「若き知」
「過去データは一番下に移行しました」


2007.12.28「今年もお世話になりました」

今年も大納会を向かえました。のちに振り返ると「サブプライムの年」となるのか「サブプライム元年」となってしまうのか、8月移行は特に米国のサブプライム問題によって大きく揺れ動いた相場となりました。政局も参院選で民主党が勝利し、安倍政権が福田政権に変わるなど波乱含みの様相ともなりました。今年の市場は漢字一字で示すと「乱」となるのでしょうか。

2008年に注目すべきイベントとしては、日本では衆院解散総選挙、日銀総裁人事、洞爺湖サミットがあり、海外では米国大統領選挙、北京オリンピックなどが挙げられます。果たして明るい年となってくれるのかどうか。

個人的には今年も「短期金融市場の基本とカラクリがよ〜くわかる本」という本を出させていただきました。また昨年、出させていただいた「金融の基本とカラクリがよーくわかる本」はおかげさまで増刷ともなりました。そして、来年もまた本を出させていただく予定になっております。こちらもよろしくお願いいたします。

本年もお世話になりました。来年も引き続き「債券ディーリングルーム」をアクセスいただけるとうれしいです。良いお年をお迎えください。


2007.12.27「DSのソフト」

任天堂の携帯ゲーム機DSのソフトになんとも懐かしいラインナップが登場してきている。大ヒットする新作が少なくなっているのも気がかりながら、旧作品のリメイクなどの売れ行きが引き続き好調である。

直近では、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーのそれぞれ4作目がリメークされた。これらはファミコンやスーパーファミコンなどゲーム機専用のヒット作であったが、ヨーロッパではパソコンソフトで一世を風靡した「MYST」のDS版が発売されている。また、来年にかけてはやはりパソコン版でスタートした「イース」のリメイクが発売される予定である。そして、これもパソコン版で有名な「ポピュラス」がDSで復活する。

私のDSは本来、英語学習ソフトが入っていたはずであるが、最近はもっぱら三国志DS2が入っている。これもやはりパソコン版が大元の戦略ゲームである。10年前のパソコンやファミコンの機能よりも、DSの機能の方が向上しており、ゲームそのものの機能はかわらないものの、グラフィックや操作性は当時とは比べ物にならないぐらいしっかりしている。

グラフィックという面では、ソニーのPSPの方が上ではあるものの、当時のゲームのリメイクとなればそれほどグラフィックを強化する必要もなく、むしろゲームそのものをタッチペンや2画面を利用して遊べるDSの方が面白みは増す。

また、これはリメイクではなく新作ではあるが、1月31日に「放課後少年」というソフトが発売される。これは昭和50年ごろ子供だった人たちに向けた当時を懐かしむゲームとなっている。世代からは私よりやや低い層向けではあるものの、昭和のあのころを思い出させるものともなっているようである。これも購入意欲をそそられている。

DSの国内販売がすでに2000万台を超えており、おおよそ国民6人あたり1人の割合で保有しているだけに、ちょっとヒットすれば数百万台ということにもなる。あとはアイデアそのものとともに、昔の遺産をどううまく利用するかによっては大きなヒットにも結び付けられよう。今後、どういったソフトが出てくるのかも楽しみではある。もちろん、ゲームばかりでなく学習ソフトもだが。


2007.12.26「日銀金融政策議事要旨発表(11月12〜13日分)より」

「住宅投資については、改正建築基準法施行の影響から大きく減少しているとの認識で一致した。複数の委員は、この影響から、建設財の在庫率上昇や価格下落がみられ、建設関連の中小企業を中心に影響が表れてきていると指摘した。先行きについて、何人かの委員は、不動産業界の一部には、住宅需要が頭打ちになっているとの声があるとした上で、改正法施行の影響が剥落した後の住宅投資の動向をよくみていく必要があると述べた。複数の委員は、住宅投資の減少が長期化した場合には、マインド面も含め、マクロ的に影響が拡がりうる点には注意が必要だと付け加えた。」

住宅市場の落ち込みは改正建築基準法施行の影響が大きなことは確かである。都心のマンション販売が落ち込んでいるのは価格高騰の影響もある。ただここで何人かの委員から指摘があったように「不動産業界の一部には、住宅需要が頭打ちになっているとの声がある」という部分には注意したい。場合によると住宅投資の減少が長期化するリスクといったものを考慮しておく必要がある。

「消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比について、委員は、目先、ゼロ%近傍で推移するとみられるが、より長い目でみると、資源の稼働状況が高まっていることから、プラス基調を続けていくと予想されるとの認識を共有した。複数の委員は、企業がコストを販売価格に容易に転嫁できない状況が続いているが、企業によるコスト高の吸収余力は限界に近づいており、一部では原材料高の最終価格への転嫁がみられると指摘した。別の委員は身の回り品の値上げが増えていることから、消費者の物価観にも変化がうかがわれるとコメントした。

この最後の別の委員とは、唯一の女性である須田委員の発言であろうか。今回の一連の価格転嫁の動きは食料品などが先んじており、男性よりも女性の方が敏感になっているとの指摘もある。

「先行きについて、何人かの委員は、10 月以降、石油製品のプラス寄与が徐々に拡大するとみられ、原油価格次第では、年末にかけて前年比が小幅のプラスに転じるとみられるとの見方を示した。」

そのプラス幅は意外に大きくなるといった見方も出てきている点にも注意したい。

「原油価格をはじめとする国際商品市況が高騰していることを、物価判断においてどう捉えるかについて議論が行われた。まず原油価格上昇の背景について、ある委員は、新興国を中心とする世界経済の拡大という需要側の要因が基本にあるとの認識を示した。こうしたもとで、もう一人の委員は、原油価格を除外して物価情勢の判断 はできないというのは、欧州や米国でも一致した見方になっているとコメントした。この間、別の委員は、原油価格上昇は需要要因だけでは説明できず、地政学的なリスクなどの供給側の要因や、特に最近は短期的な投機資金の流入も影響していると指摘した。その上で、複数の委員が、原油価格が今後下落に転じた場合などには、消 費者物価に一時的な振れが生じうるので、その点も考慮して、物価の基調を判断し、対外的に説明していくことが大切であると述べた。」

「こうした議論を踏まえて、委員は、原油価格の上昇には需給両面の要因が働いており、単純に除外して考えることはできないが、相場の振れが大きく、それが物価の短期的な動きに影響していることも意識しながら、物価の基調を正確に捉えていくことが重要である、との認識で一致した。」

さて、興味深いのはこのあとの記述である。少なくとも2人の委員がかなり議論を展開し、一人がその仲裁に入った感もある。インフレはコストプッシュ型とディマンドプル型があるというのが通説ではあるものの、それを明確に区別するのも難しい。それはさておき、議事要旨でもこれだけの記述ということは、現場ではかなり白熱した議論が戦わされていた可能性がありそうである。

「何人かの委員は、基調を判断する上で、様々な物価指標を幅広く点検していくことの重要性を指摘した。この点に関連して、ある委員は、日本の場合、エネルギーのほとんどを輸入しているので、その価格高騰による物価上昇は輸入されたインフレであり、国内の需要に基づく物価上昇圧力は強くないと指摘した。これに対して一人の委員は、外生的なインフレであっても、人々のインフレ期待を高める可能性があると述べた。別の委員は、こうした議論について、外生的な物価上昇がインフレ期待に結びつくかどうかは内需の強さにも依存するので、両者は同じ問題の違った側面を述べているのではないかとコメントした。」


2007.12.26「平成20年度予算等に関する説明会」

今年も昨日、財務省での「平成20年度予算等に関する説明会」に出席させていただいた。これは学識経験者、シンクタンクのエコノミスト等に向けての財務省による20年度予算、税制、財投そして国債に関しての説明会である。

