「若き知」
「過去データは一番下に移行しました」


2006.8.31「東京オリンピック」

東京が2016年の夏季オリンピックの国内候補都市に選出された。2008年が中国の北京で開催される上に、最大のライバルが米国となればちょっと難しいかなとも思われるが、名乗りを上げて候補となった以上は、ぜひ選出されるようにがんばってほしい。前回の東京オリンピックの際は私はまだ6歳で、当時住んでいた横須賀の田浦に聖火が通過するのを見た記憶が残っている程度である。もし今度また東京で開催されるならば、しっかりと競技を生で見てみたい気もする。

東京オリンピックと聞くと以前はノスタルジーに浸ってしまっていたが、国債のことを調べてからは、少し複雑な気持ちにもなっている。戦後初めて日本で国債が発行された要因のひとつとして、この東京オリンピックも影響していたとみられるためである。以下、拙著「日本国債は危なくない」の原稿より。

昭和30年(1955年)あたりから日本経済は高度経済成長の波に乗り、好景気が昭和39年(1964年)まで続くことになる。昭和30年(1955年)から昭和32年(1957年)にかけて、日本は「神武景気」と呼ばれた大型景気を迎えた。昭和30年に出された経済白書には「もはや戦後ではない」と表記されているが、それだけ戦後の日本経済が立ち直ってきたという証でもあった。電気冷蔵庫、電気洗濯機、テレビ受信機の「三種の神器」が登場し、こういった家電製品の普及は個人消費に大きく貢献した。

「なべ底景気」と言われる景気減速を経て、昭和34年(1959年)ごろから再び景気が上向き、今度は「岩戸景気」と呼ばれた好景気が続いた。皇太子のご成婚によってテレビが急速に普及したのもこの頃である。「投資が投資を呼ぶ」とも言われ設備投資が景気を引っ張り上げていった。この「岩戸景気」は42ヶ月にも及ぶ持続的な景気となり、昭和35年(1960年)に実施された池田内閣による「所得倍増」をスローガンとした高度経済成長政策も日本経済の追い風になった。 昭和38年(1963年)は、東京オリンピックを控えて公共投資が活発化した。夢の超特急といわれた東海道新幹線や首都高速道路、東京モノレール、そして黒四ダムといった大型の公共工事が次々に行われてきたのである。

しかし、東京オリンピックが始まった昭和39年(1964年)10月ごろから景気は急速に冷え込みはじめ、後退局面に入った。すでに昭和36年(1961年)ごろから中小企業の倒産が増加しており、株価も下落していた。企業収益も減りつつあったのだが、それが顕在化したのが昭和39年(1964年)の後半であった。  昭和40年(1965年)に入ると、サンウエーブや山陽特殊製鋼など大手企業の破綻が相次いだ。株価も急落し続け、信用不安も広がりをみせていた。信用不安に対しては、山一證券への日銀法25条にもとづく無担保・無制限の特別融資(日銀特融)が実行されたことでなんとか収まったのだが、株価の下落はさらに続いた。これが「40年不況」と呼ばれ、金融緩和も効果がなく、財政面からの公共事業が促進されることになり、戦後初めてとなる「国債発行」が準備されることとなったのである。


2006.8.30「実質公債比率」

今朝の日経新聞によると地方債の発行に国と都道府県の許可が必要な自治体が全体の二割に達することが明らかになった。総務省は財政難の自治体が自由に起債すると、市場での地方債の信頼が損なわれる恐れがあるため、2006年度から自治体の財政健全度を計る目的で、「実質公債比率」という指標を導入した。

これは自治体の収入全体に占める借金返済の割合を示すもの。従来の「起債制限比率」では借金の実態が把握できなかったことで、一般会計から特別会計への繰越金なども含めたものとなっている。これにより自治体の借金の実態がより的確に示されるとみられている。地方債発行に関して国の関与が薄められたことに伴って、総務省が今年度から導入した。

「実質交際比率」の「18%未満」は自由発行が認められ、「18%以上25%未満」は許可を必要とし、「25%以上」は単独事業の起債が制限される。18%以上となれば債務削減計画の策定が義務付けられる。

日経新聞によると総務省は「10年後までに地方債市場を自由化する」としており、18%以上の自治体などは市場の信任を得るため財政再建が必要となりそうである。都道府県債と政令市の実質公債比率に関しては、4都道府県と8つの政令市が18%以上となっていた。(参)、http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/pdf/060728_4.pdf


2006.8.29「村尾信尚メーンキャスター」

お世話になっている関西学院大学の村尾信尚教授が、10月からの日本テレビー系報道番組「NEWS ZERO」のメーンキャスターとなる。「ザ・ワイド」などでのコメンテーターとしての村尾さんの活躍は知っていたが、ついにご自分がメーンの番組ができるとはすごい。

村尾さんは国債の関係者ならばご存知の方も多いと思うが、元財務省国債課の課長をされていた。国債管理政策をさらに充実されるための努力をされ、現在人気金融商品ともなっている個人向け国債の企画も担当されていた方である。これがご縁で、村尾さんの立ち上げられた「プランB」という勉強会に私も参加させていただき、1年間、楽しく勉強させていただいた。

さらにこの新番組のキャスターの一人が、お天気キャスターの小林麻央さんだそうである。52年の歴史に幕を閉じる民放の最長寿番組「NNNきょうの出来事」の後番組となる「NEWS ZERO」のメーンキャスターが村尾さんで、その村尾さんを補佐されるのが、人気の小林麻央さんとなればかなり注目されるのではなかろうか。ちなみに小林麻央さんは、TBSの人気アナウンサー小林麻耶さんの実の妹である。

元財務省官僚を務めた方が、テレビ番組のメーンキャスターを勤めるというのは極めて異例とも言えるのではなかろうか。しかし、村尾さんを知る人にとっては違和感はないかもしれない。もちろんたいへん頭の切れる方で、考え方もしっかりしている方であり、さらに話題も豊富で人脈もすごい。さらに財務省時代にファッション雑誌に写真が掲載されたと聞いていたが、さわやかな印象とともにテレビ映りも全くもって問題ない。話し方も丁寧でわかりやすい。まさにキャスターとしては申し分ない方だと思う。

30分の生番組でも緊張してしまった自分と比較しては申し訳ないが、テレビの生放送というのはいろいろな意味で緊張感も出てくるはずである。村尾さんはむしろそういった緊張感を楽しまれているのかもしれない。もうひとりのキャスターが小林麻央さんと聞いて、早速、村尾さんに出演交渉をしようと思ったが、多少、不順な動機が見え隠れしてしまいちょっと無理かも。なにはともあれ、村尾さん、新番組のメーンキャスター、がんばってください。応援しています。


2006.8.29「国債残高の伸び鈍化」

今朝の日経一面トップ記事は、「国債残高の伸び鈍化・税収増や消却拡大で」というものであった。これといって大きな記事もなかったことも影響したのかもしれないが、今年7月の国債残高の伸び率が前年同月比で4.7%とは1993年11月以来、ほぼ13年ぶりの低い伸びというのも確かに記事に値するのかもしれない。そもそも新規財源債の発行額が減少していることから、この傾向がうまく続けば、残高の伸びは鈍化する。しかし、残高自体が減少するわけではない。そのためには最低でもプライマリーバランスを均衡化させる必要がある。

