本日発表された1月の全国の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は100.5と、前年同月比+0.8%となった。ほぼ市場の予想通り。上昇は4か月連続となった。2月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く)速報値は99.8と前年同月比+0.4%。
「オープンな経済社会の実現に向けて」と題した大分県金融経済懇談会における水野審議委員の講演の内容が、日銀のホームページにアップされた。この中で水野委員は、「個人的には、わが国経済は、現在、内憂外患に直面しているため踊り場的な状況にあり、幾分長引く可能性もある」と指摘している。
内憂外患の内については「定率減税廃止による可処分所得の減少」、「改正建築基準法や貸金業法の施行を始めとする制度改正の影響」、「原材料価格の上昇によるマイナスの影響」をあげている。
外については「サブプライム住宅ローン問題に端を発した国際金融資本市場の混乱」と「米国経済の急速な減速」そしてそれに伴っての「世界経済の不透明感の高まり」を指摘している。
内憂については2008年には定率減税廃止による影響と制度改正の影響は剥げ落ちるものの、「米国経済の減速は巷の想定よりも長引く可能性がある」として外患による景気下振れリスクはむしろ高まると見込まれると水野委員は指摘している。
また、サブプライム住宅ローン問題については、「証券化商品に関する格付けのあり方(流動性リスクの格付けへの反映等)、モノラインを巡る問題、バーゼル2の一部修正の要否に関する検討を含む金融監督行政の見直し、「originate-to-distribute」型の投資銀行のビジネスモデルの修正など、金融システムにおけるインフラを再構築する必要」を指摘している。
水野委員は、「金融イノベーションは、リスク分散や金融市場の効率性を高める効果をもたらすものであり、その発達の流れを止めることは望ましくありません。」として、「今取り組むべきことは規制強化ではなく、市場の自律的な動きとしてリスクに見合った価格発見機能を取り戻させることである」としている。
サブプライム住宅ローン問題については住宅市場の問題が根底にあり、その意味では日本の不良債権問題に近いが、そこに金融イノベーションが絡んでより問題をより複雑化し、グローバル化させてしまっている。規制強化ではなくリスクに見合った価格発見機能を取り戻すことが重要と思われるが、こういった複雑化した金融商品に対して透明度の強い価格発見機能といったものが見つけることができるのか。今後の大きな課題となろう。
また水野委員は物価に関して次のような発言もあった。「私は、金融政策決定会合において物価情勢を考えるに当たり、表面上の消費者物価指数の動きをみて判断を行っている訳ではなく、各種物価指標の動きはもとより、その背後にある実体経済の動向を分析し、総合的に判断を行っています。」
物価の番人とも言われる日銀がその金融政策の運営に対しては、こういった姿勢が重要なものと思われる。
そして、金融政策に絡んで水野委員は次のように発言している。
「金融市場の一部に利下げ期待がありますが、イールド・カーブ全体に金利が低下気味であると同時に、金融機関の貸出態度が緩いことを考えると、金融環境は十分緩和的です。過去10年以上にわたり、超低金利政策を続けてきたこともあり、わが国経済は金利感応度が低い経済体質になっており、利下げをしても追加的な景気下支え効果は不確実だと思います。現在のような緩和的な金融環境が続く中にあって仮に利下げを議論するならば、その副作用についても十分検討する必要があります。」
経済産業省が朝方発表した1月の鉱工業生産速報値は前月比-2.0%の109.8と市場予想を下回った。出荷指数は2か月ぶりの低下となり前月比-0.9%の115.8、在庫指数は2か月連続の低下となり同-1.3%の97.7、在庫率指数は同-4.0%低下の98.2となった。
生産の低下に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業、一般機械工業等となった。このうち電子部品・デバイス工業が-3.5%、乗用車など輸送機械工業が-3.7%、一般機械工業は-1.8%となっていた。
経済産業省は「前月上昇した反動もある」として、基調判断は「総じてみれば、生産は横ばい傾向で推移している」と前月から据え置いた
同時に発表された製造工業生産予測調査では、2月生産予測が前月比-2.9%、3月は同+2.8%。
26日に米国のコンファランスボードが発表した2月の消費者信頼感指数は75.0となり、2003年3月以来の低水準に落ち込んだ。1月分も87.9から87.3に下方修正された。また向こう6か月の先行き景況感をみる期待指数は69.3から57.9へと落ち込み、これは湾岸戦争が始まった1991年1月以来の約17年ぶりの低水準となった。住宅市場の低迷継続や雇用の減少、さらにガソリンや食品価格の上昇が景況感を悪化させたものとみられる。
コンファランスボードが発表している消費者信頼感指数は米国の景況感をはかる指標のひとつである。消費者信頼感指数は消費者に対し、家計の財政状態・生活水準・購買意欲・雇用・価格見通しなどの全米5000家庭を対象にしたアンケート調査をもとに、消費者のセンチメントを指数化したもの。
財務省が25日に発表した国の債務残高(2007年12月末現在)は、前期(9月末)から4兆3068億円増え838兆50億円と過去最大となった。国民一人当たりでは約656万円となる(日経)。内訳は国債の残高が前期末比3兆9639億円増の678兆6416億円となり、このうち普通国債の残高は同3兆3653億円増の534兆5145億円、財政融資資金特別会計国債(財投債)の残高は同8455億円増の141兆0434億円となった。
2月22日の「きさらぎ会」における福井日銀総裁講演の内容が日銀のホームページにアップされた。ちなみに「きさらぎ会」とは1950年に発足した共同通信社が主催する会合の講演会である。
この中で福井日銀総裁は海外の金融経済情勢として「問題の発端である証券化商品市場はなお機能が低下した状態にあり、株式市場や為替市場は世界的に振れの大きな展開となっています」と指摘している。ただしもここにきての原油先物の上昇や、20日から21日の東京市場での先物の乱高下などはヘッジファンドによる投機的な動きも入っており、これが振れが大きい一因ともなっている。
