格付会社のムーディーズは、日本政府の円建て国内債券(日本国債)の格付をA1からAa3に引き上げたと発表した。格上げの理由としてムーディーズは継続的な財政引き締めや再建への取り組みへの期待をあげている。ムーディーズは昨年10月に日本国債の格付をA2からA1に引き上げていたが、その後格付見通しの変更等を経ずにいきなりの格上げとなった。これについては、政府や与党の財政再建へのコミットメントの強さを指摘している。
昨年10月から比較して日本の財政再建が目に見えて進展しているわけではない。福田政権は「骨太方針2008」を決定し、歳出・歳入の一体化路線を維持したかたちになっているものの、与党からの歳出増圧力も強く今後も財政規律が維持されるかどうかはかなり不安定な状況下にある。このような最中での日本国債の格上げは違和感を感じざるを得ない。とはいうものの日本国債の格下げの際の理由付けも良くわからなかったことも確か。
この格上げによる日本国債への影響、つまり日本の債券市場に対する影響そのものはほとんどないであろう。格下げがあっても日本国債そのものの価値が大きく減ずることはなかった。その意味で日本国債は危なくなかったと言えようが、政府の債務残高そのものは日本国債の格下げ時よりも膨れ上がっていることも事実である。そしてそれに対する現在の政府の取り組みは積極的といえるかどうか。消費税に対しての首相の言動も揺れ動き、2011年度のプライマリーバランスの黒字化も危ぶまれているのが現状でもある。格下げにしろ格上げにしろ、何故そのタイミングなのか理解が難しい。
本日の朝方に発表された5月全国消費者物価指数(除く生鮮)は、前年比+1.5%とほぼ10年ぶりの高い水準になった。暫定税率が復活したことでガソリンが値上げされ、さらに食品の値上がりなども進行したことが影響した。この動きはまだ続いていることから、当面CPIは上昇基調を続けるとみられ、いずれ2.0%あたりまでの上昇もりそうである。同時に発表された6月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比+1.3%となった。
こういった物価上昇も気になるが、市場でもそれ以上に景気動向を気にするようになってきている。その意味でも7月1日の日銀短観はかなり注目されそうである。
欧州ではトリシェECB総裁の発言もあり来週のECBでは小幅な利上げの可能性が強まっているが、米国でも景気への不安とともに金融機関の損失等についても再び懸念は強まっている。このためここにきてダウは下落基調を強め、26日の米国市場では2006年9月11日以来の安値をつけてきた。この米株の大幅下落により米10年債利回りは一時4.01%まで低下し4%に接近しており、米10年債利回りの4%割れも、時間の問題か。
本日の債券先物は6月9日以来の135円台を回復し前日比44銭高の135円30銭で寄り付いた。現物は10年293回が前日比-0.025%の1.620%で出合ったがその後1.6%を割り込み一時前日比-0.055%の1.590%まで買われた。5年72回は前日比-0.040%の1.170%の出合い後に1.155%まで買われ、2年270回は前日比-0.045%の0.775%に。超長期20年102回も同-0.035%の2.170%としっかり。
とりあえず短観を見てからと買い控えていた投資家もいたとみられるが、短観発表前に動きを見せてきている可能性もある。10年債利回りは1.6%を割り込んでいるが、目先1.5%あたりまでの利回り低下もありえそうである。
25日のFOMCにおいて、米FRBは政策金利を現行の2.00%に据え置くことを決定した(フィッシャー米ダラス連銀総裁は反対し金利引き上げを主張)。これにより昨年9月以降の利下げはいったん休止となった。市場ではFOMC終了後に発表される声明文が注目されていた。
6月4日にバーナンキFRB議長はハーバード大学の卒業式の講演で「インフレは我々が望む水準をかなり上回る、ここ数ヶ月の長期インフレ期待の上昇はかなりの懸念」と発言し、FRBがインフレへの警戒を強め、FRBによる早期の利上げ観測も出ていたためである。
声明文においては、「最近の指標データは全体的な経済活動が、一部における家計支出の安定を反映して拡大していることを示唆」と指摘し、経済情勢については「景気は総じて拡大を続けている」としていた。ただし、「雇用市場が一段と軟化しており、金融市場は引き続きかなりの緊張下にある」ことも示唆し、「信用収縮や住宅投資の低迷、エネルギー価格の上昇が今後、数四半期にわたり経済成長の足かせになる」との表現も。
インフレについては「今年の後半と来年にかけて緩やかに鈍化すると予想」しているが、「エネルギー価格やその他の商品価格の上昇継続、インフレ期待を示す指標の上昇を考慮に入れるとインフレ先行きに対する不透明感は引き続き高いとも」指摘している。
このため「経済成長の下振れリスクは幾分か縮小している半面、インフレおよびインフレ期待の上振れリスクは上昇している」との表現し、ややインフレの上振れリスクを意識したものとなってはいたが、市場が警戒していたほど利上げを意識させるような内容ではなかった。
日銀の白川総裁は「インフレ予想変化するかしないか、金融政策考える、より重要なポイント」としながらも「景気下振れと物価上昇の両面のリスクを踏まえ金融政策を運営」する姿勢を示していたが、米FRBも経済成長の下振れリスクとインフレおよびインフレ期待の上振れリスクの両方のリスクを踏まえての金融政策の運営を行なっていくものとみられる。
拙著、単独では9冊目となります 「ポケット図解 日本銀行の基本と仕組みがわかる本」(定価税込み840円)が本日6月26日に、秀和システムさんから発売されます。中央銀行の仕組みについてわかりやすくまとめたものです。ご興味、ご関心のある方、ぜひお買い求めいただけるとうれしいです。
東証2部上場の不動産会社スルガコーポレーションは24日に東京地裁に民事再生法の適用を申請した。これにより同社の発行した公募普通社債はデフォルト(債務不履行)となる。スルガコーポレーションは公募普通社債を2006年10月に110億円、2007年3月に100億円と都合210億円発行している普通社債のデフォルトは2001年のマイカル以来、7年ぶりとなる。
スルガコーポレーションについては春先からビルの立ち退き関係での不適切な取引が判明しており、決算の発表も延期された経緯などもあり、5月29日に日本格付研究所は5月30日にはCCC格への引下げたが、24日には民事再生法の適用を申請によりシングルDに引き下げた。
1億円券面ということで社債の保有者は機関投資家や投資ファンドとみられているが、返済額については7月1日の債権者説明会などで調整していくとみられると25日の日経新聞は伝えている。
24日に発表された4月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比-16.3%と1987年の調査開始以来最大の下げ幅となった。対象を拡大した20都市指数も前年同月比で-15.3%と2000年の調査開始以来最大の下げに。
このS&P/ケース・シラー住宅価格指数とは、S&Pがカール・ケースとロバート・シラー教授らと共同開発した指数で米国の住宅価格の指標として市場でも注目されている。米国の一戸建て住宅価格を実際に取引された売買実績に基づいて算出したもので、全米指数は3か月ごと、主要な十および二十都市を対象とした指数は毎月発表している。
6月13日の記者会見において、インフレーション・ターゲティングについての質問を受けた白川総裁は次のように答えている