それでも残高がどこまで行くのかといった調子で膨れ上がり続けていた状況から、やっと伸び率も抑えられてきたこと自体、デフレからの脱却といった要因も大きいものとみられる。歳出削減については小泉政権の構造改革といった要因が大きいだろうが、税収そのものの伸びはデフレ脱却にともなっての景気回復に寄与するところが大きいはずである。


2006.8.28「7月のCPI受けての債券相場」

8月25日に発表された7月全国消費者物価指数(除く新鮮)は+0.2%と予想の+0.5%を大きく下回ったことをきっかけに、債券相場は債券先物や中短期主体に大幅に上昇した。25日の債券先物は134円台に入り一時134円19銭と前日比1円高まで買い進まれた。債券先物の中心限月が134円台に乗せたのは6月8日の134円07銭をつけて以来となった。

この日の現物は、10年280回が一時9.5毛強の1.700%、20年89回が7.5毛強の2.125%が買われ、中期はさらに買い進まれ、5年59回は10毛強の1.190%が買われて 1.2%割れとなり、2年247回は10.5毛強の0.655%が買われた。ユーロ円金先も2007年3月限が0.1%低下の0.715%をつけるなど中短期の軒並み10bpもの低下となっていた。

金融政策の影響を受けやすい中短期主体に大きく買われたことから、7月全国消費者物価指数を受けて、年内の追加利上げ観測後退といった見方が広まったものとみられるが、すでに7月の公社債投資家別売買動向において5か月ぶりに買い越しに転じていたメガバンクなどが、中短期主体に買いを入れてきたことも背景にあるものとみられる。

7月全国消費者物価指数発表前日の27日の引けにかけてやや妙な動きもあった。年金など引け値での買いといった注文を出すケースがあり、引けにかけて長期、超長期主体に妙に買われるといったことがある。27日もそういった買いが入ったとみられ、引けにかけて現物の長期、超長期が買われたが、中期もやはり同様に買われていたのである。これは前日までにもみられていたメガバンクあたりからの買いではないかとも観測されていた。CPIの結果を知っていての買いではないかとの観測すらあとで出たものの、さすがに現在はリークといったことも考えづらい。メガバンクもこれまで大きく売りこしていた反動とともに、預貯金金利の引き上げなどにも対応する必要から買いを入れたのではないかとみられる。そのタイミングとしてCPIを見てから、とも思われたが先回りしての買いも入ったのではないかと思われる。

債券は9月の国債の大量償還を控え、さらにインデックスの長期化などによる年金などの買いも入っているなど需給はかなり良好となっていた。そこに少し動きを見せるだけでも規模の大きな売買となるメガバンクの参入などによって、さらに需給が締まっていた。25日の店頭では地方主体に数多く戻り売りも入っていたとみられるが、それ以上にこういった中央からの買いが大きかったようである。

投資家の現物買いの背景には、米国での住宅販売の不振などに見られるような米経済の減速懸念といった要因も大きい。米7月の米PPIがコアベースで予想外のマイナスとなったことやCPIコア指数が0.2%増と事前予想を下回るなどしたこともあり、米FRBの利上げ再開観測といったものも後退し、これを受けて米債が買われた。さらに足元の景気は好調な欧州においてもドイツの連邦債が買われるなどしており、米国経済の減速が欧州経済にもいずれ影響を及ぼすとの見方から、欧米の長期金利がともに低下基調となっていたことも、日本の債券相場を押し上げた要因のひとつである。

債券の好需給と欧米の長期金利の低下といったことを背景に、CPIをきっかけとして、買いが入りやすい地合の中、債券相場は急伸した。CPI自体から日銀の年内追加利上げ観測も後退したともみられるが、今回は市場予想は確かに大幅に下回ったものの、あくまで基準改定にともなってのものでもある。そうはいっても+0.2%というのはやや心もとない数字でもあり、今後これがさらに上昇基調となるかどうかが注目される。

日銀は年内利上げは否定していないものの、ゆっくりと追加利上げのタイミングを計っているとみられる。今後のCPIの数字を少なくともあと2回程度確認した上でなければ、追加利上げは難しいのではなかろうか。それでもCPIの上昇基調が確認できれば、再び年内利上げの可能性はありうる。このため少なくとも9月あたりまでの利上げの可能性は薄いとみられ、10月31日の決定会合以降での年内での追加利上げを引き続き予想している。

当面の債券相場は9月のBPIなどを意識した買いもまだ入るものとみられ、戻りを試す展開が予想される。しかし、あまりピッチの早い上昇であっただけに、今後何かしらのきっかけ次第では戻り売りも入りやすくなる。経済指標などとともに、本格的な夏休み明け後の日銀関係者からの発言といったものにも注意が必要となろう。


2006.8.25「7月全国消費者物価指数(除く新鮮)は、+0.2%」

朝方発表された7月全国消費者物価指数(除く新鮮)は2005年の新基準で+0.2%と発表され、予想された+0.5%を下回った。2000年基準から2005年基準に伴う修正値が市場予想の0.2%程度から実際には0.5%程度あった。総務省では新基準では交通・通信や教養娯楽が複数の下押し要因となったとしているが、新基準で教養娯楽に組み入れられた液晶テレビやDVDレコーダーの価格下落などが大きく影響したとみられる。7月の薄型テレビは-23.3%、DVDレコーダーは-17.7%となり、「教養娯楽耐久財」は全体で18.1%のマイナスとなっていた。

物価を押し上げたのはやはり原油高の影響が大きかった。ガソリン価格が9.6%、灯油が25.5%上がるなど、石油製品全体では11.3%の上昇となっていた。この石油製品と食料を除いた指数は0.3%の下落となったが、このマイナス幅は縮小傾向にある。

米国の景気減速観測が強まっており、24日に発表された米新築住宅販売件数が6か月ぶりの低水準となるなど発表された経済指標では足元景気の減速傾向を示す内容のものが多い。これを受けて米10年債の利回りは4.8%を一時割り込むなど、3月以来の低水準ともなっている。欧州の足元景気は好調でECBの追加利上げ観測は強いものの、米経済への懸念観測などから独連邦債の利回りは4%を割り込んでいる。

このような米経済の減速懸念に加えて、予想を下回った7月全国消費者物価指数を受けて25日の債券相場は急騰した。ユーロ円金先なども急上昇し、2年債利回りは0.7%を割り込むなど、日銀による年内の追加利上げ観測も後退しつつあるとみられる。しかし、まだまだ予断は許さないものとみている。基準変更前の数値は大きく下げているわけではないといったこともあるが、日銀の意向が今回のCPIによって大きく変化することも考えづらい。

与謝野経済財政担当相は記者会見で「物価はわずかながら上昇の方向に動いている。来月中旬まで専門家がチェックして(脱デフレを)総合的に判断したい」としており、政府は早ければ来月中旬にも脱デフレを認定すると、日経新聞が伝えている。小泉首相の退陣を控えてのデフレ脱却宣言といった可能性も否定はできない。9月11日に発表される4-6月期GDP改定値の結果などを踏まえて、政府がデフレ脱却宣言を出せば、日銀の次の手は打ちやすくなるともみられる。

私自身も、少なくとも0.5%程度までの利上げは、できれば年内にも実施しておいて、その後は米経済動向など含めてしばらく様子をみてくるのではないかと引き続き予想している。ただし、市場参加者のコンセンサスは年内利上げなしに動いてきているものとみられる。


