2000年8月11日の日銀によるゼロ金利解除は、本来、前月の7月17日の金融政策決定会合で決定されるはずであった。しかし、7月12日にそごうが民事再生法を申請したことで17日の決定は見送られた。なぜ7月17日であったのかについては、ゼロ金利解除理由の材料として日銀短観を持ってくることができるためといった認識もあった。
もし今年4月10日、11日の金融政策決定会合で量的緩和解除が決定されるとすれば、4月3日に発表予定の日銀短観なども意識される可能性もある。もちろん解除の条件としては消費者物価指数が大きな要素を占めるため、3月31日に発表される2月の全国消費者物価指数の方が強く意識されよう。解除の条件は、全国コアCPIの前年比が基調的にゼロ%以上で推移、先行きマイナスにならない、経済・物価情勢の3つであり、短観はこの3つめの条件に関係する。
2000年8月11日の日銀金融政策決定会合において、当時の大蔵省および経済企画庁からの出席者から、「日本銀行法第19条第2項の規定に基づき、議長提出の 金融市場調節方針の決定に関する件に係る政策委員会の議決を次回金融政策決定会合まで延期すること」との議案が提出された。議決延期請求権の行使である。
先日、2月26日の読売新聞では、日銀が3月に開く金融政策決定会合で、仮に量的緩和策の解除が提案された場合でも、議決延期請求権を行使しない方針を固めたと伝えている。 2000年のゼロ金利解除時と今回の量的緩和解除にあたっては、政府とマスコミの対応が全くと言って良いほど異なっている。福井日銀総裁にとって、ゼロ金利解除時の政府との軋轢は繰り返したくはないとの意思も強かったものと思われる。
そして、速水日銀当時と大きく異なっているのが、総裁を支える2人の副総裁である。現在の日銀副総裁は財務省事務次官であった武藤氏と内閣府出身でもある岩田氏である。特に武藤副総裁は首相官邸とのパイプ役としての役割も担っていたとも言われ、量的緩和解除の際、政府側出席者からの議決延期請求権の行使だけはなんとしても避けたい日銀にとっても、現在の副総裁の存在は大きかったのではないかとみられる。
ゼロ金利解除の際と異なり、マスコミの対応も違ってきている。ゼロ金利解除の際はかなり日銀の対応に批判的な記事が多かったが、これは政府側の対応といったものも相当意識されていたかと思う。今回も竹中総務相などが早期解除については反対の姿勢を強めていたものの、それが大きな流れとならなかったのは、日銀の政府に対する働きかけとともに、政府側トップの理解にある程度助けられた面も大きいように思われる。
日経新聞や朝日新聞では26日の与謝野経財相のNHKの番組における発言などを受けて、政府内にも日銀の量的緩和解除に対してそれを容認する意見が広がってきたと伝えた。しかし、読売新聞ではさらに踏み込んで、日本銀行が3月に開く金融政策決定会合で、量的緩和策の解除が提案された場合でも、「議決延期請求権」を行使しない方針を固めたと伝えている。
先週の国会での福井俊彦日銀総裁の発言内容からも、3月解除も視野に入れて検討を進めている可能性が強まってきた。27日の会見で、日銀の量的緩和解除に向けての姿勢に対し小泉首相は「政府・日銀のデフレ脱却方針に沿って日銀が判断すること」、また安倍官房長官は「与謝野担当相の考え方は重視されるもの」とし、さらに 谷垣財務相までも「量的緩和解除、独立性ある日銀が判断すること」とコメントしており、政府としても解除時期の最終的な判断は日銀に委ねるとの姿勢がこれにおいても明確となった。
量的緩和策の解除時期についてはまだ明確ではないが、4月28日よりも前に実施される可能性が高まってきた。与謝野経済財政相は3月解除でも容認する姿勢とみられているが、期末決算もあり、解除は4月以降が望ましいとの見方もある。さらに、小泉首相は「まだデフ状況を脱却したとは言えない」ともコメントしており、物価動向などを慎重に見極める必要性をあわせて強調したことから、3月8日、9日の決定会合では解除の方向に向けた姿勢を示しながらも、解除自体は4月に入ってからの可能性が高いものとみられる。
そのため、3月31日に発表される2月の全国CPIや4月3日に発表予定の日銀短観などの内容がデフレ脱却を意識されるものとなっていることを確認の上、4月10日、11日の金融政策決定会合で解除される可能性がどうやら高くなってきたように思われる。
明日から公開される織田裕二主演の「県庁の星」。ぜひ観たいと思っている。織田裕二は「踊る大捜査線」ではノンキャリ役であったが、今回は県庁のキャリア役となり現場とのギャップを室井さんの立場で改革してやろうというものである。原作よりもどちらかといえば「踊る」に近い脚色になっているものとみられ、「踊る」の観客をも引き込んでのヒットが望めそうである。 特に「官から民へ」との時代の流れに沿ったものともなり、そういった意味での関心も高いものと思われる。「官から民へ」については室井さんならぬ元財務省キャリアの村尾さんの勉強会で1年間勉強させていただいたこともあり、個人的な関心も高いのである。あまり固苦しい内容ではなく、映画としての娯楽性も意識してのものだけに、注目度も高いとのではないかと思われる。そういえば、前売り券を買わねば。
日銀の福井総裁は23日の参議院財政金融委員会における日銀半期報告質疑において、「解除の3条件が満たされたと判断すれば、ただちに解除したい。安定的なプラスの状況はもう目前だ」と発言し、早ければ3月3日に発表される1月の全国消費者物価指数(コアの予想は前年比+0.4%程度)を確認した上で、3月8日から9日の金融政策決定会合において2001年3月以来続いてきた量的緩和政策が解除されるとの観測が広まった。
すでに日銀が量的緩和政策の解除の大きな条件としている全国消費者物価指数に関して、コア部分は10月が前年同月比ゼロ、11月同+0.1%、12月も+0.1%とプラスとなっており、1月もプラスとなるのはほぼ確実視され、しかもそのプラス幅は拡大することが予想されている。
