「若き知」
「過去データは一番下に移行しました」


2006.6.30「金融教育」

早稲田大学はメリルリンチ日本証券などと共同で小・中学生を対象にした金融セミナーを夏休みの期間中開くそうである。同様の子供や学生向けセミナーなどもあちらこちらで開催されている。「貯蓄から投資へ」の流れにあって、適切な金融リスクの把握を子供の頃から身につけることは、たいへん重要な事である。私も「中学生のための個人向け国債の賢い買い方」というのをホームページにアップしたが、中途半端になってしまっているため、いずれなんとか完成させたいとも思っている。

拙著「投資信託と個人向け国債がよ〜くわかる本(秀和システム)を執筆しながら感じたことは、個人がいきなり株式といったリスクの高いものに投資して怪我をする前に、個人向け国債とか投資信託などを購入することで、少しずつでも投資のリスクというものをまず理解してほしい、ということであった。いきなり怪我をしてしまえば、投資のリスクというものは恐いものでしかなくなってしまう。本当はしっかりそれを認識して、果敢に立ち向かっていくべきものがリスクなのである。そのリスクをうまくコントロールして、期待通りの利益が出た際の喜びといったものも投資ならではのものでもある。

福井総裁の村上ファンドにしても、その購入や解約の経緯といったものはさておき、その儲け過ぎに対しての部分の非難というものは適切なものではない。この事実をもってしてもまだまだ投資教育といったものは浸透していないのかもしれない。子供だけでなく大人も含めて、しっかり投資のことを学んでいかなければ、大事なお金をうまく運用することはできなくなってしまう。ぜひそのためにも「投資信託と個人向け国債がよ〜くわかる本」を読んでいただければと、結局、宣伝になってしまったような気もするが、よろしくお願いいたします。


2006.6.29「秋葉原とポップカルチャー」

帰宅途中の乗換駅でもある秋葉原には良く散策することがあるが、ここにきて駅前の状況が様変わりしてきたように思われる。以前は平日の夕方にはJR秋葉原駅の電気街出口近辺にはメイドの格好をしたお姉さんが一人か二人いたが、最近では10人近く見受けられるとともに、そのお姉さん達の回りには海外からの旅行客とみられる集団があちらこちらにいるのである。もちろんその中には、メイドの格好のお姉さんと記念写真を撮っている姿も見受けられる。日本人の女性は、以前の着物から打って変わって常にあのような姿をしていると国に帰って広めてほしくはない気がする。

さらに電気街を歩いていても海外観光客を多く目にするようになった。以前は中国や韓国などからの観光客が多かったが、最近はいろいろな国から来ているようである。6月は欧米では卒業シーズンということもあり学生達が旅行に来ているのか、さながら夜の六本木かと見間違うぐらいの様相である。

ネットなどで調べてみると、どうやら秋葉原の商店を中心に組織されている秋葉原西口商店街振興組合は、国際観光振興機構(JNTO)、ビジットジャパン実施本部と協力して香港からの観光客に秋葉原を紹介するツアーを始めたとか。この記事によればこのツアーは、免税店の社員とボランティアが案内を行ない、主にフィギア専門店やガチャポン会館など秋葉原のポップカルチャーな部分を案内するそうである。

薄型テレビや電気部品とかではなく、さらにパソコンでもない「フィギアやガチャポン」というのが、今の秋葉原の様相を示している。さらに国土交通省が日本への海外旅行客増加を目指したキャンペーンでもある「ビジットジャパン」も伝統的な日本文化だけでなく、日本観光におけるこれらポップカルチャーの魅力を利用した海外への宣伝にも熱心であるとか。

オタクやアニメといった一部マニアに愛されていたものとして軽蔑のまなざしでみられていたようなものが、ひとつの日本の文化として海外から注目を浴びてきている。それがポップカルチャーと名前を変えられるといかにも文化的色彩が濃くなるが、オタクはオタクである。批判的にみる人も多いであろうが、私はこういった動きに対しては好意的にみている。

私が物心ついたときにはアトムや鉄人といったテレビアニメが放映されており、小学生のころからマンガ雑誌を読んで育ち、欧米のSFテレビドラマに夢中になり、その後のスターウォーズなどSF映画を夢中で観た世代である。大学時代にはすでにPC8001という自分専用のパソコンも保有していた。まさにオタクのプロトタイプのようなものである。

このようにまさに日本のポップカルチャーの隆盛とともに時代を過ごしてきたことで、私の同世代あたりから若い世代にかけて、こういったコンテンツが融合されてマニアックなものに進化してきたことで、ひとつの文化を形成してきた。もちろんそういった子供だましとも見えるものを文化と称することに抵抗を感じる人も多いであろうが、海外でも共感する人達が多いことで、日本のひとつの産業として大きな役割も期待されるものとなっている。

日本のポップカルチャーが日本観光の大きな魅力のひとつになりつつりも、秋葉原がその中心地となっているものと思われる。日本のポップカルチャーを中心とした観光を売り出す動きが官民で進められているそうであるが、その結果が最近の秋葉原駅周辺の状況に現れているのであろうか。


2006.6.28「中国の貯蓄型国債」

チャイナネットによると、中国銀行は中国初の「貯蓄型国債(電子記帳式国債)」を7月1日から発売するそうである。「貯蓄型国債は、財政部が国内の中国公民向けに公開発行し、電子記帳方式で債権を登録する非流通人民元建て債券である」そうで、中国版の個人向け国債と言える。

貯蓄型国債は国債ということで、日本の個人向け国債と同様に高い信頼性、高い安全性、現金化しやすく、購入しやすいなどの利点があるとともに、日本の個人向け国債でも検討されながら実現されなかった利息の所得税免除などもあるようである。

さらに中国銀行は2008年北京オリンピックの協賛銀行でもあり、貯蓄型国債に関する取引を行う顧客のために、北京五輪のロゴおよび北京五輪マスコットがプリントされた貯蓄型国債代理保管通帳も用意しているとか。そういえば日本の個人向け国債の発行に関しても購入者が当時の人気キャラクターの塩爺を用いた景品を用意しようかといった観測もまことしやかに流れたような気もしていたが・・・それは残念ながら実現しなかった?。


