Windows Vistaが発売された。Vistaを快適に使うにはハードごと乗り換える必要ありとみているため、当面は導入見合わせるつもり。Vista導入を検討されているならばAERO機能も使える程度の機能を持ったパソコンでなければあまり乗り換える意味もない。AEROを使うには少なくともデュアルコアCPUは必需ともみられる。
それはさておき、今後、このVistaの普及にあわせて注目されるのが、パソコン用ディスプレーかと思われる。すでにソニーでは大型液晶テレビに接続することを意識したWindows Vista搭載のPCを発表しているが、Vistaの動画機能などを効果的に利用することを考えれば、ディスプレーも高解像度画面が必要になる。というか、地デジ対応液晶テレビがそのままディスプレーとして使うことも考えられるのである。
パソコンとはパーソナルコンピューターの略語であり、個人つまりは一人で使うことが前提となっている。大型ハイビジョン対応テレビに接続するパソコンは、まさにファミリーユースであり、これはいわばファミコンと呼ばれてもおかしくはない(すでに某ゲームメーカーの登録商標だが)。
個人がパソコンをデスクの上で使うことを考えれば、さすがにディスプレーの40型とかはかなり無理があり、せいぜい20型あたりが主流となろう。しかし、画面はやや小さくとも高解像度であり、地デジチューナーが内臓され、HDMI端子を備えたものの方が便利が良い。ハイビジョンディスプレーを有効利用するため、パソコン以外のゲーム機やDVDレコーダーとの接続するためのHDMI端子はある意味必須となる。ただしゲーム機ではまだHDMI端子接続はプレステ3しか対応していないようだが。
デスク上で使えるもので、ハイビジョン対応ディスプレー、Windows Vistaが使えて、地デジも見ることができて、さらに新型ゲームにも対応となれば、今後はニーズも強まるとみられ、すでに一部そういった液晶テレビも売りだされている。
たとえば、パソコン用ディスプレーの老舗iiyamaからは、地デジ&アナログチューナー搭載20インチワイド液晶テレビ「ProLite C2010WTV-B1」が発売されている。入力端子は、HDMI、D4、Sビデオ、コンポジットビデオ、アナログRGB(ミニD-Sub15ピン)。価格は6万9800円。
大手メーカーでは、SONYがさすがに先取りしてかなり前に、BRAVIA 20V型デジタルハイビジョン液晶テレビ KDL20S2000を出している。HDMI入力端子とPC入力端子を備えているが、少し先走りすぎた感もあって、さほど人気化せずにおり、現在ではやや入手が困難か。価格は10万円前後。安売りショップで8万円切るところも。
そして、イオンで1月から取り扱っている20.1V型デジタルハイビジョン液晶テレビ(DVD内蔵型)DY-LC20SDDシリーズは面白い。DVDプレーヤー内蔵にも関わらず価格が59800円に押さえられている。ただし、こちらはPC入力端子を備えているがHDMI端子がついていない。また購入される際には念の為、イオンなどで画質などのチェックも必要か。
これからは、より大型で薄型高画質のハイビジョンテレビが居間を独占するとともに、個室ではパソコンとともにこういった中型の地デジ対応薄型パソコン用ハイビジョンディスプレーが普及するのではないかとみている。というより自分でも買いたい。
30日に発表された12月家計調査は前年比実質-1.9%と予想の-1.2〜-1.3%を下回った。消費支出は12か月連続で前年割れとなり、減少率は11月の-0.7%よりも拡大した。10-12月期でみると7-9月期に比べて2.5%の上昇となった。「秋までの消費の弱さが薄らぎつつある」との総務省のコメントもあったが、消費の回復にはそれほど力強さも感じられない。勤労者世帯(サラリーマン世帯)の実収入は賞与分を含め96万8162円で6.5%増加となった反面、実質消費支出は3.3%減っている。その分、貯蓄等に回したものとみられる。
同時に発表された12月鉱工業生産速報は、前月比+0.7%とこちらは予想の+0.2%〜0.4%を上回り、12月鉱工業生産指数は過去最高を更新した。経産省は「生産は上昇傾向」との基調判断を7か月連続で据え置いた。
自動車をはじめとする輸送機械や一般機械が伸びた反面、IT関連では低下も目立ち、携帯電話などの情報通信機械の生産指数は7.7%の低下、電子部品・デバイスは1.7%の低下となった。さらに出荷が前月比-0.8%と減少していた上に在庫は+1.3%と増加するなど内容はあまり良くない。
加えて1月の生産予測は前月比-2.8%、2月が+0.1%と今後は伸び悩みと予想されている。1月予測指数が前回予測(-0.8%)に比べても大幅に下方修正された要因は、電子部品・デバイス工業の予測指数が大幅下方修正された点にあるとみられ、IT関連の今後の動向を注意する必要がある。
12月の家計調査と鉱工業生産を見る限り、日銀の早期追加利上げ観測はさらに後退するものと予想される。福井日銀総裁は12月に利上げを見送った際に、「フォワードルッキングながらも足元の経済物価情勢を無視できない」と発言していたが、その中でも特に個人消費や消費者物価の動向に対して注目していた。1月26日に発表された12月全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年比+0.1%となり、市場予想の+0.2%を下回っていた。これに続いて個人消費も予想以上に回復力が鈍いとなると、12月や1月に見送られた利上げを2月に行うことを正当化できるための要因が見当たらない。
しかし、米国経済が軟着陸をみせつつあり、原油価格の落ち着きや、一時的にせよ円安傾向ともなっており、足元経済については引き続き回復基調にあることも確かである。それがいずれ個人消費などにも影響してくるとみられるが、今はもう少し待つ必要もあるように思われる。
1月30日の日経一面トップは、「隠れ借金」60年で完済、という記事であった。これは政府が地方交付税交付金の不足分を補うために民間金融機関から借り入れてきたものを60年かけて返済するというものである。
すでにこの「地方交付税特別会計の借入金」のうち国の負担分を一般会計で返済するということは昨年12月17日の毎日新聞などで報じられている。 「地方交付税交付金を管理する交付税特会は、バブル崩壊後の税収減で、地方の歳出を賄うだけの交付税額を確保できず、1994年度以降、民間などからの借り入れで穴埋めしていた。景気回復による税収増を借金減らしに充てる方針を明確にするため、一般会計での処理に踏み切る。」(毎日新聞)
これについて、私も財務省における予算の説明会で説明を受けていた。来年度から地方交付税特別会計の借入金のうち、18.7 兆円の国の負担分を一般会計で返済することとなり、このために2007年度の国債費はこの返済分を加えることで、+11.9%の20兆9988億円に膨らんでいたのである。
当日に配付された資料によると、「交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金(国庫負担)の継承に伴う増(20773億円、うち債務償還費17322億円)」となる。さらにこの分は一般歳出が今年度比3兆2228億円増の46兆9784億円と、3年ぶりに前年度当初予算を上回ったことのひとつの要因ともなっている。
すでに交付税特会の債務残高は2006年度末で約53兆円に達する見通しとなっている。このうち国が上記のように約19兆円の返済義務を負っている。今年度までは返済を先送りしていたが、来年度から一般会計に借金を継承し、返済を先送りしない姿勢を示した。