「安定的にゼロ以上」というのは、数か月連続で前年比プラスとなるということが想定されており、数か月とは2〜3か月程度を示すとみられ、1月の全国CPIでプラスが確認されればその条件は満たす。福井総裁がもし自ら量的緩和解除のための議案提案を行った場合には賛成多数、もしくは全員一致で可決される可能性が高い。このためタイミングはまさに福井総裁の決断にかかっているともみられる。
3月といえば決算月でもある。日銀は決算時期といったものは金融政策変更の障害とは考えてはいないとしているようだが、それでも特に金融機関の決算にむけて無理に波風も立てる必要もない。ここはもうすこし我慢して、4月になってから解除したほうが無難とも考える。しかも4月28日には展望レポートの発表もあるため、3条件達成といったものを数値等でも示しやすいともみられ、私はまだ4月28日説をとりたい。
問題はその後のスケジュールにあるのかもしれない。微妙な影響を与えそうなのが自民党の総裁選などであろうかとみられる。米国FRBもバーナンキ体制となりインフレ目標値の導入の可能性も今後は強まることも、気になるところ。
そういったタイムスケジュールをも考えると、量的緩和解除後の当預残の引き下げ過程といったものがひとつのポイントともなりうる。いったいどの程度まで、どのぐらいの期間をかけて引き下げていくのか。特にこの場合には期間がポイントともなりそうに思われる。
市場の期待形成を日銀の金融政策の連続性等に資する方向へ誘導していくうえで、当預残の最終的な落ち着きどころを事前に示すことは本来は必要とも思われるが、たとえば期間を具体的に言及してしまうと、それで次のステップとなる利上げ時期が憶測されてしまうため、むずかしいところでもある。また市場機能を回復させるためにも無理にレールを敷く必要はないとの意見もある。日銀はこのため期間についての具体的な言及は控える可能性が高い。
しかし、これについて福井総裁は昨日「常識的に数か月でかなりノーマルな水準になっていく」ともコメントしている。またもや「数か月」である。これはやはり2、3か月と読むべきか。
たとえば、現在の手形の買いオペなどの期日を考えると、それを縮小させる方向で早ければ3か月程度である程度の引き下げは可能になるとみられている。
このある程度というのは、日銀の中曽金融市場局長が言及していたように、準備預金制度上の郵貯分を含めての所要額の6兆円がひとつのターゲットとみられる。しかし現実には所要ぴったりということではなく、多少のバッファーも必要ともみられ、状況に応じて、最終的な落とし所として7兆円から10兆円あたりとなったとしてもおかしくはない。
そのためには3か月というのはぎりぎりのタイミングともみられ、もう少し余裕を持って3か月から6か月程度かけてというのが大方の見方のようにも思われる。もし6か月となれば3月解除なら9月、4月解除ならば10月と、まさに自民党総裁選のタイミングの前後とも重なる。
福井総裁は「緩和解除後は極めて低い金利経て、段階的に中立的水準に修正」としているが、極めて低い金利の時期とは所要額まで減額する期間ともみられ、それが終了後は、ファンダメンタルの状況見ながら中立的水準に修正、つまりは利上げが実施されるものと予想される。10月ごろの利上げの可能性をこれまでレポートなどで指摘していたが、やはりその可能性はありそうである。
私自身の個人的な考えとして、3月に解除と急ぐ必要はなく、4月に入ってからの解除、できれば展望レポートとあわせての28日解除が望ましいと思う。しかし、今回の総裁発言などから、4月10日から11日の決定会合で解除される可能性もありうるか。どちらにしても4月までには解除されることはほぼ間違いはなさそうである。
昨日、日銀の国債買入オペにおいて1996年9月以来の札割れが発生した。これは複数の要因が絡んだ結果引き起こされてしまったものとみられている。
日銀の量的緩和解除に向けて、大手銀行や海外投資家などが中短期ゾーンにスワップなども絡めての売り圧力を強め、反面グローバルフラットニングの流れや国内年金などの買いによって長いところの債券が買われたというのが先週までの動きとなっていた。
ところが今週に入り、特に中短期はスワップなど含めて巻き返しとった動きとなったことから、イールドカーブはフラット化の反動、つまりはスティーブ化してきた。また21日には20年国債入札が実施されたが、その後の動きを見ても20年は重くなっており、業者は入札玉を一部抱えた上に、先物などでのヘッジも行ったものとみられた。
そのような中における日銀の買入となったのである。このオペは対象国債において、その残存年数等に関わりなく21日の引け対比で応札することとなる。そうなれば前日比割安の銘柄を入れることとなる。
通常ならばここで2年債など中短期ゾーンを業者としては持ち込みたいところであったものの、ところが今週に入って買われ、前日比でもしっかりとなっており、業者も出したくはない。できれば割安な超長期を入れたいところながら、国債買入対象は直近入札の2銘柄は除かれるため、20年84回は対象外。それ以前の回号のものは先週の超長期主体の相場急騰のおり、だいぶ捌けていたともみられ、業者としての在庫もかなり軽くなっていたものと思われる。このため、出すにもそういった玉がない。もしくは今週に入ってイールドカーブの巻き返しの動きからヘッジをしていたことで、オペに入れることでそれを解くとトータルで損失の恐れもあって躊躇してといった観測もあった。
こういったある意味カーブの動きに翻弄された結果としての国債買入の札割れとなったものとみられ、カーブの翻弄自体は債券需給の影響であったものの、札割れはこの需給とは直接的な関係はなかったものと見られる。このため、昨日の札割れ結果を見ての後場先物寄付きは高く始まったが、そのあと売られたのもある意味いたしかたなかったものといえる。
