福井日銀総裁は会見などを通じて、郵政民営化について「今後の大きな課題である公的部門のリストラの最初の出発点」と位置づけた。これまで行われてきたのは民間部門におけるリストラである。これまで行われていた小泉改革は、無駄な公共投資などの拡大を抑えることであった。これからは公的部門のリストラが大きな課題である。
福井総裁が総裁に就任当初から積極的な当座預金残高を引き上げた際にも、決して実施しなかったことがある。それは日本国債の日銀による買切りの増額であった。もし買い切り増まで実施してしまえば、日銀は泥沼のように財政問題に組み込まれてしまい、抜けるに抜けられなくなる。総裁が交代してもさらに国債買い切りを増加し続ければ、いずれその額を減額するなりすることは非常に困難になることは明らかである。ある意味、当座預金残高の引き下げは量的緩和解除に向けて一気に引き下げることも可能だが、その際に国債の買い切りを減額することには財務省などが抵抗してくることも確かであろう。
今後の日本という国を立て直すためには公共部門のリストラが必須であると私も思う。郵政民営化に対してあれだけ反対があるということは、それだけ既得権益に甘え固執したいと人達がいるということでもあろう。そういったところに大きなメスを入れなければ、これだけの国の債務問題など解決は図れない。以前にも指摘したが、財投債という国債がすでに国債残高の大きなシェアを占めていることなど、我々ももう少し認識すべき問題と思われる。
本格的な公的部門のリストラを実施せずに、安易に増税などしてもらいたくない。しかも取り易いところから取ろうとする姿勢にも問題があり、サラリーマン増税は国の債務問題の根本的な解決手段にはならないし断固反対である。プライマリーバランスを図るためには歳出だけでなく歳入にもメスを入れるという理屈などまだまだ聞きたくない。道路公団の談合がいまだに正々堂々行われていたことなど見ても、歳出を絞れるところまで絞っているなどというのは全く持って疑問である。
福井総裁の発言のように、公共部門のリストラはこれからスタートである。それにしっかり手をつけなければ、それほど時間をおかずに「日本国債は危ない」ものとなるであろう。
本日6月の鉱工業生産指数も発表されており、こちらは前月比プラス1.5%とほぼ予想に近いものとなった。電子部品や電気機械のPCや携帯電話向けなどが好調となったことが寄与したようである。輸送用機械も好調。6月出荷は前月比+2.0%となったが4-6月期の出荷は過去最高水準となったようである。在庫は-0.2%。生産予測は7月前月比-0.2%、8月は+1.9%。
6月の完全失業率(季節調整値)は4.2%となり、前月に比べ0.2ポイント低下。6月の有効求人倍率は、前月より0.02ポイント上回る0.96倍。これは1992年11月以来の高水準。
また本日、日銀当座預金残高は29兆8000億円程度となり、6月3比以来の目標下限割れとなったようである。
平成12年基準「消費者物価指数」生鮮食品を除く総合指数は97.8となり、前月比は0.1%の下落。前年同月比は0.2%の下落となった。6月はガソリンの価格が反落していたことにより5月比マイナスも予想されており、ほぼ予想された数値に近いものと思われる。7月については、ガソリン価格が再び上昇していることに加え、昨年の7月数字が6月比較下落していることを考え合わせると、大きな引き下げ要因がない限り前年同月比はゼロもしくはプラスになる可能性があるものと思われる。
読売新聞のネット版が伝えたところによると、10月に合併が予定されている東京三菱とUFJについて、みずほフィナンシャルグループの時のようなシステム障害が発生する懸念が払拭しきれない可能性が出ており、金融庁が銀行法に基づき、システム統合作業の進展状況に関する異例の再報告を求め、三菱東京とUFJは事実上の合併延期要請と受け止め、両銀行の合併を延期し、来年1月以降にする方向で検討に入ったようである。
この報をきっかけに債券先物は大量の買い戻しが入り反発した。ただどのような理由で買い戻しが入ったのかは良くわからない。これで日経平均が大きく下げたわけでなく、海外勢がこれを見て反応したようにも思われない。考えられるとすれば、国内銀行などによる買戻しなのであろうか。
それはさておき、これによって当事者だけでなく、あるシナリオが狂ったとのではないかとの思惑も広がった。日銀は当預残が大量に存在するメガバンク2行の合併を理由に、日銀当座預金残高目標値の「技術的」引き下げを模索していた可能性があると考えられていた。確かに名目が立つ理由であることに間違いはなく、これにはさすがに反論するのも難しいものと思われ、大きなチャンスであったことは間違いない。しかし、実際に合併が延期となれば年内唯一の引き下げのチャンスも消滅しかねない。
東京三菱とUFJの合併延期は相場や日銀の金融政策に関しても微妙に影響を与えかねないものとなるため、今後の動きに注目したい。
海外投資家による債券先物への売り・株先への買い仕掛けに加えて、日本の金利上昇を見越して、銀行株までも売っているとの観測である。金利の市場機能の復活までもいま少し時間もかかるとは思うが、そう先の話でもないとの読みであろうか。下記の「若き知」のように私も同様の考え方をしているのだが。これによって債券の地合いが変化し、一時的な戻り局面が終了、引き続き下方トレンド入りした可能性がある。今回、現物の節目でもある5年0.5%、10年1.3%、20年2.0%がまたもや壁として機能するのか。日経平均には12000円という大きな壁も控えているため、ここ数日の動きには注意したい。私自身、日本経済にとって強気の見方をつつけているため、「日本経済の踊り場からの脱却は間違いない」との福井総裁のコメントはある意味頼もしい。
7月以降にコアCPIがプラスに浮上する可能性が出てきたと以前のレポートでも指摘させていただいたが、特に10月以降は特殊要因の剥落とプラスに作用する特殊要因が加わることで、プラス部分が広がり、いわゆる「のりしろ」として機能するのではないかと予想している。
5月の全国コアCPIがゼロとなったが、6月の全国コアCPIはガソリン価格の下落などからやや足踏みとなると予想される。しかし、7月にはガソリン価格の上昇などにより、再びコアCPIがゼロもしくは若干のプラスになることが予想される。すでにレギュラーガソリンの給油所店頭は7月11日時点で1リットルあたり125.1円となり2週連続で値上がりしている。125円台は1994年8月以来の高値水準となる。
こういった原油価格の影響による価格転嫁は景気に対してマイナス効果との指摘もあるが、米中などを軸とした世界的な経済成長が続いている現れとも取れるため、それほど重視すべきマイナス材料になるとも言い切れないはずである。また、原油の上昇要因だけでなく、企業による価格転嫁の動きはかなりここにきて広がりも見せている。
そして、特殊要因によるCPIの押し下げ効果も10月以降に順次剥落してくる。これを個別に見てみると、まず米類については高騰の反動による押し下げの影響が昨年10月から顕われており、それによる影響は今年の9月頃までとなる。 今年の米が豊作により価格が急落するようなことがない限り、これはコアCPIの押し上げ要因となる。
また、もうひとつの特殊要因である電気代について見てみると、関東地方では昨年10月から実質4%ほどの値下げが実施されている。また、東北、中部、九州地方も今年1月から、北海道、北陸、関西、中国、四国地方では4月から値下げとなっている。ちなみに沖縄は6月からの値下げになっている。これによる押し下げ効果もやはり10月に以降順次剥落してくるものと見られる。
そして、固定電話通信料については、新規参入会社が昨年12月に基本料・通話料が割安な固定電話サービスを始めたことなどを受け、NTT東西地域会社などが今年1月から固定電話基本料の値下げに踏み切った。この影響も来年1月以降剥落するものと見られる。 以上のように特殊要因の剥落は今年10月以降となる。
さらに、これに加えて、東京電力と東京ガスは10月から半年ぶりに料金を引き上げる。東京電力は1か月の料金を6203円、東京ガスは6699円のそれぞれの料金を10-12月に100円前後引き上げる。ガソリンも値上げが続いている。レギュラーガソリンは19日時点で125.3円で前週よりも0.2円上昇し 3週連続の値上がりとなった。8月以降も3-4円程度値上げせざるを得ない状況となっているようである。日本航空や全日空も11月以降に一律100円以上の国内線の値上げを探っているようである。
7月の全国コアCPIが前年比ゼロとなり、7月以降にプラスに浮上する可能性が高くなっている。さらに10月以降の特殊要因の剥落とプラスに作用する特殊要因が加わることにより、いわゆるコアCPIの「のりしろ」が広がってくる可能性もある。日本経済の踊り場からの脱却は間違いないとも福井総裁がコメントしているように、景気に対しての強気の見方も強まっている。そうなれば、量的緩和解除のための下記の3条件が揃いつつあると見込まれる。
1.消費者物価指数(生鮮食品を除く)上昇率が、基調としてゼロ%以上であると判断できること、2.消費者物価指数(生鮮食品を除く)が先行き再びマイナスと見込まれないこと、3.こうした条件は必要条件であって、これが満たされたとしても、経済・物価情勢によっては、量的緩和政策を継続することが適当であると判断する場合も考えられる。
今年の10〜12月期の物価と景気の状況を確かめた上で、早ければ来年1〜3月期における日銀による量的緩和の解除が実施される可能性も十分にありうると見ている。
