「若き知」
「過去データは一番下に移行しました」


2004.12.30「今年もお世話になりました」

今年の長期金利は、一時1.940%まで上昇したものの、結局、2%は超えることなく1%台で推移しました。一時的な波乱はあったにせよ比較的落ち着いた動きとなった一年かと思われます。

来年の債券相場も読みづらいところではありますが、量的緩和政策が解除できるような良い経済環境になることを願っております。そうなると債券相場にはやや厳しいかもしれませんが、やはり日本には元気になってもらわないといけません。ただ、災害だけはご勘弁願いたいとも思っております。

私自身はいつのまにか所属会社の社名が変わっていたり、ちょっと体調がおかしいと思ったら突然の入院騒ぎとなったり、やや波乱の一年となってしまいました。年初からずっと体調不調だったのですが、入院したことで体調がかなり回復いたしました。今後はあまり無理をせず体調に気遣いながらもがんばっていきたいと思います。

来年は自分のコンテンツを大きく見直す予定です。皆様にご利用いただけるようなコンテンツ作りをさらに心かけたいと思っております。また、機会があれば本なども出したいとも思っております。

今年は皆様には、たいへんご迷惑をおかけした上、ご心配をおかけし、申し訳ございませんでした。本当にお世話になりました。来年もどうかよろしくお願いいたします。


2004.12.29「自分への投資」

27日の日経新聞朝刊の特集記事の中で、東洋大学助教授の白石真澄さんがこのようなコメントを寄せていた。

「自分の持ちうるエネルギーの2割ぐらいは、次のステップに向けた人脈作りや情報収集、能力開発に充てたい。仕事の手を抜くという意味ではなく、8割の中で最大限の効率化を図り、残る時間とエネルギーで自分に対する゛投資゛を行う」

山田昌弘氏の書かれた「希望格差社会」が売れているようだが、希望するしないにかかわらず格差社会は日本の中でも急速に広がりつつある。しかし、格差社会に向けての整備はまだまだ不十分である。新幹線や滑走路などを作っているような状況では本来ないはずである。

たとえば会社型人間と化してしまったにもかかわらずリストラで路頭に迷う中高年に対するセーフティーネットといったものも必要であろう。ただ、若者とこういった中高年の雇用とは問題の本質が異なる。「希望格差社会」でも指摘されていたように、ニートやフリーター、パラサイトしている若者たちに「希望」を与えられる社会作りの構築こそ政府が早急に行うべきものではなかろうか。若者に必要なのは職業訓練とかいったものではない。働くという意欲を感じさせる社会の構築が求められている。

ただし、責任をすべて政府などに押し付けるべきではない。市場化された社会では個人の負うリスクが増大することも認識すべきであろう。まさに「自己責任」が求められる。そのためには白石氏が指摘されているように、自分への投資も必要になる。

会社内のネットワークではなく外部のネットワークの構築。その人脈を通じた情報の収集。インターネットは大きな情報化の武器であり、それを使うことで外部ネットワークを広げられる。しかし、あくまでそれは道具と認識すべきであり、必要なのは人と人との交流である。人との交流にはかなりのエネルギーが必要とされると心得るべきであり、そのためにも仕事の2割程度を振り向けないことにはその維持すらむずかしいともいえよう。


2004.12.28「12月全国CPI等」

12月東京都区部消費者物価指数(除く生鮮)は前年比-0.4%、11月全国消費者物価指数(除く生鮮)は同-0.2%と予想よりもややマイナス幅が大きかった。11月労働力調査においては、失業率は4.5%と改善し、有効求人倍率も0.92倍と前月比0.04ポイント上昇したが、雇用環境の改善をあらためて確認させる内容となった。しかし、11月の鉱工業生産速報では前月比+1.5%となり、ほぼ予想値に近いものとなった。生産予測値は、12月が前月比-0.9%、1月が+2.8%。


2004.12.28「大納会を28日に」

1988年頃まで東証の大納会は12月28日であった。12月29日から1月3日までが年末年始の休みとなったが、これは官公庁の御用納めなどにあわせたものであったかと思う。ところがいくつかの要因によりそれが30日になった。日本での完全週休2日移行に伴い、海外に比べて祝日が多くなってしまうことが懸念されてしまうこと。また、証券会社が中期国債ファンドなど銀行預金に類似した商品を取り扱うようになってきたことで30日まで窓口が開いている銀行に合わせる必要があった。加えて、欧米などでは株式の取引が年末まで行われていることなどからグローバルスタンダードを意識して大納会を30日にしたものと思われる。

しかし、日本において御用納め以降は機関投資家や個人による株の売買は限られよう。債券にしても29日と30日の実商いはほとんどないのではなかろうか。日本に御用納めという慣習が残っている以上は無理にグローバルスタンダードに合わせる必要もないのではなかろうか。証券会社における個人による債券や投資信託の換金も、商売等が絡んだ銀行の窓口業務とは性格が大きく異なっているのではなかろうか。ということで、大納会は28日に戻すべきではないかと思うが、いかがであろうか。


2004.12.27「10〜12月期の法人企業景気予測調査」

内閣府と財務省は本日、10〜12月期の法人企業景気予測調査を発表した。景況判断指数は大企業・全産業で+2.1となり前回7〜9月期調査の+9.6から悪化。1〜3月期の見通しは+4.1とやや改善が見込まれる。このうち製造業は-1.3(前回+12.8)とマイナスとなった。円高やIT関連の生産・在庫調整に加えて相次いだ台風・地震が影響したとみられている。また、中堅企業は-0.6(前回-2.8)、中小企業は-14.5(前回-17.8)とそれぞれ改善したものの前回時点の10〜12月期見通しは大幅に下回る結果となった。業種別では情報通信機械器具製造業が大企業で-22.5(前回+14.2)と大幅に悪化したものの、鉄鋼業は22.7となるなど素材関連業種は引き続き好調。また2004年度の設備投資計画は前年度比+5.8%で、前回の同3.8%から上方修正された。


2004.12.27「2005年の債券相場の見通し」

2004年の債券相場は、米中を軸とした景気拡大により日本経済も市場の予想以上に回復し、デフレの払拭も可能になるのではとの期待感が広がった。これにより6月17日には長期金利が1.940%にまで上昇した。しかし、結果としてこの1.940%が2004年の長期金利のピークとなった。その後、原油高や米中の金融引き締め策なども加わり、日本経済も減速傾向となったため、長期金利には低下圧力が加わり、年末にかけて1.3%近くにまで低下したのである。

