「若き知」
「過去データは一番下に移行しました」


2005.10.31「国の本当の予算規模」

今朝の日経新聞の記事に「知らぬ間に膨らむ政府」という特集記事があった。この中で政府の規模はどの程度なのかというものがあった。2005年の当初予算ベースでの一般会計予算は財務省のホームページなどで確認できるように82兆2千億円である。ここに地方の分を加える。その予算となる地方財政計画の161兆円と国の倍近く存在する。そこにまた一部の特別会計も加える必要があり、空港整備などでのこの規模は412兆円と一般会計の5倍にまで膨らんでいる。ここには重複分があるためそれを差し引くと約240兆円に登るとか。ここに財政投融資や国の補助金などの重複分を引いた地方自治体の歳出などを加えるとおおよそ300兆円規模になるという。


2005.10.31「昭和33年、東京タワーと卵かけご飯」

高い鉄塔を見るたびに「東京タワーだ」と叫んだ記憶のある方は昭和30年代に生まれた方が多いのではなかろうか。その東京タワーの下半分だけの写真を見た時の印象は強烈なものがあった。昭和33年9月に生まれた私にとってこの年12月に開業した東京タワーは物心ついたときにはすでに存在していた。どうも開業して1年以内に私は両親に連れられてこの東京タワーに登ったらしい。その写真が存在している。それはともかく、この東京タワーがどのように建てられていったのか、そのようなことは想像したことがなく、半分だけの東京タワーは印象的であったのである。その東京タワーの作りかけの状態のポスターがあちこちで見かけるようになった。11月3日公開の映画「ALWAYS 三丁目の夕日」である。

昭和33年がどんな時代であったのかはもちろん記憶にはない。けれど日本がとても活気に溢れ、貧しいながらも助け合って皆がんばっていた時代であったようだ。当時はまだテレビなども普及しておらず、子供たちは学校から帰ると外を駆け回っていた。食卓も決して今のような豪華なものではなかった。牛肉などほとんど見たことがなく、ビフテキという響きからは得体の知れない豪華な肉といったイメージを抱いていた。

そして卵をご飯の上にかけて食べることすらちょっとした贅沢でもあった。これが「卵かけご飯」と言われるものであった。この「卵かけご飯」の魅力を歴史や栄養などさまざまな視点から語り合うという全国シンポジウムが今月30日に島根県雲南市で開かれたそうである。そしてまた10月30日を「たまごかけごはんの日」と決めたとか。愛好者はまだ全国に残っていたようである。

この「卵かけご飯」を調べていたところ、最後にお茶を茶碗に濯いで飲むというものがあった。そういえば幼少(?)のころはそんな飲み方をしていたと懐かしくなったが、この作法、実は日本の禅宗由来の正式な食事作法だったようなのである。そんな習慣が庶民にまで広がっていたのかとやや不思議な面持ちであった。


2005.10.28「中学生のための個人向け国債の賢い買い方 その1」

これから1か月程度の期間をかけて12月に募集が開始される新型の固定利付タイプの個人向け国債の発行を控えて、金融にあまり詳しくない方々にも理解可能なかたちでの個人向け国債の解説をしてみたいと思う。目標は我が家の長女(中学2年生)にも「わかった」と言ってもらうこと。がんばってみたい。国債の関係者や金融投資のプロの方々からの助言などもいただければ幸いである。それでは第一回は「お金を見てみよう」

第一話「お金を見てみよう」

「起立、礼、よろしくお願いいたします。着席!」

このたびこの2年B組で臨時の授業を受け持つこととなりました牛熊(うしくま)です、よろしくお願いいたします。これから君たちにお話をするのは国債のことです。なんかかなり難しそうなことと思われるかもしれませんが、その通りです。なかなかとっつきにくいものでもあって、間違ってもアニメの題材なんかにはされそうもありません。でも国債というものは君たちにとっても直接関係があるものでもあるのです。できるだけわかりやすく面白くお話していくつもりですので、できたら寝ないで聞いてくださいね。

私の中学生の頃は親から毎月千円とかの「お小遣い」を貰っていましたが、君たちもやはり小遣い制なのかな。そうか、それは今でもあまり変っていないようだね。それではその小遣いを貰ったらどうするのかな。財布に入れて使う。そうだね、ほかには。貯金する、偉いぞ。貯金とは読んで字のごとく、お金を貯めることだね。昔はブタの貯金箱なんていうのもあったけど、今は百円ショップでもいろいろなものが売っているね。

その百円ショップで貯金箱を買うにはお小遣いの一部を使うこととなるけど、物を買うということは、たとえば百円という価値をもっている百円硬貨と貯金箱を交換するということにもなるよね。

それでは誰が百円硬貨に百円という価値を与えているのかな。お金を漠然と使っているとあまりそんなことは考えたことないよね。誰かがお金にそこに表示された価値があることを認めていることで、その表示された金額のものと交換ができる。これがお金の持つ大きな役割でもあるんだよ。お金の役割とは、このように交換でできることや、その価値をたとえば貯金箱などで簡単に貯めておけること、それに加えて物の価値を測ることができることなどがあるんだ。

物の価値が変化することはわかるよね。中学生ともなるともう卒業したかもしれないけど、アニメとかのキャラクターカードなどで、なかなか手に入らないものは価値が高くなるよね。反対にみんな持っているようなカードは価値はあまりないので低くなる。そのカードの価値を具体的に比べようとしたらどうしたら良いだろう。まあカードの売り買いはあまりお勧めできないが、お金に換算することで評価できることも確かだね。

お金の役割といったことは理解できたかな。それでは話を戻して、誰がそのお金の価値を保障しているのだろうか考えてみよう。もし誰かがその価値を保障してくれないと君たちの持っているお金はただの金属や紙に過ぎなくなってしまう。

百円硬貨を見てほしい。そこに「日本国」という表示がある。そう、これは国がその価値を保障していることになるね。そして、お金にはお札もある。お札と百円硬貨などの貨幣との違いってわかるかな。お札を良く見てほしい。お札には「日本国」ではなくて今度は「日本銀行」とか「日本銀行券」と書いてあるよね。ということはお札の価値を保障しているのは国ではなくて日本銀行という銀行ということになる。

お札をもっと良く見てみると「財務省造幣局製造」とも書いてあるね。小さくて私のような老眼ではとても見づらいんだが。それはさておき、それでは日本銀行と財務省、そして貨幣の日本国とはどのような関係にあるのだろう。答えを言ってしまうと、まず貨幣の日本国は日本国政府のことであり、これを発行しているのは政府の機関でもある財務省なんだ。そしてお札を印刷して作っているのも財務省の造幣局だね。ところが。お札を造幣局から受け取って発行する権限を持っているのは日本銀行という政府とは異なった組織なんだ。では何故、日本のお金のほとんどを占めるお札は財務省が発行しないで日本銀行が発行するのだろう。このことは国債というものにも関わってくる大事なポイントでもあるので、少し考えてみてほしい。

どうだろう、何か思いついたかな。日本の政府の役割といったものもすでにある程度は勉強していると思うけど、政府はいろいろな役割を持っていることは知っているよね。君たちの教育といったことも文部科学省というところが担当しているんだよね。道路を整備したり、外国と交渉したり、とにかくいろいろな仕事があって、それにはとても大きなお金が必要になる。今では年間80兆円とかの規模の予算を財務省が組んでいるんだ。

もし国が自分でお金を印刷して発行できるとしたら、あれも必要、これも必要ときりがなくなって、お金がどんどんと増えていってしまう危険があると思わないかい。お金がなくなったら刷ればいいじゃん、なーんてことはあまりに魅力的だけど危険もはらんでしまうだな。

ということでちょっと歴史を遡っての明治時代、このころはまだ政府がお金を発行していたんだ。1877年に上野の銅像でも有名な西郷さんたちと政府が戦った西南戦争が起きた。政府は戦争のための費用を調達するために政府紙幣を増発したんだ。そのために貨幣の価値が急落してしまった。いわゆるインフレという現象が起きてしまったんだ。そのため、紙幣の乱発を防いで通貨価値の安定を図るという目的のもと1882年に日本の中央銀行として日本銀行が設立されることになったわけだ。

日本銀行法という法律があるのだけれど、その第1条に「日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うことを目的とする。」とあり、また第2条には「日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。」ううむ、言いたいことはわかる。法律の文章ってちょっとわかりづらいよなあ。できたらもっとわかりやすい文章にしてもらうともっと読んでもらえるんじゃないかとも思うよ。それはさておき、物価の安定を図るとは貨幣の価値を安定させるということにもなり、それが日本銀行の大きな目的となっていることが、なんとなくわかるよね。

それでは、君たちはこのお金を貯めておくのに財布や貯金箱を使うと思うけど、ご両親たちはどうしているのだろうか。なになに、タンスの奥にある本のページの間に貯めているって、それはちょっと特殊な貯め方じゃないかと思う。普段は銀行や郵便局に預けているよね。そういえば貯金と預金の違いってわかるかな。郵便局に預けるのが貯金で、銀行に預けることを預金と言うんだ。おっと、チャイムが鳴ってしまった。では次回はこの我々がお金を預けるということと、国債を買うといったことの違いを次の時間でお話したいと思う。それでは、本日はこれまで。

「起立、礼、ありがとうございました。着席!」


2005.10.27「既存の5年国債と個人向け固定利付5年国債の比較」

新型個人向け国債(固定金利型)の金利についても財務省の発表があり、これで新型個人向け国債の概要がほぼ固まった。12月8日に実施される5年国債入札結果から導かれる基準金利から0.05%が差し引かれたものが、12月に募集される第一回新型個人向け国債(固定金利型)の利率になる。募集期間や発行日などは第13回個人向け国債(変動金利型)と同じ日となる。この新型個人向け国債(固定金利型)とすでに発行されている5年もの国債との相違点を見てみたい。

