27日発表された1月の鉱工業生産速報値は、前月比10.0%低下の76.0となり、これまで最大だった2008年12月のマイナス9.8%を超え、初めての前月比二桁のマイナスとなった。製造工業生産予測調査では、2月が前月比-8.3%、3月は同+2.8%の予測となった。2月、3月の生産予測が実現すれば、1−3月期は前期比-22.4%になるとの経済産業省からのコメントも伝わった。基調判断については「急速に低下している」との判断を維持している。
25日に発表された1月の貿易統計では輸出額は前年同月比45.7%減となり、貿易赤字額は9526億円と過去最大の赤字幅となった。これらにより、1〜3月期GDPについても前期比二桁のマイナスとなる可能性が強い。しかし、4〜6月期についてはやや持ち直すのではないかとも見られている。
1月の全国の消費者物価指数(除く生鮮)は100.5となり前年同月と同水準となった。前年同月比で上昇しなかったのは、2007年9月以来となる。石油製品の値下がりや、景気悪化による販売不振による電化製品などの値下げが影響した。デフレ懸念がやや強まりつつある。
総務省が発表した1月の完全失業率(季節調整値)は4.1%と、前月より0.2ポイントの改善となった。厚生労働省が発表した有効求人倍率(季節調整値)は0.67倍となり2003年9月以来の低水準に。
日銀の白川総裁は、預金保険機構主催の講演における講演の内容が日銀のホームページにアップされた。題名は「日本の経験と現在のグローバル金融危機」というものであり、日本の経験を踏まえての現在の現在のグローバル金融危機への対応についてコメントしている。
日本がバブル崩壊以降、本格的な回復軌道に乗るのに時間を要した理由として3つの点を白川総裁はあげている。ひとつが、多額の不良債権がマクロ経済に及ぼす影響の深刻さについて認識が遅れたこと。「金融システムと実体経済の間の負の相乗作用」がいかに強力であるかについての認識が遅れたことを指摘している。
総裁の指摘どおり、2007年のサブプライムローン問題が如何に金融システムに影響を及ぼし、金融システムへの影響が実態経済に及ぼす影響への認識が遅れた今回の金融危機にも同様のことが言えそうである。 た。
次に、会計やディスクロージャーが不備であったことを白川総裁は指摘している。将来の損失の発生可能性を会計上どのように認識するかは、現在のテーマでもあるが、当時はそうした問題以前に、既に発生した金融機関の損失を会計やディスクロージャー面で明らかにすること自体も遅れていた。この結果、金融機関に対し不良債権問題の早期処理を促すメカニズムは不十分にしか働かなかった点を指摘している。
これについては今回の金融危機は過去の経験が生きているが、あまりの損失拡大のピッチについて行けず、危機感が一気に広まったという副作用もあったように思われる。
もう一点として、大規模な金融機関の経営悪化や破綻までを想定した対応の枠組み作りがなかなか進まず、当局として、経営が悪化した金融機関の処理のタイミングが遅れる面があった点を総裁は指摘している。
これは現在の米国の金融当局がまさに悩んでいるところではなかろうか。国有化問題については日本でも長銀の国有化問題など、経営が悪化した金融機関の処理のタイミングが遅れた経験があり、米国は対応のスピードの速さを誇っているような面もあるが、実際にはなかなか対応が進んでいないというのも事実ではなかろうか。
財務省が25日に発表した1月の貿易統計(速報、通関ベース)では輸出額は前年同月比45.7%減の3兆4826億円、輸入額は同31.7%減の4兆4352億円となり、輸入額から輸出額を差し引いた貿易赤字額は9526億円となり、比較可能な1979年1月以降で過去最大の赤字幅となった。輸出の前年比45.7%減という減少率も前年同月比で過去最大となった。輸出の減少が止まらず、日本経済の悪化をさらに示す数字となった。10〜12月期GDPだけでなく、1〜3月期GDPも予想されているように前期比で二桁のマイナスとなる可能性が強いと言えそうである。
「何人かの委員は、ここまでオーバーナイトの金利水準が下がってくると、企業が実際に資金調達する、やや長めの資金の金利、すなわちターム物金利への働きかけも重要であると述べた。複数の委員は、こうした働きかけに関し、日本銀行のオペレーション面で更にどのような工夫があり得るのか検討していくことが必要であると述べた。これに対し、別の委員は、ターム物金利が高止まっている理由の一つに、資本制約に直面した金融機関が信用リスクを取りにくくなっているという事情があることを指摘し、金融機関における自己資本の充実も重要であると述べた。」
ターム物金利低下への働きかけは、オペレーションを通じて行なうことが意識されているが、金融機関が信用リスクを取りにくい面も意識してそちらの改善を意識した働きかけが重要であるとの認識を示した。
「何人かの委員は、企業金融に係る金融商品の買入れは、損失発生を通じて納税者の負担を生じさせる可能性が相対的に高く、個別企業に対するミクロ的な資源配分への関与が深まることから、財政政策の領域に接近するものであると述べた。このため、これらの委員は、金融商品の買入れが、中央銀行の政策手段としては異例の措置 であるとの位置付けを明確にすることが重要であると指摘した。ある委員は、わが国の市場機能不全の程度・範囲は、今のところ米国等に比べて限定的であることから、必要以上に広範な買取りを行うことで、残された市場機能をかえって歪めてしまう可能性に留意すべきとの意見を述べた。また、多くの委員は、買入実施の必要性を判断する際には、個別市場の動向そのものではなく、当該市場の機能の低下が、企業金融全体の逼迫に繋がっているかどうかが重要なポイントであると述べた。」
「その上で、大方の委員は、買入を実施する場合には、個別企業への恣意的な資金配分を回避すること、市場機能の一層の低下が生じないよう適切な買入規模にするとともに、市場機能の回復に応じて円滑に買入が終了するような買入れ方式を採用すること、損失発生による納税者負担を極力減らすよう買入れの対象や方法に工夫を凝らして適切に信用リスクを管理することが重要であるとの認識を共有した。」
「更に、何人かの委員は、こうした信用リスクの管理に加え、日本銀行の決算において、損失が生じた場合の処理や自己資本の確保を適切に行っていくことを通じて、財務の健全性を確保していくことが大事であり、こうした考え方について、政府の理解を求めていくことが重要との意見を述べた。」