昨年末の説明会でも気になったのが、この毎年度ごとの返済額であったのだが、今後については未定と毎日は報じていた。一部30年間で均等償還されるのではないともみられていたが、これが一般会計での借金である建設国債や赤字国債と同様に、60年かけて返済されることとなったものとみられる。
ちなみに交付税特会の既存の特会借入における地方負担分についても今年度度補正予算で約5千億円、平成19年度年度当初予算で約6千億円を償還する予定となっている。
隠れ借金の返済を義務付けたことは評価すべきものではあるが、60年という期間が妥当なものであるのかといった問題はあらためて議論されるべきものではないかとも思う。
欧米諸国や日本などの市場が先進国市場と呼ばれるのに対して、新興市場と呼ばれる市場があります。新興市場とは、「先進国ではない」「成長途上にある」市場という意味で使われることが多く、たとえばBRICsと呼ばれる国の市場などが注目されています。
ロンドン市場やニューヨーク市場、そして東京市場はたいへん市場規模も大きく、世界のマネーセンターとして機能していますが、現在ではこういった先進国の市場だけではなく、急速な経済発展を遂げてきた新興市場と呼ばれるところが注目を集めています。
まず有名なものとしては、BRICs(ブリックス)と呼ばれている地域があります。BRICsとは、ブラジル(BRAZIL)、ロシア(RUSSIA)、インド(INDIA)、中国(CHINA)の頭文字を合わせた4か国の総称です。アメリカのゴールドマン・サックス社が2003年10月に出したレポート「Dreaming with BRICs: The Path to 2050」において、の2039年までにBRICsのGDPの合計が、アメリカ、日本、ドイツ、イギリス、フランス、イタリアのGDP合計を上回ると指摘するなどしたことで、大いに注目を浴びるとともに、一般にも、このBRICsという名称が使われ始めました。
また、国際経済研究所が発表したLEM(Large Emerging-Market Economies)というものもあり、これはBRICs4カ国に加え、南アフリカ、アルゼンチン、インドネシア、韓国、メキシコ、サウジアラビア、トルコの計11カ国のことを示しています。
さらにアジア開発銀行が音頭を取って進めている拡大メコン地域(GMS=Greater Mekong Subregion)というものがあり、これにはやはり経済成長が目覚しいベトナムやタイ、さらにカンボジア、ラオス、ミャンマーといったメコン川流域の国々も注目されています。
これらの新興諸国にはヘッジファンドなどを中心として海外からの投資資金も流れ込み、株式市場なども活況を呈しています。また日本からも投資信託などを経由しての資金が流れ込んでいます。しかし、2006年の5月〜6月にかけて、日本の株式市場も調整局面を迎えましたが、これら多くの新興国でも株価が大幅に下落するなどしたことで、新興諸国への投資リスクの高さが露見されました。BRICsなどの新興諸国も長期的には成長が期待されるとしても、短期的な株価の下落といったものは避けられません。特に市場がまだ成熟していないとなれば、先進国の市場に比べてどうしても株の流動性の低さといったものも避けられません。これらの新興国への投資を行う際には、そういったリスクをも考慮して行うことも必要です。(一部「最新金融の基本とカラクリがよ〜くわかる本」より )
本日発表された12月全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年比+0.1%となり市場予想の+0.2%を下回った。上昇率は前月の0.2%より縮まったのは、原油安で石油製品による物価押し上げ効果が縮小したことなどが影響したとみられる。同時に2006年平均の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年比0.1%の上昇と発表1998年以来の8年ぶりの上昇となった。
塩崎官房長官はこのCPIに関して、「デフレ脱却視野との認識かわらず」「金融政策、政府も日銀も先見通すのが責任」と発言し、大田経済財政担当相も「おおむねゼロ近辺で状況に変化はない」としている。今後、一時的にせよ前年比ゼロもしくはマイナスとなる可能性もあり、昨日須田審議委員も「CPI、原油一段安なら一時的に伸び率マイナスも」と発言していた。しかし、「原油価格調整に目処立てば、CPIは再び上昇基調に戻る」(須田審議委員)との見方も強いことで、デフレ圧力が再度強まるといった事態も考えにくい。
1月のCPIを受けて2月の追加利上げ観測が急速に後退しているが、ここしばらくは様子をみてみる必要もあるかと考える。
ロイター通信は、現在開催されているダボス会議の参加者からの発言として、「ユーロ圏各国が2月9-10日の7カ国財務相・中央銀行総裁会議で円安警戒を示すことを考えている」(A source says that Europe is to seek a stronger G7 message that the Yen is Too Weak)と伝えた。これにより、2月9日から10日に行われるG7の場で、今の円安が議題に上がるとの思惑から円は対ユーロ、対ボンドで大幅高となっていた。
外圧とまではいかないにしろ、円安是正が求められているとするならば、その手段のひとつとして暗に日本の利上げが求められてくる可能性もある。昨年12月以降、追加利上げに踏み込めずにいる日銀にとり、外からフォローの風が吹いてくる可能性も出てきた。
今朝の日経新聞でも報じられていたが、2月中旬に発表される昨年10-12月期のGDPにおいて、個人消費、公共投資、住宅投資など内需がそろって上向く可能性が高く、比較的高い数字が見込まれるとされている。少なくとも7-9月期の伸び(年率+0.8%)は大きく上回ると予想されている。特に個人消費の回復が鮮明となれば、これも日銀の利上げに向けてのひとつの材料ともなりうる。
ただし、これを日銀が重視するならば、GDPは過去の数字であり、フォワードルッキング(Forward-Looking)ではなくバックワードルッキング・ルール(backward-looking)ではないかとの意見もある。しかし、12月や1月の利上げが見送られた背景のひとつとして、足元経済指標により今後の景気回復基調や物価上昇にやや不透明感が出ていたこともあるとみられ、その意味ではこのGDOも利上げに向けてのフォロー材料となる可能性も。
ロイターによる日銀の福井総裁との単独インタビューの内容が、日本時間24日の早朝3時という時間帯に流された。18日の決定会合直後でもあり、利上げ見送り後、2月の追加利上げの有無についても関心が高まっていた。このため、ロイターもなるべく早く記事を配信したかったのではないかとも思われる。
内容からは福井総裁のこれまでの強気の姿勢は伺われるものの、慎重に姿勢といったものも滲まされたものとなった。政策委員の意見の差について「比較的早く縮まる可能性もあると思うが、逆に、すぐには縮まらない可能性もある」と総裁は発言している。
原油価格の下落にともなうCPIの上昇幅縮小が利上げの障害にならないかとの質問に対して総裁は次のように発言している。 「日本経済の成長メカニズムがおかしくなることはなく、むしろ良くなる可能性がある。物価面でも、原油価格上昇によるかく乱要因が少なくなるというメリットもある。原油価格により、指数上物価が下がることに、なぜ、そんなに恐怖心があるのか、と思う」
正論ではある。しかし、原油価格の下落によって物価上昇圧力が弱まるということは、物価面で見る限り金利を上げる必要性が後退することでもある。原油安のメリットで企業収益が改善され成長メカニズムにプラスに働くとの予想は間違いではないであろう。しかしそれを利上げに結びつけるには経済指標等による確認も必要ではなかろうか。指数上物価が下がることに対しては、好感することはあれ通常恐怖心などは持たないと思うのだが。