「個人向け」は、発行から2年経過後に可能となり額面金額が保証される。これに対して「既存の5年国債」は売却はいつでも可能ながら、その際には額面は保障されていない。

「個人向け」の中途解約時の買取価格は、額面金額と経過利子相当額を加えたものからすでに支払われた利子のうち最大4回分が差し引かれる。つまり利子4回分が解約時の手数料相当となる。「既存の5年国債」の途中売却は証券会社などが買い取るかたちとなるため、それぞれの金融機関で決めている手数料相当分が実勢価格から差引かれる。これは金融機関によって大きく異なるが、5年国債の場合は40銭あたりから60銭ぐらいのところが多いとも見られる。

そして「個人向け」は年4回募集されるがその期間であれば個人が購入することはかなり容易なものとなる。これに対して「既存の5年国債」の発行は毎月行われているものの、既存の5年国債はあくまで法人向けを主眼としたものであり、証券会社なども煩雑さを避けるためにもそれを個人に向けて販売することは手控えている。郵便局では窓販分として一定数量販売販売されているが販売額はさほど大きくはない。

償還まで持てば両方とも顔面金額が戻ってくる。しかし途中解約する際にはこの両者は大きな違いがある。「個人向け」は2年間のクローズ期間があるが、それを過ぎれば手数料相当分を差引かれるもの額面は保障される。これに対して「既存の5年国債」は実勢価格から金融機関が独自に決めた手数料を差引かれたものと、前回の利払い日からの日数に応じた利子が手取りの金額となる。

利率の違いの0.05%の根拠は何かという疑問もあろう。2年経過後は額面が保障されるため、仮にこのような形式の仕組み債を別途作るとなればプットオプションなどのデリバティブ商品を絡める必要こととなり、そのための費用分ともとれる。どうしても額面は保持したいとなればその分の費用として見なす必要があり、0.05%という数値はむしろ有利な条件ではないかとの見方もある。

金利は上がることもあれば下がることもある。つまり、既存の5年国債は額面割れの危険性がある反面、金利低下時には額面以上の価格ともなりうることも念のため注意したい。昨日の5年債の引けの価格を見てみると、例えば38回債(利率0.9%)など101円05銭となっており、40-60銭の手数料が取られたとしても、額面以上の金額になりうる。ただし、たとえば既存の5年国債で残存1年以上のものをみた場合、昨日の単価で100円50銭を上回っているものは、35本のうちの8本にしか過ぎない。もちろん金利の情勢にもかなり左右されるが、40-60銭といった手数料を考慮すれば額面を割込む可能性が高いことも確かである。

この新型個人向け国債(固定金利型)は極めて定期預金や定額貯金に近いものとも言える。その比較からみれば、利子はかなり有利なものとなる。現時点での5年国債の利回りは0.8%(10月27日時点)近くあり0.05%を差引いても0.75%となるが、たとえば3年以上の定額貯金は、0.06%(10月27日時点)と一桁違っている。日銀の量的緩和解除観測などにより中期ゾーンはある程度利回りも付いてきていることから、大きな情勢変化さえなければ、新型個人向け国債(固定金利型)についても、変動タイプに比べてわかりやすさ、また買いやすさ、利子の高さなどが評価され人気化してくる可能性が高いと思われる。


2005.10.26「超長期債への売り要因?」

ドイツ版FTによると、ドイツのモーゲージバンク(抵当銀行)のひとつであるAHBRが身売りする可能性があるようである。ドイツのモーゲージバンクは法改正で日本国債が担保として認められたから、30年国債などを中心に日本国債を大量に保有していると見られている。このため、仮にAHBRが身売りといった状況となった際には、一部資産を売却する懸念があるため、これをひとつの要因として欧米の債券が長期ゾーン主体に売られたものとみられる。ただし、ファンドブリーフの担保となっているものを簡単には売却はできないとも見られており、思惑が先行したものとも思われる。

東京市場でも超長期主体に売りが入り、30年20回は一時12.5毛甘の2.510%までヒットされた。ドイツのモーゲージバンクは、アセットスワップに絡めて日本の30年国債などの買い手のひとつでもあることから、懸念が広がったとも思われる。加えて、これまでフラットニングがかなり進んだことや、15年ゾーンなどへの流動性供給などの観測から、海外投資家主体に今後スティーブニング圧力も強まるのではと見られていたこともあって、やや急激な動きともなったものと見られる。

超長期主体の売りが一過性のものなのか、それともこれから新たな動きとなるきっかけとなるのか、今後の動向次第ではあるがやや注意も必要となりそうである。


2005.10.26「予見可能なものはリスクにはならない」

相場の世界では当たり前とも思われることに、予見可能なものもしくは予想可能なものというものはリスク要因にはならないということがある。この場合のリスクとは急激な価格変動リスクを主に示すが、ある程度予想されているものに対しては、相場の世界で言われるところの、すでに価格というか市場参加者の意識の中に織り込まれるためである。

本来のリスクというものは、予見不可能なもの、もしくは想定の範囲外にあったことが起きることによってもたらせられる。一昨年の債券相場の急落要因のひとつに、銀行などによるリスク管理の手法、バリュー・アット・リスクが指摘されていた。このリスク管理手法はある程度予測可能なリスクに対して用いられるものであり、想定外のリスクには対処しきれず、むしろ傷口を広げてしまう結果となった。これでは本来の意味でのリスク管理手法とは言えないであろう。機械的にリスクを管理することはかなり無理がある。

次期FRB議長にバーナンキ氏が指名されたが、前任のグリーンスパン議長がカリスマと言われた所以は、ブラックマンデーやLTCMの破綻、9・11のテロといった予見不可能であった出来事に適格に対応したことによるところが大きい。

日本のバブルについても、それが崩壊するまではリスクとしての認識はほとんどなかったのでなかろうか。もちろんバブル崩壊の危険性を指摘する声は皆無ではなかったが、のちに不良債権という爆弾を日本が抱え込み、長年にわたって日本経済が苦しむことになろうなどとは、少なくともバブルの絶頂期などには予見はできなかったはずである。

これを裏返してみれば、現在懸念されているようなものは、実はそれほど大きなリスク要因とはならない可能性が高い。もちろんそのリスクを考慮して事前に対処を施すことが可能なためでもあろう。たとえば米国の住宅価格の上昇をバブルもしくはグリーンスパン議長は泡とも表現したが、との認識が強まっていること自体、それが結果として米国経済に大きな打撃を与えることは少ないものと思われる。

原油価格の上昇というリスクに対しても、これは突発的に起きたものではなく、中国経済や米国経済の拡大といったものが根本にあり、今後についてもある程度の予見も可能なものであるため、やはり言われているほどのリスクとはなりえないものと思われる。もちろんハリケーンといった突発的な出来事による大きな価格変動といったものは予見不可能なため、これはリスク要因とも言える。

何事も、危ない危ないといわれているものは意外と起きず、まさに予想だにしなかった出来事が起きることでパニックが生じ、これがリスクとな。リスク管理能力とはそういったことに対処する能力のことであろう。


2005.10.25「日銀の国債買入」

今度は2001年3月19日に量的緩和政策が取られてからの金融政策の変更における当座預金残高と国債買入をピックアップしてみると下記のとおりとなる。

2001年3月19日 当座預金残高5兆円程度に増額。
2001年8月14日 当座預金残高6兆円程度に増額。国債買入月6千億円ペースに。
2001年9月18日 当座預金残高が6兆円を上回ることを目標に。
2001年12月19日 当座預金残高が10〜15兆円程度に。国債買入月8千億円ペースに。
2002年2月28日 当座預金残高が10〜15兆円程度に。国債買入月1兆円ペースに。
2002年10月30日 当座預金残高15〜20兆円程度に。国債買入月1兆2千億円ペースに。

2003年3月20日 福井俊彦氏日銀総裁に就任。

2003年3月25日 4月1日以後郵政公社の発足に伴い当座預金残高17〜22兆円程度に。
2003年4月30日 当座預金残高22〜27兆円程度に。
2003年5月20日 当座預金残高が27〜30兆円程度に。
2003年10月10日 当座預金残高の目標値の上限を引き上げ27〜32兆円程度に。
2004年1月20日 当座預金残高が30〜35兆円程度に。
2005年5月20日 なお書き修正

10月20日の参院財政金融委員会においても、「政府に対し直接ファイナンスする意図は一切持たないことが大事」といったコメントもあったように、財政問題に組み入れられることは極力避けていると思われる。そしてまた福井総裁は、国債買入は量的緩和解除後も簡単には減額できないであろうことを就任時より認識していたものとも推測されるのである。


2005.10.25「日銀はバーナンキ氏指名を意識していたのか」

日銀が来春あたりに向けての量的緩和解除への意向を強めた背景には、米国の次期FRB議長人事が少なからず影響していた可能性がある。10月上旬のレポートにおいてインフレ目標導入の可能性について次のようにコメントした。

「仮に米FRBの次期議長が、もしインフレ目標政策を導入した際には、世界の主な中銀が採用したこととなり、将来、日銀としてもその導入の検討をする可能性は否定できないことも確かではある。」

次期FRB議長がバーナンキ氏に指名されたが、バーナンキ氏の持論でもあるインフレ目標政策を導入する可能性は否定できない。もちろん、そのためには多くの壁があることも事実である。議会の承認も必要となるであろうし、それ以前にFOMCメンバーでインフレ目標導入賛成派が多数になる必要がある。また当初は、市場へのあらぬ混乱を避ける上でも前任のグリーンスパン議長の方針を世襲してくる可能性が高い。

しかし、それでも持論をいずれ展開してくる可能性がないわけできなく、日銀としてもFRBがインフレ目標政策を取ってくる可能性もある程度は意識せざるを得ない。

あまり勘繰ってもいけないが、先日はグリーンスパン議長を福井総裁は日本にも呼んでいる。この際にも、次期議長についても何がしかの話もあってしかるべきではなかったかとも思われる。もちろん次期議長を決めるのは米大統領ではあるが。

バーナンキ氏が議会で承認されれば、次期FRB議長に就任するのは来年2月1日と予定されている。また、就任後の新議長を迎えてのFOMCは3月28日に開催される。 ここにきて日銀は、早ければ今年度中にも量的緩和解除の3つの条件が整うといった見方もしている。3月決算はあまり意識していないといった声も日銀内部にはあるようにも聞いている。このため解除については、4月末が本命とも見られるものの2月あたりの解除の可能性もないとは言えない。

