利、現状では悪い上昇とは思っていない」と竹中担当相、「経済全体が良くなってくると、金利にも少しずつ現れてくる」谷垣財務相、「金利上昇、企業経営への影響は限定的」と経済同友会幹事。本日は政財界から長期金利の上昇を容認するようなコメントが相次いだ。もちろん景気回復に伴なうという前提条件付きかと思うが、それだけ景気の回復に自信を深めてきたともいえるのか。ただ、谷垣大臣はわかるが、何ゆえ竹中さんや経済同友会幹事までが長期金利に言及したのであろうか。

かなり穿った見方となるかもしれないが、これらは日銀への配慮とも受け止められないであろうか。日銀は現状、市場へのインパクトに配慮して量的緩和の出口政策については具体的な言及はしていない。しかし、これだけ景気回復への期待が広がり株価も上昇しているとなれば密かに量的緩和からの出口を探っていると考えてなんらおかしくはない。むしろ考えていて当然と思われる。

ただし福井総裁は政財界などをかなり意識してこれまでの金融政策も実施してきている。必要以上の緩和策とも思われるが、その分、政財界からの評価も高まっている。しかし、必要以上の追加緩和は量的緩和解除をさらに困難にさせる働きとなる。このため、少しでも日銀が動きやすい配慮をし始めたと取るのは早計かもしれないが、絶対ないとも言い切れない。今後も日銀関係者も含め、政財界の関係者からの金利動向に関するコメントには注意を払っていきたい。


2004.4.6「LOHAS」

ロハスという聞きなれない言葉が密かに浸透しつつあるとか。LOHASとは、Lifestyles Of Health And Sustainability の略語であり、地球環境と人間生活の持続可能性を大切にする価値観を総称した言葉である。スローフードとかスローライフといった言葉に近いが、スピードを主体に問題視するものではなく、多角的に見た自然との融和を図るものなののようである。


2004.4.5「3月米雇用統計を受けて10年債1.5%、日経平均は12000円台を回復」

非農業雇用者数が予想を大幅に下回った2月の雇用統計で「年内の」利上げ懸念が後退といった記事を読んで、そんなものなのかと思ったが、今度は予想以上の伸びで、利上げ懸念で米債が急落するというのも、そんなものなのか。経済指標に敏感になっている米国市場特有の動きともいえるのかもしれない。

そして日本の株や債券の大台越えも結局、外部要因によるものとなってしまったというのも、そんなものなのか?。日経平均は2002年5月27日以来となる12000円の大台を回復し、10年債の利回りも2003年11月11日以来の1.5%をつけた。債券先物も再び137円を割り込んでいる。

本日の日経新聞の経済教室は日銀の須田審議委員の書かれたものであった。前回の追加緩和の反対票のお一人であり、出口政策についてのコメントに興味はあったが、さすがに踏み込んだ内容にはなっておらず、日銀の正式コメントの範囲内?といったものであった。量的緩和解除のタイミングはかなり慎重になっていることがこれからも伺える。

ただ、ひとつ気になったのはデフレについてである。「インフレ率がマイナスからプラスとなっても経済構造も実体経済も連続的にしか変化していかないと思っている」と須田審議委員はコメントされているが、あまりに当然なことを何故に強調されているのであろうか。

いきなりインフレになることはオイルショックの例とかあるにしろ現状考えづらい。しかし、連続的変化の傾きとか居所は重視されないのであろうか。物価がマイナスのまま右肩下がりになっている際には、非常時の金融緩和策も結果としては必要だったと思われる。しかし、消費者物価指数を見てもそれが底打ちし上昇基調となりプラス近辺に浮上しつつある。

しかも日銀も景気の判断を上方修正しているように、目に見える流れは物価を押し上げつあると見てはいけないのか。そうだとすれば少なくとも異常時の対応はあまり続けるべきものではないのではないか。今の日本経済が正常化しつつあると見るのも時期尚早といえるのか。

連続的な流れというのは得てして、ずっとその流れを見ている者のほうがその変化に気がつきにくい。例をあげれば子供の成長であろう。家族は毎日一緒にいるためその成長の度合いを感じにくい。しかし、時間を置いて見た人はその成長度合いに驚く。このため日銀が間違った政策をとりやすいとか言うのではないが、慎重すぎて機を逃す懸念はないのかというのは考えすぎなのであろうか。


2004.4.5「2004年度の債券相場展望」

先週末に発表された米雇用統計の非農業雇用者数が30万人と予想を大きく上回ったことで、米国の利上げ観測が再度強まり、米債は売られ10年債は一時4.17%に利回り上昇した。これを受けて債券先物は本日再び一時137円を割り込み、10年債は1.5%をつけている。ここは大きな節目ではあるが、債券先物の日足のチャートからも通過点に過ぎないようにも見える。新年度入りして相場は早くも動きを見せ始めているが、今回は新年度入り後の債券相場の動向を予測してみたい。