市場との対話について総裁は「今回の場合、多少、不円滑な部分があったかもしれないと思う。」とも述べたと伝えられた。さらに「日銀が、次の政策のタイミングを、何か具体的に示唆するとは思わないでほしい」とも述べている。それでは市場はどのように日銀の意向を読み取っていかなければならないのか。こういったインタビューといったものも重要な要素とも思うが、市場参加者も日銀の金融政策に向けての動きに対しどこに軸足を置いてみなければいけないのか決めあぐねている。それをマスコミに求めた結果が不円滑ともなっていた原因となっていたと思うのだが。
さらに今回の利上げ観測を巡る市場のゆらぎを極力押さえるには、金融政策の決定プロセスをさらに透明化するための市場との対話やマスコミの対応も重要ながら、その前に政府・与党などとの対応をしっかりすべきではなかろうかとも思うのだが。
「日銀の金融政策を決定する政策委員の中にあって、特に日銀の総裁と副総裁を合わせた3人は執行部と呼ばれる。そしてまたこの執行部は「一枚岩」と表現されることがある。日銀の金融政策を決定するのは、この執行部の3人に審議委員の6名を加えた9名の政策委員による多数決で行われる。この多数決においては執行部の票が割れることは考えられない。これについては、総裁と副総裁の意見や見方が本来異なるはずで、おかしいのではないかとの意見もあったが、執行部の3人は日銀を代表する立場にもいる。このため、途中で意見を戦わせることはあったとしても、日銀がいざ動く際には同じ方向に向く。」
上記は私が2005年9月に書いたものであるが、どうやらこの前提が壊れかけているようである。もちろん執行部の票が割れてはならないといったことが日銀法とかで決められているわけではない。しかし金融政策の変更という大きな影響力を持つ決定に際してあまり意見が分かれるようでは決定されたものの重みが異なってしまう。たとえば米国のFOMCでも多数決が建前ながらも、長く事実上全会一致が「原則」となっていた。ただし、このFOMCの原則もここにきて反対票が出てきたことで崩れている。
1月18日の決定会合後の記者会見において、福井日銀総裁は次のような発言をしている。「会合の場においては、総裁、副総裁2名を含め9人の委員はそれぞれ独立の立場の9人の中の1人ということで、それぞれはお互いに制約し合わないという意味で独立した1人1人が9人のメンバーを構成しているとご理解頂きたいと思います。今回はたまたま総裁、副総裁の3人は現状維持の方向で揃っておりましたが、理論的に言えば、この3人の意見が違うということも将来的にはあり得ます。」
しかし、新日銀法が1998年に施行されてからの金融政策決定会合で途中での議論はさておき、結果として票決において執行部の票が割れたことはないはずである。この会見での総裁の発言は、ある意味一般論でもあり特に意味のあるものではなかったかもしれない。しかし、この発言をベンダーを通じたフラッショ記事で初めて読んだ際に、近い将来に執行部の票が割れる可能性があるのではないかと強い懸念も抱いた。
1月19日の日経新聞の記事には『ある日銀関係者は「副総裁の岩田一政は当初から1月利上げに消極的だった」と証言する。福井はもう一人の副総裁、武藤敏郎を含め、執行部が一枚岩になれるかを瀬踏みしたとされる』とある。
市場でも今回、副総裁の2人が利上げには慎重ではないのかとの見方が出ていた。利上げの有無を巡ってのマスコミ報道によって市場が翻弄された場面もあったが、この執行部の意見が取りまとめできるかどうか判断がつきかねたことなどもその要因ではなかったろうかとも思われる。
副総裁の慎重論、つまりは利上げ反対の背景は純粋に景気・物価を見てのものといったものの他にもいろいろと憶測も出ているが、とにかくこの執行部の一枚岩にひび割れが入りつつあるようにも見受けられるのである。12月の決定会合の見送り決定以来、明らかに日銀の金融政策決定プロセスに変化が生じているように思われてならない。
日銀の金融政策の変更の際に、もうひとつ決め手となるものが議長提案の有無である。議長でもある総裁が議長提案を出すということは、執行部3人とともに6人の審議委員の過半数がその提案に賛成するであろうとの状況において行われるはずである。もし仮に議長提案が否決されたり、金融政策変更に絡んで他の委員の提案が可決されたりしたならば、総裁の信任が失われることとなりかねず、その後の金融政策に対して支障をきたすばかりでなく、日銀全体の信任にも関わる。
今回の利上げの有無を巡っては、政府・与党との関係が注目されているが、それとともにこの金融政策の決定プロセスにこれまでにない不安定な要素が入りこんできていることも確かではなかろうか。
22日の日経新聞によると、財務省がまとめた2007年度以降の財政状況の推計では、税収増で大幅に改善した国の基礎的財政収支は再び悪化し、2009年度で6兆9000億から7兆8000億円の赤字になるそうである。たとえ3%の名目成長率を見込んでも、少子高齢化に伴う社会保障費の自然増などが財政を圧迫するため一般歳出は2009年度には50兆円に膨らむ見通しとしている。
内閣府の試算では、構造改革が順調に進んだ場合で、名目成長率は2011年度には約4%にまで達するとして大幅な税収増を見越したもの。さらに経済財政運営の基本方針「骨太の方針06」で掲げた11.4兆〜14.3兆円の歳出削減を進めるとして、プライマリーバランスは1兆円の黒字に達するとしていた。
あくまでそれぞれ試算ということもあり、増税の有無を巡っての駆け引きともみられる。政府・与党でも7月の参院選を控えて将来の新たな増税策は不要になるとの声も目立つそうであるが、これもひとつの選挙対策にも思える。
増税ありきとの考え方はやはりまずは排除して、まずはスリム化できるものはさらなるスリム化を図るべきである。確かに今年度から来年度にかけてのプライマリーバランスの改善は一時的な要因によるものかもしれない。しかし、こういった想定外といったものも常に起こりうる。細かい改革の積み重ねも、ある時点で大きな流れとなることは自然界などにも良くあることである。この流れを貫くことができるかどうかは、改革を進めるリーダーである首相の考え方ひとつとも見られる。
ここにきて日銀の金融政策を巡って、当の日銀や政府・与党の動きをメディアを通じて流されたものに市場関係者は右往左往となった。今回はことはいろいろな教訓も残したし、問題点も残したと思う。まだ新聞を全紙目を通したわけではないが、今回の日銀を巡る経緯に関する報道は「あれっ」と思うようなものが多かった。これは日経新聞もしかり。どれが正しいとか正しくないとかは、はっきり言って当事者でなければわからないだろうが、さすがにそれは違うだろうというものもあった。
結局、昨日のTBSの報道は「誤報」として片付けられた。あってはならないことであり、それを認めたらたいへんな事態に陥る。しかし、流されていたのは事実であるし、TBSが嘘を報じたとしたらそれもマスコミとして問題である。この問題は結局「なかったこと」になるのであろうか。当然、新聞もこれを取り上げることは避けていた。
先週は今回の主役ともみられる2人の総裁が外遊していた。福井総裁はスイスに10日まで出張していたし、安倍自民党総裁も15日に外遊から帰国していた。福井総裁は12日に支店長会議も控えており、11日に帰国後はまずはそちらの準備が優先されたものとみられる。このため12日の支店長会議までは、17日からの決定会合に関する調整をするには時間的に無理があったはずである。このため休日ながらも翌13日か14日あたりに、最終調整が入った可能性はスケジュールから見てありうる。その結果が15日に帰国し、16日の帰国後初閣議となった16日の朝までに、何らかのかたちで官邸に伝えられた可能性はあろう。あくまで昨日のTBSの報道が事実と仮定してだが。