さらに総裁は「投資家のリスク回避姿勢は引き続き強く、米欧の金融機関の損失も当初の見通しよりも拡大しています。」としている。このため「(欧米の)金融機関は、エマージング諸国や産油国のソブリン・ウェルス・ファンドなどを増資引受け先とした資本増強策を相次いで公表していますが、市場は、金融機関の今後の損失認識とそれを補う資本調達の動向を注視する慎重な姿勢を崩していません。」と指摘しているが、ここにはモノラインといった問題もある。
「米国経済は、減速傾向が一段と強まっています。住宅投資が大幅に減少しており、住宅販売の減少と在庫の積み上がり傾向にはまだ歯止めがかかっていません。住宅価格の下落も続いており、なお底が見えない状況です。」
福井総裁はメーンシナリオとしては、米国経済はいずれ潜在成長率近傍の成長パスに戻っていくとしているものの、「資産効果や信用収縮、企業や家計のマインド悪化などを通じて、景気がさらに下振れるリスク」も指摘しており、総裁もかなり米経済に対しては慎重に見ている姿勢が伺える。
さらに物価に対しては、「インフレ方向のリスクにも目を配っていかなければなりません。実際、米国や欧州では、エネルギー・食料品価格の上昇などを背景に消費者物価の高い伸びが続いている」点を指摘するとともに、「原油や金をはじめ、小麦、大豆といった穀物などが高値圏で推移している国際商品市況の動向も、その状況次第では、世界経済や物価の先行きに影響を与えることが考えられます。」としている。
こういった状況下、日本経済については「海外経済や国際金融資本市場の動向、エネルギー・原材料価格の影響といったリスク要因については、十分注意を払っていく必要があると考えています」としており、米国経済の減速とそれによる世界経済への影響、欧米を主体とした世界の金融市場の混乱、NY原油先物が最高値を更新するなど原油価格の上昇などにも目を光らせていく姿勢を示している。
日本経済については「当面、景気が減速する一方で物価は上昇を続ける」とみているが「その後は、物価安定のもとで緩やかな拡大を続ける蓋然性が高いと判断」との姿勢は崩していないものとみられ、「先行きの金融政策運営についての基本的な考え方は、これまでと変わりません。」としている。
こういった状況を踏まえた上で、福井総裁は「世界経済と日本経済にとっての中長期的な課題と、それに対応するための方向性について」も述べている。
総裁は「現在世界経済で起こっている様々な問題、例えば、原油や食料の高騰、グローバル・インバランス、国際金融市場の動揺などの問題は、90年代以降の急速なエマージング諸国の台頭とグローバル化の進展、金融の国際化・高度化という大きな流れの中で捉える必要があります。」としている。
今回のサブプライム問題に端を発する金融市場の混乱は「良好な経済・金融環境が長く続いたこともあって、市場参加者のリスク評価に緩みが生じ、行き過ぎたポジションが造成され」てきたことも大きな要因ではあろうが、金融の高度化というよりも複雑化とグローバル化の進展が問題を大きくしより複雑化させてきたことも確かであろう。そして、それによる金融機関の損失に対して、急速に世界経済に頭角を現してきたエマージング諸国などが増資引き受けを行なうなど、金融世界の地図が大きく書き換えられようともしている。
こういった状況を踏まえ、総裁は「経済のグローバル化や金融の国際化、金融技術の高度化の流れは止められませんし、止めるべきでもありません。」としているが、金融技術の高度化というか複雑化の歪みについてはかなり修正の余地もあるのではないかと思われる。
総裁も「住宅ローンの実行から、ローン債権の証券化、投資家への販売の各過程に、高い技術を有する金融機関や格付機関などが関与し、先端的な金融理論を応用していたにもかかわらず、結果として多額の損失が生じました。なぜ、市場メカニズムの中で、適切なリスクの評価やプライシングが行われなかったのか、を分析し、そうしたインセンティブが働くような枠組みを再構築していくことが必要です。」としている。
ただし「先端的な金融理論の応用」というよりも、証券化といった新たな手法と、商品リスクを切り分けたり細分化するといった技術は、たとえば先端的な工学技術といったものとは異なるものであろう。今後、「適切なリスクの評価やプライシング」といったものが模索されようが、格付の問題も絡み、相場にはよくある理論と現実のギャップは簡単に埋められるものでもないのではなかろうか。
20日に債券先物は朝方の137円12銭から137円88銭まで買戻され、翌21日には今度は136円94銭と137円割れまで売り込まれた。特に材料が出たわけではないにも関わらず両日とも午後寄り付き後にまとまった売買が入り大きく値が動いたことで、株先も絡めての仕掛け的な動きが入ったとみられる。
この仕掛け的な動きは日経新聞などが報じたところによると、複数のCTAと呼ばれるヘッジファンドによる仕掛け的な動きであったと観測されている。債券先物、日経平均先物とも数千枚から1万枚程度の売買が仕掛けられたとの観測もある。ただ結果とすれば、債券先物の20回の買い仕掛けに対し21日は下げて寄り付き、その21日はさらに売り仕掛けが入ったものの、当日の米国市場では米債が大幅上昇となったことで22日の債券先物は大幅上昇となるなど、仮にオーバーナイトポジションを持っていたならば大きな損失を蒙っていたはずである。
過去の債券相場もこういった一部市場参加者による仕掛け的な動きが入ったことがある。1987年の10年89回国債の売買などその典型的な例となろう。89回債のディーリング相場は私も片隅で参加していたが、なかなかダイナミックなものであった。しかし、それが結果としてタテホショックなどを生じさせる原因ともなった。
特に先物やオプションはレバレッジ効果もありある程度の資金があれば、こういった大きな仕掛けも可能となる。しかし、追随してくる投資家などが存在しない限り、結果として一人芝居となり、その結果大きな損失を蒙ってしまいかねない。今回の先物主体の仕掛けは、投資家の動向や相場の地合といったものを無視して力づくで行なってきたともみられ、一時的なものに止まるのではないかとみている。
ここにきて原油高の影響などもあって身の回りの物の値上げ圧力が強まっている。本日の日経新聞によると、洗髪用品や鞄、靴に続き殺虫剤、高級化粧品も値上げされるそうである。CPIもじりじりとプラス幅が拡大しつつあるが、先行きインフレ懸念が強まるほどのものでもない。物価上昇を抑えているものとしては、価格転嫁を控えていた企業努力といったものもあるが、パソコンや液晶テレビなどデジタル家電の価格下落といった要因も大きい。
