福間年勝審議委員は島根県金融経済懇談会における講演において、「市場との対話の重要性」について次のようにコメントしている。
「日本銀行の経済・物価情勢に対する見方を明示し、その下で金融政策を実施し、それらに対する市場の反応を、市場メカニズムを通じて、具体的には、債券相場の動きやインプライド・ボラティリティの動き、あるいは短期の金利先物市場の動向等を通じて把握する。そしてそれが日本銀行として方向感の強弱に違いがある場合には、再び原点の実体経済に立ち戻って、自らの見方・考え方を点検する。」
債券市場は思惑で揺れ動く。そしてある種の流れが生じると一方向に流れやすくなる。6月に1.9%台まで長期金利が上昇したかと思えば、ここにきて1.3%台にまで利回りが低下した。どちらの流れが正しいというより、どちらの流れもまさに市場参加者の相場観の揺れを示しているものと思われる。今回、この長期金利の動きについては日銀関係者からはあまりコメントは出ていなかった。
また、福間委員は景気の先行きについて次のようにコメントしている
「景気の先行きについて、私は、昨年度下半期の年率6〜7%というペースは無理にしても、最終的には日本銀行が本年4月に発表した今年度の成長率予想を上回るペースで景気が回復を続けると予想しています。」
日銀は引き続き日本経済の回復基調は持続するとしながら、コアCPIは水面下におり、量的緩和の解除時期については推測すらむずかしくなっている。日銀も機械的に解除するのではなく、解除条件にはかなり思惑の部分があるため、さらに推測を難しくさせている。
ただ、このまま景気が腰折れするのならば、さらなる長期金利の低下はありえるのかもしれないが、福間委員はじめ日銀の景気に対する見方が正しとすれば、いずれば物価にも波及して、デフレ脱却の道筋が開ける。その流れの方向にあるということは言えるのではあるまいか。そうであれば、長期金利はなだらかに上昇すると思われるのだが。
ひとつのものを作り上げるのには知恵、労力そしてタイミングといったものが必要になる。しかし、それがかたち作られるとそれを維持することに力が注がれ、それを守ることが優先される。ところが時間が経過し周りの状況が変化すると、そのかたち、存在によっていろいろなゆがみが生じる。そして、いずれ既得権を守る側と破ろうとする側との対立を生むこととなる。今回の郵政民営化についても同様であろう。郵政民営化などに注力を捧ぐベキではない、優先順位が違いだろうとかの意見も確かにある。しかし、これまで日本経済を支えていたシステムが疲労を起こし、再構築する際には郵政の問題もいずれ避けては通れないはず。ヤマト運輸は果敢にも郵政公社を提訴した。このこと自体の是非はともかく、これによって郵政民営化に対して新たな視点を投げかけてくるであろうことは確かであろう。小泉改革とは実際に改革することではなく、何を改革するのかを認識させることに意義があったように思われる。
日銀は民間金融機関に対して国債を貸し出す「国債補完供給」オペ(国債レポオペ)を初めて実施した。予定額は25億円。即日スタートで期日は9月29日とオーバーナイト。売却対象は20年62回債。13時45分締め切り、14時ごろに結果が公表される。この品貸しオペは流動性供給を目的に日銀が保有する国債を民間金融機関3社以上から要請があった場合に一時的に貸し出す仕組。4月9日の日銀金融政策決定会合で決定された。
「補完供給を目的として行う国債の買戻条件付売却基本要領」の制定等についてhttp://www.boj.or.jp/seisaku/04/mok0404a.htm
国債市場特別参加者制度が10月より開始される。10月1日にはこの特別参加者が発表される予定だが、スタートを前にして国債市場特別参加者制度について見てみたい。
国債市場特別参加者制度の主な目的・機能は、国債の安定消化促進と国債市場の流動性、効率性、競争性、透明性及び安定性の維持・向上である。これまで国債の安定消化に大きな役割を果たしていたのが、国債引受シンジケート団であった。しかし、シ団の形骸化も指摘されていた。1998年末の資金運用部ショックといわれる国債需給悪化を背景にした債券急落をきっかけとして、新たに設けられたのが「国債市場懇談会」であった。ただし、この国債市場懇談会はあくまで財務省理財局長の勉強会との位置付けであり、これに対して国債市場特別参加者制度は省令に基づく正式な制度となる。