「来年1〜3月内での量的緩和解除の可能性もあらためて出てきている。たとえ今年10月のCPIからゼロ以上となったとしても、3か月分のコアCPIを確認できるのは1月27日であり、確認後の決定会合は2月8・9日となる」(9月末拙著レポートより)

日銀の量的緩和解除に向けての動きは当然ながら、景気や物価動向を睨んで3つの条件が満たされることを前提にしている。しかし、ここにきて解除に向けての姿勢を強めていること自体、地ならし的なものを指摘する声もあるが、多少なりとも米FRB新議長就任時期といったものも意識されていた可能性もあるのではなかろうか。


2005.10.24「つくばスタイルフェスタ2005とTXのその後」

久しぶりの休日の晴天となった23日の日曜日。一度、見ておきたかったTXの研究学園駅周辺で行われている「つくばスタイルフェスタ2005」に行ってきた。なにせTX開通前は自動車の走行試験場でもあったところで、広い土地にほとんど何もない状態で、駐車場も目一杯広い。会場まで歩くのもたいへんである。まあ良い運動になったと思えば良いか。

いくつか見たいものがあったが、そのひとつが片岡鶴太郎氏デザインの「鶴太郎アートハウス」、別名「男の隠れ家」とも命名されていた通り、真ん中の池を囲むような部屋の作りはまさに独創的なものがあった。退職後はこんな家に住めたらなあ、とひとつの理想の家でもあるのかもしれない。

「手作り古民家再生住宅」は都会から来た人には懐かしいものとなろう。ただ、一緒に連れて行った長女が、一人暮らしの老人宅にボランティアでお弁当を届けたときには、こんな家が多くて、どの家でも土間でお茶をごちそうになったと言っていた。これはまだ過去のものんのではなく、地元ではしっかりまだまだ残っているようである。ただし一人暮らしの老人宅というのが気になった。たぶん子供夫婦と同居していたら、家は建て替えされていたのであろうか。

第三開場では世紀の発明といわれる「セグウェイ」の試乗があった。長女が乗りたかったようだが待ち時間がかなり長そうで断念した。会場内をすいすい走っているのを見たが、これは確かに面白い乗り物のようである。

10月1日から開催された「つくばスタイルフェスタ2005」は土日の天候に恵まれず、予想入場者数には届くか届かないか微妙なところにあるようである。しかし、昨日はそれなりに人も来ていた。昨日はJAXA筑波宇宙センター(つくば市)の一般公開で、来場者向けに野口聡一宇宙飛行士の報告会もあり、その帰りに寄ってきた人などもいたようである。

つくばエクスプレスは10月に入り私の通勤時間帯では乗降者数が増えてきている。つくば始発も6時台でも遅い時間となると座れなくなってきているとか。今日24日でちょうど開通して2か月が経過する。今月に入ってからの平均乗降者数などもまもなく発表されるとは思うが、このままいけば初年度一日平均目標の13万5千人はクリアーできるのではないかと思うのだが。そういえば、TXからは富士山が綺麗に見えるといわれていたが、今朝始めて富士山を見ることができた。高架で車窓も広いため、筑波山から日光連山、箱根から富士山と一望できた。


2005.10.24「朝日新聞一面に、量的緩和を来春にも解除との記事」

本日の朝日新聞の一面は、「量的緩和を来春にも解除」との記事であったのだが、何故今になってこの記事を一面に持ってきたのか、やや不可解な部分があり気になる。もちろんこれまでに朝日自体が量的緩和解除に関する記事をあまり出していなかったためもあるのかもしれない。大きなニュースがない場合には、こういった記事で一面を埋めるといったこともよくある。もし、それならば事前にある程度の準備も進んでいたはずである。しかし、ネットでこの記事が配信されたのは10時頃であった。急遽、一面トップにこの記事を入れてきた可能性もありそうである。

それにも関わらずその内容にはあまり新鮮さはない。すでに今月末発表される展望リポートにおいて、2006年度のCPIの見通しについても0.3%の上昇から0.1か0.2ポイント程度引き上げる方向で検討するとは日経新聞などで報じられており、これはスクープといったものにはならない。「(CPIは)年末にかけてゼロ%ないし若干のプラスに転じる」との見方も、すでに会見などで福井総裁は繰り返し述べているものである。

もし何がしかのスクープのようなものが含まれるとすれば、政府の見方であろうか。量的緩和解除のための3条件を達成すれば、解除に対する政府の反対は少ないとの「見方もある」としている。3つめの条件を確認する上では来年3月の日銀短観の結果が出る来年4月ごろの解除が有力であるとしている。もちろん来年4月末の可能性というのはマーケットではコンセンサスにすでになりつつはあるが。

そして「政府内では景気回復を前提に財政再建路線を強める動きがあり」とも指摘している。小泉首相の在任中に脱デフレ宣言はしたい意向も強いことも確かであろう。最近になって、日銀に向けての竹中氏のトーンがややダウンしているという印象を個人的に持っていたが、今回の朝日の記事はこういった微妙な政府の日銀の姿勢への対応の変化を示しているとも取れるのではないかとも考えられる。

あまり穿った見方も禁物であり、日銀の記事でやや乗り遅れたとみた朝日がここにきてトップに持ってきたといった解釈もあるかもしれない。ネットへのアップの遅れも別途事情があってのものの可能性もあるため、あくまで個人的にこの記事がやや気になったというも付け加えておきたい。


2005.10.24「プレゼントのご当選者」

「日本を変えるプランB」」(関西学院大学出版会)の本のプレゼントにたくさんのご応募いただきありがとうございました。抽選の結果、名古屋市の堀澤様、兵庫県の柏木様がご当選されました。おめでとうございます。本は明日以降の発送となりますので少々お待ちください。


2005.10.21「日銀の国債買い切り」

量的緩和解除観測が強まる中、日銀執行部はこれまであえて国債の買い切りには触れないようにしてきたようにも見受けられた。日銀総裁が速水さんから福井さんに代わってからの金融政策の変更時において決定的な違いがひとつある。日銀の当座預金残高を引き上げた際に国債の買い切りを増やし続けた速水さんに対して福井総裁に代わってからは一度も国債買い切りの額は引き上げられていないのである。

2001年3月19日に量的緩和政策が取られてからの金融政策の推移をここで簡単に見て行きたい。

2001年3月19日
1.金融市場調節の操作目標の変更、金融市場調節に当たり、主たる操作目標を、これまでの無担保コールレート(オーバーナイト物)から、日本銀行当座預金残高に変更する。 (日銀当座預金残高が5兆円程度となるよう金融市場調節を行う。なお、資金需要が急激に増大するなど金融市場が不安定化するおそれがある場合には、上記目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行う。)
2.新しい金融市場調節方式は、消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで継続する。
3.日本銀行当座預金残高を5兆円程度に増額する(最近の残高4兆円強から1兆円程度積み増し
3.長期国債の買入れ増額、日本銀行当座預金を円滑に供給するうえで必要と判断される場合には、現在、月4千億円ペースで行っている長期国債の買い入れを増額する。ただし、日本銀行が保有する長期国債の残高は、銀行券発行残高を上限とする。

2001年8月14日

1.金融市場調節方針の変更、日本銀行当座預金残高をこれまでの5兆円程度から6兆円程度に増額する。
2.これまで月4千億円ペースで行ってきた長期国債の買い入れを、月6千億円ペースに増額する。

2001年9月18日
1.金融市場調節方針の変更、当面、日本銀行当座預金残高が6兆円を上回ることを目標として、潤沢な資金供給を行う。
2.公定歩合を0.15%引き下げ0.10%とし、明日より実施する。
3.補完貸付制度、補完貸付制度(いわゆるロンバート型貸付制度)の公定歩合による利用上限日数を、今積み期間(9月16日〜10月15日)について、5営業日から10営業日に引き上げる。

2001年12月19日
1.金融市場調節方針の変更、日本銀行当座預金残高が10〜15兆円程度となるよう金融市場調節を行う。なお、資金需要が急激に増大するなど金融市場が不安定化するおそれがある場合には、上記目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行う。
2.長期国債買入れの増額、これまで月6千億円(年7.2兆円)ペースで行ってきた長期国債の買い入れを月8千億円(年9.6兆円)ペースに増額する。
3.金融市場調節手段の拡充(CP現先オペの積極的活用、資産担保CPを現先オペ対象と適格担保に加えるための実務的検討を早急に進める、住宅ローン債権・不動産担保証券を裏付け資産とするABSを適格担保に加えるための実務的検討を早急に進める。手形オペ・全店買入のオファー頻度引き上げ、国債買入・国債レポ・CP現先・手形売出オペの輪番制を廃止し全先に毎回オファーを行う)

2002年2月28日
1.年度末に向けた一層潤沢な資金供給、日本銀行当座預金残高が10〜15兆円程度となるよう金融市場調節を行う。なお、当面、年度末に向けて金融市場の安定確保に万全を期すため、上記目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行う。
2.長期国債買入の増額、資金供給を円滑に行うため、長期国債の買い入れを、これまでの月8千億円(年9.6兆円)ペースから、月1兆円(年12兆円)ペースに増額する。
3.ロンバート型貸出における公定歩合適用期間の拡大、3月1日〜4月15日までの間、すべて公定歩合による利用を可能とする。
4.適格担保拡大の検討、預金保険機構向け・地方交付税特別会計向け貸付債権の適格担保化の実務的検討を早急に進める。

2002年9月18日
「金融システムの安定に向けた日本銀行の新たな取り組みについて」を公表
1.金融機関による保有株式削減努力の促進策=日銀による銀行保有株の直接買取=の 導入検討(10月11日に「株式買入等基本要領」を制定
2.不良債権問題についての基本的な考え方の整理・公表
(金融政策決定会合終了後、通常会合で決定)

2002年10月30日
1.金融市場調節方針の変更、日本銀行当座預金残高の目標値を、これまでの「10〜15兆円程度」から、「15〜20兆円程度」に引き上げる。
2.長期国債買入れの増額、これまで月1兆円ペースで行ってきた長期国債の買い入れを、月1兆2千億円ペースに増額する。
3.手形買入期間の延長、これまで「6か月以内」としてきた手形買入の期間を「1年以内」に延長する。