企業金融に係る金融商品の買入れの際、損失発生により、納税者の負担を生じさせる可能性を指摘している。しかし、日本では政府が損失を保証しているわけではない。日銀が損失が生じた場合の処理について政府の理解を求めていくことが重要との発言は、日銀のリスク資産の買い入れに対して、BOEもFRBが行なった際の政府保証と同様なものの必要性も意識しての発言か。
2月19日の白川日銀総裁の会見の内容を見てみたい。この中で、白川総裁はFRB、ECBそしてBOEとの比較をしている箇所がいくつかあり、興味深い。まず「いわゆるLIBOR と呼ばれる市場金利の直近の水準をみると、円が0.63%、ドルが1.25%、ユーロが1.90%です。このように、まず短期金利の世界において日本銀行は非常に低い金利を実現している」とし、LIBORの金利で見る限りは日本の短期金利が極めて低い点を示している。
「これは意外に認識されていない事実でありますが、FRBもECBも現在、長期国債買入れオペは行っていません。日本銀行は長期国債買入れオペを行っており、先般、この増額も図ったところです。」
FRBは国債買入の姿勢は示しているものの、具体的な決定には及んでいない。まだ内部には慎重論も強いとも思われる。
「日本銀行は、政策金利の低下余地が限られる中で、金融面から実体経済を下支えしていくために、様々な工夫をしながら金融市場の安定確保と企業金融の円滑化に努めています。」
「目標金利をゼロに引下げることについてですが、私の理解する限り、そうした議論は無かったと思います。」
上記の発言からは、当面はこれまで打ち出した政策の効果を見極め、少なくとも金利をさらに引き下げる考えはないことを示したものと思われる。
「損失発生の可能性は、格付、信用度を下げるほど、また期間を長くするほど大きくなっていくという関係にあります。中央銀行が損失を被った時に、すなわち損失を計上した時に、第一義的には中央銀行の財務基盤に影響するわけですが、それと同時に中央銀行に対する広い意味での国民の信認にも影響することになります。」
これは日銀が買入れたCPや社債に関して、今後、格付・信用度の引き下げや、より残存期間の長い社債の買入れなどを期待する声が高まる可能性に関し、そういったものを中央銀行が保有するリスクをあらためて示した。
「英国では、短期のCP、長期の社債のいずれも買入れることに踏み切りました。オペレーションはBOEが行っていますが、損益は全て政府に帰属するという形で始めました。米国は、短期のCPはFRBが購入し、今月から始める消費者ローンやオートローンなどが組み込まれたABSの買入れについては、期間は3年だと思いますが、政府が損失を負担する形です。先だっての発表で規模が拡大し、確か1兆ドルになりましたが、そのうち最初の損失発生分1000億ドルは政府が負担することになります。ECBは、現在のところCPも社債も買入れは行っていません。」
日銀が金融機関から買い取るCPや社債に関しては、損失は政府に帰属するわけではなく、政府の損失補償があるわけではない。BOEもFRBもリスク資産を買い取るという思い切った措置をとっているが、中央銀行の負うリスクについてはある程度政府の負担が存在している点が日銀と異なっている点を示している。
2月19日に内閣府が発表した2008年10〜12月期の需給ギャップは、マイナス4.3%となり、7〜9月期のマイナス0.7%からさらにマイナス幅を拡大させ、ほぼ7年ぶりの大幅な需要不足の状態となった。
経済の供給の伸び率と需要の伸び率との乖離のことであり、物価変動圧力を評価するための基本的な指標の一つとなっている。経済の総需要は現実のGDPそのものとみなすことができる一方、経済全体の供給力は一般に潜在GDPと呼ばれ、需給ギャップとは実際のGDPと潜在GDPの乖離を示している。
GDPギャップがマイナスの場合、物価は下落しやすい状況となりデフレ懸念が強まる可能性がある(日銀レポートより)。
2008年10〜12月期の需給ギャップのマイナス幅は2002年1〜3月期のマイナス4.5%以来の大きさとなり、このマイナス幅が1年間続いた場合に国内経済全体で約20兆円の需要不足が生じる。デフレを回避するためにも、ある程度の経済対策は必要となる。
すでに政府与党からは20〜30兆円規模の追加経済対策を求める声が出ている。需給ギャップを経済対策によりある程度カバーする必要はあるが、質が伴わなければむやみに借金を増やすだけになるという事にもなりかねない。
このため、17日に日経新聞に掲載された政府による追加経済対策に向けた2009年度補正予算案の内容は、老朽化した道路や橋などインフラの補修などや、学校や福祉関連など公共施設の耐震化工事、さらに過疎地での光ファイバー設置といったブロードバンド網の整備などとなっており、必要とされる政策に資金をつぎ込む姿勢を示した。
米国では7870億ドルの景気対策を実施するが、その財源は国債発行に頼らざるを得ず、19日に米財務省が発表した来週予定の国債入札の額は24日の2年債で400億ドル、25日の5年債で320億ドル、26日の7年債で320億ドルとなり、総額で940億ドルと過去最大規模となる。
今後の日本の追加経済対策についても、政府紙幣の発行などは論外であり、埋蔵金の活用などにも限度があるため、その多くを国債発行に頼らざるを得ない。国債増発による長期金利の跳ね上がりを抑えるためにも財政の規律は常に意識する必要がある。
昨日、内閣府が発表した2008年10〜12月期の需給ギャップは、マイナス4.3%となり、7〜9月期のマイナス0.7%からさらにマイナス幅を拡大させ、ほぼ7年ぶりの大幅な需要不足の状態となった。金額に直すと不足額は20兆円規模となり、すでに政府与党からは20〜30兆円規模の追加経済対策を求める声が出ている。需給ギャップをある程度カバーする必要はあるが、質が伴わなければむやみに借金を増やすことにもなりかねない。17日に日経新聞に掲載された追加経済対策に向けた2009年度補正予算案の編成の内容は、老朽化した道路や橋などインフラの補修などや、学校や福祉関連など公共施設の耐震化工事、さらに過疎地での光ファイバー設置といったブロードバンド網の整備などとなっており、必要とされる政策に資金をつぎ込む姿勢を示している。