この札割れとは直接関係はないが、日銀のこの国債買入の対象銘柄に15年変動率国国債が検討されているとの報道があった。その後、現時点で2006年度中に買入対象とする予定はたててないとの否定コメントもあったが、対象となる可能性もなくはなさそうにも思われる。
財務省国債課から金融庁を経て、現在民間へ転進された野尻昭裕さんはじめ4人の方の共著、「年金、郵貯マネーが日本を救う」(金融財政事情研究会)の出版記念パーティーに昨日、参加させていただいた。
武藤日銀副総裁や水野審議委員、そして本の帯の推薦文を書かれた竹内洋関税局長をはじめ、幸田真音さんや財務省の関係者、著名な金融業界関係者など早々たるお歴々の方々が出席されていた。
せっかくの機会とばかり、武藤副総裁にご挨拶させていただき名刺をいただいた。また審議委員の水野さんとも久しぶりに少しお話させていただいた。もちろんお二方には、とてもお聞きしたいことがあったのだけれど、聞けるはずもなく・・・。
そして、これまでなかなかご挨拶しようと思っていても機会を逃してしまっていた竹内関税局長にも、幸田真音さんに紹介いただいてご挨拶させていただいた。
竹内さんには、「おう、知ってる、知ってる」とおっしゃっていただいたが、そのあと「ところで、日本国債って危なくないのかな」とのご質問。一瞬、戸惑ってしまったものの、なんといっても運用部ショック以降、国債管理政策を強力に押し進められた中心人物のお一人が、ミスターJGBことこの竹内氏なのである。「長期金利は低位安定しています」と答えるのが精一杯であった。
野尻さんはじめ久しぶりにお会いした方々も多く、楽しい時間を過ごさせていただいた。最近、こういったパーティーに参加する機会も減ってしまっていたこともあり、たいへん私にとってもとても刺激になった会であった。そして、ぜひこの「年金、郵貯マネーが日本を救う」をお買い求めいただけるとうれしいです。
トリノオリンピックでメダルが取れるかどうかは、どうやら女子フィギュアの3選手にかかってきたと言えそうである。この女子フィギュアで最も注目されているのが、安藤美姫選手かと思われる。それだけマスコミの露出度も高い。
安藤選手が4回転ジャンプを行うのかどうかといったこともマスコミを賑わせていた。フィギュアの採点方法が変わったことで、この4回転ジャンプが決まれば大きな点数が期待できる半面、わずかの回転でも不足したり転倒したりすると大幅な減点を受けてしまうリスクも伴う。まさにハイリスク・ハイリターンと言える採点方法となったそうである。
すでに日本語化しているこのリスク
果たして安藤美姫選手も果敢にリスクにチャレンジしてメダルへ積極的にチャレンジしてくるのか。結果が求められるオリンピックとしてはなかなか決断するのも難しいところではあるが、できればチャレンジしてもらいたいとも思う。
前置きが長くなってしまったが、投資におけるリスクも、失敗の危険性はあるが、成功を目指して期待に胸膨らませながら果敢に試みることを意味している。これまで株のデイトレーダーに対して批判的なコメントをしてきたが、市場で積極的にリスクに向かうという姿勢はある意味評価したい。しかし、そこで大きなリターンに恵まれるのは一部であるという現実も直視してほしい。それだけ株のデイトレードはリスクが高いものとなっており、あまり素人が手を出すべきものではないとの考え方にかわりはない。
しかし、金融市場においてペイオフ解禁、郵政民営化といった動きから、収益性はともかく安全確実と思われていた預貯金にもリスクがあることが顕在化し、これまでリスクから隔離されていた我々個人も新たなリスクに身を置かざるを得ない。
「貯蓄から投資へ」との政府のスローガンも、間接金融から直接金融への資金の流れの変化を意味するものであるが、それは「安全性から危険性」という意味にも繋がる。しかし、リスクに対してはその度合いを適切に判断した上で、適切にコントロールすれば収益性の向上にも繋がる。フィギュアスケートではないが、リスクに対しては果敢に立ち向かわない限りリターンを得ることも難しくなるのである。
2月20日、日本証券業協会から1月の公社債投資家別売買高が発表された。12月と同様に1月も信託銀行が大幅な買い越しとなっていた。12月が1兆9301億円、1月も1兆6745億円となっていたが、これは株高にともない年金のリバランスのために、株から債券へ資金がシフトしたことによるものとみられる。さらに、公的年金の財投債引受額の減額に伴う市場からの購入増などもその要因として指摘されている。国債投資家別売買高からみると信託銀行の買いは長期が8393億円となっており、長期主体の買いであった。
もうこひとつの大きな買い手が海外投資家でああった。1月の海外勢の動きを国債投資家別売買高からみると、超長期国債買い越し額は6914億円に達し、長期国債も4146億円、中期国債も4364億円とそれぞれ買い越しとなっている。グローバルフラットニングの動きにともなったものとも思われる。この中にはスワップなども絡めた投機的な買いに加え、海外年金などによる買いも入っていたものと思われる。
これに対して、1月に唯一業態別で売り越しとなっていたのが都市銀行である。国債投資家別売買高でみると長期国債が8652億円の売り越しとなっていた。1月の債券相場が上昇基調となっており、10年国債の利回りは一時1.4%近くまで低下していたことで戻り売りを入れてきたものとみられる。さらに日銀の量的緩和解除観測の強まりなどに対応し、やや長めの債券のポジションを落としてきた可能性もある。
任天堂の携帯ゲーム機のDSも今だに販売店では「入荷未定」の状態。3月2日にはそのような中でのDSLiteの発売となり、予約を巡ってネット内でも情報が飛び交っている。一部スーパーで18日に予約を受け付けたようだが、台数も限られていたようで、大きくの販売店では今だ状況を見守っているようである。
とりあえず1台でもとの家族内の需要を受けて調べてみても、とてもではないがDSもDSLiteも手に入りそうもない。それを探すのならその前に任天堂の株を買っておけばそれを元手に何台も購入できそうなほど、日経平均が下げている中にあって逆行高していた。