16時スタートということで、引けあとの仕事を早めに済ませたが、電車では間に合わないと思いタクシーをつかまえた。「財務省まで」と言ったつもりであったが、着きましたといわれたところは「外務省」であった。すぐお隣の財務省に回ってもらったが、時間には余裕を持って間に合った。

部屋で座って時間まで待っていたところ、見たことある方が入ってきたなあと思ったら香西税調会長であった。香西会長は会議室に入ってきた際に、説明側の方に座られようとしていた。おおっ、自ら税制について御説明なさるのかと思ったが、やっぱり席は反対側であり、学識経験者として出席されたようである。いつも説明される立場にいることで勘違いされたものと思われる。

20年度予算、税制、財投そして国債に関して1時間程度の時間内での説明だけに、ポイントを抑えながらというものになる。国債発行計画についてはある程度確認していたが、予算、税制、財投についても資料等で概要をあらためて確認することができた。来年度予算については、新規財源債の発行額を抑えるなど財政再建路線は継続しているものの、全般に思い切った削減が行なわれることはなく、あちらこちらに目配りした姿勢が感じられるものとなった。

説明終了後の質問においても、財政再建に関するものが多くみられた。ただある先生がいきなり、「国家はすでに破産している」と決め付けたご発言に関しては「?」と感じた。国家を家計や企業と直接比較すべきものではなく、これについては今後「破産の危機がある」とすべきものではなかったかと思う。それはさておき、今回の質疑応答もなかなか興味深いものでもあった。

今回も大量の資料をいただいた。今後の執筆等の参考資料にさせていただくつもりである。


2007.12.25「2008年当初の債券相場予想」

12月19日から20日の2日間かけて開催された日銀金融政策決定会合では、全員一致で現状維持が決定された。7月の会合以来、利上げを主張していた水野審議委員も今回は現状維持に賛成票を投じた。

6日のイングランド銀行の金融政策委員会では全員一致で政策金利0.25%引き下げを決定しており、同日のECBでも一部メンバーは利上げ支持となっていたものの政策金利を据置いた。

11日にはFRBはFOMCで、政策金利であるFF金利誘導目標を0.25%引き下げ、年 4.25%とすることを9対1の賛成多数で決定。 米国サブプライムの問題の影響により、市場では年末に向けての短期資金の逼迫感も強かったことで、FRBやECBなど米欧の五中央銀行が、金融市場の安定化に向けた緊急の資金供給策を実施した。

日銀が14日発表した12月の日銀短観では、企業の景況感を示す業況判断指数は大企業製造業でプラス19と前回調査に比べ4ポイントの低下となり、市場予想も下回った。原油高とともに、米経済の減速懸念などが響いたとみられ、先行きもさらに4ポイントの悪化を見込むなど、日本経済の下振れも懸念された。

米国経済の減速が今後の日本経済に与える影響等を考慮するとともに、年末に向けての欧米中銀の臨戦態勢の姿勢を見て、12月20日の日銀の金融政策決定会合では全員一致での現状維持が選択されたものとみられる。

当面は米サブプライム問題の影響を押さえることが重要となるが、欧米でも原油価格や商品市況の上昇により物価上昇圧力が加わっていることから、今後は日銀や欧米の中央銀行は金融政策に対して難しい選択を迫られる可能性もある。

東京市場でも焦点は米国のサブプライム問題の影響となっていることで、東京株式市場は米国株式市場の動向の影響を受けやすくなっており、円債は米国債の動向とともに、この株式市場の影響も受けながらの動きになっている。

こういった神経質な相場展開は、来年はじめにかけても続くものとみられ、当面の長期金利は1.5%を挟んでの動きとなるとみられる。しかし、サブプライム問題の影響が長期に渡り米経済に影響を及ぼしてくるのかどうかは見方も分かれる。

国内経済の下振れ懸念には改正建築基準法の施行といった官製不況と呼ばれるものの影響も大きいことにも注意が必要か。今後、こういった反動も含めて景気回復への期待が強まるようだと、低位安定している長期金利に再び上昇圧力が加わるという可能性もある。


2007.12.21「UFO騒動」

民主党の山根隆治参議院議員から提出された質問主意書を受け、政府は「UFO」についての具体的事例は確認できていないとする答弁書を発表した。これをきっかけに、町村信孝官房長官は「未確認飛行物体(UFO)は存在する」などと力説するなどあちこち波紋を投げかけている。実際にUFOが襲来した際の防衛を担当する石破茂防衛相は、「存在しないと断定し得る根拠はない」とした上で「防衛省として取り組むことはないが、私個人としては考えてみたい」と、UFO飛来時の自衛隊の対応について研究する考えを表明。「ゴジラがやって来れば、天変地異のたぐいだから(自衛隊は)災害派遣だ」としながら「UFO襲来になると災害派遣が使えるのか」といった自説をたんたんと述べたそうである。

こういった官房長官や防衛相の発言などに対し、自民党の二階総務会長は、政府答弁書にサインしておきながら私はいると思うと発言するのはいかがなものか、と苦言を呈したそうである。

今回の騒動を見ると、どうやらUFOなどのミステリーへの関心が高い政治家がかなりいるようであるが、このUFOの政府の答弁書に対して、米国陰謀説まで飛び出している。つまり、米国はUFOの存在を知っているが、日本政府が仮にその存在を認めてUFOと日本政府が提携でもすれば、米国の脅威となるため、日本政府に存在しないと公式に表明させたというものである。よくある政界絡みの米国陰謀説もここまでくると都市伝説の域も超えている。

ちなみにピンクレディのヒット曲でも知られる「ユーフォー」という発音は日本語である。UFOは、Unidentified Flying Object(s)、つまり「未確認飛行物体」の略称で英語では「ユー・エフ・オー」となる。昔、UFOという題名の英国製作のSFテレビドラマがあったが、そのオープニングも英語で「ユー・エフ・オー」と発音されている。

このUFOは別に空飛ぶ円盤である必要はなく、モスラが飛んできても何であるか確認できなければUFOであるし、タイムマシンであっても飛行形態を取るならばUFOになる。どうも今回の騒動では、UFOイコール空飛ぶ円盤と勘違いしている発言も見受けられる。

ということで、今回のUFO論議はいろいろな意味で興味深い。政府の答弁書はさておき、肝心の質問者が所属している民主党はどういう見解を持っているのであろうか。ただ、あまりこのあたりを突っ込むと、党首討論の議題にまでなりかねないのでこのあたりで抑えておいた方が良さそうである。


2007.12.20「全員一致で現状維持」

12月19日から20日の2日間かけて開催された日銀金融政策決定会合では、全員一致で現状維持が決定されました。7月の会合以来、利上げを主張していた水野審議委員も今回は現状維持に賛成票を投じました。

6日の英国イングランド銀行(BOE)の金融政策委員会では全員一致で政策金利0.25%引き下げを決定しており、同日の欧州中央銀行(ECB)でも一部メンバーは利上げ支持となっていたものの政策金利を据え置いていました。

11日には米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド金利誘導目標を0.25%引き下げ、年 4.25%とすることを9対1の賛成多数で決定しました。政策金利の引き下げは9月18日のFOMCから3回連続です。今回反対したのは、0.5%の引き下げを主張したローゼングレン・ボストン地区連銀総裁でした。

さらに12日には、FRBやECBなど米欧の五中央銀行が、金融市場の安定化に向けた緊急の資金供給策を発表しました。

FRBは新たな資金供給方式を導入し、これは公定歩合と同じ担保が使用でき、公定歩合での借り入れが可能な金融機関が参加できるというものです。この新しい方式の期間物資金供給(TAF)は年内に2回実施され、初回は200億ドルの予定と発表され17日に実施されました。