米国でも7870億ドルの景気対策を実施するが、その財源は国債発行に頼らざるを得ず、19日に米財務省が発表した来週予定の国債入札の額は24日の2年債で400億ドル、25日の5年債で320億ドル、26日の7年債で320億ドルとなり、総額で940億ドルと過去最大規模となる。
日本の追加経済対策についても、政府紙幣の発行などは論外であり、埋蔵金の活用などにも限度があるため国債発行に頼らざるを得ない。国債増発による長期金利の跳ね上がりを抑えるためにも財政の規律は常に意識する必要がある。
日銀は本日の金融政策決定会合において、現状の金融政策を維持することを全員一致で決定した。
企業金融支援策などの拡充も決定され、社債の買い入れについては3月より実施し期限は9月末まで。A格相当以上、限度額は1兆円程度。
CPの買い入れ限度額は9月まで延長
企業金融支援特別オペを9月末まで延長、企業金融特別オペを強化し、期間3か月のやや長めの資金を低利・安定的に供給。
超過準備預金への付利を10月15日まで延長する。
ABCPの適格担保要件の緩和は12月まで延長。
政府保証付短期債券を担保適格化、国債補完供給の対象国債を追加。
ドル資金供給オペを10月末まで延長する、などの内容となっている。
3月23日からのミニ長期国債先物取引において、日経225miniのように多くの個人投資家を取り込むことができれば、流動性向上を図ることができる。2007年からの金融ショックにより、外資系金融機関などデリバティブ取引を縮小させてきており、また債券先物の流動性向上に大きな役割を担っていたヘッジファンドの多くも、債券先物市場から撤退した。昨年秋のリーマン・ショック以降、債券先物の中心限月の建て玉はそれ以前に比べておおよそ半分程度に落ち込んでいる。この流動性を補完させるためにも、ミニ長期国債先物取引に個人投資家を引き込む必要があるのではなかろうか。すでに一部の個人投資家(投機家か)は日経平均先物やFX取引などを通じて経験を積んできており、本来は金融機関同士、プロ同士の駆け引きの場となっている債券市場でも十分に対応が可能なのではなかろうか。
東証は3月23日より長期国債先物取引において「ミニ取引」を導入する。ミニ取引といえば、2006年7月18日から大阪証券取引所において「日経225mini」がスタートしている。1988年9月に大阪証券取引所に上場された日経225先物取引では、最低取引単位が日経平均株価の1000倍であるのに対し、「日経225mini」は最低取引単位をその10分の1に小口化した。呼び値の単位も日経225先物取引が10円に対して「日経225mini」は5円刻みとなるなど、個人投資家を意識した取引となっている。実際に「日経225mini」は人気化し急激に取引を増加させた。日本における最初の金融先物取引である長期国債先物においても「日経225mini」同様に個人の取引を取り込もうと「ミニ取引」が導入される。
1985年10月に東京証券取引所において日本ではじめて登場した金融先物市場が「長期国債先物取引」である。私は日本での金融先物の開始にたいへんに関心を持っていたこともあり、1986年10月からは証券会社の自己部門で長期国債先物のディーリングに携わることとなり、約14年程度取引を行ってきた。
その間の私の経験から見てみると、意外に個人は債券の先物取引にも関心を示し、実際に取引をしていた個人も当初は多かった。しかし、最低取引単位が1億円と金額が大きくちょっとした値動きで損益が大きく振れることや、債券先物は「現引き現渡し」が存在するため、仮に売買最終日までに反対売買をしなければ億円単位の資金、もしくは現物を用意する必要があるといったリスクも存在し、それらがネックとなってか、個人の取引は次第に減っていった。
3月から開始される「ミニ長期国債先物取引」では、最低取引単位が1000万円と長期国債先物取引の1億円から小口化され、呼び値の刻みも額面100円につき0.5銭と 長期国債先物取引の額面100円につき1銭から刻み幅が小さくなる。さらに最終決済が長期国債先物取引が現物の受け渡し決済に対し、ミニは「差金決済」となり、現物を様子するといったリスクはなくなっている。
果たして、このミニ長期国債先物取引に個人投資家を呼び込むことは可能であろうか。債券市場は株式市場や外為市場に比べ、個人にとりかなりマイナーな市場との意識も強い。しかし、日本の債券市場は取引する巨額の国債が存在し、現実には世界的にもたいへん大きな市場なのである。また、日経平均先物やドル円などと同様の値動きも大きい。国債の需給面などやや専門的な要素はあるものの、短期売買を主体とする個人であれば十分に活用できると思われ、日経225miniやFXなどとともに個人投資家が頻繁に売買できる取引商品になる可能性を秘めていると思われる。
2008年5月に東証はミニTOPIX先物を上場している。先行した「日経225mini」がすでに多くの個人投資家を引き入れネット証券などを含めて取り扱い業者も多いのに対し、ミニTOPIX先物の取り扱い業者は限られていることもあり、出来高はかなり少ない。日本の金融先物は一部商品に取引が集中するのが特徴でもあり、債券先物についても超長期先物や中期先物はほとんど取引が行われず、長期国債先物に集中していた。日経225miniを取引している個人投資家をミニ長期国債先物取引呼び込めるかどうか、システム対応を行なう必要ある業者の動向なども影響しそうである。
2008年10〜12月期GDP一次速報値は、前期比マイナス3.3%、年率でマイナス12.7%と発表された。1974年1〜3月期のマイナス13.1%を下回ることはなかったものの、それ以来のマイナス幅となり、与謝野馨経済財政担当相は記者会見で、景気の現状について、戦後最大の経済危機だと述べた。
寄与度は内需マイナス0.3%、外需マイナス3.0%となり、外需のGDP押し下げ寄与度は過去最大となった。リーマン・ショックなどによる金融危機の影響で世界的に経済が後退し、実質輸出が前期比マイナス13.9%と過去最大の落ち込みとなった。品目別では自動車、半導体等電子部品、建設機械などの落ち込みが目立った。
内需の押し下げには設備投資のマイナスが大きく影響した。設備投資は前期比マイナス5.3%となり、2001年10〜12月期のマイナス6.6%以来の大幅下落となった。
GDP デフレーターは前年比+0.9%と1998年1〜3月期以来のプラスに転じたが、国内需要デフレーターは前年比プラス0.4%と、前四半期の同プラス1.4%に比べてプラス幅が縮小した。