2002年12月17日
「企業金融円滑化策について」を公表
1.証書貸付債権の担保拡大、債務者種類および当初貸付期間毎に担保掛け目を細分化し、3年以内の証貸債権の担保掛け目を引き上げるとともに、5年超10年以内の証貸債権を、新たに適格担保化。
2.資産担保コマーシャル・ペーパー(ABCP)の適格基準の緩和、2004年度末までの時限措置として日銀取引先の保証するABCPを適格の扱いとする。
3.ストリップス債の適格担保化

2003年3月20日、福井俊彦氏日銀総裁に就任。

2003年3月25日
金融市場調節の変更
3月31日までは、日本銀行当座預金残高が15〜20兆円程度となるよう金融市場調節を行う。4月1日以後は、日本郵政公社の発足に伴い、日本銀行当座預金残高が17〜22兆円程度となるよう金融市場調節を行う。
2.なお、当面、国際政治情勢など不確実性の高い状況が続くとみられることを踏まえ、金融市場の安定確保に万全を期すため、必要に応じ、上記目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行う。
ロンバート型貸出における公定歩合適用期間の拡大、当分の間、すべての営業日を通じて公定歩合による利用を可能とする。 
金融機関保有株式の買入れ上限の引上げ、買入総額の上限を2兆円から3兆円、買入対象先毎の累計買入限度額5,000億円から7,500億円に。

2003年4月8日 潤沢な資金供給が経済活動の拡大に効果的に結びついていくためには、金融緩和の波及メカニズムを強化するため、中堅・中小企業関連資産を主たる裏付資産とする資産担保証券を、時限的措置として金融調節上の買入れ対象資産とすることについて検討を進める。

2003年4月30日
1.金融市場調節方針の変更
日銀当座預金残高の目標値を、これまでの「17〜22兆円程度」から「22〜27兆円程度」に引き上げることを決定。
産業再生機構に対する証書貸付債権を新たに日本銀行の適格担保とする。

2003年5月20日
金融市場調節方針の変更、日本銀行当座預金残高が27〜30兆円程度となるよう金融市場調節を行う。なお、資金需要が急激に増大するなど金融市場が不安定化するおそれがある場合には、上記目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行う。

2003年6月11日
「資産担保証券の買入れとその考え方について」を公表、具体的スキームの骨子を取りまとめ、7月末までの実施に向けて所要の準備を進める。

2003年9月12日
1.「国債現先オペの期間延長の検討について」を公表。次回決定会合で報告するよう執行部に指示。
2.「シンジケートローン債権の担保受入について」を公表、実務面での検討を進めている執行部からの報告、

2003年10月10日
1.金融調節の柔軟性を高め、流動性供給面から機動的に対応する余地を広げる観点から、日本銀行当座預金残高の目標値の上限を引き上げ、これまでの「27〜30兆円程度」から、「27〜32兆円程度」とする。
2.金融調節を機動的に行う観点から、国債買現先オペの最長期間を現在の6か月から1年に延長する。
3.「金融政策の透明性強化について」を公表
(1)経済・物価情勢に関する日本銀行の判断についての説明の充実。 「経済・物価の将来展望とリスク評価」(4月・10月に公表。以下「展望レポート」という)で示した標準的な見通しに比べ、上振れまたは下振れが生じていないか、3か月毎の(1月・7月の)決定会合で検討し、「金融経済月報」の「基本的見解」の中で公表する。
「金融経済月報」は、現在、決定会合の翌営業日に公表しているが、このうち「基本的見解」部分について、即日公表することとする。
総裁記者会見は、現在、月1回目の決定会合の翌々営業日に行っているが、月2回目の会合を含めてすべての決定会合後、当日中に行うこととする。
(2)量的緩和政策継続のコミットメントの明確化
金融政策面から日本経済の持続的な経済成長のための基盤を整備するため、消費者物価指数(全国、除く生鮮食品。以下略)の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで、量的緩和政策を継続することを約束している。日本銀行としては、このコミットメントについては以下のように考えている。
第1に、直近公表の消費者物価指数の前年比上昇率が、単月でゼロ%以上となるだけでなく、基調的な動きとしてゼロ%以上であると判断できることが必要である(具体的には数か月均してみて確認する)。
第2に、消費者物価指数の前年比上昇率が、先行き再びマイナスとなると見込まれないことが必要である。この点は、「展望レポート」における記述や政策委員の見通し等により、明らかにしていくこととする。具体的には、政策委員の多くが、見通し期間において、消費者物価指数の前年比上昇率がゼロ%を超える見通しを有していることが必要である
。こうした条件は必要条件であって、これが満たされたとしても、経済・物価情勢によっては、量的緩和政策を継続することが適当であると判断する場合も考えられる。

2004年1月20日
金融市場調節方針の変更、日本銀行当座預金残高が30〜35兆円程度となるよう金融市場調節を行う。 なお、資金需要が急激に増大するなど金融市場が不安定化するおそれがある場合には、上記目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行う。

2004年2月26日
「国債市場の流動性向上に向けた制度導入の検討」を公表、日銀保有国債を市場に供給しうる制度(いわゆる品貸し)の導入に関する実務的な検討を行い、準備が整い次第、決定会合に報告するよう執行部に指示。

2004年4月9日
「国債の補完供給制度の導入について」を公表、いわゆる「品貸し」の導入を決定。

2005年5月20日
一時的な日銀当座預金残高目標割れの容認、いわゆる「なお書き」の変更、 日本銀行当座預金残高が30〜35兆円程度となるよう金融市場調節を行う。 なお、資金需要が急激に増大するなど金融市場が不安定化するおそれがある場合には、上記目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行う。また、資金供給に対する金融機関の応札状況などから資金需要が極めて弱いと判断される場合には、上記目標を下回ることがありうるものとする。


2005.10.20「宗次郎」

TXのつくば駅に張ってあったポスターに、「宗次郎」のコンサートのお知らせがあった。場所を見ると我が家からクルマで20分程度のつくば市にある弥生時代の遺跡跡で行われるとあり、「無料」という文字も確認した上、15日の午後に出かけて行った。この日の午前中は土浦市でカレーのイベントがあったため、こちらも顔を出してきた。このため期せずして土浦市とつくば市のそれぞれの市長の挨拶を聞く羽目、いや、お聞きすることができた。

宗次郎さんといえば、日本、いや世界を代表するオカリナ奏者である。CDもたくさん出されているが、ほとんど聞いたことはなかった。それでも子ども達に実際の生の演奏を聞かせることで多少なり情操教育の一環になるのではないかとの親の勝手な思惑も働いた。

コンサートの前に、弥生時代の遺跡を復元した舞台で、奈良時代の舞を復元したものを見せてもらった。当時の貴族達はこんな感じでゆうげを楽しんでいたのかと、ややタイムスリップしたような気分もしたが、とにかくメリハリの利いた踊りは見事なものであった。まさに日本舞踊の元祖。

さて、肝心の宗次郎さんのコンサートは「無料」とはいえ本格的なものであった。これまでも東大寺などでの野外コンサートを数多く行ってきているそうで、ライトの演出など見事であった。バックにいる演奏者もキーボード、バイオリン、ギター、パーカッションだけではあったもののベテラン揃いであり、音響設備もしっかりしていたこともあり、聞き応えのあるコンサートとなった。1時間半の予定がしっかりアンコールもあって2時間近いものとなった。子ども達はさいすがに途中からやや飽きてしまったようにも見えたが、大人はしっかり楽しんだ。

オカリナの響きはどこか懐かしさを感じさせるものである。宗次郎さん御本人が作曲したものは哀愁といったものを感じさせるものが多かった反面、リズム感の伴うものもあり、こちらは南米あたりをイメージさせた。

曲目の中には「大黄河」などオリジナルのほかに、「コンドルは飛んで行く」「もののけ姫」などポピュラーなものも組み入れられていた。最後のアンコールの曲は「天空のオリオン」。やはり生の演奏はすばらしい。特に野外ということもあり、次第に夕闇迫る中でのオカリナの響きは格別なものであった。これはぜひ家でも聞きたいと、帰りを急いだ関係で現地でCDは買えなかったが、帰宅してからアマゾンでしっかり注文した。


2005.10.20「新型バイバック」

財務省で19日開催された国債市場特別参加者会合(第8回)において、新たな目的の、国債整理基金による既発国債の買入(買入消却等)、いわゆるバイバックについての説明があった。(国債市場特別参加者会合(第8回)議事要旨より)

その内容は次の通り。
・新しいバイバックについては、2006年1月を目途に開始する。
・主たる目的は、今年度、個人向け国債の発行額が当初予定よりも上振れしていること等を踏まえ、年度内の「ネット発行額の調整」とする。実際の買入れについては、必ずしも17年度中に全てを実施するわけではなく、買入額の一部については18年度に繰り越して実施することも考えている。
・2つ以上の目的をあわせ持つことも問題ないので、ネット発行額の調整という主たる目的の下、例えば償還期限の平準化という別の目的についても副次的に加味して、2006年度、2007年度、2008年度に償還を迎える期近物を対象とすることなども考えられる。
・その他の目的のバイバックについても市場環境等に応じ随時実施することはあり得る。
・物価連動債、15年変動利付債等、日銀のシステムでは対応できないものや、日銀が買い入れの対象としていないものについても、国債整理基金のバイバックの対象とできる。
・対象総額、一回あたりのロット、実施頻度等の詳細については、今後市場関係者の意見を踏まえつつ検討していく。現行のバイバックは月500億円で実施しており、これまでの市場関係者の意見を踏まえれば、だいたい1000億円を中心に、2000億円程度までの規模という印象を持っているが、いずれにせよ詳細については、今後市場関係者の意見を踏まえ検討する。