これだけ手に入りにくいゲーム機というのも久しぶりのような気もする。まさか作為的にこういった状況を作っているわけではないと思うが、3月2日は昔のドラクエ騒ぎのような状況ともなりかねない。そういえばあのドラクエ騒ぎも、ゲーム機は任天堂であったような。
別に任天堂の株を推奨しているとかいうのではないが、今後DSを巡ってマスコミが騒いできてもおかしくはない。しかし、家で脳トレができるのはいつになることやら。
17日のGDPの発表を受けての記者団の質問に答えた小泉首相は、「量的緩和解除は早いか」との質問に対して「日銀総裁が判断されるでしょう」と述べたと17日の時事や18日の日経新聞が伝えている。
これは、ぶら下がりと言われる記者質問と思われ、事前に質問内容が検討されていたかどうかは明らかではないものの、小泉首相は日銀の量的緩和解除に向けての姿勢に対して理解を示していたことがこれでもうかがえる。
首相と日銀総裁の昼食を挟んだ会見以降、日銀の量的緩和解除に向けて強固な反対姿勢を示していた竹中総務相は、それ以降特に量的緩和解除についての反対姿勢については、ややトーンダウンし、中川政調会長も同様であったかと思われる。
こういった状況を見ても、首相が日銀の動きに対してある程度理解を示している以上は、その判断に従わざるを得ないとの判断であったかとみられる。それまで日銀寄りとみられながらもやや慎重なコメントをしていた与謝野担当相も、それ以降は以前の日銀の姿勢を理解するコメントに戻っている。
すでに3月から4月にかけての量的緩和解除は市場内部だけではなく、マスコミなどを通じて大きなコンセンサスともなりつつある。その意味でこの首相の発言に対して、違和感はないものとみられる。しかし、個人的なことながら、具体的な証拠がなく状況証拠だけでこれまで小泉首相の日銀に対する意向を判断していた自分としては、その推測が誤りではなかったことに少し安堵した思いである。
2005年10〜12月期国内総生産第一次速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比+1.4%増、年率換算で+5.5%と内閣府から発表された。2002年以来の4四半期連続のプラス成長となった。
寄与度は、国内需要が+0.8%。輸出から輸入を差し引いた外需は+0.6%。項目別に見ると、個人消費は前期比+0.8%と4四半期連続で増加。民間設備投資は+1.7%、住宅投資は+1.9%。個人消費は薄型テレビや金融手数料、飲料、灯油などが寄与した。また輸出に関しても米国、中国向けが好調。
名目成長率は+0.9%、年率換算で+3.5%となり、2四半期ぶりのプラス成長。総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期比1.6%低下し、前期より下げ幅を0.3ポイント拡大させた。
このGDPを受けて、政府も来週発表の2月の月例経済報告で、景気判断をこれまでの「緩やかに回復している」から「回復している」に引き上げる可能性が高まった。次の2006年1〜3月期の実質成長率が-2.6%以上なら、政府の2005年度の実績見込みである+2.7%を達成する。
谷垣財務相は「緩やかながらデフレ続いていること物語っている」「日銀は数字だけでなく背後の情勢よく見て伸張な判断を」とコメント。竹中総務相も「デフレはしつこく続いている」とコメント。さらに安倍官房長官は「デフレは依然継続、克服にむけた日銀との取り組み必要な状況は変わらず」「日銀はデフレ脱却の重要性認識し、金融政策を取ると思う」とコメントした。
与謝野担当相は「日銀の量的緩和解除、独自の政策判断による」としながらも「日銀の量的緩和解除、仮にそういう方向に進む場合慎重のうえ判断してくれるだろう」とコメント。
債券相場はこの数値も織り込み済みの様子。すでに景気の良い話には鈍感になりつつあるのか。
谷垣財務相は15日に日本銀行の山口広秀企画局長を日銀の理事に任命する人事を発令した。これは武藤英二理事の14日付での退任にともなうもので、事前にも報じられていたとおりであったが、今回気になるところとして、当面、山口氏は企画局長を兼務するという異例の人事であったことである。。
マスコミが報じたところでは、この件について日銀は「業務が立て込む年度末の大規模な人事異動を避けるため」としているそうである。
さらに日銀は、「企画担当理事は引き続き白川理事が務める」ことや「あくまでも局長嘱託のため、日銀理事が大阪支店長を務めていることと同じような扱い」ともコメントしているが、素直にそうとって良いものかどうか。その点についてもしっかり念を押しており、
「今回の措置はあくまでも、金融政策運営とは関係ない」とし「年度末までにしなければならない仕事を抱えている部署があるため、一連の人事を避けるため、年度末までは動かさないように判断された。」そうである。
これはどうみても、量的緩和解除を意識したものと取らざるを得ない部分もあるが、日銀の金融政策はあくまで決定会合で政策委員が決定するものであり、金融政策の変更を前提にしたものとは公には表明できないことも確かか。
日本の金利もいよいよ正常化に向けて始動し始めたものとみられる。短期金利も徐々にではあるが上昇圧力を強めつつある。昨日の短期国債(TB)1年物入札では、最低落札価格が0.1698%と前回入札比で約0.065%上昇し、2001年2月以来の高水準となった。円3か月金利先物も2006年12月は99.485の引けとなり、つまり0.515%。これは2000年8月のゼロ金利解除時に無担保コール翌日物誘導金利を0.25%に引き上げたときの3か月物金利の平均を上回る水準ともなっている。また本日の政府短期証券(FB)375回際の最高落札利回りが0.0269%と前回374回の0.079%に比べて大幅に上昇し、ほぼ2年5か月ぶりの高水準となった。