デジタル化はこういったハード面での価格低下圧力となっているが、ソフト面においても目に見えないかたちでのデフレ圧力が加わっているとみられる。インターネットが普及する以前であれば、一般的に知識という面で何かしら情報を得ようとする際には、図書館に行って新聞の縮小版を調べるとか、紙の媒体に直接あたる必要があった。調べるためには時給で換算すればかなりの出費が必要となっていた。ところがインターネットによって、費用はほとんど掛からずに情報を得ることが可能となった。インターネットによる情報の共有化によって、情報そのものの価値というか価格に劇的な低下圧力が加わってきた。
デジタル化によって情報そのものをストックできる容量が桁違いに増加し、またネットを介在することでその入手が極端に簡易化された。グーグルがあれだけ巨大企業となったのは本来持っていたはずの情報の価値を低下させて流動性と理由度を高め、そこに広告という収益手段を講じたことが要因であろう。デジタル化による情報のデフレ圧力をうまく利用できた企業が急成長を遂げたが、ネットの検索機能そのものがさらに情報のデフレ圧力を強める結果ともなっている。
情報はタダであるといった認識もネット以前から強いが、本来情報を得るにはそれなりの対価が必要となっていたはずである。もちろんネットですべての情報を得ることができるわけではないが、情報の価格下落に貢献したことは確かであろう。情報のデフレ圧力が実物物価にも間接的ながらも影響している可能性もありそうである。
昨日、東京墨田区菊川に「四代目だるま」が開店したそうです。ここのご主人は大阪で有名な串揚げのお店「だるま」の店長をされていた方で、もともとは都市銀行出身の元金融関係者です。
本場の「串揚げ」を味わって見たい方、ぜひ一度足を運んでいただければと思います。店名は「四代目だるま」、電話は03-3846-4194。住所は墨田区菊川2−3−7柳川ビル2階です。菊川駅から三ツ目通りを南にちょっと行ったところだそうです。
新日銀法第23条に「総裁及び副総裁は、両議院の同意を得て、内閣が任命する。」とある。2003年の前回総裁人事の際は、与党が衆参両院で多数を占めていたことで、総裁人事はすんなりと両議院での同意を得られた。しかし、現在、衆院は与党が過半数を占めているものの、参院は野党が過半数を占める「ねじれ」状態となっている。しかも一般の法案のように両院での議決が異なった際には衆院での再議決手続きがない。このため衆院で賛成されても参院で反対されれば、内閣つまり政府が任命することはできない。そうなった際には日銀総裁が不在となる空白の期間が発生する恐れがあった。
民主党では財政と金融の分離を主張する向きが存在しており、一部の民主党議員は元財務時間でもある武藤氏の総裁就任に反対している。しかし、サブプライム問題やモノライン問題で揺れ動いている金融市場を背景に、総裁不在といった期間ができれば日本の金融市場への海外の信認が揺るぐ可能性もある。民主党も「日銀総裁が空席になるのは望まない」(日経)とみられ、武藤氏に対抗しうる総裁候補も見当たらないこともあり、民主党は武藤氏を推す政府案を受け容れる見通しのようである。
日経新聞によると今後の日銀総裁人事の国会承認で想定される手続きとして、まず政府から日銀総裁・副総裁2人の人事案が、議院運営委員会両院合同代表者会議に事前提示される。その後、衆参両院の議院運営委員理事会に正式提示される。衆参両院の議院運営委員会で総裁候補者らからそれぞれ所信を聴取したあと、衆参両院の本会議で採決される。その結果、両院ともに可決となれば新総裁と2人の副総裁が就任となる。
武藤副総裁の総裁への昇格がほぼ確実視されているが、2人の副総裁人事も注目される。副総裁については日銀元理事の白川方明京大教授と、学識経験者から元日銀審議委員である田谷禎三立教大教授の起用が有力視されているとの報道もあった。副総裁のうち一人は日銀出身、もう一人は民間からの起用となる可能性も高いとみられていたことで、白川氏と田谷氏の起用の可能性は十分にありそうである。
今回の日銀総裁人事を巡る一連の手続きの形式が次回以降も継続されるのかどうかは、衆参両院の状況次第ではある。しかし、今回の一巡の流れといったものが今後の総裁人事の参考にされていくものとも見られ、今回の総裁人事の今後の動向についても注意深く見守る必要もありそうである。
文藝春秋社から発売されている「ニッポン経済の「ここ」が危ない」は、竹中平蔵氏と幸田真音さんの対談形式となっており、今の日本経済を取り巻く状況をわかりやすく解説している。内容は中国情勢、日本の政治、サブプライム問題など多岐に渡っているが、それぞれにお二人の実体験も絡めて話が進んでおり、飽きさせない内容となっており、読みやすい。現在の日本の情勢をさっと読んで理解できる本である。原稿の元が対談となっているだけに専門用語なども入っているものの、下段で用語解説があることで理解できる。
ここにきて榊原英資氏の「日本は没落する」(朝日新聞社)など、今後の日本の行く末を睨んだ本が何冊か出版されている。それだけ世の中を取り巻く環境において不透明感が強まってきていることの表れか。また政治に対しての不信といったものも強いのかもしれない。ある程度新聞報道などでこういった情勢を追う事はできるが、やはり本となってまとまっているものを読めば理解の度を深めることも可能となる。そういった意味でも現在の日本を取り巻く情勢を把握しておきたいと言った方には、「ニッポン経済の「ここ」が危ない」などぜひ一読していただければと思う。
新日銀法第23条に「総裁及び副総裁は、両議院の同意を得て、内閣が任命する。」とある。2003年の前回総裁人事の際は与党が衆参両院で多数を占めていたことで、総裁人事はすんなりと両議院での同意を得られた。しかし、現在は衆院は与党が過半数を占めているものの、参院は野党が過半数を占める「ねじれ」状態となっている。しかも一般の法案のように両院での議決が異なった際には衆院での再議決手続きがないことで、衆院で賛成されても参院で反対されれば内閣、つまり政府が任命することはできない。もしそうなった際には日銀総裁が不在となる空白の期間が発生する恐れがあった。
民主党の一部では財政と金融の分離を主張する向きが存在に武藤氏の総裁就任に反対している。しかし、サブプライム問題やモノライン問題で揺れ動いている金融市場を背景に、総裁不在といった期間ができれば日本の金融市場への海外の信認が揺るぐ可能性もある。民主党も「日銀総裁が空席になるのは望まない」(日経)とみられ、武藤氏に対抗しうる総裁候補も見当たらないこともあり、民主党は武藤氏を推す政府案を受け容れる見通しと18日の日経新聞は伝えている。
