「若き知」
「過去データは一番下に移行しました」


2004.10.29「日銀券」

週刊新潮に連載された小説「日銀券」が11月1日の新日銀券発行開始を前にした11月29日に新潮社より発売されます。日銀関係者の多くも読んでいたとも言われるだけに、ちょうど日銀の展望リポートの発表日とも重なり、マーケット関係者にとっても注目を集めそうです。小説「日本国債」の登場人物も何人か登場し、あの久保井氏も出てくるようです。ぜひお買い求めいただけたらと思います。11日4日の18時から大手町の丸善書店「丸の内本店」にてサイン会も開かれます。こちらもぜひおいでいただければと思います。


2004.10.29「10月東京都区部のCPI」

10月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は97.5と、前年同月比0.3%の下落となった。 原油価格の高止まりを受け、レギュラーガソリンが同13.6%、ハイオクガソリンも同12.2%上昇したが、パソコンなど教養娯楽用耐久財が同12.1%下落し、また東京電力による電気代の値下げが響いたと思われる。ただ、相次ぐ台風の被害でほうれん草やレタスなどの生鮮野菜が高騰し、生鮮食品を含めた総合指数は、前年同月比0.3%上昇し、1999年8月以来5年2か月ぶりのプラスだった。


2004.10.29「中国利上げ」

中国人民銀行(中央銀行)は、金融機関から企業などに貸し出す際の「法定貸出金利」を29日から、期間1年もので0.27%引き上げて年5.58%とし、、銀行に預け入れる際の「法定預金金利」も0.27%引き上げ1年もので2.25%とすることを発表した。1996年5月以降、1997年のアジア通貨危機に伴う景気後退への対応も含め連続8回にわたって法定貸出金利を引き下げており、今回の利上げは1995年7月以来、9年ぶり。また預金金利は1993年以来11年ぶりとなる。なお、公定歩合と金融機関の預金準備率は今回は引き上げなかった。


2004.10.28「市場動向からのインプリケーション」

福井日銀総裁は、10月22日に財務省の財政制度等審議会に日銀総裁としては初めて出席した。福井総裁はその挨拶において、日本の財政の現状について厳しい状況と言及しながらも「大量に発行された国債は、これまでのところ発行市場において概ね順調に消化されています」と、現在の国債市場において、財政赤字の増加に伴うリスク・プレミアムが発生していない点に着目している。

この点について総裁は市場動向からのインプリケーション(implication)として次のような2つの要因を示している。ちなみに「インプリケーション」とは、結論から論理的に導き出される考え予測といったことを示している。

「財政の状況は現在は確かに悪いが、政府が将来は財政収支の改善に向けて着実に取り組んでいくことに投資家は信認を置いている」

「投資家である金融機関は、将来の財政の状況をにらみつつも、当面の収益確保を優先して、取り敢えず安全な運用手段として国債に投資をしている」

第一の要因は、特に政治家あたりからのコメントとしてよく見られるものであり、ある意味教科書的な見方であろう。日本国債が信認されていることは事実であり、それは日本政府への信認でもある。ただその信認は民間金融機関などの投資家自信が強く抱いているものとは思われない。むしろその投資家に資金を預けている国民自体がまだ国債に対して信認を置いているためと思われる。そして国債を買っている投資家の中でも日銀を含めた公的機関については立場上、当然信認しているという側面もあろう。こういった投資家が国債の半分以上を保有しているというのも事実である。

そして、銀行や生保・年金といった大量の国債を買っている民間の金融機関のスタンスとしては、第2の要因が強いのではないかと思われる。日本の民間金融機関の資金運用は年金運用の多くがインデックス型運用であるようにサラリーマン的な要素が強い。「当面の収益確保を優先して、取り敢えず安全な運用手段」としてリスクフリーの国債主体に投資せざるを得ないということも確かであろう。