2006.8.24「PTSのオークション方式」

個人の株式市場における売買が盛んであるが、これにはインターネット証券を経由した売買の増加といったものが大きな要因のひとつともなっている。さらに今度は 私設取引システム(PTS)を利用しての競売買(オークション)方式を利用した取引もネット証券で9月15日から開始されるようである。

金融ビッグバンにより、1998年施行の金融システム改革法で、証券取引所以外での取引を禁じた「取引所集中義務」が撤廃された。これによって証券会社は投資家と1対1の相対で売買したり、金融庁の認可が得られれば、ネットで結んだ私設取引システム(PTS)で売買の仲介をしたりすることができるようになった。ただし、これせは取引量に上限があり、株価情報などの即時公表が義務付けられるなどの制約はあるが、取り扱い銘柄を他の取引所の上場銘柄に限定していることもあって上場審査機能は不要とされた。

さらに、005年の証券取引法の一部改正により、私設取引システム(PTS)における競売買(オークション)方式の取引が認められたこの方式は、取引所と同様に、投資家からの様々な売買注文を付け合わせて取引を成立させる。これにより売りと買いの需給バランスの変化に応じて株価が変動する、まさに現在の取引所における取引に近いものとなる。

しかし、市場参加者の厚みがなければ値動きがなくなったり、場合によっては思惑やうわさで株価が大きく変動する可能性もある。それてなくても個人の株式売買では「見せ玉」の問題なども指摘されているように株価操縦のような動きも取引所取引でも見受けられているため、公正な価格形成を阻害する恐れもある。

さらに合併とか企業業績に大きな影響を及ぼすような重要情報が夜間に発表された場合に、取引所が行っているような売買停止が機動的に行えるのか、はたまたインサイダー取引などの監視が十分にできるかといった問題なども指摘されている。株の取引監視にもある程度の経験とノウハウが必要であるのも確かかもしれない。


2006.8.24「つくばエクスプレス一周年」

秋葉原とつくばを結ぶ新線、つくばエクスプレスが開業して、本日一周年を迎えた。初年度は1日平均乗客数が15万人を超えて目標とされた13万5千人を上回り、6月は18万5900人に増えているそうである。私が乗っている朝早い時間帯はそれほど増えたといった感覚はないが、もう少し遅い時間帯はだいぶ混んでいるそうである。営業収益も予想より50億円多い140億円を達成し当初目標を上回ったことで、順調なスタートとなったと言えよう。

それ以上に、大きな人身事故もなく、遅延なども限られていた面ももっと強調されて良いと思う。特に遅延が多くみられた常磐線とは比較にならないぐらいに時間に正確な運転が続いていた。一周年を迎えた今日も、朝方、常磐線は上野から取手間で信号トラブルで運転が止まっていたようであるが、つくばエクスプレスは正常どおりの運行となっていた。

沿線の様子も一年前とは様変わりとなっている。特に何もなかった研究学園駅の近くには一戸建てが立ち並び、マンション建設もまもなくスタートする。スーパーも開業している。みらい平駅前も住宅でうまってきているようである。八潮駅の駅前にはショッピングセンターができ、柏の葉キャンパス駅前にも建設中、守谷駅にもショッピングセンターがあちこちに出来ているようである。まだまだ沿線には空き地も目立つが、次第にマンションなどが立ち並んでくるものとみられる。まさに実写版の「A列車で行こう」といった感じである。

たまたま景気回復期での開通とか、秋葉原への注目度が予想以上に高まっていたこと、ロハスといった自然と親しむ生活といったものが意識されていたことなど、フォローの風が吹いていたことも、第三セクターの鉄道としてはまれな成功例となりつつある要因とみられる。さらに安全性への配慮や料金設定なども影響していたのであろうが、

一年間乗ってきて大きな不満はないものの、しいて言えば座席のすわり心地か。また夜遅くになると、つくば駅行きの本数が少なくなってしまうといったダイヤの見直しもしてほしい。昼間の守谷駅とつくば駅間の間の駅を停車する列車も増やしてほしいとの要望も強いとか。さらに、せっかく筑波山への観光客が増加したにも関わらず、観光シーズンの筑波山までの道路渋滞はやはりかなりひどいため、観光客の印象を悪くしてしまう恐れもある。

なにはともあれ、予想以上に好調なスタートを切っただけに、これからも安全面により一層注意しながら、快適な通勤タイムを維持してほしいものである。


2006.8.23「伊藤京大名誉教授がガウス賞を受賞」

世界の数学者で構成される国際数学連合というところが、第一回のガウス賞として伊藤清京都大学名誉教授を選んだと発表した。金融関係者にとっては「伊藤のレンマ」で知られる伊藤教授の公式は、デリバティブの理論構築の土台ともなり、有名なオプション計算式であるブラック・ショールズ式が生み出される一助になったものである。このため伊藤氏はウォール街で最も有名な日本人とも言われている。

過去の価格変動などから確率的に価格を導くことでオプションの理論的な価格を導きだすことが可能となったことで、デリバティブ取引の普及を広めるきっかけともなり、現在の資産運用などにも広く利用されているものである。

私自身がオプション取引と向き合ったのが1989年頃。当時、債券市場でも店頭オプションが導入されることとなり、業者がその取引を行うためにはいくつかの条件が必要とされた。そのひとつが米国のデリバティブ取引に関わる外務員資格を保有している者が必要とされ、そのためにニューヨークに行って、その資格を取ってくることになったのである。約3か月ほどのニューヨーク滞在ではあったが、運良く試験は一回でパスしたことで、その後はニューヨーク生活をしっかりエンジョイさせてもらった。

そんなことはさておき、日本人が現在の金融デリバティブ取引に大きな影響を与えていたことが、今回の伊藤教授の受賞で世間一般に認知されたことはたいへん意味深いものでもある。「貯蓄から投資へ」の流れの中にあって、個人の資産運用において、直接的、間接的にもこのデリバティブに関わることは避けられない。今回の受賞をきっかけにぜひデリバティブ取引の理論における基礎的な背景などを探ってみてはいかがであろう。


2006.8.22「8月の債券相場」

8月21日に発表された7月の公社債投資家別売買動向においても都市銀行が5ヶ月ぶりに買い越しに転じるなど、7月14日のゼロ金利解除を待っていたかのように都銀などが買いを入れたとみられる。

短期国債を除いた7月の公社債投資家別売買差額は都市銀行が1兆2590億円の買い越しとなったが、反面、外国人は5ヶ月ぶりの売り越しとなり、売り越し額は1兆627億円となった。海外勢は現実の利上げに対して素直に反応したものと見られるが、利上げを待っていたかのような都銀とは好対照となった。

この都銀などの買いによって、7月21日には一時的に1.8%を割り込んでいたが、その後はこの1.8%が次第に壁として意識されてきた。8月17日と21日に10年カレントの280回債は1.805%まで買い進まれたが、結局1.8%手前で跳ね返された。しかし、22日になって中期主体に国内投資家の買いも入ったことで10年280回は7月21日以来の1.8%割れとなるとともに、5年59回も1.3%を割り込んだ。

債券先物も現物の買いなどを受けて8月は比較的しっかりした相場が続き、8月17日には133円台をつけてきた。米国の7月の米PPIがコアベースで予想外のマイナスとなったことやCPIコア指数が0.2%増と事前予想を下回るなどしたことで、米FRBの利上げ再開観測が後退し、これを受けて米債が買われたことなども債券先物の堅調さの背景にあったものとみられる。