12日には日銀は利上げに向けて動きを見せたとも言われていた。このためにメディアも利上げ決定かと一斉に報じた。しかし、これはまだ最終的な調整の前の話ではなかったろうか。利上げ報道については総裁の意思が強く反映されていたと考えると納得もいく。これもあくまで想像ではあるが。
16日の閣議後の官房長官や財務相などの発言は、首相の帰国後でもあり金融政策決定会合を前にしていたこと、さらに事前の中川発言などもあって注目されていた。記者の質問も当然日銀の金融政策に集中していたろうし、聞かれるほうも準備をしていたような感じであった。結局、それぞれの閣僚がほぼ同じようなことを口にしていた。議決延期請求権の行使はしない。日銀の独立性は尊重すると。
この際の閣僚発言を聞いて、これで安倍政権も小泉政権同様に利上げなどやってほしくはないけれど日銀の独立性を考慮して、金融政策は日銀の専管事項としっかり確認したのかと実は勝手に安堵していた。ところが、もしTBSの報道が真実と仮定するならば、すでに日銀が利上げを見送ることを知っていた上での閣僚発言であった可能性もある。歴史に「もし」は許されないが、もし日銀の意思が伝わっていなかったら、むしろ利上げの可能性が強いことなどが伝わっていたら、この閣僚発言はいかなるものに変化したのか。あまり想像したくない気もする。
それを避けたいがために、日銀は事前に打診を閣議の前に入れておいたというのもまた勝手な想像か。今回はたまたま別なチャンネルからふとした情報が出てしまったことで隠れていた別の真実が垣間見えたのかもしれないと想像した次第。
日銀は金融政策決定会合において6対3の賛成多数で原稿の金融政策維持を決定した。利上げ見送り観測が強まっていたことで現状維持は予想通りとなるが、反対者は多くて2人ともみられていただけに意外感があった。そのためこれを受けて債券先物はその後下落した。この票決に関して、総裁・副総裁の執行部3人は票は分かれないことを前提とすれば、審議委員のうち3名が反対票を投じたこととなる。これは、もし総裁が利上げを議長提案した際には、賛成多数で利上げが実施されていた可能性も高かったことになる。さらに今回現状維持に賛成した審議委員3人の一部も、もし利上げが議長提案された際には賛成に回った可能性がある。
このため、反対票が3となったということは次回の会合での追加利上げに向けての意思が示されたとも取れなくもない。しかし、実際に利上げが可能なのかどうか知る上で、少し気になる記事がTBSから出されていた。
16日の9時近くにTBSがニュースにおいて「日銀が1月利上げ見送りの方向で最終調整」と伝え、その後各社も同様の報道があり、追加利上げ観測は急激に後退していた。このTBSが本日10時過ぎに「日銀は、今回の金融政策決定会合で、金利の引き上げを見送る見通しである、と今週初めまでに政府側に非公式に伝えていたことが、JNNの取材で明らかになりました。」と伝えていたのである。
今回の追加利上げ見送りに関しては、私も昨日、この若き知にて「慎重になっている日銀の動向が政府サイドから漏れたのではないかとも考えられる」と書いた。これはあくまで個人的な推測ではあったが、それがこのTBSの報道で結果として裏付けられた。しかし、これが事実に近いものであったことがマスコミを通じて報じられたことは大きな問題点を含む。
日銀の金融政策はあくまで金融政策決定会合で9人の政策委員が多数決によって決定されるものである。票決を待たずに「金利の引き上げを見送る見通し」を事前に政府側に伝えたということは、誰が金融政策を決定しているのかという大きな問題が生じる。もちろんこういったことをマスコミに流した政府側の人間にも問題はある。
12月の利上げ見送りが決定されて以来、どうも日銀の動きが少しおかしいように感じていた。その点についても昨日の「若き知」を読んでいただきたいが、まるで昔にタイムスリップしたような印象すら受ける。もちろん今回の利上げ見送りは個人的にはそれで良かったとも思っている。ここはもう少し慎重に景気・物価がしっかり回復してくるのを確認してから動いても遅くはない。
私個人のこのような感想はさておき、日銀の政策委員は各自、自らの判断を元にして金融政策を決定しなければならない義務を負っている。なぜ日銀という中央銀行の存在が必要とされたのか、なぜ日銀法が改正されたのかを再度考えてみる必要があろう。
日銀の追加利上げに関する記事がマスコミを賑わしていますが、この日銀の金融政策を含めて、関心が高まっている金融も、なかなか一般の方にはわかりづらいものでもあるかと思います。かく言う私も中学や高校の授業での政治経済などはあまり関心がなく、どちらかといえば不得意科目でした。それが大学では政治学科に入り、現在は金融の世界に足を踏み入れて経済を語っている状況です。
しかし、この金融の世界のわかりにくさをいまだに実感していることも確かです。現場に近いところから金融の世界を見ており、このため一般の方への橋渡しとして何かできないかと書いたものが、拙著の「最新金融の基本とカラクリがよ〜くわかる本」です。
日銀に関しては、日銀の生い立ちから、日銀の現在の仕事、日銀と政府との関係などについてもまとめてあります。日銀の金融政策に直接影響を受ける短期金融市場のことや、債券・株式・為替市場についても章立てでまとめてあります。そして現在の市場を見るには、その歴史も探る必要があるため、現状ばかりではなくその歴史についても言及しています。金融への関心が高まっている中、知的武装のためにも、また金融への理解を深めるためにもこの本をご活用いただければと思います。
すでにメールなどで直接お問い合わせもいただいておりますが、現在、一般書店の金融コーナーにも置いてあります。都内大手書店でしたら、現在のところ金融コーナーで入手可能です。またアマゾンをご利用の方でしたら送料無料で注文できますので、こちらもご利用ください。また、まとめて10冊以上となるご注文でしたら、私に直接ご連絡をいただければと思います(kubotaアットマークfisco.co.jp 直通 03-5212-8749)。よろしくお願いいたします。
16日の9時近くにTBSがニュースにおいて「日銀が1月利上げ見送りの方向で最終調整」と伝えた。NHKも17日朝のニュースで「日銀、追加利上げ見送りの公算」と伝えられ、新聞でも日経新聞が「利上げ見送り論浮上」、産経新聞も「利上げ見送りも」との見出しが出ていた。産経新聞には昨日の塩崎恭久官房長官が定例会見で、「議決延期請求権を使う局面ではない」「(具体的な金融政策については)日銀の判断だ」と述べた尾身財務相の発言に対して「(尾身財務相の発言は)個人的意見」と指摘し、改めて日銀を牽制したとも伝えている。ちなみに塩崎官房長官は「(議決延期請求権については)再利上げ決まってからの話」、「日銀が利上げするとはまだ聞いていない」との発言もあったようである。
今回の利上げ見送り観測については、日銀内部から発せられたものと言うよりも、政府関係者から発せられた可能性が高いようである。しかし、それでも18日における追加利上げは見送られる公算が高くなってきたと言わざるを得ない。
12月の決定会合以降発表された経済指標は悪いものではなかった。とはいえ追加利上げを説得させられるほどのものではなかった。繰り返しになってしまうが、11月家計調査は予想を上回る-0.7%となり、これにより10−12月期のGDP統計上の実質民間消費は前期比プラスに回復する可能性が高いが、これも実際に2月に発表される数値を確認したいところである。
