「若き知」
「過去データは一番下に移行しました」


2006.12.29「本年もたいへんお世話になりました」

今年もたいへんお世話になりました。おかげさまで今年は久しぶりに本を出すことができました。しかも2冊も。まだお買い求めいただいていない方はぜひ年末年始の休みにでも読んでいただけるとうれしいです。ちなみにこの2冊とは「最新金融の基本とカラクリがよ〜くわかる本」と「投資信託と個人向け国債がよ〜くわかる本」です。

といった宣伝はさておき、今年、日銀は量的緩和解除を実施しゼロ金利も解除しました。税収も大きく増加するなど日本経済が正常化しつつあることも明確化してきました。景気回復は緩やかともなり、あまり私たちにとって実感はわかないものの、その分息の長いものとなっているようです。この状況は日本ばかりでなく欧米諸国も同様かと思います。来年もこの基調が維持されれば、長期金利の急上昇といったものも避けられ、債券相場も引き続き比較的安定した状態が続くものとみています。

自分にとっての今年のテーマのひとつが体調管理でした。ここにきてその成果も出てきたのか、だいぶ体調も良くなってきました。もう少しスポーツなどもして、来年はさらに元気さも加えなければと思っています。まるで日本経済と同じような状況ですね。来年はもう少し外に出て多くの方との交流も復活させたいとも考えています。

来年も景気が明るい状態が続き、皆様方にとりましても明るい年になりますようお祈り申し上げます。来年も引き続きこの「若き知」ともどもよろしくお願いいたします。


2006.12.28「11月鉱工業生産速報値も追加利上げにフォローか」

朝方発表された11月鉱工業生産速報値は前月比+0.7%と予想の平均(+1.0%近辺)は下回ったものの、好調だった10月に続いて2か月プラスとなり、生産指数は過去最高を更新した。生産を押し上げたのは自動車などの輸送機械工業や電子部品、そしてゲーム機などのその他工業。そしてこちらも注目された消費財出荷については耐久財が+4.2%、非耐久財が+2.5%と堅調なものとなった。設備投資関連として注目される資本財出荷も+0.5%とプラスを維持、在庫も1.4%kの上昇だったが、こちらも意図せざる在庫積みあがりとは一概には決められないと経済産業省からのコメントがあった。日銀の追加利上げに向けて、この11月鉱工業生産はどちらかといえばフォローとも受け取れる内容と言えよう。先行きについては12月の生産予測は+0.7%、1月は-0.8%と発表された。


2006.12.27「1月利上げ観測が再浮上」

昨日発表された11月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比+0.2%と市場予想通りの数字となり、1月の全世帯の家計調査によると物価変動の影響を除いた実質で前年同月比-0.7%となった。11月の全国消費者物価指数においては、昨年11月の携帯電話料金値下げの影響が一巡したことによる押し上げ効果による影響などもある。日銀が注目しているとみられるコアコアとも呼ばれる、酒類を除く食料・及びエネルギーを除くベースでは0.2%の下落であったが、ここにきて回復傾向とが顕著になっていたことも確かではある。

市場ではこのCPIなどを受けても1月の追加利上げ観測といったものは強まらず、むしろこの数字だけでは利上げは難しいとの認識も強まっていた。しかし、時事通信は「日銀が来年1月17、18両日に開く政策委員会・金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物の誘導目標を年0.25%から0.50%に引き上げる案が26日、議題に上る見通しとなった」とも伝えていた。

1月の決定会合で利上げが議長提案されれば、そのまま決定される可能性は強い。しかし、この記事には「議題に上る」とある。これまでの会合でも追加利上げに関しては議題には上っていた可能性は十分にある。10年後発表される議事録を確認すればそれも明らかになろう。そして時事は「金融・証券市場で不測の事態などが起きた場合、2月以降に先送りされる可能性もある」ともしている。今後発表される経済指標などの状況によってはではなく「金融・証券市場で不測の事態などが起きた場合」としているのはそれだけ利上げに前向きとなっているということと取れなくもないが。

会見にて「追加利上げに確信もてるまで今後の情報を丹念に点検」と福井日銀総裁はコメントしていた。この点検をする以上は、もう少しデータの確認も必要となり、1月では難しいのではないかと見ていた。仮に1月に利上げするとして、なぜ12月ができなくて1月ならば可能なのかといった部分も含めて、日銀の動向といったものを今後さらに注視していく必要がありそうである。そして明日の11月鉱工業生産速報などを含めて、1月利上げが可能なのかどうか、市場も丹念に見極めていくものと思われる。


2006.12.26「CPIと家計調査」

本日発表された11月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比+0.2%と市場予想通りの数字となった。6か月連続のプラスでとなり上昇幅は前月より0.1ポイント拡大したが、これは昨年11月の携帯電話料金値下げの影響が一巡したことによる押し上げ効果による影響などによるものとみられる。

11月の全世帯の家計調査によると物価変動の影響を除いた実質で前年同月比-0.7%となった。前年比でみたマイナスは11カ月連続だが、薄型テレビや電気洗濯機などの購入が増えたことで、季節調整した実質消費支出指数は前月比で2か月連続プラスとなった。


2006.12.26「平成19年度予算の財務省における説明会」

昨日、初めて財務省における予算の説明会に出席した。この日は主に学識経験者やシンクタンクなどのエコノミストなどを対象とした説明会であり、吉野直行慶應義塾大学教授、深尾光洋慶應義塾大学教授などのお姿を拝見した。

平成19年度の予算については、すでにマスコミなどでも詳しく報じられているが、新規公債の発行が抑えられ過去最大の4.5兆円の減額となっており、プライマリーバランスも大きく赤字幅が減少している。ただし、プライマリーバランスの赤字幅の縮小は、今年度の当初予算からは6.8兆円ではあるが、補正後の数字からみると4.2兆円となっているとともに、この縮小幅には大幅に税収増に加えて定率減税の廃止などで1兆1千億円の税収増となるなどやや特殊要因も働いている。このため、このペースで今後もプライマリーバランスが改善していくとは予測しにくいとの説明もあった。それでも今後もこの財政構造改革の方針を貫いていけば、2011年度よりも前倒しで黒字化される可能性はあるのではないかとも思う。

これはプライマリーバランスに直接影響するものではないが、地方交付税特別会計の借入金のうちの国の負担分を一般会計で返済する点についても興味深い。来年度から地方交付税特別会計の借入金のうち、18.7兆円の国の負担分を一般会計で返済することとなり、2007年度の国債費はこの返済分を加えることで、+11.9%の20兆9988億円に膨らむ。配付された資料によると、詳しくは「交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金(国庫負担)の継承に伴う増(20773億円、うち債務償還費17322億円)」となる。この分は一般歳出が今年度比3兆2228億円増の46兆9784億円と、3年ぶりに前年度当初予算を上回ったことのひとつの要因ともなっている。

これについては12月17日の毎日新聞が次のように報じている。「地方交付税交付金を管理する交付税特会は、バブル崩壊後の税収減で、地方の歳出を賄うだけの交付税額を確保できず、1994年度以降、民間などからの借り入れで穴埋めしていた。景気回復による税収増を借金減らしに充てる方針を明確にするため、一般会計での処理に踏み切る。」

すでに交付税特会の債務残高は2006年度末で約53兆円に達する見通しとなっているようである。このうち国が約19兆円の返済義務を負っている。今年度までは返済を先送りしていたが、来年度から一般会計に借金を継承し返済を先送りしない姿勢を示すものとみられる。気になったのが毎年度ごとの返済額だが、現在のところ今後については未定と毎日は報じているが、30年間で均等償還されるのではないともみられている。ちなみに交付税特会の既存の特会借入における地方負担分についても今年度度補正予算で約5千億円、平成19年度年度当初予算で約6千億円を償還する予定だとか。

今後の交付税特会の債務の国の負担分の返済動向などを含めて、質問させていただこうと思っていたのだが、何せ初めて参加し、なんといっても自分の勉強不足もあり結局、質問はできなかった。しかし、末席に参加させていただき説明を受けただけでもたいへん勉強になった。厚い資料も頂戴し、国に財政についてさらに勉強したい。とりあえず今回の説明会でのお話を聞いて、当分の間は「日本国債は危なくない」だろうことは確信した。


2006.12.25「物価連動債と30年債の発行方式を変更」

財務省が物価連動債と30年債の発行方式を変更することを発表した。リオープンによる発行が原則となり、物価連動債は2007年2月から、30年債は2007年7月から実施される。そして30年債は2007年4月から入札方式が価格コンベンショナル方式に変更される(ロイター)