また、日銀も年内利上げは否定していないものの、ゆっくりと追加利上げのタイミングを計っているとみられることから、少なくとも9月あたりまでの利上げの可能性は薄いとみられ、売りも限定的なものとなった。

ただし、都銀などの買いもあくまでこれまで大きく売りこしていた反動とともに、預貯金金利の引き上げなどにも対応する必要から買いを入れたものとみられ、今後も積極的な買いに転ずることも考えづらい。

当面の債券相場は9月のBPIなどを意識した買いもまだ入るものとみられ、国内投資家などの買いを受けて戻りを試す展開が予想される。ただし、日経平均も16000円近辺で値固めをしたのちさらに戻りを試してくることも考えられる。9月に入ると自民党総裁選の行方なども気になってくる。安倍氏が最有力候補だが、日銀の金融政策を占う意味でも財務大臣の去就などへの思惑も出てくるものとみられ、次第に上値が重くなるとともに、日銀関係者からの発言などによって相場が動く可能性もあるため、注意が必要となろう。


2006.8.21「鹿島港での釣り」

土曜日に友人と鹿島港に釣りに行ってきた。以前にも一度連れて行ってもらったがそのときにはボラが一匹釣れただけであった。しかし、すでに今年何度か行っている友人によると今年は湾にアジが戻ってきているらしい。家を出たのが昼の12時半ぐらい。鹿島港に着いたのが14時過ぎ。ちなみにこの鹿島港はカシマアントラーズの本拠地もあるところ。その親会社の住友金属の工場などが並んでいるのが人工の港でもある鹿島港。鹿島臨海工業地帯としても有名なところでもあるが、ここは海流の関係もあって磯釣りの名所にもなっている。県内はもとより他県からも数時間かけて来ている釣り人も多いとか。

鹿島の港公園というところで車を止めて、港の堤防に場所を確保して、友人に借りた釣竿でさっそく釣りを始めた。アジは朝と夕方中心に釣れるそうだが、他の種類の魚は昼間でも釣れる。早速、ハゼが掛かりアジもたまに釣れた。カワハギも小ぶりながらも一匹釣れた。これはうれしい。そして夕方になるとアジが頻繁にかかるようになった。暗くなってきたところでもう一人の友人がライトを持参して来たことでその明かりを頼りに夜釣りとなった。

結局、夜の9時半まで釣って、アジ31匹とハゼやイワシなど12匹、そしてカワハギを一匹がその日の釣果。ほぼ釣り初心者としてはこれで十分満足。翌日、アジは塩焼きと、から揚げにしてもらい、そしてカワハギは刺身にして肝とともに食べた。アジももちろんとても美味かったが、なんといってもカワハギが美味であった。ただ7時間程度ほとんど立ったままだった状態で、釣りに行った翌々日になって足が筋肉痛に。


2006.8.18「円の国際化の後退」

8月18日の日経新聞によると、国際通貨基金(IMF)の集計で、3月末の外貨準備金のうち、円建て試算の割合が3.4%と低下し、ポンドを下回った。米ドルは66.3%、ユーロは34.8%、英ポンド4%に次ぐ通貨となっている。全体に占める円の比率はほぼ一貫して低下しているが、欧州単一通貨としてのユーロがあらためて見直され、外貨準備の受け皿として地位を確立しつつあることなどが、円の比率低下に繋がっているとみられる。

また貿易通貨としての円の利用も進んでおらず、こちらも低下基調となっており、さらに円建て債券の発行も減少に転じている。ユーロ円債の発行額が減少しているとともに、国内での円建て外債の発行も減っているとか。

財務省が1980年ごろから進めている円の国際化は進むどころか後退基調になっており、円の地位はむしろ低下している。


2006.8.18「株のイメージ変化」

すでに株式を売買した経験のある方も多いと思いますが、日本人の株に対するイメージは以前に比べて大きく変化してきています。昔、株をやっていると聞くと、博打のようなイメージやお金持ちの道楽でいずれ大損してしまうに違いないといったイメージも強かったのです。

日本人は貯蓄好きと言われますが、もともと貯蓄好きな国民性があったのかは疑問です。高度成長期には国民が直接企業に投資するのではなく、預貯金というかたちで小口のお金を低利で大量に集めて、それを元にして銀行が企業に貸し付ける、いわゆる間接金融が銀行や企業そして政府にとっても都合の良いシステムだったのです。  ご存知のように株とは企業が資金調達をするために発行する有価証券のことです。企業が事業を経営していくためには非常に多くの資金が必要ですが、そのすべてを内部で調達することは難しいので、株券を発行して投資家から資金を広く集めるわけです もちろん銀行がお金を融資していた先の大手企業は株式会社でしたので株式を発行していました。その株式は銀行などの金融機関などが持ち合うことで、安定した株主が形成されることとなりました。

高度成長期にはこのシステムが有効に機能していたのですが、低成長となり、さらにバブルが崩壊したことで、このシステムが機能しなくなったのです。当然ながら投資には常にリスクが伴います。銀行の融資とか株の保有にも当然ながらリスクも存在していました。ところが政府による護送船団方式によって、そういったリスクは見かけ上、軽減されていたのです。銀行はリスクを負いながらも政府が銀行をつぶさないといったことが暗黙の了解ともなっていたのです。 ところがバブル崩壊によって銀行は大量の不良債権を抱えることとなりました。政府も度重なる景気対策などによって債務残高が雪だるま式に増加させていきました。

これによって政府も銀行も投資リスクに対して保護することができなくなりました。現実に一部の金融機関は破綻することとなり、銀行同士の統合なども繰り返されていきました。銀行との株の持ち合いも解消され、企業も資金繰りに苦労することとなったのです。

この結果として安全と思われていた預貯金もリスクがあることがわかったのです。ペイオフが解禁され、郵政も民営化されることになりました。このため必然的に国民のお金は貯金から投資へ向かうこととなり、投資リスクを負うとともに預貯金では得られなかったリターンを享受できる機会も広がってきたのです。その個人の投資において中心的な働きをすると思われるのが株式投資なのです。


2006.8.17「江の島伝説」

江の島ついでにもうひとつ。江の島にカップルで行くと分かれるという伝説を聞いたことがないだろうか。ただし、桟橋を渡らなければ大丈夫といったことも言われている。これはどうも片瀬海岸に海水浴に来るカップルを意識して海の家の団体でも注釈を加えたのではないかと勝手に勘ぐってしまうが、それはさておき、この「江の島伝説」についてはどうも都市伝説の類ではないようだ。なんといってもこの言い伝えは江戸時代にまで遡るそうである。

都市伝説といえば、ディズニーランドに行ったカップルも分かれるとの伝説もある。これは何分、ディズニーランドが日本有数のデートのお決まりコースでもあり、たくさんのカップルが来れば分かれるカップルも多いはず。さらに初デートなどに使われることも多いとみられ、そうなると分かれる確率もそれなりに高まろう。またもうひとつ有力な見方もある。これは、アトラクションはいまだに長時間待ちとなっているため、話すことがなくなってしまった話題の乏しい男性に愛想をつかした女性が多いため、とも聞いたこともある。

そういった都市伝説もあるが「江の島」についてはどうも別な裏があるようである。「江の島に祭られているのは弁天様なので、彼女連れで行くと弁天様に焼もちを焼かれて、別れさせられる」という解釈もある。確かに江の島に弁天様は祭られているが、それもどうやら言い訳に過ぎない。ではどうしてだろう。