しかし、日銀総裁から「取り敢えず安全な」といったコメントが出てくるというのも面白いと思う。


2004.10.28「CPI」

CPIのウエイト


2004.10.27「台風と地震と米」

2004年産米(水稲)の10月15日時点の全国平均の作況指数(平年作=100)が98と、9月10日時点の101から下方修正され、2年連続で平年を下回ることが明らかになったと各紙が伝えている。これは9月末からの台風21、22号による影響が大きいものと思われる。また、この下方修正された数値も台風23号や新潟県中越地震の影響が加味されておらず、さらに下方修正される可能性もある。ただしすでに稲刈りはほとんど終了していると思われためどの程度影響するのかはわからない。高気圧ががんばり過ぎて真夏日の記録を作り、稲作には良い影響となったものの、それが影響して海水温が上昇し、日本列島は台風の直撃を10回も受けてしまった。今年の気候を象徴するかのようなコメの作況指数であった。


2004.10.26「福井総裁の財政審挨拶」

日銀の福井総裁は10月22日に日銀総裁としては初めて財務省の財政制度等審議会に出席した。その際の挨拶文が日銀のホームページに掲載されている。現在の国債市場を取り巻く現状について、的確かつわかりやすくまとめられている。福井総裁は第一回国債市場特別参加者会合にも出席しており、国債に大きく関係しさらに国債市場に大きな影響を与えうる日銀の総裁がこのような場に参加することはたいへん意義があるものと思われる。今回の挨拶分についてはのちほどレポート等にてコメントしたいと思う。


2004.10.25「補正予算」

政府・与党は新潟県中越地震や大型台風の被害拡大に対応するため、2004年度補正予算案を編成する方針を決めると新聞各紙が伝えている。毎日新聞によるとこの補正予算の編成はも「今年1月から10月15日までの災害被害報告額は7259億円となり」、新潟中越地震が発生しさらに災害復旧費が大幅に膨らむことが確実になったことによる。財源については「財源としての国債発行、決まってないが今後の検討課題」との細田官房長官のコメントもあったが、やはり毎日新聞が伝えているように2003年度決算で発生した剰余金1兆500億円を充てる可能性が高い。この剰余金は国債償還に回す予定のものではあるが、現在、国債の需給はそれほど逼迫しているような状況でもなく、補正予算編成に伴う債券相場への影響はほとんどないものと思われる。


2004.10.22「日銀の展望リポート」

10月29日に発表される日銀の「経済・物価情勢の展望」が注目されているが、10月20日の日経新聞は、政策委員が予測する2005年度の消費者物価指数が小幅上昇に転じる見通しとなったと伝えた。

発表前の報道ということであったが、この記事についてはマーケットでは比較的冷静に受け止められた。すでに読売新聞が同様の観測記事を流していたこともあるが、政策委員のこれまでの発言内容から、ある程度こういった結果になろうことが予想されていたためと思われる。

やや景気減速感も広がっているものの福井日銀総裁は「景気は回復を続けているし、先行きについても回復を続け、前向きの循環も明確化していくとみられる」と強気の姿勢を崩していない。武藤副総裁も個人的な見解と断ったうえで「17年度に消費者物価指数が前年比プラスになることを期待している」との発言もあった。また、岩田副総裁も「2005年度については、途中に紆余曲折はあっても、基本的には潜在成長率をやや上回る成長が持続するというのが私の予測である。」とコメントしている。このように2005年度については景気回復が持続するとともに消費者物価指数がプラスに転じる可能性について得に執行部3人の見方はほぼ一致していると見てよい。

ただし、9月8,9日分日銀金融政策決定会合議事要旨に「複数の委員は、物価動向と景気動向との乖離が改めてはっきりしてきたのではないかとの認識を示した」とのコメントもあったように、景気回復に物価が反応し難い姿を強調していた。このため、今回の展望では消費者物価についてプラス見通しには転じるものの、かなり慎重な姿勢で臨んでくるものと思われる。今回のリポート公表時に「量的緩和維持の姿勢が堅い」ことを表明するかまえであると日経は報じている。

この記事の前日、小泉首相が国会での答弁の中で「デフレ下で日銀は金利を上げないと思う」と発言した。首相自らが日銀の金融政策に言及するのは極めてめずらしい。この発言が日銀の展望レポートの内容を踏まえたものであるとみるのはやや読みすぎであろうか。


2004.10.21「日銀の生活意識に対するアンケート調査」

日銀が全国20 歳以上の個人4,000 人を対象に実施している世論調査「生活意識に関するアンケート調査」の今年9月分の結果が発表された。

景況感については前回6月調査に比べて若干改善されているものの、物価に対しては上がっているとの認識が後退している。9月8,9日分の日銀金融政策決定会合議事要旨にも「複数の委員は、物価動向と景気動向との乖離が改めてはっきりしてきたのではないかとの認識を示した」とあったが、これは庶民も漠然とながらも感じ取っているようである。1年後の物価についても、アンケートでは「少し上がると思う」という数値が前回の38.5%から35.4%に後退している。