2006.6.27「政府・与党の歳出削減案」

政府・与党は26日に、国と地方の財政を健全化する歳出・歳入一体改革の柱として、今後5年にわたる歳出削減案を決定した。2011年度までにプライマリーバランスを黒字化するため、11兆4000億から14兆3000億円の歳出削減を実施する見込みである。約3兆円の幅を持たせたのは、景気の変動に対応できるようにしておくためとの説明だとか。

プライマリーバランスの黒字化に必要なのは16兆5000億円程度と試算されており、そのうちの7割以上を歳出削減で賄い、残りの2兆から5兆円は増税などで穴埋めする見込みとなっている。

財務省ではなく政府・与党主導でまとめられたこの歳出削減案は来年度予算編成のための概算要求基準、いわゆるシーリングの土台となる見通しということで、これはある意味画期的なものでもある。

財務省が発表した2006年3月末現在の「国債及び借入金現在高」によると内国債の残高は670兆5,794億円となり、これに借入金などを加えた合計は827兆4,805億円にも上る。まずは増税よりも歳出削減ありき、というこの党の姿勢はまずは評価すべきところではある。


2006.6.26「日銀のオペ」

日銀のオペのうち、資金供給手段としては、まず国債の買い入れがある。市中の金融機関や証券会社などが保有している中長期国債を日銀が買い入れる。

1999年10月からは、短期国債と呼ばれる短い期間の国債(政府短期証券を含む)を買い入れるオペも開始されている。

オペの対象先から売戻し条件付き(現先方式)で短期国債(FBも含む)を購入するのが短期国債買現先オペ。

以前は手形買入オペと呼ばれた共通担保オペも重要な資金供給手段である。この名称の変更は手形のペーパーレス化に伴うものであり、本日から実施された。

日銀がCPを売り戻し条件付で買い入れるCP現先オペも実施されてる。

レポオペと呼ばれる現金担保付債券貸借取引を利用した資金供給オペも。

資金吸収手段としては、手形の売出オペ、短期国債の売り現先オペ、公定歩合を利用したロンバート型貸出(補完貸付制度)などがある。また、現在は実施されてはいませんが、国債の売りオペといった手段もあります。金融調節機能や機動力を高めるために、これらオペの対象も広がってきている。


2006.6.23「2005年度の新規国債3兆円減額」

昨日の新聞報道などによると、国の2005年度一般会計決算において、税収が当初予算より5兆円以上増える見込みになったことにより、新規国債発行額が当初計画より約3兆円程度減り31兆円台に減額される見通しとなったようである。入札ペースが変らずに当初の発行計画通りとなれば、これはそのまま借換債の前倒しの増加分となる。

税収増、国債減額とも事前に想定された数値に近く、相場への直接的な影響は限られよう。しかし、これによって今後、年度の国債発行額が前年度よりも減少していくことが予想され、国債の需給面における懸念がさらに後退していくことになる。


2006.6.23「与謝野担当相、数か月のうちにゼロ金利解除」

米WSJ紙とのインタビューにおいて、与謝野経済財政金融担当相が「日銀は数ヶ月のうちにゼロ金利政策を解除するだろう」と発言したと伝えられた。今回、村上ファンド問題で福井日銀総裁を擁護したかたちの政府だが、これで貸しを作ったので早期のゼロ金利解除は難しくなるとの見方もあったようである。しかし、むしろ政府は首相退陣前のデフレ脱却宣言のタイミングをうかがっているともみられ、与謝野氏の発言からもデフレ脱却の象徴的なものともなる日銀のゼロ金利解除については容認する姿勢ともみられる。これによっても、7月のゼロ金利解除の可能性は何かしらの特殊要因など無い限りはかなり高いものといえよう。


2006.6.22「福井総裁は辞任すべきか」

福井日銀総裁が村上ファンドへ投資したこと自体には問題はなかったと思う。むしろ金融関係者など中心に「物言う株主」を目指した村上氏の行動に共感を覚えたものも多かったのではなかろうか。ただし、巨額資金をある程度自由に動かして相場を張る者に対しては、あとで手痛いしっぺ返しが待っていることを、これまでの経験で何度となく見て来た。そのため村上氏の行動に対して、結果論ではなく当時からやや批判的にみていた一人である。しかし、その行動が旧態依然としていた壁を打ち破るひとつの方法となるであろうことも認識していた。

こういった私の認識などはさておき、以前にも指摘したように今回、福井総裁の行為において問題視されるのは、村上ファンドに拠出して儲かったことではないはずである。投資というものは資金がゼロになることもある。私もベンチャー企業に参加してその株を購入する際に、これは資金がなくなってもいたしかたないものと思って購入していた。もちろんその際に株主として協力していた方々にも本当に感謝している。

結果として別の会社との統合合併ということを経ながらも、上場してそれなりの利益を得たということも事実である。しかし、状況次第では株が紙くずになったとしてもおかしくはない。これが投資なのである。こういうことをもって「庶民感覚と異なる」と簡単に指摘してほしくはない。

貯蓄から投資への資金の流れは、国や企業という大きなセーフティーネットが、巨額債務や不良債権処理、デフレ、景気の悪化等受けて崩壊してしまった以上は、戻すことはできない。このため庶民のお金も預貯金から投資への向かっていることもご承知のとおり。

そういった中にあって投資によって7年あまりで資金が倍以上となったことを「庶民感覚」として納得できないとの論調には、それこそ納得できない。

今回の問題となるところは、まず、何故、日銀のプリンスとも呼ばれ日銀法改正にも力を注いでいた福井氏が日銀総裁になる際に、ファンドを解約するなり保有株を信託するなりの行動を取らなかったのかというところであろう。福井総裁も、日銀の内規には違反していないが、より慎重に判断していれば、異なる結論が出ていたとも発言したと伝えられているように、この点は本来慎重に判断すべきものであったことは確かである。