江戸時代に二所詣というものが盛んになったそうである。お伊勢参りも有名だが、これよりも江戸から十三里と距離が近く、ちょっとした三泊四日程の旅行に都合良いところに多くの人が訪れた。それが現在の神奈川県の大山と江の島なのである。この2つを詣でることから二所詣と呼ばれたそうである。

さて「夫婦、男女で弁財天に参拝すると弁天様に妬まれて別れや不幸がある」というのは江戸時代からの言い伝えだそうである。それはなぜなのか。実を言えば、現在のように気軽に旅に行けるわけではないご時世、お金を貯めて旅行に行くとなれば、当然、旅先で開放感に浸りたいというのは今も昔も変わらない。特に男性にとってはこのときこそチャンス到来とばかり、途中の保土ヶ谷宿あたりで遊んでいきたくもなる、ようである。しかし、嫁さんを連れていけば遊びたくても遊べない。江の島への参詣に女性同伴はまずい。ということでこういった伝説がどうも作為的に生み出されたそうである。と、江島神社のホームページなどに解説があった。なるほどと思わず納得してしまった。

現実にはこの江島神社は別れの神様どころか縁結びの神様でもある。さらに江の島の恋人の丘にある龍恋の鐘にも多くのカップルが訪れている。まあ、江の島にデートに行って、もし仮に分かれてしまったら、弁天様に怒られたのかなと自分なりに都合の良い解釈をしても罰は当たらないかもしれない。そうそう、龍恋の鐘に行く際には、その横道に入るところにある土産物屋さんにはぜひ立ち寄ってほしい。恋人の丘につける鍵なども売っているが、ここだけの話、同じお土産でもここは安い。そして80歳になるお元気なおばさんがいるのでぜひ声をかけてください。なんといってもここが我が家が毎年訪れる馴染みの店なのです。


2006.8.17「お母様」

夏休みで江の島に行っていたときのことである。新江の島水族館の売店に入った際に、目の前にいた小さな女の子が「お母様」と呼んでいたのにびっくりした。さすが湘南、というか上品なイメージが強い横浜を抱える神奈川県ならでは、というより普通ありえない。今時そういった呼び方をさせているというのはそれなりの上流階級にいらっしゃる方なのか。しかし、そういった方が新江の島水族館でお土産を物色することも考えづらい。それでも、聞き間違えではなかったことはのちほど家族がやはりそれを聞いていたことでも確かであった。

「お母様」という言葉はそれはそれで上品な呼び方でもあり嫌いではない。現在掲載されている日経新聞の私の履歴書を書かれている家元のご家庭などでは今でもありそうである。しかし、現在の履歴書に書かれていることは戦争に絡んだ悲惨な体験である。家元といった家庭で育ちながら、あのシベリア抑留に耐えてこられたというのも強い体力や意思、そして知恵があってこそのものであるとも感じた。

それはさておき、私も小学校4年生までは横浜に住んでいたこともあってか、たしかにまわりにお坊ちゃん、お嬢様らしき子供もいたように記憶している。幼稚園で一緒に通った女の子も一人はお嬢様であったそうだ。お宅にはグランドピアノなどがあったと聞かされていた。そういった絵に描いたような「お坊ちゃま」や「お嬢様」は存在しているのかもしれない。現在、自分の住んでいるところでは間違っても「お母様」と呼ぶような子供は周りにはいない、はず。「とうちゃん」「かあちゃん」が通称のような田舎でもある。私もちょっと田舎に長く暮らしすぎていたために「お母様」に過剰反応してしまったのかもしれない。私も娘には「お父様」と呼ぶようにしつけるべきであったか。


2006.8.17「7月13日、14日分日銀金融政策決定会合議事要旨」

7月13日、14日分日銀金融政策決定会合議事要旨が昨日発表された。ゼロ金利解除時のものだけに特に先行きの利上げに関する部分に注目が集まった。「何人かの委員は、日本銀行が利上げを急いでいるという印象を与えないようにすることが大切であると述べた」「このうち一人の委員は、米国のような連続的な利上げが行われると受け止められることのないようにする必要があると述べた。」といった記述があるように、あくまで連続的な利上げはなく、急ぎはしないものの、「今後の金利水準の調整は徐々に行うことをさらに明確に説明することは重要である」ともしており、ここからは年内追加利上げの可能性を完全には排除できないものとみられる。


2006.8.16「地方債の護送船団方式を変更か」

本日の日経新聞の4面に記事が掲載されているように、総務省は地方債発行に関して横並びを是正するよう指示したそうである。そもそもこの総務省がもともと「地方債の信用力に格差はない」と説明しているなど護送船団方式を頑なに進めてきた経緯がある。市場参加者からの批判の声が上がっていたが、そういった声すら押さえ込もうとしていたといった動きもかつてあったと聞く。総務省が日本興業銀行から、みずほコーポレート銀行に受け継がれた部署において交渉し「財政力が劣る自治体でも不利な条件での資金調達とならないよう側面支援してきた」(日経新聞)。しかし、夕張市の財政破綻などきっかけにここにきてやっと自治体間の財政力格差を認め市場による監視機能をきかせようとの動きが出たものとみられる。ただしそれはどうも竹中大臣の鶴の一声によるものでもあったらしいが。

これまでも私は個人向け国債については本も出すなりして推奨してきたが、個人向けの地方債などに関しては推奨することには二の足を踏んでいた。今回の地方債の動きは法人向け主体のものであり、個人向けにまではど反映されない恐れもある。個人向け国債に関してはある程度、国の財政のディスクロージャーも進んでおり、現在の発行条件に関しても個人的には問題はないと見ているが、地方債に関してはまだ財政のディスクロージャー含めて問題は残っていると見ており、積極的な推奨はしにくいのが実情である。


2006.8.16「名実ともに消える公定歩合」

日本銀行は、これまで「公定歩合」としてホームページなどに掲載していた統計データのタイトルを「基準割引率および基準貸付利率(従来「公定歩合」として掲載されていたもの)」に変更することを発表した。これによって名実ともに「公定歩合」が消えることとなる。

新たに基準割引率および基準貸付利率に変更したのは、公定歩合としてホームページ上に掲載してきた過去の推移を表す統計データとなる。日銀が毎月公表している金融経済月報などの資料に載せているデータも変更する。

日銀のホームページに解説された「公定歩合」とは以下のとおり、

日本銀行が金融機関に直接資金を貸し出す時の基準金利を「公定歩合」と言います。この言葉は法律に規定されている用語ではなく、日本銀行法に規定されている「基準となるべき割引率」(基準割引率)と「基準となるべき貸付利率」(基準貸付利率)のことを指しています。「公定歩合」は、規制金利時代には、預金金利等の各種の金利が「公定歩合」に直接的に連動していたため、金融政策の基本的なスタンスを示す代表的な政策金利でした。

しかし、1994年に金利自由化が完了し、「公定歩合」と預金金利との直接的な連動性はなくなりました。現在は、こうした連動関係に代わって、各種の金利は金融市場における裁定行動によって決まっており、「公定歩合」は、2001年に導入された補完貸付制度の適用金利として、日本銀行の金融市場調節における操作目標である無担保コールレート(オーバーナイト物)の上限を画する役割を担うようになっています。現在の日本銀行の政策金利は、無担保コールレート(オーバーナイト物)であり、「公定歩合」には政策金利としての意味合いはありません。今回のタイトルの変更は、こうした点を踏まえて、かつて政策金利としての意味合いの強かった「公定歩合」という用語にかえて、「基準割引率および基準貸付利率」という用語を使用することとしたものです。