「国債市場特別参加者制度」において、その参加者に対しては責任が求められる反面、資格も得られる。責任としては、まずすべての国債の入札で、「相応な価格」で発行予定額の3%以上に相応する額を応札しなければならない。落札額も超長期国債・長期国債・中期国債についてはそれぞれ1%以上、短期国債は0.5%以上の落札責任がある。また、国債流通市場に十分な流動性を提供することも求められる。毎週、自らのアウトライト取引(日計り売買)、債券先物取引、店頭オプション取引及び円金利スワップ取引等の取引の動向等について情報の提供が求められる。
資格については、四半期に一度開催される「国債市場特別参加者懇談会」に参加することができる。各年度の国債発行計画、各四半期の国債発行のあり方、国債に対する需要動向、国債の商品性のあり方、国債流通市場の動向等、財務省と意見交換等を行うことができる。これは、現在の国債市場懇談会と同様なものと思われる。なおこの国債市場懇談会は廃止される。
そして、競争入札と第T非価格競争入札と第U非価格競争入札に独占的に参加できる。第T非価格競争入札と第U非価格競争入札とは流動性供給入札であり追加発行のための入札とも言える。10月14日の5年国債入札からこの追加入札がスタートする予定となっている。対象銘柄は2年、5年、20年、30年のそれぞれ利付国債と10年物価連動国債、15年変動利付国債。入札のスケジュールとしては14時に通知、14時半締め切り、15時半に結果発表となっている。発行価格は2年、5年、20年は平均落札価格。10年物価連動国債、15年変動利付国債と30年利付国債については発行価格となる。
また、国債の買入消却(バイバック)のための入札に参加でき、ストリップ債の元利分離・元利統合の申請を行うことができるのも特権となる。
2004年6月末の国の債務残高は729兆2281億円、過去最高を更新した。内訳としては、内国債が571兆4271億円、借入金が57兆9103億円、政府短期証券が99兆8907億円となっている。
22日に麻布において「」ねこやんさんのホームページ100万アクセスパーティーが開催され私も参加させていただいた。金融関係者ばかりでなく自動車レースの関係者など100名以上の参加者が集うという盛大なパーティーで、とても楽しませていただきました。チャリティーオークションのメインゲストは、なんと元F1レーサーの片山右京選手。ねこやんさんがおっしゃったように、まさにナイスガイ、しかも太っ腹(?)。いろいろな意味で本当にすごい方で一目でファンになりました。これからの片山選手のご活躍をお祈りいたします。レースクイーンの方々も花を添えられ、まさにこれぞパーティー。ねこやんさん、200万アクセス記念パーティーもぜひ参加させてください。そして、これからもがんばってください。
10月以降の15年変動利付国債及び物価連動国債の増加等について財務省より発表があった。15年変動利付国債は隔月に1.1兆円ずつ発行されているが、これが11月以降1.3兆円に引き上げられ、下期トータルで6千億円程度の増発となる。物価連動債は年2回発行となっており、すでに上期で3千億円発行されている。下期はこれが5千億円程度に引き上げら12月に発行される見込みとなっている。これにより15年変動利付国債は都合6千億円、物価連動国債は2千億円の増加が予定されている。これにともない2004年12月以降、1年TBについては毎月1千億円ずつ(計4千億円)、6か月TBについても毎月1千億円ずつ(計4千億円)減額される。
短期証券を除いた公社債投資家別の売買高において、都銀は3兆7,554億円の大幅売り越しとなり、反面、外国人が2兆2,803億円の買い越しとなった。同時に発表された国債投資化別売買高を見ると、都銀は中期債を2兆8,269億円差し引き売却しており、外国人は中期を1兆2,851億円、長期を8,341億円の買い超となっていた。
平素はたいへんお世話になっております。弊社、RPテック株式会社は株式会社フィスコと株式交換により、株式会社フィスコの完全子会社となりました。このため9月21日より、私、久保田は株式会社フィスコのリサーチ部門に転属となります。その際に「債券ディーリングルーム」の運営等につきましての変更はございません。これまで通り、更新を続けさせていただきます。但し、新オフィースに移転するため21日より連絡先が下記に変更になります。