「その人によってインフレーション・ターゲティングという言葉でイメージしている内容がかなり違っているということです。ですから、インフレーション・ターゲティングの是非を議論しても、実はその議論している対象自体が違っていることもあるわけです。そういう意味で、多少誤解を招きやすい議論であると思っています。」
欧州の中央銀行が採用しているインフレーション・ターゲティングなどに対しては次のように説明している。
「本来のインフレーション・ターゲティングというのは、中央銀行の金融政策の目的が物価安定のもとでの持続的な成長であるということを意識した上で、金融政策を説明していくための透明性を高めていく枠組みの1つだと思います。」(白川総裁)
それに対して、以前の日本でも騒がれたインフレーション・ターゲットを採用すべきとの主張は、デフレ時など手段はかまわず何が何でもでも物価を上昇させるべきといったものであったかと思う。
現在は、「供給ショックで物価が上がる、しかし消費国にとってそれは景気の下押し圧力に働くという状況」にあり、こういった状況下にあって金融政策を説明するには、インフレーション・ターゲットという枠組みの中での説明も難しくなると白川総裁は指摘した。
さらに白川総裁は「こうした景気・物価についての複雑な動きがある中で、インフレーション・ターゲティングという枠組みの中で金融政策を説明することはもちろん可能ですが、その説明が時として難しいことがあります。」としており、米国の学者がこの問題を提起している点を指摘している。
そして白川総裁はインフレーション・ターゲティングの問題について次のように結論付けている。
「インフレーション・ターゲティングを採用する場合でも、しない場合でも、供給ショックのもとでは、金融政策の判断それ自体が難しいわけですし、説明も難しいものになります。しかし、最後は判断する必要がありますし、説明しなければなりません。そのために、各国は、各国の置かれた枠組みの中で説明の努力をしているということだと思います。」
このように白川総裁は、金融政策の枠組みは違えども、FRBやECB、さらにイングランド銀行や日銀の金融政策が、現在かなり難しい局面に置かれている状況を説明している。
6月18日発表された議事要旨によると5月19、20日金融政策決定会合では、物価上昇に対するその背景と政策対応についての討議が行なわれたようである。 少し古い資料となるが2001年10月に日銀が発表した「物価の安定を巡る論点整理」(http://www.boj.or.jp/type/release/zuiji/kako02/data/spri03e.pdf)と比較しても面白いかもしれない。ちなみにこの「物価の安定を巡る論点整理」を著したのは白川方明企画室審議役(当時)と門間一夫企画室政策調査課長(当時)となっている。もちろん現在の白川日銀総裁と門間調査統計局長である。
「ある委員は、一次的な供給ショックについては、インフレ予想の変化を通じて二次的な影響が生じないのであれば、必ずしも金融政策で対応する必要はないというのが教科書的な回答であるが、現在は、持続的で複合的なショックが生じているため、政策対応は難しくなっていると述べた。」 「物価の安定を巡る論点整理」では「一時的か持続的かの分類が難しいのは、原油価格や為替相場、さらにそれらに大きく左右されやすい輸入物価、輸入関連品価格、などの変動である。」としているが、これが持続的な性格の強い供給要因ならば「物価の基調判断、ひいては金融政策にとって、重要な意味を持つ物価変動要因である」としている。
議事要旨では、ある委員の発言として「一次産品価格の上昇は、相対価格の変化をもたらし、資源配分の調整を促すが、消費者のインフレ予想や企業の価格設定 行動次第では、一般物価水準の大きな変動につながるリスクもあるので、これらの動向に注意しながら、金融政策運営を行う必要があると述べた。」 6月13日の金融政策決定会合後の会見で白川総裁は「わが国経済の状況は、実体経済面では、交易条件の悪化に伴う所得形成の弱まりが国内民需の下振れをもたらすリスク、物価面では、消費者のインフレ予想や企業の価格設定行動を含め、先行きの上振れリスクについて、注意深くみていく必要があると考えています。」と発言し、景気下振れと物価上昇の両面のリスクを踏まえて金融政策を運営する姿勢を示している。
いまのところ軸足をどちらかに移すといったことは考えづらく、日銀の金融政策は当面、現状維持となるとみられるが、物価の動向に対して今後も日銀は注視する姿勢を強めてくるものと思われる。
米国では米国は連邦制を採用し東部と西部、北部と南部といった地域的な対立があり中央銀行の設立には大きな抵抗があったことで、中央銀行を設立しようとする動きがあったものの、州政府の反対などによって2度にわたり失敗に終わりました。しかし19世紀から20世紀にかけて幾度も恐慌が発生し深刻な不況が生じ、このため「金融システムの安定化」が求められ、中央銀行設立の機運が高まったのです。
1913年に12の地区連邦準備銀行と、これを監督する連邦準備委員会がワシントンに設立されました。全米の12の地域に地区連邦準備銀行を設立し、それぞれの地区で銀行券である連邦準備券が発行され、各行ごとに公定歩合が設定されることとなりました。 しかし、設立直後の大恐慌により、地方分権型ではなく中央集権的な金融政策の運営が求められたことから1933年に機構改革があり理事会の権限が強化されました。金融政策を決定するための組織として連邦公開市場委員会(FOMC)が設けられました。1935年の銀行法制定の際に連邦準備委員会は連邦準備制度理事会(FRB)と名称が改められました。
日欧米の中銀の金融政策の動向が引き続き注目材料となりそうで、その意味でも24日から25日にかけて開催される米FOMCの動向に注目したい。一時、FRBの利上げ観測も出ていたが、その後利上げ観測は後退しており、金融政策は現状維持となりそうだが先行きを占う上で、声明文の内容などが注目されよう。経済指標では米国では住宅関連の指標が発表される。米住宅市場の落ち込みが懸念されているが、そういったものを裏付ける内容となりそうである。また国内の経済指標としては週末に発表される消費者物価指数などが注目される。日銀の白川総裁も景気下振れと物価上昇の両面のリスクを踏まえ金融政策を運営する姿勢を示しているが、そのうちの物価の動向も気になるところ。また景気動向として5月の鉱工業生産の動向にも注意したい。国債の入札は24日に2年国債の入札が予定されている。相場が荒れていることもあって投資家の動向も掴みづらいこともあり、この入札の動向にも注意が必要か。6月16日に長期金利は1.895%と1.9%近くまで上昇したが、目先ここが長期金利としての天井となりそうである。しかし、1.7%を大きく割り込んでの長期金利の低下も考えづらく、当面は1.7%台主体での推移となりそうである。
ロイターが報じたところによると、ダーリング英財務相は、金融安定に関するイングランド銀行の権限強化策として、新たに金融委員会を創立すると発表。この強化策は中銀に金融市場安定に対する法的責任を負わせるもの。新たに設立される委員会には外部の専門家も参加し、金融安定維持における中銀の行動を監督する。また、コートと呼ばれる役員会のメンバーも19人から12人に削減する。金融安定委員会はコートのメンバーによって構成され、キング総裁が議長をつとめる予定。