さらに、FRBはECBと200億ドル、スイス銀行と40億ドルのスワップ協定も結んでいます。これをもとにECBは年内2回17日と20日に、 スイス銀行は年内1回17日に特別市場公開操作を実施しました。また、イングランド銀行も資金供給の際の担保の範囲を拡充し、カナダ中銀も資金供給の拡大に踏み切ることを発表しています。

このように米国サブプライムの問題の影響により、市場では年末に向けての短期資金の逼迫感も強かったことで、越年資金供給と通貨スワップの合わせ技という、コンピューターの2000年問題への対応と、同時テロ時の対応を同時に実施するといった異例の措置を米欧の中央銀行は実施しました。

日銀は今回の欧米の中銀の措置には直接加わらないものの、スウェーデンのリクスバンクなどと同様に情報共有などの面で緊密に連携すると、12日の深夜に日銀の稲葉理事が緊急の記者会見で発表しています。

日本の3つのメガ銀行は、米サブプライム基金への融資枠設定は見送りの方針を固めたとも報じられたように、米サブプライム問題による日本国内の金融機関への影響は限られています。

しかし、日銀が14日発表した12月の日銀短観では、企業の景況感を示す業況判断指数は大企業製造業でプラス19と前回調査に比べ4ポイントの低下となり、市場予想も下回りました。これは原油高とともに、米経済の減速懸念などが響いたとみられ、先行きもさらに4ポイントの悪化を見込んでいるといった結果となりました。日本経済の下振れといったものも懸念されていたともみられます。

12月3日に福井日銀総裁は講演で、「この先、(米国の)住宅市場の調整が一段と厳しいものとなった場合や金融資本市場の変動の影響が予想以上に広範なものとなった場合には、資産効果や信用収縮、企業 や家計のマインド悪化などを通じて、個人消費や設備投資が下振れ、米国経済が一段と減速する可能性が考えられます」とのリスクシナリオについても述べていました。

米国経済の減速が今後の日本経済に与える影響等を考慮するとともに、年末に向けての欧米中銀の臨戦態勢の姿勢を見て、12月20日の日銀の金融政策決定会合では全員一致での現状維持が選択されたものとみられます。

しかし、11月30日に発表された10月全国消費者物価指数(除く生鮮食料品)は、前年同月比+0.1%と昨年12月以来の前年比プラスとなり、今後はこの上昇幅が拡大すると予想されています。

目先は米サブプライム問題の影響を押さえることが重要となるでしょうが、欧米でも原油価格や商品市況の上昇により物価上昇圧力が加わっていることから、今後は日銀や欧米の中央銀行は金融政策に対して難しい選択を迫られる可能性もあります。

こういった状況下にあって、前回の決定会合の開催された11月13日以降の日本の長期金利は1.5挟んで1.4%から1.6%のレンジの中での動きが続いています。11月22日には株価の下落などを受けて、一時1.4%を割り込む場面もあったのですが、さすがにこの水準では高値警戒もあって押し戻されました。その後、12月11日に1.585%まで後退しましたが、押し目も限られたものとなりました。

東京市場でも焦点は米国のサブプライム問題の影響となっていることで、東京株式市場は米国株式市場の動向の影響を受けやすくなっており、円債は米国債の動向とともに、この株式市場の影響も受けながらの動きになっています。

こういった神経質な相場展開は、来年はじめにかけても続くものとみられ、当面の長期金利は1.5%を挟んでの動きとなりそうです。しかし、サブプライム問題の影響が長期に渡り米経済に影響を及ぼしてくるのかどうかは見方も分かれるところです。

2008年度の政府経済見通しにおいて、実質GDP成長率は前年度比+2.0%、名目は+2.1%の予想となっています。設備投資は前年度比+3.3%の予想。改正建築基準法の施行により2007年度に大きく落ち込んだ住宅投資も持ち直しとして+9.0%となり、個人消費も+1.3%を見込むなどしています。

国内経済の下振れ懸念には改正建築基準法の施行といった官製不況と呼ばれるものの影響も大きいことにも注意が必要です。今後、こういった反動含め景気回復への期待が強まるようだと、低位安定している長期金利に再び上昇圧力が加わるという可能性もあります。


2006.12.20「2008年度国債発行計画」

2008年度の国債発行総額は126兆2900億円(2007年度当初日17兆5480億円減)となる。 新規財源債発行額は25兆3480億円(同840億円減)に抑制され、 借換債の発行額は92兆5420億円(7兆2640億円減)となる。 財投の原資を調達する財投債は8兆4000億円(10兆2000億円減)となり、経過措置分はゼロとなる。 これにより新規財源債と借換債、財投債の合計で上記のように126兆2900億円となる。

ここから市中消化の分を算出するためには、このうち日銀など公的部門の引き受け額と個人向け国債の発行額を差し引く。日銀乗り換えの公的部門は9兆6223億円(7兆6337億円減)、財政融資資金乗換はなし。財投債の経過措置分はゼロ。

個人向け販売分は8兆円(1500億円減)。

国債市中消化額=新規財源債+借換債+財投債−公的引受(日銀乗換+財投債の経過措置分)-個人向け販売分

108.6677=25.3480+92.5420+8.4-(9.6223+0)-8

上記の国債市中消化額108兆6670兆円から前倒し債発行減額による調整分の1兆0537億円と第2非競争入札分の2兆5140億円を減額することにより、 来年度の国債市中発行額はカレンダーベースで105兆1000億円となる。

カレンダーベースの市中消化額=国債市中消化額-前倒し債発行減額による調整分-第2非競争入札分

105.1000=108.6677-1.0537-2.5140

来年度国債市中消化額の年限別発行額では、5年国債が1回あたりの発行額が1000億円減額され、2008年度中をメドに政府短期証券(FB)との統合計画が発表されているTB6か月物が2兆7000億円の減額となり、15年変動利付国債は今年度の3兆4千億円から2兆4000億円に減額される。また、40年国債は1回あたり2000億円を2回発行する。流動性供給入札は6000億円の増額。

市中からの買入消却については、財政投融資特別会計からの繰入金(これはつまり埋蔵金)9兆8000億円を財源とした買入消却を実施。内訳は市中から3兆円、財政投融資金から3兆4000億円、日銀から3兆4000億円となる。市中からの買入消却については15年変国に重点を置いて実施され、年間4800億円から約1兆2000億円に増額される。
来年度国債市中消化額の年限別発行額は下記の通りとなる。
TB1年 16.8兆円 1.4兆円×年12回
TB6カ月 3.3兆円
10年物価連動債 3.0兆円 0.5兆円×年6回
15年変動利付債 2.4兆円 0.6兆円×年4回
2年債 20.4兆円 1.7兆円×年12回
5年債 22.8兆円 1.9兆円×年12回
10年債 22.8兆円 1.9兆円×年12回
20年債  9.6兆円 0.8兆円×年12回
30年債 2.4兆円 0.6兆円×年4回
40年債 0.4兆円 0.2兆円×年2回 流動性供給入札 1.2兆円 0.1兆円×年12回

カレンダーベース市中発行額の平均年限は7.4年(今年度比+4か月)
金利スワップ取引は、想定元本ベースで2008年度は今年度と同じく1兆8,000億円を上限とする。
国債費に関しての想定金利は2.0%となり今年度の2.3%から0.3%低下。


2007.12.20「2008年度予算、財務省原案」

2008年度予算の財務省原案が内示された。新規財源債は25兆3480億円と前年度減額となり、国債依存度は30.5%と今年度の30.7%よりやや改善。一般会計の総額は83兆0613億円、一般歳出は48兆2845億円。税収は53兆5540億円。国債費は20兆1632億円。想定金利は2.0%。基礎的財政収支は5兆1848億円の赤字となり今年度に比べ7516億円赤字幅は拡大。