2006.12.25「2007年度政府予算案」

24日の臨時閣議おいて2007年度の政府予算案が決定された、一般会計総額は2年ぶりの増加となり前年度比+4.0%の82兆9088億円となる。このうち景気の回復に伴う税収増と、定率減税の廃止などで1兆1千億円の税収増により税収は同+16.5%の53兆4670億円を見込んでいる。これにより、新規財源債の発行額は同-15.2%となった。この税収の増加額と国債発行の減額幅はともに過去最大となるとか。

新規財源債の発行額25兆4320億円とは赤字国債と建設国債の合計でもあるが、赤字国債、建設国債ともに3年連続での減少となった。このうち赤字国債は前年度当初予算比-17.5%の20兆2010億円。これは2001年度当初予算の19兆5千億円以来の低水準になる。建設国債も-4.6%の5兆2310億円と、こちらは1977年度当初予算の4兆4300億円以来30年ぶりの低水準となったとか。

国債の利払い費は2007年度の長期金利の平均を前年度分より+0.3%の2.3%と想定。前年度比+1兆6千億円増の9兆5千億円を見込む。地方交付税特別会計の借入金のうち、国の負担分を一般会計で返済することとなり、2007年度の国債費はこの返済分を加えて同+11.9%の20兆9988億円に膨らむ。一般歳出は同+1.3%の46兆9784億円で、3年ぶりに前年度当初予算を上回った。

プライマリーバランスは4兆4千億円と赤字幅は前年度に比べ6兆8千億円も縮小。しかし、国債の残高は膨らむ結果、2007年度末の国債残高は547兆円に達する見通しとなっている。さらに国と地方を合わせた長期債務残高は2007年度末には773兆円に達する見通しとなり、対GDP比は148.1%とGDPの約1.5倍となる。


2006.12.22「プライマリーバランス」

平成19年度の財務省原案における資料の中に「我が国の財政事情」というものがある。この中のプライマリーバランスの推移を見てみると、当初予算もしくは決算での数値は2003年度を底にして改善傾向になっていることが伺える。2003年度におけるプライマリーバランスは当初で19.6兆円、決算で19.8兆円の赤字であった。私が「日本国債は危なくない」(文春新書)を出したのが2002年の9月20日の10年国債の札割れの日であった。国債は危なくないとはしていたが、それでもプライマリーバランスを今後黒字化するのはかなり困難ではないかというのが当時の本音であった。実際にはその翌年度が結局最悪期となり、それ以降は改善し、来年度の当初予算では4.4兆円の赤字にまで縮小する。こうなれば黒字化は2011年を待たずに可能になる可能性が強まってきた。景気回復による税収増といったものにも助けられてはいるだろうが、財政構造改革を推し進めてきた政府の働きによるところも大きいはずである。まずはプライマリーバランスを黒字化して、さらに政府債務の削減に向けての努力をさらに推し進めていただきたい。


2006.12.21「iPAQ rx4240 Mobile Media Companion」

以前ここで書いていたHPのPDA、「iPAQ rx4240 Mobile Media Companion」を購入した。3万円割れのキャンペーン価格で購入することができたが、PDAを購入したのはG-FORT以来となる。

購入条件としては、ワードが使えて移動中に原稿書き、もしくは原稿修正が可能なこと。つくばエクスプレス(TX)での無線LANが使用できること。音楽や動画も楽しめること。可能な限り小型軽量なものであり、金額もできれば3万円を割れること。ただし、メールや通話機能はいらない。まさにrx4240がこの条件に適していた。

試しに「日本国債は危なくない」の元原稿(本の原稿の約2倍ある)も問題なくワードで開くことができた。無理にワードにせずともフリーソフトなどを使えばテキストファイルでの修正が可能となる。無線LANについては、まだTXには申し込みはしていないが、家では問題なく接続できた。

TXの無線LANに申し込めば、画面は小さいものの、通勤時間中でもホームページの更新や、ネットでの調べものといったことも可能となる。TXは都心などでトンネルも多く、携帯電話もかかりにくいが、車内での無線LANは途切れることはない。

音楽再生や動画の再生も、WMPが利用できるためかなりの種類のものが利用可能となっている。早速、先日の嬬恋コンサートの影響で購入した「かぐや姫」のベスト版を聞いている。聞きながらワードを使ったり付属のゲームもできたりする。

PDAは一時衰退の危機にあった。しかし、ここにきてPHSがついているがW-ZERO3の売れ行きが好調となっていることで、Microsoft(R) Windows Mobile(TM) 5.0で利用できるフリーソフトなどもだいぶ充実してきている。ノートパソコンを持ち歩くにはさすがにかさ張る上に重いが、このPDAならば携帯電話程度の容積と重さで済む。rx4240は入力がキーボードではなくDSのタッチペンみたいな方式であるため、ちょっと使いづらい面もあるが、本格的な作業というよりも補助的な作業と考えれば問題はない。

以前使っていたPDAに比べてCPUのクロック数も高くなっているとともに、ソフトもしっかりしていることで、作業も思ったよりもサクサクできる。ただ問題は、せっかく通勤途中でも原稿を書ける体制を整えたものの、肝心の書くための原稿がないような気も・・・。


2006.12.20「2007年度国債発行計画」

2007年度の国債発行総額は143兆8380億円(21兆5971億円減)となる。新規財源債発行額は25兆4320億円(4兆5410億円減)に抑制され、借換債の発行額は99兆8060億円(8兆4561億円減)となる。財投の原資を調達する財投債は18兆6000億円(8兆6000億円減)となり、経過措置分が15兆2000億円(4兆1000億円減)、市中発行分は12兆円(変らず)となる。これにより、新規財源債と借換債、財投債の合計で上記のように143兆8380億円となる。

ここから市中消化の分を算出するためには、このうち日銀、郵便貯金、年金など公的部門の引き受け額と個人向け国債の発行額を差し引く。公的部門の引き受け額は、17兆2560億円(14兆5014億円減)。日銀乗り換えの総額は9兆6560億円(6兆9014億円減)、財政融資資金乗換はなし。財投債の経過措置分が7兆6000億円。この経過措置分の内訳は郵貯5兆5000億円、年金1兆6000億円、簡保5000億円。

個人向け販売分は8兆1500億円(6500億円増)となり、内訳は個人向け国債の販売分6兆3300億円(1兆0300億円増)、国債の窓販部分は1兆8200億円(3800億円減)。

国債市中消化額=新規財源債+借換債+財投債−公的引受(日銀乗換+財投債の経過措置分)-個人向け販売分

118.4320=25.4320+99.8060+18.6-(9.6560+7.6)-8.15

上記の国債市中消化額118兆4320兆円から前倒し債発行減額による調整分の6兆2460億円と第2非競争入札分の2兆5860億円を減額することにより、来年度の国債市中発行額はカレンダーベースで109兆6000億円となる。

カレンダーベースの市中消化額=国債市中消化額-前倒し債発行減額による調整分-第2非競争入札分

109.6000=118.4320-6.2460-2.5860

来年度国債市中消化額の年限別発行額ではTB6か月物が6兆円、15年変動利付国債は3兆8000億円の減額となる。ほかの銘柄では減額がなく、横ばいか今年度中に増やしたペースを維持し自然増となる。
来年度国債市中消化額の年限別発行額は下記の通りとなる。
TB1年 16.8兆円 1.4兆円×年12回
TB6カ月 6兆円 2.0兆円×年3回
10年物価連動債 3.0兆円 0.5兆円×年6回
15年変動利付債 4兆円 1兆円×年4回
2年債 20.4兆円 1.7兆円×年12回
5年債 24.0兆円 2.0兆円×年12回
10年債 22.8兆円 1.9兆円×年12回
20年債  9.6兆円 0.8兆円×年12回
30年債 2.4兆円 0.6兆円×年4回
流動性供給入札 0.6兆円 0.1兆円×年6回

カレンダーベース市中発行額の平均年限は7年(今年度比+2か月)
40年の超長期債等、新たな年限の国債について、市場のニーズに応じ、適切な条件で、機動的に発行できる体制を整備する。
買入消却は、平成19年度は約1兆8,000億円実施する予定である。
金利スワップ取引は、想定元本ベースで、平成19年度は1兆8,000億円を上限とする。
19年度における前倒し債発行限度額は20兆円とする。


2006.12.20「2007年度予算、財務省原案」

2007年度予算の財務省原案が内示された。新規財源債は25兆4320億円と前年度比過去最大4.5兆円の減額となり、国債依存度は30.7%に改善した。一般会計の総額は82兆9088億円、一般歳出は46兆9784億円。税収は53兆4670億円。国債費は20兆9988億円。想定金利は2.3%。基礎的財政収支は4.4兆円の赤字。2006年度補正予算総額は3兆7723億円、国債発行を2.5兆円減額。2007年度の国債市中消化額は109.6兆円。