日経新聞によると今後の日銀総裁人事の国会承認で想定される手続きとして、まず政府から日銀総裁・副総裁2人の人事案が、議院運営委員会両院合同代表者会議に事前提示される。その後、衆参両院の議院運営委員理事会に正式提示される。衆参両院の議院運営委員会で総裁候補者らからそれぞれ所信を聴取したあと、衆参両院の本会議で採決される。その結果、両院ともに可決となれば新総裁と2人の副総裁が就任となる。
今回の日銀総裁人事の形式が次回以降も継続されるのかどうかは、衆参両院の状況次第ではあるが、今回の一巡の流れといったものが参考にされていくものとも見られ今後の動向についても注意深く見守る必要もありそうである。
2月14日から15日にかけて開催された日銀金融政策決定会合では、全員一致で現状維持が決定されました。2006年2月21日の決定会合で無担保コールレート翌日物誘導目標値を0.5%に引き上げて以来、現状維持が続いています。
米国のサブプライム問題に続いて、モノラインと呼ばれる金融保証専門の保険会社に対する問題により、金融市場の混乱は続いており、米国経済の先行き不透明感も強まっています。
このため、1月22日にFRBは0.75%の緊急利下げを実施するとともに、30日の定例のFOMCにおいて0.5%の利下げを実施するなど、FRBは積極的な対応策を講じています。
ただし、2月9日に東京の三田共用会議所において7か国財務大臣・中央銀行総裁会議(G7)が開催されましたが、中央銀行による「協調された流動性供給」については「一時的緊張の緩和に貢献」ともしているが、あくまで「一時的」なものであり、今回の声明文においては具体的な協調しての行動は明記されていません
声明文では、「我々はそれぞれ、国内の状況に応じて、流動性供給、金融政策及び財政政策の分野で、適切な行動をとってきた。我々は、必要な改革を通じて成長力を高める ための努力を強化することに引き続きコミット。今後とも、我々は引き続き経済動向を注視し、経済の安定と成長を確保するため、個別にあるいは共同して、適切な行動をとっていく」とありました。
米のサブプライム問題、モノライン問題などによる金融市場の混乱、さらに米国経済の減速懸念などに対しての各国の行動については、「国内の状況に応じて」、「個別にあるいは共同して」適切な行動をとっていくとしており、G7一体となって対処していくのではなく、個別の対応が重視されているように思われます。
市場では今回のG7において、利下げなどによる協調政策が実施されるのではないかとの見方も一部にありましたが、現在の欧米と日本の中央銀行は、プラザ合意当時などに較べて独立性が強化され、政府主導の政策協調に金融政策が絡んでくることは考えづらいのです。
サブプライム問題のように世界的な問題に対しても、先進国が「協調」して政策を行なうのではなく、それぞれの国内事情を意識しながら、情報連絡を中銀同士が密に取り合い、それぞれ の判断で政策を行なうというのが、現在の姿とみられ、特に協調利下げといったものの可能性はかなり低いとみられます。これにはG7だけでは対応しきれないという側面もあり、また金融緩和といった手段だけでは限界があることは市場も認識しているといったことも背景にあると思われます。
当面の日本経済について、日銀の福井総裁はG7における会見で、「当面経済は減速し、消費者物価は上昇率を高めるとみられますが、来年度に向けては、生産・所得・支出の好循環のメカニズムが基本的に維持されるという状況のもとで、物価安定のもとでの緩やかな拡大を続ける可能性が高いという判断」を継続しています。
物価については昨年12月の全国消費者物価指数(生鮮食料品除く)は前年同月比0.8%の上昇となり、市場予想の+0.6%も上回りました。上昇率は1998 年3月の前年比+1.8%以来、9年9か月ぶりの水準となり、いずれ1%程度の上昇も見込まれています。ただし、このまま上昇し続けるとの見方は少なく、いずれ0.5%あたりに落ち着くともみられています。
そして国内経済については、内閣府が14日朝8時50分に発表した2007年10〜12月期GDP1次速報値、物価変動の影響を除いた実質で前期比+0.9%、年率換算で3.7%と予想を大きく上回りました。昨年6月の改正建築基準法の施行の影響により民間住宅投資は前期比-9.1%と大きく落ち込んだものの、設備投資が前期比+2.9%となりその落ち込みをカバーし、個人消費も+0.2%としっかり。成長率のうち内需の寄与度は+0.5%となりました。引き続き外需も好調となり、輸出は前期比+2.9%。控除項目の輸入は+0.5%となり、これにより外需全体の寄与度は+0.4%となりました。内閣府によると輸出では中東向けの自動車が最も貢献するなど米国への輸出減を新興国の輸出増で補ったかたちとなりました。
米国サブプライム問題のよる日本経済の影響はこれを見る限り限定的ながら、まだ景気の下振れリスクもあるため、今後の動向には注意も必要です。
引き続き債券市場は米国株式市場の動向の影響を受けやすくなっており、円債は米国債の動向とともに、この株式市場の影響も受けながらの動きになっています。
債券相場は上げ下げはあるものの、1月25日あたり以降は137円台前半から138円台前半のレンジ内相場が継続しています。また10年債利回りでは1.4%から1.5%のレンジ内での動きとなっています。日経平均先物も同様に13000円あたりから14000円にかけてのレンジ内相場ともなっており、株、債券ともに方向感の乏しい展開となっています。
こういった神経質ながらもレンジ相場は続くものとみられます。日米の経済指標などによって一喜一憂する相場ともなりそうですが、日米ともに先行き経済見通しに不透明感も強いことで、そういった動きも一時的なものに止まるものと予想されます。
日銀も当面は現状の金融政策を維持してくるものとみられます。日本経済に対しての過度な悲観論も後退しつつあることで、2年債利回りが再び0.5%を割り込むといったことは考えづらいものの、3月決算期末や国債の大量償還なども控えていることで、投資家の押し目買い意欲も強いとみられ、債券先物などの下げも限定的なものに止まるものと予想しています。債券先物は3月限が3月11日に売買最終日を迎えることから、中心限月が6月限に移行しますが、これも特に波乱要因にはならないと思われます。
以上のことから、当面の長期金利は1.4%から1.5%のレンジ内での動きを予想しています。
内閣府が14日朝8時50分に発表した2007年10〜12月期GDP1次速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比+0.9%、年率換算で3.7%と予想を大きく上回った。プラス成長は2四半期連続となった。