10月29日に発表される経済・物価情勢の展望において、CPIの見通しについては小幅な上昇に止まるとの見方が多くなると予想されるが、これもアンケート結果の内容と大差ないものとなりそうである。

このアンケートで面白いのは日銀に対しての認知度である。確かに金融機関とかに所属していない限り、日銀がいったい何をしているのかといったことに対して関心を持っている方がそれほど多いとは思えない。ただし、アンケートの結果からは日銀の「発券銀行」としての役割を理解している人は多いようである。とはいえ、11月からの新券発行を14.6%の人が「聞いたことがない」と答えたのはやや驚きである。

「現在使われているお札は、新しいお札が発行された後も引き続き使うことができる」との問いに対しては9割以上が認識していた。「預金封鎖」などが叫ばれていたものの、それを本気で信じていた人はさすがに少なかったようである。 日銀の役割のひとつ「銀行の銀行」に対しての問いあたりから、理解されていない様子が伺える。日銀が「政府の銀行」であるということも、さらに理解されていないようであった。

かく言う私自信もこの基本的な日銀の役割を認識していなかったことがある。以前に「個人向け国債」について、米国のようにインターネットを使って直接財務省から購入できるようにすべきと主張していたのだが、これには大きな障害があることを見落としていたのである。つまり日銀は「政府の銀行」であるため国債の決済を行っている。そして日銀は「銀行の銀行」であり個人は日銀に直接口座を持つことは現状できない。つまり個人向け国債を財務省から直接購入するためには日銀に個人が口座を持つことが必要になってしまう。このため実現がそう簡単にはいかないことがわかったのである。

結局、日銀の役割などに関心を持ってもらうことも大事ながらも、一番大切なのは日銀の信用を維持することではなかろうかと、このアンケートを読んで感じた。


2004.10.20「国債管理政策について」

現在の国債市場を理解するにあたって、たいへんわかりやすい資料が財務省のホームページにアップされている。これは10月6日に開催された第一回国債市場特別参加者会合議事要旨の中の「国債管理政策について」という資料である。

国債市場特別参加者会合(第1回)議事要旨
http://www.mof.go.jp/singikai/kokusai/gijiyosi/c161006.htm

「国債管理政策について」
http://www.mof.go.jp/singikai/kokusai/siryou/c161006a.pdf


2004.10.18「窓は休日を挟んで空ける」

9月以降、債券先物の前後場のみのローソク日足は、すべて休みを挟んで窓を空けている。9月3日から6日にかけての137円64銭から75銭、9月22日から24日にかけての137円90銭から138円ちょうど。10月1日から10月4日にかけての137円62銭から66銭。10月8日から12日にかけての137円21銭から48銭。そして、先週末の10月15日から18日にかけて138円17銭から25銭にかけての窓である。

ここにきて円債は米国債との連動性を高めている。その米債に影響を与える米雇用統計(9月3日と10月8日)などが週末に重要指標が発表されることも多いことが、休日を挟んでの窓を空ける要因かと思われるが、面白い現象である。


2004.10.18「 9月8,9日分日銀金融政策決定会合議事要旨より」

「複数の委員は、物価動向と景気動向との乖離が改めてはっきりしてきたのではないかとの認識を示した。」

一部の委員は今年7〜9月中には、消費者物価の前年比がプラスになる可能性も視野に入れていたとのコメントがあったが、依然として水面下にあることで、景気回復に物価が反応し難い姿を強調している。29日の展望においてはこれがどのような影響を与えるか注目したい。

「金融市場において景気の見方がやや分かれていることに改めて言及し、このような場合には、市場参加者の期待が振れ易くなり、金融市場の変動も大きくなりがちであることから市場の動向を丁寧にみていくとともに、日本銀行としての経済・物価情勢の見方や政策運営についての考え方を市場に対し、分かり易く示していくことが重要である、との考えを述べた。」