昨年のリーマン・ショックは特に日本経済を直撃していたことが明確になり、その後も経済指標はさらなる悪化を示すものが多くなっていることから、2009年1〜3月期も前期比マイナスとなる可能性も指摘されている。そうなれば2008年度は間違いなく過去最大のマイナス成長に落ち込むこととなり、まさに「戦後最大の経済危機」となっていることが伺える。
しかし、このGDPを受けて「直ちに追加経済対策という状況にない」との与謝野経済財政担当相の発言(ロイター)もあった。とはいうものの、政府与党がこのGDPの大幅な悪化を受け、選挙も控えていることで、来年度補正予算を編成し、大規模な追加経済対策を実施する可能性は高そうである。
15日に自民党の菅義偉選対副委員長はテレビ番組で、GDPが悪化する見通しであることを踏まえ、政府与党が来年度補正予算を編成し大規模な追加経済対策を実施する方向で検討していることを明らかにした。
規模は20兆円から30兆円を想定しているとみられ、埋蔵金の活用にも限度があることから、数兆円規模での国債増発は不可避となろう。増発余地があるとみられる5年国債や20年国債などを主体に需給への懸念が強まりそう。また、10年国債についても増発の可能性が出てくることもありうるか。
16日の朝方に2008年10〜12月期GDP一次速報値が発表される。前期比年率での2ケタ減が確実視されており、1974年1〜3月期のマイナス13.1%を超えて過去最悪のマイナス幅となる可能性もある。その際には株式市場は一時的なショック安となる可能性もあり、債券先物は買戻し圧力が強まることも。18日から19日にかけて開催される金融政策決定会合にも注目したい。企業金融支援特別オペやCP買取の期限の延長を検討すると報じられており、また短期国債の買取を増やすことも検討と伝えられいる。これは中短期債には買い材料となりそう。引き続きオバマ政権による金融安定化策と景気対策の動向を睨みながらの米市場動向次第という面もあるが、米債は過去最大規模の入札をまずまず無難にこなしたこともあり、強まっていた需給悪化懸念がやや後退し、戻りを試す展開が予想される。このため円債もさらに上値を試してくる可能性がある。ここにきて政局の行方に不透明感が強まっていることにも注意が必要か。麻生降ろしの動きなどが強まることも予想され、政局の混乱は株式市場の波乱要因ともなりかねず、債券は質への逃避の動きを強め、長期金利は1.2%を割り込んでくる可能性もある。
ニューヨーク連銀は11日に、プライマリー・ディーラーのリストを発表した(http://www.newyorkfed.org/markets/pridealers_current.html)。このリストからメリルリンチが外されており、1年前に20社あったプライマリー・ディーラーは4社減って16社となった。
メリルリンチはバンク・オブ・アメリカによる買収により、バンク・オブ・アメリカの証券子会社に一本化される。すでにカントリーワイドの証券子会社、そして破綻したリーマン・ブラザーズ、さらにJPモルガン・チェースが救済したベア・スターンズがプライマリー・ディーラーのリストから外れている(以上、日経電子版より)。
現在のリストは下記の通りとなり、日本勢では「Daiwa Securities America Inc.」と「Mizuho Securities USA Inc.」が参加している。ちなみに米国野村證券は2007年11月末にプライマリーディーラーの資格を返上している。
BNP Paribas Securities Corp.
Banc of America Securities LLC
Barclays Capital Inc.
Cantor Fitzgerald & Co.
Citigroup Global Markets Inc.
Credit Suisse Securities (USA) LLC
Daiwa Securities America Inc.
Deutsche Bank Securities Inc.
Dresdner Kleinwort Securities LLC
Goldman, Sachs & Co.
Greenwich Capital Markets, Inc.
HSBC Securities (USA) Inc.
J. P. Morgan Securities Inc.
Mizuho Securities USA Inc.
Morgan Stanley & Co. Incorporated
UBS Securities LLC.
12日に日銀が発表した1月国内企業物価指数は前年比マイナス0.2%となり、2003年12月以来、5年1か月ぶりの前年比マイナスとなった。原油価格の下落を受けて輸入物価が1987年2月以来の大幅な下落率となったことが影響したようである。
2月27日に1月の全国消費者物価指数が発表されるが、生鮮食料品を除くコアCPIも、ガソリンの値下がりに景気後退が加わり、早ければこの1月分あたりから(2008年12月は前年比+0.2%)前年比マイナスになるのではとの予想も出ている。
今朝の日経新聞一面に、長期金利、米欧で上昇、との記事が掲載された。景気後退局面では異例、とも書かれていたが、この欧米主体のの長期金利上昇の背景には需給への悪化懸念がある。今回の金融経済危機の大きな特徴は、そのスピードにあったが、それに対応するために、各国政府も積極的な対応をせざるを得ず、その結果、国債発行量が急激に増加したのである。日経の記事でも。2008年の国債発行額が3兆ドルと前後と前年度の約3倍にのぼる見方を示しているが、今日10日から始まる米国債の四半期定例入札では670億ドルと過去最高の額の発行が予定されており、米10年債利回りは一時3%台に上昇した。
英国など欧州でも同様に積極的な景気対策や金融安定化策が講じられており、やはり国債の発行額が増加し、米国と同様に国債需給への懸念から英国やドイツなど欧州でも長期金利は上昇している。
ただし、日本でもバブル崩壊後の景気対策に伴う国債増発により、日本国債が暴落するのではないかと騒がれたことがあったが、結局は、その国の信用が維持できるかどうかが大きなポイントとなる。日本においても銀行に投じられた公的資金などは、結局安全資産である国債に振り向けられた。デフレ圧力の強まりなどから資金は安全資産となる国債に振り向けられるものみられ、今回の欧米の長期金利の上昇に関してもそれほど危惧することはないかと思われる。