「CPIっていつプラスに?」 ・・・・・・・・・・ はじまりはじまり 鷹「今日の日銀の金融政策決定会合は終わるの早かったね」 鳩「うん、なんかあっさり賛成多数で現状維持と決まったようね」 鷹「今回から変な思惑呼ばないようにと票決の内容も発表されるようになった」 鳩「7対2とこれまでと変らないわね」 鷹「前回なんかも終わってから関係筋とか言う人が、何対何なんてしゃべっていた」 鳩「今回は話すことがなくなったので内容をしゃべっちゃたようよ」 鷹「秋から年末にかけてCPIプラス推移との見方が複数あった、と」 鳩「内容は少なくとも議事要旨の発表まで、細かい内容は議事録発表までは」 鷹「話ちゃいけないんじゃなかったのかしら」 鳩「それもひとつのきっかけで債券先物売られたそうだけど、それは熊さんたちに」 鷹「しかし、29日以降、目標値の下限割れが続く可能性はあるのに」 鳩「どうやら、なお書き対応で済ませるようね」 鷹「8月15日には30兆円を再びキープできることがわかっているからか」 鳩「まあ、一週間続いても一時的は一時的ということかしら」 鷹「そしてにわかにまた注目されてきたのがCPI」 鳩「というか今まで無視しすぎてきたような気もするわね」. 鷹「作者も7月全国からプラスになって10月以降はのりしろも作ってくると言っていた」 鳩「ガソリン価格の上昇や10月以降の特殊要因の剥落もあるけど」 鷹「予想以上に価格転嫁が進んでいるとも見られているようね」 鳩「もしや今週29日発表の6月全国CPIも」 鷹「うーむ、6月はガソリン少し5月より下がっているしどうだろう」 鳩「でも今日の債券先物や金先などの動きを見るとそんな思惑もありそうよ」 鷹「日銀も予想以上にCPIがプラスとなるのは早いと見ているようだけど」 鳩「植田前審議委員なんかもそういった見方をしているという話もあった」 鷹「作者ほどじゃないとは思うけど」 鳩「作者さん、短期というか気が早いというか」 鷹「年寄りはせっかちと言うしな、おっと」 鳩「さすがに熊さんたちと違って作者さんのパンチを避けるのじょうずね」 鷹「とにかく29日が俄然注目されるようになった」 鳩「今日も日銀は淡々とオペを打っているわね」 ・・・・・・・・・・続く。
今週の29日以降、日銀が金融政策の目標としている日銀当座預金残高の下限30兆円を割込む可能性が強まっている。29日はかなり微妙なところであり、本日のオペなど次第では、なんとか乗り切れるかもしれないが、8月3日以降はほぼ確実に30兆円を割り込む可能性が強い。
日銀は5月20日の金融政策決定会合において、「なお書きの修正」というかたちで日銀当座預金残高の目標値(30〜35兆円)の一時的な下限割れを容認している。この「一時的」とはどの程度の期間を示すのかは定かではないが、普通に考えれば2〜3日と見るのが妥当かと思われる。1週間以上札割れとなった場合には、この一時的という表現はあてはまらないのではなかろうかと思う。
日銀は手形買入オペにおいて期日を来年ゴールデンウイーク明けまでとする、いわゆる長距離砲を打ってきても札割れとなるなどしていたことから、日銀にとり打つべき手段も限られている。そしてまた、6月14 日、15日の決定会合議事要旨において、資金供給オペの長期化はさけるべきとのコメントが少なくとも3人の委員から発せられている。これは日銀全体の意向にも感じられ、このため期間1年といったオペも打ちづらい。
それならば、当初の約束どおり国債の買い切り増額をすれば良いではないかとの声もあるが、少なくとも福井日銀総裁の選択肢には国債買い切りの増額は入っていないはずである。このため、日銀の資金供給手段としては淡々とオペを打ってくるほかないと思われる。
本日27日には日銀の金融政策決定会合が開催される。29日以降、目標値の下限割れの可能性にどのように対応をするのか注目される。日銀当座預金残高目標値の27-32兆円への引き下げも止む無しとの声も出ている。しかし、谷垣財務大臣は当預残目標値の引き下げは方針変更と捉えられるとして、反対の意向を示している。目標値の技術的な引き下げについて福井総裁は含みを持たせているものの、現実に引き下げるとなれば、政府や財務省との間での軋轢を生じさせる可能性もあり、また海外市場などは日銀の引き締め転換と捉えてしまう懸念も残る。それは福井日銀としても避けたいところとなろう。
結局、今回の決定会合では新たな決定はないと思われる。マスコミからも観測報道もなされていない。そうなれば無理しても「一時的」を期間を広げて拡大解釈してくる可能性もある。確かに8月15日以降は30兆円台が維持されるため、一時的と言えなくもないが、やや釈然としない部分も残りそうである。次回の決定会合は下限割れ真っ只中の8月8日から9日に開催される。
知人に教えてもらった面白いサイトがある。JAL関連サイト内の「コックピット日記」である。
この中のCaptain 17「行きつけは、お袋の味」では運航乗務員をはじめ「客室乗務員」のいきつけの店についてのコメントがある。残念ながら具体的な店の名前の記述はないが、できたらその店も知りたいような気もする。ちなみに、特に他意はないが・・・。は、さておいて、このなかに次のようなき記述があった。
「私の場合も、これらのなじみの店に足を運ぶわけですが、現在、通常の運航業務に加えて、副操縦士を目指す若い訓練生の指導も行っているため、彼らを誘って出掛けることが多くなります。コックピット内では教官と生徒という関係であり、お互いに緊張感をもって臨んでいるのですが、夕食の席では打ち解けて、彼らから率直な意見を聞けたり、先輩として相談に乗ってあげたりすることができるのです。」
「思い起こせば、自分自身もかつては先輩に連れられて、滞在先のなじみの店で食事をし、パイロットに必要なさまざまなことを教わりました。そして、今は自分がその立場になっています。」
そういえば自分もそうだったなあと思ったのだが、ふと考えると最近はこういった機会がめっきり減っているのではないかと危惧した。昔から若手はあまり上司とは飲み会に行きたがらない風潮はあったが、景気低迷、リストラや実力成果主義の台頭なども影響しているのか、それがさらに減っているような気がする。
仕事は先輩の仕事ぶりなどを見て覚えてゆくものである。机上で学ぶものと現実とはかなり状況が異なり、状況が変った際にどのように対応するのかといったものは、実際に現場で見よう見まねで覚えて行くほかない。現場では先輩に厳しく言われても、結果としては自分のためとなる。また、コックピット日記に書かれていたように、オフにおいて先輩と素直な意見をぶつけあったりすることでさらに学ぶことも可能になる。もちろん良い先輩に恵まれればという条件付きでもあるが。
しかし、そのような機会がめっきり減ってしまっている現状では、あまりにマニュアル対応しかできなくなる。まさに応用が効かない。それは移り変わの現実に対して対応が聞かなる。また、マニュアルを作った人たちの思いのままにもなりかねない。自らマニュアルを作り出すだけの気概も必要であるとともに、それには現場を経験している先輩達のノウハウの吸収といったものも大事になるのではなかろうか。
今週29日以降、日銀が金融政策の目標としている日銀当座預金残高の下限30兆円を割込む可能性が強まっている。29日はかなり微妙なところであるが、8月3日以降はほぼ確実に割り込みそうな感じとなっている。
日銀はなお書きというかたちで当預残目標の一時的な下限割れを容認している。この「一時的」とはどの程度の期間を示すのかは定かではないが、せいぜい2〜3日と見るのが妥当かと思われる。1週間以上札割れとなった場合には、一般的にはこの一時的という表現は当てはまらないのではなかろうか。
ゴールデンウイーク明けの長距離砲を打っても札割れとなるなど(本日のオペは札割れ回避)打つべき手段もあまり見当たらない。6月14日、15日の決定会合議事要旨を見ても資金供給オペの長期化はさけるべきとのコメントが少なくとも3人の委員から発せられている。また、国債の買い切り増額は少なくとも福井総裁の選択肢には入っていないはずである。このため淡々とオペを打ってくるほかないとの見方が強い。
今月27日には決定会合も開催される。29日以降の下限割れにどのように対応をするのであろうか。短資会社からも27-32兆円への目標値引き下げも止む無しとの声も出ている。しかし、谷垣財務大臣は当預残目標値の引き下げは方針変更と捉えられるとして、反対の意向を示している。目標値の技術的な引き下げについて福井総裁は含みを持たせているものの、しかし、現実に引き下げるとなれば、政府や財務省との間での軋轢を生じさせる可能性もあり、それは福井日銀としても避けたいところとなろう。私もできることならば段階的な目標値引き下げは避けて一気に量的緩和解除に持っていくべきと思っている。
今回、どのように解決の方法を日銀が探っていくのか。これまではある程度の落とし所も読めなくもなかったが、今回は今のところ皆目検討つかない状況にある。「おしえて日銀」にも書いてないと思うし・・・。
29日に中間報告が発表される今年度の規制改革の重点項目の内容の柱となる市場化テスト法の骨子案において、対象事業や落札者を決定する権限が第三機関ではなく各省庁が受け持つこととなったそうである。その理由が「行政責任を取れるか」だそうである。
市場化テストは米国インディアナポリス市で市場化(Marketization)による改革などを取り入れようとしているものと思われる。インディアナポリス市の例では対象事業や落札者を決定する権限は市長とそのスタッフが持っていた。ゴールドスミス前市長が率先して市場化を行っていたからこそ抵抗勢力を廃して効果的な市場化を取り入れることが可能となった。
市場化はインディアナポリス市でさえ小さな事業からはじめて成功例を重ねることにより、さらに大きな事業に取り入れた。しかし、日本ではいきなり国が始めようとしていることに無理もあるような気もする。
第三機関では行政責任を取れないかもしれない。しかし、インディアナポリス市の市場化でも抵抗勢力となったのは「職が奪われると危惧する市の職員やこれまでの管理運営が否定されかねない州政府や市の担当者」であった。つまり今回の日本の市場化テストでいえば各省庁そのものが反対・抵抗勢力となりうる。それでは市場化が形骸化されると指摘されても当然であろう。
郵政民営化という、これも大いなる市場化テストも、反対勢力により本来の民営化の意味合いがだいぶ薄れつつあるようにも思うが、市場化テストそのものも同様のようである。第三機関が行政責任を取れないと言うのならば、対象事業や落札者を決定する権限を第三機関に与えた上で、市場化を推進する内閣府そのものが行政責任を取るようにするなりすべきものではないかと思う。そもそも行政責任というが、今回のアスベルトの件でもしっかりと「行政責任」を取ってくれるのであろうか。
と、いろいろ叫んでみても現在の政治のシステムでは、トップ(首相)がいくらがんばっても市場化を含めてかなり無理がありそう。現在の政治のシステムそのものが変らないと本来の意味での市場化もむずかしそうである。