また、18日付のウォールストリート・ジャーナル紙とワシントン・ポスト紙によると、ポールソン米財務長官は、FRBに規制当局としての新たな権限を付与するよう要請する見通しと伝えている。ポールソン米財務長官は、ベア・スターンズの崩壊により、政府が市場への過度な介入を行なわずに「時代遅れ」の規制構造の改革に取り組む必要性が高まったと指摘する模様。また、同長官は「金融システムが脅かされた場合に市場全体を安定させる、という国民が期待する役割をFRBが果たせるよう、我々は、FRBに複雑な金融機関から必要な情報を入手する権限と、金融システムの保護に向けた介入の責任を付与する最適な方法について迅速に検討すべきだ」としている。(以上もロイターより)
このように時をほぼ同じくして英米の中銀の権限強化策が、それぞれの財務長官から発表された。米サブプライム問題を発端とする金融市場への影響に対し、政府による市場への介入という時代遅れの規制構造の改革に取り組み、中銀への権限強化という姿勢は今後の大きな流れになってくるものと思われる。今回の英米の中銀への権限強化策の行方については、今後の日銀に対する権限強化の在り方も含めて、注意深く見守っていく必要がありそうである。
本日発表された議事要旨によると5月19、20日金融政策決定会合では、物価上昇に対するその背景と政策対応についての討議が行なわれたようである。下記の決定会合の内容とともに、少し古い資料となるが2001年10月に日銀が発表した「物価の安定を巡る論点整理」(http://www.boj.or.jp/type/release/zuiji/kako02/data/spri03e.pdf)と比較しても面白いかもしれない。ちなみにこの「物価の安定を巡る論点整理」を著したのは白川方明企画室審議役(当時)と門間一夫企画室政策調査課長(当時)となっている。もちろん現在の白川日銀総裁と門間調査統計局長である。
(5月19、20日金融政策決定会合議事要旨より)「委員は、エネルギー・原材料価格の上昇に起因する物価上昇について、その背景と政策対応について討議を行った。」
「ある委員は、現在生じている一次産品価格の上昇は、需要ショックと供給ショックの2つの面で日本経済に影響を及ぼしており、これらのショックが持続的に続いていることに特徴があると述べた。この委員は、一次的な供給ショックについては、インフレ予想の変化を通じて二次的な影響が生じないのであれば、必ずしも金融政策で対応する必要はないというのが教科書的な回答であるが、現在は、持続的で複合的なショックが生じているため、政策対応は難しくなっていると述べた。」
「何人かの委員は、現在生じている一次産品価格の上昇の背景には、新興国の高成長というファンダメンタルズがあり、日本経済にとっては、輸出増加という需要ショックと輸入品価格の上昇という供給ショックの両方をもたらしていると述べた。これらの委員は、こうした需要ショックと供給ショックが、マクロ的な需給バランス全体にどのような影響を与えていくのかについて丹念にみていく必要があると述べた。」
「また、ある委員は、一次産品価格の上昇は、相対価格の変化をもたらし、資源配分の調整を促すが、消費者のインフレ予想や企業の価格設定行動次第では、一般物価水準の大きな変動につながるリスクもあるので、これらの動向に注意しながら、金融政策運営を行う必要があると述べた。」
「また、こうした物価情勢において、どのような物価指標をみていくことが適当かについても議論が行われた。」
「ある委員は、持続的なエネルギー・原材料価格の上昇が生じている現状では、それらを除いた米国式のコア消費者物価指数は、物価の実勢を表していない可能性がある点には十分留意する必要があると述べた。」
「別の委員は、重要なことは、ヘッドライン消費者物価の中長期的なトレンドを把握する上で、どのような指標が有効であるかという観点であると指摘した。」
「また、別の委員は、そうした中長期的な消費者物価のトレンドをみる上では、生鮮食品を除く消費者物価指数や刈り込み平均指数が有益であると述べた。」
「また、ある委員は、現在のように川上から川下に価格転嫁が進んでいく状況では、企業物価指数も引き続き重要な指標であると述べた。」
「これらの議論を経て、委員は、様々な物価指標を丹念に点検しつつ、消費者物価のトレンドを把握することを通じて、中長期的にみて物価安定のもとでの持続的成長を目指すことが適当であるとの見方で一致した。」
17日に発表された5月の英国消費者物価指数は前年同月比+3.3%となり、これは集計開始以来の最高の上昇率となった。これに対してイングランド銀行のキング総裁は、「CPIの上昇率を2%の目標に戻すまでの金利パスは不透明」、「CPI上昇率は4%を超える可能性があるが、2年後の目標達成に標準」と発言し、また「景気が減速しており方向性は不透明だ」との見方も示したことで、イングランド銀行が早期に利上げに転じる可能性はないとみられる。
またECBについても、ビーニ・スマニ専務理事が、「ユーロ圏のCPI伸び率を目標の2%以下にするためには25bpの利上げで十分」との見方を示していたことで、ECBによる大幅な利上げ観測も後退した。このため、17日のユーロ圏の債券は買われ、ドイツ連邦債10年物は一時4.585%まで低下する場面も。
そして、米国でもFRBによる利上げ観測が後退している。ウォールストリート・ジャーナルやフィナンシャル・タイムズ紙がFRBの利上げ観測に対しての否定的な記事を掲載、「現時点で連銀が今秋以前に利上げを決める可能性は低い、先物市場での8月利上げ予想は積極的過ぎる」など市場における早期利上げ観測に対し火消しを行なうような記事となっていた。この記事の背景には何がしかFRBからの影響があった可能性も否定できず、FRBの早期利上げ観測もこれにより後退している。
イングランド銀行やFRBの利上げは当面ないとみられ、ECBも当面利上げは一回限りかとみられる。さらに13日の白川日銀総裁の会見内容も含め、先週末にかけて一部市場で強まっていたいた協調利上げ観測は、さらに後退してくるものとみられる。
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6月13日の日銀の金融政策決定会合では、全員一致で現状の金融政策を維持することを決定した。そして、利上げを示唆したトリシェ発言や、インフレへの警戒を強めたバーナンキ議長に続いて、この日の白川日銀総裁の会見の内容が注目されていた。ECBが来月金融政策の変更があり得るという考えを表明し、FRBも利下げの休止を示唆するような発言をしているが、といった質問に対して白川総裁は次のように答えている。
「各国は、それぞれの置かれた状況に照らし、経済・物価を長い目でみて安定させるよう金融政策を運営していると思います。各国が直面している経済・物価の情勢は異なるので、金融政策運営もそれに応じて異なるものになってくると思います。」
また日本、米国、欧州それぞれの金融政策の方向性の足並みが乱れるのではないかという市場の見方についての質問について、白川総裁は次のように答えている。
「金融政策の目的は物価安定のもとでの持続的な経済成長を実現していくということであります。そのためには、当然のことながら、具体的な判断は各国の置かれた状況によって異なってくると思います。欧州、米国、日本、それぞれの景気と物価の状況は異なっているわけであり、各国が自らの置かれた状況に応じて物価安定のもとでの持続的な成長にふさわしい政策を追求していくことが重要であり、結果として各国の政策が同じ方向を向いていることが政策運営の乱れがない状態であるとか、あるいは、同じ方向、動きでないことが政策運営の乱れであるということではないと思います。」