昨年6月の改正建築基準法の施行の影響により民間住宅投資は前期比-9.1%と大きく落ち込んだものの、設備投資が前期比+2.9%となりその落ち込みをカバーし、個人消費も+0.2%としっかり。成長率のうち内需の寄与度は+0.5%となった。
引き続き外需も好調となり、輸出は前期比+2.9%。控除項目の輸入は+0.5%となり、これにより外需全体の寄与度は+0.4%となった。内閣府によると輸出では中東向けの自動車が最も貢献したそうである。
GDPデフレーターは前年同期比-1.3%と2006年1-3月期以来の大幅低下となった。また、国内需要デフレーターは前年同期比+0.1%と2006年7-9月期以来の前年比プラスとなった。
昨日の米国市場で予想上回る小売売上高を受けてダウは178ドル高となり米債は株高受けて続落となり10年債利回りは前日比+0.07%の3.73%に上昇したことに加え、朝方発表されたこの10〜12月期GDP1次速報値が予想を上回ったことから、債券先物は売り気配のスタートとなり、前日比39銭安の137円55銭で寄り付いた。日経平均先物はドル円が108円台に乗せているなど円安効果も加わり、買い気配スタートとなり、こちらは前日比370円高の13470円で寄り付いた
読売新聞は9日に、日銀「武藤総裁」で最終調整へ、副総裁に白川京大教授と報じた。これに対して町村官房長官は、日銀総裁昇格報道に対してて事実無根とコメントした。今回の日銀総裁人事はねじれ国会も絡んでピリピリしており、民主党も事前報道あったら認めないと言っていただけに、官房長官は、今後日銀総裁人事については一切答えないと発言したものとみられる。
報道の自由もあるかもしれないが、今回の報道については日銀総裁人事そのものに影響を与える可能性もあることで、正式な発表があるまで報道は控えるべきものではなかったろうか。マスコミとしてはトップ人事を抜くということは、その影響はさておいても、ひとつの名誉なのかもしれない。しかし、仮にこの報道の結果、総裁空席の期間とか出来てしまった際には金融市場そのものに大きな影響も与えかねない。
読売の報道の内容自体は、日銀理事であった白川氏の副総裁就任観測というのも違和感はあまりない。むしろもう一人の民間人からとみられる副総裁人事の方が個人的には興味があるが、それを早めに知ったとしてもあまり意味のないものでもあろう。
今回の日銀総裁人事は日銀法改正時には想定していなかったような衆参のねじれ状態となり、その人事を巡ってのステップは微妙な変化もあるはずである。どういったかたちで日銀総裁が決定されるのか。その過程はクリアーではないが、結果が出てからはそのステップも明らかにしてほしいものでもある。
2月9日に東京の三田共用会議所において7か国財務大臣・中央銀行総裁会議(G7)が開催された。G7とは、Group of Sevenのことで日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの主要7か国の財務大臣および中央銀行総裁が集まる会議であり年に数回開催され、国際的な金融問題などを中心とした世界経済の主要課題について討議する。
財務省は今回のG7にあたり、専用のホームページ(http://www.g7-2008.mof.go.jp/)を開設しており、「7か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明のポイント」をアップしている。
「昨年10月の会合に比べ、世界はよりチャレンジングで不確実な環境に直面しているが、世界経済全体のファンダメンタルズは引き続き堅固である。米国では、生産と雇用の伸びが大幅に減速し、リスクは一層下方に傾いているが、長期的なファンダメンタルズは健全であり、2008年も成長が続くと見込んでいる。」
この中で「チャレンジングで不確実な環境」「米国では、生産と雇用の伸びが大幅に減速し、リスクは一層下方に傾いている」としながらも、先行きの景気見通しについては比較的楽観的な内容ともなっている。
「我々はそれぞれ、国内の状況に応じて、流動性供給、金融政策及び財政政策の分野で、適切な行動をとってきた。我々は、必要な改革を通じて成長力を高めるための努力を強化することに引き続きコミット。今後とも、我々は引き続き経済動向を注視し、経済の安定と成長を確保するため、個別にあるいは共同して、適切な行動をとっていく。」
さらに米国のサブプライム問題、モノライン問題などによる金融市場の混乱、さらに米国経済の減速懸念などに対しての各国の行動については、「国内の状況に応じて」、「個別にあるいは共同して」適切な行動をとっていくとしており、G7一体となって対処していくのではなく、個別の対応が重視されているように思われる。
「我々は、金融の安定性を強化し、金融混乱の影響を限定するとともに、金融混乱に寄与した要因に対処するため、共に努力することに深くコミット。中央銀行による協調された流動性供給は、短期金融市場における一時的緊張の緩和に貢献。」
ただし、中央銀行による「協調された流動性供給」については「一時的緊張の緩和に貢献」ともしているが、あくまで「一時的」なものであり、今回の声明文においては具体的な協調しての行動は明記されていない。
ポールソン米財務長官は会見において「他の国に財政出動計画の策定は要請していない」と発言(ロイター)するなど、今回のサブプライム問題に端を発しての各国の行動については、額賀財務相が「金融不安・経済対策は、それぞれの事情にあった対策を打ち出すことが重要」と述べ、また福井俊彦日銀総裁も「マクロ経済運営は、各国が問題を共有しながらそれぞれ適切に対応する」と述べているように各国の対応に任せられている格好ともなっている。
今回のような世界的な金融市場の混乱については「協調」さを「強調」して、市場への影響を与えようといった行動はG7では取らなくなったのも、G7だけでは対応しきれないという側面もあるが、それだけ金融市場も洗練されてきたことの現れなのかもしれない。金融緩和といった手段だけでは限界があることは市場も認識している。さらに日米欧とも中央銀行が政府からやや距離を置くようになっており、協調利下げといった「政策協調」は今後実施される可能性はかなり低いと思われる。