まさに債券市場の状況を示しているかのようなコメントである。景気に対しての見方は強気派と弱気派が引き続きはっきり分かれている。これによって相場自体も神経質な展開となっており、どうしても一方的な動きになりやすい。

「日本銀行としての経済・物価情勢の見方や政策運営についての考え方を市場に対し、分かり易く示していくことが重要である。」

29日の経済・物価情勢の展望が注目される。


2004.10.18「基礎的財政収支黒字化、歳出抑制だけでは無理と財務相」

谷垣財務大臣は衆院予算委員会において、2010年代初頭にプライマリーバランスを黒字化する目標を達成するにあたっては「歳出の抑制だけでは無理」とコメントした。社会保障予算等の伸びに対して歳入面での対応が必要であることを滲ませており、将来の消費税引き上げに対しての理解を求めたものとも考えられる。

これについては、10月6日の財政制度等審議会において北城恪太郎委員が次のような発言をしている。

「2010年代の初頭、2013年ごろかもしれませんけれども、プライマリーバランスの均衡を目指すというふうに言われているので、2013年に向けて、どういう費用項目を、どのように政策的に整合性をとってプライマリーバランスを均衡するのかという、その工程をぜひつくっていただきたい。」

経済環境はどうしても変化してしまうため、予想が立てにくいという事情もあるにせよ、このプライマリーバランスを均衡するための工程表は必要であろう。その上で毎年の予算規模を事前にある程度想定した上で、またその進行状況もチェックしていく必要もある。財政危機は叫ばれているほどに危機感も感じられない。国はもう破産していると平気で口にする方もいるが、それでもし国に対しての信任が失墜するようなことがあれば、経済が混乱するどころではない。

来年度の新規財源債は今年度以下に抑える方針を首相が明確化したが、これは単なるスタート台に過ぎない。歳出抑制だけでは限度とのの谷垣大臣のコメントだが、その努力は引き続き必要であり、その上での消費税の引き上げ等に望む必要があろう。


2004.10.14「追加入札」

「国債市場特別参加者制度」がスタートし今回の5年国債入札分より、発行価格は第U非価格競争入札が実施された。5年40回の追加入札における落札総額は1766億円となった。発行価格は本日行われた当該国庫債券の価格競争入札における募入平均価格99円85銭。


2004.10.14「日銀保有の国債」

10月12日現在の「日本銀行が保有する国債の銘柄別残高(日銀資料)」から来年度償還される国債の保有額を算出すると約15.2兆となった。ちなみに合計では約61.3兆円となっている。日銀は現在国債買入によって毎月1.2兆円、年度合計で14.4兆円もの国債を買っているいるが、来年度は購入額以上に償還額が増加することとなる。ただし来年度の償還分はTBというかたちで1年間のみ乗り換えが可能でありこれが日銀乗換え分となる。実際の日銀乗換えはこれに買入償却に伴う分と今後の買い入れに伴う償還分も加わるため、これよりも若干多くなる。


2004.10.13「記者会見に見る景気への見通しについての各政策委員のコメント」 (日銀ホームページより引用)

5月12日中原審議委員
「私も基本的には2004年度は3%以上の成長というように見込んでいるが、2005年度を展望した時には、もう少し注意しながら今後の経済の流れをみていきたいと思っている訳である。」

6月3日春審議委員
「金融政策そのものを転換する一つの目安である消費者物価が安定して0%を上回る時期は04年度になるというのは難しく、05年度以降になるのではないかと思っている。足許景気は回復しており、持続性も高いと考えられるが、先行きも緩やかな回復にならざるを得ないとみており、それだけに、できるだけ早い時期にデフレを克服していくことが期待される。」

6月18日武藤副総裁
「17年度はどうかと言えば、本年10月の展望レポートで政策委員の見通しを示すこととなっており、現時点において我々として幾らになるかといったことを申し上げるだけの準備はない。確かに、以前、個人的な見解と断ったうえで、17年度に消費者物価指数が前年比プラスになることを期待していると申し上げたが、これはまさに期待であって、デフレ脱却がなかなか難しいという現状判断の下で、17年度については何とか良い結果が出てこないものか、それに向けてあらゆる政策を打っていく必要がある、という意味で申し上げたものである。そういう意味で、17年度の消費者物価指数等の見通しについて正式に我々が示すのは10月を待つというのが現時点で言えることである。」