2007.12.19「トランスクリプト」

拙著 「短期金融市場の基本とカラクリがよ〜くわかる本」の、第4章の「金融政策における透明性」の中で次のような記述をした。

「米国のFOMCでは会合終了後に声明文が公表されます。この声明文には、基本的な見解、政策決定内容、それに関する各FOMCメンバーの政策決定にかかる賛否といったものが記されています。市場関係者もその声明文を事細かに分析しています。FOMCの議事要旨は会合の約3週間後に、議事録は5年後に公表されることとなっています。」

ところが、3週間後に発表されるFOMCの内容を記述したものは「Minutes(議事録)」となっている。しかし、内容は具体的な発言者の名前などは伏せられており、日銀の「議事要旨」と同様のものとなっている。

日銀は「議事録」を10年後に公表することになっているが、FOMCの5年後に発表されるものはなんと表現すべきか悩んだ部分である。「明細な議事録」といった表現もあったが、拙著では日銀にあわせる形で、FOMCの3週間後に発表されるものを「議事要旨」、5年後に発表されるものを「議事録」とした。

ところが、これについてはグリーンスパン前FRB議長の著書「波乱の時代」(上巻P219)にそれが発表されることになった経緯を含めて具体的な記述がある。1993年のゴンザレス下院銀行委員会委員長(当時)の執拗なFRB批判により、FOMCの議事録作成のための未編集の「トランスクリプト」が存在したことが明らかとなったのである。これらをきっかけにグリーンスパン議長(当時)も含め、FOMC情報開示の動きが強まり、その結果、「FOMCは会合の直後に金融政策に関する決定を発表し、3週間後に議事録を発表し、『トランスクリプト』は5年後に公表することにした」とある。

つまり、FOMCに関しては3週間後に発表されるものは直訳どおりに「議事録」とし、5年後に発表されるものは「トランスクリプト」というのがどうやら正確な表現となりそうである。

「短期金融市場の基本とカラクリがよ〜くわかる本」を購入いただいた方々には、この部分については上記の認識で読んでいただければ幸いである。


2007.12.19「2008年度政府経済見通し、実質2.0%、名目2.1%」

政府は19日午前に臨時閣議を開き、2008年度の政府経済見通しを了承した。実質GDP成長率は前年度比+2.0%、名目は+2.1%、名目が実質を下回る「名実逆転」が11年ぶりに解消する見込みとなっている。

設備投資は前年度比+3.3%の予想。改正建築基準法の施行により07年度に大きく落ち込んだ住宅投資も持ち直しとして+9.0%に、個人消費は+1.3%の見込み、民需寄与度は+1.7%。外需の寄与度は+0.4%(07年度見込みは+0.9%)に低下の見込み。


2007.12.18「景気動向指数の見直し」

18日の日経新聞によると、内閣府の景気動向指数研究会(座長・吉川洋東大教授)は2008年4月分から「景気動向指数」を見直す方針を決めたそうである。景気の強弱を示す「合成指数」(CI=Composite Index)を現在の参考指数から正式指数に格上げするのが柱となる。景気動向指数が変更されるのは戦後初とか。

景気動向指数はこれまでDI(Diffusion Index)と呼ばれるデータを正式な指数として公表されてきたが、DIは景気の方向性は分かるものの、景気の勢いは分からないという欠点があった。一方、CIは採用している景気指標の変化率に着目したもので、高度に加工した指数。景気に敏感な指標の量的な動きを合成した指標であり、主として景気変動の大きさや量感を測定することを目的としている。このため景気変動の大きさやテンポ(量感)が毎月どう変化したかをきめ細かく把握できる(日経新聞)。

CIは一般的に一致指数が上昇している時が景気の拡張局面とされ、低下している時が後退局面となる。変化の大きさが景気の拡大や後退の大きさを示す。


2007.12.18「2007年9月末現在の国債保有者別残高」

2007年7〜9月資金循環勘定速報が日銀から発表された。このうち家計の金融資産は、1535兆6981億円と引き続き1500兆円台を維持した。この家計のうち国債は、35兆3674億円(6月末33兆5539億円)となり、国債全体に占めシェアは、5.3%と小幅ながら上昇した。株式99兆7648億円(6月末109兆7343億)、投資信託は76兆3363億円(6月末77兆6140億円) となった。6月末の日経平均は18138円36銭に対して2007年9月末は16785円69銭。長期金利は6月末1.865%に対し、9月末1.675%。

資金循環勘定速報をもとに 2007年9月末現在日本における国債所有別内訳を算出してみた。

国債の残高そのものは6月比11兆5213億円と6月減少分をほぼ回復させた。海外投資家が5兆9076億円増と大幅増となり、郵便貯金も4兆4456億円増となりトップシェアを維持、公的年金も2兆2744億円増、個人が1兆8135億円増、簡易保険が1兆1454億円増となった。

減少したのは、銀行など民間預金取扱機関が5兆4461億円減の95兆2490億円となり100兆円の大台を割り込んだ。減少はほかに財政融資資金が8819億円の減、日本銀行が7153億円減となっていた。

これにより海外投資家のシェアは6.6%に増加し、家計の全体に占めるシェアも5.3%と5%を維持した。海外と個人を合わせたものの全体に占めるシェアはし6月に続いて10%を大きく超えている。

2007年9月末の国債残高と、そして全体に占めるシェア、2007年6月末比(億円)

合計 、673兆5093億円、100.0%、11兆5213億円増

郵便貯金、148兆3510億円、22.0%、4兆4456億円増
民間預金取扱機関、95兆2490億円、14.1%、5兆4461億円減
民間の保険年金、90兆7051億円、13.5%、9889億円増
公的年金、70兆7318億円、10.5%、2兆2744億円増
日本銀行、65兆7599億円、9.8%、7153億円減
簡易保険、62兆0844億円、9.2%、1兆1454億円増
海外、44兆3215億円、6.6%、5兆9076億円増
家計、35兆3674億円、5.3%、1兆8135億円増
投信など金融仲介機関、22兆7068億円、3.4%、8638億円増
財政融資資金、20兆0571億円、3.0%、8819億円減
その他、18兆1753億円、2.7%、1兆1254億円増

参考までに自分で集計を始めてからの、日銀資金循環統計を元にした国債残高の推移は下記のようになっている。一番右の数値は前回比である。(単位、億円)

2002年09月末、5,045,257
2002年12月末、5,228,730、183,473
2003年03月末、5,384,464、155,734
2003年06月末、5,441,370、56,906
2003年09月末、5,437,060、-4,310
2003年12月末、5,545,297、108,237
2004年03月末、5,699,256、153,959
2004年06月末、5,759,771、60,515
2004年09月末、5,993,527、233,756
2004年12月末、6,197,909、204,382
2005年03月末、6,424,669、226,760
2005年06月末、6,613,991、189,322
2005年09月末、6,591,695、-22,296
2005年12月末、6,718,823、127,128
2006年03月末、6,670,712、-48,111
2006年06月末、6,591,136、-79,576
2006年09月末、6,750,991、159,855
2006年12月末、6,760,500、 9,509
2007年03月末、6,735,779、-24,721
2007年06月末、6,619,880、-115,899
2007年09月末、6,735,093、115,213

(なお上記は、私がエクセルで資金循環勘定速報をもとに再集計したものであり、数値のチェックはしているものの、一部入力ミスしている可能性が皆無とはいえないため、使われる際には、ご注意ください。)