このように白川総裁は「あくまでも各国の置かれた状況に即して判断していく」姿勢をあらため手示した。今回のトリシェ、バーナンキ発言とともに、ポールソン米財務長官が「為替介入含めいかなる措置も排除せず」と発言し、ドル安が大きな要因ともみられる原油先物価格の上昇を抑え、物価上昇抑制策としての金融引き締めだけでなく、ドル安への対応も金融当局者は意識している姿勢を見せていた。
このように米財務省とFRBがインフレ警戒を強めたことで足並みを揃えていたかに見えた上、トリシェ総裁もインフレ懸念に言及したことで、「協調」と言う言葉がにわかに独り歩きした。しかし、現実にはFRBとECB、そして日銀はそれぞれの国内の状況を意識しての発言であり、白川総裁の発言からも明らかのように協調して行動を起こそうとしたわけではない。
ECBは無論のことFRBも、そして日銀法改正後の日銀も、現在では政府や財務省からは一定の距離を置いている。さすがに時代も流れ、金融市場や金融システムも大きく変貌を遂げており、また世界の資金の流れも大きく変化し、すでに1985年のプラザ合意時のように先進国の政府・財務省主導で中銀が協調して行動を起こすといった時代ではない。今回のサブプライム問題という世界の金融市場を大きく揺り動かすような事態の対処についてのFRBやECBなど欧州中銀の行動を見ても、それがわかるはずである。こと現在の日欧米の中銀の政策には「協調」と言う言葉はやや時代遅れのものとなりつつあるのではなかろうか。
2008年1〜3月資金循環勘定速報が日銀から発表された。このうち家計の金融資産は、1489兆6147億円と1500兆円割れとなった。年度末での1500兆円割れは3年ぶりとなる。この家計のうち国債は、36兆2843億円(12月末35兆9568億円)となり、国債全体に占めシェアは5.2%と12月からわずかに低下。株式75兆5281億円(12月末91兆3000億)と大幅に減少し、投資信託も63兆0575億円(12月末71兆8951億円) と大きく減少となった。2007年12月末の日経平均は15307円78銭に対して2008年3月末は12525円54銭。長期金利は12月末1.500%に対し、3月末1.275%。
資金循環勘定速報をもとに 2008年3月末現在日本における国債所有別内訳を算出してみた。
国債の残高そのものは2007年12月末比10兆9632億円の増加となった。海外投資家のシェアは7.2%と小幅低下増加し、家計の全体に占めるシェアも小幅低下したものの5.2%と5%を維持し、海外と個人を合わせたものの全体に占めるシェアは12月に続いて10%を大きく超えている。
2008年3月末の国債残高と、そして全体に占めるシェア、2007年12月末比(億円)
合計 、695兆2890億円、100.0%、10兆9632億円増
民間預金取扱機関、247兆4513億円、35.6%、8兆3787億円増
民間の保険年金、156兆0159億円、22.4%、2兆0860億円増
公的年金、77兆2785億円、11.1%、2兆0891億円増
日本銀行、63兆6520億円、9.2%、1兆4231億円減
海外、50兆2205億円、7.2%、3363億円増
家計、36兆2843億円、5.2%、3275億円増
投信など金融仲介機関、35兆1359億円、5.1%、5兆4242億円増
財政融資資金、10兆8974億円、1.6%、5兆6312億円減
その他、18兆3532億円、2.6%、6243億円減
参考までに自分で集計を始めてからの、日銀資金循環統計を元にした国債残高の推移は下記のようになっている。一番右の数値は前回比である。(単位、億円)
2002年09月末、5,045,257
2002年12月末、5,228,730、183,473
2003年03月末、5,384,464、155,734
2003年06月末、5,441,370、56,906
2003年09月末、5,437,060、-4,310
2003年12月末、5,545,297、108,237
2004年03月末、5,699,256、153,959
2004年06月末、5,759,771、60,515
2004年09月末、5,993,527、233,756
2004年12月末、6,197,909、204,382
2005年03月末、6,424,669、226,760
2005年06月末、6,613,991、189,322
2005年09月末、6,591,695、-22,296
2005年12月末、6,718,823、127,128
2006年03月末、6,670,712、-48,111
2006年06月末、6,591,136、-79,576
2006年09月末、6,750,991、159,855
2006年12月末、6,760,500、 9,509
2007年03月末、6,735,779、-24,721
2007年06月末、6,619,880、-115,899
2007年09月末、6,735,093、115,213
2007年12月末、6,843,258、108,165
2008年03月末、6,952,890、109,632
(なお上記は、私がエクセルで資金循環勘定速報をもとに再集計したものであり、数値のチェックはしているものの、一部入力ミスしている可能性が皆無とはいえないため、使われる際には、ご注意ください。)
6月13日の日銀の金融政策決定会合では、全員一致で現状の金融政策を維持することを決定した。そして、利上げを示唆したトリシェ発言や、インフレへの警戒を強めたバーナンキ議長に続いて、この日の白川日銀総裁の会見の内容が注目されていたが、さすがに協調利上げを示唆するような発言はなく、国内の景気と物価両睨みの姿勢を維持していることを示した。
白川総裁は「インフレ予想変化するかしないか、金融政策考える、より重要なポイント」とし「景気下振れと物価上昇の両面のリスクを踏まえ金融政策を運営」する姿勢を示した。トリシェECB総裁やバーナンキFRB議長の発言に絡んでは「日米欧で景気と物価の状況は異なる」とし、「各国で同じような政策運営が協調しているということにはならない」と日欧米の中銀が協調して何かを行なうとの見方に釘を刺した。また「為替相場のみ取り上げて評価せず、意識するべきは景気物価全体」との発言もあった。
ただし、「足元の物価上昇踏まえると、予想インフレ率はたぶん上がっている」、「現状の金融政策は将来の変化に応じて変化していく」、「世界的なインフレ方向のリスクは一段と高まっている」、「消費者のインフレ予想や企業の価格設定行動、より注意深く見ていく必要」として、インフレへの警戒も引き続き強めていることも示した。
自宅で使っていたパソコンが時折、調子が悪くなり、そろそろ変え時かと最新のパソコンを購入した。といっても注文したのは4月下旬、届いたのは5月下旬であった。部屋全体の模様替え等もあって、箱に入れたままにしておいたが、14日に模様替えも進んだことで、箱から出してセッティングした。
今回も結局、コストパフォーマンスの良いマウスコンピューターから購入した。本を出させていただいている出版社の株主だから、というわけではないので念の為。本といえば日銀関係の本がその秀和システムさんから今月下旬に出る予定です。よろしくお願いいたします。
それはさておき、今回のパソコンのCPUはインテルCore2QuadプロセッサーQ9450(12MB L2キャッシュ/2.66GHz/1333MHz)、メモリーは3GB、 ハードディスクは500GB、ビデオカードにGeForce9600G/GDDR3 512MB/DualDVIを搭載し、そこそこの機能を持ったものである。