(日本銀行ホームページ、「公定歩合」に関する統計の名称変更について、より)

これを受けて、「債券ディーリングルーム」上の「公定歩合の推移」
もアップを停止しようかと思ったが、当面は記念として残して置くことにしたい。この「公定歩合の推移」
のページを開いていただくと、バックが青になっていると思う。実はこれ「債券ディーリングルーム」が1996年に開設した当初に使っていた色であり、その名残りとなっている。あれからすでに10年あまりも経過している。


2006.8.15「4〜6月期GDP速報値と日銀月報」

11日に発表された4〜6月期GDP速報値は実質で前期比+0.2%、年率+0.8%と発表され、前期比で+0.5%から+0.7%かとの予想を下回った。今回の減速の要因としては、公共投資(前期比-4.6%)、住宅投資(同-2.7 %)、そして民間在庫、外需によるものとみられる。寄与度に関しては内需+0.3%、外需- 0.1%と外需の寄与度が5期ぶりのマイナスとなった。民間設備投資計画は+3.8%。

ある程度の前期からの減速は予想されていたことや、民間消費や設備投資の伸びなどは前期よりも回復しており、さらにGDPから在庫を引いた最終需要は前期比+0.5%の伸びを維持しており、前期の+0.7%からはそれほど大きな落ち込みともなっていなかった。このために、債券相場などへの買い材料としてのインパクトは限られた。むしろ名目が実質を上回ったことなどがデフレの脱却を意識させるものでもあり、債券の上値を抑える要因ともなった。

名目が前期比+0.3%と実質を12四半期ぶりに上回り、 4-6月期国内需要デフレーターは前期比+0.095%と2期連続でプラス。民間消費、住宅投資、政府消費、公共投資の各項目でデフレーターも前期比上昇したと考えられる。さらに GDPデフレーターは前年同期比-0.8%と前期の-1.2%からマイナス幅が縮小するなど縮小傾向を見せるなど、物価の回復基調が鮮明となっている。

さらに4-6月期はさておき、先日の機械受注の発表など含めて7- 9月期の上振れを示唆するような指標が相次いでいる。7-9 月については4-6 月期の減速要因となった住宅投資や公共投資、在庫などは一過性のものであり、このの落ち込みの部分が剥落する可能性が高いともみられている。このため4-6月期の成長減速については一時的なものと意識され、日銀のシナリオに沿った景気回復基調であることには変わりはないとみられる。

4〜6月期GDP速報値をもって国内景気は減速すると見るのは早計かと思われる。日銀も8月の経済月報において、「輸出は、海外経済の拡大を背景に、増加を続けていくとみられる。また、国内民間需要も、高水準の企業収益や雇用者所得の緩やかな増加を背景に、引き続き増加していく可能性が高い。こうした内外需要の増加を反映して、生産も増加基調をたどるとみられる。」としており、今回のこのため10月末から11月あたりの追加利上げの可能性についても引き続き高いものと見ている。


2006.8.14「東京中心に大規模停電発生」

旧江戸川で、クレーン船が高圧線に接触したのが原因とみられる大規模な停電が東京を中心に発生し、東京都の大田、世田谷、江東、江戸川の4区や千葉県浦安市の一部などに及んだ。一部の電車が止まり、信号機が点灯しない箇所も発生するなどした。ただし、お盆休みということで交通などが平常時ほど混んでなかったことが不幸中の幸いか。ただお盆休みで混雑する浦安のディズニーランドで発券できないなどの障害が発生したり、一部エレベーターに閉じ込められるといったこともあった。

政府もこの大規模停電を受けて情報連絡室を設置した。また、東京証券取引所においても取引には問題はないものの、一部証券会社への影響から対応を協議していたが、結局、平常どおり9時からスタートした。ただし、債券市場では日本相互証券の現物債取引の開始時間が9時5分から開始され、通常の8時40分から25分遅れのスタートとなった。

8月15日の終戦記念日を明日に控え、さらにイギリスでのテロ未遂といったことがあったばかりのため、原因がはっきりしない間はいろいろと憶測も飛び交ったものの、原因はそういった人為的、作為的なものではなかった。これをテロの予行練習と見てはいけないかもしれないが、政府、そして警察や消防といったところの初期出動といったことに対して良き教訓ともなったのではなかろうか。

危機対応の一環としてか日銀は日銀ネットが正常に機能していることをベンダーなどを通じて流すとともに、通常のオペの時間を繰り上げて即日で共通担保オペ(全店)1兆円を通告していた。この即日オペは、停電の影響もあり翌日物が0.26-0.28%で推移していたことに対応したものとみられる。ただし、停電はなくとも0.28%程度に上昇していた可能性もあったことで日銀としても危機対応に対しての予行練習といった意味合いもあったのではないかとも思われる。


2006.8.11「4〜6月期GDP速報値は名目が実質を12四半期ぶりに上回る」

本日発表された4〜6月期GDP速報値は実質で前期比+0.2%、年率+0.8%と発表され、前期比で+0.5%から+0.7%かとの予想を下回った。しかし、名目が前期比+0.3%と実質を12四半期ぶりに上回り、 4-6月期国内需要デフレータは前期比+0.095%と2期連続でプラス。民間需要デフレータは-0.047%とマイナス幅が前期より縮小。さらに GDPデフレータは前年同期比-0.8%とやはり縮小傾向を見せるなど、物価の回復基調が鮮明となっている。寄与度に関しては内需+0.3%、外需-0.1%と外需の寄与度が5期ぶりのマイナスとなった。民間設備投資計画は+3.8%。

ある程度の前期からの減速は予想されていたことで、債券相場などへの買い材料としてのインパクトは限られた。むしろ名目が実質を上回ったことなどがデフレの脱却を意識させるものでもあり、債券の上値を抑える要因ともなった。さらに4-6月期はさておき、先日の機械受注の発表など含めて7-9月期の上振れを示唆するような指標が相次いでいることなどから、4-6月期の成長減速については一時的なものと意識され、日銀のシナリオに沿った景気回復基調であることには変わりはないとみられる。このため10月末から11月あたりの追加利上げの可能性についても引き続き高い。


2006.8.10「日銀による国債買入の減額はあるか」

日銀のホームページによれば、2001年3月に導入された量的緩和政策において、日本銀行は、資金供給のためのオペレーションの未達(いわゆる「札割れ」)が多発するケースなど、所要の資金供給を円滑に実施するうえで必要と判断される場合には、長期国債の買い入れを増額することとしている。

ただし、日本銀行による長期国債の買い入れ増額措置は、国債価格の買い支えや財政ファイナンスを目的とするものではないと日銀は「日本銀行の国債買入オペについての考え方」でコメントしている。このため、銀行券発行残高を長期国債保有残高の上限とするという明確な歯止めも設定されている。

すでに量的緩和政策は解除された上に、ゼロ金利政策も解除されている。日銀の保有する国債残高は減少していることもあり、当面は銀行券発行残高を超えるといったことは考えづらい。しかし、日銀が国債買入を「国債価格の買い支えや財政ファイナンスを目的とするものではない」とする以上は、現在の金額による国債買入を継続する意味合いは薄れてくる。