「動かざること山の如し」となっていた短期金利が「疾きこと風の如く」動きはじめた。短期金融市場でもリスクを意識して動かざるを得なくなっている。これが本来のマーケットであり、金融機関や短資会社そして日銀もその錆付いていた機能を回復するべく、市場機能という機械に油を差し始め、ひとまず機械がうまく動くかどうかを調べ始めている。さらにその機械をメンテナンスする職人も急遽呼び集められるなり再訓練を始めているものと思われる。ただし、短期金利始動のための試運転が始まって、ブレーキが利かなかったり、思わずアクセル吹かしてしまっていることもあるのか、2年債利回りが0.4%近辺にもかかわらず、金先の0.5%台はさすがに少し行き過ぎのような気もするが。
なにはともあれ、封じ決まれた短期金利という生き物の封印が解かれる日も、それほど遠くない。いったんこの封印が解かれた際には金利は目をさます。目を覚ました金利に向かって、そのままじっとしていろと言う方がたぶん無理な話しであろう。
債券相場は大きな分岐点を迎えている。5年債の利回りは大きな節目とみられていた1.0%をあっさりと超えてきており、2年債の利回りも2001年2月6日以来となる0.4%をつけてきた。相対的にしっかりとなっていた10年債の利回りも、1.600%台に乗せてきている。中短期主体に売られているのは、日銀の量的緩和解除観測に伴う動きとみられる。
今回は債券先物の週足チャートから見ての今後の債券相場の動きを予測してみたい。
2002年2月4日の安値135円72銭から2003年6月10日の高値145円09銭までは、デフレ心理の高まりに加え日中の値幅が限られる中、ほぼ一本調子の上昇となり、その間の値幅は9円37銭となった。しかし、この145円09銭が債券先物中心限月としての最高値となったのである。
2003年6月10日からは、銀行のリスク管理上の問題なども加わり、売りが売りを呼ぶ展開ともなり、債券先物は急落し、2003年9月3日には134円09銭まで下げてきた。この間の値下がり幅は11円となった。
急落のあとは日銀基盤の追加緩和などもあり債券先物は再び上昇し、2004年2月26日には140円45銭まで値を戻している。その上昇幅は6円36銭であった。
その後、債券先物は再び下落基調となり、2004年6月23日に133円26銭まで下げている。この間の下げ幅は7円19銭となり、この133円26銭が直近の先物安値となっている。
2004年6月23日の133円26銭を底に、再び債券先物はほぼ1年近くにわたり上昇基調を強め、2005年6月8日の141円32銭まで値を戻した。その間の値幅は8円06銭である。
そして、2005年6月8日の141円32銭を目先の高値にして、2月10日に135円82銭と11月4日につけた直近の安値の92銭を割り込んだことで、141円32銭を高値にした下落トレンドはまだ継続中であると見ることができる。
数値ばかり並んでしまったが、結論から言えばこれまでの先物中限月の週足チャートを見る限り、まだ下げ余地があるということが予想されるのである。
2003年6月から9月にかけての11円の調整、2004年1月から6月にかけての7円19銭の調整と同程度の下げが今回あったとしてもおかしくはない。そうなれば、チャート上の下の節とみられるのはやはり2004年6月23日の133円26銭となると思われるが、もしそこをも割り込むようならば、大きなレンジ相場を下抜けすることとなる。今回の債券の下落はその可能性すら予想されるような動きにもなっているとみられる。
短期金利は上昇圧力を強め、本日も債券は中短期債主体に売り圧力を強めている。2年241回は2001年2月6日以来となる0.4%がヒットされ、5年52回は10日に1%台をつけてから本日は1.045%まで売られている。これらの売りは3月決算を睨んで銀行主体にリスクを減らしているためともみられている。今年度決算においては特に株式市場の上昇により銀行の決算もかなりの含み益があるとみられ、利益確定のための株式の売りとともに、債券も決算を固める上でもさらにポジションを落とすなり、スワップ市場などを使ってリスクヘッジをしているものとみられる。
欧米の利上げとともに日銀も量的緩和解除が視野に入ってきたことで、世界的な過剰流動性相場の後退も意識され、それにともなう海外投資家の動きも活発化している。
市場では量的緩和解除のタイミングについてもまだ見解は分かれているが、3月から4月にかけての解除はほぼ織り込み済みともみられる。問題はその後の利上げのタイミングかともみられる。水野日銀審議委員は「ターム物金利に上昇圧力がかかり、早期利上げを催促する展開も想定される」と寄稿論文でコメントしているようだが、そもそもゼロ金利の長期化を前提にした量的緩和解除についても疑問を投げかけている。
これに関して興味深いことがある。昨年の日銀総裁の記者会見の要旨を見ると、
「実質的にゼロ金利、名目的にもゼロ金利になった時点以降に、どのような金利水準に誘導するかはその時の情勢次第である。」2005.10.12
「枠組み変更後、極めて低い短期金利の水準を経て」2005.10.31
言葉尻を捉えるようなことになってしまうが、枠組み変更後の金利についてわずかの期間の間に微妙に言葉を変えており「ゼロ金利」ではなく「極めて低い短期金利」との表現に変化している。これ以降は「極めて低い短期金利」との表現を用いている。
これは「ゼロ金利政策」という表現上、短期金利は「ゼロ」とのイメージを抱いてしまうが、現実には0.001%といったように金利はわずかながらもついているため、現実にはゼロ金利ではないことを示したと見られていた。
それとともに水野審議委員のコメントにもあるように、経済環境次第によってはターム物などに金利上昇圧力が加わり、金利が上昇することも加味した上での「極めて低い短期金利」との表現にしていた可能性もある。
ところが面白いことに武藤副総裁は下記のようにいまだにゼロ金利との表現を使っている。