さらに持ち株は凍結したと発言しながらも、ファンドを途中で売却手続きを取ってしまったことも矛盾があり、指摘されてしかるべきものであろう。総裁就任時に解約しなかったのならば、事件性に発展する懸念が出ていても、それを保有し続けるべきではなかったか。

しかし、これらのことで日銀総裁としての規律を問題視すべきなのであろうか。決して褒められることではなかったにしろ、ルールを逸脱したわけではない。日本ではこれまでも株をやっているというだけで白い目で見られた時期もあり、株式投資は金持ちの道楽、もしくはギャンブルといったイメージが色濃く残っている。マスコミもそういった点を強調しているものも多くみられる。世論調査もその結果であろう。これをもって福井氏に日銀総裁としての資質がない、辞めるべきというのも筋違いであろう。


2006.6.21「7月ゼロ金利解除の可能性が再び高まる(レポート原稿)」

20日に日銀の福井総裁は日本記者クラブで講演した。福井総裁の村上ファンドでの運用益は1231万円、元利で2.2倍といった報道もあったが、講演の内容は市場に燻っていた辞任観測を払拭するとともに、今回の件で首相官邸に借りを作ったといったような観測も否定し、むしろゼロ金利解除に向けて姿勢を強めるような内容ともなった。

講演での福井総裁の発言内容と日銀のホームページにアップされた要旨を見ると、元原稿とみられる要旨には書かれていない表現がいくつかあった。

この講演内容をロイターやQUICKなどのフラッシュから拾ってみると、まず注目すべきは「金融政策の判断、早めに小刻みにゆっくりと」との発言である。この「早めに」との表現は要旨には表記されていなかった。

6月1日のブルームバーグによる福井日銀総裁との単独インタビュー記事の中で「われわれの最初のステップが早ければ、2回目以降の判断にはむしろ幅が出てくると考えるのが普通だ。特に、ゼロ金利からスタートして、ゆっくり金利を上げていく」の中のファーストステップが何を指すのかと見方が分かれていた。今回の発言により、これはゼロ金利解除を指していることが確認されたと思われる。

次に注目されたのが「日銀の政策決定プロセス、政治の動きに左右されることはない」との発言かとみられる。安倍官房長官などがゼロ金利を続けてほしいとの発言を繰り返していたことで、福井総裁を結果として擁護した政府の意向により、ゼロ金利の早期解除は難しくなるとの見方もあった。しかし、総裁は政治の動きに左右されることはないとの表現で、経済・物価情勢を睨んで日銀の判断においてゼロ金利解除を行うことを明確にしたものとみられる。安倍官房長官もこの総裁の発言のあと「ゼロ金利求めるが日銀としての貸し借りは無い」(QUICK)とのコメントをしていた。

そして「日米欧中銀の方向性が転換、市場のリスクテイクが慎重になるのは当然」とのコメントは、すでに日銀が方向転換していることを明確化している。量的緩和解除は大きな方向転換であったのである。ただし向きを変えただけであったことも確かである。向きを変えてからのさらなる一歩こそはゼロ金利の解除であることを、この発言からは意識される。

「当預算削減はほぼ終息した段階迎えた」との発言もあったが、これはこれまでに何度かあったが、ゼロ金利解除に向けての準備は終了し、あとは実行するタイミングを待つだけともみられ、それは市場がこれまで予想していた7月である可能性がここにきて再び強まったと思われる。


2006.6.20「7月ゼロ金利解除の可能性が再び高まる」

本日、日銀の福井総裁は日本記者クラブで講演した。村上ファンドでの運用益は1231万円、元利で2.2倍といった報道もあったが、講演の内容は市場に燻っていた辞任観測を払拭するとともに、今回の件で首相官邸に借りを作ったといったような観測も否定し、むしろゼロ金利解除に向けて姿勢を強めるような内容ともなった。

講演内容を情報ベンダーのフラッシュから拾ってみると、まず注目すべきは「金融政策の判断、早めに小刻みにゆっくりと」との発言である。6月1日のブルームバーグによる福井日銀総裁との単独インタビュー記事の中で「われわれの最初のステップが早ければ、2回目以降の判断にはむしろ幅が出てくると考えるのが普通だ。特に、ゼロ金利からスタートして、ゆっくり金利を上げていく」の中のファーストステップが何を指すのかと見方が分かれていた。今回の発言により、これはゼロ金利解除を指している可能性が高いとみられる。

次に市場関係者が注目していたのは「日銀の政策決定プロセス、政治の動きに左右されることはない」との発言かとみられる。安倍官房長官がゼロ金利を続けてほしいとの発言を繰り返していたことで、福井総裁を結果として擁護したかたちとなる政府の意向によりゼロ金利の早期解除は難しくなるとの見方もあった。しかし、現時点で気にすべきは官房長官ではなく首相の意向ではないかとみられる。量的緩和解除と同様に、日銀が仮にゼロ金利解除に動く際には首相官邸からは反対の姿勢は見られないと考えられる。これは政府によるデフレ脱却宣言とも微妙に関係している可能性もある。上記はあくまで私自身の憶測が入っていることも念のため付け加えておく。、

「一時的に金融緩和して長期金利下げても、やがてインフレ懸念で上昇する」との発言の真意についてはわからない。ゼロ金利解除後に一時的な緩和があることを仮定してのものなのであろうか。

そして「日米欧中銀の方向性が転換、市場のリスクテイクが慎重になるのは当然」とのコメントは、すでに日銀が方向転換していることを明確化している。量的緩和解除は「回れ右」をしただけであるものの、向きは変ったことが重要であり、さらなる一歩こそはゼロ金利の解除であることをこの発言からはくみとれる。

「当預算削減はほぼ終息した段階迎えた」との発言はこれまでにもあったが、これで準備は整った。あとは実行するタイミングを待つだけともみられ、それは市場がこれまで予想していた7月である可能性がここにきて再び強まったと思われる。