ちなみにOSはあまり評判のよろしくないWindows VistaのUltimate SP1。XPでも良かったものの先々を考えるとVistaに慣れておく必要もあるかと。これまで使っていたXP搭載のパソコンも当面は使えるため、当面は2台を併用していくつもりである。
世界の金融市場で、ここにきて値動きがさらに激しくなってきているが、昨日は米国の債券市場が急反落の展開となった。その大きな要因は5月の米小売売上高が前月比+1.0%と予想の0.5%のほぼ倍となり、2007年11月以来で最大の伸びとなったこと。米政権が経済対策として4月末から順次実施している戻し減税の効果が現れた。米個人消費は懸念されていたほどの落ち込みはなく底堅い動きとなっていることが示された格好に。ガソリン価格高騰による押し上げ効果などもあったが、それ以外の業種でもほぼ全業種にわたり売り上げが伸びていた。
そして5月の輸入物価指数も発表されたが、こちらも前年同月比+17.8%と予想を上回り、こちらはインフレ圧力の高まりを意識させる内容となり、米債にとってはダブルパンチ。
もう一発、アッパーパンチを繰り出したのが、プロッサー米フィラデルフィア連銀総裁。「現行の金利水準は非常に低い、インフレ期待上昇を阻止するため利上げが必要であることは明白」と発言したと伝えられた。
これらを受けて米債は2年債利回りが一時3.06%まで上昇し3%台に乗せて前日比+0.24%の3.05%で引けており、10年債利回りも前日比+0.14%の4.21%と4.2%台に上昇して引けるなど急反落する展開となった。
米国ではニューヨークで記録的な猛暑となるなど、異常気象となっており、」米中西部では洪水の影響でトウモロコシの生産に大きな被害を受け、先物価格が上昇している。原油価格の上昇ばかりでなく、こういった穀物などの商品価格の上昇も物価上昇圧力となっているが、米FRBも米国景気動向が不透明な中、そう簡単には利上げまで踏み込めないのも確かとみられる。
これは日本も同様とみられ、特に4-6月期についてはGDPもマイナス成長との予測が多く、景気先行きも引き続き不透明感も強い。利上げを示唆したトリシェ発言や、インフレへの警戒を強めたバーナンキ議長に続いて、13日の白川日銀総裁の会見の内容が注目されているが、あまり過度の期待(懸念)は禁物かと思う。
白川日銀総裁は5月20日の会見で、物価についてはどちらかといえば上振れのリスクを見ているとし、また経済全体でみた場合に景気については下振れリスクの方にウエイトを置いているとしていた。13日の会見についても、同様に物価の上昇リスクについて言及はするとみられるが、景気についてはまだ霧は晴れていないと下振れのリスクについても引き続き言及してくる可能性が高い。
市場参加者の一部では、より物価上昇を意識した発言をしてECBやFRBに協調するような発言をしてくるとの見方もあるが、実際には物価と景気の料睨みというバランスの取れた発言をして、利上げを意識させるような発言は避けてくると思われる。
とはいうものの、市場ではまだ警戒感も強く、12日の債券市場では2年269回は一時、前日比+0.005%の1.000%ちょうどがヒットされた。13日からのG8財務相会合も開催されるが、ここにきて日銀総裁が物価上昇に軸足を置く発言をするとか、さらに利上げについて踏み込んだ発言をするといったことは考えづらい。むしろマーケット参加者にそういった言質を取られないように、より慎重な発言をしてくる可能性が高いとみられる。
FRBのバーナンキ議長は、6月4日にハーバード大学の卒業式の講演で「インフレは我々が望む水準をかなり上回る、ここ数ヶ月の長期インフレ期待の上昇はかなりの懸念」と発言、ただし「物価上昇率が2ケタまで達した70年代半ばや1980年よりはかなり低い水準にある、と指摘した。
そして、ECBのトリシェ総裁は、5日の定例理事会後の記者会見において、「次回会合で小幅な利上げを実施する可能性を排除しない」と発言。「本日、数名のメンバーは利上げを主張」とも発言し、すでに5日の会合で即時利上げを求める意見も出ていたことを示した。
5日にECBが発表したユーロ圏の物価上昇率の予想は、2008年の予想の中間値は3.4%(予測幅は3.2%〜3.6%)と3月時点の見通し2.9%(予測幅は2.6%〜3.2%)から0.5ポイントもの引き上げとなり、よりインフレへの警戒を強めた格好となった。
このようにバーナンキFRB議長に続いて、トリシェECB総裁もインフレ警戒への姿勢を強めたが、欧米の中銀はこれまでのサブプライム問題による金融不安や景気への影響といったものから、軸足をインフレ懸念へと移しつつある。
ECBによる利上げの可能性も高まってきているが、さらに今度は米FRBによる年内利上げの思惑も強まってきた。9日にニューヨーク連銀のガイトナー総裁は「世界的なインフレ抑制にはおそらく引き締めが必要」と発言し、ダラス連銀のフィッシャー総裁も「ガイトナーNY連銀総裁の引締め策が必要とする意見に賛同」と発言したのである。
さらに9日にポールソン米財務長官は「為替介入含めいかなる措置も排除せず」と発言した。NY連銀のガイトナー総裁も「連銀はドルを非常に注視している、通貨に無関心でいられる中銀はない」と発言、ダラス連銀のフィッシャー総裁も、「弱いドルは商品価格に反映される可能性を指摘」と発言し、為替介入に対する質問を受けた際 「どのような選択肢も排除しない」と発言している。
原油先物への投機的な動きの背景のひとつとしてドル安が影響していることも確かであり、物価上昇抑制策としての金融引き締めだけでなく、ドル安への対応も金融当 局者は意識しており、ここにきて口先介入という牽制球を投じてきたものと思われる。
ポールソン米財務長官は、米財務省と連銀は緊密に協力と発言していたが、欧米の金融当局者はインフレへ警戒を強めており、その要因のひとつでもある原油先物や為替市場での投機的な動きを抑制しようといった動きを強めてきている。
11日の朝方に発表された1〜3月期国内GDP改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比+1.0%、年率換算で+4.0%と改定値より上方修正され、同じ時間に発表された5月の国内企業物価は前年同月比で4.7%もの上昇となった。これらの指標を見る限り、日本でも足元経済はとりあえずそこそこしっかりしているが、物価には上昇圧力も強まっているとも言える。しかし、4-6月期GDPに関してはゼロ成長もしくはマイナス成長か、といった見通しなどもあり、白川日銀総裁が言うところの、霧はまだ晴れてきた感じではないことも確かである。
そうはいうものの、ここにきて欧米の金融当局者からはインフレを懸念する発言も相次ぎ、米国にとってインフレ要因としてドル安も懸念され、財務長官はドル買い介入も示唆していた。
日本もここ数年、為替介入は実施していないが、米国もブッシュ政権になってからの為替介入も実施しておらず、日本の為替介入について、以前は当時のグリーンスパンFRB議長やスノー財務長官などが批判する発言もしていたぐらいである。それにも関わらず、今回の米財務長官の為替介入示唆は、余程ドル安を阻止したいとの意識の現れとも言そうである。
昨年夏以降のサブプライム問題が深刻化した際に、まず動いたのはFRBやECBといった中央銀行であった。金融不安といったものも意識されての大量の資金供給や、FRBによる利下げといったものが実施されたが、政府そのものの動きはないわけではなかったが比較的遅く、どちらかといえば中銀主導といったようにも見えた。