〒102−0073
千代田区九段北4−1−28
九段ファーストプレイス7F
直通 03−5212−8749
また連絡先メールアドレスも変更の予定ですが。当面、現在のアドレスを使用いたしますので何かございましたら、
hkubota@rptech.co.jp
上記アドレスに御連絡いただければと思います。
今後も「債券ディーリングルーム」ともども何卒よろしくお願いいたします。
「上司は思いつきでものを言う」という題名の本があったように思うが、なかなか妙を得ている。その思いつきが良い「ひらめき」であれば良いのだが、多くは余計な仕事を増やすだけとなって仕事の効率化を妨げる。相場でも余計な口出しをされて閉口するケースも多いはずである。ただ、その「思いつき」ではなくて「ひらめき」が的を射たものであれば、思わぬ効果を生むこともありうる。その良し悪しも実行してみなければ実際にはわからないだけにやっかいなものでもある。
泥棒マニュアル本の著者が泥棒で捕まったそうである。自らの泥棒の経験を生かして(?)執筆したマニュアル本は警察も参考にしていたとか。その一部が新聞などで紹介されていた。
空き巣に入られないための注意事項
・日ごろから隣人と仲良くする
・テレビをつけて音を大きくしておくと、人が居るとあきらめる
・縁側のカーテンは開けておく。閉めると留守を証明しているのと同じ
・警備会社と契約するか、金がない場合は契約を示すマークを張る
・犬を飼うなら2匹飼って玄関と裏口に
・戸や窓を開けるとベルが鳴り響くようにするのが一番
・「猛犬注意」の張り紙は愚の骨頂。本当に飼っていればその必要なし
・模造品でも防犯カメラを取り付ける。空き巣は顔を隠していないから敬遠する
さすがにプロ(?)だけあって、納得させられるものばかり。しかし、この著者、そろそろ本業(?)は卒業してほしいような気もする。
2004年3月末と比較してみると、増加額は国内銀行が、59,438億円と最も多く、次に、公的年金の30,816億円、民間生命保険の22,076億円、ディーラーのブローカーの19,625億円となっている。これはあくまで金額のみの数字であって、どういった国債を買いつけているかまでは分からない。ただ、6月は相場が急落した月でもあり、国内銀行の増加分は変動利付債や中短期債主体ではなかったかと推測される。反面、生保などは継続的に超長期主体に買いを入れていたことがわかる。また、投資家の売却を引き受けた業者の在庫も膨らんでいたようである。
反対に減額していたのは財政融資資金の39,844億円、これは財投改革によるものである。ただし簡易保険が36,362億円減少していたのは、残高そのものが大きく減少した可能性がある。そして海外が24,253億円減少したが、これは日本の金利上昇観測の強まりにより、売りを入れてきたためと思われる。
国債残高合計、5,759,771(単位、億円)
銀行など民間預金取扱機関、1,270,368、22.1%
郵便貯金、869,377、15.1%
日本銀行、847,112、14.7%
民間の保険・年金、695,129、12.1%
財政融資資金、495,202、8.6%
簡易保険、491,040、8.5%
公的年金、437,722、7.6%
投信など金融仲介機関、201,252、3.5%
海外、189,316、3.3%
家計、157,468、2.7%
その他 105,785 1.8%
2004年3月末比(参考)
3月比、プラス60,515億円
<内訳>
国内銀行、59,438
公的年金、30,816
民間生命保険、22,076
ディーラー・ブローカー、19,625
中央政府、16,511
家計、12,100
証券投資信託、8,317
民間損害保険会社、5,594
在日外銀、4,299
中小企業金融機関等、3,319
単独運用信託、2,458
企業年金、1,446
対家計民間非営利団体、1,309
ノンバンク、1,258
共済保険、846
その他年金、569
地方公共団体、167
その他社会保険基金、-115
合同運用信託、-187
非仲介型金融機関、-2,244
農林水産金融機関、-3,023
中央銀行、-5,191
郵便貯金、-5,226
非金融法人企業、-5,332
政府系金融機関、-7,856