日銀の金融政策を左右する消費者物価指数についても、秋口までには水面上に浮上するとの見方もあった。しかし、物価上昇圧力は加わったものの川上から川下への移行は限定的となり、消費者物価指数は引き続き水面下の状態が続いた。

しかし、振り返ってみればこの2004年は日本経済にとってエポックメーキングの年になるのではないかと思っている。長期間に渡る景気低迷やデフレの状態からの脱却が見えつつある。GDPギャップが縮小傾向にあり、企業物価指数なども上昇基調となった。そして、税収が回復しているように、これまでの停滞していた日本経済とは状況は大きく異なってきている。足元景気は減速しているが、このまま再びデフレ懸念が再度強まることの方がむしろ想定しづらい。政府や日銀も来年の経済見通しについて、やはり回復基調との見方をしている。

ちなみに、政府による2004年度の国内総生産の実質成長率は、1.6%程度(名目成長率は1.3%程度)を見込んでおり、消費者物価は対前年度比0.1%程度と小幅な上昇を予想している。

デフレの脱却について日銀の福井総裁は2006年度中、場合によっては2005年度中にも見込めるとのコメントをしているが、このようにそれほどの時を置かずに短期金利を含めて金利が本来の機能を取り戻してくる可能性も強いと考えている。景気・物価に対しては急激な上昇はせずとも上向きの基調は継続すると考えているためである。

このため長期金利の急激な上昇は考えづらいものの、消費者物価指数で前年比プラスが定着してくれば、先を読んで動く長期金利は2005年中にも一時的にせよ2%を超えてくる可能性があると予想している。


2004.12.24「日銀の意向」

2004年11月17、18日開催分の金融政策決定会合議事要旨の中で、次のような記述があった。

「複数の委員は、現在、金利が落ち着いている背景には、市場では、景気の先行きについて日本銀行に比べて慎重にみている参加者が多く、金融政策の枠組みの変更に関する議論が差し迫った課題として受け止められていないという面もあるとして、今後、景気回復が進んでいく過程において、情報発信のあり方について引き続き工夫を重ねていくことが重要である、と指摘した。」

また、21日の「若き知」にてご紹介したように、記者会見において福井日銀総裁は次のようなコメントをしている。

「将来の状況変化の中で市場に手の内を完全に読ませるというのとは少しわけが違うが、市場に予見性を与えながら、我々は十分コミュニケーション・ポリシーを果たすだろう」

私自身今年は変化の年であると予想していた。昨年末より日本経済が中国経済などの影響を受けて本格的な回復基調となりデフレ脱却に向けてのステップを踏み始めるとの認識であり、その旨機会がある毎にコメントしていた。そのためにも日銀はデフレ脱却に向けて準備をすべきとのいわゆ出口論も述べた。

これについては多くの反論もいただいた。結果として私が想定していた今年度の長期金利2%超えというのも難しくなっていることも認めざるを得ない。CPIも引き続き水面下にありデフレ脱却についても現状は見通しすらたってはいない。しかし、予想外であったのは上記のような日銀の対応の微妙な変化である。

福井新日銀総裁誕生後の追加緩和などは、政府や海外の意向を意識したものとの印象が強く、当初はあまり良い印象を持てなかった。しかし今年に入ってからの福井総裁のコメントについて私自身はほとんど違和感を感じられなくなってきた。「情報発信のあり方について引き続き工夫を重ねていく」とのコメントについても、景気回復を前提に日銀の政策変更の可能性が皆無ではないことを認識として浸透させようとしているように受取れる。そして、このような日銀の姿勢の変更は、市場関係者にとってはやや予想外とも受け止められているのではなかろうか。


2004.12.24「9月末の国の債務残高」

9月末の国の債務残高(国債と借入金とFB合計額)は730兆9853億円。このうち国債残高は586兆6629億円、借入金は57兆5349億円、FBは86兆7875億円。


2004.12.22「小型のハードディスク」

今年のヒット商品のひとつともなったiPodのヒットにより、来年にかけても小型のハードディスクを組み込んだ音楽プレーヤーなどがさらに普及してくると思われる。

東芝は1.8インチ80Gバイトの垂直磁気方式HDDを世界で初めて商品化したと伝えられたが、5GバイトクラスのHDDを積んだ音楽プレーヤーはすでに2万円を割り込んだ価格でも販売されている。たとえばこちら。
http://www.kakaku.com/prdsearch/detail.asp?PrdKey=01301010474

実はこれについては面白い現象が起きている。上記のプレーヤーに積まれているHDDは、マイクロドライブと言われるもので、デジカメの記録媒体としても使われている。ところがこれをマイクロドライブ単体で買うとなると4Gで3万円程度もするのである。それが音楽プレーヤーやFMラジオ、ボイスレコーダー機能までついて2万円を割り込んでいる。

もちろん、この音楽プレーヤーのマイクロドライブを取り出して使うとなると、分解するリスクが伴う上に絶対に使えるという保障はない。ネットで検索するといろいろと方法もあるようだが、興味のある方は自己責任でお願いしたい。

また上記のNOMAD MuVo2はウインドウズからのデータストレージが可能になっている。これはつまり音楽データに限らずPCのデータを小型メディアで5G分持ち歩くことが可能となる。5Gという膨大な量のデータが胸ポケットに入ってしまう。新聞雑誌などの活字媒体とか音楽CDとかで量を測ればまさにトラック並みの量になるはずである。

電子辞書を持っている方も多いと思うが、このHDDを使えばその容量はさらにアップされる。また日本でも携帯電話への搭載がいずれ行われるものと思われる。このようにその用途はさらに広がっていくと思われ、今後はさらに予想もしなかったような使い方も出てくるかもしれない。


2004.12.22「希望格差社会」

最近、事情があって経済格差や教育問題に関する著書を読み漁っている。この種の本の中では、最近出たものでは東京学芸大学教授の山田昌弘氏の書かれた「希望格差社会」が注目されている。が、この本、読めば読むほどやや憂鬱になる。しかし、これもある意味現実なのであろうし、その現実を直視すべきとも思われる。これらの書物を読むと、日本の社会が大きく変化を示した年のひとつとして1985年が上げられている。