三種の神器に代わって消費の牽引役となったのは、3Cブーム(カラーテレビ、クーラー、カー)であった。この高度成長に伴う税収増から、政府は公債依存度の引き下げに努力したものの、それが可能であったのは、昭和43年(1968年)から昭和45年(1970年)までの間だけであった。国債の発行は、財政面の刺激により景気の浮揚をもたらすとの期待と裏腹に、財政への安易な依存をもたらす危険性も秘めている。そして1968年には国民総生産(GNP)が資本主義国の中で第2位に達したのである。
昭和45年(1970年)といえば、大阪府吹田市の千里丘陵で3月15日 から 9月13日まで日本で最初の国際博覧会、大阪万博が開かれたが、このときも「東京オリンピック」と同様に、この秋から景気後退局面となる。国家の威信をかけたプロジェクトによる経済への効果や国民の士気を高めるといった効果は当然あったとは思うが、それによるツケも大きいものとなった。いったん昭和46年(1971年)に景気は底入れの兆しが見えたが、この年に。今度は「ニクソンショック」が世界を襲い、当然ながら日本も巻き込まれることとなった。日本の高度成長は東京オリンピックでいったんブレーキがかかり、これによって政府は債務を抱えるようになった。この高度成長は結局、大阪万博というもうひとつの国家的イベントによって幕を閉じる格好となったのである。
昭和46年(1971年)年8月15日に、当時のニクソン米国大統領は、米国の国際収支の赤字を削減してドルの流出を防ぐ目的により、外国の通貨当局に対してドルと金との交換停止を通告した。これによって、戦後続いてきたドルを基軸通貨とする固定相場制は終了し、1ドル360円の固定相場制は中止され、変動相場制に移行したのである。
欧州各国は変動相場制の対応に追われるなか、日本だけは輸出企業を守るためとの名目から、円レートを守ることを最優先課題とした。12月のスミソニアン合意により、1ドルは308円に切り下げられたのだが、円の切り上げが不可避となっても、それを最小限に押さえ込もうと必死の対応をしたのである。その結果が、大量の国債発行による内需拡大と極端な金融緩和の実施となった。この後もこれと同じ愚を日本は何度も繰り返した。
昭和46年には大型補正予算も組まれ、昭和46年度(1971年度)の国債発行額はついに1兆円の大台に達した。昭和47年(1972年)7月には、田中角栄が総理大臣に就任。田中首相は「工業の全国的な再配置と知識集約化、全国新幹線と高速道路の建設、情報通信網のネットワークの形成」などを謳いあげ「日本列島改造論」を提唱した。加えて積極的な財政金融政策を提唱。この結果、昭和47年度(1972年度)の国債発行額はさらに増加し1兆9,500億円あまりに膨らんだのである。この年に組まれた当初予算は、伸び率が25%という空前の大型予算であった。また「福祉元年」と言われ、年金や健康保険給付の画期的な拡充も計られた。この財政・金融面における極端な拡張策は、結果として国内の景気の過熱、物価の高騰、土地の価格の上昇を招くことになる。
昭和48年(1973年)10月、第4次中東戦争が始まった。アラブ諸国は禁輸措置を実施し、石油輸出国機構(OPEC)は原油価格の引き上げを実施。石油価格は一気に4倍となり卸売物価が前年比30%、消費者物価指数は前年比25%も上昇したのである。給油所は相次いで休業、買い占めや売り惜しみ、便乗値上げなどが相次いだ。トイレットペーパーや洗剤、砂糖などが不足するとの思惑から、買占めが各地で引き起こされた。しかし、この物価上昇は海外要因だけによるものではなかった。すでに日本の高度成長は限界に達し、国内需給が逼迫しており、それに石油価格の高騰がまさに火をつけてしまったといえる。
この異常事態に対して財政金融両面においてきわめて強力な総需要抑制策が実施された公定歩合は昭和48年(1973年)中に、4.25%から9.00%に引き上げられた。昭和48年度(1973年度)の国債発行額は2兆円台を突破した。昭和49年度(1974年度)も総需要抑制策は実施され、企業の設備投資などが抑制された。この結果、需給ギャップ(経済の供給の伸び率と現実の需要の伸び率との乖離のことを)は拡大し、戦後初のマイナス成長となった。いわゆるスタグフレーション(景気停滞と物価上昇が同時に進行すること)に陥ったのである。戦後続いていた高度経済成長がここに終焉を迎えた。これにより税収は大幅に減少し、国債は増発され続けた。
1975年11月、フランスのジスカールデスタン大統領の発案により、第一次オイルショック以降の経済の回復を主たる議題とした第一回の先進国首脳会議(サミット)がフランスで開催された。
日経新聞によると、東京電力と東京ガスは10月から半年ぶりに料金を引き上げる。東京電力は1か月の料金を6203円、東京ガスは6699円のそれぞれの料金を10-12月に100円前後引き上げる。ガソリンも値上げが続いている。レギュラーガソリンは19日時点で125.3円で前週よりも0.2円上昇し3週連続の値上がりとなった。8月以降も3-4円程度値上げせざるを得ない状況となっているようである。日本航空や全日空も11月以降に一律100円以上の国内線の値上げを探っているようである。
これにより日本経済へのマイナスの影響もあると思われるものの、10月以降のコアCPIのプラス幅がさらに拡大されそうな要素ともなりうる。
中国人民銀行は21日、人民元を1ドル8.276元から8.11元へ約2.1%切り下げ、基準値の上下0.3%以内で変動(取引バンドは1ドル8.0857-8.1343)、対ドルベッグ制を廃止し、通貨バスケット制度を採用すると発表。
切り上げのタイミングは予想外であったものの切り上げ幅が2%に止まったことからその影響はとりあえず限定的なものと見られる。問題はこれをきっかけに元が今後どの程度切り上げられるかによるものとなろう。通貨バスケット制度を採用するということから、米債は長期債などが大きく売られたが、これはあくまで地合いが悪かったところへ材料が加わったためとも見られる。ドル円についても円安がかなり進行していただけにその反動が大きかったと見ておいた方が良さそうである。
今回の元切り上げは小さな一歩ではあるものの、まさに歴史的な出来事とも言えるものと思われる。ニクソンショックやその後のスミソニアン合意なんかも比較されるのではなかろうか。参考までに当時の様子は下記のような状況であった。
「昭和46年(1971年)年8月15日に、当時のニクソン米国大統領は、米国の国際収支の赤字を削減してドルの流出を防ぐ目的により、外国の通貨当局に対してドルと金との交換停止を通告したのである。これによって、戦後続いてきたドルを基軸通貨とする固定相場制は終了し、1ドル360円の固定相場制は中止され、変動相場制に移行したのである。欧州各国は変動相場制の対応に追われるなか、日本だけは輸出企業を守るために、円レートを守ることを最優先課題とした。12月のスミソニアン合意により、1ドルは308円に切り下げられたのだが、円の切り上げが不可避となっても、それを最小限に押さえ込もうと必死の対応をしたのである。その結果が、大量の国債発行による内需拡大と極端な金融緩和の実施となった。」(文春新書「日本国債は危なくない」より)
昭和30年(1955年)あたりから日本経済は高度経済成長の波に乗り、好景気が昭和39年(1964年)まで続くことになる。
昭和30年(1955年)から昭和32年(1957年)にかけて、日本は「神武景気」と呼ばれた大型景気を迎えた。1950年から1953年における朝鮮戦争による所謂、朝鮮特需によって、もたらされた。神武景気の名前の由来は、神武天皇が即位して以来最大の好景気だからだそうである。
昭和31年の経済白書には「もはや戦後ではない。われわれはいまや異なった事態に当面しようとしている。回復を通じての成長は終わった。今後の成長は近代化によって支えられる」と表記されているが、それだけ戦後の日本経済が立ち直ってきたという証でもあった。電気冷蔵庫、電気洗濯機、テレビ受信機の「三種の神器」が登場し、こういった家電製品の普及は個人消費に大きく貢献したと言われる。
「なべ底景気」と言われる景気減速を経て、昭和34年(1959年)あたりから再び景気が上向き、のちに「岩戸景気」と呼ばれた神武景気を上回る好景気が続いた。「天照大神が天の岩戸に隠れて以来の好景気」から「岩戸景気」と名づけられたそうだが、このころ私は生まれている。私が生まれてまもなく写された写真には、白黒テレビが写っていたが、皇太子のご成婚によってテレビ受像機が急速に普及したのもこの頃だそうである。ちなみにテレビ放送開始は昭和28年である。「投資が投資を呼ぶ」とも言われ設備投資が景気を引っ張り上げていった。鉄鋼や造船、自動車、電気などの工場や石油コンビナートが京浜工業地帯などに立ち並んでいった。この「岩戸景気」は42か月にも及ぶ持続的な景気となったのである。
昭和35年(1960年)に実施された池田内閣による「所得倍増」をスローガンとした高度経済成長政策も日本経済の追い風になった。まじめに働けば給料は確実に増えてゆき徐々に出世も可能となった。夢のマイホームも次第に夢ではなくなり、主婦も家電製品の浸透とともに重労働となっていた家事からだいぶ開放されるようになっていた。まずしいなりに夢を抱ける時代であった。まじめに働けば親の世代よりも裕福になれると信じ、日本人は一生懸命働いたのである。
国民は確かに幸せになったと思う。当時の日本の経済システムが有効に機能し、それは政治としてもある面での成功を果たしたともいえる。しかし、所得倍増計画を言い出した池田さん自身が、晩年「何か国家としての忘れ物をしてきてしまった」と側近に漏らしているといわれるように、そのつけはあとの時代に露見してくる。
昭和38年(1963年)には「東京オリンピック」を控えて公共投資が活発化した。夢の超特急といわれた東海道新幹線や首都高速道路、東京モノレール、そして黒四ダムといった大型の公共工事が次々に行われてきたのである。
しかし、東京オリンピックが始まった昭和39年(1964年)10月ごろから日本の景気は急速に冷え込みはじめ後退局面に入ったといえる。すでに昭和36年(1961年)ごろから中小企業の倒産が増加しており、株価も下落していた。企業収益も減りつつあったのだが、それが顕在化したのが昭和39年(1964年)の後半であった。