海外、-24,253
簡易保険、-36,362
財政融資資金、-39,844
10月以降の所謂下期に、15年変動利付国債と物価連動国債が増発される見込みとなった。インフレに連動するタイプの国債は、今後の長期金利上昇への懸念から投資家ニーズが強いと言われている。来年度の国債増発もこれらインフレに連動するタイプの国債で対応されるとの見込みであるが、投資家からの増発要望もあって事前に発行額を引き上げておこうとの配慮かと思われる。15年変動利付国債は隔月に1.1兆円発行されているが、これが1.3兆円に引き上げられ、下期トータルで6千億円程度の増発となる。物価連動債は年2回発行となっており、すでに上期で3千億円発行されている。下期はこれが5千億円程度に引き上げられる見込みとなっている。加えてやはりインフレ連動タイプの個人向け国債も現在募集中の8回債も7回債の1兆7700億円を越える勢いとなっていることから、今年度当初予定の2.1兆円から6兆円強に引き上げられる見込みのようである。
人間も状況によっては神経が過敏になって、些細なことにも反応してしまうことはよくある。相場も同様に神経質な展開となることは多く、そこを付け込む投資家もいる。まさにヘッジファンドの一部などがそうであろう。原油価格の上昇などもまさにそうであった。もちろん世界的な需要が伸びており、マーケット参加者が原油動向に過敏になればなるほど、投機的な動きが強まる。それがWTIなどにも現れた。イラクのパイプライン爆破の「噂」にも反応を示していたことなどがそれを示す。また、日本の最近の債券市場もやはりかなり神経質なものとなっている。これまで大きな反応を示したことのなかったはずの機械受注などにも過敏に反応するなどしたことがそれを示している。こちらは先行きの景況感に対しての見方が揺れ動いているのが要因と思われるが、原油価格の投機的な動きはここに来て下火になりつつあるものの、日本の債券市場は今後も神経質な展開は続きそうである。
朝方発表された4−6月期GDP第二次速報値は前期比+0.3%、年率で+1.3%となり、予想されたような上方修正ではなく、なんと下方修正された。今回のGDPの下方修正は、民間在庫投資の下方修正と公的資本形成の大幅ダウンが大きく影響し、+0%から+1.2%に上方修正された設備投資や堅調な個人消費のプラス要因を打ち消した形となっている。GDPの数字自体は景気減速を示すものと言わざるを得ないものの、内容はそれほど悪いものとも見えず、これによって景気が腰折れするとも思いにくいのだが。
今回もすでにテレビコマーシャルや新聞の広告などでご覧になっているかと思うが、大手証券会社中心に積極的に宣伝攻勢をかけている。大手証券の「募集もの」に対しての主力はすでに個人向け国債となっているとも聞いている。貯蓄商品のひとつとしてだいぶ認知度も高まってきており、個人の関心も高いものとなっているためと思われる。
2003年3月に始めて個人向け国債が発行される前に、私は週刊誌やマネー雑誌などを通じて個人向け国債の良さを一生懸命訴えてきた。しかし、その際の反応は鈍かったといわざるを得ない。債券関係者に聞いても、その商品性の良さは認めるが個人がそれをどれだけ理解できるのかとの声も強かった。
ただ、私はいずれ大手証券などがMMFなどで流出した資金を取り戻すための商品として、また販売額が巨額になると100円につき50銭という手数料も大きな収益源になりうるため、積極的な販売攻勢に出てくるであろうとの予想はしていた。しかし、それも第1回から3回債あたりの販売状況を見て、期待はずれかなのかと思った。しかし、さすがに長期金利が上昇をはじめ、初期利子が高くなったことでやっと個人は関心を示し、それに呼応するように大手証券は積極的な販売姿勢を強めたのである。個人向国債は徐々に有利な貯蓄商品として認知され始めているものと思われる。
本日より秋の個人向国債の募集が開始された。日経新聞によるとこの第8回個人向け国債の当初発行予定額は1兆7千億円となることを財務省は明らかにしたそうである。内訳は銀行や証券会社などの民間販売機関の当初販売計画は1兆4500億円。過去最高であった7月の民間販売額をすでに1300億円上回る。また、郵便局もやはの最高額となる2500億円の販売を予定しているとか。追加発行もみこまれていることから最終的な販売額は、前回の1兆7700億円を上回る見通しとなっているようである。