「量的緩和政策解除後、ゼロ金利がどのくらい続くのか、あるいはどのくらいの時点で、経済物価情勢に見合ったということで金利が引き上げられていくのかということについては・・・」2006.2.2
この福井総裁と武藤副総裁の言い回しの微妙な違いといったことは、それぞれの立場といったものを意識したものかもしれない。特に武藤副総裁は政府などを含めてのバランサーとしての役割も担っているともみられ、引き続き「ゼロ金利」との表現を使うことによって日銀に対しての風当たりを弱めることを狙っている可能性もある。
もしくは総裁と2人の副総裁で構成される執行部内での微妙な考え方の違いがここに表されているのかもしれない。このような細かい点は、それほど意識すべきものではないかもしれないが、個人的には気になるところでもある。
以前に福井日銀総裁が記者会見において、量的緩和解除後のあらたな目標とする「道しるべ」について「楽しみにして頂きたい」という発言があったが、それに関して2月2日の記者会見において武藤副総裁は、「楽しみにして頂きたい、という総裁の言葉は、直接伺っていないし、私自身としては、特段思いあたる節がない」とあっさりと受け流している。
政府関係者などからインフレターゲットの採用を強く求めるコメントもあったことで、この「楽しみな内容」とはそれに近いものかといった観測があったが、武藤副総裁の次のようなコメントをしていることからみても、その可能性はほとんどないことがわかる。 「一言でインフレーション・ターゲティングといっても、かなり幅のあるものだと私は理解している。政策運営の柔軟性をどのように確保していくのか、金融政策が目指すべき物価上昇率が何%かということは、なかなか明確に決め難いなど、現時点ではまだ検討すべき課題が数多くある。」
これは武藤副総裁の個人的な意見というよりは執行部としての意見に近いものと推測される。そして具体的な「道しるべ」について武藤副総裁は、「よく言われるフォワード・ルッキング・ランゲージといった言葉・文章の方法が良いのか、なんらかの数値的なものがあり得るのかという点については、これからの検討課題」としている。これはインフレ目標やインフレターゲットといった具体的な数値目標というよりも、ある程度、日銀の裁量余地のある「道しるべ」が採用される可能性が高いことを示しているとみられる。 それでは、この「道しるべ」はどのタイミングで発表されるのであろうか。日銀はすでに大手銀行などに対しても量的緩和解除に向けて準備を進めるように促しているが、市場ではそのタイミングを4月28日に置いている。
その前の3月や4月はじめの決定会合での解除の可能性もなくはないが、慌てることはなく、展望レポートの内容などにより条件を満たしたことを示した上で、4月28日に解除をするのが妥当であろう。
量的緩和解除は、まずその解除を宣言し、その後日銀の当座預金残高の引き下げを徐々に実施してくると見られるが、次の「利上げ」というステップにいたる上での何がしかの条件を示してくるかもしれない。それが道しるべとして認識されるものとみられるが、グリーンスパン前FRB議長流に文脈の中での「慎重なペースで利上げを実施」といったものではないかとの見方もある。こういったものに何かしら福井流に味付けされたものになるとも想像されるのだが。
年金と郵貯、簡保の資産は合計で490兆円にものぼる。この資金が少しでもリスクを許容できる資産に向かうことで日本が活性化するという趣旨の「年金・郵政マネーが日本を救う」が今月23日に金融財政事情研究会から発売される。
この本は4人の共著となっているが、その中のお一人が以前に財務省理財局の国債課長補佐をされていた野尻明裕氏であり、出来立ての本をご送付いただいた。ありがとうございました。
個人の資金が今、唸りを立てて動きつつある。その要因としては、銀行のペイオフ解禁に加えて、郵政の民営化や年金改革といったものも挙げられよう。個人も資産をリスク覚悟で運用しなければならない時代になっており、その一部が株式市場に入っただけでも大騒ぎになっているぐらいである。
しかし、リスクフリーに近かった預貯金資金が、いきなりリスクの高い株式市場にダイレクトに向かうというのも考えづらい。そういったものは一部に限られ、その前にリスクといったものを学習する上でも、株よりも総じてリスクが低い債券といったものにまずは向かうと思われる。
その受け皿としてはまず個人向け国債や、グローバル・ソブリン・オープンといった債券主体の投資信託が機能している。しかし、さらにCPや社債へと向かう可能性がある。そうなれば企業の資金調達の裾野が広がり、日本経済活性化に生かすことも可能となる。そのため、この本はまずその市場を整備する必要も説いている。
それほど厚くなく図表なども多く読みやすい。ご関心のある方はぜひ書店で確認していただければと思う。
債券は現物中期ゾーン主体に売りが入り、海外投資家による先物売りなどもあり急落の展開となった。4月28日における日銀の量的緩和解除がコンセンサスのはずであるが、1月の全国CPIのプラス幅の拡大観測もあってか3月9日にも解除の可能性を指摘する声もある。5年国債入札日が10日になっていることも憶測を呼んでいたようだが、これはむしろ無用の混乱を招くことを恐れてのものであるとみられ、政策変更を前提としたものではありえない。
昨日の引けあとに、10年276回で1.570%近辺あたりが実勢のはずのところなぜか1.600%が叩かれてしまった。どうやら発注ミスのようであったが、取り消しはできずそのまま値はついてしまった。こういったミスがその後の相場を暗示していることがよくある。今回もその可能性があるのかとみていたが、今日その10年276回は前場の段階で1.595%までヒットされてしまい現実化した。偶然かもしれないが、自分のディーラー経験からもこういったことは意外と起こりうる。
今回の下落はやっとここにきて日銀の政策変更を意識したものとの見方も強い。特に海外投資家などは米有力レポートが最近になって日銀の量的緩和解除を書きたてているといわれ、それに反応してきたとも言えるのかもしれない。債券は国債主体に需給環境が良いため、生保や年金などは積極的に売りを入れてくることも考えづらく、売り崩されるとなればこういった海外投資家の動きが主体となる。