その前に簡単に昨年度の債券相場を振り返ってみる。債券先物のチャートを見ると、昨年の4月10日の142円40銭を底にして先物はじりじりと上昇し、6月10日に145円09銭の高値をつけた。これは日本のデフレの長期化観測によるものであった。6月6日には5年国債の金利は0.145%まで低下し、資金はさらに長期の国債に向かい、6月11日に10年国債は0.430%、20年国債も0.745%にまで低下したのである。ところが堅調な米国債がFRBによる大幅な利下げ期待の後退で売られたことや、米国株式の上昇を受け、日経平均も上昇し9千円台に乗せるなどやや外部環境が変化した。             

そのような中での債券急落のきっかけは国債の入札であった。6月17日の20年国債入札では落札結果は悪くなかったもののセカンダリーの動きを見ると大手投資家が買いを手控えていた。そして7月3日に実施された10年国債の入札は結果自体がかなり不調なものとなり、長期金利は完全に上昇基調となった。7月4日に10年251回は1.40%まで利回りが上昇した。

その後は、日経平均の反落などによって債券相場は切り返し、8月7日には10年債は0.9%を割り込んだ。しかし、8月12日に発表された4〜6月期実質GDPは年率+2.3%と予想以上の良いものとなったことなどから、日経平均が切り返し、また米国債も大きく売られはじめたことで、9月上旬に10年債は1.66%、5年債も1%台をつけた。

この後は投資家の押し目買いも入り、加えて1月20日の日銀による追加緩和により、長期金利は低下し2月20日には10年債で1.2%を一時割りこんだ。しかし、2月18日に発表された10−12月期GDP第一次速報値が年率+7.0%株価の上昇となるなど景気回復を示す数値が出てきたことで、日経平均株価も11000円台に乗せ、10年国債の利回りは3月末に1.5%近くまで上昇したのである。

そして次に今年度の債券相場の展望であるが、4月1日に発表された日銀短観を見ても、景気回復の裾野が広がっていることが確認された。景気は本格的な回復基調となっていると思われ、2003年度の債券相場は超低金利の最終局面であったと見ている。そして2004年度は景気回復、デフレ脱却を背景にしての長期金利は上昇局面への移行期になると考えている。

1990年以降、バブルの崩壊、不良債権問題、金融システム不安、デフレの台頭などによって日本経済はかつてないほどの打撃を蒙った。不動産価格や株価が急落した。これに対応するため当初は財政政策が取られたものの、思ったほどの効果が得られず、むしろ巨額の政府債務だけが残ったといえよう。また日銀も金融政策においてゼロ金利政策や量的緩和策など非伝統的手段を講じなければならないといった、政府・日銀にとってまさに非常時の対応を行ってきたのである。

加えて、小泉首相による構造改革は景気にとってはマイナスでしかないとの見方も強かった。財政構造改革で政府による景気刺激策が絞り込まれてしまったからとの判断である。景気低迷はかなり続くとの見通しは強かったが、その認識は徐々に変化し始めていた。それは、小泉改革は結果として政府の役割の後退とともに民間の活力を引き出すこととなったためである。企業業績が輸出の伸びに加え、リストラなどにより急回復したのである。米国経済の回復に加えて、デフレ輸出国とも言われた中国経済の急成長が、今度は日本経済にとっての追い風となったことが大きい。日本の対中貿易を見ても中国への輸出が中国からの輸入を上回ってきている。

ただ、日本経済の低迷期が長すぎたことで、日本経済の回復についても疑心暗鬼になっている市場参加者も多いのも事実である。米国経済や中国経済が年内に腰折れするといった見方も強い。デフレの解消についても少なくとも疑問視する声も強い。しかし、デフレはそもそも「物価下落が2年以上継続している状態」といったような定義となっているが、最近の消費者物価指数などを見ても前年同月比ゼロ近辺に浮上している。これが一時的な現象とも思えない。原材料費の高騰が製品価格へ転嫁され、また原油価格の上昇も物価を押し上げる可能性も強いためである。

また、日本の輸出産業の回復度合いは我々の想像すら越えるものであり、これが一時的な現象であると見ることの方が難しく感じる。また、中国の経済成長もこれからさらにインフラ整備が進み本格化する可能性もある。米国は大統領選挙が不確定要因ながらも極端に景気が減速することも現時点では考えづらいのではなかろうか。先週末の雇用統計を見ても米国では利上げする可能性もある。