日本の債券市場にとっても1985年という年はまさに大きな変革の年であった。為替市場ではなんといってもプラザ合意が注目されよう。しかし、債券市場関係者にとってはそのプラザ合意とそれに対応した日銀の短期金利高め誘導によって、開設直後に急落した日本初の金融先物である債券先物の登場の方が印象に強いはずである。そしてまたこの年は、銀行による国債のフルディーリングが本格化した年でもあり、先物という強力な武器も加わり、まさに債券市場の流動化が本格化した年でもあった。

このように債券市場でもこの年あたりから規制が少しずつ外され市場原理が働き始めた。それは規制によって保護され守られていた金利体系が徐々に崩壊していった裏返しでもあった。これまでほとんど意識しなかったような長期金利に対してのリスクを市場を通じて負わされることとなったのである。

競争原理が働くことによって価格決定が透明化されるなど、もちろん多くの利点もある反面、リスクに対応するための自己責任といったものも問われるようになる。マーケットでは当然ながら、儲けた人、損をした人といったようにまさに格差が生じる。勝ち組、負け組といったものも、マーケットでは当たり前のものでもあった。

しかし、この債券とかのマーケットが特別なものではなく、現代社会にもまさに市場原理が浸透しつつある。それに対しての良し悪しはともかくも、これが格差をさらに拡大させるものとなろう。これにどのように対処すべきなのか、今の私の大きな課題になりつつある。


2004.12.21「日銀の国債買い切りオペについて」

12月17日の金融政策決定会合のあとの日銀総裁記者会見において、記者から下記質問があった。

「現在、月1兆2,000億円となっている長期国債の買い切りオペは、もともと金融政策決定会合のディレクティブ(金融市場調節方針)には何も書かれておらず、現場の金融市場局の裁量で動かしうるものだという不安というかそういう認識があるためで、もしかしたら今月は1兆2,000億円やらないのではないかという不安も市場にあると思う。量的緩和政策を解除するまでこの1兆2,000億円というのを引き下げることがないのか。」

債券先物は12月13日の週はめずらしく思惑的な動きをした。日銀がマーケットに黙って国債の買い切りの額を引き下げてくるのではないかとの思惑であった。しかし、それはあまりに現在の日銀や財務省のスタンスを理解していない思惑と思われる。確かに昔はマーケットへの影響を考えずに、何かしら市場に関係するものの変更等が突然に発表されたりしたことがある。また、政治家などからは自らの情報を知りえる立場を強調したいあまりか、はたまたマーケットへの影響を楽しもうとしたような発言すらあったように思われるが、現在では、日銀や財務省の特に理財局発のサプライズはほとんどありえない。もちろん全くありえないとは言い切れないものの、日銀も財務省もマーケットに対しては、何かしら材料があったとしても、それを前もって市場に織り込ませようとのスタンスを取っている。それについては、上記質問に対しての福井総裁の下記コメントからも伺える。

「最終的に伝統的な金利政策というか、金利を中心とする金融調節のフレームワークに辿り着いた時が、今の枠組みの修正が完了した時点と考えることができると思う。それ以前にどういうステップを踏むか、いつからどういうステップを踏み始めるか、踏み始めた後どういう内容でどういうテンポでそれをやっていくかということは、今は全くオープンだとこの前もお答えした。従って、その過程で長期国債のオペをどうするか、あるいは流動性供給量をどうするかということは全くオープンである。オープンであることが直ちに市場に不安を呼んでいるかどうか、私は呼んでいないと判断している。将来の状況変化の中で市場に手の内を完全に読ませるというのとは少しわけが違うが、市場に予見性を与えながら、我々は十分コミュニケーション・ポリシーを果たすだろうということも、既に10月の展望レポートを出したときに約束したことである。その中で責任を果たしていきたいと思っている。」


2004.12.21「NHKの受信料」

放送法第32条(受信契約及び受信料)
協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は,協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であって、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。

1950年5月2日に電波法、放送法、電波管理委員会設置法という電波三法が公布されている。上記はこのうちの放送法の32条であり、現在問題化されているNHKの受信料に関する記述である。但し書きにあるように、受信料にはラジオ放送の部分は含まれていない。モータリゼーションの進展によってカーラジオからの受信料徴収が非現実的になったことから、1968年にラジオ受信料が撤廃されている。

我が家でも御多分にもれず、しっかり衛星放送を含めて受信料を納めている。しかし、NHKを観ている時間を考えると一週間でせいぜい1時間から2時間程度でしかないように思われる。もちろん新潟中越地震などが発生した際には確かにNHKをつけていたが、そのためだけの受信料でもないと思われる。

NHKの不祥事とそれに対する海老沢会長の動向が問題視されているようだが、そろそろ旧態依然としたNHKを中心としたマスコミにも大きなメスをいれるべき時期に来ているのではなかろうか。現在は50年前のようにラジオやテレビしか存在しない時代からは大きく様変わりしている。日本の小学生のテレビ視聴時間の多さが先日の調査で問題視されたが、国民全体で見ればテレビの視聴時間はかなり減っているはずである。それはインターネットの普及などもありメディアは多様化していることが要因となっている。

もちろん、公共放送の存在自体はまだ必要性があるかもしれないが、それは災害時とかに限定されまいか。日本の文化歴史や自然を記録に残すためのアーカイブ作りも必要であろうが、それは受信料によって作られるべきものなのか。また、商業ベースで採算が合わない教育番組の提供などもまだ必要なのであろうか。すでにビデオやDVDなどの記憶媒体の普及でそれも十分補完できるはずであり、その媒体自体の制作費は必要になろうが、それも我々の受信料から払われるべきものでもないように思われる。

NHKの不祥事は確かに言語道断ではあるが、それをきっかけに、まずは公共放送という立場のNHKの見直し、そしてそれとともにマスコミ全般のあり方についても考え直すべきではあるまいか。


2004.12.20「2005年度国債発行計画」

20日午前の臨時閣議において谷垣財務相は、2005年度国債発行計画を提出した。

参、平成17年度国債・政府保証債の発行予定額
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/za161220.htm

来年度の国債市中発行額は、予算ベースでは約120兆円となるが、カレンダーベースでは118.6兆円となった。

国債発行総額は今年度比7兆1644億円増の169兆5051億円となる。まず、新規財源債発行額は34兆3900億円に抑制され、借換債の発行額は103兆8151億円となる。財投の原資を調達する財投債は31兆3000億円となり、経過措置分が19兆3千億円、市中発行分は12兆円となる。これにより、新規財源債と借換債、財投債の合計で169兆5051億円となる。