2006.6.20「5月の公社債売買状況」

日本証券業協会から2006年5月の公社債売買状況が発表された。短期証券を除いた公社債の売買高は全体で1兆0374億円の買い越しとなった。外国人投資家が2兆7577億円もの買い越し、信託銀行は1兆0652億円の買い越しとなっている反面、都銀は1兆3060億円の売り越しとなった。

(単位、億円、マイナス表記が買い越し) 都銀 13060、地銀 -906、信託 -10652、農林系 -3839、第二地銀 -327 信金 -732、その他金融 -2118、生損保 1434、投信 -1334、官公庁共済 -1760、事業法人 -2073、その他法人 -3197、外国人 -27577、個人 -782、その他 32112、債券ディーラー -1683


2006.6.19「世界の通貨」

ワールドカップも開催されていることもあり、今回はやや趣向を変えて、世界の通貨をその由来とともに見て行きたい。まずは日本の通貨単位である円から。

「円」は明治政府により1871年に定められた。名前の由来としては、新貨のかたちが円形に統一されたためとか、洋銀の中国別称である「洋円」を継承したため、または香港銀貨と同品位、同重量の銀貨を製造することとした関係から香港銀貨の「壱圓」(洋円1個の意味)にちなむといった仮説があるとか。人々がお金を表すときに人差し指と親指で円を作ったところから、この名がついたという説もある。

なお、中国の通貨単位である「元」は「円」の正字「圓」の同音を当てたものであり、韓国・北朝鮮の「ウォン」も「円」の朝鮮語読みとなっている。

アメリカ合衆国の通貨は「ドル」。ドル(ダラー)という名前は、ドイツで使われた歴史的通貨のターラー (Thaler) から来ていると言われている。

オーストリア、ベルギー、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシア、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ポルトガル、スペインの欧州連合25カ国中12カ国が公式に採用している単一通貨は「ユーロ」。この由来は・・・そのままか。

せっかくですから、歴史のあるフランスやドイツなどで使われていた以前の通貨の由来を見てみたい。フランスの「フラン」の語源は、フランスのジャン II 世によって1360年に発行された金貨に、「フランスの王」と記されていたことに由来するといわれている。、ドイツの「マルク」の語源は、イギリスと同様に重量の単位に由来する。イタリアの「リラ」の語源は古代ローマ帝国での「計り」を意味した「リブラ」。ギリシアでユーロが導入される前に使われていたのはドラクマ。ドラクマは古代ギリシアおよびヘレニズム世界で広く用いられた通貨の単位でもあり「つかむ」という言葉に由来し、手のひらいっぱいの量の金属魂を意味したものだとか。

英国の通貨は「UKポンド」もしくはスターリングポンド。こちらの由来は古代ローマ帝国の重量単位の「ポンドゥス」に由来しているそうである。

7月にサミットが開かれるロシアの通貨は「ルーブル」。こちらは14世紀後半にロシアで鋳込んだ銀の重量を表す単位として「グリブナ」、または「ルーブル」が使用されたことに由来するといわれる。

インドの通貨は「ルピー」。これはサンスクリット語で金属製といった意味がある「rupaya」に由来するものだとか。

そしてワールドカップ予選の次の日本の相手でもあり、優勝候補のブラジルの現在の通貨は「レアル」。以前はポルトガルと同じ通貨単位レイスが使われていたが、1942年にクルゼイロに単位が変更され、さらに1994年にインフレ抑制のためレアルプランが開始され、この時、新通貨「レアル」が作られたのである。


2006.6.16「テレビ出演予定」

夏の個人向け国債の募集が開始されているが、この個人向け国債に関して、NHK総合テレビのディレクターから、ある番組への出演依頼を受けた。もちろん喜んでお受けした。まだ先の話ではあるが、朝の番組に生で出演させていただく予定である。

これまでのテレビへの出演としては、以前にテレビ東京のモーニングサテライトに出演させていただいたことや、BSジャパンやブルムバーグテレビには何度か生番組に出演させていただいている。フジテレビにも一度、録画撮りで出演したこともあった。しかし、NHKは始めてでもあり、久しぶりのテレビ出演ということでとても楽しみにしている。放送番組や放送時間など詳しいことにについては後程ご連絡したい。


2006.6.15「2006年3月末現在の国債保有者別残高」

2006年1-3月資金循環勘定速報が日銀から発表された。このうち家計をみてみると、金融資産は1506兆2624億円と2005年12月末の1508兆6760億円に続いて1500兆円台を維持している。家計のうち国債は、26兆9360億円(12月末26兆0345億円)、株式122兆38766億円(12月末118兆0023億円)、投資信託は54兆9710億円(12月末51兆0798億円)となった。今回もこの資金循環勘定速報をもとに2006年3月末現在日本における国債所有別内訳を算出してみた。

2006年3月末の国債残高と、そして全体に占めるシェア、2005年12月末比(億円)

合計 、667兆0712億円、100.0%、-4兆8111億円

民間預金取扱機関、129兆5282億円、19.4%、5036億円減
郵便貯金、122兆8963億円、18.4%、2兆1785億円増
日本銀行、86兆6971億円、13.0%、7兆2815億円減
民間の保険年金、82兆6554億円、12.4%、1316億円増
公的年金、58兆4706億円、8.8%、1527億円増
簡易保険、55兆8397億円、8.4%、7890億円減
財政融資資金、39兆3589億円、5.9%、3兆7534億円減
海外、30兆5232億円、4.6%、7465億円減
家計、26兆9360億円、4.0%、9015億円増
投信など金融仲介機関、15兆1009億円、2.3%、2兆8114億円減
その他、19兆0649億円、2.9%、7兆7100億円増
(その他の中では、中央政府が5兆3325億円増が大きい)

参考までに自分で集計を始めてからの、日銀資金循環統計を元にした国債残高の推移は下記のようになっている。一番右の数値は前回比である。(単位、億円)