財務省が発表した12月の国際収支状況(速報)によると、12月の経常収支は1254億円の黒字となり、前年同月比1兆4,638億円減と92.1%もの減少となり、 過去最大の黒字幅の減少となった。 貿易収支が1979億円の赤字と2か月連続の赤字となったことなどが影響した。輸出は4兆5920億円と前年同月比2兆4843億円と過去最大の減少額となり減少率は35.1%に。輸入も4兆7898億円と前年同月比1兆2897億円の減少(21.2%減)となったが、輸入の減少以上に輸出が減少した。
現在の金融システムは突如として構築されたわけではなく、かなり時間をかけて形作られてきている。なかでも金融システムの中にあり、中心的な役割を担っている「お金」は、紀元前1000年以上も前から使われている。
「お金」はある物と交換手段、物の価値尺度、価値の保存という役割そのものは太古から変わってはいないものの、現在では電子マネーが普及するなど存在自体はかなり変化している。さらにお金を融通し合う「金融」というシステムは、歴史とともに進化してきており、その進化の過程で「恐慌」が何度も繰り返されてきた。
人は歴史に学ぶ必要はあるものの、似たような恐慌は繰り返されており、それを防ぐことはできないと言うのが過去の歴史からわかる。金融そのものの進化により、金融を取り巻く環境に変化があることや、恐慌を招く要因ともなる投機の動きなどはそれが起きている際にはブレーキをかけることがたいへん難しいということも防げない理由かと思う。
その恐慌による危機をどう乗り切ったら良いのかは、過去の歴史に学ぶことは重要である。2007年からの金融危機に際しても、日本のバブル崩壊後の状況などを各国の政策担当者はかなり研究を進めてきました。それでも的確な処方箋を見出し、それを実行に移すことは並々ならぬ努力も必要とされる。
金融は私たちにとり大変身近なものであり、金融危機により経済への影響も大きく、私たちの生活に大きく関わっているにも関わらず、金融そのものの知識はまだそれほど広まっていないことも確かであり、そのために金融の歴史を探るということも必要ではないかと思う。
100年に一度の経済危機とも言われる中にあって、ユニクロを傘下に持つファーストリテイリングや日本マクドナルド、そして東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの業績が好調となっている。
ユニクロはヒートテックなどヒット商品もあるが柳井社長の経営手腕によるところが大きいと言われている。日本マクドナルドは新製品投入やバリューメニューの強化、24時間営業店舗の拡大などが寄与したという。オリエンタルランドは開業25周年イベントの影響も大きいとみられるが、金融危機後の昨年10〜12月も入園者が予想を上回ったそうで、金融経済危機の影響をそれほど受けていなかった。
これらの企業の業績好調を「安近短」傾向だけでは説明することはできないのではなかろうか。景気悪化による雇用への懸念もあり、個人消費も大きく落ち込んでいる。個人は財布の紐を固くしていることは確かだが、あくまで消費は切り詰めるのであり、消費を控えているわけではない。その消費先にこれらユニクロやマクドナルド、さらにディズニーリゾートが選択されているのである。
これまで百貨店でブランド物を購入したり、高級レストランで食事をしていたり、海外旅行を頻繁に行ったりしていた層が、景気悪化でユニクロやマック、ディズニーランドで我慢しているということは考えづらい。こういった層はあくまで浪費の頻度を落とすことがせいぜいではなかろうか。
この3つのブランドに共通しているのは、小さい子供のいる若い標準的な家族ではなかろうか。ユニクロ、マクドナルド、そしてディズニーリゾートのリピーター層はアラフォーと呼ばれる40歳近辺の小さい子供を持つ世代の家族とみられ、さらにその家族の子供達に抵抗なく資金を供給している層が別途いる。アラフォーの親、つまり子供達の祖父や祖母となった団塊の世代である。ディズニーランドの開園時には団塊の世代がその子供達を連れて行ったはずであり、当時はすでにマクドナルドも全国展開を進めていた。ユニクロの東京進出は1998年でこちらは歴史が浅いが、店舗には若い夫婦連れとともに団塊の世代も意外と目立っている。
どうやら、景気悪化の中でも業績が好調なのは、お金を使っている世代をうまく取り入れている業態とみられる。この層はそれほどの贅沢はせずとも、ささやかな贅沢を楽しんでいる。そしてその層は意外と厚い。この世代のささやかな贅沢をうまく取り込めるかどうかが、今後の課題となるのではなかろうか。
白川総裁は3日の記者会見で政府紙幣に関する質問に対して下記のように答えていた。
「政府紙幣の発行は、その仕組みの如何によって、実質的には将来の返済が必要な資金調達である「国債の市中発行」と同じとなるか、あるいは、通貨の信認を損なうなど大きな弊害を伴う「無利息永久国債の日銀引受け」と同じとなるか、そのいずれかになるものと考えられます。」
政府紙幣の発行を主張している者は当然ながら、国債という借金を増やしたくないがための政府紙幣を主張しているとみられ、この場合に「国債の市中発行」ではなく、通貨の信認を損なうなど大きな弊害を伴う「無利息永久国債の日銀引受け」形式のことを意識しているとみられる。この「無利息永久国債の日銀引受け」形式に対しての白川総裁の意見は下記の通り。
「政府紙幣」が市中から日本銀行に還流してきたときにも、仮に政府がこれを回収せず、日本銀行に保有させ続けるという形で「政府紙幣」が発行されるというケースを仮想的に考えてみますと、この場合、確かに政府は回収のための財源を必要としないことになります。しかし、この仕組みは、日本銀行に無利息かつ償還期限のない政府の債務を保有させる点で、「無利息の永久国債を日本銀行に引受けさせる」ことに等しく、大きな弊害が生じます。この弊害の中身、意味合いについてですが、日本銀行券の裏付けとなる日本銀行の資産として、無利息かつ転売不能な資産を保有することとなり、円滑な金融調節が阻害されたり、日本銀行の財務の健全性が損なわれたりすることへの懸念を通じて、通貨に対する信認が害されるおそれがあります。また、政府が、日本銀行による国債の直接引受けと同じ仕組みにより恒久的な資金調達を行うことが、国の債務返済に係る能力や意思に対する市場の疑念を惹起し、長期金利の上昇を招くおそれもあると考えられます。