ここから市中消化の分を算出するためには、このうち日銀、郵便貯金、年金など公的部門の引き受け額と個人向け国債の発行額を差し引く。公的部門の引き受け額は、46兆1436億円。日銀乗り換えの総額は前年度比9兆8243億円増加し23兆436億円、このうち6兆4000億円がTB再乗り換えになる。財政融資資金乗換は今年度と同じく1兆円。財投債の経過措置分が前述のように19兆3千億円。郵貯の窓販部分は個人向け国債販売分8000億円を加えて2.8兆円となる。そして、個人向け国債の民間金融機関販売分は2004年度の1.6兆円(郵貯販売分除く)から3兆6000億円へ引き上げられる。

国債市中消化額(予算ベース)=新規財源債+借換債−公的引受(郵貯窓販+日銀乗換+財政融資資金乗換)+(財投債−財投債の経過措置分)−個人向け国債
119.7615=34.39+103.8151-(2.8+23.0436+1)+(31.3-19.3)-3.6

ここから前倒し発行分の一部(1兆1615億円)を市中消化に回すことにより、来年度の国債市中発行額はカレンダーベースで118.6兆円となる。

インフレ対応型国債は物価連動国債を04年度から1兆2000億円増額し計2兆円。また15年変動利付国債は1.8兆円増の9兆円となる。

超長期債は、20年利付国債の発行額を1.2兆円増額し8.4兆円にする。ただし、30年債は2兆円に据え置き。TB1年ものは毎月1.5兆円、6か月毎月2兆円に減額される。

来年度国債市中消化額の年限別発行額は下記の通りとなる。
参、国債の種類別発行予定額(財務省)
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/za161220yotei.pdf

TB1年 18.0兆円 1.5兆円×年12回
TB6カ月 12.0兆円 2.0兆円×年6回
10年物価連動債 2.0兆円 0.5兆円×年4回
15年変動利付債 9.0兆円 1.5兆円×年6回
2年債 20.4兆円 1.7兆円×年12回
5年債 24.0兆円 2.0兆円×年12回
10年債 22.8兆円 1.9兆円×年12回
20年債  8.4兆円 0.7兆円×年12回
30年債 2.0兆円 0.5兆円×年4回

・金利スワップ取引は想定元本ベースで3千億円が上限となる。
・買入消却については来年度は2兆2,000億円実施される予定。
・国債費の想定金利は2.0%に引き下げられる(概算時は2.7%)。
・2004年度予算で14兆円だった借換債の前倒し発行限度額を2004年度補正で24兆円に引き上げ、2005年度予算では借換債の前倒し発行枠を2005年度にはさらに30兆円に拡大される。
・10年利付国債の競争入札比率を現行の85%から90%に来年4月債から引き上げられる。

日銀の短期国債の乗換えについては下記のページを参照。
「平成17年度中に償還期限の到来する本行保有国債の借換えのための引受けおよび平成17年度中の国債買入消却への対応に関する件」日本銀行
http://www.boj.or.jp/seisaku/04/mpo0412a_f.htm

(1)償還期限到来国債のうち利付国債額面総額15兆6,339億6,400万円については、割引短期国債をもって、借換引受けを行うこと。
(2)償還期限到来国債のうち、平成16年度中に借換引受けを行った割引短期国債については、以下のとおり取り扱うこと。
イ、国債整理基金が行う買入消却に応じたことにより借換引受けを行った割引短期国債については、割引短期国債をもって、その額面総額全額の借換引受けを行うこと。
ロ、イ、以外の割引短期国債のうち、その額面総額の2分の1については、割引短期国債をもって、借換引受けを行うこと。
ハ、イ、以外の割引短期国債のうち、その額面総額の2分の1については、本行資産の状況等に照らし支障がないと認められる場合には、割引短期国債をもって、借換引受けを行い得るものとすること。
(3)(2)ハ、に基づく借換引受けの可否については、総裁が決定すること。

また、2004年度の買入消却分4000億円をTB乗換、2005年度買入消却6000億円についてもTB乗換となるようである。

2005年度末の国債発行残高は538兆円となり、国と地方をあわせた2005年度末の長期債務残高は過去最高の774兆円。国民1人あたりに直すと約606万円の借金となる。


2004.12.17「来年度予算と国債発行計画」

時事通信などによると、来年度の国債発行総額は169.5兆円となる模様である。そのうち新規財源債は34.4兆円程度となる見込み。借換債は103.8兆億円に増加する見込み。財投債を加えた国債の発行総額は過去最大となる169.5兆円。このうち市中発行額は予想されていたように120兆円程度となる見込み。前倒し発行などを除いたカレンダーベースの発行額は118兆円程度になる見込みである。内訳としては、15年変動利付債を9兆円、物価連動国債を2兆円に増額する。利付債は20年債を8.4兆円に増加の見込み。そのほかの2年、5年、10年、30年の利付国債は現状維持。個人向け国債についても予想されたように倍増となる短期国債については日銀の乗り換え延長もあり減額する方向。

2005年度予算の一般歳出は47.3兆円台に抑制されるようであるが、国債費18.4兆円や地方交付税交付金16.1兆円などを合わせた一般会計総額は82.1兆円台半ば程度となりこのため一般会計は3年連続で増加する。


2004.12.16「2004年9月末現在の日本国債の保有者別内訳」
銀行など民間預金取扱機関、1,264,108億円、21.1%、6月末比-6,260億円
郵便貯金、900,789億円、15.0%、31,412
日本銀行、869,619億円、14.5%、22,507
民間の保険・年金、717,087億円、12.0%、21,958
簡易保険、515,995億円、8.6%、24,955
財政融資資金、513,169億円、8.6%、17,967
公的年金、464,522億円、7.8%、26,800
海外、237,021億円、4.0%、47,705
投信など金融仲介機関、230,123億円、3.8%、28,871
家計、178,055億円、3.0%、20,587
その他、103,039億円、1.7%、-2,746

合計、5,993,527億円、6月末比233,756億円増


2004.12.16「物価連動債に関する譲渡制限の緩和」

ブルームバーグニュースなどによると、自民党税制調査会は、国債安定消化のため、外国人投資家の保有を促進する税制措置を決めたようである。海外投資家に人気が高い物価連動債の保有を、現在認められている公的機関だけでなく、法人や投資信託にも認める。また国債を保有する海外投資家による日本の税務当局に対する通知手続きも緩和する見込みのようである。