しかし、今回の対応は今週末のG8も絡んでいるのか、政府も全面に出てきたのが印象深い、もちろんFRBやECBといった中銀からも、インフレへの対応として利上げを示唆するような発言も出ていたが、なんとか原油をはじめ穀物など含めて商品市況の高騰を阻止し、ドル安も阻止しようとの意気込みも見え隠れしている。
その背景としては、思いのほか米経済の大きな落ち込みといったものも回避されるとの見方もあるのか。ただ米国も決して霧は晴れたわけではないが、それでも真っ暗闇から少し日が挿しつつあるのも確かか。
そういった中で、さて日本はどうするのだろうか。現実には、今の中銀の体制で、協調利上げといったものも考えづらい。サブプライム問題により金融不安が強まった際など、利上げではなく協調利下げを市場では意識する場面もあったが、結局、それぞれの中銀が独自の判断で実施していた。このように中銀同士の連絡は密にするものの、協調して何かをするというのは現実としては考えづらいとも思われる。それでも日銀としても物価上昇を放っておくわけにも、いずれはいかなくなるとも思惑も手伝ってか、ここにきて日本の長期金利なども上昇圧力を強め、11日に現物10年293回は一時1.845%が打たれ、2年269回0.995%と一時1%に接近、5年72回も1.510%がヒットされそれぞれ直近での最高利回りをつけてきている。
6月発表の分から、日銀が発表しているマネーサプライ統計はマネーストック統計に名称が変わりと内容も改まった。さらに内閣府の発表している景気動向指数についても採用する指標がDIからCIに変った。
マネーストック統計は以前のマネーサプライ統計の呼称が変更されたもので、世の中に流通している貨幣の量を示す。具体的には、一般法人、個人、地方公共団体等が保有する貨幣で、金融機関、証券会社、短資会社、非居住者と中央政府の保有する預金は含まれない。
これまで注目されていたのはM2+CDだが、マネーストック統計ではM2+CD 対象預金と郵便貯金・系統金融機関預貯金を統合し、全預金取扱機関の預金を包含する新「M3」が作成され今後は通貨指標としてこちらが注目されてくるとみられる。
新M2はこれまでの「M2+CD」から非居住者預金を除外したものであるが、この「M2+CD」が通貨指標としての利用される可能性も残っている。しかし、新M2は郵便貯金を含まないこともあり、新M3が注目指標となる可能性が高いのではなかろうか。
9日に日銀が発表した5月のマネーストックの新M3は前年比+0.7%となり、4月の同+0.5%より伸び率は拡大した。また新M2は前年比+2.0%、広義流動性は同+0.9%となった そして内閣府が発表している景気動向指数については、採用指標がDIからCIにシフトされた。これまで景気動向指数はDI(Diffusion Index)を正式な指数として公表してきたが、DIは景気の方向性は分かるものの、景気の勢いは分からないという欠点があった。
これに対して、景気の強弱を示す「合成指数」(CI=Composite Index) は採用している景気指標の変化率に着目したものである。
CIは景気に敏感な指標の量的な動きを合成した指標で、主として景気変動の大きさや量感を測定することを目的としているものである。CIは一般的に一致指数が上昇している時が景気の拡張局面とされ、低下している時が後退局面となる。
景気動向指数は6月9日発表分よりCIが正式指数になった。4月の景気動向指数速報CI(速報値・平成17 年=100)は、先行指数92.8、一致指数101.7、となり、先行指数は前月比2.0ポイントの上昇、前月比0.7ポイントの低下と発表された。
内閣府はCI指数の基調判断を「景気動向指数(CI一致指数)によれば、景気はその局面が変化している可能性もあるとみられる。」と下方修正した。
ECBのトリシェ総裁は、5日の定例理事会後の記者会見において、「次回会合で小幅な利上げを実施する可能性を排除しない」と発言した。「本日、数名のメンバーは利上げを主張」とも発言し、すでに5日の会合で即時利上げを求める意見も出ていたことを示した。5日にECBが発表したユーロ圏の物価上昇率の予想は、2008年の予想の中間値は3.4%(予測幅は3.2%〜3.6%)と3月時点の見通し2.9%(予測幅は2.6%〜3.2%)から0.5ポイントもの引き上げとなり、よりインフレへの警戒を強めた格好となった。
バーナンキFRB議長も、4日のハーバード大学の卒業式の講演で「インフレは我々が望む水準をかなり上回る、ここ数ヶ月の長期インフレ期待の上昇はかなりの懸念」と発言、ただし「物価上昇率が2ケタまで達した70年代半ばや1980年よりはかなり低い水準にある、とも指摘していた。
このようにバーナンキFRB議長に続いて、トリシェECB総裁もインフレ警戒への姿勢を強めたが、欧米の中銀は、これまでのサブプライム問題による金融不安や景気への影響といったものから、軸足をインフレ懸念へと移しつつある。
トリシェ総裁は9日にも先日利上げの可能性を示唆していたが、昨日も利上げは確実ではないが可能性があると発言したが、今度は米FRBによる年内利上げの思惑も強まってきた。
9日にニューヨーク連銀のガイトナー総裁は「世界的なインフレ抑制にはおそらく引き締めが必要」と発言し、ダラス連銀のフィッシャー総裁も「ガイトナーNY連銀総裁の引締め策が必要とする意見に賛同」とも発言した。
9日の米国債券市場では、朝方から売りが先行していたが、これは英国のPPIの大幅上昇受けての英国の債券が大きく下落したことに影響を受けた。さらにガイトナー総裁などによるインフレ警戒への発言を受けて、9日の米国債券市場では特に2年債など期間の短い債券主体に売られ、2年債利回りは前日比+0.33%の2.71%と急落の展開となった。
さらに9日にはポールソン米財務長官は「為替介入含めいかなる措置も排除せず」と発言した。NY連銀のガイトナー総裁も「連銀はドルを非常に注視している、通貨に無関心でいられる中銀はない」と発言、ダラス連銀のフィッシャー総裁も、「弱いドルは商品価格に反映される可能性を指摘」と発言し、為替介入に対する質問を受けた際「どのような選択肢も排除しない」と発言している。
原油先物への投機的な動きの背景のひとつとしてドル安が影響していることも確かであり、物価上昇抑制策のひとつとしてドル安への対応を金融当局者は意識しており、ここにきてまずは口先介入という牽制球を投じてきたものと思われる。
ポールソン米財務長官は、米財務省と連銀は緊密に協力と発言していたが、欧米の金融当局者はインフレへの懸念を強め、その要因のひとつでもある原油先物や為替市場での投機的な動きを抑制しようといった動きをここにきて強めてきている。
名古屋の大学の先生からメールをいただき、なんと拙著「最新金融の基本とカラクリがよーくわかる本」を大学の授業のテキストに使っていただいているそうです。しかも他の大学の先生から拙著ーをご推薦いただいたそうで、メールを送ってくださった先生も推薦図書としてほかの先生にもご紹介いただいているとか。本当に光栄でもあり、うれしい限りです。学生の方に少しでも実際の金融現場をこの本を通じて感じていただければうれしいです。
また、金融の基本とカラクリがよーくわかる本でネット検索をかけたところなんと国立国会図書館のページがヒット(http://www.ndl.go.jp/jp/data/theme/theme_honbun_102695.html)。確認してみたところ、金融業(銀行等)に関する基礎的知識を得るための資料として、拙著を取り上げていただいておりました。こちらもなんとなく恥ずかしい限りです。