1月の追加利上げが出来ないならば2月にGDPを見てから追加利上げを実施するのかとも見ていたが、どうやらそれも怪しくなってきた。今回の見送り観測が仮に政府サイドから出ていたとすれば、政府側が強く利上げに反対した結果との読みもあるかもしれないが、慎重になっている日銀の動向が政府サイドから漏れたのではないかとも考えられるためである。
今朝の産経新聞でも「日銀内部にも早期利上げに対する慎重論が広がり始めている」とあるように、日銀の内部からブレーキがかかった可能性がある。個人消費の動向をもう少し見極めたいといったことや、13日に東京新聞が「新たな問題として浮上してきたのが消費者物価指数の先行きだ」と伝えたようにCPIの動向も影響しているのかもしれない。原油価格の下落などに伴い、もし一時的にせよ全国コアCPIが前年比マイナスになった際には、しっかりとした説明が日銀に求められるとともに、今回以上に与党などからの日銀批判などが高まる恐れもある。もし消費だけではなく物価を気にするとなれば、1月だけではなく2月以降も当面、利上げが見送られる公算も高くなるが、ここは慎重に事を構えた方が良いようにも思われる。
しかし、気になるのが小泉政権下で量的緩和解除やゼロ金利解除が実施されながら、安倍政権に変ってから日銀が追加利上げの意思を見せながらもそれが見送られていることである。政権が変り日銀の裁量余地がやや狭められているのではないかというのは穿った見方であろうか。
そして産経新聞は「日銀内部にも早期利上げに対する慎重論が広がり始めている」としていたが、この日銀内部とは政策委員のことを指しているのであろうか。確かに政策委員にも多少の温度差はあるとみられ、慎重な委員もいるとも聞いている。しかしそういった委員とともに日銀内部にも慎重論が強まっているのも確かなようである。金融政策は審議委員と総裁・副総裁の合計9名の政策委員による多数決で決定されている。むろん今回も同様であるが、日銀内部の慎重論が微妙にこの結果としての政策決定に影響を与えているのではないかとも感じられる。
さらにそれに関連しているのかもしれないが、これまでぐいぐいと日銀を引っ張ってきた福井総裁の勢いも、ここにきて感じられなくなっていることも気になる。もちろん闇雲にフォワードルッキングで利上げを強行する必要はなく、経済物価動向を中心とした状況を見極める必要があるため、見送りも必要な選択肢である。ところが今回も事前に利上げに向けての報道が異常に盛り上がっていた。マスコミが勝手に騒いでいたとの見方もあるかもしれないが、憶測になってしまうがこの背景には福井総裁の意向といったものが多少なりとも働いていたのではなかろうか。しかし、それが結果として見送りになるということとなれば、総裁のこれまでの勢いがやや後退したとも受け取れることとなる。結果から見てそのように感じられるだけなのかもしれないが。
もちろん18日に利上げが見送られず実施される可能性はまだ絶対ないとは言えないことも確かではある。以上のコメントは念の為、あくまで個人的な推測による感想であることにもご注意いただきたい。
本日10時より閣議が開催された。外遊から帰国したばかりの安倍首相が今回の日銀の利上げに向けた動きにどのような対応を示すのかを注目していたが、閣議後の閣僚の発言内容を見る限り、政府としては議決延期請求権を行使することはない、日銀の利上げについても容認する姿勢を示したものとも受け取れるものとなった。これをはっきりと示したのが尾身財務相で、「(政府は)議決延期請求権を使う局面ではない」と述べるとともに「(金利水準の決定など具体的な金融政策については)日銀の判断だ」と述べ、政府・与党が介入すべきでないとの認識を示した(毎日新聞)。
さらに塩崎官房長官も「日銀は政府と同じ方向性みながら政策手段は独立性もって判断」として日銀の独立性を尊重する発言をした。また、山本金融担当相も「政策金利決定は日銀の専管事項、日銀の決定を最大限尊重」と発言している。
また、先日のテレビ番組で「今は消費が弱くなっている。金利は日銀の専管事項だが、デフレ脱却の道筋をどう描くのか、説明責任を果たしてもらいたい」とコメントし、日銀の追加利上げを牽制したとみられた大田経済財政担当相も「議決延期請求権については仮定の話なのでいえない」としながらも「利上げは日銀の専管事項」との発言があった。
安倍首相からの日銀に対する直接の発言はなかったものの、安倍総理帰国後の金融政策決定会合前日での閣議において閣僚から上記の発言が出たということは、政府として日銀の利上げに向けての動きに対しては強く牽制することはなく、中川幹事長が政府に要望した議決延期請求権の行使の可能性が薄いことが示された。安倍首相が今回どのような対応を示すのかが気がかりでもあったが、日銀への対応は小泉政権と比較して大きな変化はどうやらないように思われる。
昨日12月26日に初めて財務省における予算の説明会に出席した。2007年度予算において、新規財源債の発行が抑えられ過去最大の4.5兆円の減額となっており、これによりプライマリーバランスも赤字幅が今年度の当初予算からは6.8兆円もの縮小する見込み(ただし、18年度補正後の数字からみると4.2兆円の減少)となっている。
このプライマリーバランスも赤字幅の大幅な縮小には、税収増に加えて定率減税の廃止などで1兆1千億円の税収増となるなどやや特殊要因も働いている。このため、このペースで今後もプライマリーバランスが改善していくとは予測しにくいとの財務省からの説明もあった。それでも今後もこの財政構造改革の方針を貫いていけば、2011年度よりも前倒しで黒字化される可能性は残る。
説明会の質疑応答においても、プライマリーバランスの黒字化の目標ではなく、もう少し踏み込んだ目標を設定してはどうかといった質問も出ていたが、1月16日の日経新聞では政府は国債残高圧縮に向けて新たな目標をつくる検討に入ったと伝えている。
プライマリーバランスの黒字化とはあくまで国の借金の増加を抑制することが目標である。その目標達成が射程距離に入ってきており、今後はさらに踏み込み、膨大な国債残高削減を図るということはある意味当然のことである。
しかし、2011年度までのプライマリーバランスの黒字化目標は前倒しはしない見込みとも伝えられている。その代わりに「新たな増税なしで」2009年度からの基礎年金の国庫負担増を補えるとした。
ただし、朝日新聞によるとこの内閣府の試算は、構造改革が順調に進んだ場合で、名目成長率は2011年度には約4%にまで達するとして大幅な税収増を見越したもの。さらに経済財政運営の基本方針「骨太の方針06」で掲げた11.4兆〜14.3兆円の歳出削減を進めるとして、プライマリーバランスは1兆円の黒字に達するとしており、それなりの成長率が続くというものが前提にもなっている。
もし改革が進まず、名目成長率が2011年度になっても現在と同じ2%程度にとどまり、歳出削減も11兆円台にとどまった場合には2011年度のプライマリーバランスはまだ4兆円程度の赤字になるとしている。
まずはプライマリーバランスの黒字化を達成することが重要であることは確かであり、その流れを加速させてもさらに国債残高圧縮に向けて舵を取っていかなければ財政の健全化は望めない。なかなか難しい状況ではあるとは思うが、政府にはそれに向けての努力を引き続き行っていただきたい。
グーグルで「議決延期請求権」を検索すると何故か「牛さん熊さんブログ」が上位にヒットした。その内容とは2005年11月16日にアップした以下の内容のものであった。
「2000年8月11日の日銀金融政策決定会合において、大蔵省(現、財務省)および経済企画庁(現、内閣府)からの出席者から、「日本銀行法第19条第2項の規定に基づき、議長提出の金融市場調節方針の決定に関する件に係る政策委員会の議決を次回金融政策決定会合まで延期すること」との議案が提出された。」