2005年4月以降に告示により物価連動債に関する譲渡制限が緩和される。ただし、海外の個人投資家については本人確認が困難なため保有を認めない方針とか。

また海外投資家が日本国債を保有する場合、現在は取引ごとに海外投資家であることを日本の税務当局に通知しなければならないが、これを最低1年に1回で済むよう頻度を大幅に緩和する見込み。


2004.12.15「来年度の国債市中消化額予想」

来年度予算の財務省原案は20日に内示され、その際に来年度の国債発行計画も発表される。今回は日興シティーグループ証券チーフストラテジスト、佐野一彦氏のレポートなどを参考にさせていただき、来年度の国債市中消化額についての予想を行ってみたい。

国債の市中消化額= 新規財源債+借換債+(財投債−財投債の経過措置分)−公的引受(郵貯窓販+日銀乗換+財政融資資金乗換)−個人向け国債

新規財源債であるが、新聞などで報じられているように35兆円以下に抑えられる可能性が強まっている。ここはとりあえず35兆円と置く。借換債は概算要求の104.1兆円から12月から3月分のTB削減を控除して103.3兆円程度が予想されている。財投債の市中消化分は今年度並みもしくはやや増額されせることが予想されるがこれは今年度と同じく11.7兆円と置く。

国債の市中消化額を算出するためには、ここから公的引受分と個人向け国債の発行分を差し引かなければならない。問題は日銀乗換である。日銀保有の国債で来年度償還分は約15.6兆円程度、これに買入消却にともなう借換債0.4兆円が加わる。そして、日銀の国債乗換の再延長が金融政策決定会合にて決定されれば、その分を加えなければならない。佐野一彦氏はレポートにて、その金額は今年度の日銀乗換の半分程度と予想されており、そうなると乗換延長分は約6兆円となる。これらを合計すると来年度の日銀乗換分は22兆円程度と見られる。

バイバックに伴う財政融資資金乗換は今年度と同じく1兆円を予想する。個人向け国債については、引き続き販売が好調なため、それぞれ今年度当初計画比倍額となることが想定され来年度の郵貯窓販分は合計2.8兆円、民間の個人向け国債の発行予定は3.2兆円となる。

すべてを上記の式にあてはめると、国債の発行総額は下記の通りとなる。

35+103.3-(2.8+22+1)+11.7-3.2=121

合計で121兆円規模となる。ただし、今年度の借換債の前倒し分が3.2兆円あるため、この分は来年度の市中消化に回される可能性がある。これを加味すれば、来年度の国債市中消化額は118兆円規模となる。

以上の市中消化額から年限別配分を考えると、国債乗換の再延長分は主にTBの発行抑制に回すことが考えられる。増額については、本日日経新聞にも報じられているが、物価連動国債や15年変動利付国債など変動利付きタイプを主体に実施されるものと考えられる。物価連動債は一回5千億円を4回で都合2兆円、15年変動利付国債は一回当たり2千億円増額として1.5兆円を6回で都合9兆円、また利付債では20年の超長期国債が毎月あたり6千億円から7千億円に増額され都合8.4兆円になると予想される。2年、5年、10年、そして30年の利付国債については据え置きとなることが予想される。


2004.12.14「国債資料」

財務省のホームページには国債に関する資料が数多くアップされているが、そのうちのひとつをご紹介したい。

「国の債務及びその管理」第2章 国債
1.国債の制度的枠組み
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/saimukanri/2004/saimu02b_01.pdf
2.平成16年度国債発行及び国債残高の推移等
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/saimukanri/2004/saimu02b_02.pdf
2-2.平成16年度における国債発行
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/saimukanri/2004/saimu02b_03.pdf
2-3.国債発行残高の推移
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/saimukanri/2004/saimu02b_04.pdf
2-4.国債整理基金の運用等
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/saimukanri/2004/saimu02b_05.pdf
2-5.今後の財政収支及び国債発行残高に関する試算
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/saimukanri/2004/saimu02b_06.pdf


2004.12.13「剰余金の国債償還財源化」

「財政法」第6条

「各会計年度において歳入歳出の決算上剰余を生じた場合においては、当該剰余金のうち、2分の1を下らない金額は、他の法律によるものの外、これを剰余金を生じた年度の翌翌年度までに、公債又は借入金の償還財源に充てなければならない。」

日経新聞によると、財務省は昨年度(2003年度)に生じた剰余金のうち半額の約5千億円を5年ぶりに国債償還財源の充てることを明らかにしたようである。上記の財政法に記されているように、国の決算で生じた剰余金はその半額以上を公債又は借入金、つまりは国債などの償還財源に充てなければならない。しかし、1999年から2002年度決算においては景気低迷により税収不足となったり、景気対策など政策経費の増加圧力の強まりなどから。「特例法」を国会に提出して剰余金を国債償還には充てずに全額、国債償還以外の経費に充てていた。

来年1月に国会に提出される今年度の補正予算において、2003年度の剰余金としては約1兆円、今年度の税収見込みの上方修正で約2兆3千億円の歳入が確保される。ただし、台風や新潟中越地震などに対する災害復旧に絡んで1兆4千億円の追加歳出も見込まれるが、これは税収の上方修正分でカバーされる。また社会保障など義務的経費の増加分が約9千億円程度見込まれるが、これは今年度の既存経費の節約分で補われるようである。これにより2003年度の剰余金のうちの半額を財政法の原則通りに国債整理基金に繰り入れられる見込みとなった。

平成16年6月末現在の国債残存額、571兆4,271億円のうちの5千億といえば0.1%以下に過ぎないが、それでも財政法に則った形で再び償還財源に充てられることの意味は大きい。また本来ならば国債整理基金に繰り入れ国債の償還財源に充当されるべきであったNTT株の売却収入も、これを借用して自治体の事業費に充てられていたが、その「隠れ借金」についても、特別会計に前倒しで返済するそうである。

この減債制度の仕組みについては財務省のホームページに簡単な図がアップされている。図は簡単であるが、実際の状況は上記のようにやや複雑化している。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/siryou/hakou13.htm

財務省は「2005年度以降に返済予定の約9千億円分について、今年度の補正予算の段階で歳出に計上し、前倒しで特会に繰り入れ国債償還費に戻す」としている。

ちなみに財政制度等審議会は11月19日、特別会計見直しの提言を谷垣禎一財務相に提出し、産業投資特別会計の社会資本整備勘定を廃止するよう求めている。この社会資本整備勘定は1987年、NTT株の売却収入を使った無利子融資で社会資本を整備するために創設されたものである。