「景気動向指数はこれまで、DI(Diffusion Index)と呼ばれるデータを正式な指数として公表されてきましたが、DIは景気の方向性は分かるものの、景気の勢いは分からないという欠点がありました。これに対して、景気の強弱を示す「合成指数」(CI=Composite Index) は採用している景気指標の変化率に着目したものであり、今後はこのCIが参考指数から正式指数に格上げされる見込みです。」
「CIは景気に敏感な指標の量的な動きを合成した指標で、主として景気変動の大きさや量感を測定することを目的としているものです。CIは一般的に一致指数が上昇している時が景気の拡張局面とされ、低下している時が後退局面となります。」
上記は拙著「ネットで調べる経済指標」の「景気動向指数」の項目からの一部抜粋です。
景気動向指数は本日発表分よりCIが正式指数となります。4月の景気動向指数速報CIの一致指数は前月比0.7ポイントの低下、先行指数は前月比2.0ポイントの上昇と発表されました。内閣府はCI指数の基調判断を「景気動向指数(CI一致指数)によれば、景気はその局面が変化している可能性もあるとみられる。」と下方修正しています。(http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/summary.pdf)
中学2年の一番下の娘よりも年式が古くなったルシーダも、さすがにそろそろ買い換えなければならない時期かと、先月から少しクルマのディーラー回りをしていた。すでに娘たちも大きくなり、家族全員で行動する機会が少なくなり、エスティマほどの大きさは必要なくなってきた。しかし、多いときで6人乗ることがあるため、5人乗り乗用車ではなく7人ぐらい乗れるほどよい大きさのクルマはないものかと探していた。
当初、トヨタのWISHやホンダのストリームあたりを見たのだが、さすがに三列目が狭い。もう少し三列目が広いものはないかとホンダの営業の人に聞いたところ、5月下旬にちょうど良いクルマが出るという話を聞いた。
ということで5月29日にデビューしたホンダのフリードを31日に見てきた。確かに三列目もそこそこ広く問題はなさそう。またなかなかデザインも気に入ったことで、もし購入するならばこれが良さそうと。しかし、特にルシーダの調子が悪いわけでもないため急ぐ必要もなく、購入にあたってもじっくり構えるつもりでいた。ところが色の中で良さそうなホワイトパールが展示されると聞いて、8日にホンダのディーラーに行ったところ、実物の色は確かに問題はなく決めるならホワイトパールとなった。またフリードの試乗もさせてもらったが、エンジンはルシーダなどに較べて小さいもののなかなか快適な走りであった。
試乗後、そのまま帰るつもりであったのだが、フリードのデビューを紹介してくれた営業の担当者から、テレビコマーシャルなどの影響か、すでに人気車種となっており、最短納期もすでに8月ぐらいになると聞いて、とりあえず再度見積もりを出してもらうことに。こちらの予算等をあらかじめ言ってはあったが、提示価格との乖離が当初あった。しかし、がんばって我が家の予算に合わせるとの返事で少し心が動いた。もう一押しとばかりオプション品を値引きしてもらうことで、そのまま約定が成立となってしまった。もちろん我が家の財務相も同席しており、娘たちの代表として来ていた末娘の了解も得てのものである。
ということで、最近、ジョン・レノンの息子さんが出ているコマーシャルでもおなじみのホンダのフリードが8月に我が家にやってくることになった。10数年がんばってもらったルシーダには愛着もあるが、最新型の性能とやらを試させてもらうことに。ちなみにホンダのクルマを購入したのはインテグラ以来。
6月7日(土)に友人と今年初めてのアジ釣りに鹿島港に出かけた。8週ぶりの雨ではない土曜日ともなり、アジ釣りシーズン突入で混雑も予想されたが、なんとかいつもの場所を確保。近くの釣り人の話では6月6日の深夜から7日早朝にかけてはそこそこアジが釣れたとの情報も。一年ぶりともなり、手順を思い出しながらなんとか準備をした。今回は少し投げもやってみようと練習がてら投げたところシャコが一匹かかった。しかし、日中は肝心のサビキはほとんど当たりなし。夕方以降も掛かったのは豆アジが5匹のみ。本格的なアジ釣りシーズンはこれからでもあり今後に期待か。
マネーストック統計は以前のマネーサプライ統計の呼称が変更されたもので、この呼称の変更とともに2007年10月の郵政民営化を機に「M2+CD」に郵便貯金などを含めた新「M3」を代表的な指標となる可能性がある。
マネーストック統計は、世の中に流通している貨幣の量を示す。具体的には、一般法人、個人、地方公共団体等が保有する貨幣で、金融機関、証券会社、短資会社、非居住者と中央政府の保有する預金は含まれない。(一部拙著「ネットで調べる経済指標」より)
これまで注目されていたのはM2+CDだが、マネーストック統計ではM2+CD 対象預金と郵便貯金・系統金融機関預貯金を統合し、全預金取扱機関の預金を包含する新「M3」が作成され注目される。
日銀が本日発表した5月のマネーストックの新M3は前年比+0.7%となり、4月の同+0.5%より伸び率は拡大した。また新M2は前年比+2.0%、広義流動性は同+0.9%となった
新M1はこれまでのM1(現金・普通預金などの要求払預金)に郵便貯金・系統金融機関預貯金などのデータを追加し、これに定期預金などの準通貨と譲渡性預金を加えたものが新M3となる。
新M2はこれまでの「M2+CD」から非居住者預金を除外したものであるが、この「M2+CD」も通貨指標としての有用性が高いとみられることから「日銀は今後、新M2と新M3のどちらを利用するかはまだ決まっていないという。」(ロイターより)
ECBのトリシェ総裁は、5日の定例理事会後の記者会見において、「次回会合で小幅な利上げを実施する可能性を排除しない」と発言した。「本日、数名のメンバーは利上げを主張」とも発言し、すでに5日の会合で即時利上げを求める意見も出ていたことを示した。5日にECBが発表したユーロ圏の物価上昇率の予想は、2008年の予想の中間値は3.4%(予測幅は3.2%〜3.6%)と3月時点の見通し2.9%(予測幅は2.6%〜3.2%)から0.5ポイントもの引き上げとなり、よりインフレへの警戒を強めた格好となった。
バーナンキFRB議長も、4日のハーバード大学の卒業式の講演で「インフレは我々が望む水準をかなり上回る、ここ数ヶ月の長期インフレ期待の上昇はかなりの懸念」と発言、ただし「物価上昇率が2ケタまで達した70年代半ばや1980年よりはかなり低い水準にある、とも指摘していた。
このようにバーナンキFRB議長に続いて、トリシェECB総裁もインフレ警戒への姿勢を強めたが、欧米の中銀は、これまでのサブプライム問題による金融不安や景気への影響といったものから、軸足をインフレ懸念へと移しつつある。
トリシェ発言を受けユーロ圏の債券は利回りが急上昇し、5日のドイツ連邦債の2年債利回りは+0.33%の4.67%と約8年ぶりの水準まで上昇、10年債利回りも1年ぶりの4.5%に上昇し、2年-10年は逆イールドに。そしてEURIBOR金利先物は1日としては過去最大の下落となった。5日の米国市場でも、米債はこのトリシェ発言を受けてのドイツ債の急落や米株式市場が上昇したことなどから、米10年債利回りは一時4.05%まで上昇し、引けは前日比+0.06%の4.04%、そして2年債利回りは同+0.04%の2.49%となった。
6日の東京市場では欧米の債券の下落を受け、債券先物は売り気配のスタートとなり前日比83銭安の134円40銭寄り付いた。寄り付き後、さらに売られ一時前日比1円を超す下げとなり、一時134円を割り込んだ。
6月5日から2008年夏の個人向け国債の募集が開始された。