昭和40年(1965年)に入ると、サンウエーブや山陽特殊製鋼など大手企業の破綻が相次いだ。株価も急落し続け、信用不安も広がりをみせていた。信用不安に対しては、山一證券への日銀法25条にもとづく無担保・無制限の特別融資(日銀特融)が実行されたことでなんとか収まったのだが、株価の下落はさらに続いた。これが「40年不況」と呼ばれ、金融緩和も効果がなく、財政面からの公共事業が促進されることになり、戦後初めてとなる「国債発行」が準備されることとなったのである。
昭和40年(1965年)7月、佐藤栄作首相、福田赳夫蔵相のもと、政府は財政投融資の増額と、特例国債(赤字国債)発行を内容とする補正予算を決定した。税収不足を補うために発行されたこの時の特例国債(赤字国債)の発行額は2,000億円。同時に、昭和41年度(1966年度)の予算編成における「建設国債」の発行と大型減税も決定したのである。
昭和41年(1966年)1月に、戦後初めての赤字国債(特例国債)が、期間7年、利率6.5%、価格98円60銭で発行された。そして、3月には大蔵省資金運用部による国債の引受も開始された。これにより、歳入を全額、税収や日本銀行納付金などの税外収入で賄えた均衡予算主義は崩れさった。この年以降、財政に国債が組み入れられようになり、「財政新時代」の幕開けとも言われたのである。
昭和41年度(1966年度)に発行された建設国債は、6,656億円。昭和42年度(1967年度)は7,094億円。そして昭和43年(1968年)は少し減って4,621億円の国債が発行されている。しかし、すでに景気は回復し、経済成長率は3年連続で10%を上回っていた。いわゆる「いざなぎ景気」である。景気が回復基調となっても国の借金は増え続けていくのである。明らかに何かが変ってきたと言わざるを得ない。私は戦後の経済成長の区切りとして戦後初めての国債発行時ととらえている。
6月の貿易統計が発表された。輸出は前年比+3.6%となり、懸念されていた対中輸出も+2.3%と5月のマイナスから再びプラスに転じた。アジアに対する輸出も回復。対米は好調持続で+11.2%。円安要因などもあることで輸出はそろそろボトムを打ったのと見方も出ている。
本日の入札から15年変動利付国債の入札方式が変更される。入札当日の10時半に、財務省において基準金利とのスプレッド(5bp単位)を設定公表される。初期利子に適用する利率(基準金利−スプレッド)を基礎として、コンベンショナル方式による価格競争入札となる。なお、応募価格の単位は5銭刻みとなる。また、国債市場特別参加者を対象として、第T非価格競争入札が実施される。
RPテック社での教育講座の執筆者のお一人でもある藤崎達哉氏が、なんとオーム社より「Excelで学ぶデリバティブとブラック・ショールズ」という本を出されました。早速、著者よりこの本をいただきました。ここであらためて御礼申し上げます。デリバティブにご興味のある方はぜひ読んでみてください。それにしてもバリバリの理系のオーム社から出版されるとは・・・。
http://ssl.ohmsha.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?&ISBN=4-274-06605-3
そしてもう一冊。こちらも著者のお一人、平山賢一氏より書店に並ぶ前にお送りいただきました「国債と金利をめぐる300年史」。ありがとうございました。まさに平山氏ならではのタイトルのような気がします。金利関係者必読の本となりそうです。かなり内容も濃いですよ。ご興味のある方はぜひ書店にてお手にとってください。発売は7月28日からだそうです。東洋経済新報社より。
「プロローグ」 ・・・・・・・・・・ はじまりはじまり 鷹「いきなり新シリーズが始まるって聞いて衣装もなにも揃えてないぞ」 鳩「本当に心の準備というものが必要だと思うんだけど、えっ、もう始まってるの」 鷹「えーと、今回から私、鷹と自称都会派お嬢さんの鳩さんで」 鳩「なによ自称って」 鷹「日本銀行の金融政策というのをお話することとなりました」 鳩「なんか難しそうだけど大丈夫かしら」 鷹「とりあえず日銀のホームページのおしえて日銀なんか読んで予習しないと」 鳩「あのね、もう始まった以上、ちょっと遅いんじゃないの」 鷹「それじゃあ、わかる範囲で話をするとしますか」 鳩「今、日銀の金融政策で目標にしているのが日銀の当座預金残高というものなのね」 鷹「以前は金利をターゲットにしていたんだけど、ついに目標の金利がゼロとなって」 鳩「操作の目標を日銀の当座預金残高という量に切り替えたのね」 鷹「量の目標は、これまで何度も引き上げられて、今は30〜35兆円にもなっている」 鳩「なんか検討もつかない数字なんだけど、そんなに維持できるのかしら」 鷹「デフレが進行していて景気が悪くなっているときは問題はなかった」 鳩「しかも金融不安が強まっていたので資金は安全性を求めて日銀の当座預金に」. 鷹「それが流動性需要の高まりといった表現をされていたわけだね」 鳩「ところが金融不安が後退して、その金融機関の流動性需要が減少してきたと」 鷹「そのために5月20日に30〜35兆円程度の目標に対してなお書きを修正し」 鳩「なお書きって、なおから先を付け加えた文章なのね、変な用語・・・」 鷹「一時的な下限割れも容認するようになったわけだね」 鳩「なお書き修正の時は、裏ではだいぶいろいろとあったようにも言われているわよ」 鷹「福井総裁はなお書き修正を方針変換の一歩と位置づけしたかったんじゃないかと」 鳩「それを谷垣財務相が強固に反対して、その結果、方針の変更はなくなったと」 鷹「すでに当預目標残高の引き下げについては2人の委員が提案している」 鳩「昨日の議事要旨を見ても市場機能を尊重しようとする委員も複数いるようね」 鷹「しかし、現実には量的緩和解除の3条件がある程度揃わないことには」 鳩「でも環境が次第次第に整いつつあると福井総裁などは見ているのかしら」 鷹「年末にかけての景気動向と消費者物価指数の動向が今後さらに注目される」 鳩「ということで、私達の新シリーズにも好御期待、週に一回ぐらい出てきます」 ・・・・・・・・・・プロローグ 完。
「夏ボーナス3.3%増」日経調べ、一人当たり支給額は前年夏比3.31%増の79万4690円と3年連続で増加。支給額は2年連続で過去最高を更新。
「工作機械受注、バブル期並み」自動車や家電などの部品、金型製作に使う交錯機械受注の今年1-6月の受注額は6728億円と前年同期比16.2%増。上期ベースでバブル期の1990年に次ぐ2番目の水準。
「消費者心理、4年ぶり高水準」内閣府などの外郭団体である日本リサーチ総合研究所は6月の消費者心理調査を発表。今後一年間の暮らし向きの予想を示す「生活不安度指数」は133となり前回4月調査から13ポイント低下して改善。同指数として2001年6月調査以来4年ぶりの水準。
「7月日経消費DIは消費増税前水準に回復」日経が小売業や外食・サービス業などの有力企業を対象に3か月ごとに業況をたずねる「日経消費DI」で7月の業況判断指数がマイナス9となった。マイナス9は消費税の税率引き上げ前の駆け込み需要があった1997年4月調査(マイナス3)に次ぐ水準に。
「当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要」を私なりの分析をしてみたい。
「当面の金融政策運営について、委員は、消費者物価の前年比が小幅ながらマイナスを続けている現状では、(1)所要準備額を大幅に上回る潤沢な流動性を供給し、(2)そうした政策を消費者物価指数に基づく「約束」に沿って続けていく、という現在の量的緩和政策の枠組みを堅持すること、が重要であるという点で、前回決定会合に続き認識を共有した。」
7月以降、特に10月以降、仮の話ではあるが予想されるように、消費者物価の前年比が小幅ながら「プラス」を続けている状況となった際には、この文面はどのように変化するのであろうか。それは置いといてこの部分には特に違和感はない。ただ本当に「認識は共有」されているのかどうかちょっと疑問も残るが。
「その上で、金融システム不安が後退するもとで、金融機関の流動性需要が減少し資金余剰感が強まっている状況を踏まえて、複数の委員は、量的緩和政策をより円滑に運営していくためには、当座預金残高目標を減額することが適当であるとの見解を示した。」
これは今回も反対した福間委員と水野委員のコメントであることは明確。
「一人の委員は、金融環境が変化しているにもかかわらず巨額の当座預金残高を維持することは市場機能の回復を妨げるほか、金融規律の低下に繋がるリスクがあるなどデメリットの方が大きいとして、当座預金残高目標を「27〜32兆円程度」に減額し、「なお書き」を前回決定会合での修正前の文言に戻すことが適当であるとの見解を示した。」
上記は福間委員のコメントと見られる。「市場機能の回復を妨げる」ことや゛金融規律の低下に繋がるリスク」のデメリットに言及。そしてもし減額するならば「なお書き」を前回決定会合での修正前の文言に戻すということも当然と言えば当然。
「また、もう一人の委員は、当座預金残高をある程度引き下げていかないと短期金融市場の機能は回復しないと主張し、当座預金残高目標を「25〜30兆円程度」に減額することが適当であると述べた。」
水野氏である。今回は福間氏とは別に当座預金残高目標を「25〜30兆円程度」に減額することを提案している。3兆円下げるか5兆円下げるか、あまり幅は関係ないようにも思われるものの、どうせなら一緒に同じ額での引き下げを提案してほしい気もする。実際に減額するようなことになって、審議委員が皆微妙に違う数値を提案してきたら、まとまるものもまとまらなくなる懸念も(?)。
「これに対して、大方の委員は、現在の金融市場調節方針を継続することが適当であるとの見解を述べた。」
まだ、こちらの方が当然多数である。
「多くの委員は、景気が「踊り場」にある中で、金融市場調節方針の変更を行うと、日本銀行の金融緩和スタンスが後退したと誤解されるリスクがあるとの認識を示した。」
福井総裁もここにきて景気認識を前進させたようにも思われるが、もし踊り場を脱した場合には「金融緩和スタンスが後退したと誤解されるリスク」は後退するということになるのであろうか。それともまた景気が減速するリスクは存在するとかなんとか(?)