2006.12.19「年内利上げは見送り」

日銀は18日の金融政策決定会合において現行の金融政策を維持することを全員一致で決定した。福井日銀総裁は会合後の会見において「フォワードルッキングながらも足元の経済物価情勢を無視できない」と発言した。個人消費や消費者物価などに関して、弱めの指標が出ていたことなどから今回の追加利上げは見送られたものとみられる。

12月8日に発表された7-9月期GDPの二次速報においては民間消費が-0.7%から-0.9%にさらに下方修正されるなど個人消費は弱含んでおり、また10月全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年比+0.1%と予想の平均+0.2%を下回っていた。18日に発表された12月日銀金融経済月報でも足元消費は「やや伸び悩みつつ増加基調」と判断が下方修正されている。

1月の利上げに関しても引き続き総裁は「予断をもって臨まず」との姿勢を継続している。「日本経済はゆっくり分析する時間を与えてくれている」「追加利上げに確信もてるまで今後の情報を丹念に点検」とも総裁は発言しているが、仮に1月の17日から18日の金融政策決定会合にて追加利上げが可能となるには、それまでに発表される指標、特に消費や物価に関する指標の確認が必要となる。もちろん設備投資の落ち込みなどがあっても利上げは難しくなる。

今後発表される経済指標で注目されるものは、12月26日に発表される11月の全国消費者物価指数、11月家計調査(実質消費支出、全世帯)がある。さらに12月27日は11月商業販売統計速報、27日には11月の自動車販売台数や新設住宅着工件数なども発表予定となっている。12月28日には11月鉱工業生産の速報値が発表されるが特に消費財出荷などに注意が必要となろう。28日には他に11月勤労統計も発表される。1月に入り12日に景気ウォッチャー調査、そして15日には11月の機械受注の発表もある。16日の企業物価統計なども注意が必要かもしれない。これらの数字の多くが、ある程度強い数字とならなければ1月18日の利上げも難しくなる。

総裁の会見内容などからも、これまでとはやや様相が変わり、かなり慎重な対応となっているかに伺える。政府内部からも今回の決定会合における利上げを反対する声も出ていたが、それとともに財界からも北城同友会代表幹事による「日銀が決定会合で金利上げなかったのは適切な判断」といったコメントなどを見てもわかるように、慎重な対応を求められていた。追加利上げを実施するためには「生産・所得・支出の好循環」(福井総裁)を支援しうる、かなりしっかりした経済指標といったものも必要となろう。

このため、現在のところ1月18日の追加利上げに関しても、可能性はやや後退しつつあると見ざるを得ない。11月の消費などが急回復してくる可能性は強くないとみられ、回復基調を確認するには12月の数字といったものの点検も必要になるのではないかと思われる。


2006.12.19「2006年9月末現在の国債保有者別残高(レポート原稿)」

12月18日に2006年7〜9月資金循環勘定速報が日銀から発表された。これによると9月末時点の家計の金融資産は1495兆0139億円となり、1500兆円を今回も下回った。この家計のうち国債は30兆0439億円と順調に増加しており、株式は106兆5053億円(6月末111兆3652億円)と6月比減少となった。9月末の日経平均は16172円58銭であり、6月末の15505円18銭よりも上昇していたが、この期間、個人は株式投資には慎重となっていたことが伺える。また、投資信託は59兆6818億円となり6月末の55兆7576億円よりも増加となった。

この資金循環勘定速報をもとにして、2006年9月末現在日本における国債所有別内訳を算出してみた。全体では2006年9月末の国債残高(時価ベース)は675兆0991億円となり、6月末に比べて15兆9855億円の増加となった。

保有者別で最も残存が大きかったのは6月末に続いて郵便貯金となっている。金額は133兆6929億円で19.8%のシェア、6月末に比べて6兆3533億円の増加である。 続くのが銀行主体の民間預金取扱機関で122兆0007億円。シェアは18.1%、こちらも6月末に比べて6兆5971億円の増加となっている。7月にゼロ金利政策が解除されたが、利上げにむけて買い手控えていた銀行などが、利上げ後にむしろ積極的に国債を買っていた様子がこれからも伺える。

民間の保険年金は85兆7023億円、シェア12.7%、2兆3312億円増。日本銀行は77兆0300億円、11.4%、引き続き残高は2兆1441億円もの減少となっている。簡易保険、59兆7575億円、8.9%、2兆3984億円の増加。公的年金、58兆0306億円、8.6%、1兆7634億円減。

そして海外は34兆4465億円、5.1%、こちらは1兆1863億円の減となった。ゼロ金利解除が意識されてやや投資を手控えたのであろうか。続く財政融資資金が31兆5309億円、4.7%、2兆8467億円の減。

家計は前述のように30兆0435億円と30兆円を突破し、シェアも4.5%に上昇している。残高は6月比2兆1537億円の増。7月発行の個人向け国債が2兆円を超した影響が大きい。

投信など金融仲介機関が22兆6524億円、3.4%、4兆3173億円増加。その他、20兆2118億円、3.0%、2250億円減となっている。


2006.12.18「デジカメプリントの完全無料サービス」

ラジオで聞いて知ったのだが、たぶん世界初と思われるデジカメプリントの完全無料サービスが日本で開始されていた。プリント代、郵送代も取られない。もちろん営利企業が行っているもので、そのプリントには下半分に広告、もしくは小さな会社ロゴ入りとなる。また、一回にプリントできるのは30枚までとなり、一月にプリントを頼める回数も2回までとの制限もある。それでもパソコンの中に置きっぱなしのデジカメ写真を無料ならばプリントしてみようとのニーズはありそう。送り先を変えることもできるとか。関心のある方はこちらプリアさんのホームページでご確認ください。


2006.12.18「2006年9月末現在の国債保有者別残高」

2006年7〜9月資金循環勘定速報が日銀から発表された。このうち家計の金融資産は1495兆0139億円だが、この家計のうち国債は30兆0439億円(6月末27兆8898億円)、株式106兆5053億円(6月末111兆3652億円)、投資信託は59兆6818億円(6月末55兆7576億円)となった。6月末の日経平均は15505円18銭、9月末は16172円58銭。

今回もこの資金循環勘定速報をもとに 2006年9月末現在日本における国債所有別内訳を算出してみた。民間預金取扱機関、郵貯、そして投信など金融仲介機関などが増加している。

2006年9月末の国債残高と、そして全体に占めるシェア、2006年6月末比(億円)

合計 、675兆0991億円、100.0%、15兆9855億円増

郵便貯金、133兆6929億円、19.8%、6兆3533億円増
民間預金取扱機関、122兆0007億円、18.1%、6兆5971億円増
民間の保険年金、85兆7023億円、12.7%、2兆3312億円増
日本銀行、77兆0300億円、11.4%、2兆1441億円減
簡易保険、59兆7575億円、8.9%、2兆3984億円増
公的年金、58兆0306億円、8.6%、1兆7634億円減
海外、34兆4465億円、5.1%、1兆1863億円減
財政融資資金、31兆5309億円、4.7%、2兆8467億円減
家計、30兆0435億円、4.5%、2兆1537億円増
投信など金融仲介機関、22兆6524億円、3.4%、4兆3173億円増
その他、20兆2118億円、3.0%、2250億円減

参考までに自分で集計を始めてからの、日銀資金循環統計を元にした国債残高の推移は下記のようになっている。一番右の数値は前回比である。(単位、億円)

2002年09月末、5,045,257
2002年12月末、5,228,730、183,473
2003年03月末、5,384,464、155,734
2003年06月末、5,441,370、56,906
2003年09月末、5,437,060、-4,310
2003年12月末、5,545,297、108,237
2004年03月末、5,699,256、153,959
2004年06月末、5,759,771、60,515
2004年09月末、5,993,527、233,756
2004年12月末、6,197,909、204,382
2005年03月末、6,424,669、226,760
2005年06月末、6,613,991、189,322
2005年09月末、6,591,695、-22,296
2005年12月末、6,718,823、127,128
2006年03月末、6,670,712、-48,111
2006年06月末、6,591,136、-79,576
2006年09月末、6,750,991、+159,855

(なお上記は、私がエクセルで資金循環勘定速報をもとに再集計したものであり、数値のチェックはしているものの、一部入力ミスしている可能性が皆無とはいえないため、使われる際には、ご注意ください。)


2006.12.18「兎の日」

つくば市で農業を営んでいる伯父がいる。年末は毎年、餅つきをして、その一部を我が家でもいただいている。昨日、所用でその伯父に会って話しをしていた際に、今年の12月28日は20年ぶりぐらいに「兎の日」に当たる為に、28日を避けて27日に餅をつくそうである。毎年28日ごろに餅をもらっていたことは記憶していたが、そもそも餅つきの日が決められており、それをしっかり守っていたことに驚く。それとともに「兎の日」は避けるという風習があったことを初めて知った。由来はもしや、お月様に関連するのかと聞いたら、伯父の返事は、やはり月でウサギが餅をついているからだとか。もしかすると別途由来があったのかもしれないが、なかなか風流な言い伝えである。つくばエクスプレスも開通し研究機関も多く立ち並ぶこの土地にも、こういった伝統がひっそりと受け継がれていた。