7月1日田谷審議委員
「もう少し先をみると、米国の経済状況は、金融政策が超緩和的な状況から、段々そうでない中立的な状況に戻っていくと言われており、その分だけ景気拡大ペースは緩やかになるかもしれない。加えて、減税効果の剥落ということも段々出てくるかもしれない。中国についても、政策当局が意図するように、2桁の成長率から7%前後の成長率に戻っていくというシナリオが最もあり得ると思っている。米国も中国も巡航速度での経済成長に向かっていくということを想定すれば、今までのような輸出の伸び、その結果としての生産、収益の伸びというものはなかなか期待できない状況になってくるだろうと思う。従って、瞬間スピードで言えば、今年度前半よりも後半は若干下がるかなと思っている。」

9月16日植田審議委員
「景気循環的な意味で、ちょっと調整、という局面に行く可能性もゼロではないと思っている。ただ、先程来お話しているように、その場合でも現在見渡せる範囲では、非常に深刻な調整になるという可能性は少ないのではないか、従って、インフレ率はその調整局面で大幅にマイナス幅を拡大するというのも想定し難い、という感じでみている。」

9月22日岩田副総裁
「2005年度については、民間でも見方はそれほど定まっておらず、数字がそもそもないので、予測は振れがかなり大きいと言えると思うが、途中に紆余曲折はあっても、基本的には潜在成長率をやや上回る成長が持続するというのが私の予測である。仮にコアCPIが2004年度中にプラスになって、基調的にプラスの方向に動くことがあるとすれば、当然2005年度はプラスになると思う。」

9月30日福間審議委員
「展望レポート発表を前に具体的な数字を申し上げるのは差し控えるが、いわゆるゲタの問題もあるため、来年度の成長率は今年度に比べ少しは見劣りするかもしれない。ただ、ご指摘のような数字(来年度は実質GDPの伸び率が1%台に低下する)にまでは落ちないと思っている。というのは、現状は、内需も外需も出揃ってきているからである。」

10月6日須田審議委員
「4〜6月の実質GDP成長率は1〜3月に積み上がった在庫が4〜6月に減少したという要因などがあって低下しているが、潜在成長率を考えるに当たっては、こうしたことを均してみる必要がある。潜在成長率は少し長めの概念で捉えるべきであり、均してみれば今後も潜在成長率より高い水準を維持するのではないかと考えている。・・・見通しの計数については、これから考える予定である。現在、消費者物価はゼロ近傍のところにあるわけだが、見通しは民間の見方や日銀内部での分析などいろいろなものを考慮しながら作っていくつもりであり、今のところは全くわからない。」


2004.10.8「FISCO・RPテック主催セミナーのお知らせ」

経済物理学のパイオニアであるソニーコンピュータサイエンスの高安秀樹氏(物理学博士)によるセミナーを開催致します。
日時  11月29日(月)午後6時半より約2時間
講演  「経済物理学の発見:おカネの世界の見方が変わる!」
場所  FISCO セミナー・ルーム
参加費 一人5,000円(消費税込み)

金融市場に新風を巻き起こす話題の経済物理学を、第一人者の高安氏に易しく解説して頂きます。ご参加の方には同氏の新著「経済物理学の発見」(光文社新書)を贈呈致します。

お申し込みは tfj@rptech.co.jp まで。先着順とさせて頂きますのでご了承下さい。

講師略歴
名古屋大学大学院理学研究科卒、神戸大学助教授、東北大学大学院教授を経て1997年よりソニーコンピュータサイエンス研究所シニア・リサーチャー。専門はフラクタル理論、統計物理学、経済物理学。 主な著書に「フラクタル」(朝倉書店)、「エコノフィジックス」(日本経済新聞社)など。朝日新聞、日経新聞などに経済物理学の易しい解説記事などを執筆。


2004.10.8「前倒し発行額の枠拡大を財務省が検討」

財務省は前倒しの発行限度額を拡大し、今年度の借換債を5兆円増発することを検討していると8日の日経新聞が伝えている。借換債は前倒し発行が可能となっているが、これには限度枠が設けられ、現在それは14兆円となっている。

今年度の個人向け国債発行額が当初予定を大きく上回っており、また税収増によって新規発行の抑制が見込めるなどするため、その分今年度国債の発行を抑制できる。しかし、今年度の国債も順調に消化されているため、前倒し発行額の限度を拡大することで、その分を前倒し発行として、来年度以降の国債発行増に備えるものと思われる。