2002年09月末、5,045,257
2002年12月末、5,228,730、183,473
2003年03月末、5,384,464、155,734
2003年06月末、5,441,370、56,906
2003年09月末、5,437,060、-4,310
2003年12月末、5,545,297、108,237
2004年03月末、5,699,256、153,959
2004年06月末、5,759,771、60,515
2004年09月末、5,993,527、233,756
2004年12月末、6,197,909、204,382
2005年03月末、6,424,669、226,760
2005年06月末、6,613,991、189,322
2005年09月末、6,591,695、-22,296
2005年12月末、6,718,823、127,128
2006年03月末、6,670,712、-48,111

(なお上記は、私がエクセルで資金循環勘定速報をもとに再集計したものであり、数値のチェックはしているものの、一部入力ミスしている可能性が皆無とはいえないため、使われる際には、ご注意ください。)


2006.6.14「続、福井日銀総裁、村上ファンド設立時に1000万拠出」

日銀の福井総裁が村上ファンド設立時に1000万円を拠出していた問題に対して、政府・与党は、日銀の内規には違反していないので、問題はないとして責任を問わない構えを示している。

昨夜、首相官邸で開かれた月例経済報告関係閣僚会議に福井日銀総裁も出席し、村上ファンドに投資した理由について「勇気ある青年を激励するために、仲間とともに金を出した」と説明した。これは昨日の参院財政金融委員会での答弁と同じものとなっており、参院財政金融委員会での質問を受けるに際して、福井総裁も事前に回答を準備していたとも思われ、その問題の大きさ等を考え合わせそれについて首相官邸にも事前に連絡があたとみてしかるべきものであったと思われる。

総裁の投資行為について日銀は広報を通じて「服務ルールに違反していない。拠出から得た所得などは、ルールに基づき適正に報告されているものと認識している」とのコメントを出している。

小泉首相も月例経済報告関係閣僚会合後、記者団に対して「問題のある行為じゃない」と語ったうえで、総裁辞任は必要ないとの認識を示している。安倍官房長官も記者会見で「日銀の内規には触れていないと承知しているなど政府側の見解も統一させて、日銀総裁への責任は問わないとの姿勢を示している。

村上ファンドの問題については私の知識不足もあり、さらに情報不足などから個人的な言及は避けてきたが、インサイダー取引は証券取引法に違反した行為であることは間違いない。

しかし、村上ファンドが、株とは何であるのか、株主とは何かということを再認識させたことも事実であり、福井日銀総裁も「富士通総研の有志数人で私も入り、当初の志を激励しようという意味で資金を1999年秋に1人1000万円拠出した」と述べたように、当時、その志に共感したのは福井氏ばかりではなかったはずである。

ただし、その後の村上氏のやり方にきな臭さを感じていたのは私ばかりではなかったと思う。福井氏も本来ならば、日銀総裁就任時に解約をすべきであったかもしれないが、日銀の内規上も解約すべきものではなかったことで、他の有志のことも考え合わせてそのままにしていたものと思われる。

私人としての今回の福井氏の行為に対しては問題はないとは思うが、日銀総裁という公人としては、この保有を続けたこと自体には、やや隙があったと取られてもいたしかたない。さらにタイガースファンという福井氏にとり、阪神株をめぐる動きなどを見て、何かしら感じるところもあったはずである。それが大きな事件に繋がりかねないといったものの気配といったものも立場上も感じてしかるべきではなかったかとも思う。


2006.6.13「福井日銀総裁、村上ファンド設立時に1000万拠出」

本日の参院財政金融委員会に出席した福井日銀総裁は、証券取引法違反容疑で逮捕された村上世彰容疑者がファンドを設立する際に、個人として1000万円を拠出していたことを明らかにした。与謝野金融相は、拠出したのが福井氏が富士通総研の理事長に就任していた当時であり、日銀総裁就任が予想される前のことなので、拠出自体は問題ないと答弁している。

しかし、この事実に対して「福井日銀総裁の辞任当然、首相も責任」と民主党の渡部国会対策委員長が発言するなど政治問題化される可能性も出てきた。ただし、小泉首相は村上ファンドに出資した日銀総裁の同義的責任を否定している。

ゼロ金利解除に向けての日銀に対して、今回明るみに出た事実がどの程度の影響が出るのかは今の所わからないものの、地合いが悪く下落していた東京株式市場には、あらたな売り材料とも取られたようである。今後の動向にも注意が必要となりそうである。


2006.6.12「日本銀行の生い立ち」

明治維新以降の日本では、西洋諸国に対抗するために産業や資本主義育成により国家の近代化を推進した積極的な殖産興業政策を展開していました。しかし、財政的基盤といったものもまだまだ固まっておらず、さらに金銀貨による幣制の統一を目指していたものの、貨幣素材の不足や造幣能力の不十分さもあって、金銀貨の鋳造といったものもなかなか進まなかったようです。このため、明治政府は資金の調達のために、この金銀貨に代わる支払手段として、政府紙幣や国立銀行券といった不換紙幣の発行に依存せざるを得なかったのです。

そんな最中の1877年2月に、上野の銅像でも有名な西郷隆盛たちと政府が戦った西南戦争が勃発したのです。政府はこの戦争のための費用を調達するために大量の不換政府紙幣、不換国立銀行紙幣を発行せざるを得ませんでした。これによって貨幣の価値が急落しその結果、激しいインフレーションが発生しました。

当時の大蔵卿(現在の財務大臣にあたる)は早稲田大学の創始者でもある大隈重信でした。大隈は積極財政を維持したまま、外債を発行することによって不足している銀貨を得て、それを市場に流せば安定すると主張したのです。ちなみに当時、対外決済に通常用いられていたのは銀貨でした。これに対して、現在の次官にあたる大蔵大輔の松方正義は、明治維新以来の政府による財政の膨張がインフレの根本原因であるとし、不換紙幣を回収することがインフレに対しての唯一の解決策であると主張したのです。