「ゼロ金利解除の際における議決延期請求権の行使である。この条項はドイツのブンデスバンクを参考に取り入れられたと言われたが、そのブンデスバンクですら一度も行使されることなくECBの設立とともにその条項は削られていた。それが日本で行使されるという異常な事態となったことを記憶している方も多いと思う。」
そして、もうひとつ2006年2月26日の牛熊ブログの下記内容もヒットされた。
「日経新聞や朝日新聞では26日の与謝野経財相のNHKの番組における発言などを受けて、政府内にも日銀の量的緩和解除に対してそれを容認する意見が広がってきたと伝えた。しかし、読売新聞ではさらに踏み込んで、日本銀行が3月に開く金融政策決定会合で、量的緩和策の解除が提案された場合でも、「議決延期請求権」を行使しない方針を固めたと伝えている。」
2006年3月の量的緩和政策の解除と、最初の利上げともなった7月のゼロ金利解除の際に、政府は実際に「議決延期請求権」を行使していない。それどころか上記のように事前に行使しない方針を固めたことがマスコミを通じて伝えられていたのである。
ところが、2月17日から18日の金融政策決定会合において追加利上げの可能性が高まったことで、小泉政権前にタイムスリップしたかのように自民党幹部から「議決延期請求権」の行使を示唆する発言や、日銀法改正といったコメントまで出てきているのである。
中川昭一自民党政調会長は「政府には(日銀に議決延期を求める)請求権がある。それを前提に利上げの時期ではないと申し上げたい」とも指摘している。さらにテレビ朝日で大田経済財政担当相は「今は消費が弱くなっている。金利は日銀の専管事項だが、デフレ脱却の道筋をどう描くのか、説明責任を果たしてもらいたい」とコメントし、日銀の追加利上げを牽制した。
中川秀直自民党幹事長は講演で「12月に利上げを見送っておきながら1月に利上げする合理的理由はない」、「日銀が異なる判断をするなら、政府は日銀法19条に基づく権利を行使する義務がある」として議決延期請求権の行使について言及し、さらに「日銀が再び議決延期請求権を否決するのであれば、重大な法制度の欠陥ととらえざるを得ない」して日銀法改正までちらつかせていたのである。
2000年8月のゼロ金利解除のときの官房長官がこの中川秀直氏であり、副官房長官は現在の安倍首相であった。当時の政府と日銀との間で激しいやり取りがあったであろうことは想像に難くない。それにしても小泉政権時には封印されたかに見えた「議決延期請求権」がここにきて再び脚光を浴びることになるとは予想外のことでもあった。経済環境の違いもあるのかもしれないが、政権が変わり人事も一変されたことによる要因といったものも大きいのかもしれない。
もうひとつ気になった記事もあった。東京新聞は13日の「18日利上げの公算」との記事の中で、「新たな問題として浮上してきたのが消費者物価指数の先行きだ」として、「ここへ来て原油価格が急落。それを反映してCPIが今後、マイナス圏内に落ち込む可能性すら出てきた」とし、「物価がマイナスになるかもしれないという時に、利上げをする理由を国民にきちんと説明できるのか」としている。実際に利上げに踏み切る場合には、日銀の「説明責任」が大きな焦点となりそうだとも指摘している。もし今回利上げが実施されたのち、春以降に仮にCPIが一時的にせよマイナスとなる可能性があるのならば、日銀はしっかり説明責任を果たす必要はあろう。
2000年8月の議決延期請求権についての最終判断はのちの宮沢氏の発言などから当時の宮沢蔵相に託されていたようである。17日から18日にかけて政府側からは財務省と内閣府からそれぞれ代表者が出席する。もし「利上げ」が議長提案された際には、一時会合が中断され、それぞれの担当大臣である尾身財務大臣、大田経済担当相に「議決延期請求権」の行使について決断を仰ぐこととなる可能性も否定できない。現時点でそれを行使するかどうかまでは予想はつかないし、政府は2000年8月時のようにどちらかの大臣に決断を託すのかどうかもわからないが、議決を延期すべきかどうかを検討するという可能性はありうる。
今年に入ってからのの債券相場の動きを先物主体にまとめてみたい。1月1日の読売新聞は月内にも追加利上げ実施を日銀が検討と報じた。1月18日の金融政策決定会合での追加利上げ観測の強まりにより、今年の債券先物は売りが先行した。4日の債券先物の寄り付きは133円90銭であったがその後一時133円60銭に下落した。5日はやや戻したものの、米12月の雇用統計結果が嫌気され米債が下落したことを受けて9日の債券先物は再び売り圧力を強め一時133円42銭まで下げた。10日に今度は米レポートなどにより日銀の月内追加利上げ観測が後退したことで先物は一時133円87銭まで戻す場面もあった。ただ、この日実施された10年国債入札は結果がやや予想を下回ったこともあり再び133円53銭まで下落した。11日に債券先物は一時買い戻される場面もあったが、12日に入ると今度はイングランド銀行の利上げや米債の下落によって先物は再び133円50銭を割り込むなど、結果として今年に入ってからの債券先物は上値の重い展開となった。10年債利回りも主に1.7%台での推移となった。
明日12日に日銀支店長会議が開催される。17日から18日にかけての金融政策決定会合も控えているだけに、これまで以上に注目度が高まりそうである。この「若き知」のタイトルも、一昨日に「月内追加利上げ観測」、昨日は「1月追加利上げ観測は後退か」と相反するものとなっていたが、市場参加者も追加利上げの有無については疑心暗鬼になっている。
17日からの決定会合までには12日の景気ウォッチャー調査、15日の11月の機械受注、16日の企業物価統計なども発表されるが、金融政策への影響度を考えるとさほど大きなものではない。このため支店長会議での福井総裁の冒頭挨拶なども注意が必要ながら、この挨拶にて何かしら示唆される可能性は薄いのではないかとも思われる。むしろ、その後発表される地域経済報告、通称「さくらレポート」の内容に注意が必要となるのかもしれない。ここで景気の見方に強気の姿勢が顕著なものとなれば利上げに向けての思惑が強まる。
17日からの決定会合では展望レポートの中間レビューも発表されるが、ここで下方修正されるようなことはなさそう。たとえば昨日、日銀の早川調査統計局長も「潜在成長率を上回る2%強の成長が07 年度にかけても続く」という見通しを示している。展望レポートの中間レビューによって、これまでの日銀の予想した範囲内での景気・物価の動きであったことが示され、それを元にしての追加利上げ実施かという見方も市場にはある。
日銀の審議委員も追加利上げに向けての意見は拮抗しているともみられているが、最終的には議長である福井日銀総裁が利上げに向けての議長提案を行うかどうかにかかっているともいえる。そしてある程度利上げに向けての環境が整ったとの判断には、事前の日銀執行部との調整はもちろん、政府・与党や財務省の意向などもある程度意識されるものとみられる。
とにもかくにも18日の結果に関しての現時点での予測、いやこうなると予想というのが正解か。とにかく個人的な推測としては、1人もしくは2人の反対はありながら賛成多数での現状維持となるのではないかとみているが。
有名な米系レポートに、CPIなどを理由に1月の日銀の追加利上げに対して否定的なコメントを載せたと伝えられた。これを受けて、本日は朝方に、海外投資家などによる債券先物やユーロ円金先などへの買戻しが入ったとも観測されている。