第8回個人向国債の発行条件は次のようになっている。
募集期間 平成16年 9月 9日(木)から 9月28日(火)
発行日 平成16年10月12日
初期利子(平成16年10月11から平成17年4月10日の期間の利子)は、0.74%
利払い日 毎年10月10日と4月10日の年2回
今回も大手証券会社中心に積極的に宣伝攻勢をかけている。大手証券の募集ものに対しての主力はすでに個人向け国債となっているようである。貯蓄商品のひとつとしてだいぶ認知度も高まってきており、個人の関心も高いものとなっている。個人向国債が発行される前に週刊誌やマネー雑誌などで個人向国債の良さを一生懸命訴えてもその際の反応は鈍かった。債券関係者もその商品性の良さは認めるが個人がそれをどれだけ理解できるのかとの声も強かった。ただ、私はいずれ大手証券などがMMFなどで流出した資金を取り戻すための商品として、また販売額が巨額になると100円につき50銭という手数料も大きな収益源になりうるため、積極的な販売攻勢に出てくるであろうとの予想はしていた。ただ、それも第1回から3回あたりまでの様子を見て、期待はずれかと思ったのだが、さすがに長期金利が上昇をはじめ、初期利子が高くなったことで個人は関心を示し、それに呼応するように大手証券は積極的な販売姿勢を強めた。長期金利は昨年6月に大底を打ったとも考えており、その意味でも非常にタイムリーな商品でもあった。その良さが認められたのはたいへんうれしいものの、反面、なんとなく寂しい気もする・・・。
昨日、セミナーの司会を担当させていただいた。台風通過にも関わらず100名程度の方が参加され、盛況な会となりましたこと、あらためて御礼申し上げます。今回、講師としてお越しいただいたのは、みずほ証券シニアマーケットアナリストの落合昂二氏と野村證券チーフクレジットアナリストの土屋剛俊氏。まず、お2人に今後の債券市場とクレジット市場動向についてご講演いただいた。土屋氏にはいきなりPCの電源が切れるというアクシデントがあったにも関わらず、見事にアドリブで対処いただいた上に場を和ませるというスーパー難度の技をご披露いただき、恐縮するやら驚くやらでした。もちろん御講演内容もたいへん充実したものとなり、ありがとうございました。最後のパネルディスカッションは私の司会進行さえもっとうまくできればとの反省もありますが、お2人の見事な受け答えをいただき無事終了できました。ご参加いただいた方々、あらためてありがとうございました。
猛暑の年は災害が多いといわれているらしいが、今年は台風の当たり年でもあり、浅間山が噴火し、昨日今日と東海地方で地震が続いている。台風も今回18号が九州に上陸したが、今年に入って7個目の上陸となって過去最高。オリンピックのメダルの個数の記録更新はうれしいが、台風の記録はご勘弁願いたい。18号による被害もかなり大きく、再上陸の可能性も高いそうで、引き続き十分ご注意を。19号も関東地方への上陸の可能性があるとか。そういえば我が家の近くの水田もすでに早めに稲刈りを終えているところもあったが、それはまだ一部。今年は豊作が期待されているそうだが、台風による影響も今後出てくる懸念もある。各所で大きな被害をもたらしている台風の影響にも注意しておく必要もありそうである。
本日財務省が発表した4−6月期の法人企業統計では、全産業の設備投資が前年同期比でプラス10.7%となり、1−3月期の同10.1%から伸び率が拡大した。これによりGDP全体として、不確定要素もあるものの前期比0.2〜0.3%程度上方修正されるとの見方が強まった。先週末の雇用統計と同様に、市場予想よりも下振れしなかったことでむしろ安心感が広がり日経平均は堅調地合いとなり、債券は反落した。過度な景気回復期待が削がれたものの、反面、過度な景気減速への懸念も薄れ、9月という決算月なども影響した今回の債券相場の反発も長期金利が1.5%を割ったところが、とりあえず相場としての戻り高値となりそうである。
大阪経済4団体共催懇談会における日銀総裁挨拶の中で、福井総裁は
「(日本の)高成長の大きな牽引力は、海外経済の回復であり輸出の増加であったことは事実ですが、そうした外部環境の好転だけで実現され得るものではなく、わが国固有の回復の基盤が整備されてきたことも大きな背景にあったと思われます」と述べている。