9日のG7による市場への影響は限定的とはみられるが、日本は建国記念日で休場となる11日の米国市場動向に注意したい。引き続き米サブプライム問題、モノライン問題、そして米国経済への先焼き不透明感といったものが材料視されるとみられる。さらにインフレ警戒も出ていることで、12日に予定されているプール米セントルイス連銀総裁やイエレン米サンフランシスコ連銀総裁の講演の内容なども注目されそうである。13日には5年国債の入札が予定されている。3月末決算も睨んでの中期債に対しての大手銀行の動向なども注目されそうである。14日から15日にかけて日銀の金融政策決定会合が開催される。金融政策は全員一致の現状維持が予想されるが、市場ではその決定内容よりも日銀総裁、副総裁の人事の方が関心が高そうである。14日には10〜12月期GDP1次速報値が発表され、この内容は要注目。過去の数字ではあるが、日本での景気減速が確認されるようだと東京株式市場などに対して売り圧力がかかる可能性がある。また物価についてもCPIがいずれ1%近辺まで上昇と予想されているが、GDPデフレータの動向などにも注意したい。日米とも注意すべき経済指標の発表も多く、その発表に一喜一憂しながら、株も債券も先物主体にやや投機的な動きも加わり波乱含みの展開が続きそうである。
個人向け債券といえば、代表的なものが個人向け国債です。個人向け国債は既存の国債とは異なり、個人間の譲渡以外の譲渡はできず個人専用の国債となっています。これまで発行された国債の最低額面金額は5万円であるのに対し、個人向け国債は1万円から1万円単位となっています。現在個人向け国債には2種類あります。利率は半年毎に実勢金利に応じて支払われる変動金利タイプの10年満期のものと、利率が固定されている5年満期です。変動タイプの個人向け国債は発行から1年経過すれば途中換金が可能です。また固定タイプは発行から2年経過すれば中途換金が可能となり、一定期間の利子相当額が差し引かれますが、元本で政府が買い取ってくれます。それぞれ年率0.05%の最低金利保証が設定されています。発行は現在、1月、4月、7月、10月の年4回となっています。
また、国債には個人向けとして2007年10月から新型窓口販売方式による国債の販売が行なわれています。これは期間が2年、5年、10年の固定金利型の国債で毎月募集・発行されます。すべて固定金利型となっていることで、発行時に決定された利率は、償還時まで変わらず、半年ごとに決まった利子が支払われ、額面金額で償還されます。購入最低額面単位は5万円から可能で、5万円の整数倍単位での購入となります。
個人向け国債は、現在のところ募集が年4回に限られていますが、新窓販国債は毎月購入が可能です。新窓販国債は、一定の期間は中途換金が制限される個人向け国債と異なり発行後いつでも市場価格での売却が可能です。ただし、個人向け国債のように元本で政府が買い取る仕組みにはなっていません。また最低金利保証といったものもありません。
国債については、個人向け国債、新窓販国債ではなく、通常発行されている国債も個人が購入できるものがありますが、今後は個人向けの販売はこの個人向け国債、新窓販国債に絞られてくるものと思われます。
個人向け債券には国債以外にもいくつかの種類があります。地方債や社債にも個人専用の債券を発行しているところがあれます。特に個人向けの地方債としては「ミニ公募債」と呼ばれる債券が発行されています。「ミニ公募債」は、これまで法人主体に発行していた地方債に対して、消化の裾野を個人に広げようと企画されたもので、地方公共団体にとの資金調達手法の多様化が図られるとともに、住民の行政への参加意識の向上といったものも意識されたようです。もちろん個人の資金が貯蓄から投資へとの流れの変化といったものも意識されていたと思われます。
公募地方債は総務省が許可した地方公共団体しか発行できませんが、このミニ公募地方債はすべての地方公共団体で発行することが可能です。さらに、ミニ公募地方債はその発行のための対象事業を明確にしていることもポイントになっています。
さらに、一般企業の資金調達手段となっている社債の販売先を個人に限定した「個人向け社債」も発行されています。個人向けの電力債などは発行の単位が10万円や50万円と小口化され、個人でも購入しやすくなっています。
また証券会社などでは、個人向けの外債も販売しています。日本の債券に較べて利子が高いものが多く魅力的ですが、為替変動リスクが伴う点に注意が必要です。
5日のNY時間の早朝に発表された米供給管理協会(ISM)の非製造業景況感指数は41.9となり、前月から大幅に悪化し同時多発テロ以降の最低水準に。景気動向の良し悪しを測る分岐点となる50を割り込んだ。
このISM指数は1931年から続いている伝統的な経済指標でもあることや、主要な米国の経済指標の中では最も早く発表されることに加え、企業の景況感を反映し景気転換の先行指標とされることから、市場での注目度もたいへん高い経済指標となっている。
市場ではISM非製造業景気指数そのもの数とともに、雇用指数や価格指数なども市場では注意を払っているが、受注指数43.5(12月は53.9)、雇用指数43.9(同51.8)、支払い価格70.7(同71.5)と軒並み低下し、これによって、米国の景気後退観測が強まった。
ちなみに今回のISM指数は、指数データがリークされた影響から予定時刻よりも早く結果を発表したとみられ、通常10時の発表が早朝の発表となったとか。
2月9日に東京で財務相・中央銀行総裁会議、いわゆるG7が開催される。独立性と透明性といったものが、現在の世界の中央銀行にとっての大きなテーマでもあるが、中央銀行が政府からの独立性を得たのは、イングランド銀行にしろ、FRBにしろそれほどの昔ではない。
イングランド銀行の政府からの独立においては、前財務相で現在イギリスの首相となったブラウン氏、FRBではルービン元財務長官の働きが大きかったといわれる。ECBは政府からの独立性をすでに強めていたドイツ連銀の流れを汲んでいることに加え、複数国を跨いでの中銀という特殊性からも独立性は当初から必要なものであった。
日本銀行の独立性を語る上でも、最適の人物の一人が次期総裁の有力候補でもある武藤副総裁ではなかろうか。財務省の事務次官という政府側の要職という立場から、現在は日本銀行の副総裁となり、政府側と日本銀行側の双方の立場といったものをよく理解しているとみられるためである。
武藤副総裁は以前の講演において、委員会制度と中央銀行の独立性の関係についてコメントしている。ブラインダー教授の指摘を引用するかたちで武藤副総裁は「中央銀行が政府から独立していない場合には、単に政府から命令を受けているに過ぎず、金融政策を決定する委員会を持つ必要がないということです。もっとも、委員会制度の採用が中央銀行の独立性維持の必要十分条件かというと必ずしもそうではありません」と述べている。