それでは年度内の「ネット発行額の調整」をバイバックを使ってどのように行うのであろうか。その仕組みはこういったものとなる。個人向け国債が当初予算で想定した金額を実際の販売額が上回った際には、その上回った額は借換債の前倒し発行といったかたちにこれまでは振り変わっていた。ちなみに今年度の個人向け国債の発行予定額は3兆6000億円となっているが、4月発行の11回が2兆3374億円、10月発行の12回が1兆6423億円とすでに目標を上回っており、残り2回分の発行を考慮すると3兆円以上が前倒し発行分に振り変る可能性がある。しかし、バイバックによって借換債を買い入れ、その分新たに国債を発行しなければ、借換債の前倒し発行分の中でバイバックした分の減額ができるのである。参考までに、個人向け国債は通常は借換債として発行されており、また今年度の借換債の前倒し発行枠は30兆円である。


2005.10.19「国債先物取引市場開設20周年」

1985年10月19日、東京証券取引所において日本ではじめての金融先物市場が誕生した。国債先物取引が開始されたのである。今日はそれからちょうど20年目を迎えた。昨日はこれを記念して、東証で記念パーティーが開催された。幸田真音さんをゲストに向かえ、多くの関係者が出席し賑やかなパーティーとなった。

1985年はこの先物市場の開設も含めて、債券市場にとっても大きな変革の年となっている。今回はこの1985年を少し振り返ってみたい。

6月には金融機関のフルディーリングが開始されている。債券のディーリング業務とは既発債を売買する業務であり、それまでは証券会社にしか認められていなかったが、国債を大量に保有している都銀などの銀行が国債市場に本格的に登場することで、公社債の売買高は急増した。ただし、銀行は商品勘定保有国債であっても、翌月までの売却自粛期間が設けられていた。この売買自粛が完全に廃止されたのは1987年の9月であった。

金融機関のフルディーリングの開始もあって、国債は活発に買われるようになり、その結果、7月には一時的ながら当時の指標銘柄である10年国債(68回債)の利回りが、代表的な短期金利のひとつであった手形レートを下回り、長短金利の逆転現象が生じたのである。

この年9月には密かに先進5カ国の蔵相・中央銀行総裁がニューヨークのプラザホテルに集結し、米国の財政赤字と貿易赤字という双子の赤字を解消するため、為替をドル安方向に誘導させるとの合意を行った。いわゆるプラザ合意である。

そして、前述のように10月19日に国債先物取引が開始され、東証の正会員である証券会社に加え、特別会員として都銀などもこの取引に参加することとなった。しかし、この債券先物取引はスタート直後に急落することとなる。

10月25日に日銀はプラザ合意を受けて、第二の公定歩合といわれた短期金利の高め誘導を実施した。手形レート2か月物は0.5625%上昇して7.125%となり、コールレートも上昇した。これを受けて上場したばかりの債券先物は急落し、大量の売り注文により2日間値がつかないという大混乱となった。

特に国債先物上場の際に委託取引で銀行などからヘッジのための大量の売り注文を受けていた証券会社などは、その注文に対して自己が買いポジションを膨らませていたことで、この急落によって大きな損失を発生させてしまったところも多かったようである。

しかし、この日銀の動きは「勝手な解釈」によるものであったと大場智満元財務官がのちにコメントしている。実際に12月18日には短期金利の高め誘導はあっさりと解除されている。

それから20年の月日が流れた。昨日のパーティー参加者も当時を知っている方は少数派であるとも思われる。すでに国債先物は債券市場にはなくなてならない商品ともなっており、現在でもたいへん高い流動性を保持している。25周年、30周年といった際にはこの国債先物の価格はどのように変っているのであろうか。いろいろな出来事を織り込みながら国債先物の価格はこれからも刻一刻と変化し続けるものと思う。


2005.10.18「日本を変えるプランB」

関西学院大学の村尾信尚教授の呼びかけで、いろいろなジャンルのメンバーが集まり「もうひとつの日本を考える会」が発足した、約1年がかりで、語り合いそして議論を行った。その集大成がこの本「日本を変えるプランB」(関西学院大学出版会)である。

この「もうひとつの日本を考える会」のメンバーは、前ニセコ町長で先の衆院選で初当選した逢坂誠二さん、日本のNGOを代表する人物の一人でありPWJ統括責任者の大西健丞さん、日本にLOHASを紹介したピーター・D・ピーターセンさん、NPO法人参画プラネット代表理事の渋谷典子さん、医療や高齢者問題などの活動で知られる弁護士の中山ひとみさん、そして多方面で活躍され私と同じ昭和33年生まれの神津カンナさん、主婦代表という名目ながら以前に欽ドンなどにも出演されジャズシンガーでもある小松洋子さん、美術書の編集者であり今回の本の編集もしていただいた藤元由記子さん、そして財務省国債課長時代にもお世話になった村尾座長、もう一人末席に加えさせていただいたのが私の合計10人である。また、本には通商産業省出身で現在、東京大学先端科学技術センター教授の澤昭裕さんにも寄稿いただいている。

なんともすごい人たちの集まりで、会合でもやや気後れしてしまった私だが、この会に参加させていただき本当に勉強になった。残念だったのは昨年11月の箱根での合宿に、私が胃潰瘍で入院してしまって参加できなかったことである。

この会の内容に少しでもご興味ある方は、ぜひこの「日本を変えるプランB」(関西学院大学出版会)を読んでいただきたい。10月20日発売。定価は1680円。詳しくは下記ページにて。

http://www3.osk.3web.ne.jp/~uniplatz/KGUP/book/080.htm


2005.10.17「第12回個人向け国債の販売額」

第12回個人向け国債の民間金融機関の販売額は1兆1146億円、また郵便局における販売額は2483億円となり、合計販売額は1兆3629億円となった。郵便局の販売額は好調だった半面、民間金融機関の販売額は伸び悩みとなったようである。 これまで発行された個人向け国債の回号別販売額と初期利子は下記の通り
第1回(2003年3月)3,835億円(うち郵便局499億円)、0.09%
第2回(2003年4月)3,486億円(うち郵便局746億円)、0.05%
第3回(2003年7月)2,802億円(うち郵便局588億円)、0.05%
第4回(2003年10月)9,432億円(うち郵便局1,659億円)、0.77%
第5回(2004年1月)1兆3,951億円(うち郵便局995億円)、0.62%
第6回(2004年4月)1兆4,185億円(うち郵便局1,244億円)、0.55%
第7回(2004年7月)1兆7,726億円(うち郵便局1,990億円)、0.74%
第8回(2004年10月)1兆8,652億円(うち郵便局2,484億円)、0.74%
第9回(2005年1月)1兆7,647億円(うち郵便局2,436億円)、0.67%
第10回(2005年4月)2兆3,374億円(うち郵便局1,990億円)、0.73%
第11回(2005年7月)1兆6,423億円(うち郵便局2,484億円)、0.45%
第12回(2005年10月)1兆3,629億円(うち郵便局2,483億円)、0.55%


2005.10.17「新型個人向け国債(固定金利型)の金利について」

新型個人向け国債(固定金利型)について財務省より発表があった。5年固定利付個人向け国債については、来年1月より発行が予定されているが、その金利については当面以下のとおり設定されることとなったようである。

年2回(半年毎)支払い

利率(固定)は、基準金利から0.05%を差し引いた値

基準金利は5年固定利付国債の金利とし、具体的には、募集期間の開始時の直前に行われた5年固定利付国債の入札における平均落札利回り(複利利回り(小数点以下第3位を四捨五入し、0.01%刻み))

ただし、利率の下限は0.05%   

注目すべきところは、基準金利から差し引かれる値、所謂α値であるが、これは0.05%となった。ほぼ妥当な数値とも言えるのではなかろうか。もちろん利率からなら単純に5年国債そのものを買ったほうが有利である。しかし、通常の5年国債は満期前に売却すると、たとえば買いつけ時より5年ゾーンの利回りがアップした際には売却損が発生する恐れがある。

これに対してこの個人向けの固定利付型は、中途換金は第四期利子支払期以降、つまり発行から2年経過後に可能となり額面金額が保証される。ただし、中途解約時の買取価格は、額面金額と経過利子相当額を加えたものからすでに支払われた利子のうち最大4回分が差し引かれることなど注意が必要である。

今後は金利上昇局面となると個人的には予想しているため、当分の間は変動タイプの個人向け国債が有利と考えているが、ある程度の利率が確保できれば、この固定タイプのものも人気化する可能性もあろう。


2005.10.17「流行は仕掛けない、外さない」

「流行は仕掛けない、外さない」、これは17日の日経新聞の囲み記事「経営の視点」の中に、女性向け衣料を扱うハニーズの江尻義久社長の言葉である。たいへん的を射た言葉であると思う。広告代理店などは流行を仕掛けることを仕事としているのかもしれないが、この言葉は、物を売るには自ら仕掛けるのではなく、兆しをつかんで「外さない」ことが大事であることを教えている。

これは相場にも言えることである。自ら仕掛けて相場の流れを作ることは短期的には可能かもしれないが、それがいつまでもうまく行くわけではなく、いずれ自滅する。これは為替介入などでも同様と思われる。介入では自滅することはない、というかあってはならないが、それが効果をもたらすのもごく限られた時間だけとなってしまう。

相場の極意は、まさに兆しをつかんで「外さない」ことに尽きる。これは天性の勘によることもあろうし、ある程度の経験の積み重ねで得られることもある。兆しをつかんで「外さない」限り、大きな損失をくらうことはない。。投資は誰でも入れることで、間口は広いかもしれない。しかし、兆しをつかんで「外さない」ことができるのも限られた人であることも確かである。


2005.10.17「『死』を子どもに教える」

この本はたぶん紹介いただかなければ手に取ることはなかった本である。私も「死」といったものとは直接、向かい合いたくないという気持ちが強いためである。しかし、「死」を意識して乗り越えることで「生」への意識も強まる。それは決して遠ざけてはいけないものであると、この本を読んで実感した。

今の子ども達は、意識的に「死」が遠ざけられてしまっていることで、若年層の凶悪犯罪が多発し、簡単に自殺してしまう子ども達が増加している。私自身は実の父親を自宅で目の前で亡くしていることに加え、祖父母の死も直接目にしている。それは悲しい思いではあるものの、人間としては、乗り越えなければならないものであり、そういった経験がなければ「死」というものは実感できない。