2007.12.17「景気動向指数」

10月の景気動向指数(改定値)は一致指数が70.0%となり、景気判断の分かれ目である50%を7か月連続で上回わりました。6日の速報値の66.7%に比べ上方修正となりました。

内閣府が発表している景気動向指数は、景気動向を示す複数の指標を使い、3か月前と比較して上昇した指標の割合を示し、これにより景気が上向きか下向きかの方向性を示します。景気に先かげて反応する先行指数、足元景気動向を知るための一致指数、景気の動向に半年から1年程度遅れるとされる遅行指数があります。

一致指数は景気局面や景気転換点の判断に用いられます。50%が景気転換点の目安となり、一致指数が3か月以上連続して50%を越えているときは景気拡大局面にあるとされ、下回っているときは後退局面にあるとされています。

 すでに発表された経済指標を使うことで、ある程度事前予想が可能なことや、個別の指数をある程度市場では織り込んでいるために、景気動向指数を見て市場参加者にサプライズを与えるといったことはほとんどありません。しかし、景気の動向を知るために政府なども参考にしており、マスコミでも取り上げられることもあり、とりあえずチェックしておいたほうが良い指標です。

景気動向指数に採用されている指数は、先行指数では、最終需要財在庫率指数、鉱工業生産財在庫率指数、新規求人数、実質機械受注、新設住宅着工床面積、耐久消費財出荷指数、消費者態度指数、日経商品指数、長短金利差、東証株価指数、投資環境指数、中小企業売上げ見通しです。

一致指数では、鉱工業生産指数、鉱工業生産財出荷指数、大口電力使用量、製造業稼働率指数、所定外労働時間指数、投資財出荷指数、商業販売額(小売業、卸売業)、全産業営業利益、中小企業売上高、有効求人倍率があります。

遅行指数では、第3次産業活動指数、常用雇用指数、実質法人企業設備投資、家計消費支出、法人税収入、完全失業率です。


2007.12.14「12月調査の日銀短観」

本日朝発表された12月調査の日銀短観では、大企業製造業DIがプラス19となり、前回9月調査を4ポイント下回り、事前の予想プラス21近辺も下回った。前回からの悪化は3四半期ぶりとなる。 大企業非製造業DIもプラス16と予想を下回った。

6月の建築基準法改正後の混乱の影響により住宅着工件数が急減したこと、原油など原材料価格の高騰により企業収益が圧迫されるといった懸念、さらにサブプライムローン問題の影響により金融市場が混乱したことや、先行き米国経済の減速懸念も強まったことなども今回の悪化に繋がったものとみられる。


2007.12.13「米欧五中央銀行による金融市場の安定化に向けた緊急の資金供給策」

12日、FRBやECBなど米欧の五中央銀行が、金融市場の安定化に向けた緊急の資金供給策を発表した。

11日の米FOMCでは政策金利、公定歩合ともに0.25%の引き下げられたが、市場では年末に向けての短期資金の逼迫感も強く、そのために公定歩合の0.5%の引き下げといった期待もあった。しかし、その公定歩合による借入は、8月のFRBによる公定歩合の引き下げがあったにも関わらずあまり活用されていなかった。

これは公定歩合の借り入れは、市場で資金調達できないような銀行が行うといった認識も強かったことも要因とみられた。このため、FRBはFOMCでの公定歩合の大幅な引き下げは行わず、その代わりに新たな資金供給方式を導入した。これは公定歩合と同じ担保が使用でき、公定歩合での借り入れが可能な金融機関が参加できるというもので、この新しい方式の期間物資金供給(TAF)は年内に2回実施され、初回は200億ドルの予定と発表された。

さらに、FRBはECBと200億ドル、スイス銀行と40億ドルのスワップ協定も結ぶ。これをもとにECBは年内2回17日と20日に、スイス銀行は年内1回17日にの特別市場公開操作を実施する。また、イングランド銀行も資金供給の際の担保の範囲を拡充し、カナダ中銀も資金供給の拡大に踏み切る。

この越年資金供給と通貨スワップの合わせ技は、コンピューターの2000年問題への対応と、同時テロ時の対応を同時に実施するといった異例の措置ともなる。

日銀は今回の措置には直接加わらず、スウェーデンのリクスバンクなどと同様に情報共有などの面で緊密に連携すると、12日の深夜に日銀の稲葉理事が緊急の記者会見で発表した。

しかし、この発表がもしFOMC後の声明文の発表と同時に行っていれば、11日の米国株の急落といったものも避けられた可能性もあった。今回の対策の肝といえるものが、欧州銀行との連携でもあり、FEDの新たな資金供給策も含め、その対応策の詰めなどに時間もかかった可能性もあり、今回の発表までにラグも生じてしまい、その分やや市場は混乱してしまった可能性もある。


2007.12.12「11日の米FOMCで政策金利、公定歩合ともに0.25%の引き下げ」

米連邦準備理事会(FRB)は11日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド金利の誘導目標を0.25%引き下げ、年4.25%とすることを9対1の賛成多数で決定し即日実施した。政策金利の引き下げは9月18日のFOMCから3回連続となる。今回反対したのは、0.5%の引き下げを主張したローゼングレン・ボストン地区連銀総裁。コンセンサスを重視しているはずのFOMCで今回も全員一致が崩れたことは興味深い。金融機関向けの貸出金利である公定歩合も0.25%の引き下げを決定し、年4.75%とした。

FOMC終了後の声明文は、次のとおり。

Incoming information suggests that economic growth is slowing, reflecting the intensification of the housing correction and some softening in business and consumer spending. Moreover, strains in financial markets have increased in recent weeks. Today’s action, combined with the policy actions taken earlier, should help promote moderate growth over time.

「ここにきての経済データは、住宅市場低迷の深刻化、企業活動や個人消費の鈍化を反映した経済成長の減速を示唆している。その上、この数週間で金融市場での緊張も高まってきている。本日の決定は、これまでの政策と合わせて、今後も緩やかに経済が成長することを促進させるであろう」

Readings on core inflation have improved modestly this year, but elevated energy and commodity prices, among other factors, may put upward pressure on inflation. In this context, the Committee judges that some inflation risks remain, and it will continue to monitor inflation developments carefully.

「今年に入りコアインフレの数値は緩やかな改善を示している、しかし、最近のエネルギーや商品価格の上昇、他の要因によってインフレ圧力が強まる可能性がある。このような状況において、委員会では一部にインフレリスクが残っていると判断し、注意深くインフレの進展を見守っていく」

Recent developments, including the deterioration in financial market conditions, have increased the uncertainty surrounding the outlook for economic growth and inflation. The Committee will continue to assess the effects of financial and other developments on economic prospects and will act as needed to foster price stability and sustainable economic growth.