たとえば来年度の借換債は100兆円を超えることが想定されており、この前倒し発行分の一部を来年度の市中消化に充てることで市中消化分を抑えることが可能になる。ちなみに個人向け国債は発行根拠法の種別ではすべて借換債となっている。


2004.10.7「価格支持策とアコード」

今月の日経新聞私の履歴書は前FRB議長のボルカー氏。本日の文面の中に、30年代の不況対策で国債が大量発行されたことで、政府が国債を買い支える価格支持策(ペッギング・オペレーション) を採ってきたこと。その後51年に財務省とFRBがアコード(合意)を結び、国債の価格支持策を撤廃したとコメントしている。これによって国債価格が市場で決定されるようになり、中央銀行による金融調節が重要性を増したとしている。

このアコードについては、日本では日銀が財務省とアコードを結び、国債の安定消化のため日銀が直接国債を引き受けるべきといった米国のアコードとはまったく意味が異なる主張も見られたが、本来のアコードはこのように国債の価格支持策を撤廃するために実施されている。

1951年のFRBと財務省との間のアコードは次のようなものであった。(「日銀は死んだのか」加藤出著より) ・FRBを国債課格維持政策から公式に解放しFRBの判断で金融政策が行えるようにする。 ・財務省は、金融政策に依存せずに市場にとって魅力的な国債発行条件を設定するという国債管理政策を採用する。

しかし、国債管理政策と金融政策は分離されたにもかかわらず、これ以降も米政府はFRBに干渉を続け、それに戦ったのがまさにボルカー前FRB議長でもあったのである。これからのボルカー氏による私の履歴書はさらに面白くなりそうである。


2004.10.6「新規財源債を減額」

10月6日付けの日経新聞によると、小泉首相は谷垣財務大臣との会談で、来年度の新規国債(新規財源債)を今年度以下に抑える方針を決めたと伝えている。今年度は36兆6千億円もの新規財源債が発行される予定になっているが、来年度の新規財源債が今年度比どれだけ減額されるのかはまだ未確定ながら、かなり踏み込んだ減額となる可能性もありそうである。


2004.10.6「第8回個人向け国債」

秋の個人向け国債の発行額は1兆8652億円となり過去最高となったと財務省が発表した。内訳は民間金融機関取り扱い分が1兆6169億円、郵便局取り扱い分が2484億円となった。 2004年度の合計は、5兆563億円と5兆円を超えた。これはすでに当初計画の2兆1千億円の倍以上となっている。

回号別販売額
第1回(2003年 3月)  3,835億円
第2回(2003年 4月)  3,486億円
第3回(2003年 7月)  2,802億円
第4回(2003年10月)  9,432億円
第5回(2004年 1月)1兆3,951億円
第6回(2004年 4月)1兆4,185億円
第7回(2004年 7月)1兆7,726億円
第8回(2004年10月)1兆8,652億円


2004.10.5「10年国債入札」

利付国庫債券(10年)(第264回)
発行根拠法律及びその条項
平成16年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律(平成16年法律第22号)第2条第1項及び財政融資資金特別会計法(昭和26年法律第101号)第11条第1項
(これは特例国債と財投債ということに)
表面利率 年1.5パーセント(前回債から0.1パーセント引き下げ
発行予定日 平成16年10月20日
利子支払期 毎年3月20日及び9月20日
償還期限 平成26年9月20日
発行予定総額 額面金額で1兆9000億円
国債募集引受額の割当限度額 額面金額で1兆6150億円

応募額 102兆8357億円
割当予定額 1兆5884億3000万円

応札倍率は、64.7倍

割当を受ける最低応募価格 99円75銭
割当を受ける最低価格における案分比率 84.9204%
割当を受ける平均応募価格 99円76銭(テールは1銭)

入札自体は好調なものとなったが、相場はこのところの地合いを反映し、さらに下値模索となり、債券先物は137円を割り込んだ。


2004.10.1「財務省ホームページ内の国債関係資料」

国債市場懇談会はその役割を終え、国債特別参加者制度ならびに本日メンバーも報じられたアドバイザリー・コミッティ(正式名称は、「国の債務管理の在り方に関する懇談会」)に、その役割が強化され引き継がれる。ただし、国債投資家懇談会は今後も継続される。