「一人の委員は、デフレ克服にマイナスの影響が出ないことへの理解を得ながら、慎重に当座預金残高目標を減額していくことは将来の選択肢の一つと指摘しつつも、景気が「踊り場」にある中では、現状の金融市場調節方針の継続が適当であると述べた。」
須田委員であろうか。減額については「踊り場」を脱した際には賛成に回るものと考えられる。
「ある委員は、量的緩和政策の効果の中には家計・企業の期待に働きかける効果があると思うが、金融市場調節方針の修正にあたっては、こうした期待に働きかける効果を損なうことのないよう、極めて慎重な配慮が必要であるとの認識を示した。」
上記は、あくまで憶測であるが、中原審議委員あたりのコメントと思われるが西村委員の可能性もありそう。
「別の一人の委員は、当座預金残高目標を減額することは、量的緩和政策の時間軸効果を減殺してしまうリスクがあり、現在の目標水準を維持することは、デフレ克服を確かなものとし、市場機能の回復を可能とする最短の途であると述べた。」
こちらは岩田副総裁のコメントか?
「前回決定会合で修正した「なお書き」の扱いについて、一人の委員は、金融機関の流動性需要の減少やそのもとでの「札割れ」の頻発といった基本的な構図に変化がないもとで、今後様々な要因によって、金融機関の資金需要が減少するような場合には、市場機能への影響に配慮しつつ、最大限の資金供給努力を行っても、当座預金残高目標の維持が難しくなる場合も考えられることから、「なお書き」を維持することが適当であると述べた。」
なお書きに対する発言である。まずは総裁から、といったところか。
「また、何人かの委員も、「なお書き」を修正した趣旨については、市場でほぼ正確に理解されてきており、「なお書き」を変更する必要はないとの見解を述べた。この間、一人の委員は、前回修正した「なお書き」を維持することには敢えて反対するものではないが、発動基準や配慮すべき市場機能の内容について、必ずしも明確でない面もあることから、今後とも議論を行いつつ、残高目標達成に向けてのオペレーション上の努力を一貫して続けていくことが重要であると述べた。」
これがどの委員の発言なのか。「敢えて反対するものではない」とのコメントも気になる。「発動基準や配慮すべき市場機能の内容について、必ずしも明確でない面もある」と疑問を呈している。こちらが中原委員のコメントである可能性も。
「この点に関連して、委員は、前回会合における「なお書き」修正の趣旨は、金融機関の流動性需要が減少していることを踏まえ、金融機関の資金需要が極めて弱いと判断される場合には、当座預金残高が一時的に目標値を下回ることがありうるとしたものであり、今後の政策決定に関して何かを積み残しているものではないという点を改めて確認した。」
上記は総裁であろう。そうなるとその前の発言者は総裁の意図するところにやや疑問を挟んでいる委員と思われる。のちほど慎重な発言をしている武藤副総裁ととれなくもないが、岩田副総裁も含めて総裁の意思と反するような発言を決定会合の場で行うというのは、考えづらい。そうなれば、目標修正には反対ながらなお書き修正には賛成票を投じた中原委員と見るのが妥当であろうか。
「複数の委員は、金利の正常化に向けた第一歩というような今後の政策と結びつけた形で解釈されることがないよう、対外的な情報発信には正確を期す必要があると付け加えた。」
これは形式上(?)の公式見解と私は見ているので、総裁や副総裁などの意見であるものと思われる。
また、量的緩和政策のもとでの資金供給が市場機能へ及ぼす影響についても議論があった。
この部分はやや興味深い。
「ある委員は、資金供給オペレーション期間の長期化により、例えば短期国債の金利がほぼ一様にゼロに貼り付くなど、タイム・バリューのない異常な金利形成になっていると述べた。」
量的緩和策の時間軸効果が働いていることを考え合わせれば、異常な金利形成は日銀自らの働きかけによるもののはずである。
「また、一人の委員は、 2006年度にかけて量的緩和政策の枠組みを変更する可能性が徐々に高まると想定されるもとで、長めの資金供給オペレーションにより金利を無理に押し下げてしまうと、金利に関する市場の情報発信機能を損なうことになるため、オペレーション期間の長期化は避けるべきであると指摘した。」
たぶん水野委員のコメントであろう。量的緩和策を行っている段階においては金利に関する市場の情報発信機能はどうしても限界がある。それが効果的に可能となるのは日銀が完全に方向を転じてからである。技術的な対応からでは情報発信は無理と思われる。
「別の委員は、同様の観点から、オペレーション期間の短期化を進めるべきとの見解を示した。」
それでなくてもオペレーション期間を短期化してはますます札割れが多発し、だからこそ今年度末を超えるような長距離砲を撃っているはずである。実際のオペレーションの現場の意見も聞いているとは思うのだが、オペレーション期間の短期化は進めるべきものであるかもしれないが、現状進められるものではないと思う。もちろんこれがいずれ時代遅れとなってしまった長距離砲を持った巨艦、戦艦大和のように大いなる無駄なものとならないことを祈るばかりでもあるが。
「これに対して、複数の委員は、市場機能の尊重は中央銀行にとって極めて重要なテーマであるが、潤沢な資金供給がイールドカーブを押し下げる効果を持ち得ることは量的緩和政策の宿命でもあると指摘した。」
まさに宿命であると私も思う。「宿命」という響きがちょっと嫌な響きにも聞こえるが。
別の一人の委員は、量的緩和政策は、当初から市場機能への影響と政策目的達成との間のバランスを保ちつつ進められてきた政策であるとした上で、経済金融情勢が変化してきている中で、当座預金残高目標が自己目的化し、市場機能に過度の悪影響を及ぼすことは出来る限り避けるべきであると述べた。
自己目的化という表現は2日の福島県金融経済懇談会における水野審議委員挨拶の中に「当座預金残高目標の維持が自己目的化しないように」というのがあるが、また、武藤副総裁も23日の大分市内で講演し「自己目的化の残高達成は止め、市場に少しでも機能が残る運営にした」ともコメントしている。上記の「2006年度にかけて量的緩和政策の枠組みを変更する可能性が徐々に高まると想定される」とのコメントがもし水野委員であれば、これは武藤副総裁のコメントである可能性がある。「市場機能への影響と政策目的達成との間のバランスを保ちつつ進められてきた政策」というコメントも武藤副総裁ではないかと思えるのだが。ただし自己目的との表現を講演等で行っているのは二人であっても、それがある程度日銀の共通用語となっている可能性もある。その場合、最後にまとめていることを考え合わせ、福井総裁の可能性もありうる。なお以上のコメントはすべてあくまで私の推測であることをお断りしておきたい。
「クラス崩壊」といった言葉は最近聞こえなくなってきたが、小中学校などの荒れようは一時的ほどはひどくはなくなってきたにせよ、まだまだ大きな社会問題である。同年代の子供を持つ親の一人として、学校の問題はたいへんな関心事でもある。幸い娘達の通っている学校は比較的おとなしい生徒が多く、都会の学校ほどの問題はそれほど起きてはないと聞いている。それでも問題がないわけではないという。
先生が体罰をすることが社会問題視された時期があり、現在の先生は生徒に対して厳しくしかりつけることをためらっている感もある。それ以上に生徒が過激化暴力化し、先生に対して暴力を振るうといったことも年中行事になっている。学校の窓ガラスが割られるのも頻繁にあると聞く。ただ、それを届ければ記事になってしまうため余程のことがなければ届出も控えてしまうらしい。
なんとも情けない世の中になっているが、これを「ゆとり教育」の影響といったものだけに原因を求めるてもいけないと思う。大げさに言えば社会構造の変化なども影響しているのではないかと思う。しかし、日本でも荒れた学校が多いと言われる神奈川県にあって、しかも大都会横浜の公立の中学校で、荒れていた生徒も頭が上がらないといわしめた教師がいた。この本はそんな先生の話である。
数々の美術コンクールを総なめにしたことなどで知られる美術の先生の話ではあるがそれはあくまで結果である。この先生のすごさはその授業にある。まずは規律を覚えさせるためにいろいろな工夫をする。授業に集中させる仕組みを考え出すとともに、一人一人のプライドを持たせるようさせることにより、生徒のやる気を出させる。また、「りんごは赤じゃない」といったように記号化された画一的な見方しかできなくなっている生徒達に物の本質を見分けさせようとする。りんごは決して赤ではない。自然に生まれたものは単色であるはずでなく、多様な色が混ざり合っている。当たり前のことが今の子供達、いや親までも理解できなくなっている。
この本を読むと、教育はシステムではない、覚えれば良いものでもない。大人の論理だけでもめている教科書問題などは教育を受ける子供達にとってはマイナス効果しかないようにも思える。