「ここにきて、金融市場の混乱を含む最近の状況の中において、経済成長やインフレの見通しに対しての不透明感が高まっている。委員会は、金融への影響や他の動向が経済面に与える影響を引き続き注視し、物価安定と安定的な経済成長を促進するために必要に応じた行動をとっていく。」

今回の声明文は、前回の声明に見られた「インフレ上振れリスクと景気下振れリスクがおよそ均衡すると判断」といったリスクバランスに関する表現が削除され、先行き不透明感が強調される内容となった。

上記の結果を受けて、11日の米国株式市場は前日比294.26ドル安の13432.77ドルとなるなど大幅反落となった。これは、市場では政策金利の0.5%の引き下げの期待もあったことや、それ以上に年末を控えての金融機関の資金繰り対策ともなる公定歩合の0.5%の引き下げを期待していた向きも多かったための影響とも指摘された。また、声明文で「強く」今後の利下げを示唆しなかったことが失望売りに繋がったとの見方もある。いずれにせよ、金融政策への期待感がやや高まりすぎていた反動とも言えるのかもしれない。

個人的には今回政策変更は妥当なものであったと思われる。金融政策そのものはマインドや期待に働きかけるものでもあり、市場の過剰な期待にかならずしも沿う必要はない。また前回のFOMCから金融不安等が大きく高まるといった状況にあったわけでもなく、むしろ株価の上昇などを見ても混乱はやや収まりつつあった。とはいえ声明文からも先行きについてFRBは警戒心を解いていないことも伺える。今回の米国株式市場の急落は、「期待で買って結果で売る」といった相場の格言に近い動きであったようにも思われる。


2007.12.11「金融政策と政治」

「FRBは法律によって長期的な視点から政策を実現するように義務付けられており、有権者を喜ばせるために短期的な視点で考える政治家とは対立する性格を持っている」とはグリーンスパン前FRB議長の著書「波乱の時代」の一文である。

金融と政治との関係については、拙著「短期金融市場の基本とカラクリがよ〜くわかる本」の第6章に次のように記述した。現役の中央銀行の関係者からはさすがに上記のような政治に向けての直接的な言及はあまりみられないが、カリスマと呼ばれFRBから離れたことで、こういった本音が記述されたのだろうと思う。

「仮に政治家に金融政策の決定権があるとすれば、選挙から強い影響を受ける政治家の都合のいいように金融政策を変えてしまう懸念が強くなります。選挙で選ばれているわけではない日銀に金融政策という国の経済に大きく関わる問題の決定権を与えるのはどうかという政治家もいます。しかし、政治家には国全体の運営という大きな役割があります。そして日銀には物価の安定という大きな目標が与えられています。物価の安定には、欧米諸国などの過去の長い歴史を経て、選挙といったことにも影響を受けない独立した中央銀行に任せる必要があると結論に至ったわけです。」

「とは言うものの、特に金融引き締めの際には日本に限らず、欧米の中央銀行でも政治家などから反対の声が出ていることも事実です。さすがに中央銀行の独立性まで侵害するような発言は控えられているようですが。カリスマと呼ばれたグリーンスパン前FRB議長も、特に議会に対しては非常に神経を使っていたと言われています。FRBもECBも政府との関係にはこれまでも苦慮しています。しかし、いろいろな経験を通じてそれぞれの距離感といったものをうまく計ってきているように思われます。」

「短期金融市場の基本とカラクリがよ〜くわかる本」(第6章より)


2007.12.11「今年の漢字を予想」

明日、清水寺で今年の漢字が発表されるそうである。「偽」や「疑」などが候補に挙がっているそうであるが、今年のベストセラーになった「女性の品格」から「品」もしくは「格」なども時勢を反映しているようにも思う。「品質」などの「品」も問われる世の中にあり、「品」の良さをあらためて見直す必要もある。また、「格」については、「格差社会」と騒がれ、またサブプライム問題では「格付」なども問題視された。首相の「品」や「格」も問われた年ともなった。ハニカミという言葉にもどこか「品」も感じられるが、さて何か選ばれるのだろうか。


2007.12.11「20年度の国債発行計画について」

12月7日(金)に開催された国債市場特別参加者会合(第19回)の議事要旨が財務省にアップされた。この中で20年度の国債発行計画についての次のような財務省の説明があった。

「20年度の国債発行計画については、これから、予算編成、財投編成、税制改正等の大詰めを迎えるところであり、確定的なことを申し上げられる段階にはないが、借換債の状況や国債市場特別参加者・投資家の意見等を踏まえつつ、カレンダーベース市中発行額を減額することを前提に、次のような方向で検討することを考えている。」
「減額要望のあった15年変動債については発行額を引き下げ、0.6兆円×4回とし原則リオープン発行とする」
「40年債については、総額0.4兆円程度の定期発行とし、落札・応札義務の対象とする」
「流動性供給入札については、20年度より抜本的に対象銘柄を拡充することを踏まえ、通年で計上することとし、金額については1.2兆円とする」
「5年債については、国債市場特別参加者、投資家の間で需給が緩んでいるとの見方が多いことから減額する」
「前倒債については、19年度と同程度の規模の大幅な減額は行わない方向で検討したいと考えている」

上記の説明を踏まえて、2008年度のカレンダーベースの国債発行額について見てみたい。その前に前提となる今年度のカレンダーベースの国債発行計画をまず振り返る必要がある。ちなみに19年度補正予算に関しては、「仮に国債発行総額等が変更されることとなるとしても、前倒債の発行額により調整が可能ではないかと見込んでいるところであり、カレンダーベース市中発行額の総額や年限別の内訳は見直さない方向で検討している」(財務省)としており、補正予算によって国債発行計画の変更はないとの前提で見てみたい。

今年度(2007年度)の国債発行計画は次の通り。TB1年 16.8兆円 1.4兆円×年12回、TB6カ月 6兆円 3.0兆円×年2回(1月と2月)、10年物価連動債 3.0兆円 0.5兆円×年6回(偶数月)、15年変動利付債 3.4兆円 1兆円×2回(5月と8月)+0.7兆円×2回(11月と2月)、2年債 20.4兆円 1.7兆円×年12回、5年債 24.0兆円 2.0兆円×年12回、10年債 22.8兆円 1.9兆円×年12回、20年債 9.6兆円 0.8兆円×年12回、30年債 2.4兆円 0.6兆円×年4回(4月、7月、10月、1月)、40年 0.1兆円 0.1兆円×1回(11月)、流動性供給入札 1.2兆円 0.1兆円×年12回。以上の合計109.7兆円。

財務省からの発言を踏まえ、上記の今年度国債の発行計画を元にして来年度(2008年度)の国債発行計画予想は次のようになる。(5年国債の減額幅は明確ではないが月当たりの変更が0.1兆円刻みであったことが多かったことを踏まえ、毎月の発行予定を今年度の2.0兆円から1.9兆円に置いた)。

来年度(2008年度)の国債発行計画は次の通り。TB1年 16.8兆円 1.4兆円×年12回、TB6カ月 6兆円 3.0兆円×年2回、10年物価連動債 3.0兆円 0.5兆円×年6回(偶数月)、15年変動利付債 2.4兆円 0.6兆円×4回、2年債 20.4兆円 1.7兆円×年12回、5年債 22.8兆円 1.9兆円×年12回、10年債 22.8兆円 1.9兆円×年12回、20年債 9.6兆円 0.8兆円×年12回、30年債 2.4兆円 0.6兆円×年4回(4月、7月、10月、1月)、40年 0.4兆円 0.1兆円×4回(もしくは0.2兆円×2回)、流動性供給入札 1.2兆円 0.1兆円×年12回。以上の合計107.8兆円。


2007.12.7「最近の債券相場の動きと今後の予測」

債券先物主体に新たな動きが見えた。3日の後場寄り直後に債券先物にまとまった買いが入り、先物は一時137円63銭まで買い進まれた。かなりのまとまった買いが先物主体に入った。月初ということでエクステンション意識した現物の買いとともに、中期ゾーンの動きや先物を見る限りは大手金融機関などが新たな動きを見せていた可能性もある。4日の10年国債の入札は予想を上回り好調な落札結果となり、現物10年288回は1.405%、5年66回も0.960%に利回りが低下した。債券先物も一時137円73銭まで上昇した。市場観測によると10年国債の入札における落札先で1兆円程度が不明玉となっていた。しかし、こういった買いは続かず、5日の後場に入り英住宅金融大手ノーザン・ロックが2月までに国有化される可能性があると報じられことからドル円は110円台に乗せ、それにより時間を置いて株価にも影響を及ぼし、日経平均先物は一時15600円台まで買われた。これを受けて債券先物は137円17銭まで下落。さらに5日のNY株式市場が大幅上昇となり、6日の債券先物は137円をあっさりと割り込み136円43銭に下落した。10年289回は1.560%に利回りが上昇した。6日に米国でサブプライム問題への対策が発表された米株は大幅続伸、米債10年債利回りは4%台に上昇した。これを受け債券先物は一時136円28銭に下落したが、朝方7−9月期実質GDP2次速報は、前期比+0.4%、年率+1.5%とやや予想下回ったこともあり、その後債券先物は前日比プラスに買戻されるなど、週を通じて乱高下激しい展開が続いた。