2006.12.18「2007年度予算の財務省原案」

財務省は17日、2007年度予算の財務省原案の大枠を固めたと読売新聞などが報じている。正式の発表は20日の予定、この日に2007年度の国債発行計画も発表される見通しである。一般会計の総額は今年度当初予算の79.7兆円より2兆円以上多い82兆円台半ばとする方針で、 一般会計の増額と総額が80兆円を超すのは、2年ぶりとなる。 一般歳出は47兆円台前半で、こちらは3年ぶりの増加となる。ちなみに国債費は、前年度より1兆円程度多い20兆円程度を見込んでいるようである。歳入では税収見通しを前年度より7.5兆円程度も多い53.5兆円程度とする見込み。この増額幅は1990年度の7兆円を超え過去最大となるとか。 新規財源債発行額は過去最大の減額を行うことが首相から指示されており、25.5兆円以下に抑制される見込みとなっている。

また、本日の日経新聞が伝えたところによると2007年度の予算編成に関連し、財政投融資計画は総額で今年度から1兆円程度減らし14兆円前後にする見込みのようである。15兆円を割り込むのは1978年度以来の実に29年ぶりになるとか。これまでの分も含めた残高では来年度末は1年前に比べて1割減の250兆円程度の見込みでこちらは1991年以来の16年ぶりに低い水準となるようである。


2006.12.15「12月の日銀短観」

発表された12月調査の日銀短観では、大企業製造業・業況判断DIは+25とほぼ予想通りの数値となった。同3月予測も+22とこちらもほぼ予想の範囲内とみられる。大企業非製造業・業況判断DIは+22となり、これは1991年11月以来の高い水準となった。さらに中小製造業・業況判断DIも+10となりこちらも1991年8月以来の水準となった。2006年度大企業全産業の設備投資計画は前年度比+12.4%、中小企業全産業の設備投資計画は前年度比+5.1%。全規模全産業は1992年8月以来の人手不足となるなど、総じて短観はしっかりした内容。


2006.12.15「2007年の債券相場予想」

一週間先の相場も読めないにも関わらず、1年先の相場など見通すこと自体に無理があると思うが、年末恒例でもあり現時点における2007年の債券相場について予想してみたい。

金利形成に最も影響があるとみられる景気や物価の見通しについては、日銀や政府が出しているような数字に近いものになるのではないかとみている。政府は来年度の実質経済成長率を2.0%、名目成長率を2.1から2.2%で調整する方向で調整に入ったとマスコミは伝えている。日銀が10月に発表した経済・物価情勢の展望によると2007年度の実質経済成長率は2.1%の予想(政策委員の見通しの中央値)となっている。2007年1〜3月の急激な景気の落ち込みの可能性は少ないとも見られることで、2007年度ではなく2007年でみても実質経済成長率は2%近辺かとも予想される。

海外情勢など不透明な部分もあるが、米国経済はソフトランディングシナリオをメーンとし、中国経済も少なくとも2008年の北京オリンピックまでは高成長が続くとも予想している。ユーロ圏経済についても、さすがに2006年が高成長であったことから2007年は減速の可能性はあるものの2%程度の成長は維持されるとみられる。

物価についても日銀の10月に発表した経済・物価情勢の展望による数字に近いものではないかとみている。消費者物価指数(除く生鮮食料)は前年同月比で+0.5%が政策委員の見通しの中央値である。

原油価格の落ち着きもあって、ここにきて消費者物価指数(除く生鮮食料)はやや頭打ちともなっているが、景気拡大が続くとの前提に立てばここから再びゼロ以下に落ち込むことは考えづらい。そうかといって急激な物価上昇といったことも現在の経済を取り巻く環境からは考えづらいことも確かである。今年もあれだけ原油価格が急騰したにも関わらず物価は落ち着いていた。

債券の需給面としては、やはり発行額が大規模な国債の影響が大きいが、国債の市中消化額は来年度は110兆円近辺と予想されており、今年度の補正予算後の市中消化額を下回る可能性が高いことで問題はない。すでに日本国債を暴落を訴えるような声もほとんど聞かれなくなったが、安倍内閣も財政構造改革を進めており、国債の信任も引き続き維持されていくものとも見ている。

政治や社会情勢などに関するイベントとしては、夏の参院選挙がある。安倍内閣の支持率を上げるには旧来型のバラマキでは逆効果であり、どれだけ財政構造改革を進められるかにかかっているとみられ、あまり景気浮揚策ばかり意識するとむしろ国民からの支持は受けないであろう。

日銀の金融政策の行方も大きなの焦点になる。追加利上げに関しては1回もしくは、物価などが予想よりも上昇基調に転じるなどした際にはもう一回程度実施してくる可能性があるとみている。

このような状況下、2006年は10年債利回りの2.0%が大きな壁と意識されたが、2007年も同様とみられ、長期金利は1.5%あたりから2.0%あたりのレンジ内での動きとなるものと予想しているが、上記の前提が何かしらのきっかけで崩れることは十分に考えられる。


2006.12.14「2007年度の国債市中消化額は110兆円も割り込む可能性」

ロイターによると、2007年度のカレンダーベースの国債の市中消化額が110兆円を割れる可能性があるようである。12月8日の第14回国債市場特別参加者会合における財務省の2007年度の国債発行計画に関する検討状況をもとにしての推測では、2007年度のカレンダーベースでの市中消化額は111.6兆円程度とみられる。しかし、交付税を含めた最終的な予算案の決着次第ではTB6か月のFBへの振り替えが2007年度にもう一回実施される可能性が選択肢としてあるようで、そうなれば2007年度の国債市中消化額は110兆円も割り込む可能性がある。いずれにしても来年度の国債発行計画は来週中にも発表される見込みである。


2006.12.14「勘は経験の蓄積なり」

本日の日経新聞のコラムで、野球評論家の豊田泰光氏は、勘とは経験の集積であることをコラムで書かれていた。野球という世界でも生き残っていくためには人より優れた専門技術とともに経験を通じて養われた確かな勘が必要であることは確かなのであろう。ただし、プロ野球選手とか校長先生のように現場のプロの中で、もまれながらも、自らの立場を築き上げるために必要なものがこの経験に裏付けられた勘であると思う。プロ野球選手の中でも、そういった経験に裏付けられたものではなく天性の勘を持った長島選手のような存在もいる。

これは相場とか投資の世界でも同様である。一般人で投資で損をせずにある程度の利益を蓄積させていくために必要なのが、経験とそれに基づいた勘である。私も債券ディーラーになりたての頃は、日々試行錯誤の連続で、当初は大きく損失も出したりしていた。ビリピリと神経を張り詰めながら、必死で値段の動きを追って、売買を実際に行った上で、損を出したり利益を出したりしているうちに勘が養われてきたのである。ある程度の勘が得られれば、大儲けといったことは難しくてもこつこつと儲けることは可能である。これが14年間ディーラーとしてやってきたことの結論でもある。

そしてまた、投資の世界にもやはり長島選手のごとく、天性の勘が備わった者も数は少ないが存在していることも確かである。そういった彼らはひっそりと売買を繰り返し巨額の利益を継続して得ているが、マスコミなどにもほとんど登場してはいないし、本なども書いてはいない。別にマスコミで顔を売らなくても、自らの裁量で巨額の利益が得られるのであり、それ以前に彼らは相場が開いている時間はそれこそ画面に張り付いていなければならない。

どの世界にも天才は存在する。しかし、たぶん多くの人は残念ながら自らの才能を開花させる場所にいないことで、努力とともに経験によって必要な勘を得ることで、その専門分野で力をそこそこ発揮できるようになる。しかし、経験を無視してマニュアルやコンピュータのデータなどを重視して経験に変えようとしても、そこには得られる情報があまりに少ないため、平時の対処はできるが肝心の異常時の対応ができなくなってしまうため、結果を出すためにはあまりというかほとんど参考にはならない。

野球選手も債券ディーラーも、試合や相場の中で、コンピューターなどでは処理しきれないほどの情報を脳が得て、それから結果を出そうとしているのである。それは相手のピッチャーのデータや、前日の値動きなどだけではなく、その場の選手や監督の事情、投資家の事情、観客の雰囲気、相場の地合、試合の時期、相場への季節的な影響、など計り知れないもの、というよりそれぞれを数値化することも難しいものの中にあって流れを読むことで結果が求められる。経験を積み上げることによって、状況が異なった中にあっても、過去に似たような状況がたとえば価格の変化として見えたり、球種が読めたりすることによってそこに勘が働く。そしてこの経験に裏打ちされた勘によって、大きな失敗を避けることもでき、また波に乗ることも可能となることで、まさに生き残れるのである。