参考までに2001年11月2日の「若き知」より。

1985年の国債整理基金特別会計法改正によりNTT株の売却収入は国債整理基金に繰り入れ国債の償還財源とすることになった。しかし1987年の「NTTの株式売払い収入の活用による社会資本整備の促進に関する特別措置法」により、当分の間、産業投資特別会計社会資本整備勘定への繰入の財源に充てるため、各会計年度における国債の償還等国債整理基金の運営に支障の生じない範囲内で、NTTの株式の売払収入金に相当する金額の一部を、予算に定めるところにより、国債整理基金特別会計から一般会計に繰り入れることができることとなったのである。

仕組みとしては国債整理基金特別会計に所属するNTT株の売却収入が、一般会計を経由して産業投資特別会計の社会資本整備勘定に繰り入れられる形になっている。それは貸し出しでありいずれ返還されるべき資金であるはずが、回収見込みのない公共事業などに使われている。そのために貸付金の返済時には同額の補助金が事業主体に交付される。この返済時の補助金は「建設国債発行」で充当される。これではなんてことはない国債増発となんら変わりがない。


2004.12.10「ミヨー高架橋」

フランスの中央山岳地帯のほぼ中心に位置するミヨー市において、タルン川が流れる峡谷をまたぐかたちの高架橋ミヨー高架橋が完成したそうである。7本の橋脚があり高さが343メートルもあるそうで、これは東京タワーの333メートルを上回る。世界で最も高い橋とされまさに雲の上の橋である。事業は 2001年3月にエファージュ社がコンセッション契約を獲得し事業費は3億1千万ユーロ(約400億円)だそうで、公的資金は支出されなかったそうである。下記写真などを見ると、まさに目もくらむ高さ。一度見てみたい気もする。 http://www.manzonderkop.be/Post/?P_ID=5323


2004.12.10「平成17年度における国債管理政策の新規施策について」

財務省は12月1日に「平成17年度における国債管理政策の新規施策について」発表した。大きな柱は3つある。「新型の個人向け国債」と「金利スワップ」そして「国債に係わる海外説明会」についてである。

「新型の個人向け国債」については、昨日のコメントをご参照いただきたい。「金利スワップ」については、その活用方法が注目されていたが、当面の活用としては「2008年度に大量の国債償還が発生するため、その際の金利環境次第では借換に伴う調達コストが大きく上振れするリスクがある。その時点での金利変動リスクを抑制するため、2008年度を超える長期の「固定払い・変動受け」と、2008年までの中期の「固定受け・変動払い」の金利スワップ取引を組み合わせて実施する」としている。

そして「国債に係わる海外説明会」であるが、海外では積極的に自国の国債のキャンペーンを張っているところも多い。世界有数の国債発行国である日本もやっと重い腰を上げた感じだが、個人の保有比率に加え海外投資家比率を高めることも財務省にとっては大きな課題となろう。

財務省資料による「国債に係わる海外説明会(IR)については以下の通り。 国債市場特別参加者会合(第3回)資料より

◇ 目的
日本経済、財政構造改革、国債管理政策(国債発行計画、税制改正等の現状や今後の展望などについて、海外投資家に対し直接説明を行うことにより、これらの正確な理解を促すとともに、日本国債に対する信認を維持・向上させることで、海外投資家による日本国債保有の促進への一助とする。

◇ 対象等
主たる対象は海外の大口投資家、市場参加者、エコノミストとする。財務省出席者から日本経済の現状、財政構造改革の動向、国債管理政策等について説明を行うとともに、これらをテーマにディスカッションを行う。

◇ 実施時期・開催地
市場参加者の国際性や取引の規模、日本国債を保有する大口投資家の存在に鑑み、ロンドン(1月18日)及びニューヨーク(1月20日)において開催する 。

◇ その他
説明会への参加者の募集等については、日本国債に係る取引のノウハウや開催におけるプレゼンス等を有する国債市場特別参加者の協力を仰ぐ。


2004.12.9「新型の個人向け国債、追加情報」

「新型の個人向け国債」については、すでに報じられているように固定利付きタイプの個人向け国債が来年度の下期にも発行される見込みとなった。現在発行されている変動利付タイプの個人向け国債は、証券会社の積極的な販売姿勢も手伝って市場予想を上回る発行額となっている。個人的にはこの商品性の良さを考えればこの程度の販売額でもまだ少ないと考えているが、これにさらに固定利付きタイプの個人向け国債が加わる。

変動利付きタイプは、金利の上昇局面に強い商品であるが、固定利付きタイプはむしろ金利が低下するような局面に強いものとなる。どちらの局面にも対処できるように種類を増やしたものと思われる。

変動利付きタイプと異なる点は、まず利息が新発5年利付きタイプに連動する固定金利という点に加え、中途換金は第四期利子支払期以降、つまり発行から2年経過後に可能となる。また、中途解約時の買取価格は、額面金額と経過利子相当額を加えたものからすでに支払われた利子のうち最大4回分が差し引かれる。

固定利付きタイプで、なおかつ額面金額が保証されることから、変動タイプのものよりも制限が厳しくなっているが、これはある意味当然のことと思われる。


2004.12.8「2005年度税収」

「財務省は、2005年度の税収を43兆円半ばとする方針を固め、2004年度補正予算では、税収を2.3兆円増額修正する」とロイターが伝える


2004.12.8「小説『日銀券』は予言の書か」

ウォールストリート・ジャーナル紙は、格付け各社がいつか米国債に対する「トリプルA」レーティングを引き下げるかもしれないと報じた。米国債の格下げは以前では考えられなかったが、アナリストや投資家が「疑う余地のないことを疑問視」し始めたという。

幸田真音さんの小説は現実を先読みしているということで定評がある。ベストセラーとなった「日本国債」についても、現実には日本国債の暴落はなかったものの、10年国債の未達(「札割れ」)が発生し、その後、小説の内容どおりに日本版のプライマリーディーラー制度が今年スタートしている。

そして、小説「日銀券」のストーリーもまさに現実を先読みしていると言わざるを得ない。ブッシュ大統領の再選をはじめ、5日のBISの報告で明らかになったようにサウジアラビアや中国のドル離れといったものもすでに小説で大きく取り上げている。加えて、ラストシーン近くでは、米国債の格下げが実施されるというストーリーとなっているのである。

実際に米国債の格下げが実施されるかどうかはわからない。ムーディーズやS&Pが自国の国債を格下げすることなど考えられないとの見方も強いはずである。それでも「懸念」が生じたことだけでも驚かざるを得ない。