松方の主張は大隈の財政政策を根幹から否定するものであり2人は対立しました。このため伊藤博文が松方を内務卿に抜擢すると言う形で財政部門から切り離して、一旦は事態収拾が図られたのですが、1881年の「明治14年の政変」によって大隈が政府から追放されると、今度は松方が大蔵卿に任命され、インフレ対策のために自らの主張した政策を実行することとなったのです。1881年大蔵卿に就任した松方正義は、不換紙幣の整理をするため正貨兌換の銀行券を発行する中央銀行の創立を提議しました。これにより通貨価値の安定を図るとともに、中央銀行を中核とした銀行制度を整備し、近代的な信用制度を確立することが不可欠であるとしたのです。こうして1882年6月に日本銀行条例が制定され、日本の中央銀行として日本銀行が設立されることになります。同年10月10日には日本銀行の業務が開始されたのです。

松方正義は政府発行紙幣の整理を中心とする金融政策の実現に取り組み、この日本銀行の設立を経て政府発行紙幣の全廃と兌換紙幣である日本銀行券の発行を行いました。この政策によって財政収支は大幅に改善されたものの、深刻なデフレーションを招いたために松方デフレと呼ばれて世論の反感を買ったことでも知られています。しかし、不換紙幣を回収し市中に兌換紙幣を流通させたことにより、紙幣の「信用」が著しく高まることとなり、結果としてその後の経済は活発化し、短期的には景気の低迷を招いたものの、日本経済の発展にはプラスに働いたとみなされています。


2006.6.9「夏の個人向け国債募集開始」

本日より夏の個人向け国債の募集が開始される。募集期間は6月9日(金)から7月4日(火)まで。発行日は7月18日。利払い日は毎年7月15日と1月15日の年2回。

10年変動タイプの初期利子は1.1%となり、これまでの変動タイプの利子としては最も高いものとなった。

さらに、5年固定タイプの利子は昨日に実施された5年国債入札の結果により算出された基準金利1.35%から0.05%差し引かれた1.3%。こちらも第1回の0.80%、第2回の1.01%よりも高くなったことで、これまでの固定タイプの利子としても最も高いものとなった。

変動タイプの初期利子、固定タイプの利率ともに1%を上回ったことから、ボーナス期というタイミングも考え合わせると販売もこれまで以上に順調になることも期待される。

QUICKによると、14時現在の日本郵政公社での販売額は固定タイプ5年1000億円枠のうち412億円、変動タイプ1000億円枠のうち573億円と、前回債が12時時点で固定タイプ74%、変動タイプ66%に達していたことと比較すると今回の出足は鈍い。梅雨入り等の影響と解説はされているが、果たして結果はどうなるであろうか。

夏の個人向け国債に関してのお問い合わせは、お近くの金融機関まで。また、個人向け国債そのものについて、なるべくやさしく、さらに詳しく知りたい方はぜひ書店にて、拙著 「投資信託と個人向け国債がよ〜くわかる本」をご購読いただければ幸いです。


2006.6.9「最初のステップとは」

6月1日のブルームバーグによる福井日銀総裁との単独インタビュー記事の中で市場参加者の捉え方が分かれた部分があったため、今回はこの部分を中心に見てみたい。

「われわれの最初のステップが早ければ、2回目以降の判断にはむしろ幅が出てくると考えるのが普通だ。特に、ゼロ金利からスタートして、ゆっくり金利を上げていく。ゼロ金利から最初に踏み出すときがいつかは、いまだに全く予断を持っていない」

この発言の中の「最初のステップ」が「量的緩和政策の解除」を示しているのか、それとも「ゼロ金利の解除」を示しているのか、市場関係者の間で見方は分かれた。

日銀が今年3月に市場の予想より早く量的緩和解除に踏み切ったことで、ゼロ金利解除やその後の利上げが早まるのではないか、という見方が市場で強まっていることに対してのコメントであっただけに、「最初のステップ」が「量的緩和政策の解除」と受け止めた向きもあったようだ。しかし、詳しくみると「ゼロ金利解除」とも取れるのである。たとえば、

「ゼロ金利からスタートして金利を上げていくときは、1ステップ踏んだら、金利引き上げの重みが企業、あるいは景気全体にとってどれくらいのものなのか、事後の経済の動きの中できちんと測りながら、次のステップを踏まなければならない」

このコメントを読む限り、1ステップとはゼロ金利解除と取れる。そもそも「われわれの最初のステップが早ければ」という表現は過去形ではないことにも注意したい。もし量的緩和解除を最初のステップとして意識しているのならば、「われわれの最初のステップが早かったために」といった表現になるはずである。

日銀関係者の中でも、この最初のステップがどちらを示したものなのか見方が分かれているとも言われ、実際にどちらを意識したものなのかは福井総裁自身に聞いてみなければわからない。しかし、これまでの総裁の発言などを見ても、最初のステップは「ゼロ金利解除」としたほうがすんなりと受け止められると思うが、いかがであろうか。


2006.6.8「債券先物売買高が過去最高」

6月8日の債券先物取引において限月間スプレッド取引を含め、長期国債先物取引の売買高が17兆4172億円となり、1日の売買高としては過去最高となったと東証が発表したこれまでの最高は今年2006年3月7日の15兆5866億円。

6月限の最終売買日を明日に控えロールオーバーの動きが強まったとともに、株の急落などの影響から海外ヘッジファンドなどが活発に売買を行ったことなどが主因とみられる。内訳は6月限が48509億円、9月限が29417億円、限月間スプレッド取引が96246億円(データ表示48123億円の倍として計算)。


2006.6.8「フィスコ上場」

皆様のおかげをもちまして、株式会社フィスコは本日、大阪証券取引所、ニッポン・ニュー・マーケット「ヘラクレス」市場に株式を上場いたしました。

2004年9月21日にRPテック株式会社は株式会社フィスコと株式交換により、株式会社フィスコの完全子会社となりました。そのため私の所属もフィスコのリサーチ部と変り、それから1年9か月あまりが経ちました。その間、入院があったり、怪我をしたりといろいろとアクシデントもありましたが、なんとか「債券ディーリングルーム」の運営につきましてもフィスコにて継続させていただいております。