2006.12.13「2006年の債券相場を振り返る」

2006年の債券相場を振り返る上で、最大のトピックスと言えたのは日銀による量的緩和政策の解除とその後のゼロ金利政策の解除であろう。2006年に入り日本の景気自体は次第に回復基調が顕著となっていたが、物価を示す指標のひとつ消費者物価指数はなかなかプラスには転じてこなかった。それでも2005年10月の消費者物価指数(生鮮食料品を除く)は前年同月比ゼロ、11月同+ 0.1%、12月も+0.1%、そして3月3日に発表された20061月分も+0.5%と1998年3月以来の高い伸びとなってきたことから、2006年3月9日の日銀金融政策決定会合において、日銀は2001年3月から5年あまりにわたって続けた量的緩和政策の解除を決定した。

さらに2006年7月14日に開かれた日銀金融政策決定会合において、無担保コール翌時物金利の誘導目標をゼロに抑え込む「ゼロ金利政策」も解除され、これにより無担保コール翌時物金利の誘導目標は0.25%に引き上げられた。日銀による政策金利の引き上げは2000年8月以来となった。

10年債の利回りは1月には1.4%台となっていたが、日銀の量的緩和解除の可能性が高まってきたことから大手銀行などが中短期主体に売り圧力を強めたものとみられ、ほぼ一貫して利回りは上昇し続けた。量的緩和解除後も利回りは上昇を続け、4月18日に10年国債の利回りは2%ちょうどをつけてきた。長期金利が最後に2%台をつけていたのは1999年8月の2.040%であった。その後、5月に入っても2%をワンタッチしたが、結果的には10年債利回りの2%は大きな壁となった。

7月のゼロ金利解除により再び2%近くまで10年債利回りは上昇したが、今度は2%には届かずに、利上げが実施されたにも関わらず、その後の長期金利はむしろ低下傾向を強めてきた。米債高や日本株の調整といった側面もあったが、8月末からの長期金利の大幅な低下のきっかけは、8月25日に発表された7月全国消費者物価指数(除く新鮮)であった7月全国消費者物価指数(除く新鮮)は2005年の新基準で+0.2%と発表され、予想された+0.5%を下回ったのである。これを受けて10年債利回りは一時1.6%まで低下した。

その後発表される経済指標は特に個人消費の伸びが乏しく、まだ物価の上昇も限られたものとなっていたこともあり、10年債利回りは年末にかけても1.6%台近辺の動きとなり比較的堅調な動きとなった。

2006年の債券相場はこのように、日銀の量的緩和解除の影響で一時的に2%台をつけたものの、その後は1%台での堅調な展開が続くこととなった。物価が落ち着いており、景気もそれほど大きな伸びとはならず、さらに需給面でも、2006年度のカレンダーベースでの国債発行額が補正予算次第では113兆円程度まで減額が予想されるなどしており、税収増により2007年度の国債発行額もかなり押さえられることが予想されている。このように国債の需給面では引き締まってきていることも、相場の下支え要因ともなった。


2006.12.13「財投の剰余金、国債償還に」

本日付の日経新聞によると、財務省は特別会計を改革する「特別会計に関する法案」(仮称)の要旨をまとめ、その中で特別会計の余剰資金を特別な立法なしに一般会計に繰り入れられるようにする。現行制度では繰り入れには特別措置法が必要となっている。財政投融資特会では今年度予算で24兆円の積立金のうち12兆円を国債整理基金に繰り入れる特別措置をとっていたが、今度の法案によってあらたに発生する剰余金を国債整理基金に繰り入れできる規定を明記し、これによって恒常的に特別会計による剰余金が予算編成によって国債償還資金に回せるようになる。

特別会計の改革も進みつつあるが、少しでも無駄を防ぎ財政構造改革を進め、国債の残高を少しでも減少させるための努力は必要であろう。この法案は来年4月1日から施行される予定とか。


2006.12.12「冬の個人向け国債、5年固定タイプの利率は1.2%」

本日実施された5年国債の入札の結果、個人向け国債(固定5年)の基準金利となる複利利回りは1.25%となり、ここから0.05%差し引かれた1.2%が、第5回個人向け国債固定5年の利率となる。ちなみに、固定5年の利率はこれまで第1回が0.80%(税引き前)、第2回が1.01%、第3回1.30%、第4回1.13%。


2006.12.12「日銀総裁や審議委員による個人消費への発言」

11月24日の茨城県経済界との意見交換会における福間日銀審議委員の講演から、12月6日の長野県金融経済懇談会における西村日銀審議委員の講演に至るまで、4回の福井総裁の講演を挟んで8回もの総裁や審議委員による講演が開催された。そして、12月18日から19日の金融政策決定会合においては、追加利上げの有無を巡っての論議が繰り広げられる可能性がある。

追加利上げを巡っては市場関係者の間でも見方は分かれている。ここにきて発表されている経済指標がやや斑模様ともなっており、特に個人消費の落ち込みといったものも大きな懸念材料となっている。

12月11日に発表された11月の消費動向調査によると、消費者態度指数は一般世帯で48.7となり前月比0.5ポイント上昇した。これにより内閣府は貴重判断を「弱含み」から「改善の兆しがみられる」に上方修正している。内閣府の消費総合指数で見ると10月の消費データ(季節調整値)は109.4と5月の水準に回復している。7−9月期に関しては、12月8日に発表された7-9月期GDPの二次速報において民間消費が-0.7%から-0.9%にさらに下方修正されるなど個人消費は弱含んでいるものの、10-12月期にはそこからは回復してくる可能性もあるが、それも今後発表される指標を確認する必要もある。

こういう状況下、まず11月24日の福間審議委員は講演で、「企業部門の好調は、徐々に家計部門に波及していますが、今のところ期待したほどではありません」「個人消費関連指標は、夏場の天候要因もあって、今一つ芳しくありません」としている。

11月27日の大阪と28日の名古屋における福井総裁の講演では、「7-9月期のGDP速報では、個人消費が前期比−0.7%と減少しましたが、これには、基礎統計である家計調査の消費支出が大幅に減少したことが影響しているとみられます。家計調査は、販売統計など他の消費関連統計に比べかなり弱い数字となっている点には留意が必要です」「7〜9月の個人消費の動きが弱めであったことは確かであり、これが天候不順やたばこ増税といった一時的要因によるものであったかどうか、秋以降の個人消費の動きをよくみていきたいと思います。」

11月30日の野田審議委員は岡山での講演で、家計部門に関して「雇用者所得の増加は、雇用者数の増加を映じたものであり、一人当たりの賃金という面での上昇は極めて緩やかなものに止まっています。」として好調な企業部門に対して雇用者所得が伸び悩む惧れを指摘している。

12月5日の講演で水野審議委員は、7-9月の関連指標を示しながら、「個人消費は、増加基調にあると判断されますが、個人消費関連統計に表れている温度差については、今後慎重に分析を深めていく必要があると思います。」としている。

そして12月6日の長野県での西村審議委員の講演では、「企業部門の好調さが家計部門へ波及するスピードは比較的ゆっくりとしたものであることは、否定できないと思います。他方、7〜9月期GDP統計の民間最終消費支出の弱さは、家計調査報告に絡む特殊要因の影響による可能性もあるのではないかと思われます。」としており、さらに、「不確実性」に関しても言及している点が興味深い。「将来についての不確実性が高まっていると同時に、足許の経済状況がどうなのか、ということにも不確実性がつきまとっています。」

さらに西村審議委員は、「こうした中で、日本銀行政策委員会としては、内外で公表される様々な経済指標を精査し、これらにつきまとう誤差や歪みをできるだけ取り去り、経済指標が指し示している将来への情報を読み取っていかなければなりません。そこには、経済指標を虚心坦懐に慎重に吟味する態度が必要であることは、言うまでもありません。その上で、もう一度基本に戻って金融政策の姿を考える必要があります。」と発言しており、18日から19日にかけての金融政策決定会合では、日銀として経済指標を虚心坦懐に慎重に吟味した結果が出されるものと思われる。


2006.12.11「NHKほっとモーニング」

NHKの出している「NHKほっとモーニング」の最新号である1・2月号に、以前、私が出演させていただいた番組「家計診断おすすめ悠々ライフ」の「どう選ぶ?個人向け国債」の記事が掲載されています。番組の内容をまとめたものに多少最新の内容となるように、私もチェックもさせていただいております。12月16日より全国書店で販売されます。私の 「投資信託と個人向け国債がよ〜くわかる本」「最新金融の基本とカラクリがよ〜くわかる本」同様、ぜひお買い求めいただけるとうれしいです。


2006.12.11「平成19年度の国債発行計画について」

12月8日に開催された第14回国債市場特別参加者会合において、現時点での財務省としての2007年度の国債発行計画に関する検討状況について、以下のような説明があった。