ネタをばらしてしまうと幸田さんに怒られてしまうかもしれないが「日銀券」で米国債の格下げを組み入れてはどうかと進言したのは私であった。米国債の海外投資家による保有比率は日本国債とは一桁違う。GDP対比の債務残高の比率となれば日本が突出していることも確かであるが、それだけが政府債務のリスクの尺度になるわけでもないはずである。この際、早めに米財務省も格付け会社への「意見書」を用意しておいた方が良いのではなかろうかとも思うが、いかがであろうか。


2004.12.7「日銀の2005年6月まで金融政策決定会合日程と来年のFOMC日程」


2004年12月16日(木)・17日(金)
2005年1月18日(火)・19日(水)
2005年2月16日(水)・17日(木)
2005年3月15日(火)・16日(水)
2005年4月5日(火)・6日(水)
2005年4月28日(木)
2005年5月19日(木)・20日(金)
2005年6月14日(火)・15日(水)

http://www.federalreserve.gov/fomc/#2005
February 1/2
March 22
May 3
June 29/30
August 9
September 20
November 1
December 13


2004.12.6「iPod mini」 13

入院中は暇である。検査等を除けばほとんどベッドで寝ている。このため、テレビやラジオなどをついつけてしまうが、ニュース特に経済ニュースなどはストレスを高め、胃に負担をかけてしまう懸念もあり(?)、結局、テレビ、ラジオともなぜか英会話番組主体につけていた。なんとか苦手分野の克服を目指したのだが、そう簡単にいくものでもない

そこで新たに注目したのが、現在ニューヨーカーなどが最も注目している商品と言われる「iPod mini」である。日本でもすでに発売されているが、かなり好調な売れ行きと聞いている。ただ、あまり持っている人を見かけたこともないのも確か。これからさらに普及していく可能性も高そうである。

もちろんその商品性は以前から注目はしていた。MP3プレーヤーは出始めたころに購入していたが、当時は電池寿命が短かったことや容量が少なかったことで、結局最近はほとんど使っていなかった。日本製の小型ハードディスクを搭載したiPodが出たときはやや衝撃的ではあったが何分値段が高かった。「iPod mini」も割高には感じたが、英語の学習という大義名分を勝手に決め込んで、入院で出費もかさんだにも関わらず結局購入してしまった。

英会話学習用のCDを落としたり、インターネットを探ると「シャーロックホームズ」や「指輪物語」の英語の朗読がフリーでアップされているため、とりあえずそれらをダウンロードした。英語のニュースサイトもMP3で記事がアップされているものも多い。また、有料ながら「ダ・ヴィンチ・コード」のなど最近のベストセラーものの朗読を購入できるサイトもあるようであるが、これは今後の課題にしたい。これら本の朗読は一冊につき数時間に及ぶためHDDプレーヤーでなければ全部聞くことはむずかしい。

音楽も手持ちCDなどからついでにアップしたが、結果として容量のうち音楽の方が多くなってしまったのはご愛嬌か。

「iPod mini」はMP3プレーヤーなど既存の商品の延長上にあるとはいえ、その容量がギガクラスとなったことで、英会話学習など音楽鑑賞以外の利用が可能となる。日本でも類似商品が出ているが、MP3プレーヤーは今後ソニーのウォークマンやMDプレーヤー以上に普及してくる可能性も高いものと思われる。それには割安でダウンロードが可能がコンテンツの普及が不可欠であろう。


2004.12.6「第9回個人向け国債の発行条件」

すでにイチローの出ているテレビや新聞で広告が出ているように、第9回個人向け国債が、12月9日から募集が開始される。募集期間は平成16年12月9日から24日まで。発行日は、平成17年1月11日。初回の利子の適用利率は12月2日の10年国債入札において決定された基準利回りの1.17%から0.8%を差し引いた年率0.67%となる。利払日は毎年1月10日及び7月10日の年2回。償還日は平成27年1月10日。すでに個人の貯蓄対象商品として定着しつつある個人向け国債であるが、発行額がどの程度になるのか、引き続き注目したい。


2004.12.2「日銀の国債乗り換えの再延長」

12月2日付けの日経新聞によると、今後到来する国債の大量償還に備えて、財務省は日銀に対して短期国債の借り換え拡充についての協力を要請し、現金償還される分をさらに一年延長することになったようである。

日銀による国債の直接引き受けは財政規律を乱すとの理由から財政法で禁じられているはずではないかとのご指摘もあるかもしれないが、実は償還される分に限ってはその乗り換えが認められているのである。

財政法第5条但書によると、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲で実施する引受けは、例外として許容されているのである(以下、日銀のホームページから一部を引用)。

「現在、この例外を定めた条項に基づいて国債の引受けを行っているのは、日銀が保有する国債のうち、償還期限が到来した国債等の借換えのための引受けのみである。借換えのために引き受ける国債は、1998年度までは長期国債としていたが、1999年度以降は1年物割引短期国債を引き受けている。また、この割引短期国債の償還期限が到来した場合には、償還の都度、現金償還を受けるか再び割引短期国債を引き受けるかを日本銀行が判断することとしているが、2002年度以降は全額現金償還を受けている。」

このように現在では、年度内に償還した分に限ってその償還金額に見合う1年物のTBを日銀は引き受けている。ただ、上記にあるように「償還の都度、現金償還を受けるか再び割引短期国債を引き受けるかを日本銀行が判断することとしている」ため、財務省がさらに1年間の延長を要請し、それを日銀が政策委員会において検討をすすめ、今月以内にも正式決定となるようである。

財政法で日銀の国債の直接引き受けが禁じられたのは、戦時国債の日銀引受が軍事費の膨張やその後のハイパーインフレを引き起こした反省を踏まえたものである。今回の再延長については、今後も国債の大量償還を迎えるために、少しでも市中消化される分の発行圧力を緩和させることなどが目的と思われる。ただ、これをさらに拡大していくと財政規律を乱しかねないことも確かである。

12月3日より国債を主体とした債券市場に詳しい水野温氏氏が日銀審議委員に就任するように、日銀は「国債シフト」を強めているかのように思われる。今回の件については大量に発行される国債をいかに安定消化させるかとの重要性を認識したものとは思われるが、それとともに財政規律を守らせることも必要であり、日銀は総裁を中心にさらに国債発行について意見を述べる機会も多くなっていくものと思われる。