輸出依存だけでなく「固有の回復の基盤が整備されて」いることは今回の景気回復がITバブルのように一時的なものではないことを示している。加えて「こうした景気の回復が小幅とは言え物価の下落基調が続くもとで実現していることも興味深い点ですけともコメントし、量的緩和解除の条件となっている物価についてはおちついている点も強調した。
「過去の負の遺産の処理と同時に、IT技術を応用した戦略分野の開拓など、前向きのビジネス展開も進められています。その一つが、デジタル家電や環境対応製品分野等の成長です。地理的に近いアジア諸国との関係も、国際的な分業・集積体制を十分意識した上で、わが国が比較優位を有する分野に資源投入を集中し、これによって国内の生産性を高め競争力を確保する姿が明確になってきています。」
デジタル家電が成長の基盤となっていることは確かではあるが、ITバブル期とは異なり、日本のおいて「比較優位を有する分野」において生産性を高め競争力を確保しつつある。これは対中国も意識されてはいるが、デジカメや薄型テレビだけでなく、ハイブリッドカーなど環境対応製品にも高い技術力を有している面も見逃せない。
物価については総裁は次のようにコメントしている。
「この先物価情勢を判断していく上でのポイントは、生産性や賃金の状況に変化が生じるかどうかという点です。現在の生産性の向上の背後には、3つの要因があるのではないかと考えています。第一の要因は、過剰設備・過剰雇用等の調整に向けた企業の取組みや労働市場を含む様々な分野での規制緩和等によって、資源がより効率的に活用されるようになっていることですし、第二の要因はITを中心に技術革新が進展していることです。第三の要因は、景気回復期に一般にみられることですが、人や設備の稼働率が上昇し、生産性が高まるという要因です。このうち、最初の2つは、日本経済の潜在的な生産能力を高めるような構造的な変化をもたらし得るものであるのに対し、3つ目は循環的な要素であるという違いはありますが、いずれの要素も何がしか影響を与えていることは間違いないと思います。」
長い引用となったが、雇用や賃金だけでなく、生産性の向上についてかなり注目を置いていることが伺える。資源の効率活用・技術革新・人や設備の稼働率上昇との3つの要因に変化が見られるのかどうか。劇的な変化が生じる可能性は薄いとも思われ、この意味で物価が急激に上昇する懸念はないものと思われる。しかし、物価が今後さらに低下する可能性よりも緩やかながらも上昇する可能性の方が高いとも思われる。この点について総裁は「消費者物価の先行きについては、原油価格の影響はあるものの、秋口以降は昨年の反動で米価格の下落が予想されることもあって、引続き小幅の下落基調で推移するとみています。」としている。
最後に総裁は「勿論将来の課題としては、日本銀行当座預金を操作目標とする政策から短期金利を操作目標とする通常の金融政策へ、いずれ復帰していかなければなりません。当然のことながら、そうしたプロセスは2つの面から成り立ちます。金融機関は、所要準備として、法律等により約6兆円の当座預金を日本銀行に保有する義務がありますが、現在は、日本銀行の潤沢な資金供給を通じて、これを大幅に上回る30〜35兆円の当座預金を保有しています。こうした潤沢な資金供給は、金融機関の流動性調達に対する不安感を払拭することを通じて、金融市場の安定、ひいてはデフレ・スパイラルの防止に大きく貢献したと判断しています。将来、短期金利を操作目標とする政策レジームに戻っていく局面では、この日銀当座預金残高の圧縮が必要となります。他方、現在の金融緩和効果の大きな源泉である時間軸効果については、実質的にほぼゼロ%となっている短期金利をどのようなテンポで引き上げるかということが最も重要な点です。こうした対応を具体的にどのような手順や方法で実現していくのか、その際に、日本銀行の金融政策についての考え方をどのように明らかにしていくのが適当か、これらの点は私どもにとっても重要な課題です。どのような対応を取れば円滑な移行が実現できるのか、経済金融情勢等をしっかり踏まえながら、十分に検討していきたいと思っています」
これがまさにこれまで総裁のコメントにあった「工夫」意味であろう。あくまで量的緩和を先延ばしするための工夫ではなく、緩和解除に向けた工夫を考えておく必要性を強調したものと思われる。ただし、量的緩和解除の3つの条件をクリアーするという大きなハードルは引き続き存在している。