国債市場懇談会および国債投資家懇談会はその議事要旨が翌朝財務省のホームページにアップされており、その内容がいち早く公開されるなどディスクローズという面でも国債管理政策上も大きな役割を果たしていたと思われる。

この国債市場懇談会の議事要旨など、財務省のホームページ内にある国債関係の資料について、今月の特集として来週より解説を会員専用ページ並びにテレレート版「債券ディーリング」にてアップさせていたたく予定である。もしご興味、ご関心のある方はぜひご覧いただきたいと思う。


2004.10.1「国債特別参加者制度」

国債市場特別参加者に25社が指定された。第一回国債市場特別参加者会合、福井日銀総裁も出席し10月6日に開催されると発表された。

国債市場特別参加者25社(証券会社20社、銀行5社)順不動
証券会社20社
野村証券、日興シティグループ証券、大和証券SMBC証券、新光証券、みずほインベスターズ証券、岡三証券
みずほ証券、三菱証券、UFJつばさ証券
クレディ スイス・ファースト・ボストン証券、ゴールドマン・サックス証券、J.P.モルガン証券、ドイツ証券、ドレスナー・クラインオート・ワッサースタイン証券、バークレイズ・キャピタル証券、BNPパリバ証券、メリルリンチ日本証券、モルガン・スタンレー証券、UBS証券、リーマン・ブラザーズ証券。

銀行5行
東京三菱銀行、UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、みずほコーポレート銀行

「国の債務管理の在り方に関する懇談会」メンバー
揚村康男(野村證券常務執行役)
伊藤直紀(みずほ証券常務執行役員)
翁百合(日本総合研究所主席研究員)
黒川 振一郎(第一生命保険相互会社特別勘定運用部長)
幸田真音(作家)
小嶋歳晴(日興シティグループ証券チーフエグゼクティブオフィサー)
宿澤広朗(三井住友銀行常務執行役員)
高谷正伸(農林中央金庫常務理事)
竹内宏(大和証券SMBC常務執行役員)
富田俊基(野村総合研究所研究理事)
内藤整治(三菱証券常務執行役員)
藤井眞理子(東京大学先端科学技術研究センター教授)
本間正明(大阪大学大学院経済学研究科教授)
益戸正樹(BNPパリバ証券会社マネージングディレクター)
吉野直行(慶應義塾大学経済学部教授)


平成16年9月分 平成16年8月分 平成16年7月分 平成16年6月分 平成16年5月分 平成16年4月分 平成16年3月分 平成16年2月分 平成16年1月分 平成15年12月分 平成15年11月分 平成15年10月分 平成15年9月分 平成15年8月分 平成15年7月分 平成15年6月分 平成15年5月分 平成15年4月分 平成15年3月分 平成15年2月分 平成15年1月分 平成14年12月分 平成14年11月分 平成14年10月分 平成14年9月分 平成14年8月分 平成14年7月分 平成14年6月分 平成14年5月分 平成14年4月分 平成14年3月分 平成14年2月分 平成14年1月分 平成13年12月分 平成13年11月分 平成13年10月分 平成13年9月分 平成13年8月分 平成13年7月分 平成13年6月分 平成13年5月分 平成13年4月分 平成13年3月分 平成13年2月分 平成13年1月分 平成12年12月分 平成12年11月分 平成12年10月分 平成12年9月分 平成12年8月分 平成12年7月分 平成12年6月分 平成12年5月分 平成12年4月分 平成12年3月分 平成12年2月分 平成12年1月分 平成11年12月分 平成11年11月分 平成11年10月分 平成11年09月分 平成11年08月分 平成11年07月分 平成11年06月分 平成11年05月分 平成11年04月分 平成11年03月分 平成11年02月分 平成11年01月分 平成10年12月分 平成10年11月分 平成10年10月分 平成10年9月分 平成10年8月分 平成10年7月分 平成10年6月分 平成10年5月分 平成10年4月分 平成10年3月分 平成10年2月分(その2) 平成10年2月分(その1) 平成10年1月分(その2) 平成10年1月分(その1) 平成9年12月分 平成9年11月分 平成9年10月分 平成9年9月分 平成9年8月分