フィスコの上場によって私自身のコンテンツにおきましては大きな変化はなく、これまで通りの配信を続けさせていただきます。ただし、内容につきましてさらなる細心の注意を払いながらも、新鮮な情報を読みやすくを主眼に「牛さん熊さんの本日の債券」などの配信を続けさせていただく所存です。

今後もあらためまして、債券ディーリングの諸コンテンツをご愛顧いただきますよう、重ねてお願い申し上げます。


2006.6.7「個人向け国債のディスクロージャー」

「投資信託と個人向け国債がよ〜くわかる本」原稿より

目論見書とは「有価証券」の募集又は売り出しにあたって、その発行者や発行する有価証券の内容について、投資家に説明するために作成され配布される文書で証券取引法の定めにより発行会社はこれを必ず作成しなければなりません。

それではその証券取引法の有価証券とはどのようなものを指すのでしょうか。証券取引法第2条において「有価証券」とは、次のようなものが列挙されています。
1.国債証券 2.地方債証券 3.特別の法律により法人の発行する債券
4.社債券 5.特別の法律により設立された法人の発行する出資証券
6.株券、新株引受権証書又は新株予約権証券
7.投資信託及び投資法人に関する法律に規定する投資信託又は外国投資信託の受益証券 などなど。

真っ先に上がっているのが国債証券です。つまり国債ですね。ところが、この証券取引法の有価証券筆頭の国債証券には「目論見書」が存在しないのです。これはもちろん国という大きな信用がバックに発行されているために他なりません。なぜ国債は目論見書が発行されていないのか、という質問に対して国債発行を担当している財務省は、「諸外国の例を見ても国債に目論見書を作成している例はあまりみられません。日本国の財政状況に関してはディスクローズを行っており、情報提供がなされていると判断しています」との回答を出しています。

個人向け国債を含めた日本国債についての目論見書はないものの、発行体となっている国の財政情報などは財務省などから詳しい資料などを通じて得ることは可能となっています。国家の予算とか国の債務状態、国債の発行額といったものは国会を通過する過程において、かなりのものがディスクローズされています。

個人向け国債を買いつけるにあたって国の財政事情を一応、念のためと確認して購入する人はさすがに少ないものとも思われますが、自分の住んでいる国の財政事情をしっかり認識しておくことは国民の一人としてたいへん重要であると思います。

ただし、国の財政関係資料は専門家以外にはなかなかわかりづらい資料が多いことも事実です。しかし、中には予算成立毎に作成されている「財政の現状と今後のあり方」とか四半期毎に作成されている「日本国債ニュースレター」など図表を多く使って、個人にもなるべくわかりやすくした資料もあります。

また、国債自体の情報についてもかなりのものを財務省のホームページから入手することが可能です。年度の国債発行予定や入札によって発行された際の結果などのデータも過去に遡って入手が可能です。しかし、そういったデータを細かく必要とするのは、債券市場の関係者などごく一部の人に限られるのではないかとも思います。国債についてはある程度ディスクローズされてはいるものの、個人向け国債買い付けのために、個人がそれを細かくチェックすることまでは必要はないものの、そういった資料がどこにあるのかといったことは抑えておいても良いかと思います。


2006.6.6「福井日銀総裁とのブルームバーグ単独インタビュー」

6月1日の夕方に突然ブルームバーグにアップされた福井日銀総裁との単独インタビュー記事に驚いた市場参加者も多かった。日銀総裁が通信社との単独インタビューに応じるということはこれまでほとんど聞いたことはなかったが、極めて異例とも言わざるを得ない。ただし、ブルームバーグは昨年9月に武藤副総裁との単独インタビューを行っており、その際に量的緩和解除に向けてそれまで慎重派とも見られていた武藤副総裁から、踏み込んだコメントが出てきたことが注目された。この武藤副総裁のインタビューによって執行部が一丸となって量的緩和解除に向けての動きを示したことで、微妙に流れの変化を感じさせるものとなっていた。

今回の単独インタビューがどのような経緯を辿って実施されたのかは外部からはもちろんわからない。しかし、福井総裁が応じたという事実は、武藤副総裁の時と同様にマーケットに向けての執行部の考え方を知らしめたいとの意思も働いたのであろうか。そういった思惑的なものはさておき、その内容について少し見てみたい。

「これまでは物価上昇圧力が抑止される下で、金融環境の安定が維持され、それが世界経済拡大に寄与してきた。こうした構図に変化が起きると市場が認識すると、国際的な資金フローや金融市場の価格形成に変化が生じ、先ほど指摘した要素に上乗せして世界経済全体に悪影響を及ぼす可能性がある。つまり、市場の動きが悪い影響を増幅する可能性がある。具体的にはそういうことをイメージして下振れ要因を描いている」  私もその可能性を以前に指摘していたものでもあるが、6月の早期のゼロ金利解除観測に対して、日銀は言葉は良くないかもしれないが「火消し」に走ったとみられる。その要因のひとつとして考えられるのが上記のコメントに含まれているのではないかとみられる。

ただし、これについては総裁は下記のようにも発言している。

「今、株式市場を見ても、債券市場を見ても、為替市場を見ても、1つの転換点に差し掛かかり、新たな均衡を求めて動いている。私自身は、それは当然あり得るべき予見された現象だし、市場が動くこと自身は、非常にノーマルなことだと思っている。」

そして、ゼロ金利解除に際しては下記のような発言もあった。

「今はむしろ、既に非常に緩和した状態にあり、これからその状況を調整していくことが課題になっている。仮に何らかのショックが加わった場合には、調整していくスピードを加減し、民間部門がショックへの対応にある程度時間がかかるということと、うまく平仄を合わせることが非常に有効な政策になる」