日本銀行の独立性の意義について、武藤副総裁は、「日銀法では、自主性という言葉が使われていますが、日本銀行の金融政策の独立性が強化されました。日本銀行は、公的機関として一定のコントロールは受けていますが、日銀法により、物価の安定を目的とする金融政策という明確な任務を付託され、政策委員会が外からの介入を受けることなく自らの意思で金融政策を決定しています」
これは一見、一般論もしくは建前論のようにも受け取られるかもしれないが、これまでの金融政策決定会合の様子などを見る限り、政策委員会が外からの介入を受けたという様子はない。新日銀法施行後、いろいろなかたちで政治からのプレッシャーもあったとはみられるが、現在の日銀もしっかり独立性は維持している。
そして日本銀行の独立性を担保するために、政策委員の任期は5 年とし、その解任事由を心身の故障等に限定することにより身分保障を徹底していることも武藤副総裁は指摘している。
2月9日に東京で7か国財務大臣・中央銀行総裁会議(G7)が開催される。サブプライム問題や、モノラインの問題による金融市場の混乱に対して、「政策協調」を行なうのではないかとの期待が一部にある。しかし、現在の欧米や日本の中央銀行は1985年のプラザ合意のころとは大きく様変わりおり、「協調利下げ」の可能性は極めて低いものと言わざるを得ない。
1985年のプラザ合意当事の各国中央銀行は、現在のように政府からの「独立性」は限定的となっており、政府主導で協調介入をはじめとする「協調政策」が進められていた。
しかし、その後時代は流れ、欧米諸国でも中央銀行の独立性が重要視されるようになっていった。1997年に財務省に就任したブラウン氏は就任わずか4日目に金融政策の大転換を行い、財務省から中央銀行であるイングランド銀行に金融政策の決定権を移し、独立性を高めるという大胆な改革に踏み切った。イングランド銀行の独立性を強化させた背景には、1999年の通貨統合を控えた欧州各国の中央銀行が、ドイツを見習って次々と独立性を強化させていたことも要因であった。
そのECBは政府からの独立性をすでに強めていたドイツ連銀の流れを汲んでいることに加え、複数国を跨いでの中銀という特殊性からも独立性は当初から必要なものであったのである。
また、グリーンスパン前FRB議長の著書「波乱の時代」の内容などから、米国ではFRBの独立性を高める上でルービン元財務長官の働きが大きかったといわれる。
日本でも1998年の日銀法の改正により、日銀の独立性と透明性の向上がはかられたのである。
このように現在の欧米と日本の中央銀行は、プラザ合意当時に較べて独立性が強化され、政府主導の政策協調に金融政策が絡んでくることは考えづらい。2007年のサブプライム問題にあたっての流動性強化策についても、FRB、ECBがそれぞれの判断で実施している。
世界的な問題に対しては、先進国が「協調」して政策を行なうのではなく、それぞれの国内事情を意識しながら、情報連絡を中銀同士が密に取り合い、それぞれの判断で政策を行なうというのが、現在の姿とみられ、特に協調利下げといったものの可能性はかなり低いものと言わざるを得ないのである。
3日の読売新聞は、財務省は各省庁や独立行政法人などが予算を適切に使っているかを点検する「予算執行調査室」を1日付で新設したと伝えている。
「防衛省で起きた防衛装備品の調達を巡る汚職事件の反省などから、主計局の担当分野ごとに分かれていた点検作業を集約し、予算の無駄減らしを徹底させる。調査室のメンバーは専任6人のほか、防衛、厚生労働、農林水産、公共事業の各分野の予算担当者が「予算執行調査官」を務めるなど29人が兼務し、省庁などの会計担当者への聞き取りなどにあたる。」(読売新聞ネット版より)
財務省のホームページの人事情報によると、この予算執行調査室長には「齋藤通雄」氏が就任された。債券市場関係者にはご存知の方も多いと思うが、齋藤通雄氏は国債課の課長補佐時代には積極的に国債管理政策を進められた方であり、私も長きにわたりお世話になっている。齋藤氏には予算執行調査室長としてあらためてご存分に力を発揮していただければと思う。
いまさらながらですが、日本の債券市場の一日を追ってみたいと思います。現物は店頭取引のため、特に取引時間とかは決められていませんが、総じて日本相互証券の売買が開始される8時40分以降が多く、さらに東証の債券先物取引が開始される9時以降に現物債売買は集中して行われます。 日本相互証券は証券会社の債券売買を仲介することを目的として1973年7月に設立されましたものです。
金融機関の債券のディーリンクルームにはこの日本相互証券の端末を設置しています。この端末を通じて顧客との売買を行うための国債の手当てやポジション調整の売りといったことを行っているのです。債券ディーリングのピーク時には数千億円の売買が瞬時にこの日本相互証券でできたこともありました。しかし、現在では業者によるディーリングは影をひそめ、投資家主体の売買となっていることもあり、日本相互証券における国債の売買高は自体は減少していますが、その現物売買の指標としての役割は現在も続いています。
東証の債券先物は午前9時から11時、午後は12時半から3時までと株式市場と同じ時間帯に取引されており、その時間帯は常に値動きがあることで、債券相場の動向が把握しやすくなっています。
このため市場参加者の多くは、債券のおおよその居所やトレンドを把握するためには、日本相互証券などでついた現物そのものの値動きとともに、債券先物の値動きからおおよその売買の水準を掴んでいるのです。
ちなみに債券先物はイブニング・セッションも行われており、午後3時半から6時まで取引ができます。ただし、この取引の約定日は翌営業日となります。債券先物の一日の値動きを新聞などで掴む際に注意すべきは、このイブニング・セッションの値動きが翌営業日の値動きに含まれてしまっていることがあることです。実際には前営業日の夕方の値動きが入ってしまうことで、実際その日の動きを掴むには、このイブニング・セッションの値動きを除いて見た方が良いと思われます。テクニカル分析などを行う際などは尚更です。私のホームページ「債券ディーリングルーム」では「臨機応変」というページで、前場と後場の四本値と前営業日のイブニング・セッションの四本値をそれぞれ掲載していますので、よろしければ参考にしてみてください。
ちなみに日本相互証券での当日約定分の現物の取引は夕方5時まで行われていますが、新聞などで長期金利の引け値、つまり直近入札された10年国債の当日の最終利回りは、日本相互証券や日本証券業協会が業者からヒアリングして集計した3時現在の利回りとなっています。この集計は国債の全銘柄の利回りと単価が表記されていますが、残念ながら公開されているものではありません。