日銀の国債乗り換えについては詳しくは下記をご参照ください。

<参考>日銀のホームページより。
http://www.boj.or.jp/stat/exp/exseifu01.htm

「償還期限が到来した国債等の借換えのための引受け(*6)」
(2004/4月末残高:68,314億円)

財政法においては、日本銀行が公債を引き受けることは原則として禁じられているが、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲で実施する引受けは、例外として許容されている(財政法第5条但書(*7))。

現在、この例外を定めた条項に基づいて国債の引受けを行っているのは、日本銀行が保有する国債のうち、償還期限が到来した国債等の借換えのための引受けのみである。

具体的には、日本銀行が保有する国債の償還および買入消却のための国債整理基金への売却に際し、その償還額ないしは売却額の限度内で、借換えのための引受けを行っている。この引受けについては、各年度の予算策定手続の中で国会の議決を経た上で行われており(*8)、また、各年度毎の借換えのための引受額は、政策委員会で決定され、公表されている。

借換えのために引き受ける国債は、1998年度までは長期国債としていたが、1999年度以降は1年物割引短期国債を引き受けている。また、この割引短期国債の償還期限が到来した場合には、償還の都度、現金償還を受けるか再び割引短期国債を引き受けるかを日本銀行が判断することとしているが、2002年度以降は全額現金償還を受けている。

(*6) 日本銀行法においても明文上定めが設けられている(第34条「日本銀行は、我が国の中央銀行として、前条第1項に規定する業務のほか、国との間で次に掲げる業務を行うことができる。(中略)第3号 財政法第5条ただし書の規定による国会の議決を経た金額の範囲内において行う国債の応募又は引受け」)。

(*7) 前出脚注2参照。

(*8) 具体的には、各年度の特別会計予算予算総則において、国債整理基金特別会計における日本銀行が引き受ける公債の限度額を、「同行の保有する公債の借換えのために必要な金額」と定めている。


2004.12.2「新型の個人向け国債」

財務省は、1日開催された「国の債務管理のあり方に関する懇談」において、新型個人向け国債の導入、国債の海外説明会の実施や国債の金利スワップ取引の実施が発表されたようである。

新型の個人向け国債は、以前にも報じられていたように固定利付きタイプで満期は5年、1万円から購入が可能になる。金利については新発5年国債の金利水準が基準にされる。来年末あたりから販売が開始される見込みのようである。


2004.12.1「シリーズ、生年月日?」

FOMCメンバー
Alan Greenspan、March 6, 1926
Timothy F. Geithner、August 18, 1961
Ben S. Bernanke、December 13, 1953
Susan Schmidt Bies、May 5, 1947
Roger W. Ferguson, Jr.、October 28, 1951
Edward M. Gramlich、June 18, 1939
Thomas M. Hoenig、September 6, 1946
Donald L. Kohn、November 7, 1942
Cathy E. Minehan、February 15, 1947
Mark W. Olson、March 17, 1943
Sandra Pianalto、August 4, 1954
William Poole、June 19, 1937
http://www.federalreserve.gov/ より

日銀政策委員のメンバー
福井 俊彦、昭和10年 9月 7日生
武藤 敏郎、昭和18年 7月 2日生
岩田 一政、昭和21年10月17日生
植田 和男、昭和26年 9月20日生
田谷 禎三、昭和20年 3月 5日生
須田 美矢子、昭和23年 5月15日生
中原 眞、昭和12年10月18日生
春 英彦、昭和12年11月 4日生
福間 年勝、昭和12年4月23日生
(12月3日より、水野 温氏、昭和34年?月?日)


2004.12.1「国債依存度」

12月1日付けの日経新聞によると、財務省は来年度の国債依存度を4年ぶりに引き下げる見込みと伝えられている。この国債依存度とは一般会計のうち新規に発行する国債の割合を示すものであり、平成13年度は35.4%であったが、14年度は41.8%、15年度は44.6%、そして今年度も当初予算では44.6%となっている。景気低迷による税収減に加え、歳出圧力を抑え切れなかったことが国債依存度を高めたものと思われる。

新規財源債については今年度の36兆6千億円から来年度は35兆円前後に抑える案を軸に調整と日経新聞は伝えている。景気回復にともなう税収増が見込める上、歳出削減を実施することによりこれが実現されるものと思われる。

税収については今年度の税収見積もりが当初の41兆7400億円から2兆円規模で増額修正される方向で調整されており、また歳出についても、三位一体改革にともない地方向け補助金の削減や、公共投資関連費や防衛費、そして国債費の削減などにより一般歳出の削減が可能としており、今年度の47兆5922億円を下回ることがほぼ確実視されている。


平成16年11月分 平成16年10月分 平成16年9月分 平成16年8月分 平成16年7月分 平成16年6月分 平成16年5月分 平成16年4月分 平成16年3月分 平成16年2月分 平成16年1月分 平成15年12月分 平成15年11月分 平成15年10月分 平成15年9月分 平成15年8月分 平成15年7月分 平成15年6月分 平成15年5月分 平成15年4月分 平成15年3月分 平成15年2月分 平成15年1月分 平成14年12月分 平成14年11月分 平成14年10月分 平成14年9月分 平成14年8月分 平成14年7月分 平成14年6月分 平成14年5月分 平成14年4月分 平成14年3月分 平成14年2月分 平成14年1月分 平成13年12月分 平成13年11月分 平成13年10月分 平成13年9月分 平成13年8月分 平成13年7月分 平成13年6月分 平成13年5月分 平成13年4月分 平成13年3月分 平成13年2月分 平成13年1月分 平成12年12月分 平成12年11月分 平成12年10月分 平成12年9月分 平成12年8月分 平成12年7月分 平成12年6月分 平成12年5月分 平成12年4月分 平成12年3月分 平成12年2月分 平成12年1月分 平成11年12月分 平成11年11月分 平成11年10月分 平成11年09月分 平成11年08月分 平成11年07月分 平成11年06月分 平成11年05月分 平成11年04月分 平成11年03月分 平成11年02月分 平成11年01月分 平成10年12月分 平成10年11月分 平成10年10月分 平成10年9月分 平成10年8月分 平成10年7月分 平成10年6月分 平成10年5月分 平成10年4月分 平成10年3月分 平成10年2月分(その2) 平成10年2月分(その1) 平成10年1月分(その2) 平成10年1月分(その1) 平成9年12月分 平成9年11月分 平成9年10月分 平成9年9月分 平成9年8月分