要するに政府紙幣の発行により、日銀に政府の借金を押し付け、物価の番人つまりは通貨の番人たる日銀の信用を大きく傷つけ、通貨価値そのものに加え政府の信用の毀損による国債価格の暴落に繋がりかねない面を指摘している。過去の歴史を振り返れば、政府紙幣はいったん発行されれはその信認を意識しての発行とはならず、乱発しての財政拡大によるインフレを招くことは必然であろう。そもそも国債という借金を増やしたくないという責任逃れの発行ともなり、いったん発行されてしまうと財政規律などが意識されること自体考えられない。
その費用も紙幣の一枚あたり製造費用は20円程度と言われるが、それはあくまで印刷が可能になってからの話であり、偽札防止のための特殊な印刷が必要であり、その初期費用も馬鹿にならない。しかも、市中銀行などではATMでの利用を可能にするための費用などもかかる。そもそも日銀券と政府紙幣が混雑すること自体、不便極まりない。とにかく政府紙幣の発行などはなんとしてもやめていただきたい。
これまで発行された政府短期証券(FB)及び割引短期国庫債券(TB)は、本日の入札より「国庫短期証券(Treasury Discount Bills)」として統合発行される。財務省はこれまで別々に発行していた2つを統合することで、必要な短期資金を柔軟に調達できるようになるとみられている。
これまで発行された政府短期証券及び割引短期国庫債券については、統合発行時までに発行される銘柄も含め、名称等変更は行なわれない。また、発行条件及び入札方法等については、従前の政府短期証券及び割引短期国庫債券からの変更もない。
国庫短期証券は今日入札分を第1回として開始され、以後、償還期間(2か月、3か月、6か月及び1年)にかかわらず連番を付与される。
本日入札される国庫短期証券(第一回)は3か月物で発行額は5兆1450億円となる、償還期限は5月31日。
1881年大蔵卿に就任した松方正義は、政府紙幣や国立銀行紙幣などの不換紙幣を消却し、正貨準備を増やすなどの政策を行ってきました。そして、不換紙幣の整理をするため正貨兌換の銀行券を発行するための「中央銀行の創立」を提議しました。これにより通貨価値の安定を図るとともに、中央銀行を中核とした銀行制度を整備し、近代的な信用制度を確立することが不可欠であるとしたのです。
1882年6月に日本銀行条例が制定され、日本の中央銀行として、日本銀行が設立されることになります。同年10月10日には日本銀行の業務が開始されました。松方正義は「政府発行紙幣」の整理を中心とする金融政策の実現に取り組み、この日本銀行の設立を経て「政府発行紙幣の全廃」と兌換紙幣である日本銀行券の発行を行いました。国立銀行が発行した紙幣も1883年(明治16年)の国立銀行条例の改正により兌換銀行券である日本銀行券に置きかえられることとなりました。1899年には政府紙幣とともに通用停止となり、日本における流通紙幣は日本銀行券に統一されたのです。
この政策によって「財政収支は大幅に改善」されました。ところが、これにより深刻なデフレーションを招いたために、世論の反感を買ったことでも知られています。いわゆる松方デフレと呼ばれているものです。世論の反感は買ったものの、国際社会に参加するためには、財政を引き締めても正貨としての金準備を十分に積むことや、不換紙幣を回収し市中に兌換紙幣を流通させ紙幣の「信用」を高めること、そのうえで中央銀行制度を機能させることといったことはたいへん重要なことでした。松方デフレにより、短期的には景気の低迷を招いたものの、その後の日本経済の発展にはプラスに働いたともいえます。ちなみに1885年に日本銀行が発行した最初の銀行券は、銀との交換が保証された兌換銀行券でした。この紙幣は大黒天をあしらったデザインから大黒札と呼ばれたそうです。
拙著「図解入門ビジネス 最新短期金融市場の基本とカラクリがよーくわかる本」より
2日に日銀によるCPの買い入れが実施されたが、その結果は、買入予定額3000億円に対して落札額が2185億円となっていた。これはある銘柄の買入限度がオーバーしていたためと思われる。
日銀は2月3日に開催された定例の政策委員会で、銀行保有株の買い取りを再開することを決めたと3日の前場の引けあとに発表があった。
買い取り枠は1兆円で2010年4月末までの時限措置となる。格付けがトリプルBマイナス相当以上の上場株式を対象となる。買い入れ価格は時価がベース。買い入れ対象先は、株式保有額がTier1の5割超える先、もしくは株式等保有額が5000億円を超える先、または自己資本比率規制上国際統一基準を採用している先。金融機関毎の買い入れ上限は2500億円。2012年3月末までは売却を行なわず、その後2017年9月末までに処分する。
2007年7月以降株価は下落基調となり、昨年のリーマン・ショックによりその下落に拍車がかかり、銀行保有の株式の含み損が膨らんでおり、金融機関保有の株式を日銀が買い取ることにより、金融機関の貸し出しを促し、企業の資金繰りを支援する。
日銀が前回、銀行保有の株式買取を決定したのは2002年9月18日である。この日の政策委員会にて、日銀法43条の例外規定を適用し株式の買い取りを決定した。買い取りは時価がベース。Tier1を越えた過剰株式に焦点。保有株式は10年程度は日銀は保有するとした。
この発表を受けて、当日(2002年9月18日)の債券先物は急落となり、債券先物は数度の板寄せをしたのちストップ安をつけたのである。さらに良く翌日の20日には10年国債の入札が実施されたが、この日銀ショックの尾を引き10年国債としては初めての「札割れ」が発生したのである。入札予定額1兆3500億円に対して応札額は1兆1852億円しかなく「未達」が発生した。当時は国債引受シンジケート団が存在し、入札予定額に満たない分は、シ団のシェアによって割り振りされるため、当初予定された発行額の発行は可能となることで実質発行額が予定発行額に満たない「未達」ではなく「札割れ」との表現になった。
そして今回、日銀が銀行保有株の買い取り再開を発表した当日(2009年2月3日)が、10年国債の入札日というのも何かの巡り合わせか。さすがに今回は未達といった事態は発生しなかったものの、入札結果はやや予想を下回り、最低落札価格と平均落札価格の差も大きくなった。債券先物は後場に入り一時前日比50銭を超す場面はあったものの、ストップ安といったことはなく、学習効果も働いたものと思われる。