この本は、教育現場での実例などを元にして、子ども達にも「死」ということを教えるデス・エデュケーションの必要性を説いている。「死」をもっと現実的に考えさせることで、ゲームなどで「リセット可能」との認識をも持っている子ども達の意識を変化させることは必要であろう。この本は、教育者のみならず子どもを持つ我々親にとっても、一度読んでおく必要があるのではないかと思う。

『「死」を子どもに教える』宇都宮直子、中公新書ラクレ


2005.10.17「第二条件のCPIが安定的にプラスとは」

12日の福井日銀総裁記者会見において、量的緩和解除の三条件のうちの第二条件である「政策委員の多くが、見通し期間において、消費者物価指数の前年比がゼロ%を超える見通しを有していること」の解釈についての質問に対して、福井総裁は下記のようなコメントをしている。

「足許の物価が何か月も続いてプラスであり、先行きもプラスであると言う時に、一回マイナスとなることを前提に議論することは、あまり生産的ではないと思われる。素直に理解すれば、足許がプラス、先行きの年度の見通しがプラスという限りにおいては、多少の波があっても概ねプラスで推移することが当然想定されているのであって、時々大きく沈むことを想定して、予測を立てるということは多分ないのではないか。」

安定的にゼロ以上という表現をどのような解釈するのか。5年後、10年後の経済情勢など予測は困難であるため、再びCPIがマイナスとなる可能性はないとは言い切れない。たとえ先行き1年、2年後でも一時的にマイナスとなる可能性は当然あるため、一時的にせよマイナスとなることがないとするのはあまりに縛りがきついものと思われた。

それに対して、福井総裁は「足許がプラス、先行きの年度の見通しがプラスという」ことをもって第二条件を満たすことを示唆しているものとみられる。実際に2003年10月10日の「金融政策の透明性の強化について」においては下記のようなコメントとなっている。

「第2に、消費者物価指数の前年比上昇率が、先行き再びマイナスとなると見込まれないことが必要である。この点は、展望レポートにおける記述や政策委員の見通し等により、明らかにしていくこととする。具体的には、政策委員の多くが、見通し期間において、消費者物価指数の前年比上昇率がゼロ%を超える見通しを有していることが必要である」

そして今年4月に、日銀は公表する「経済・物価情勢の展望」が対象とする期間について、今後、当該年度に加え、翌年度を含めることにしており、そうなれば翌年度を含めた対象期間において、政策委員の多くがプラスとの見通しとなれば条件が満たされるものと思われる。

今月31日に発表が予定されている「展望リポート」では、すでに新聞などが報じていたように、「2005年度の消費者物価指数(生鮮食品を除く)について前年度比0.1%下落としていた4月の予測を上方修正し、ゼロ%か0.1%の上昇にする見通し。2006年度の見通しについても0.3%の上昇から、0.1か0.2ポイント程度引き上げる方向で検討する」としている。

もし、この報道どおりの内容となれば、今月末時点において第二条件がクリアされることにもなる。もちろん肝心の第一条件、「直近公表の消費者物価指数の前年比上昇率が、単月でゼロ%以上となるだけでなく、基調的な動きとしてゼロ%以上であると判断する」ことが達成されてはいないが。


2005.10.14「ビデオiPod」

12日の「若き知」でも予告したように、えっ予告なんかしていない(?)。とにかく噂されたビデオ再生が可能な新型iPodの発表があった。発表したのはもちろんこの人、米アップルコンピュータ社スティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)。

新しいiPodの画面は2.5インチで解像度は320×240ピクセル。iTunes Music Storeからダウンロードした音楽ビデオやビデオポッドキャスト、映画の予告編などを再生でき、さらに米ウォルト・ディズニー社傘下の米ABC放送のテレビ番組なども提供される予定となっているとか。

個人的に注目していたのは電池の持ち時間。新しいiPodのバッテリー駆動時間は音楽再生が最長14時間可能となったものの、ビデオ再生時間は最長2時間止まりであった。今後はこのビデオ再生時間がどの程度延ばせるかが普及へ影響するものと見られる。ビデオフォーマットとしてはMPEG-4ビデオも扱えるようで汎用性はありそうである。

ここで私の使っているV603SHと比較してみたい。まず容量に大きな差がある。V603SHはSDカードが使えるが、せいぜい1Gか2G止まり。しかし、ビデオiPodは最低30Gある。ただし、携帯で見る動画は圧縮されていることもあって、1Gしかなくてもそこそこ綺麗に見えるかたちで数時間分の録画が可能であり、容量における差はあまり意味がないかもしれない。

画面はV603SHはシャープ製であるため、QVGA表示に加えて液晶テレビAQUOSの液晶技術を応用したモバイルASV液晶を搭載している(決してシャープさんの宣伝をしているわけではない?)。これに対してビデオiPodは、2.5インチカラーLCDとややV603SHよりも液晶が大きい。画面も綺麗だとジョブズ氏は言っていた。そして先ほどのバッテリー駆動時間は、V603SHが約1時間に対してビデオiPodは約2時間と約倍使える。

V603SHはついでに携帯電話の機能もついているが、なんといっても大きな差はビデオiPodはiTunesが使えるということであろう。ただし、日本での普及にはそれなりのコンテンツが充実していないと厳しいかもしれない。たとえば、自分で動画の取り込みや圧縮などができるぐらいならばiTunesに頼る必要もない。そうなれば携帯電話というより携帯動画端末としてV603SHとビデオiPodを比較してもそれほど遜色はないともいえる。そういえば、PSPというゲーム端末も同様に動画機能を有していたりする。

CDからMP3を作成するには、最近ではかなり簡単に出来るソフトが出ており、それが音楽ファイルのオンラインストアーが米国並みに普及していなかった日本でにおいても、iPodがヒットした要因でもあったと見られる。これに対して、たとえばDVDから携帯動画を作成することは、そもそも著作権の問題が出てくる(MP3にしても同様ではあるが)ことに加え、技術的にもある程度パソコンに慣れていないと難しく、さらにパソコン自体の性能も影響する上、なんといっても「面倒」である。こうなるとビデオiPodの普及には、かなり大きな壁も立ち塞がっているような気もするのだが・・・(12日のコメントと内容に一部隔たりができてしまったことはご容赦ください???)


2005.10.13「量的緩和解除後の日銀当預残の引き下げ」

何度も繰り返しとなってしまうが、外部環境等に大きな変化がない限り、日銀は10月以降のコアCPIの動向を見ながら今年度末から来年度初めにかけて量的緩和政策を解除する可能性が高い。

その解除の方法については、3条件を満たしたことを明らかにした上で金融政策を量から金利へと戻す所謂、量的緩和を解除することを宣言するものと見られる。このタイミングとしては、「展望リポート」の発表される来年4月末の決定会合の可能性が現在のところ最も高いものと思われる。

ただし、金利については「不連続に変化することを意味しない」との総裁発言もあったように、当面ゼロを目標とするゼロ金利政策を取っていくものと予想される。ゼロ金利の期間は少なくとも、日銀の当座預金残高を必要額まで減額するまでの期間か、さらにその後もう少し様子を見てくる可能性もある。

それでは現在30兆円以上積みあがっている日銀当座預金残高をどのように、どの程度の期間で減らしていくのであろうかという点について考えてみたい。その前に当預残の必要額とはどのぐらいになるのであろうか。所要額としては6兆円程度と言われているが、ある程度のバッファー等が必要ともみられ、その額は10兆円程度ではないかと指摘されている。

このため20兆円以上の当預残を減少させる必要がある。これには資金吸収などによって急激に減額するような政策も取りづらく、オペを少しずつ短期化し、手形の買いオペの期日がきたものをロールしないといった方法で徐々に引き下げを図っていくものと見られる。それでもある程度の期間は必要とも見られ、数か月といった期間をかけて減額するのではないかと予想されている。

また、現在3.5兆円程度あるとされる郵貯の保有する当座預金残高についてどのような処理がなされるのかといったことも注目されているようである。

結局、上記のように日銀の当預残を10兆円程度に引き下げるには、市場に大きなインパクトを与えないためにも数か月といった期間を要するものと見られ、その間はゼロ金利が維持されるものと予想される。このため、利上げが実施されるとしても来年秋以降となりそうである。また、その上げ幅について現時点で予想するのも時期尚早かもしれないが、以前に25bpではないかと指摘したが、以前の日銀の金融政策などから見て、10bpや15bp刻みとなる可能性もないとは言い切れない。


2005.10.13「武藤副総裁のコメント」

昨日の日銀金融政策決定会合後の、福井総裁会見に注目が集まっていたが、引き続き量的緩和解除に対して前向きの姿勢に変りはなく、まさに想定の範囲内といった内容であった。それよりも、その前に行われた衆院財務金融委員会での武藤副総裁のコメントが一部気になった

質問者が注目されている佐藤ゆかり氏だからではないが、武藤総裁のコメントを生で聞きたいと予定されていた13時半からネットでの中継をパソコンで見た。ここで気になったのは「今年度末から来年度にかけて消費者物価はプラスに転じる可能性が高まっている」とのコメントであった。これは明らかに言い間違えではなかろうか。実際に、9月2日のブルムバーグのインタビューにて武藤副総裁は、コアCPI前年比については「今年末から来年初にかけて、コメ価格の下落や電気、電話料金の引き下げといった特殊要因の影響がはく落していくとみられるので、そういう過程でプラスに転じていくだろう」と指摘している。今年度末ではなく今年末から、来年度ではなく来年にかけてとおっしゃりたかったのではなかろうか。

決定会合終了してその足で国会に向かうなどたいへん過密スケジュールの影響などもあると思われ、細かいミスまで突っつくなとも言われそうだが、とりあえず指摘しておきたい。

そして、この答弁の様子でもうひとつ注意していたことがある。たまたまであるが、武藤副総裁の答弁の際、すぐ後ろの谷垣財務大臣がテレビに映っていた。武藤氏のコメントに対してどのような反応を示すのか、興味深く観察させていただいたのだが、ほとんど表情を変えなかった。答弁の内容をあらかじめご存知であった可能性もあるが、量的緩和解除に向けて大臣の本音が多少なり表情に表れはしないかと思ったが、残念ながら(?)期待外れとなった。