「2007年度の国債発行計画について、一致して強い減額要望があった15年変動債については、来年度、思い切って大幅に発行額を引き下げ、1.0兆円×4回として発行ロット、頻度を減らすことを念頭におく。」

「30年債及び物価連動債については、将来的には増額の余地があると考えられるが、当初計画の段階では、今年度当初計画との比較での自然体での増額にとどめることとし、更なる増額については、今後の市場の動向・ニーズ等を踏まえて検討する。」

「自然体で増額するもの以外には、少なくとも当初計画の段階で新たに発行増額を想定する年限・種別はない、という前提で検討しており、今後、要発行総額を踏まえつつ、更に検討を進め最終的な発行計画を決定していきたい。なお、15年変動債の発行ロットの1.0兆円への減額については、今年度中、すなわち来年2月の次回入札分から実施することも検討している。」

「現在、今年度補正予算の策定作業も進められているところである。現時点で、その規模等については、まだ確定的なことを申し上げられる状況ではないが、いずれにせよ国債発行は減額する方向で作業が進められている。減額の方法として、例えば、今年9月の発行額見直しの際に行ったものに加えて、TB6MからFB6Mへの振替を更にもう1回分実施することも検討したいと考えている。なお、現在、前倒債の発行額がある程度の規模になっていることから、仮に補正予算による国債発行の減額との関係で、過不足がある場合にも、特段の問題は生じない状況である。」

上記から推測される限り、今年度のカレンダーペースの国債発行額は2006年度は9月に変更された115.1兆円から113兆円程度に減額される可能性がある。来年2月の15年変動債の発行ロットが1.0兆円になった際には0.1兆円、さらに今年度補正予算に絡んでTB6MからFB6Mへの振替を更にもう1回分(2兆円?)実施されるとなれば、都合2.1兆円の減額となりうる。

2007年度についてもまだ不確定要素も多いが、「自然体で増額するもの以外には、少なくとも当初計画の段階で新たに発行増額を想定する年限・種別はない」、という前提から、30年国債は2006年9月に一回あたり0.6兆円に修正されており発行回数を変わらずとして0.6兆円が4回とする。20年は2006年度と同じく0.8兆円が12回、以下同様に10年1.9兆円12回、5年2.0兆円12回、2年1.7兆円12回、TB1年1.4兆円12回。そして2006年度はTB6MからFB6Mへの振替が2回実施されることとなれば、2007年度もTB6Mは4回となるのであろうか。15年変国は上記のように1.0兆円4回、そして物価連動は自然体の増額から0.5兆円6回、流動性供給0.1兆円12回あたりが現状予想される。


2006.12.8「10月機械受注」

14時に発表された10月の機械受注は前月比+2.8%となり、予想の前月比+6%近辺を下回った。債券はこれを受けて一時買い戻しも入ったが、その後は戻り売りに押される格好ともなった。この10月の機械受注によって日銀がシナリオを変化させるといったことも考えられず、やはり追加利上げに関しては来週発表される日銀短観次第ではないかとも思われる。ちなみに、機械受注の発表は1月から午前8時50分に変更されるようである。


2006.12.8「ブルードラゴン」

12月7日にXBOX360のキラーソフトの期待の強い「ブルードラゴン」が発売された。PS3やWii同様に秋葉原の家電量販店などではカウントダウンイベントも実施されたが、あまり大きく取り上げられてはいなかった。ただし、ネット上での「ブルードラゴン」の評判はかなり良い。日本によるRPGの原点復帰といった印象が強いようである。

Wiiは予想されたように販売好調で世界販売台数が100万台を突破した。反面、PS3は出荷台数そのものも少なかったことに加えてソフトの本数も少ないなど、現在のところWiiに大きく水を開けられたかたちとなっている。

XBOX360はすでに発売されて1年が経過しているが、ビル・ゲイツ会長が示唆していたように、世界出荷台数が年内に1000万台になる見通しのようであるが、日本国内では苦戦しており、販売台数は20万台にも達してはいないそうである。

しかし、この「ブルードラゴン」をきっかけに、XBOX360販売台数を今後伸ばしてくる可能性はある。WiiとPS3の登場やDS効果で、再びゲームが注目されており、さらに液晶テレビの本格的な普及にともなって、大画面で綺麗な映像のゲームを楽しみたいという需要も強まるものとみている。クリスマスから家族や親戚がそろう年末年始あたりにかけて昔のファミコンブームのような風が巻き起こってくるのではないか。その際に最も注目されるのはWiiであろうが、XBOX360やPS3もそれを追い上げるかたちで、普及が伸びてくるのではないかと見ている。


2006.12.8「40年国債」

11月29日の日経新聞によると財務省は期間40年の国債発行を来年度下期にも発行する検討に入ったと伝えた。国債の種類の多様化を図り、利払い負担を軽減することなどが目的。国内の年金基金の需要を見込むほか海外の投資家層を広げる狙いがあると日経は伝えている。ただし来年度の国債発行計画の中には、この40年国債は盛り込

まず、主に機関投資家向けに単発で発行される可能性が高いとみられる。規模は数百億円の案を軸に調整するようである。 財投機関債では、すでに日本高速道路債務返済機構が40年債を発行しており、また、欧州でもフランス経済財政産業省国債庁が50年国債を発行し、英国においても 50年スーパーロング・ギルト(英国50年国債)が発行している。これらに対抗するわけではないと思うが、財務省としても30年超の期間の国債発行は以前より検討していたものとみられる。今年4月にも日本経済新聞の一面で、財務省が「50年国債入札を検討」と伝えていた。

現在、日本で発行されている国債の中で最も期間が長いのは30年国債である。その30年国債も流動性という意味では20年国債などに対して低いものと言わざるを得ない。40年国債発行も良いが、その前に30年国債の流通市場整備も必要ではなかろうかとも思う。ちなみに、12月8日の日経新聞には、来年度の国債発行計画において、15年変動利付国債を今年度の発行予定額に対して減らし、30年債を増やす検討に入ったと伝えている。

国債市場特別参加者による第3回会合において、財務省は30年超の超々長期債について次のような説明があった。

「現時点では既存商品のように定期発行できるだけのニーズは認められないことから、カレンダーベース市中発行のラインナップに加えることは考えていない。」「市場にニーズがあるのであれば、数百億円程度とごく小さいロットとなる可能性もあるが、19年度中に適宜発行することはあり得ると考えている」

しかし、12月1日に開催された第17回国債投資家懇談会において、やはり財務省からこの件について以下のコメントもあった。「なお、これは、例えば40年債について需要があれば出せるように準備をするということであり、絶対に発行するということではない。結果として出さないことになる確率も相当高いのではないかと考えている。」

ニーズという面では生保などにあるのではないかともみられているが、総じてこういった超・超長期国債の発行に関して投資家は慎重な姿勢のように思われる。 ただし、国債発行もペーパレスとなり、新型国債の発行費用も以前に比べて軽減されているとみられる。投資家ニーズの変化に機動的に答えられるようにするためにも、発行可能な準備はしておいても良いのではなかろうかとも思う。


2006.12.7「5冊目の本、最新金融の基本とカラクリがよ〜くわかる本、本日発売開始です」

私の5冊目となります本、「最新金融の基本とカラクリがよ〜くわかる本」(定価 1,680 円(本体 1,600円) ISBN「4-7980-1475-3」)が本日12月7日に全国書店で発売される予定です。書店によっては少し遅れるところもあるそうです。今回も秀和システムさんより、出させていただきました。投資を始めてもっと金融のことが知りたいという個人投資家の方や金融について興味のある学生や社会人の方、もちろん金融の現場にいる方もぜひ読んでいただければと思います。目次はこちら。よろしくお願いいたします。


2006.12.7「西村日銀審議委員の講演要旨より、国内消費の弱さの実態」

日本銀行の西村審議委員は長野県金融経済懇談会における挨拶の中で、国内消費の弱さの実態について言及している。個人消費についてはサンプリングの問題などが以前より指摘されているが、「国内消費の弱さの実態」についてこの挨拶文の要旨をもとに見てみたい。

「GDP統計で7-9月期の民間最終消費支出、特に持ち家の帰属家賃を除く個人消費の伸びが大きくマイナスに転じたことが、大きな話題となりました。しかし、景気の肌感覚に感応的であると言われている内閣府の景気ウォッチャー調査を見ると、DIは50を超えて景気が回復あるいは緩やかに拡大している状況です。このような状況にもかかわらず、GDP統計については、個人消費が単に前期比若干伸び悩みという程度を超え大きく落ち込んだわけですので、その原因を精査する必要があります。」