日銀は本日開催された定例の政策委員会で、銀行保有株の買い取りを再開することを決めた。買い取り枠は1兆円で2010年4月末までの時限措置となる。格付けがトリプルBマイナス相当以上の上場株式を対象。
2007年7月以降株価は下落基調となり、昨年のリーマン・ショックによりその下落に拍車がかかり、銀行保有の株式の含み損が膨らんでおり、金融機関保有の株式を日銀が買い取ることにより、金融機関の貸し出しを促し、企業の資金繰りを支援する。
前回、日銀が銀行保有の株式買取を決定したのは2002年9月18日である。当日の「若き知」にはこう書いた。
「日銀は金融政策は現状維持のままとしながらも、金融システムの安定化のために金融機関の保有株式を日銀が直接購入することを速水総裁は会見で発表した。日銀券の信用の裏づけとなるのは日銀資産となる。その資産は日銀法で制限されており、株式のようなリスク資産を保有することを禁じている。それにもかかわらず日銀は、日銀法43条の例外規定を適用してまで株式の買い取りを決定した。買い取りは時価がベース。Tier1を越えた過剰株式に焦点。これはおおよそ7兆円程度と言われる。保有株式は10年程度は日銀は保有する。株式買い取りは金融調節手段としての位置付けではないともコメントがあった。まさに、日銀は昨年の量的緩和に続いて思い切った措置をとったと言える。日銀に対する信用失墜が日本国債に対する信用失墜に繋がると連想したのか、債券市場は急落。債券先物は数度の板寄せをしたのちストップ安をつけた。」(2002年9月18日の「若き知」より)
さらにその2日後の9月20日の「若き知」では、
「9月20日の10年国債入札において、10年国債としては初めての「札割れ」が発生した。この札割れはなぜ起こってしまったのであろうか。その大きな原因は、債券相場が10年ゾーンで1%まで上昇していたことによるものであった。デフレ継続による時間軸の拡大、そして小泉政権の財政構造改革推進による国債への信認、そして金余りといったものを背景に国債主体に債券が買われ、5年国債の金利も史上最低水準にまで低下していたのである。このように長期金利がかなり低金利となっていたところに、日銀ショックが発生した。18日、日本銀行の速水総裁は、金融システム安定化策としても日銀が直接に金融機関から株を買い取ることを発表した。これを受けて、債券先物が急落。1999年6月11日以来のストップ安をつけたのである。なぜ、日銀が株を買い取ることで債券が売られるのか。その最も大きな理由は、国債に対しての信用に影響が及ぶと思われたためである。日本銀行は通貨の番人とも呼ばれるが、国内で唯一、日銀券つまりお金を発行している銀行である。もし、日銀がリスクのあるものを買い込んで、日銀券の信用力の裏づけとなる日銀の資産を劣化させれば、通貨、つまり円が大きく売られる可能性がある。日本の通貨に対する信用がなくなれば、国債に対する信用にも当然ながら影響を及ぼすためなのである。」(2002年9月20日の「若き知」より)
今回は、たまたまではあろうが、銀行保有の株式購入再開の発表当日が10年国債の入札日であった。さすがに2002年の経験もあることで札割れという事態は回避されると思うが、債券市場関係者は昔の嫌な記憶が頭の中を過ぎったことも確かであろう。
ちなみに2002年9月20日の札割れ当日の日に拙著「日本国債はあぶなくない」が発行された。今日は特に新著の発行は残念ながら予定されていない。
1月30日に発表された12月の鉱工業生産指数速報値は、前月比マイナス9.6%となり、下落幅は8月のマイナス8.5%を上回り過去最大となった。 また、これにより2008年10〜12月期の鉱工業生産指数は前期比マイナス11.9%となり、4四半期連続のマイナスとなった。下落率は第1次石油危機後の1975年1〜3月期の前期比マイナス6.7%を上回り、こちらも過去最大となった。
製造工業生産予測調査では、1月がマイナスの9.1%、2月も4.7%の低下を予測しており、2009年1〜3月期も前期比二桁のマイナスとなる可能性がある。 在庫指数も前月より0.1%の上昇となっており、2001年9月以来の高い水準となった。与謝野経済財政相はこの鉱工業生産指数を受けて「これほど鋭角的な落ち込みは過去経験したことがない。今後も落ち込みが続く可能性がある」と悲観的な見方を示した。
2008年12月の完全失業率(季節調整値)は、前月に比べ0.5ポイントの上昇の4.4%となり、大幅に悪化した。また12月の有効求人倍率は0.72倍で前月を0.04ポイント下回った。
失業率は景気に対して遅行指数に含まれるなど、景気の動向に遅れて悪化する傾向があるため、鉱工業生産指数の動向などを見ても、失業率は今後さらに悪化する可能性がある。
30日には12月の家計調査の結果も発表されたが、2人以上の世帯の消費支出は33.7万円となり、物価変動を除いた実質で前年同月比マイナス4.6%と10か月連続のマイナスとなり、2006年9月のマイナス6.0%以来の減少幅となった。
生産の悪化とともに、雇用への不安などにより個人消費もここにきて大きく落ち込んでおり、これは物価の下落要因ともなっている。 30日に発表された12月の全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年同月と比べて0.2%の上昇となった。前年の実績を上回るのは15か月連続となったものの、伸び率は11月の1.0%に比べ大幅に縮小しており、今後は消費の低迷を受けての値下げの動きも本格化するとみられ、早ければ1月もしくは2月あたりにはCPIは前年同月比マイナスに転じるとも予想されている。
1月22日に発表された日銀の展望レポートの中間レビューでは、全国消費者物価指数(除く生鮮)については2008年度がプラス+1.2%と10月時の見通しのプラス1.6%から下方修正され、さらに2009年度の予想ではマイナス1.1%と10月見通しのプラス0.0%からマイナスの予想となっており、今後はデフレ圧力が強まる懸念がある。
1月28日に1998年7月16日から12月15日にかけて開催された日銀金融政策決定会合の議事録が発表された。この中で3年ぶりの金融緩和策が実施された9月9日の決定会合の様子を議事録から見てみたい。
議事録のため分量が多いため、「金融政策運営の方針の決定」から各政策委員の発言内容をチェックしたい。その前に当時の状況を簡単に振り返っておきたい。