ここには当然ながら本音と建前といったものも交錯しているものと考えざるを得ない。政府としてはデフレ脱却宣言も出していないうちに、ゼロ金利も解除し利上げを実施した日銀に対しては、財政面からも国債買入の減額といった「インパクト」のある決定は当面避けてほしいところでもあろう。

1998年の資金運用部ショックについても、本来ならば運用部の引き受け額の大幅な減少が重視されてしかるべきであったが、当時は金額としてのインパクトは引き受け額に比べればさほど大きくなかった運用部による買入停止の方に影響されて、相場急落のきっかけとなっていた。

このような前例もあることで、需給面からはさほど影響がないとは言え、一時的に国債相場に大きなインパクトを与えるとみなされる日銀の国債買入の減額といったものは、ある程度タイミングを見計らう必要もあろう。

来年度の一般会計決算においては税収が当初予算より5兆円以上増える見込みになったことにより、新規国債発行額が当初計画より約3兆円程度減り31兆円台に減額される見通しとなっている。これは入札ペースが変らずに当初の発行計画通りとなれば、これはそのまま借換債の前倒しの増加分となる。税収増、国債減額とも事前に想定された数値に近く、相場への直接的な影響は限られよう。しかし、これによって今後、新規国債に加えて、前倒し発行の減額などによって借換債の発行の減額が見込まれるために、年度の国債発行額自体が前年度よりも減少していくことが予想される。

上記のこともあり、来年度に関しては国債発行総額が今年度を下回ってくる可能性が高い。日銀は年内に追加利上げを実施してくる可能性は引き続き高いものと見ているが、10月以降に0.25%の利上げを実施したとしても、まだ国債買入の額を変更することは、その影響を考えると考えづらい。しかし、来年度にかけては、どこかで日銀が国債買入の減額のタイミングを模索してきたとしても、おかしくはない。福井総裁などもいずれ国債買入を減額することについてはその可能性を否定してはいない。ただし、買入減額発表による債券相場の急落、長期金利の急騰は回避したいところであろう。国債買入減額にあたっては、事前にある程度の示唆がそれとなくなされてくるものとみられ、相場への影響を極力排除した上で実施してくるものとみられる。


2006.8.9「江の島」

今年の夏休みもまた江の島に行った。子供たちにとっても恒例行事化しており、とても楽しみにしている。

8月6日の早朝に家を出て神奈川県藤沢市の江の島まで約3時間弱で着いた。朝早いため、通常ならばこの時間帯は134号線はそれほど混まないはずが、今回はすでにそこそこ渋滞していた。さらに片瀬海岸についてみるとすでに人が多いのには驚いた。気温も上がるとの予報や台風接近の前に海水浴を楽しもうという人が多かったのであろうか。

子供たちは早速、海に入り波と戯れていたが、そのうち気温も上昇し結局37度まで上がった。朝方はもやっていた空も青空となり、江の島の桟橋の渋滞も早くに始まった。その日の片瀬江の島東浜海岸には7万5千人も来たそうである。確かに浜辺は足の踏み場もないぐらいの状態となっていた。しかし、当日は宿もとってあることで特に混んでいたからといって、昼も早めに済ませ、また帰りを気にする必要もないことで、人ごみによる不都合はさほど感じなかった。唯一、男子更衣室が並んで30分待ちとなっていたことがややつらかったが。

宿は今年も海上亭さん。行く途中、展望台近辺ではサマーフェスが開催されていたようである。海上亭さんのご主人にはお会いするなり、今年も晴れて良かったですねと声をかけていただいた。部屋もいつもの部屋を用意していただき、子供たちも部屋が同じことで大満足。そしてなんといっても海上亭さんの食事は現地の人もお勧めのものである。一人一人に現地で取れた刺身の盛り合わせに、これも現地で取れたメダイの煮物、そして江の島名物の生シラス、もうひとつ名物でもあるサザエのつぼ焼き、エビフライなどなど今年もまた食べきれないほどであった。ご主人のお話では、夏場でもなかなか天気に恵まれた上にシラスもあがっている日はそうそうないとのことで、今年もそれにめぐり合ったことはやはり日頃の行いか(違う?)。

翌7日はお世話になった海上亭さんをあとにして、磯遊びに稚児が淵に向かった。その途中にあるおみやげ物屋さんのおばさんに御挨拶。昨年はたまたま店が開いてなかったので会えなかったが、いつもその店に立ち寄っていくため顔見知りになっている。子供たちが先に走っておばさんのところに行ったが覚えてくれていた。話を聞くとなんでも60年近く江の島で店をやっているそうである。ということでお年は今年で80歳だとか、全然その年には見えなかった。いろいろと江の島の昔話も聞かせていただいた。

今回、例年の行事のうち唯一できなかったのが、磯遊び。すでに台風の影響も出ていたのか、波が荒く進入禁止となってしまっていた。どおりで釣り人を見かけなかったはずである。その代わり久しぶりに、岩屋を見学した。その後に新江の島水族館に出かけた。月曜にもかかわらず本当にここも人が多い。ここが改築される前はあまり人は入っていなかった。私が生まれて初めてイルカのショーを見たのがやはり改築前の江の島水族館のマリンランドであったが、取り壊される前は、観覧席もがら空き状態。ところが改築後のイルカのショーなど事前に場所を確保しておかないと座っては見られないほどになっている。のんびりした昔もよかったが、あまり観光客が来ないのも困るのでいたし方のないところか。年間パスポートを今年は購入した。

ということで、江の島のいつもの乾物屋のおじさんのところで江の島の消防団のお話など聞きながらカワハギのほねを買った。最後に私の故郷でもある横浜市金沢区にあるレストランで食事をして帰宅した。今年も天気に恵まれ、いろいろな方とのふれあいもあり、とても良い夏休みとなった。


2006.8.9「米FOMC、利上げ見送り」

米連邦準備理事会は8日開いた米連邦公開市場委員会において、短期金利の指標であるフェデラルファンド金利の誘導目標値をこれまでの年5.25%に据え置くことを、賛成多数で決定した。反対票は0.25%の追加利上げを求めたリッチモンド連銀のラッカー総裁。また、公定歩合も現行の6.25%に据え置いた。

米連邦準備理事会は2004年6月から2006年6月にかけて0.25%刻みの利上げを17回連続で実施し、フェデラルファンド金利の誘導目標を1%から5.25%まで引き上げ。、今回この約2年に及んだ金融引き締めを休止した。これは米景気の減速懸念が強まっているためとみられる。

ただし、米連邦公開市場委員会終了後に発表した声明文には、下記のように

Nonetheless, the Committee judges that some inflation risks remain. The extent and timing of any additional firming that may be needed to address these risks will depend on the evolution of the outlook for both inflation and economic growth,as implied by incoming information

インフレ圧力が残るとも指摘していたことで、次回の9月以降の利上げ再開に含みを残したかたちとなった。


2006.8.3「米30年債四半期入札」

米財務省は10〜12月期の四半期入札計画を発表し、入札規模が前回から100億ドル増加した440億ドルになることを明らかにした。また、この計画と同時に30年物国債の入札を2006年の年2回から2007年には年4回に増やすと発表した。2007年の発行総額は2006年に予定している合計 240億ドル(約2兆7500億円)をやや上回るとの見通し。入札回数の拡大により1回当たりの発行額を抑えて市場での円滑な消化を目指す狙いとみられる。