11日の米FOMCでは、政策金利が0.25%引き下げられる可能性が高く、市場もかなり織り込んでいる。サブプライム問題への対策も発表され、徐々にではあるがサブプライム問題は収縮の方向に向かいつつあるともみられる。年末を挟み、今回サブプライム問題で大きな痛手を蒙った米欧の金融機関の資金繰りなどへの懸念も後退してくれば、金融市場も落ち着きを取り戻してこよう。しかし、今後の米国経済の減速観測も強いことで今後も米国の経済指標の動向などにも注意が必要となる。国内経済への影響を見る上では、14日に発表される日銀短観に注目したい。企業経営者の姿勢に今回のサブプライム問題がどの程度影響しているかといったことに加え、建築基準法の改正などに伴う所謂、官製不況と呼ばれるものの影響といったものも確認したい。債券先物は11日に12月限の最終売買日を迎える。12月第一週はかなり仕掛け的な動きも見えたことで、限月移行を挟んで引き続き先物主体に乱高下する相場展開も予想されるため注意したい。12月に入り10年債利回りは1.4%近くまで低下し、5年債利回りも1%割れが続く場面もあったが、さすがにこれは政策金利が0.5%という現状下、日銀は当面の間、この政策金利は据え置くものとみられることで、やや行き過ぎ感もある。10年債利回りは1.5%割れでは戻り売りも入ると思われるが、先行きの不透明感もまだ完全に払拭できないこともあって、1.6%近くでは押し目買いもあり、1.5-1.6%のレンジ内での動きとなるものと予想する。ただ先物の動きなど次第ではややオーバーシュートする可能性もある。


2007.12.6「ADP社が公表している全国雇用者数」

民間企業のADP社が公表している全国雇用者数は、金融市場で注目されている指標である米国の非農業雇用者数を予測するために開発された統計と言われます。ADP社は大手の給与計算代行会社であり給与管理業務を行っており、非農業雇用者数の基礎統計となる事業所調査も給与データを基に算出されています。このように集計方法が一致していることなどから、非農業雇用者数の有力な先行指標と見られています。

米国において、金融政策の変更の可能性などが観測されるなどして米雇用統計に注目が集っている際には、米雇用統計が発表される2営業日前に発表されるADP社が公表してい全国雇用者数が相場を動かすことがあるため、注意が必要です。

実際の数字を見てみると連動するはずのADPと全国雇用者数と雇用統計の非農業雇用者数は連動しないこともあります。基礎統計となる事業所調査におけるデータ数の違いもありますが、ADP社の全国雇用者数は民間企業の新規雇用分のみが加算されているため、雇用統計には含まれている政府機関の雇用は含まれていない点に注意が必要です。政府部門の増減が雇用全体の数字を動かすこともあるため、あくまでもADPと全国雇用者数は米雇用統計を見るための参考数字と見ておいた方がよさそうです。


2007.12.5「冬の個人向け国債の条件」

12月6日から秋の個人向け国債の募集が開始される。

募集期間は12月6日から12月27日。個人向け国債の募集期間は、10年債入札日の翌々営業日から月末最終営業日までとなる。これは10年国債入札の結果により10年変動タイプの初期利子が決定され、5年固定の条件も10年国債入札日の5年債利回りに応じて決定され10年入札日の翌朝8時50分に発表される。条件決定から募集開始日まで1日開くのは販売業者の準備のため。発行日は2008年1月15日。

ちなみに、個人向け国債(固定5年)の条件を決めるための「基準金利」は、募集期間開始日の2営業日前(10年固定利付国債入札日)において、市場実勢利回りを基に計算した期間5年の固定利付国債の「想定利回り」となる。

10年変動タイプの初期利子を決める基準金利は10年国債の入札の結果、1.48%となり、初期利子はここから0.8%差し引かれた0.68%となる。

5年固定タイプの利率の発表は本日朝方に財務省から発表され、年率0.94%となった。 個人向け国債の発行条件等のお知らせ

10月に発行された前回債は、第20回変動10年の初期利子が0.85%、第8回固定5年の利率が1.15%となっており、これにくらべてさらに引下げられた。サブプライム問題などによって長期金利に低下圧力が加わったため。


2007.12.5「来年度新規財源債26兆円超え観測」

朝日新聞のネット版は、2008年度当初予算案で、新規国債発行額が26兆円台前半となる見通しになった、と伝えている。2007年度の発行額25.4兆円を上回り、当初予算段階での国債発行増額となれば4年ぶりとなる。政府の財政規律への懸念といったものが国債市場の上値を抑える要因となる可能性もある。


2007.12.4「1兆円の不明玉」

本日の10年国債入札は好調な結果となったが、その背景には業者のカバーニーズだけではなく、投資家の存在もあったとみられ市場観測によると落札先において1兆円程度が不明とのこと。大手投資家がまとめて購入したものとみられるが、その影響で相場も一時ショートカバー主体に買い進まれる結果となり、10年288回は1.405%と1.4%に接近し、2年263回は2.5毛強の0.715%と直近最低利回りを更新、5年66回も4毛強の0.960%とこちらもさらに直近最低利回りを更新した。

今日の10年国債入札の結果、個人向け国債(変動10年)の基準金利となる複利利回りは1.48%となり、今月募集される冬の個人向け国債の10年変動の初期利子は0.68%となる。前回の秋の個人向け国債の初期利子0.85%よりもさらに低くなり、2006年1月に発行された第13回変動10年の初期利子0.68%以来の水準。債券相場がしっかりということは、長期金利がそれだけ低下しているということとなり、個人向け国債の販売にとっては追い風となってしまう。


2007.12.4「債券の残存額」

日銀の資金循環統計より、2007年6月末現在の債券の残存額を算出してみた。国債が661兆9880億円に対し、地方債は61兆0482億円、政府関係機関債74兆5142億円、金融債22兆6391億円、事業債65兆5002億円、居住者発行外債18兆6949億円、CP14兆7546億円となっていた。

地方債、政府機関債、金融債と事業債の合計は224兆円程度となり、合計しても国債の残存の三分の一程度となっていた。


2007.12.4「福井日銀総裁の姿勢は変わらず」

12月3日の名古屋での各界代表者との懇談における福井日銀総裁の講演内容が市場に微妙な影響を与えていた。

経済・物価の現状と先行きについては、これまでの見方に変化はなく、注目すべきは米国のサブプライム関連の問題に関しての発言となる。

「米国では、住宅投資は減少を続けており、在庫が高水準であることも踏まえますと、住宅市場の調整は当分の間、続くと考えられます。サブプライムローン問題に端を発した金融面の調整が強く意識される中で、銀行の与信態度も慎重化しています。」

「当分の間」とはどの程度の期間と想定しているのであろうか。これはたぶん福井総裁も具体的なスケジュール感は持っていないのではないかとみられる。お膝元のFRBのコーン副議長ですら「過去数週間に起きている経済状況の悪化度合いは、私見を述べれば、自分が想定していたものではない」と指摘していたぐらいである。