9月の全世帯家計調査では実質消費支出が前年比-6.0%と事前予想を大幅に下回る結果となっていた。実収入・可処分所得ともに3か月ぶりの減少となっていたように収入の伸び悩みも影響したともみられる。また、7〜9月期の実質GDPの個人消費でも前期比-0.7%と前期の+0.5%から2四半期ぶりのマイナスともなっていた。

「結論を先に申し上げますと、GDP統計の国内消費データの弱さの一部は、現在国内消費推計のために使われている統計が実際の個人消費の状況を十分に捉えられなくなっていることに起因しているように思います。以下では、この点について精査してみたいと思います。・・・以前から、個人消費の一部、特にサービス関連の個人消費については、現在の統計は実態を十分に反映しきれていない可能性が指摘されており、これを供給側、需要側に分けて分析したいと思います。」

西村審議委員の専門は理論経済学と経済統計。どのような切り口で行うのか興味深い。

「まず供給側の統計を見てみましょう。従来の統計では、供給側で調査対象とされているのは「業態」が安定した業界で母集団がかなりの精度で特定できる品目に限定されており、「業態」が安定していない品目では調査がなされていません。後者の例としては、最近消費項目としてしばしば注目されている美容関係のサービスなどが挙げられます。また、サービスが単独でなく複合的に供給される場合は、分類が難しくなり調査が困難になります。最近はこうした複合サービスが多くなっているために、調査から漏れてしまう部分もあると考えられます。」

現在ではむしろ業態がはっきりしていない業界の方が多い。これも時代の流れでいたしかたない。従来の統計手法では実態を捉えきれないということは十分に考えられる。しかし、何でまずは「美容関係のサービス」なのであろうか。西村氏が現在興味関心の強い分野、というわけでもないと思うが、それはさておき、美容関係をネットで無権策しても髪の毛に関するものばかりでなく、コスメとかネイルサロンとか私もよくわからないものがいろいろと出てきた。

「この例として、ショッピングセンターで供給される複合的なサービスが挙げられます。確かにショッピングセンターの売上の動きを見ますと、既存の百貨店、スーパー、コンビニの売上と比べて、その伸びは趨勢的に高くなっています。ショッピングセンターでは様々なサービスが供給されていることから考えると、モノの販売はあまり伸びていないものの、こうしたサービスの供給はかなり伸びていることを、この事実は示唆しています。このように、供給側の既存の統計は個人消費の伸びを過小評価している可能性があります。また、インターネットを利用した供給の伸びも、把握されていないきらいがあります。後述する家計消費状況調査によれば、インターネットによる支出総額はまだ小さいものの、コンスタントに前年同月比で25〜35%伸びています。この部分については供給側の統計は捉え切れておらず、ここにおいても個人消費の伸びを過小評価している可能性が高いように思います。」

流通に関しても専門の西村氏であり、ショッピングセンターをひとつの例としてあげている。しかし、このショッピングセンターの様々なサービスとは具体的にはどのようなものを指しているのであろうか。(続く)


2006.12.6「証券税制の優遇措置の継続を希望」

本日の日経新聞では証券税制の軽減措置を巡って、財務省と金融庁が火花を散らしていると伝えている。廃止をうたう財務省に対して金融庁が猛反発しているそうである。現在は株式譲渡益や配当に適用する税率は10%に押さえられている。来年末からこの優遇措置の期限が切れる。これに対して金融庁は延長を要望しているが、財務省は預貯金などの利子に関わる税率の20%に戻す方針のようである。政府税調も答申に特例廃止を盛り込んでいる。

ここで争点のひとつとされているのが「軽減税率は金持ち優遇」という議論である。証券税制の優遇措置を巡っては、自民党と公明党が金融庁と財務省と同じようにガチンコ勝負となっていると12月4日の朝日新聞も伝えている。

入力ミスに乗じて何億円も儲けた個人などを優遇するのか、といった議論はあくまで週刊誌的な観点であり、個人投資家がそうそう簡単に株で儲けられるわけではない。プロですら相場で儲けることが難しいことは、14年間のディーラー経験のある私もよく知っているつもりである。それよりも「軽減税率は金持ち優遇」ということで廃止をすべきではないと考えている。

「全所得者のうち株式や投資信託を保有する人は12%だが、富裕層(金融資産1億円以上5億円未満)に限れば39%、超富裕層(同5億円以上)では56%に上る」(朝日新聞)といったデータが「軽減税率は金持ち優遇」のひとつの根拠となっているようだが、そもそも株式や投資信託は金持ちが持つものといった認識に誤りがある。

もともと証券税制の優遇措置については2003年4月に日経平均が8000円を割り込んでいた際に、この低迷する株式市場をてこ入れし、景気を活性化させる目的で導入されたものである。その後株価は上昇し続け、2006年3月には日経平均は17000円の大台を一時回復するまでに至った。その意味では「株式市場が回復したことなどから軽減措置の役目は終えた」と判断した税調の主張は正しいと思われる。

しかし、この株価の上昇は証券税制の優遇措置による側面よりも、米国や中国の景気回復にともなって日本経済も回復基調となってきたことが最も大きな要因である。確かに証券税制の優遇措置もあって個人投資家がかなり増加して来たことも確かであるが、ここには個人が自宅から簡単に株式売買ができるようになったインフラの整備やそれに応じた取引所のシステム増強といった要因も絡んできている。

ただし、個人の売買額は増えているが、株式の保有額といった面からはまだそれほど大きく伸びきているわけではない。株式投資信託も順調に残高を伸ばしてきているが、まだまだ「貯蓄から投資へ」の動きは過渡期である。政府も「貯蓄から投資へ」を推し進めているのなら、全所得者のうち株式や投資信託を保有する人が金持ちばかりという状況自体を変えなくてはいけないはずである。もし、証券税制の優遇措置が廃止されればこの流れに水を差してしまいかねない。

以上のことから、当初の目的とは異なってはしまうが、「貯蓄から投資へ」の流れをしっかりとしたものにするという目的のためにも、まだ証券税制の優遇措置の廃止は早いと思う。私は今年になって 「投資信託と個人向け国債がよ〜くわかる本」「最新金融の基本とカラクリがよ〜くわかる本」という2冊の本を出させていただいた。これらの本の原稿を書いていて痛感したことが、「貯蓄から投資へ」の動きははじまったばかりではあり、そしてこの動きは現在の日本の経済や社会構造の変化によって、すでに避けられないものとなっているという点である。これからの個人の資産運用には、どうしても投資信託や株式などのリスク商品である程度の運用をせざるを得ない。投資信託や株は金持ちが保有するもの、との認識から、一般人が保有しているものとの認識に変化してきてからはじめて、この証券税制の優遇措置を廃止してほしい。


2006.12.6「日銀短観と追加利上げの予想(レポート原稿)」

12月15日に発表される12月の日銀短観は、追加利上げの時期を模索しているとみられる日銀にとっても最も注目する経済指標になるとみられる。4日の日経新聞が伝えるところによると民間13社の予測によると大企業・製造業の業況判断指数は平均でブラス25となり、前回の9月調査よりも1ポイント上昇する見通しとなっている。しかし、この業況判断DIは既に高水準であり、さほど材料視されないとの見方も強い。

むしろ日銀が注目するのは、2006年度の設備投資計画ではないかともみられる。11月27日の日経新聞が伝えたところによると、日経新聞が調査した2006年度の設備投資の修正計画においては、全産業での設備投資は前年度を15%上回ったそうである。この伸び率はバブル期の 1990年度以来の水準になる。日銀短観における2006年度の設備投資計画も中小企業などを中心にさらに上方修正される可能性も高そうである。これを見る限りは、日銀短観を見て追加利上げの可能性も十分あり得る。 しかし、ここにきて発表された経済指標はまさに斑模様ともなっているだけに、日銀の判断も難しくさせそうではある。

11月29日に発表された10月の鉱工業生産指数は前月比+1.6%となり、予想の-0.5〜-0.7%を大きく上回るサプライズとなった。10月の生産は前月比1.6%の上昇と 2か月ぶりの上昇となり、指数水準は107.8(季節調整済)となった。この生産指数の107.87は過去最高水準となる。 11月生産予測は前月比+2.7%、12月は+0.1%と発表され先行きもプラスを維持する見通しとなっている。

12月1日に発表された10月全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年比+0.1%と予想の平均+0.2%を下回った。11月東京都区部消費者物価指数(除く生鮮)は前年比+0.2%となったが、昨年11月の携帯電話通信料金値下げ分が1年経過したことで剥落した影響も大きいとみられる。さらにこの日発表された10月全世帯消費支出は前年比で実質-2.4%と予想の-3.9%は下回ったものの、10か月連続の下落になっている。