つまり、教育はまさに教師にあるということを教えられるのである。ノーベル賞受賞者などが一様に述べていることに、すぐれた教師との出会いがある。教育を立て直すためには、受身に回るだけの先生ではなく攻めが出来て、生徒の心構えまで変えられるような教師が必要である。カリキュラムを変えれば良いといった問題ではないということをこの本は教えてくれるような気がする。新潮文庫。
本日の来年3月決算期日を迎える手形全店買い入れオペが札割れとなった。今月末から来月中旬にかけて再び日銀の当座預金残高が目標値である30兆円を割り込む懸念があるため、今後日銀がどのように対応してくるのか注目される。
7月25日は国債発行などもあり日銀の当座預金残高はこのままでは30兆円を割り込む可能性が強い。さらに来月3日から15日にかけては27兆円から28兆円台となることが予想され、日銀も何がしかの資金供給手段を講ぜざるを得ない。しかし、肝心の来年3月決算期日を迎える手形全店買い入れオペが札割れとなったことなど見てもなかなか苦しい対応を迫られそうである。
日銀の福井総裁は13日の会見において次のようにコメントしている。
「枠組み修正ということとは全然別に、金融市場の状況の変化に即して現実的な金融政策としての何がしかの調整が必要かどうか。この点については前々回なお書きを修正することによって、この金融市場における流動性需要の大きな波という厳しい局面に対応し得るようになった。今後の市場状況の変化と照らし合わせながら、よく観察していけば良い。今のところ、ここで何らかの予定的行動を隠し持っているということはない。今後、全くオープンに判断していけば良いと思っている」
「金融システムの安定度合いが強まるにつれて、金融市場の中の反応がどのように変わるか、それは今までのところなお書き措置で十分だということで対処したわけである。今後、市場がどのような反応をさらに示してくるかということによって判断していかなければならない。今のところそうしなければならないという感じで見ているわけではない。なお、量的緩和の枠組みそのものを修正するということとは別の話としてお答えしたところである」
以上のコメントを見る限り、量的緩和の枠組みそのものを修正するということではなく、技術的な対応については「全くオープンに判断していく」ため、目標値の変更の可能性も全くないとは言い切れない。
ただし武藤副総裁は「私は札割れとか資金需要の減退だけを理由に当座預金残高を下げるという立場に立っていない」とも6月23日の記者会見などでコメントしているが、これはたとえば谷垣財務相なども同様の考え方をしているとも思われる。このため技術的対応といえど非常に困難を伴いそうである。
25日以降、いろいろな手段を講じたにもかかわらず30兆円を維持できない日が続くようなことがあれば、自然と下限変更を求める声が上がってくるといった可能性もある。今回は日銀は先んじて動くよりもそういった声の広がりを待っての変更といった可能性もないとはいえない。とにかく今後のオペ等などから今月25日以降の日銀当座預金残高の行方については目を離せない。ちなみに、日銀の金融政策決定会合は7月27日、そして8月8日と9日に開催される予定となっている。
2001年4月からの財政投融資改革によって資金運用部は廃止され、郵便貯金及び年金積立金の預託義務も廃止された。我々は郵便局へ貯金したり年金を払ったりしているが、こういった政府機関に集まった資金は、これまで財務省の資金運用部というところに集められて(資金運用部に預託され)運用されていた。その資金を住宅金融公庫・国民生活金融公庫をはじめとする公的金融機関や、日本道路公団などの公共事業実施機関、国の特別会計、地方自治体などに貸し出していたのである。
しかし、財政投融資改革、いわゆる財投改革によって、資金運用部に預託する義務が廃止され、郵便貯金や簡易保険で集められた資金は郵政事業庁、公的年金は厚生労働省の年金基金運用基金が、それぞれ独自で運用することとなったのである。これにより資金を必要とする財投機関は、市場から新たに資金を調達しなければならなくなった。このために発行されるのが、財投機関債、政府保証債、財投債である。(拙著「日本国債は危なくない」文春新書より)
郵政民営化に対する論議も盛んだが、財投を意識するならばこの財投債についても一度振り返っておく必要もあるのではなかろうか。今回はまずこの財投債がどの程度残高があるのかを財務省資料から見てみたい。ちなみに財投債とは、財投機関債、政府保証債のいずれでも資金調達が困難な場合に、財務省が発行する「国債」である。そこで調達した資金を財投機関に融資する。
平成17年度末(見込)の国債・借入金残高の種類別内訳(http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/siryou/zandaka01.pdf)からみると、建設国債や赤字国債などの普通国債の残高が538兆3849億円あるのに対して、財政融資資金特別会計国債つまり財投債は143兆6081億円存在する。これは内国債の残高686兆1516億円のうちの約21%にも相当するのである。
財務省は「国債の保有者層の更なる多様化の観点も踏まえ、市場との対話を拡充する ため」国債投資家懇談会のメンバーを拡大することとしたようである。拡大後の初回会合は、7月22日(金)10時から開催する(議題:最近の国債市場の動向等について)。
銀行や生損保などの代表に加え、国内の投信投資顧問の代表と海外投資家の代表が今回から参加されるようである。
国債投資家懇談会メンバー(投資家)
これまでのメンバー
信金中央金庫・全国共済農業協同組合連合会・東京海上日動火災保険株式会社・株式会社東邦銀行・日本生命保険相互会社 ・農林中央金庫・株式会社みずほ銀行・三菱信託銀行株式会社・株式会社八千代銀行
追加メンバー
野村アセットマネジメント株式会社・ピムコ ジャパン リミテッド・プルデンシャル生命保険株式会社
5月の全国コアCPIがゼロとなり今後はさらに物価の動きが注目されるものと見られる。7日の「若き知」でもコメントしたように、6月の全国コアCPIは足踏みとなり場合によると再びマイナスとなる可能性もあるが、7月にはガソリン価格の上昇などによりコアCPIがゼロもしくは若干のプラスになることも予想される。日経新聞などによるとレギュラーガソリンの給油所店頭は11日時点で1リットルあたり125.1円となり2週連続で値上がりしたそうである。125円台は1994年8月以来の高値水準だとか。
特殊要因によるCPIの押し下げ効果も10月以降に剥落してくるものとみられている。まず、米類については高騰の反動による押し下げの影響が昨年10月から顕われており、それによる影響は今年の9月頃までとなる。
今度は電気代について見てみると、関東地方では昨年10月から実質4%ほどの値下げが実施されている。また、東北、中部、九州地方も今年1月から。北海道、北陸、関西、中国、四国地方では4月から値下げとなっている。ちなみに沖縄は6月からの値下げに。これによる押し下げ効果もやはり10月以降順次剥落してくるものと見られる。
固定電話通信料については、新規参入会社が昨年12月に基本料・通話料が割安な固定電話サービスを始めたことなどを受け、NTT東西地域会社などが今年1月から固定電話基本料の値下げに踏み切った。この影響も来年1月以降剥落するものと見られる。
以上のように特殊要因の剥落は今年10月以降となる。しかし、5月の全国コアCPIは前年比ゼロとなり、7月以降はプラスに浮上する可能性もある。10月以降はそこにどれだけ上乗せされるかが注目されよう。
11日に発行された第11回個人向け国債の発行額は1兆6,423億円となり、過去最高の発行額となった10回債(2兆3,374億円発行)に比べて6,951億円減少した。11回債は長期金利の低下に伴い初期利子が前回10回債の初期利子0.73%から今回は0.45%へと引き下げられており、0.1%以下となっていた第3回債までを除くと、4回債以降、最も低い初期利子となったことなどが影響したものと見られる。ただし、郵便局では販売枠2500億円を3日間で完売していた。
これまで発行された個人向け国債の回号別販売額と初期利子は下記の通り
第1回(2003年3月)3,835億円(うち郵便局499億円)、0.09%
第2回(2003年4月)3,486億円(うち郵便局746億円)、0.05%
第3回(2003年7月)2,802億円(うち郵便局588億円)、0.05%
第4回(2003年10月)9,432億円(うち郵便局1,659億円)、0.77%
第5回(2004年1月)1兆3,951億円(うち郵便局995億円)、0.62%
第6回(2004年4月)1兆4,185億円(うち郵便局1,244億円)、0.55%
第7回(2004年7月)1兆7,726億円(うち郵便局1,990億円)、0.74%
第8回(2004年10月)1兆8,652億円(うち郵便局2,484億円)、0.74%
第9回(2005年1月)1兆7,647億円(うち郵便局2,436億円)、0.67%
第10回(2005年4月)2兆3,374億円(うち郵便局1,990億円)、0.73%