2005.10.12「動画」

昨日は娘達の風邪がうつってしまったのか、体調を崩して必要な仕事を家で行い、ご迷惑をおかけした方もいらっしゃるかと思いますが、申し訳ございませんでした。まだふらふらしておりますが、なんとか今朝は出勤しました。

それはともかく、昨日は自宅のPCの前にいたのですが、引けあと調べものがあって、ふとオリコンのホームページを開いていたところ、無料動画配信サービスがあり、最近のトップ10が動画で見られるようになっていた。これは知らなかったと思ったら、今朝の日経にはこの紹介記事があり、どうも最近始めたようである。Jポップとかにご興味ある方は、ぜひご覧いただきたい。

それはさておき、今後のデジタル関連で注目すべきキーワードは、「ムービー」もしくは「動画」であることは間違いない。iPodの登場で一部マニア(オタク?)向けであったmp3が一般化した。以前にも指摘させていただいたように、今度はパソコンや携帯端末を利用して動画を見ることが一般化するものと思われる。

すでにテレビ機能付きのパソコンは多く販売され、またDVD・HDDレコーダーも普及しつつある。しかし、まだそれはテレビという枠からは脱してない。ネット経由での動画が普及するのはこれからだと思われる。プロバイダーによっては会員向けに動画配信をしているところもあるが、まだテスト段階にあるのではなかろうか。広告付きでも無料配信が増加すれば、閲覧する人口も爆発的に増加する可能性もある。しかも、その動画を携帯端末、たとえば携帯電話で見ることができればかなり便利なものとなり、これがiPodのごとく普及してくる日も近いのではないかと思う。

ネットでの動画は圧縮されているものが多く、閲覧するためのPCもそれなりのスペックは必要となる。現在販売されているものならば問題はないが、数年前のものでは滑らかな映像は見ることは難しいものと思う。現在はオフィース用のパソコンの入れ替え需要もあるようだが、このネットの動画の一般化によっては家庭用パソコンの入れ替え需要も喚起される可能性がある。

携帯電話で動画を見ている人も少ないかもしれないが、FOMAなどは動画の閲覧が可能となっている。私の持っているボーダフォンのV603SHでは、テレビ機能もついておりビデオのようにその録画まで可能となっている。またビデオカメラもついておりMPEG4形式での撮影すら可能で、圧縮された動画の閲覧ももちろん可能である。携帯電話も進化を続けており、来年には携帯向けのデジタルテレビ放送も予定されている。

現在、手軽に街中で音楽が聞けるように、今後は手軽に動画を見るといったことが広まっていく可能性がある。次期iPodにはその機能がついているといった観測も流れている。自分が写したビデオやテレビを録画したものを圧縮して携帯端末に移すには、それなりの知識が必要となるが、フリーソフトでも実は簡単に出来る。もちろん著作権の問題には気をつけてほしいが、テレビの録画が可能な現在、個人で楽しむ分には問題はないのではなかろうか。

gooなどでは、中学生向けの教科書別の動画による英語教室などもある。iPodで英会話を学習している人も多いと思うが、やはり目で見て覚えるとさらに効率的でもある。今後、いろいろなかたちでネットにおける動画配信が普及するとともに、それを持ち歩くことが一般化されるのも時間の問題のように思われる。


2005.10.11「五人と一ぴき」

かなり昔、1998年10月16日にこの「若き知」にて、NHKの少年少女向け連続ドラマ「五人と一ぴき」のご紹介をしていたのですが、ここで何かご存知の方、ご連絡くださいとお願いしていたところ、なんと「五人と一ぴき」のホームページを作っていらっしゃるごんべ様からメールをいただきました。

こちらのホームページ(http://homepage3.nifty.com/gonbe/chu/index.htm)をご覧いただければ一目瞭然。当時の「五人と一ぴき」の写真ばかりでなく、なんと出演者のコメント、インタビューまで掲載されています。当時の出演された方は私とほぼ同世代のはずです。番組の写真を見たのもたぶん30年ぶりぐらいとなるのではないかと思います。回想録のBBSなどもありますが、記憶力のない私は主題歌など漠然と覚えているに過ぎませんが、これだけ多くの方が記憶として残されていることにも驚きしました。

しかし、本当に懐かしい。管理されている方がしっかりされていると、多くの方の共感を呼ぶとともに、こういった暖かいページもできるのですね。ごんべさん、これからも更新がんばってください。


2005.10.7「オタクの区分」

新聞報道などによると、アンケート調査の結果から野村総合研究所のオタク市場予測チームはオタクの特性を分析して再定義し発表したそうである。「オタク市場予測チーム」というのもすごい気がするものの、なんといっても野村総研である。その分析は面白い。

まずオタク層に共通する6つの行動特性、
(1)他人に良さを理解してほしいと思う「共感欲求」
(2)何でもそろえたいと感じる「収集欲求」
(3)自分の意見を広めたいという「顕示欲求」
(4)自分なりの考えを持ちたいという「自律欲求」
(5)オリジナル作品を作ったり、改造したりする「創作欲求」
(6)気の合った仲間にだけ分かってもらえばいいと考える「帰属欲求」

そして、この6つの欲求の濃淡などから、オタク層を次のように5種類に分類したそうである。

「家庭持ち仮面オタク」(全オタク中25%)は、組立PCやAV機器などを中心に幅広く分布し、小遣いをやりくりしながら家庭内でこっそりと趣味に没頭。オタク趣味をカミングアウトしない傾向にある。旅行分野にも多く、趣味を兼ねて子どもをあちことに連れ回すお父さんが典型例としている。

「我が道を行くレガシーオタク」(同23%)は、独自の価値観を持ち、情報収集と批評を展開。20〜30代の男性に多く、PCやAV機器、ITガジェット、クルマ、カメラなどメカ系と、芸能人分野を中心に分布しているという。

「情報高感度マルチオタク」(同22%)は自分のこだわりに対して屈託がなく、カミングアウト率も高い。流行に流されやすく、他人を気にする傾向にあるという。女性が多く、複数の分野にまたがっているのが特徴。コミュニティーサイトやネットオークションが大好きで、2ちゃんねるのライトユーザーという人物像があてはまる。

「社交派強がりオタク」(18%)は、独自の価値観を強く持ち、それをみんなに知ってもらいたいと考えて他人を巻き込もうとするタイプ。ガンダムやドラクエの世界観を引きずり、それに気づかずに30代になってしまった大人が典型例という。

「同人女子系オタク」(12%)は、コミックやアニメに登場するキャラクターへの愛着が強く、同人誌など創作活動への参加率が高い層。友達に隠れてひそかに持っていた趣味を大人になっても続けている同人誌フリークの女性が典型例としている。男性でも「アキバ系」「萌え系」がこの層に含まれるという。

物心ついたときにはテレビのアニメを見ており、小学生の頃から漫画雑誌を読みふけり、SF物が大好きで、四半世紀以上も前からパソコンを使っていた私としては、やはりこの「オタク」に組み入れられてしまうのではないかと思う。「情報高感度マルチオタク」と「家庭持ち仮面オタク」あたりに分類されそうである。ただし、ネットオークションは大好きというよりも、そもそもやったことがない。そしてまた、歳を取るにつれてオタク度が低下しつつあるような気もしていることも確かだが。


2005.10.7「日銀の現体制下でのインフレ目標導入の可能性は薄い」

現在の福井日銀総裁がインフレ目標といったものを導入することはないと思われる。欧州などではインフレ目標政策を導入しているところが多く、また日本でも学者を中心に「インフレターゲット」を導入するように求めた経緯があった。しかし、前任の速水総裁も現在の福井総裁も、その導入に対しては面と向かっての反対は表明しなかったものの、のらりくらりとかわしてきているように思われる。

10月3日の衆院予算委員会でも導入を強く勧めていた質問者に対して、「透明性を高めるためのひとつの枠組み、道具立てである」との認識をまず示したが、「オールマイティーであるという考え方は取っていない」と、その導入については否定的なコメントをしている。

執行部のひとり岩田副総裁は副総裁就任前からインフレ目標の導入には積極的と見られ、竹中大臣の意向といったものも意識されてはいるが、現在の日銀の金融政策を決定しているキーマンである福井総裁自身がその導入に否定的である限り、その導入の可能性はないと言える。審議委員においても積極的に導入すべきとの意見は少なく、その有効性を認めることはあっても導入に踏み切るべきとの主張は見えていない。

ただし、正常時に戻った際には検討課題との意見も見られていることも事実であり、完全に否定されているわけではない。また、仮に米FRBの次期議長が、もしインフレ目標政策を導入した際には、世界の主な中銀が採用したこととなり、将来、日銀としてもその導入の検討をする可能性は否定できないことも確かではある。

現在の日銀が無理にインフレ目標を導入する必要性を感じず、その動きに対して否定的な姿勢を示せるのは、やはりインフレ目標導入に反対しているグリーンスパン議長の存在が大きいのではないかと、個人的には思っている。

そしてまた、日銀はすでに擬似的なインフレ目標を導入しているのではないかとの意見もあろう。量的緩和解除に際しての条件がつけられていることこそ、確かにインフレ目標と言えなくもない。しかし、福井総裁はできれば条件が整い次第、すみやかに「正常な状態」に戻したい意向も強いものと思われる。その正常な状態という中には、あらためてインフレ目標政策を取るといったことは意識されていないものと思われる。


2005.10.6「10月展望リポートでの物価・景気の見通し上方修正予想」

日銀は31日の金融政策決定会合後に公表する「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」において、2005年度の消費者物価指数(生鮮食品を除く)について前年度比0.1%下落としていた4月の予測を上方修正し、ゼロ%か0.1%の上昇にする見通しと日経新聞が伝えている。2006年度の見通しについても0.3%の上昇から、0.1か0.2ポイント程度引き上げる方向で検討するようである。また、2005実質経済成長率の予測も4月時点の1.3%から2%前後に、2006年度も1.6%から上方修正する見通しのようである。