12月4日に発表された7〜9月期の法人企業統計によると全産業の設備投資額は14兆757億円となり、前年同期比12.0%の増加となった。GDPを推計する基礎となるソフトウエアを除いた設備投資額は同11.9%、季節調整後の前期比は+0.1%となり、予想を下回った。 これらを見る限りにおいて、日銀としても追加利上げにはやや慎重とならざるを得ないかもしれない。12月15日の日銀短観次第といった側面もあるが、現時点での12月19日における追加利上げの可能性は五分五分ではないかと思われる。


2006.12.5「拙著新刊のアマゾンでの取り扱い開始」

私の5冊目となります新刊「金融の基本とカラクリがよーくわかる本」の取り扱いがアマゾンでも開始されました。「お金のこと」「日銀のこと」「金融市場のこと」などに関心のある方はぜひ読んでいただければと思います。図や写真なども豊富にあり読みやすく構成させていただいております。目次はこちら


2006.12.5「首相と日銀総裁の会談」

安倍首相と福井日銀総裁の会談が午後零時過ぎから行われた。時間は1時間程度であった模様。会談の出席者は、政府側からは安倍首相に加えて、尾身財務相、大田経済財政担当相、塩崎官房長官ら。日銀からは福井総裁に加え、武藤副総裁と岩田副総裁らが出席した模様である。今回の席上でも、金融政策に関しての話、今回で言えば追加利上げについての話は出なかったものとみられる。これまで開催された首相と日銀総裁の会談同様に、金融や経済情勢の意見交換といったものであったようである。まさかこういった席で、「利上げする」とか「利上げなどするな」といった意見交換はなかったものとみられる。ただし、ある種の腹の探り合いといったものはあったのかもしれない。


2006.12.5「冬の個人向け国債、変動タイプの初期利子は0.84%に」

本日の10年国債入札より、国債の入札結果の発表時間が13時ちょうから12時45分になった。そして、今回の10年国債入札の結果により、12月13日から募集が開始される個人向け国債(変動10年)の基準金利となる複利利回りが1.64%と発表され、これにより今回の冬の個人向け国債10年変動タイプの初期利子はここから0.8%差し引き方0.84%となる。ちなみに、前回の秋の個人向け国債の変動10年の初期利子は0.92%であった。


2006.12.5「12月の日銀短観予想」

12月15日に発表される12月の日銀短観は、追加利上げ時期を模索しているとみられる日銀にとっても最も注目する経済指標になるとみられる。4日の日経新聞が伝えるところによると民間13社の予測によると大企業・製造業の業況判断指数(DI)は平均でブラス25となり、前回の9月調査よりも1ポイント上昇する見通しとなっている。しかし、この業況判断DIは既に高水準であり、さほど材料視されないとの見方も強い。

むしろ日銀が注目するのは、2006年度の設備投資計画ではないかともみられる。やはり11月27日の日経新聞が伝えたところによると、日経新聞が調査した2006年度の設備投資の修正計画においては、全産業での設備投資は前年度を15%上回ったそうである。この伸び率はバブル期の1990年度以来の水準になるとか。日銀短観における2006年度の設備投資計画も中小企業などを中心にさらに上方修正される可能性も高そうである。これを見る限りは、日銀短観を見て追加利上げの可能性も十分あり得るとみているが、ここにきて発表される経済指標はまさに斑模様ともなっているだけに、日銀の判断も難しくさせそうではある。


2006.12.4「Wiiの販売状況」

12月2日に日本での販売が開始された任天堂の新型ゲーム機のWiiは予想されたように当日販売分はほぼ午前中に売り切れたようである。PS3発売時には混乱もあったが、販売店でもその経験が生かされるとともに、販売数量がPS3に比べて豊富であったことも混乱が避けられた要因となったようである。

今後の発売については、店によってだが7日や9日あたりにあるのではないかとの観測もある。ただし昨日はヨドバシアキバでゲリラ的な販売があったようであり、ところによっては突然販売されるといったこともあるのかもしれない。ちなみにネットでの購入はまだまだ難しい。これはDSも同様か。

Wiiの購入者による評価はかなり高そうで、特に家族そろってゲームが楽しめるところが評価されている。DS同様にこれまでゲームをあまりしたことのない人も、体感的に楽しめることで一緒にゲームを楽しんでいるとか。

これまでのところは任天堂の思惑がピタリ的中しているとみられる。この反面、ソニーのPS3の旗色がさらに悪くなっているようにも感じられる。しかし、ゲーム機は結局ソフト次第となる。今後のソフトの売れ行き次第では、Wiiが絶対有利になるとは限らない。

個人的に注目して、なおかつ購入も予定しているのがXBOX360である。7日にブルードラゴンというキラーソフトになりうるゲームが発売される。週刊少年ジャンプではデス・ノートの作者によるマンガ「ブルードラゴン」も連載される。ブルードラゴンのゲーム自体もなかなか楽しめそうであるが、人気化しているWiiにXBOX360が日本でどこまで迫れるかは、まずこのブルードラゴン次第とも言えそうである。


2006.12.4「冬の個人向け国債」

12月5日の10年国債入札の結果によって、冬の個人向け国債の10年変動タイプの初期利子が決定される。5年固定タイプの利率は12月12日の5年国債の入札の結果によって決定される。

今回の冬の個人向け国債の募集は5年国債入札日の翌日、12月13日から開始される。募集期間は12月13日(水)から12月27日(水)まで。10年変動タイプは今回で17回を数える。5年固定タイプも5回目の募集となる。

すでに個人向け国債もかなり認知度も上がり、販売する証券会社や銀行にとっても投資信託などに並んで、販売している投資商品のひとつの柱になりつつある。販売額は多少ここにきて減少してはいるが、それでも前回は固定タイプと変動タイプを合わせて1兆5千億円もの発行額となっている。

いまさら国債は危ないのではないかと言う人も少なくなっているとは思うが、それでも心配な方はぜひ拙著「投資信託と個人向け国債がよ〜くわかる本」や「日本国債は危なくない」(文春新書)などをお読みいただきたい。。

12月はボーナスの時期でもあり、大切なお金をどのように生かそうかと悩んでいる方も多いと思う。そのひとつの選択肢として個人向け国債があげられる。投資の入門商品としても最適なものとしてお勧めしたい。

ついでといっては何だが、12月7日にはやはり私の5冊目の本、「最新金融の基本とカラクリがよ〜くわかる本」も発売される。こちらは金融のこと、投資のことをもう少し知りたいという投資家や、金融を勉強したいという学生や社会人に最適な本となっている。


2006.12.4「また買ってしまった」

小型のパソコンもしくはPDAで、無線LAN機能が内臓され、ワードが使えて、ホームページの更新が可能で、さらに動画や音楽機能がしっかりしたものを探していた。該当するものには、携帯電話やPHS機能も持っている機種はあったが電話機能はいらない。ソニーの小型パソコンなども該当したが、あまりに値段が高い。

そんな中にあってHPが新しいiPAQを出すとの記事に目が止まった。HPのサイトを見ると「HP iPAQ rx4240 Mobile Media Companionの販売開始を記念して、1000台限定で特別価格¥27,300(税込)よりご提供いたします」とあった。機能をさっと見てみると、ほぼ使いたい機能は持っており、さらになんといっても1000台限定という文字に誘われるように、ついクリックしてしまった。

また、つまらぬ衝動買いをしてしまったのかもしれない。しかし、せっかく最先端のハイテク機能を有する、つくばエクスプレスで通勤している以上は、やはり無線LAN機能は使いたい。ノートパソコンを持ち運びするにはあまりに重過ぎるし、少し格好悪い(いまさら気にする歳でもないが)。そういうときに、わずか127gで、とりあえずワード、エクセル、パワーポイントやメール、ブラウザ機能も有しているPDAならば重宝しそうと考えた。

6冊目の本の予定はまだないが、車内での原稿書きにも使えるなどと、家に届いたときの家人への言い訳も考えた。なにはともあれ、手元に届くのが楽しみ。使用感などについてのちほどアップします。


2006.12.4「7〜9月期法人企業統計」

朝方発表された7〜9月期の法人企業統計によると全産業の設備投資額は14兆757億円となり、前年同期比12.0%の増加となった。GDPを推計する基礎となるソフトウエアを除いた設備投資額は、同11.9%となり季節調整後の前期比は+0.1%となった。


2006.12.1「10月全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年比+0.1%」

朝方発表された10月全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年比+0.1%と予想の平均+0.2%を下回った。ただし、事前に+0.1%の可能性も指摘されていたことでさほどのサプライズではない。11月東京都区部消費者物価指数(除く生鮮)は前年比+0.2%となったが、昨年11月の携帯電話通信料金値下げ分が1年経過したことで剥落した影響も大きいとみられる。東京都区部の11月の移動電話通信料は前年比-0.3%に下落幅が縮小との総務省からのコメントもあった。10月全世帯消費支出は前年比で実質-2.4%と予想の-3.9%は下回ったものの、10か月連続の下落に。


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