すでに今年2月から30年物国債の入札を4年半ぶりに再開している。2月に140億ドル分の入札を実施し、8月には100億ドル程度を発行する計画となっている。2007年の入札は2、5、8、11月が予定されている(一部、日経新聞より)。


2006.8.3「福井日銀総裁、時事通信社との単独会見」

7月31日に行われた福井俊彦日銀総裁の時事通信との単独会見の内容が2日に伝わった。この中で、追加利上げの時期について「予断を持って臨んでいない」としながらも、「年内はないとまでは言っていないのが真意だ」と述べたことが伝わったが、その前に須田審議委員が7月26日の須田審議委員の会見における「年内の利上げないと決め付けるのはよくない」と発言していたこともあり、2日の債券市場への影響は限られた。しかし、年内再利上げありとの見方がこれによって再び強まってくる可能性がある。そもそも10月から11月にかけての追加利上げの可能性は当初からかなり高いと私自身は見ていたが、それはさておき、福井総裁は「職責をきちんと全うし、日銀の信認をより確かなものにしていきたい」と述べ小泉純一郎首相が退く9月以降も現職にとどまる考えを示した。金融市場関係者にも引き続き辞任すべきとの声も強いが、しっかりと適切な金融政策の運営を今後も維持していただきたいと思う。

福井総裁はゼロ金利解除を決断した理由を「いつまでも低いレベルの金利を続けた場合、今は問題なくても、将来(過剰な設備投資など)企業行動の行き過ぎを招くリスクがある」と説明した。足元のリスクよりも将来のリスクを見据えての判断であることを示したが、なんといっても異常な政策を長期に渡り取ってきた弊害も当然あることで、正常化に向けては時間もかける必要があるとともに、行うべきタイミングを逸するとむしろ今後、物価上昇圧力が強まった際などに金利の急上昇を招きかねないことも確かかと思う。今後の政策運営については「中長期的な物価安定を図りつつ、持続的な経済の回復・拡大をより確かにしていくため、フォワードルッキング(先見的)アプローチを採る」と強調したそうであるが、これはこれまでの発言の繰り返しともなっている。

市場参加者が注目している追加利上げに関しては「(経済・物価情勢が)シナリオ通りに進むのであれば、引き続き小刻みかつゆっくりと金利調整を行う」と述べたそうだが、「ゆっくりと」というのは年内は行わないということを意味しているのでないことも明らかとなった。

福井総裁は過去最高を記録した6月の鉱工業生産指数などを例示した上で、「引き続き経済は順調に推移し、息の長い成長・拡大持続の線が確認されている」との景気認識を表明。物価に関しては「(デフレに逆戻りする)リスクは薄れているし、今後もさらに薄れていく方向は間違いない」との見通しを示した。経済や物価の動きについては、日銀の展望レポートの予想した範囲内で推移しているとみられ、米経済の減速といった不安要素はあるものの、日本経済に対しては大きな落ち込みも考えられず、物価についても消費者物価の改定はあるものの、引き続き上昇基調にあるとの認識とみられる。追加利上げについても、少し様子を見るとともに、自民党総裁選終了後の10月以降に経済・物価情勢を確認の上、実施してくるものと予想している。


2006.8.2「50年国債」

「国の債務管理の在り方に関する懇談会」の資料には。50年国債に関しても大きくスペースを割いている。財務省はいずれ日本でも50年国債の発行を目指しているものと思われる。その資料を基にして海外の50年以上国債発行についてまとめてみたい。

フランスでは、オランダにおける年金基金の制度改正など年金に関する制度改革などにともなって、超長期債のニーズ増大に応えることを目的とし、2005年2月に50年固定利付債をシンジケート方式にて発行した。発行額は60億ユーロ。

イギリスでは「利払負担の軽減」を目的として、2005年5月に50年固定利付債を入札方式にて発行している。発行額は25 億ポンド(約0.53兆円)。さらに9月には50年物価連動債をシンジケート方式にて発行。その後、それぞれリオープンを行っている。また、2006年5月には40年固定利付債を入札方式にて発行しており、発行額は22.5 億ポンド。

50年以上の国債は、他にポーランドで50年債、スイスでも50年債)、中国では100年債が発行されているそうである。

現在、日本の国債の中で最長なのは30年債である。日本でも年金基金や生命保険など投資家からの超長期債へのニーズが強いものの30年国債に関しては20年債以上に投資家層が限定されている。BPIなどのインデックスを目指したパッシブ運用が主体の日本の年金運用では、30年を越すような期間の長い国債へのニーズは限定される。欧米でも徐々に制度改正が進んでいるように、日本も本来ならば負債と資産のデュレーションのミスマッチを解消すべきと思われるが制度上の問題も残る。

いずれ日本においても、50年債発行の機運が高まるようなことがあれば、50年ではなく60年債の発行が望ましいとも思われる。なんといっても国債には60年償還ルールがあるため、60年国債ならば借換債の発行をしなくてもすむためである。しかし、その前に30年国債の流通市場を整備するのが先決かとも思われる。


2006.8.1「国債等所有者別残高の各国比較」

財務省のホームページにアップされていた「国債等所有者別残高の各国比較」を元にして、それぞれの国ごとの国債保有者の特色を整理してみたい。

比較するのは日本(2006年3月末)、アメリカ(2005年9月末)、イギリス(2005年12月末)、ドイツ(2005年9月末)、フランス(2004年12月末)。財務省の資料(http://www.mof.go.jp/singikai/kokusai/top3.htm)ではアメリカについては非市場性国債を除く部分も掲載されているが、ここでは非市場性国債も含めてのもので比較したい。

政府の割合、日(42.5%)、米(49.4%)、英(0.1%)、独(0.0%)、仏(1.2%)

中央銀行の割合、日(13.0%)、米(9.3%)、英(2.5%)、独(0.3%)、仏(0.1%)

金融機関の割合、日(34.1%)、米(8.7%)、英(63.1%)、独(35.7%)、仏(66.4%)

海外の割合、日(4.6%)、米(26.1%)、英(26.6%)、独(46.3%)、仏(29.3%)

個人とその他の割合、日(5.8%)、米(6.5%)、英(7.7%)、独(17.7%)、仏(0.6%)

これを見てもわかるようにも日本国債の特色は、政府と日銀で半分以上の割合を占めており、それに金融機関を加えて9割近い比率となっているという点である。政府保有については欧州3か国はわずかにすぎず、その代わりに金融機関や海外投資家の比率が高くなっている。非市場性国債を加えたものでは米国は政府所有が半分近くを占めている。ただし、日本の政府保有分には、当然ながら郵貯や簡保の保有分も入っている。郵政民営化にともないその分はいずれ民間金融機関分に振り返られる。

海外の割合を見るとドイツでは半分近くを占めているが、特にユーロがスタートしてからはより積極的に海外投資家の比率を伸ばす努力をしているようである。むろん日本もIR活動を積極的に実施しているものの、なかなか海外投資家の比率が伸びていないのは、国内資金で賄えてしまうという要因も大きい。また税制面での改善は進んでいるものの海外投資家にとってはまだ日本国債を買いにくいといった事情もあるようである。欧州勢は政府の割合が少ないが、米国の場合は非市場性国債を含んだものとなっているために年金などの保有分が多いことで政府所有が高くなっている。非市場性国債を除くと政府保有比率は13.9%となっている。


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