もちろん量的緩和解除となれば敏感に反応しやすいのは銀行であるが、すでに中期主体にある程度残高を落としている。ここにきて先物チャートなど見ても売りが入りやすい地合いともなってきたことで、さらに残高を調整するような動きも出てきた可能性もある。
3日の「若き知」にて「5年債は11月につけた0.975%、また2年債も11月の0.335%に接近している。ちなみに10年債も11月につけた1.615%を近々抜いてきてもおかしくはない。」と指摘したが、本日、5年52回は一時0.980%がヒットされ11月7日の0.975%を抜き2004年6月以来の0.980%をつけてきた。2年は本日の前場段階で0.330%まで売られており、10年276回も昨日ミスで1.600%はつけたものの本日は実勢取引で1.595%が打たれている。
2年や10年も11月につけた利回り水準を上回ってくるのも時間の問題ともみられ、今度は5年の1%が意識されてくると思われる。
米財務省は2001年10月に30年債の発行を停して以来、約4年ぶりに30年国債の発行を再開する。まず2月9日に140億ドル規模の発行が予定されている。その後は半年ごとに、年間200億から300億ドル程度発行される予定である。
米30年国債は1977年から定期的に発行されていたが、米国財政の黒字化にともない発行コストが最も高かった30年債の発行を2001年10月に取りやめた。しかし、ブッシュ政権に変り、テロやイラク戦争などによってわずか4年で財政収支は黒字から一転し最大の赤字へ転じてしまったのである。さらに世界的に長期金利は歴史的な低水準にもあることから30年債の発行コストが4年前に比べて格段と低くなっていることも、発行再開の要因のひとつとして指摘されている。
加えて30年債に対しての投資家ニーズもたいへん強いものがある。欧米などでの年金制度の改正の中、運用機関にマッチするような長い期間の国債が乏しかった。このためもあり、より長い期間で、しかも最も安全とされる米国債としての30年債の発行が望まれていたのである。加えて年金ばかりでなく、30年債のストリップ化したものを中心にしての生保によるニーズの高さなども指摘されている。
このようなことを反映してか、米30年国債は発行前からすでに人気化しており、発行前取引であるWI取引での需要は非常に強いものとなっている。すでにその利回りは、先日利上げが実施されたフェデラルファンド金利とほぼ一致しており、短期債利回りの水準ともなったのである。これは一部投資家のニーズを先読みしての動きともみられている。
これを受けて6日の日本の債券市場においても30年国債が大きく買われたのである。欧州での急激なフラットニングに加えて、今回の米国30年債の発行にともなっての米国市場での急激なフラットニングによって、日本でも同様の動きが強まったものとみられる。ここには日銀による量的緩和解除観測の強まりなども影響しているものと思われる。
むかしは米国債のベンチマークといえば、この30年国債であったが、発行量の減少に伴ってそれが2000年あたりから指標銘柄として30年債から10年債に変ってきており、米国でも日本と同様に10年国債がベンチマークとなって現在に至っているが、30年債の発行再開によって、今後は米国債券市場でも10年債とともに30年債の動きがこれまで以上に注目されるものとみられる。
最近の個人のデイトレーダーは自宅に引きこもってトレードしていると思われるため、売り買いしている様子はわからないが、金融機関でのデイトレーダーは器物破産常習者がたいへん多かった。結論から言えば物にあたるようなディーラーは相場には当たらず外しているケースが多かったようにも思う。気が荒いディーラーは冷静に相場の判断ができないため、そういう習性を持っている方は相場から足を洗ったほうがいい。相場に勝ち負けがあるのは当然であり、負けたからといって八つ当たりしても一文の得にならない。いかにも自分の相場観が悪いのではなく「相場」が悪かったように当り散らすことで、金融機関のディーラーの場合は実はパフォーマンスであったのかもしれない。そうなれば個人のデイトレーダーの場合にそういったパフォーマンスは必要ないか。
私の経験から言えば、ポジションを持つとどうしてもそのポジションに都合の良い情報に対する感度が上がる反面、都合の悪い情報の感度が低下してしまう。相場は入るにはたやすく、出ることが難しい。特に損切りのタイミングといったものが難しいことは経験したものでなければわからない。これは相場だけではなく、新規事業といったことにも言えるのではあるまいか。結果としてうまい損切りといったものの感覚は、ある程度経験で得られる反面、天性の勘といったものにも大きく依存していることも確かである。
債券先物は今年に入ってから、一時137円50銭近辺から138円近辺のレンジ内で推移していた。しかし、1月26日あたり境に下落トレンドとなり、その後137円をも割り込んでいる。これはライブドアショック後の日経平均の反発といったものも影響していたかもしれないが、最近は債券と株価との連動性がむしろ失われていたこともあり、急に連動するといったことも考えづらい。円安や米国債の利回りが上昇基調になってきたことも影響していたかもしれないが、これも主たる材料とも思われない。
5年債の利回りがあっさりと0.9%台に、2年債の利回りが0.3%台に乗せてきたことに注意したい。5年債は11月につけた0.975%、また2年債も11月の0.335%に接近している。ちなみに10年債も11月につけた1.615%を近々抜いてきてもおかしくはない。