募集期間は6月5日から6月30日までと、個人向け国債の募集期間は10年債入札日(今回は6月3日)の翌々営業日から月末最終営業日までとなる。10年国債入札の結果により10年変動タイプの初期利子が決定され、5年固定の条件も10年国債入札日の5年債利回りに応じて決定され10年入札日の翌朝8時50分に発表される。条件決定から募集開始日まで1日開くのは販売業者の準備のため。発行日は2008年7月15日。
ちなみに、個人向け国債(固定5年)の条件を決めるための「基準金利」は、募集期間開始日の2営業日前(10年固定利付国債入札日)において、市場実勢利回りを基に計算した期間5年の固定利付国債の「想定利回り」となる。
10年変動タイプの初期利子を決める基準金利は10年国債の入札の結果1.80%となり、変動タイプの初期利子はここから0.8%差し引かれた「1.0%(税引き前)」となる。
5年固定タイプの利率の発表は、年率「1.22%(税引き前)」となった。
4月に発行された前回債は、第22回変動10年の初期利子が0.57%(税引き前)、第10回固定5年の利率が0.81%(税引き前)となっいたが、この条件が決まったころの債券相場は米サブプライム問題の影響で欧米の金融機関の損失拡大による信用不安に加え米経済への影響が過度に懸念されていた時期でもあった。日本の債券市場でも2年債利回りが3月7日に0.505%まで低下するなど政策金利に接近し一部に日銀の利下げ観測も出ていたような状況下にあった。このため、前回春の個人向け国債では変動の初期利子、固定の利率ともにさらに引き下げられた結果、10年変、5年固定ともに販売開始以来の最低水準となってしまった。
しかし、今回は春の個人向け国債の条件からは変動の初期利子、固定の利率ともに大きく引き上げられており、個人はこういった利率の引き上げに敏感なだけに今回の個人向け国債の販売額は、イメージキャラクターの変更なども手伝い、かなり回復してくるものと予想される。
日銀は6月9日の発表からマネーサプライ統計という名称を見直し「マネーストック統計」に変更する。これまで注目されていたのはM2+CDとなっていたが、マネーストック統計ではM2+CD 対象預金と郵便貯金・系統金融機関預貯金を統合し、全預金取扱機関の預金を包含する新「M3」が作成されることで、こちらが今後注目されるものとみられる。
5月29日の夕方に10年292回国債の利回りは一時1.805%まで上昇した。長期金利の1.8%台乗せは昨年8月9日以来、米国のサブプライム問題が深刻化する前の水準となった。
ここにきての日本の長期金利上昇の背景には欧米の長期金利の上昇があった。米サブプライム問題による金融市場の混乱が、今年3月のベア・スターンズの救済などをきっかけにいったん沈静化した。米サブプライム問題による米経済への影響といった懸念も残るものの、ここにきての米経済指標も思いのほかしっかりしているものも多く、たとえば29日に発表された米1〜3月期GDP改定値は前期比年率+0.9%と市場予想通りの数値ながらも速報値から上方修正された。 このように米経済に対しての過度の悲観論も後退してきている。
米FRBは当面利下げ休止との見方も強まり、よりインフレへの警戒姿勢を示している。29日にダラス連銀のフィッシャー総裁は、インフレ期待の悪化が続くなら、金融政策の転換が訪れるだろうと発言した。
こういった情勢下、米10年債利回りは一時4%台に乗せ今年1月2日以来の水準に利回りが上昇した。また欧州市場でも29日にドイツの連邦債10年物利回りは 4.483%と昨年7月以来の水準に上昇した。
米サブプライム問題の落ち着き、さらに世界的なインフレ懸念の強まりなどから欧米の長期金利も上昇していることに加え、さらに国内では大手投資家や業者も含めての市場参加者のリスク許容度の低下なども手伝って積極的な買いも手控えられていた。
生保など国内投資家も超長期ゾーンなど長い期間の債券を買うものの、中長期ゾーンを売るなど入れ替えといった動きが主体とみられることで、特に中長期には売り圧力がかかりやすくなった。
さらに債券先物市場でも参加者が限られた中にあり、ここにきて再びCTAといった仕掛け的な動きも活発化し、非常に値動きの荒い展開となっていた。株式市場が先物主導で上昇した反面、債券相場はこういった仕掛け的な動き、特に売り仕掛けによって下落ピッチが加速される面もあり、これも債券相場の下落要因のひとつとなっているとともに、国債入札などに際して業者がヘッジとして先物が使いづらくなっているとの指摘もあった。債券先物のボラタイルな動きの要因としては、今年に入ってのシステム変更による影響なども指摘されている。
6月3日の10年国債入札は利率が1.8%に引き上げられたが、業者、投資家ともに引き続き慎重姿勢となり、入札結果もやや低調なものとなった。しかし、米リーマン・ブラザーズが30-40億ドルの資本増強の可能性、さらに四半期ベースで上場以来初の赤字決算転落の可能性を示唆と報じられたことをきっかけに、あらためて米サブプライム問題の影響による金融不安が再燃し、債券先物はこの日前日比1円50銭を超す上昇となり、前日6月2日に1.390%まで利回りが上昇していた5年71回は1.260%まで利回りが低下した。 日銀による年内利上げの可能性は現在のところは予想しにくい。白川日銀総裁も会見などおいて日本経済の見通しについてはかなり慎重な見方をしていることからもそれが伺える。 しかし、今年3月には10年債利回りで1.215%、5年債利回りで0.7%、2年債利回りで0.505%と、日銀の利下げを織り込むような水準にまで利回りが低下してしまったが、これはさすがに行き過ぎの感もあり、その反動もあって5月末に向けてのピッチの早い利回り上昇となったとみられる。
それでは1.8%つけたあとの日本の長期金利の先行きはどうなるのであろうか。米経済の減速がそれほどでなく日本経済についても日銀の展望レポートの予想のように1.5%〜1.7%あたりの潜在成長率近辺となり、物価の上昇についても中長期的な物価安定の目安となる1%近辺(展望レポートでの委員毎の中心値)となるならば、長期金利の1.8%というのも決してそれほど高い水準ともいえない。
しかしピッチの早い長期金利の上昇でもあっただけに、6月3日に債券相場が急反発したように、きっかけ次第で投資家の押し目買いも入ってこよう。しかし、基調としてはインフレ懸念の強まりなどにより長期金利は上昇基調になるものとみられ、1.8%は通過点となる可能性がある。それでも長期金利の2%は大きな心理的な壁ともなっているだけに、ここからの長期金利の上昇は次第に慎重なものとなるのではないかと予想される。
米商品先物取引委員会(CFTC)は29日に過去最高値を更新する原油相場の取引で価格操作や不正が行われていないかを調査しているとの異例の声明を公表し、原油とそのデリバティブ(金融派生商品)の取引内容を調査していることを明らかにした。またNYタイムスによると今週にも政策の変更を発表するそうである。米先物市場を取り締まる政府機関である米商品先物取引委員会(CFTC)の動向次第では、原油先物価格などに大きく影響を与える可能性もあり、注意が必要か。
英国銀行協会(BBA)はロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の改革案を発表したが、全面的な改革や設定方法の変更は行わず監視強化で対応する。算出する際の金利報告行も現在の16行から入れ替えはないとした。
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