12月の決定会合以降に発表された経済指標をみてみると、11月の全国消費者物価指数市場の予想通りコアCPIは前年比+0.2%であった。また、11月家計調査は予想を上回る-0.7%となり、これにより10−12月期のGDP統計上の実質民間消費は前期比プラスに回復する可能性が高い。これは本日の日経新聞主催の景気討論会で日本銀行調査統計局長の早川英男氏も10―12月期の個人消費、プラスの可能性を指摘していた。
しかし、これらの指標は予想を下振れするようなものではなかったものの、あくまで予想の範囲内のものであり、特に強い数字というものでもなかった。これらを元に12月にできなかった利上げを1月に実施するというのもなかなか難しいのではないかともみられる。
12日には日銀の支店長会議も開催され、これにより地方の景気なども一段の回復基調を示すようなものとなれば、それはひとつの利上げに向けての材料とはなるかもしれない。しかし、12月の消費などを数字で見極めて7-9月期の個人消費の落ち込みなどが一時的なものであったことを確認した上で、2月の会合での追加利上げの方が、ある程度納得が行くのではないかとも思う。
福井日銀総裁は10日までスイス出張のため、17日から18日にかけての決定会合の行方は今後、さらに詰めていくのではないかと見られるが、米系レポートではないが、ここはもう少し様子を見ても良いのではないかとも思う。
1月1日の読売新聞において日銀が1月にも追加利上げを実施する方向で検討する見通しと伝えられ、これによって今月17日から18日にかけて開催される金融政策決定会合において追加利上げが実施されるとの見方が再浮上している。
昨年12月8日に発表された7-9月期GDPの二次速報では、民間消費が-0.7%から-0.9%に下方修正され、10月全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年比+0.1%と予想の平均+0.2%を下回っていた。12月日銀金融経済月報でも足元消費は「やや伸び悩みつつ増加基調」と判断が下方修正されるなど、これら指標から消費や物価がやや低迷しているとも受け取られた。このため12月19日での日銀金融政策決定会合における追加利上げは見送られた。会合後の会見で日銀の福井総裁は「追加利上げに確信もてるまで今後の情報を丹念に点検」と発言していた。
これにより1月の17日から18日の金融政策決定会合にて追加利上げが可能となるには、それまでに発表される消費や物価に関する指標の点検が必要となるとみられた。12月の会合後に発表された経済指標を確認してみたい。まず12月26日に11月の全国消費者物価指数が発表され、これは市場の予想通りコアCPIは前年比+0.2%となった。日銀が注目しているとみられるコアコアとも呼ばれる、酒類を除く食料・及びエネルギーを除くベースでは0.2%の下落であったが、ここにきて回復傾向となっている。また11月家計調査は予想を上回る-0.7%となり、これにより10−12月期のGDP統計上の実質民間消費は前期比プラスに回復する可能性が高い。また失業率も低下してきており雇用もしっかりしていたが、これらの指標では堅調さは確認できたもののある程度予想の範囲内でもあった。
しかし、ここにきて発表された米国の経済指標が良いものが出てきていたことも見逃せない。住宅市況の底入れ期待もあり、さらに今年に入り発表された3日に発表された米ISM製造業指数や5日の雇用統計においても米経済の堅調さが確認された格好となった。日銀もこの米経済の動向はひとつの大きなチェックポイントでもあったとも思われ、これらの指標なども18日の日銀の追加利上げに向けてフォローの材料と見なされるかもしれない。
18日の決定会合までに発表される経済指標としては、1月12日の景気ウォッチャー調査、15日の11月の機械受注。16日の企業物価統計なども注意が必要か。12日には日銀支店長会議が開かれるがその際発表される「地域経済動向」などにも注意したい。いずれにしても、報道などから見る限り、今月もしくは2月にも日銀は追加利上げを実施してくる可能性が高いことは確かのようである。仮に近々利上げが実施されたあとも、さらに物価など引き続き上昇基調となっていれば、年内もう一回程度追加利上げを実施してくる可能性もある。
昨年末は部屋の大移動もあり、これまでバッファロー製の無線LAN(WHR-HP-G54) のルーターから直接有線で繋いでいた自分のパソコンを移動しなければならなくなった。やはり石丸電気でUSBで使える安い無線LANのアダプター(corega製CG-WLUSB2GL)を購入したのだが、なぜか付属のソフトがパソコンでうまく作動しない。しかたなく長めのLANケーブルを買ってきてパソコンに有線で繋ぎなおしてネットで調査した。同じような症状で困った例がないかあちこち探したのだが、なかなか良い対処方法が見つからない。これが大晦日の夕方。
原因はWindows XPに本来備わっているはずの無線LAN仕様による接続ができないことであった。USBコネクターについている専用ソフトをインストールしても、パソコン画面の右下にあるタスクバーに無線LANの受信を示すアンテナが表示されないのである。ネット上で検索を続けているうちに、無線LANの本体であるバッファローから提供されているソフトがどうも原因であるらしいことがわかった。さらにバッファローのホームページを探ってみると「クライアントマネージャー」というソフトが見つかった。他社の無線LAN内蔵パソコンでも無線LAN設定「AOSS」が使えるようになるソフトであり、無償でもあったことで一応ダウンロードしておいた。
元日の朝。念の為と削除していなかったバッファローのAOSSのソフトをまずパソコンから「プログラムの追加と削除」を使って削除した。まさに背水の陣。その上でUSBアダプターのソフトをインストールしたが、やはりPCにはアンテナ表示はされない。最悪の事態。しかし、USBアダプターを接続するとPC画面で認識プログラムが作動した。もしかするとと思い、USBアダプターのソフトが入っているCDを入れてみると、アダプターをパソコンに認識させることに成功した。少し前進。
しかし、USBアダプターのソフトはやはり使えない。AOSSソフトは削除したとはいえ何か干渉している可能性がある。それではとUSBアダプターのソフトをまたアンインストールした上で、AOSSが使えるバッファロー製のソフトで他社の無線LAN内蔵パソコンでも使えるという「クライアントマネージャー」をインストールしてみた。何のことはない、あっさりとAOSS接続画面が出てきた。そのまま設定をしたところ何の問題もなく認識したのである。タスクバーに無線LANの受信を示すアンテナもしっかりと表示された。大晦日の夕方から元日の昼にかけての無線LANの格闘劇はこれにて終了した。
ここでバッファローの「クライアントマネージャー」の注意書きを見たところ、「他社製の無線LANユーティリティと同時使用できません。」「WindowsXPへインストールすると、WindowsXP標準の無線ユーティリティが使用できなくなります。」「AirSupplicantとの同時使用はできません。」とあった。どうもこのあたりに謎というか原因があったのではないかとも思う。もし「クライアントマネージャー」を使う際には無線LANがバッファロー製のAOSS対応に限るという点にも注意してほしい。
もしかするともっと良い方法があったのかもしれないが、とにかく一台のパソコンにおける有線LANから無線LANへの移行に苦労の末に成功した。ノートパソコンやDSliteやWiiの接続はAOSSで一発で繋がり、iPAQも暗号化コードを入力することですぐに繋がったにも関わらず、最も頻繁に使っているパソコンを無線LANに接続するためにこれほど苦労するとは思いもしなかった。ちなみにAOSSの設定の変更等については、我が家では家人が主に使っている小型ノートパソコンからAOSSが別途操作できるため支障はないが、上記の接続ではAOSS本体設定の変更が可能かどうかわからないため注意してほしい。もし同じような症状で困っている方がいたらとも思い、少し詳しく状況を書き残した次第。