これまでの日銀関係者によるCPIのプラス転換予測に加え、景気についての強気の見通しが、数値としても示されるようである。


2005.10.6「来年度の新規財源債は2.2兆円以上の削減か」

小泉首相と谷垣禎一財務相との会談で、来年度の一般会計予算において一般歳出と新規国債発行額をそれぞれ今年度予算以下にする方針で一致したと報じられた。一般歳出は今年度の47兆2829億円以下に抑制し、同様に国債の新規財源債についても、今年度に削減した額の2兆2000億円より大きく削り込み32兆1900億円以下とする方針を明らかにした。これが実現すれば新規国債発行額は2002年度の当初予算の30兆円以来の水準にとなる見込み。(毎日・日経新聞など参照)

2000年度からの新規財源債の推移(当初予算)を追ってみた。2000年度(平成12年度)は326,100億円、2001年度(平成13年度)283,180億円、2002年度(平成14年度)300,000億円、2003年度(平成15年度)364,450億円、2004年度(平成16年度)365,900億円、2005年度(平成17年度)343,900億円、そして2006年度(平成18年度)は321,900億円(予想)。

確かに2004年度をピークに減少傾向とはなっていたものの、まだ30兆円を上回っていることも確か。小泉政権当時の公約を持ち出すわけではないが、まずは30兆円以下への減額な向けてさらなる努力を望みたいところである。


2005.10.6「ピロリ菌」

去年、胃潰瘍で突然入院してしまってからまもなく1年が経過しようとしている。ストレスが原因であったことも確かだが、胃の中のピロリ菌も原因であったようである。今年のノーベル医学生理学賞は、このピロリ菌を発見したオーストラリア人のバリー・マーシャル氏と、ロビン・ウォレン氏が受賞した。

ピロリ菌を発見するまでの過程において、培養に偶然成功したり、妻に反対されながら自ら実験台になってピロリ菌を飲んだり、強い酸の中では菌は生きられないとの医学会の常識に立ち向かったりと、たぶんこれはいずれハリウッドで映画化されるであろうほどのエピソードには事欠かないようである。

私も入院したのち、担当医師の薦めもあってピロリ菌を除去したが、気になる方はピロリ菌の検査をお勧めしたい。


2005.10.5「議決延期請求権」

2000年8月11日の日銀金融政策決定会合において、大蔵省および経済企画庁からの出席者から、「日本銀行法第19条第2項の規定に基づき、議長提出の金融市場調節方針の決定に関する件に係る政策委員会の議決を次回金融政策決定会合まで延期すること」との議案が提出された。ゼロ金利解除の際における議決延期請求権の行使である。この条項はドイツのブンデスバンクを参考に取り入れられたと言われたが、そのブンデスバンクですら一度も行使されることなくECBの設立とともにその条項は削られていた。それが日本で行使されるという異常な事態となったことを記憶している方も多いと思う。

日銀はここにきてゼロ金利政策よりもさらに踏み込んだ「量的緩和政策」の解除に向けての姿勢を次第に強めてきている。福井総裁は10月3日の衆院予算委員会において、「異常な政策をいつまで続けろという声にくみすることは断固できない」とまで言い切った。市場においても今年度末近辺における量的緩和解除を次第に織り込みつつある。

量的緩和解除については3つの条件が存在するが、今年の年末にかけての特殊要因剥落などによるコアCPIのプラス転換の可能性は強く、政府も景気の踊り場脱出を表明しているように景気が回復基調を強めていることで、3条件がクリアーされる環境が形成されつつある。しかし、それでも政府や財務省は、この日銀の動きを牽制している。細田官房長官は3日に「量的金融緩和、変更する理由見出せない」とコメントしており、谷垣財務大臣も「金融政策、穏やかに続くデフレに対応必要」と量的緩和解除について慎重なコメントをしている。

それでは、今回の量的緩和解除にあたっても、財務省と内閣府の出席者から議決延期請求権が出される可能性があるのであろうか。これは今回の量的緩和解除にあたっての大きな注目点ともなりそうなのである。

現在の執行部の布陣は、総裁は福井氏、そして副総裁は前財務次官の武藤氏と内閣府出身の岩田氏である。前任の執行部と大きく異なる点は、議決延期請求権を提出した財務省と内閣府の出身者が現在、副総裁として総裁の脇を固めていることにある。特に武藤副総裁は首相官邸とのパイプ役も担っているとも言われ、量的緩和解除にむけては極力、議決延期請求権の提出を回避させるべき役割も担っているのではないかとも見られる。量的緩和解除が想定されるまで、まだかなりの時間がある。その間、物価や景気動向を見ながら、現在の執行部が財務省や内閣府そして首相官邸への理解を求めるべく動きを活発化してくるものとも考えられる。


2005.10.5「長期金利は新たな局面に」 (レポート原稿より、一部内容が昨日のものと重複)

長期金利はここにきて上昇基調を強め、大きな節目ともみられていた1.5%をもあっさり抜けてきている。4日に実施された10年国債の入札は最低落札価格100円18銭、100円21銭とほぼ予想の範囲内とはなったものの、投資家は慎重姿勢を強めたものとみられ、結果発表直後からも先物主体に売りが入り137円の大台を割り込んだ。

10月3日に実質下期入りし、一部現物買いの期待もあった投資家の動きは鈍かった。3日に発表された日銀短観においても、数値自体は事前予想よりは良くなかったものの、景気の回復基調を示すものとなった。このため、株価の下落も一時的なものに止まり、日経平均は14000円に向けて上昇基調を強めている。

ここにきて、やや注目度が落ちていたとみられる欧米の景気や金利についても注意が払われるようになってきた。特に米国経済はハリケーンの被害によって一時的にせよ景気後退は避けられないと見られていたが、思いのほか影響は軽微であったことが経済指標などでも示されるようになってきた。米国の利上げも継続かとの観測も強まり、米国金利は上昇基調を強めており、欧州でもやはり金利が上昇しつつある。

株高や欧米金利の上昇に加え、国内の機関投資家が債券投資に慎重になっている最大の要因はやはり日銀の動向であろう。すでに年末にむけてのコアCPIのプラス浮上はほぼ確実視されている。また、日銀執行部をはじめ各審議委員からも今年度末から来年度初めにかけての量的緩和解除の可能性を示唆するコメントも出始めている。さらに衆院予算委員会において日銀の福井総裁は「異常な政策をいつまで続けろという声にくみすることは断固できない」ともコメントしており、解除に向けた強い姿勢を示したとも思える。

4日に5年債の利回りは0.8%台に上昇し、やや割高感のあった10年債も272回は1.560%に利回りが上昇した。また、先物は3月10日の137円23銭を大きく割り込み年初来安値を更新し、136円台をつけてきている。先物のチャートを見る限り、あらためて下方トレンド入りしたものと見ざるを得ない。

先物の売りの主体は海外のヘッジファンドとも言われているものの、上記のように投資家の慎重な姿勢が相場全体を重くしているようにも感じられる。投資家の押し目買いが消えたわけではないものの、より慎重になっていることも確かであり、長期金利はあらたなステージ入りした可能性がある。


2005.10.4「長期金利1.5%台に、あらたなステージ入りか」

長期金利はここにきて1.5%台に乗せてきた。本日実施された10年国債の入札は最低落札価格100円18銭、100円21銭とほぼ予想の範囲内とはなったが、この結果を受けて先物主体に売りが加速した。

10月3日に実質下期入りしても思いのほか投資家の動きは鈍い。3日に発表された日銀短観においても予想よりは良くなかったとはいえ景気の回復基調を示すものとなっており、株価も上昇を続けている。また、ここにきて米国経済の指標にも強いものが出てきており、米国金利の上昇なども影響を与えてきているものと思われる。

投資家の慎重姿勢の最大の要因としては、日銀による量的緩和解除観測の強まりが上げられる。まだCPIはプラスに転じたわけではないものの、年末にむけてのプラス浮上はほぼ確実視されている。日銀執行部からも今年度末から来年度初めにかけての解除の可能性を示唆するコメントも出始めている。さらに昨日の衆院予算委員会において、福井総裁は「異常な政策をいつまで続けろという声にくみすることは断固できない」ともコメントしており、量的緩和解除に向けた強い姿勢を示した。

本日、5年債の利回りは0.8%台に上昇し、やや割高感のあった10年債も272回は1.560%に利回りが上昇した。また、先物は3月10日の137円23銭を大きく割り込み年初来安値を更新し、136円台をつけてきている。先物のチャートを見る限り、あらためて下方トレンドに入ったとも思われる。先物の売りの主体は海外のヘッジファンドとも言われているものの、投資家の慎重な姿勢が相場全体を重くしているようにも感じられる。長期金利はあらたなステージ入りとた可能性がある。


2005.10.3「シュエリエン」

天空の歌声を持つというチベット3姉妹「シュエリエン」のCDが今月7日に発売されるそうである。まだ、歌を聞いてもいないものの、気になる。標高4000mの高地ではぐくんだ圧倒的な声量と、民族色の強いサウンドと衣装が特徴のチベット自治区出身の美人3姉妹ユニット「Xuelian(シュエリエン)」。我が家にも3姉妹がいるが、それはさておき、ヒットの予感がするのだがいかがであろうか。


2005.10.3「財投債の経過措置分発行減額」

9月30日の夕刻、財務省は平成17年度の財政融資資金特別会計国債いわゆる財投債の経過措置分の減額を発表した。

その理由としては、「財政融資資金に対する繰上償還等により財政融資資金の資金繰りに余裕が生じることとなったため」だそうであるが、もう少し具体的な要因も知りたいところでもある。

減額はトータルで約3兆円あまりとなる。内訳は、郵便貯金資金1兆1,000億円、年金資金1兆5,000億円、簡易生命保険資金4,500億円となっている。

国債需給に対しては引き受け分の減額でもあり、直接的な影響はないにしろ、この分に予定していた投資資金の多くはやはり国債にて運用されると思われる。このため、特に郵貯の分などは、量的緩和解除観測などからやや不安定ともなりそうな中期ゾーンの需給にとっては好感材料となるものと予想される。


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