その後の記者会見の中では、総裁は景気と物価の乖離に関連して、次のようにコメントしている。
「生産性が上がってきているのは、実力としての潜在成長率が緩やかに上がってきている。そのなかで、金利をほぼゼロに据え置いているのは、経済の実力が上がっているのに、金利を低いところに押し留め続けるということ。修正を要する幅を時の経過とともに、大きくしていること」とのリスクをコメントしている。
そして、最近の長期金利の低下については、「(日本を含め米中の)経済指標が入り乱れて出ている。これに反応して、量的緩和の時間軸効果が市場に強く出ているのだろう」とコメントしているが、さらに「日銀と市場の景気認識がずれているとは思っていない。潜在成長能力は着実に伸びる局面にある。表面的な成長率が一時的に下がったように見えても、弱気一方の市場形成は修正される。長い目で見れば、実勢に合った金利が形成される」としている
このコメントは債券相場への直接的な材料視はされなかったが、実体経済(潜在成長能力?)に則した長期金利の上昇については、容認しているとも読み取れる。以前の福井総裁のコメントに対しては「?」という部分も多々あったが、ここにきてのコメントについてはほとんど違和感は感じない。
本日実施された10年国債入札の結果は、最低落札価格は100円75銭、平均100円76銭。また、割当予定額1兆 5,885億1,000万円に対して、104兆 4,474億円の応募額があり、応札倍率は65.75倍となり、これは10年債としては過去最高。みずほ証券が満額の4548億円落とした模様。この結果、基準金利となる複利利回りは1.54%となり、ここから0.8%を引いた0.740%が、9月9日から28日まで募集される秋の個人向け国債の初期利子となる。
また、この日がやってきてしまった。子供の頃は早くこないかなと楽しみに待っていた日ではあるが、歳を取るとなるべく早くこないように願ってしまう。1年間が感覚上歳を追うごとに短くなってしまうのでいたしかたないとはいえ、それにしても過ぎるのが早い。周りは知らず知らずに変わってきてしまう。自分の意識の変化が感じられないので、流れにおいていかれてしまっているのではないかとの恐さもある反面、肉体の変化は着実にやってくるのがさらに恐い。うれしさも中ぐらいなり誕生日。
平成16年8月分 平成16年7月分 平成16年6月分 平成16年5月分 平成16年4月分 平成16年3月分 平成16年2月分 平成16年1月分 平成15年12月分 平成15年11月分 平成15年10月分 平成15年9月分 平成15年8月分 平成15年7月分 平成15年6月分 平成15年5月分 平成15年4月分 平成15年3月分 平成15年2月分 平成15年1月分 平成14年12月分 平成14年11月分 平成14年10月分 平成14年9月分 平成14年8月分 平成14年7月分 平成14年6月分 平成14年5月分 平成14年4月分 平成14年3月分 平成14年2月分 平成14年1月分 平成13年12月分 平成13年11月分 平成13年10月分 平成13年9月分 平成13年8月分 平成13年7月分 平成13年6月分 平成13年5月分 平成13年4月分 平成13年3月分 平成13年2月分 平成13年1月分 平成12年12月分 平成12年11月分 平成12年10月分 平成12年9月分 平成12年8月分 平成12年7月分 平成12年6月分 平成12年5月分 平成12年4月分 平成12年3月分 平成12年2月分 平成12年1月分 平成11年12月分 平成11年11月分 平成11年10月分 平成11年09月分 平成11年08月分 平成11年07月分 平成11年06月分 平成11年05月分 平成11年04月分 平成11年03月分 平成11年02月分 平成11年01月分 平成10年12月分 平成10年11月分 平成10年10月分 平成10年9月分 平成10年8月分 平成10年7月分 平成10年6月分 平成10年5月分 平成10年4月分 平成10年3月分 平成10年2月分(その2) 平成10年2月分(その1) 平成10年1月分(その2) 平成10年1月分(その1) 平成9年12月分 平成9年11月分 平成9年10月分 平成9年9月分 平成9年8月分