第11回(2005年7月)1兆6,423億円(うち郵便局2,500億円程度)、0.45%
10回債はペイオフ完全解禁直後ということもあり販売額を伸ばしたため、やや特殊要因もあったにせよ、今回の大幅な販売額の落ち込みはやや気になるところでもある。
しかし、今後景気回復期待や来年にかけて日銀の量的緩和解除の機運も高まるようなことがあれば、長期金利は1.5%を超えてくる可能性が十分にある。0.8%を差し引いて0.7%台の初期利子がつけば、これまでの経緯を見ても販売は伸びていることも確かである。
仮に長期金利が1.8%台に乗せてくるようならば初期利子が1%台に乗せてくる。預貯金金利は日銀が量的緩和を解除しない限りは現行の水準を当面維持するものと見られるが、長期金利は先を見越して動いてくる。そんなところにも変動金利タイプの個人向け国債の優位性があるはずなのだが、これは個人にはなかなか理解しづらい点でもあるのかもしれない。
ここにきてまた物価連動債が売られている。特に投資家からの売りが入ったとの見方は少なく、業者によるポジション整理の動きが主因でないかと見られている。今年4月に物価連動債に係る譲渡制限の緩和され、外国法人等が譲渡対象に追加されたが、思いのほか海外投資家によるニーズは少なかったと見られ、6月7日に入札が実施された第4回債などでは業者がやや在庫を抱えていたと思われる。
物価連動債の問題点として、会計処理の問題が取り上げられているが、元本減少リスクがある複合金融商品になるため、原則として利付国債部分とデリバティブ部分を区分処理する必要がある事に加え、会計上時価評価の必要がある。このため業者もタイミングによっては手持ちの在庫を処理必要があるため、その分が市場に売りが出されて価格が下落しているものと見られる。
事前の予想と実際の数値が良く乖離することで何故か相場に影響を与えていた日本の機械受注と米雇用統計の発表後の動きが、日米で異なったものとなってきた。
先週末8日に発表された5月の機械受注(船舶・電力除く民需)は前月比-6.7%と事前予想の-2%近辺を大きく下回り、これを受け債券先物は140円84銭まで一気に買い上げられた、ただしこれは5月の数値ということであり短観との違いも指摘されていた。6月集計の日銀短観では2005年度の設備投資計画は、大企業が+9.4%(製造業+16.2%、非製造業+6.1%)、中小企業が-8.0%(製造業-12.5%、非製造業-6.4%)となり、前回の3月調査から大幅に上方修正されていたことを考えると、5月の機械受注に対する反応はやや過剰反応とも思われる。
ところが8日の米雇用統計においては、これまで注目されていた非農業雇用者数と事前の予想の乖離による動きはかなり限定的となった。非農業雇用者数は+14.6万人増と発表され、事前予想の+20.0万人を下回った。これまでならこれを受けて株が売られ債券が買われたりしたのだが、今回は5月発表分が+7.8万人から+10.4万人へと上方修正された事や失業率が5.0%へと前月から0.1%改善し2001年9月以来の低水準となったことが好感され、NYダウは146.85ドルも上昇し、米20年債は一時買われ4.031%をつけたがその後売られ一時4.11%まで利回りが上昇している。
今回のNYダウの上昇の背景として、ロンドンでの同時爆破テロを受けてテロに屈するような株の下落を回避させようとの米国民の意地がそうさせたとの指摘もあるが、さもありなん。ただ、非農業雇用者数の予想との乖離に一喜一憂することが少しおかしいということに気が付いてきたのではなかろうか。今更何をと言われそうだが、ひとつの経済指標で全体を見渡すにはかなり無理もある。
日本の機械受注も同様である。債券市場ばかりか株の市場まで過剰反応するようになってしまったが、よく言われるようにあくまで機械受注は振れが大きすぎて単月の動きが全体の流れを示しているとは言いがたい。エコノミストが予想しづらい点をつけ込んで材料視しているかにも見える。実際に今日の債券先物の動きを見ると、あっさり機械受注の上昇分ははがれてしまっている。
マーケット特有の現象から特定の注目指標の流行廃りは常に存在する。しかし今後は機械受注もそれほど重視されなくなってくるのではないかとも思われるのだが。
将来の租税をその償還財源としている既存の国債と異なり、財投債については、貸付債権からの回収金等によって償還されるので、既存の国債の60年償還ルールを前提とする定率繰入れの規定は適用しない。また、国債整理基金特別会計法に基づく借換債の規定は適用しないこととする。
財投債は、見合いの貸付債権等を有するものであり、実質的な国の債務残高を増加させるものではないことから、償還計画表は不要と考えられる。なお、財投債についても、財政法第28条の償還年次表を参考資料として国会に提出することとなる。
財政投融資制度の改革の実施に伴う経過措置、平成13年度以降の7年間における措置
財投計画は、財政融資、産業投資、政府保証から成っており、予算総則に載り予算の議決という形で国会の議決が必要。
新たな貸付及び既存の貸付に必要な財源として、財政融資資金特別会計国債を発行
またもや悲惨なテロが発生してしまった。昨日、ロンドンで同時爆破多発テロが起き、多数の死傷者が出た。グレンイーグルズでの主要国首脳会議(サミット)の開催期間中を狙ったものと見られる。
「シティー」にある地下鉄リバプールストリート駅付近の地下構内で午前8時51分、最初の爆発が起き、その後、構内や地下鉄車両内で計3回の爆発があり、また、大英博物館に近いラッセル広場周辺では午前9時47分、2階建てバスの車内で爆発が起きた。
こういったテロはどれだけ警戒を厳重にしても防ぎようがない。一般市民にテロリストが紛れ込むと見分けることはむずかしい。軍事大国の米国がどれだけテロの一掃を図ろうとしても無理があろう。
今回の地下鉄を狙ったテロで思い出したのは地下鉄サリン事件であった。こちらは朝8時ごろの通勤ラッシュタイムを狙ったものであるが、今回のロンドンのテロともどこか類似点もあるようにも思える。
こいうったテロとか起きるとまず市況が気になってしまうのは性かもしれないが、今回のテロを受けて一時ドルやユーロが売られたものの、ドルは切り返し円も結局弱含みの状態となった。これは知人のブログでもコメントがあったが、米国はこれを受けてさらにテロへの対応を強めることが考えられ、軍事力強化への連想もあり「有事のドル高」の復活ともいえるのかもしれない。その反面、円が弱いのは欧州から遠く離れているために安全というイメージに変り、むしろ日本も標的になりえるとのイメージが働いた可能性がある。
私も次の標的が東京となっても何の不思議でもないと思う。小泉首相も米国寄りの姿勢を強めており、実際にイラクに自衛隊も派遣している。ニューヨークやロンドンとともに以前よりは力を失ったとは言え、東京も立派な世界的金融都市でもある。
自衛手段も限られるが、不審者や不審物を見たら通報するなり、とにかく距離を置くということを考える必要があるかもしれない。人を見たらテロリストと思え、などとは言いたくはないが、そんな物騒な世の中であることも確かである。
6月にはガソリン価格が一旦低下したこともあり、やや足踏みとなるかもしれないが、7月以降は安定的にゼロ以上となる可能性が出てきている。たとえば7月出荷分のガソリンなどは、石油製品の卸値は6月比3円程度引き上げられたことで店頭価格も1リットル当たり124円台に上昇している。ガソリンだけでなく、タイヤの価格なども2年連続で引き上げられているなど、価格転嫁もここにきて次第次第に行われているとみられる。価格転化は一部に限られるとの見方もあろうが、次第に裾野も広がりつつあるようである。
景気も外需の減速を個人消費などの内需で補ってきており、予想されたほどの落ち込みには至っていない。日銀の地域経済報告(通称さくらリポート)においても、「足もとの景気は、多くの地域で緩やかな回復基調にあり、弱めの動きも解消しつつある。」としており、全9地域のうち7地域の景気判断が「緩やかな回復基調」となっており、景気回復の一服感が弱まりつつあることを指摘している。景気の回復基調が今後も続くであろうことは、日銀の福井総裁も再三指摘していたが、このさくらリポートにおいても、それを確認させるものとなっている。
それでは、景気の回復基調が再び強まった上に、このまま安定的にコアCPIがゼロ以上で推移するようになった際に、日銀はどのように動くであろうか。武藤副総裁は、「もし本当に予定通り(消費者物価指数の前年比が)プラスになり、それが相当続くとなればデフレ脱却と言えるではないかということは議論の余地があると思う」とかなり慎重な構えを示している。これは谷垣財務大臣の意向を受けたものとの見方もあるが、こういった意向を察して表面上の姿勢制御を行ったものと思われる。
審議委員の一部には日銀の当座預金残高目標額の引き下げを求める声があるものの、すでにこれは量的緩和解除に向けての一歩との捉え方をされてしまっている。なお書き修正はされたものの技術的にも現在の目標額を維持させるのはなかなか厳しい。今月末から来月はじめにかけても一時的な下限割れの可能性も強い。しかし、当座預金残高目標引き下げを納得させるためには、量的緩和解除の条件がある程度揃わなければむずかしいものと思われる。