当時は輸出企業だけでなく、海外に工場を持つ企業も世界的な金融システム不安に影響を受けやすくなっていたところに、ジャパン・プレミアムが再拡大。設備投資や住宅投資が当初見込みを上回るスピードで落ち込み、雇用・所得環境の急速な悪化が最終需要をさらに一段と下押す危険性が出てきた。金融システム問題を含めた厳しい構造調整局面にあり、これが日本経済の先行き不透明感を強めていた。
各委員の意見を順番に伺いたいとの議長(速水総裁)の発言のあと、最初に発言したのが中原委員。「公定歩合を0.5%を据え置いたままコールレート・オーバーナイト物の目標金利を0.25%前後にすることを再度提案したい」としている。
次の発言者の篠塚委員は低金利による家計への影響などから現状維持を主張。
植田委員は態度を決めかねていると発言したが、その後かなり長い時間発言していた。その中で興味深い箇所があった。「コールレートの誘導目標をたとえば0%から0.3%程度の範囲に設定する」こと方法を述べていた。
藤原副総裁は「8月末のマーケット状況をみると、緩和措置に訴えてはどうか」としている。
山口副総裁、デフレを意識して「金融政策でも手の内で出来ることはやはり実施したほうがよいタイミング」と発言した。
後藤委員は「ここ2日間程悩んでいる」と危機対応のため道具は温存しておく必要性について言及したが、異例の措置ということを表明した上での0.25%程度の緩和措置を主張。
そして武富委員も「見切り発車をする局面」として公定歩合の引き下げを含めての利下げを主張した。
三木委員も一段の金融緩和を進めデフレ・スパイラルに陥るリスクを軽減する方向に寄与する姿勢を示す必要性を示した。
そして最後に議長である速水総裁が意見を述べた。「民間経済の弱さに加えて、株の下落、企業や家計のコンフィデンスが一段と弱まることを通じて、景気や物価が下振れするリスクは前回会合時までに比べてかなり高まっきているように思われる」として、一段の金融緩和に踏み切ることが適当でないかと思うとし、コールレートを平均的にみて0.25%前後で推移するように促すのが良いと考えると述べ最終的に意見を取りまとめた。
そのあと中原委員の発言があり、それをきっかけにたいへん興味深い議論が交わされ、さらに「なお書き」誕生の経緯なども読み取れる。http://www.boj.or.jp/type/release/teiki/gijiroku/gjrk980909a.pdf
こうして最後に議長提案が出され、8対1と篠塚委員以外が賛成と利下げが決定されたのである。
日銀は本日、初めての残存期間別の国債買入を実施した。対象が残存期間1年以下の応札額は7551億円、落札額は2304億円となった。按分利回格差は0.011%、平均利回格差は0.014%、按分比率は74.9%に。
対象が残存期間1年超10年以下は、応札額7953億円、落札額2007億円に。按分利回格差は0.006%、平均利回格差は0.006%、按分比率は23.5%に。
日銀は、2月入札分から国債買入オペの対象に30年国債や15年変国、物価連動国債が加わり、種類・残存期間別の買い入れ方式に変更されるため、国債買入の時刻を変更すると発表した。変更されるのは応募締切時間とオファーバック(落札者への通知)で、応札締め切り時間は11時20分から11時40分へ、落札者への通知は11時35分ごろから12時ごろに繰り下げられる。あわせてコマーシャルペーパー(CP)現先買いオペのオファー(通知)時刻を従来の10時10分から9時30分に変更される。
平成21年1月分 平成20年12月分 平成20年11月分 平成20年10月分 平成20年9月分 平成20年8月分 平成20年7月分 平成20年6月分 平成20年5月分 平成20年4月分 平成20年3月分 平成20年2月分 平成20年1月分 平成19年12月分 平成19年11月分 平成19年10月分 平成19年9月分 平成19年8月分 平成19年7月分 平成19年6月分 平成19年5月分 平成19年4月分 平成19年3月分 平成19年2月分 平成19年1月分 平成18年12月分 平成18年11月分 平成18年10月分 平成18年9月分 平成18年8月分 平成18年7月分 平成18年6月分 平成18年5月分 平成18年4月分 平成18年3月分 平成18年2月分 平成18年1月分 平成17年12月分 平成17年11月分 平成17年10月分 平成17年9月分 平成17年8月分 平成17年7月分 平成17年6月分 平成17年5月分 平成17年4月分 平成17年3月分 平成17年2月分 平成17年1月分 平成16年12月分 平成16年11月分 平成16年10月分 平成16年9月分 平成16年8月分 平成16年7月分 平成16年6月分 平成16年5月分 平成16年4月分 平成16年3月分 平成16年2月分 平成16年1月分 平成15年12月分 平成15年11月分 平成15年10月分 平成15年9月分 平成15年8月分 平成15年7月分 平成15年6月分 平成15年5月分 平成15年4月分 平成15年3月分 平成15年2月分 平成15年1月分 平成14年12月分 平成14年11月分 平成14年10月分 平成14年9月分 平成14年8月分 平成14年7月分 平成14年6月分 平成14年5月分 平成14年4月分 平成14年3月分 平成14年2月分 平成14年1月分 平成13年12月分 平成13年11月分 平成13年10月分 平成13年9月分 平成13年8月分 平成13年7月分 平成13年6月分 平成13年5月分 平成13年4月分 平成13年3月分 平成13年2月分 平成13年1月分 平成12年12月分 平成12年11月分 平成12年10月分 平成12年9月分 平成12年8月分 平成12年7月分 平成12年6月分 平成12年5月分 平成12年4月分 平成12年3月分 平成12年2月分 平成12年1月分 平成11年12月分 平成11年11月分 平成11年10月分 平成11年9月分 平成11年8月分 平成11年7月分 平成11年6月分 平成11年5月分 平成11年4月分 平成11年3月分 平成11年2月分 平成11年1月分 平成10年12月分 平成10年11月分 平成10年10月分 平成10年9月分 平成10年8月分 平成10年7月分 平成10年6月分 平成10年5月分 平成10年4月分 平成10年3月分 平成10年2月分(その2) 平成10年2月分(その1) 平成10年1月分(その2) 平成10年1月分(その1) 平成9年12月分 平成9年11月分 平成9年10月分 平成9年9月分 平成9年8月分