昨年29日の大納会の日の夕方、つくば市にある石丸電気のDVDレンタル館に借りていたDVDの「スーパーマン リターンズ」を返却しに行った。そこはゲームコーナーも併設されているのだが、ふとレジのところにある張り紙を見たところ「Wii入荷しました」とあった。人もまばらであり疑心暗鬼になりながらもレジで聞いたところ「本体でよろしいでしょうか」との返事。いずれは購入するつもりであったことと、まだまだ入手困難も予想されていたこともあり即座に購入してしまった。
買う際にふと考えてソフトも購入、ソフトがなければただの箱になってしまう。ソフトは日本での売れ筋「Wiiスポーツ」にした。米国ではゼルダが売れているそうだが、ゼルダはファミコン当時もクリアーしたことがないため今回は購入せず。
Wii本体はXBOX360に比べかなり小さい。液晶テレビの上部にセンサーを取り付けて、早速「Wiiスポーツ」を試した。センサーの感度もなかなか良く、こつさえ掴めば面白い。操作もレーザーポインターのような操作方法となっている。ただあまりに先入観も強すぎてか、こんなものかといった感も強かったことも確か。しかし、Wiiそのものについている似顔絵などがゲームにも反映されるなど、今後出てくるゲーム次第ではいろいろと面白い楽しみ方が出来そうである。
無線LANもXBOX360の高い別売りなどと違ってWiiはすでに内蔵されている。我が家で使っている無線LANのバッファローのAOSS機能も使えることで、設定もかなり楽であった。まだお天気チャンネルあたりしか使えないものの、3月からは専用の正式のブラウザソフトも配付される予定だが、現在はお試し版でネットサーフィンも楽しめる。
ゲームの保存などはSDカードを使うこともたいへん便利。自分で使っている携帯電話やデジカメ、MP3プレーヤー、そしてiPaqはすべて普通のSDカードに統一していたことで、SDカードは都合5G程度分もある。しかし、ついでにと秋葉原で別途1Gのものを買ったのだが、これがさらに安くなって1700円程度で国内メーカー品を購入できた。この1GタイプのものをWiiに差し込んでみたが問題なく認識した。ちなみにXBOX360のメモリーカードは64MBしかなくて3360円もする。ただし、これでは足りなくなると思い20GBのハードディスクを別途購入したが、こちらは1万円近くもする。ハードディスクの方がコストパフォーマンスの良いものの20Gはさすがに使い切れないことを考えると、消費者にやさしいのはやはり任天堂である。
なにはともあれ、Wiiがこれだけ売れているのも、その面白さも実際にゲームをしてみると理解できる。今後はこの面白い機能を上手に生かしたゲームが出てくるかが鍵となろう。Wiiスポーツではまだ少し物足りない気もするが。
幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』オリジナル文庫版が明日6日に発売されます。もちろん久保井も登場します。幸田さんの「日本国債」が発売されたのが2000年11月でした。財務省の資料からプライマリーバランスの推移を追ってみると、当初予算ベースで、この2000年度は-10.6兆円であり、その後年々赤字幅が拡大し2003年度には19.6兆円に拡大しています。しかし、2004年度以降は赤字幅が縮小し2007年度には-4.4兆円になりました。
「日本国債」が発売されベストセラーとなった背景のひとつが、日本の政府債務が拡大し続けていることで、日本が財政破綻を起こすのではないかとの危惧が広がっていたこともあったかと思います。そういった危機意識の広がりに対処するためにも、やはり2000年から登場した小泉政権は財政構造改革を進めました。国民もそれを受け入れ、その結果、財政構造改革が進むとともに、民間企業のがんばりに加え景気回復というフォローの風も吹いたことで税収も伸びた結果、プライマリーバランスの赤字幅は大きく縮小しました。
このため一時の危機意識は後退し、結果として「日本国債は危なくない」ことも立証されました。しかし、そうはいっても政府債務が増加し続け、いまだに国債発行額は世界最大となっている上、発行残高も547兆円にも膨らんできています。
昨年の平成19年度予算の財務省における説明会でも、プライマリーバランスの均衡といった目標だけでなく、さらに踏み込んで政府債務そのものを減らすような目標を立てるべきではないかといった質問が財務省に向けられていました。財政は健全化の方向に向けて動いてはいるものの、健全化に至るにはまだまだ道のりは長いことも事実です。安易な増税といったものではなく、規制緩和などを含めての構造そのものの改革の余地はまだまだあると思われます。日本の金融の大きな柱ともなっている「日本国債」の信任を維持させるためにもこの財政の健全化への歩みは止めるべきではないのも事実です。
こういった国債や国の財政について再び考えてみるのも必要ではないでしょうか。小説「日本国債」はストーリーそのものもたいへん面白いものとなっているとともに、やや取っ付き難い国債のことを知るためにも絶好の教科書ともなっています。まだ読んでいない方はもちろん、一度読んだ方も再度目を通されてはいかがでしょうか。
新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
1月1日の読売新聞は、日本銀行が、1月にも追加利上げを実施する方向で検討する見通しと伝えています。昨年末の経済指標で日本経済の底堅さが確認されたとして、利上げに向けた環境が整いつつあるとの判断を固めた模様だそうです。
その経済指標を振り返ってみますと、1月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比+0.2%と市場予想通りの数字、また1月の全世帯の家計調査によると物価変動の影響を除いた実質で前年同月比-0.7%。11月鉱工業生産速報値は前月比+0.7%と予想の平均(+1.0%近辺)は下回ったものの、好調だった10月に続いて2か月プラスとなり、生産指数は過去最高を更新していました。それほど強い数字ではなかったものの、確かに「底堅さ」は確認できたともいえます。
今月12日には日銀の支店長会議も開催されます。ここで各地の景気・物価情勢なども見極める必要もあり、さらに政府・与党との調整を経たうえで、17〜18日に開く金融政策決定会合で最終判断するそうです。特にこの政府・与党との調整次第では利上げが2月以降にずれ込む可能性も残されているとも読売は伝えています。
また、ここにきて米国の経済指標も明るいものが多く出ており、特に住宅市況が回復しつつあるなどしていることも日銀にはフォローの風となっているのかもしれません。しかし、なぜ12月が出来ずに1月なのかという面は釈然としていません。個人的にはもう少し様子を見て、12月の数字を確認した上で2月に追加利上げをしても良いのではないかと思っているのですが。
昨年は量的緩和政策が解除され、ゼロ金利政策も解除されました。税収も予想を大きく上回るなど経済が正常化しつつあることは疑うべくもない状態にはあるようです。この基調が維持されれば、今年は年内、1月か2月に1回、さらに7月選挙後あたりにもう一回程度の日銀の利上げが実施できるのではないかとも思っています。
今年の景気も明るい状態が続き、追加利上げが可能となるような状況が維持されることを願っております。本年も引き続き「若き知」ともどもよろしくお願いいたします。
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