福井総裁は「一方、今のところ、他の部門には大きな影響は出ておらず、個人消費や設備投資は、減速しつつも緩やかな増加基調を維持しています。雇用も増加を維持しています」としており、米国経済に対してのメーンシナリオについては「目先は低成長が見込まれますが、その後、安定成長に向けて軟着陸していく可能性が高いとみています」としている。しかし、「この先、住宅市場の調整が一段と厳しいものとなった場合や金融資本市場の変動の影響が予想以上に広範なものとなった場合には、資産効果や信用収縮、企業や家計のマインド悪化などを通じて、個人消費や設備投資が下振れ、米国経済が一段と減速する可能性が考えられます」とのリスクシナリオについても述べている。

市場の一部では来年にかけての複数回のFRBの利下げ期待も出ているが、その背景には「米国経済が一段と減速する」懸念があるとみられる。しかし、米景気に関しては現時点では福井総裁のメーンシナリオをFRBなどでも抱いているとみられるが、市場ではリスクシナリオの可能性を意識しているようにも見受けられる。 福井総裁は、さらに日本の金融政策に関して「2%の成長性持続のもとでインフレなければ今の日本の金利は低すぎる」と発言した。ただし、「金利引き上げは急いではいない」とも付け加えている。

「金融政策について市場予測は短期的、日銀はさらに先まで見て判断している」とも発言しており、福井総裁はサブプライム問題を引き続き懸念しているものの、市場が落ち着き、米経済の落ち込みもそれほどではないとなれば、日銀の想定どおりCPIも10月にプラスに浮上したこともあり、あらためて利上げのタイミングを模索する姿勢には変化はないものとみられる。


2007.12.4「12月11日のFOMCでの追加利下げ観測」

グリーンスパン前FRB議長が著した「波乱の時代」の中に、現在のコーン副議長に関しての記述がある。「コーンは私が議長を務めた18年間に、FRBで特に優れた政策助言者としての地位を確立し、いまではFRB副議長となっている」

FRB生え抜きであり、ブラック・マンデー時にもFOMCの事務局長として対応していたとみられるコーン副議長は、11月28日に『私の見方としては、(経済金融情勢などの)不透明性によって、「柔軟かつ現実的」な政策対応が求められている、数週間前は私は「素早い」対応という言葉を使って表現していた。』と発言した。

さらに「混乱の高まりが長引けば、家計や企業の金融状況が一段とひっ迫する公算が強まるだろう」「前回FOMC以降、市場が動揺、市場の最近の動揺ぶりに驚いた」「過去数週間に起きている経済状況の悪化度合いは、私見を述べれば、自分が想定していたものではない」と指摘。「金融市場は一段と慎重になってきており、2週間後に開くFOMCでは検討材料になると思う」と述べたとも伝えられ、このコーン発言を受けて12月11日のFOMCでの追加利下げ観測が強まった。

その12月11日開催のFOMCでの金融政策を決定する上での討議資料となる米地区連銀経済報告書(ベージュブック)が28日に発表されていたが、「経済活動は引き続き拡大するものの、そのペースは前回報告時から減速」と報告されていた。

そして、11月29日はバーナンキ議長が講演の中で「市場の混乱の再燃で、9〜10月の改善が一部帳消しに」とし「市場混乱の再燃、見通しに重大な影響与えた」と述べている。「FRBには引き続き特別な警戒と柔軟性が必要」であり「金融市場の混乱で、経済見通しの不透明感が通常より高くなっている」ことから「市場混乱が経済に及ぼす影響を注視し、金融動向を注意深く見守っている」状況を説明している。市場ではこのバーナンキ議長の発言は追加利下げを示唆したものと捉え、少なくとも12月11日には0.25%の政策金利の引き下げが実施されるであろうと予想される。

FRBは10月31日の米FOMCで政策金利を0.25%引き下げたが、声明文では景気の下振れリスクを指摘する反面、原油価格などの上昇によるインフレ圧力も警戒と、スタンスとしては中立的なものとなり追加利下げ観測がいったん後退していた。今回のバーナンキ議長の発言からも政策変更は見送られる可能性があったとみられるが、市場混乱の再燃によって今回も利下げをせざるを得ない状況になったとみられる。


2007.12.3「名古屋での各界代表者との懇談における福井総裁挨拶要旨より」

名古屋での各界代表者との懇談における福井総裁挨拶要旨が日銀のホームページにアップされた。経済・物価の現状と先行きについては、これまでの見方に変化はなくやはり注目すべきは米国のサブプライム関連に関しての発言となる。 「米国では、住宅投資は減少を続けており、在庫が高水準であることも踏まえますと、住宅市場の調整は当分の間、続くと考えられます。サブプライムローン問題に端を発した金融面の調整が強く意識される中で、銀行の与信態度も慎重化しています。」

「当分の間」をどの程度の期間と想定しているのであろうか。市場では特に年末に向けては金融機関の資金繰りなども意識されているものとみられる。

「一方、今のところ、他の部門には大きな影響は出ておらず、個人消費や設備投資は、減速しつつも緩やかな増加基調を維持しています。雇用も増加を維持しています」

「米国経済は、目先は低成長が見込まれますが、その後、安定成長に向けて軟着陸していく可能性が高いとみています。しかし、この先、住宅市場の調整が一段と厳しいものとなった場合や金融資本市場の変動の影響が予想以上に広範なものとなった場合には、資産効果や信用収縮、企業や家計のマインド悪化などを通じて、個人消費や設備投資が下振れ、米国経済が一段と減速する可能性が考えられます。」

市場の一部では来年にかけての複数回のFRBの利下げ期待も出ているが、その背景には「米国経済が一段と減速する」懸念があるとみられる。しかし、金融市場の混乱で見方がやや極端になっているともみられることで、米景気に関しては今後出てくる経済指標などに一喜一憂するものとみられる。その意味では7日に発表される米11月の雇用統計には注意が必要か。

福井総裁は、さらに日本の金融政策に関して「2%の成長性持続のもとでインフレなければ今の日本の金利は低すぎる」と発言した。ただし、「金利引き上げは急いではいない」とも付け加えておいる。また「金融政策について市場予測は短期的、日銀はさらに先まで見て判断している」とも発言しており、福井総裁はサブプライム問題は引き続き懸念はしているものの、市場が落ち着き、米経済の落ち込みもそれほどではないとなれば、あらためて利上げのタイミングを模索してくるものと見られる。


2007.12.3「Wiiフィット」

アマゾンで予約していたWiiフィットが届いた。12月1日発売日に届いていたのだが、不在にしていたため実際に手にしたのは2日となった。箱はずっしりと重い。体重計も兼ねたバランスボードが重いのである。そのボードに電池を入れて、Wii本体と接続させ、Wiiフィットのスタートとなった。まずは私から、身長と体重の比率から算出した肥満度であるBMIを算出。うれしいことに体重が少し落ちており、BMIは最も健康に適しているとされる22近辺となっていた。バランス年齢は51歳と微妙なところ。

それはさておき、そういった登録を経てゲームに入る。テレビでもいろいろと宣伝していたが、中でもスキージャンプが面白そうで、早速やってみたのだが、1投目は37メートル、2投目転がっての雪だるま状態で計測不能という散々なスタート。その後、登録待ちとなっていた子供たちの視線も気になっていたが、「がんばってみたら」という声に甘えて、なんとか140メートルとまともなジャンプに成功。あとで発覚したのだが、どうやらWiiボードを前後を反対にしてやっていたようである。気付けよ!!。

その後、子供たちの登録も済み、思い思いにゲームをしていたが、なかなかハードな運動となっているものもあり。これはゲームというより簡易フィットネスクラブといったところ。さすが任天堂、目の付け所がうまい。それにしてもボード上のバランスを計るセンサーなど、かなり高度な技術も組み入れられているようにも思う。売れ行きも良いようだが、確かに面白い。電子体重計を買ったと思えば8800円も安いといった感もある。


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