ただし、日銀は長期金利の急騰を招きかねないとの配慮などから、量的緩和策の解除にはかなり慎重な姿勢を続けている。このため、2004年度中の量的緩和の解除は、ペイオフの完全解禁も控えて、現在のところは考えづらい。しかし、2005年度に入ればその可能性が強まってくるものと考える。 2004年度の債券相場はこういった景気回復、デフレ脱却期待を背景に、長期金利は緩やかに上昇し、10年債利回りで年度末にかけて2%を目指してくるものと考えている。2%接近の際は当然ながら量的緩和解除を織り込んでのものとなろう。ただし、実際に量的緩和が解除されない限り2%を大きく超えて10年債の利回りが上昇するということも考えづらい。やや、オーバーシュートしても2.2%あたりが限度となると見ている。2%程度までの上昇ならば、国債需給への影響もそれほど大きくないと思われる。


2004.4.2「さくら」

弊社オフィースのある九段界隈が最も賑わうのが桜の季節である。東京の桜の開花宣言が出される靖国神社の桜や有名な千鳥が淵も近い。外堀通りの桜もなかなか見事であり、仕事の行き帰りは上を見ながらきょろきょろとしてしまう。

これまで見た桜の中で今も記憶に鮮明に残っているのは、古都京都の円山公園の夜桜と、大学入学式当日東横線の車窓から見た多摩川土手の桜であった。誰でもひとつやふたつそんな記憶に残る桜を持っているのではなかろうか。

東京の桜の見頃も今週末ぐらいまでかもしれない。近くの女子大は入学式だったようで、なんとか間に合ったようである。そうはいってもまだ来週も花は残っていると思う。もし九段近くにいらした際には、弊社にもお立ち寄りいただけたらとも思う。


2004.4.1「春の個人向け国債」

3月10日から30日まで販売した第6回個人向け国債(4月12日発行)の民間金融機関の販売(予約受け付け)額は、過去最高の1兆3,507億円に達した模様である。郵便局への割り当て分の1,250億円もすでに完売しており、合計で1兆4757億円となった。これは最終的な発行額は1兆3,951億円であった第5回も上回り過去最高となった。この好調な売れ行きを受け、財務省は2004年度の個人向け国債の発行額(2兆1000億円)の上方修正を検討するそうである(一部、読売新聞より)。


2004.4.1「春の個人向け国債」

3月10日から30日まで販売した第6回個人向け国債(4月12日発行)の民間金融機関の販売(予約受け付け)額は、過去最高の1兆3,507億円に達した模様である。郵便局への割り当て分の1,250億円もすでに完売しており、合計で1兆4757億円となった。これは最終的な発行額は1兆3,951億円であった第5回も上回り過去最高となった。この好調な売れ行きを受け、財務省は2004年度の個人向け国債の発行額(2兆1000億円)の上方修正を検討するそうである(一部、読売新聞より)。


平成16年3月分 平成16年2月分 平成16年1月分 平成15年12月分 平成15年11月分 平成15年10月分 平成15年9月分 平成15年8月分 平成15年7月分 平成15年6月分 平成15年5月分 平成15年4月分 平成15年3月分 平成15年2月分 平成15年1月分 平成14年12月分 平成14年11月分 平成14年10月分 平成14年9月分 平成14年8月分 平成14年7月分 平成14年6月分 平成14年5月分 平成14年4月分 平成14年3月分 平成14年2月分 平成14年1月分 平成13年12月分 平成13年11月分 平成13年10月分 平成13年9月分 平成13年8月分 平成13年7月分 平成13年6月分 平成13年5月分 平成13年4月分 平成13年3月分 平成13年2月分 平成13年1月分 平成12年12月分 平成12年11月分 平成12年10月分 平成12年9月分 平成12年8月分 平成12年7月分 平成12年6月分 平成12年5月分 平成12年4月分 平成12年3月分 平成12年2月分 平成12年1月分 平成11年12月分 平成11年11月分 平成11年10月分 平成11年09月分 平成11年08月分 平成11年07月分 平成11年06月分 平成11年05月分 平成11年04月分 平成11年03月分 平成11年02月分 平成11年01月分 平成10年12月分 平成10年11月分 平成10年10月分 平成10年9月分 平成10年8月分 平成10年7月分 平成10年6月分 平成10年5月分 平成10年4月分 平成10年3月分 平成10年2月分(その2) 平成10年2月分(その1) 平成10年1月分(その2) 平成10年1月分(その1) 平成9年12月分 平成9年11月分 平成9年10月分 平成9年9月分 平成9年8月分