このためコアCPIが数ヶ月に渡りゼロを上回ってさらにトレンドとして上昇基調が確認できた上で、経済指標なども考慮に入れ、目標引き下げではなく、一気に量的緩和を解除する可能性が強いものと思われる。そのためには少なくとも年内の解除の可能性は薄く10-12月のCPIの上昇幅を確認した上で、来年早々の可能性が強くなっているのではないかと考えている。
6月相場での調整局面は一時的となり、むしろ長期金利はその反動も加わり、1.165%まで低下した。しかし、さすがに1.2%割れはややオーバーシュートしたものと思われる。
7月の国債入札は、5日10年、12日5年、14日30年、21日15年変国、26日20年、28日2年とほぼフルラインナップ。6月は償還も多いことで需給はタイトとなったが、7月はそういった要因もはがれる。好需給による押し上げ要因も多少後退しよう。そして、相場の方向性を見る上でファンダメンタルズを無視するわけにはいかなくなってきた。
7月1日に発表された日銀短観は、予想以上に日本経済について好調とみている経営者が多いという結果となった。6月の業況判断DIは、大企業製造業が+18、大企業非製造業が+15、中小企業製造業が+2、中小企業非製造業は-12となり、いずれも事前の予想を上回った。また、先行きの9月の予想に関しても、大企業製造業が+17、大企業非製造業が+14、等となっており、慎重な見方ながらもそれほど大きな落ち込みとは考えていないようである。
ただし、6月29日に発表された5月の鉱工業生産指数速報では生産指数が季調済前月比-2.3%で、こちらは事前の市場予想通りであった。また、生産予測は6月前月比+1.7%、7月-1.2%と、こちらは引き続き踊り場にあることを示していたため、多少注意も必要ではある。
7月1日にはもうひとつ重視すべき指標が発表されている。消費者物価指数である。5月の全国消費者物価指数は生鮮食品を除く総合指数の前月比は0.2%の上昇。前年同月でゼロとなった。前月比では3か月連続の上昇となり、下落傾向から脱する動きとなっている。6月はやや足踏みとなるかもしれないが、7月以降のコアCPIは安定的にゼロ以上となる可能性も出てきた。
日銀が経済指標として最も重視していると見られる日銀短観が、予想を上回る良い数値となった上、コアCPIもゼロ以上に浮上する可能性が強まった。このままCPIが安定的にゼロを上回って推移すれば、年内の量的緩和解除の可能性は薄いとは思うものの10-12月期CPIの上昇幅を確認して来年早々にも解除の可能性はありうる。
ここにきて海外情勢も変化しつつある。米国においても再び好調な経済指標も出ており、欧州でも利下げではなく利上げ観測まで出てきている。海外景気においても懸念されたほどの落ち込みも回避されそうである。
以上のことから、日本の長期金利は今後上昇トレンド入りする可能性が高まったと見ている。9月までには1.5%近辺まで上昇する可能性もあると見ている。
ハイテク絡みではマニアックなものがいずれメジャーになることが良くある。四半世紀前からパソコンを使っている身としては、ここまで普及するなどゆめにも思わなかったし、また昔は音響カプラを使ってパソコン通信を行っていたのが、今ではインターネットがそこらじゅう張り巡らされている。著作権問題も絡み、聞いていることを公表するのもはばかられたMP3も、ここにきて一般化している。ということで、今回はこれから注目されるマニアックなものとしては以前にも指摘したが動画を取り上げてみたい。
DVDも安価になりポータブルDVDプレーヤーも見かけることが多いが、やはり動画ももう少しハンディータイプのプレーヤーが求められる。すでに携帯電話の一部やPSPなど動画再生機能を持っているものも出てきてはいる。しかし、MP3同様にもとのコンテンツから利用可能なものに圧縮するには、ある程度のパソコンの知識が必要となり、これがネックになっているようである。また結構面倒でもある。
ただHDやDVDレコーダーも波及しており、すでに手元にデジタルコンテンツを保有している方も多い。通勤時間や空いた時間を利用して、とりためておいた番組を携帯電話などで見たいとの要望もあるのではなかろうか。また、テレビの語学講座などを利用したい人もいるものと思われる。音声だけでなく画像があると、さらに知覚が刺激されるため覚えやすくもなるはずである。
携帯動画変換君なるフリーソフトも存在するが、いずれHDレコーダーにもSDカードやminiSDカードが取り付け可能となり、手元の動画を持ち運び可能にしてくれるものも出てくると思う。しかし、著作権も絡み技術はあれど製品化が遅れ、またアップルなどに先を越されるといった自体にもなりかねないような気もする。この際、まず著作権もあまり絡まない昔の映画などを安価でネット配信などしてくれるとうれしいのだが。
7月の日銀当座預金残高は、10兆8400億円の資金不足となる見込み。前年より1兆7954億円拡大し、2002年12月以来の大きさに。要因としては国債の発行増などがあげられている。1兆円以上の資金が不足するのは4日、11日、13日、20日、25日、29日。中旬から月末にかけて徐々に資金不足が大きくなっていくとのこと。
7月末から8月上旬にかけて日銀当座預金残高の下限割れの可能性があり、これは来月以降も続くものと見られる。
7月1日の日経新聞の経済教室には、日銀の中曽金融市場局長が説明責任を果たすべく(?)自らコメントされている。「無理な資金供給に弊害も」「市場機能ゆがめる」といった見出しとなっているが、現在の日銀のおかれている状況を丁寧に説明されている。ただ、最も現場に近いところの局長がこういったコメントをされるのも極めて異例のようにも思われた。
今朝から財務省のホームページへのアクセスが繋がらない。7月4日は米国独立記念日で、もしやテロ・・・。ということはないと思われ、どうやら「予算編成ゲーム〜財務大臣になって予算を作ろう」へのアクセス集中が要因のようにも思われる。それほど皆、財務大臣になりたいのだろうか?。というより国の予算編成というものを知りたいとの意向が強いのかもしれない。興味関心のある方は少しタイミングを置いて下記アドレスにアクセスいただければと思う。
http://www.mof.go.jp/zaisei/game.html
日銀は「なお書き」変更の際に当預残引き下げ論議も強まっていたことから、それを打ち消すための姿勢制御を図っているように思われる。
その第一弾として、6月23日の武藤副総裁の大分県での講演におけるコメントがあげられる。これまで武藤副総裁のコメントは中立的なものが多かったにもかかわらず、この講演においては、「私どもの決定は、決して量的緩和政策の方針転換を企図したものではなく」と強調し、景気の見方においても「先行きの回復のテンポも緩やかなものにとどまる可能性」と慎重な見方を示している。記者会見においても、「展望レポートどおりに2006年度の消費者物価指数の前年比が小幅なプラスを実現したとしてもデフレ脱却とは言い切れない」ともコメントしている。
これをもって武藤副総裁がハト派に転向したとか、財務省や政府の意向を反映したコメントととるのは早計であるかと思う。むしろ総裁・副総裁は一枚岩とみるべきであると思われ、このコメントには福井総裁の意思も反映されているのではないかと思われる。つまり、なお書き修正を量的緩和解除に向けた動きであると現時点でとらわれてしまうことを警戒し、表面上の姿勢制御を図るためのものと思われる。
また第二段として、当預目標額の賛成派のひとりと見られている春審議委員の6月27日の旭川市における金融経済懇談会の挨拶の内容も軌道修正に見える、なお書き修正を「量的緩和政策を変更するものではない」と強調した上、「引下げがデフレ克服にマイナスの影響を及ぼすと受け止められる可能性などを慎重に見極めていきたい」と慎重姿勢を示した。ここで4月5日、6日の日銀金融政策決定会合議事要旨の中での下記コメントをみていただきたい。
「別の委員も、現行の当座預金残高目標の維持が難しくなる場合には、デフレ克服にマイナスの影響が生じないことを確認しながら、残高目標を減額することも一つの選択肢として考えられるとの認識を示した」
これが実は春委員のコメントではないかと以前に指摘したが、旭川市の挨拶内容にも通じるものがあり、その可能性が高いと思う。しかし、旭川市の挨拶ではこの議事要旨の内容からは微妙に修正をしており、これもやはり春委員のハト派への変更というよりも、日銀による表面上の軌道修正と捉えたい。
上記は私の憶測も入りこんでおり、事実と反するとのご指摘もあるかもしれない。しかし、福井総裁のまだ表面に出したくはない本音は、27日に発表されたBISの年次報告の中での、「日銀の量的緩和は転機を迎え、出口に向けて市場とどう対応するかが重要になる」という部分にあると思われるのである。
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