さらに日本の債券先物はLIFFEと呼ばれるユーロネクストグループのひとつとなったロンドン国際金融先物オプション取引所(London International Financial Futures and Options Exchange)でも売買が行われています。LIFFEでの日本国債の先物取引時間は、現地時間の朝7時から夕方4時までとなっています。
米商務省が31日に発表した昨年12月の米個人消費支出(季節調整済み、名目)は年率換算で9兆9752億ドルとなり前月比+0.2%となった。市場の予想は+0.1%あたりとなっており、ややそれを上回った。実質ベースの個人消費支出は前月比横ばい。12月の個人所得は前月比+0.5%と11月の+0.4%からやや上昇した。コアPCE(個人消費支出)デフレータは前月比+0.2%上昇、前年比では+2.2%となり、FRBの適性レンジとしている1〜2%を上回った。
週初は18日の米国市場で欧米の金融機関に対してのサブプライム関連の損失拡大懸念などを受けて米国株が下落し、28日の東京株式市場は先週末比500円を超す下げとなり、債券先物は買戻しが入り再び138円台をつけた。しかし、28日の米国市場では12月の米新築住宅販売件数は1995年2月以来の水準に低迷し、これによってむしろ29-30日のFOMCでの05%の利下げの可能性が強まったとして米株式市場は切り返し13500円台を回復した。30日に発表された米2007年10-12月期GDP速報値は年率0.6%と急減速となるなど、米景気の下振れ懸念も強まり、FRBは0.5%の利下げを実施した。モノライン会社への格下げ懸念などもあり、30日には米国株は下げる場面もあったが、31日には大きく切り返すなど次第に底堅い動きに。東京株式市場も日経平均で13500円近辺での堅調な動きとなった。債券は先物主導で株価に連動するような動きとなっており、上値も重くなり137円台の半ばから138円にかけての動きが続いた。現物も10年債利回りは1.4%から1.5%のレンジ内での動きに。31日に実施された2年国債の入札は利率が0.5%に引き下げられたこともあり、やや低調なものとなったが市場への影響は限定的なものとなった。イールドカーブは月末も意識され、一時フラットニング圧力を強めたが、31日にはその反動も。
米国のサブプライム問題はモノラインと呼ばれる金融保証会社への格下げの懸念などが残るが、FRBによる大幅な利下げもあり、株式市場の動向などを見る限り、ここからさらに大きく崩れるといった様子でもなくなりつつある。このため東京株式市場も上値は重いながらも、堅調な展開が続くものと予想される。債券先物は米国株の動向を受けての米債や東京株式市場動向の影響を受けやすい地合が続いているが、米株と米債の連動性もやや薄れつつあることもあり、円債も株を強く意識する展開にやや変化が生じてくる可能性もある。投資家動向を見る上で5日の10年国債の入札動向を確認したい。また9日には東京で財務相中銀総裁会議、いわゆるG7が開催される。7日には英中銀金融政策決定会合(MPC)やECB定例理事会も予定されており、FRBの大幅利下げを受けての欧州中銀の対応とともに、G7に向けての日銀の動向なども注目されよう。ただし一部観測がある協調緩和といったものは現状の中銀のシステムを考える限り可能性は少ないと見ている。7日には岩田日銀副総裁の講演と会見も予定されており、G7を前にしてその内容にも注目したい。債券相場は総じて引き続き方向感なきレンジ相場を予想しているが、何かの材料で大きく相場が変化する可能性もないとは言えず、注意も必要か。
平成20年1月分 平成19年12月分 平成19年11月分 平成19年10月分 平成19年9月分 平成19年8月分 平成19年7月分 平成19年6月分 平成19年5月分 平成19年4月分 平成19年3月分 平成19年2月分 平成19年1月分 平成18年12月分 平成18年11月分 平成18年10月分 平成18年9月分 平成18年8月分 平成18年7月分 平成18年6月分 平成18年5月分 平成18年4月分 平成18年3月分 平成18年2月分 平成18年1月分 平成17年12月分 平成17年11月分 平成17年10月分 平成17年9月分 平成17年8月分 平成17年7月分 平成17年6月分 平成17年5月分 平成17年4月分 平成17年3月分 平成17年2月分 平成17年1月分 平成16年12月分 平成16年11月分 平成16年10月分 平成16年9月分 平成16年8月分 平成16年7月分 平成16年6月分 平成16年5月分 平成16年4月分 平成16年3月分 平成16年2月分 平成16年1月分 平成15年12月分 平成15年11月分 平成15年10月分 平成15年9月分 平成15年8月分 平成15年7月分 平成15年6月分 平成15年5月分 平成15年4月分 平成15年3月分 平成15年2月分 平成15年1月分 平成14年12月分 平成14年11月分 平成14年10月分 平成14年9月分 平成14年8月分 平成14年7月分 平成14年6月分 平成14年5月分 平成14年4月分 平成14年3月分 平成14年2月分 平成14年1月分 平成13年12月分 平成13年11月分 平成13年10月分 平成13年9月分 平成13年8月分 平成13年7月分 平成13年6月分 平成13年5月分 平成13年4月分 平成13年3月分 平成13年2月分 平成13年1月分 平成12年12月分 平成12年11月分 平成12年10月分 平成12年9月分 平成12年8月分 平成12年7月分 平成12年6月分 平成12年5月分 平成12年4月分 平成12年3月分 平成12年2月分 平成12年1月分 平成11年12月分 平成11年11月分 平成11年10月分 平成11年9月分 平成11年8月分 平成11年7月分 平成11年6月分 平成11年5月分 平成11年4月分 平成11年3月分 平成11年2月分 平成11年1月分 平成10年12月分 平成10年11月分 平成10年10月分 平成10年9月分 平成10年8月分 平成10年7月分 平成10年6月分 平成10年5月分 平成10年4月分 平成10年3月分 平成10年2月分(その2) 平成10年2月分(その1) 平成10年1月分(その2) 平成10年1月分(その1) 平成9年12月分 平成9年11月分 平成9年10月分 平成9年9月分 平成9年8月分