つまり、ゼロ金利解除後の調整スピードについては、状況変化を良く確認して行うということを示唆しているとみられる。


2006.6.5「日銀、手形買いオペを電子化」

日銀は6月26日より、金融機関の資金供給手段である手形買いオペを電子化する。1972年6月に導入された手形買いオペであるが、この電子化に伴い名称も「共通担保資金供給オペに変更される。


2006.6.5「訪日・海外旅行における消費額等の調査結果について」

日銀は訪日旅行を終えて帰国する外国人および海外旅行を終えて帰国した日本人に関する消費額等についての調査を実施し、その結果を発表した。

http://www.boj.or.jp/type/release/zuiji_new/nt_cr_new/ntbop16.htm

あくまでアンケート調査であり、回答者数に国によってややバラツキもあることも踏まえてみる必要もあるが、なかなか面白い調査内容となっている。

一人あたりの国内移動費が最も高いのが、一人当たり19223円の中国からの旅行客であり、土産物費についてもやはり中国が37457円と最も多い。あちこち回ってどっさりお土産を買ってもらっているようである。

飲食費が24316円と最も高いのは米国からの旅行客。米国での日本食ブームの影響であろうか。

宿泊費についてはシンガポールからの旅行客が58434円とダントツのトップ。回答者数が少ないため、あくまで参考となろうが、それでもシンガポールの人はリッチのようである。航空運賃もシンガポールの旅行客はずっと遠方のフランスからの旅行客よりもお金がかかっている。しかし、その反面、日本国内での移動費はあまり使っていない。何しに来ているのであろうか。

そして、娯楽費、土産物費ともにこのアンケート結果中、最も低かったのが、まもなくワールドカップが開催されるドイツからの旅行客であった。その反面、距離の影響もあろうが航空運賃は最も高く、さらに宿泊費にもお金をかけている。


2006.6.2「6月以降の気になる予定」
<< 6月 >>
1日、福井日銀総裁国際コンファランスで挨拶、春日銀審議委員那覇市で講演
4日から8日まで、武藤日銀副総裁ワシントン出張
5日、パネル討論会(FRB議長&ECB総裁、武藤日銀副総裁)
8日、岩田日銀副総裁秋田市で講演、ECB理事会
9日、サッカーW杯ドイツ大会(9日〜7月9日)
14、15日、日銀金融政策決定会合
18日、国会閉会
20日、福井日銀総裁日本記者クラブで講演。日銀金融政策決定会合議事要旨4月28日分
27日から7月1日まで、小泉首相カナダ・米国を訪問
28、29日、米FOMC
30日、5月全国消費物価指数、6月東京都区部消費者物価指数

<< 7月 >>
3日、日銀短観
6日、日銀支店長会議、ECB理事会
13、14日、日銀金融政策決定会合
15日から17日、サンクトペテルブルク・サミット
28日、6月全国消費物価指数、7月東京都区部消費者物価指数

<< 8月 >>
3日、ECB理事会
8日、米FOMC
10、11日、日銀金融政策決定会合
11日、1〜3月期GDP第一次速報値
25日、7月全国消費物価指数、8月東京都区部消費者物価指数
31日、ECB理事会

<< 9月 >>
7、8日、日銀金融政策決定会合
20日、米FOMC
30日、小泉首相任期切れ


2006.6.2「個人向け国債10年変動タイプの利子の推移」
第1回(2003年3月)、0.09% 0.23% 0.51% 1.08% 0.48% 0.57% 0.75%
第2回(2003年4月)、0.05% 0.77% 0.55% 0.74% 0.73% 0.55% 0.85%
第3回(2003年7月)、0.05% 0.62% 0.74% 0.67% 0.45% 0.68% 1.10%
第4回(2003年10月)、0.77% 0.55% 0.74% 0.73% 0.55% 0.85%
第5回(2004年1月)、0.62% 0.74% 0.67% 0.45% 0.68% 1.10%
第6回(2004年4月)、0.55% 0.74% 0.73% 0.55% 0.85%
第7回(2004年7月)、0.74% 0.67% 0.45% 0.68% 1.10%
第8回(2004年10月)、0.74% 0.73% 0.55% 0.85%
第9回(2005年1月)、0.67% 0.45% 0.68% 1.10%
第10回(2005年4月)、0.73% 0.55% 0.85%
第11回(2005年7月)、0.45% 0.68% 1.10%
第12回(2005年10月)、0.55% 0.85%
第13回(2006年1月)、0.68% 1.10%
第14回(2006年4月)、0.85%
第15回(2006年7月)、1.10%


昨日の10年国債の入札結果によって決定された個人向け国債変動タイプの利子1.10%は上記のようにこれまでで最も高いものとなった。


2006.6.1「ムーディーズ、日本政府の債務格付けA2の見通しを安定的からポジティブに引き上げ」

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、日本の政府系発行体の自国通貨建て発行体格付け、政府保証、非政府保証の自国通貨建て債務格付けの見通しを安定的からポジティブに引き上げた。


2006.6.1「夏の個人向け国債」

6月9日から夏の個人向け国債の募集が開始される。今回も10年変動タイプと5年固定タイプの2本立てとなる。募集期間は6月9日(金)から7月4日(火)まで。発行日は7月18日。利払い日は毎年7月15日と1月15日の年2回となる。

10年変動タイプの利子を決める基準金利は毎年6月及び12月に実施される10年国債の入札において決定される。初期利子については、本日実施された10年国債入札の結果から算出された基準金利1.9%から0.8%差し引いた1.1%となった。償還日は2016年7月15日。

5年固定タイプの利子は6月8日に実施される5年国債入札の結果により算出される基準金利から0.05%差し引いたものとなる。償還日は2011年7月15日。

今回の発行日は7月15日が土曜日となりそれから三連休となるため18日となる。そのため、初回の利子の調整額といったものが必要となる。この調整額については財務省のホームページ、もしくは、もよりの金融機関、もしよろしければ拙著 「投資信託と個人向け国債がよ〜くわかる本」をご購読いただければと思う。


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