ここにきての中期ゾーンも含めた利回りの上昇には、日銀の金融政策への思惑といったものが大きく影響していると思われる。27日発表された12月の全国消費者物価指数は前年同月比+0.1%となり、2か月連続でプラスとなった。同時に発表された1月の東京都区部消費者物価指数も前年同月比+0.1%と1998年以来8年ぶりのプラスとなった。この東京都区部の数値などからも、3月3日に発表される1月の全国消費者物価指数は予想以上にプラス幅を拡大してくることも予想されている。
しかし、これら物価動向は日銀のシナリオに沿ったものとなっており、景気動向については日銀の想定よりはややしっかりしている。31日発表された12月の有効求人倍率は1.00倍と1992年9月以来の高水準となっていたように雇用も改善傾向がはっきりしている。
今年度末あたりでの量的緩和解除の可能性は、ここにきてさらに強まってきていると見ざるを得ない。日経新聞などが報じたところによると、日銀は金融機関に対して短期市場部門における資金取引体制の整備を促すようなヒアリングなども実施していると見られている。
量的緩和が解除できる状況となっていることは、利上げ環境が整いつつあるということとも言える。今後急激にインフレ圧力が強まる恐れはないものの、デフレ脱却も意識されており、いつまでも極めて低い金利が維持されるとなれば実質金利のマイナスが続くことも指摘されている。景気や物価動向が現在のトレンドを維持している限り、あまり長期に渡ってのゼロ近辺の金利維持も、むしろ難しいと見られる。このため、私自身は昨年来同じコメントとなってしまうが、やはり今年秋口あたりに0.25%程度の利上げの可能性は高いものとみており、マーケットもそれをかなり意識し始めているとも見られるのである
地方都市の駅周辺の商店街が寂れつつあり、それを「シャッター街」と称する人もいる。「シャッター街」を持ってして景気は回復していないと評する評論家なども多い。都心に住み、それなりの高い生活水準を保ち、テレビ出演などの際の移動手段も主に運転手付自家用車もしくはタクシーがメインという方々にとって「講演」とかで地方に行かれ、空いた時間でその駅周辺を歩いて愕然とする。これは景気悪化によるものに違いないと思い込むとしてもいたしかたない。
また政治家にとって昔栄えた都市が元々の地盤という方も多いと思われ、地元有力有権者に頼まれて駅周辺のシャッター街をなんとかしてくれという苦情も多いのかもしれない。
そういった声が通ってしまったのか、政府・与党は郊外型大規模店の出店を規制するそうである。これは完全に時代の流れを読み間違えているとしか思えない。
今更ドーナツ化現象など持ち出さなくても、特に「郊外」に住むものにとって、買い物スタイルは四半世紀前あたりに比べて激変している。
私も子供の頃は母親に連れられて良く近くの駅の商店街に出かけた記憶がある。金沢文庫駅前の「すずらん通り」での買い物が多く、京浜急行踏み切り近くの肉屋や八百屋で買いものをしていたことを覚えている。肉屋で買ってもらったコロッケがめちゃくちゃ美味かった。
今、都心から離れた郊外に生活しているものにとって、買い物に行くにもクルマを利用する。駐車場のあるコンビニなりスーパーで買い物をするのが日常茶飯事となっており、駅前商的街などに時間をかけてまでバスなどを使ってわざわざ買い物に行くというのも少なくなっている。
駅は人の集まるターミナルとして栄えてはいたが現在はあくまで乗り降りに使っているに過ぎない。駅ビルなど一部の商業施設は健在かもしれないが、駅から数分離れたところまで歩いて買い物に行くには何かしら目的などなければ行かない。
クルマで郊外型ショッピングセンターに出かけたほうが必要なものがより安く新鮮なものが手に入り、選択肢も豊富である。つまりクルマ社会にあって景気の良し悪しにかかわらず近郊都市のシャッター街化はどうしても避けられないのである。
もし仮にシャッター街化が、景気が悪化していることが主因ならば、コンビニやスーパー、家電量販店のシャッターも同様に閉まっていなければならないはずである。それはむしろ増えるばかりである。しかも規模もどんどん大きくなっている。
だからこそ郊外型大規模店の出店規制なのかもしれないが、それは郊外に住むものにとっては利便性が欠ける上に、安く種類豊富なものが選択できるチャンスも軽減させてしまう。既存駅近くに仮に大規模ショッピングセンターを作られても、昔の町並みであるため行き着くまでに道は狭いし、駐車場も少ないなど不便極まりない。
そうはいっても昔の商店街もなんとかしなければならないということも事実であり、時代の流れだからといって見過ごすわけにも行かない。私の通った高校がある土浦市などもその典型的なものでもあり、その衰退を見ていても何かしら協力したいとも思っている。
しかし、それに必要なのは「店」や「金」や「規制」ではなく「知恵」である。柏駅などもひとつの良い例と思うが、若者が集まりやすい街づくりといったものもひとつの手段でもあろう。ただし健全な若者ではない若者が集まってしまうと逆効果ともなる。それぞれの都市に応じた何かしらの利点なるものを見つけて、商店街もこれまでの販売形態を大きく変えて、あらたなニーズの掘り起こしを探っていかなければならない。
とりとめもなくなってしまったが、とにかく「シャッター街」を見て景気悪化と結論づけるべきものではなく、それは景気とは異なった次元で見なければならない問題なのである。
1月27日に発表された12月の全国消費者物価指数(除く生鮮食品)は前年同月比+0.1%となり、2か月連続でのプラスとなった。また1月の東京都区部の消費者物価指数(除く生鮮食品)は前年比+0.1%となり1998年以来8年ぶりのプラスとなった。
東京都区部のプラスもあり、3月3日に発表される全国1月分については、固定通信費や電力料金などマイナス要因の剥落によって前年比+0.4%程度の上昇率が予想されている。参考値として発表されている新コアCPI(酒類を除く食料、及び、エネルギー価格を控除した総合指数)も前年比+0.1%とプラスに転じている。
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