2008年4月9日に白川方明日銀副総裁の総裁昇格が衆参両院で同意され、これにより日銀総裁の空席という事態は約3週間ぶりに解消された。
6月に入り米国で金融株に対しての空売り規制が強化され、ヘッジファンドが組んでいた米金融株売り原油先物買いのポジションの撒き戻す動きが強まり、NY原油先物は7月11日につけた147.27ドルをピークに急落した。
日本の長期金利はインフレ懸念の強まりなどから6月16日に1.895%まで上昇したが、これが年度の最高利回りとなった。
9月15日にリーマン・ブラザーズが破綻し、大規模金融機関が破綻したことで金融市場は極度の不安に陥り、これはリーマン・ショックと呼ばれた。巨大金融機関の破綻がもたらす影響を懸念した米政府は金融機関を破綻させない方針に転じ、FRBは9月16日に米国の大手保険会社AIGに対して緊急融資を行うことを表明。
緊急経済安定化法案が9月29日に下院で否決され、これは金融市場に再び大きなショックを与え、29日のダウ平均株価は終値で777ドル安と史上最大の下げ幅を記録した。
金融グローバル化のもとで、問題解決に向けた国際協調も行われ、10月8日には欧米の中央銀行に加え一部新興国も含め、10の中央銀行が同時に0.5%の緊急利下げを実施した。
10月31日に日銀は政策金利を0.5%から0.3%に引き下げ、11月6日にはECBが0.5%、BOEが1.5%の利下げを実施。11月25日にFRBは住宅ローン担保証券などの証券化商品を買い取ることを発表した。
12月4日にECBは政策金利を0.75%引き下げ年2.50%とし、16日にFRBは政策金利を0〜0.25%に引き下げ、実質的なゼロ金利政策を導入した。
12月19日のニューヨーク原油先物価格は景気後退による需要不足への懸念などから、一時32.40ドルまで下落した。
日本の長期金利は金融不安に景気後退観測の強まりから12月30日に1.155%まで低下し、これが2008年度の最低利回りとなった。 日銀は12月19日に政策金利を0.1%に引き下げた。さらに長期国債買入オペを現行の毎月1.2兆円から1.4兆円に増額した。2009年1月30日からはCPの買入を実施。3月18日の決定会合では社債の買入実施と長期国債の買入を月1.8兆に増額することを決定した。
日本も含めて各国政府による積極的な財政政策を行ってきたことから、国債に対しての需給懸念も強まり上値も抑えられたことで、今年に入っての長期金利は1.2%〜1.35%近辺でのレンジ内の動きに止まった。(一部「金融のことがスラスラわかる本」より引用)
日銀が発表した2008年10〜12月資金循環勘定速報によると、日本における家計の金融資産は9月末の1467兆208億円から、12月末は1433兆5167億円と33.5兆円程度減少した。
このうち株式は9月末の67兆4077億円から、55兆963億円と12.3兆円程度減少し、投資信託については9月末の58兆7692億円から、47兆8527億円と約11兆円程度減少した。
2008年9月15日のリーマン・ブラザーズの破綻をきっかけに、カウンターパーティ・リスクに対する市場参加者の警戒感が高まり、9月以降はヘッジファンドなど海外投資家のポジションの巻き戻しによる影響がより顕著に現われ、景況感の急激な悪化や海外投資家によるポジション調整などから株価は大幅に下落した。日経平均は2008年9月末の日経平均11259円86銭に対して、2008年12月末は7863円69銭となり、これにより家計が保有していた株や投資信託などの金融資産が大幅に減少したものとみられる。
この資金循環勘定速報をもとに 2008年9月末現在日本における国債所有別内訳を算出してみた。
国債の残高そのものは、2008年9月末比16兆7860億円増の699兆6478億円となった。海外投資家のシェアは6.8%と6月末の7.9%から下落し、金額ベースでは6兆5147億円の減少となった。海外投資家が金融危機により、日本国債においてもポジション解消の動きを強めた結果とみられるが、6月末から9月末にかけて海外投資家は残高を5兆6568億円増加させていたことでその反動ともとれなくもない。家計の全体に占めるシェアは5.2%となり、9月末と変化はなかった。
9月の速報値に比べ残高を大きく増加させたのが、大手銀行などの民間金融機関で13兆333億円もの増加となった。投資信託が4兆4406億円の増加、民間の保険年金も3兆8964億円の増加となった。全体に占めるシェアとしては、民間預金取扱機関が252兆6646億円で36.1%、民間の保険年金が162兆158億円で23.2%、公的年金が82兆1639億円で11.7%、日本銀行が58兆1662億円で8.3%、海外が47兆2337億円で6.8%、家計が36兆6758億円で5.2%、投信など金融仲介機関が33兆1297億円で4.7%、財政融資資金が6兆7610億円で1.0%、その他が20兆8371億円で3.0%となった。
総務省が31日発表した2月の完全失業率(季節調整値)は4.4%となり、前月に比べ0.3ポイント上昇した。これは2006年1月以来の高い水準。また、厚生労働省が発表した2月の有効求人倍率(季節調整値)は0.59倍となり、前月比0.08ポイントの低下となった。これは2003年2月以来、6年ぶりの低水準となり。低下幅は1974年12月の0.09ポイント低下以来、34年2カ月ぶりの大きさとなった。
経済産業省が8時50分に発表した2月の鉱工業生産速報値では、2月の生産は前月比9.4%の低下と5か月連続の低下となった。前年同月比では38.4%の低下。生産の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、一般機械工業、電気機械工業等であり、品目別では普通乗用車、小型乗用車、シャシー・車体部品の順に低下に寄与した。
2月の出荷は前月比6.8%の低下とやはり5か月連続の低下となった。前年同月比では36.8%の低下。出荷の低下に寄与した業種は輸送機械工業、一般機械工業、電気機械工業などすべての業種となった。
2月の在庫は、前月比4.2%の低下とこちらは2か月連続の低下に。前年同月比は1.7%の低下。在庫の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業等となった。在庫率指数は同4.6%上昇の158.2と、過去最大を更新した。
製造工業生産予測調査によると、3月は前月比2.9%の上昇、4月は同3.1%の上昇に。3月の上昇は輸送機械工業、化学工業、電気機械工業等により、4月の上昇は化学工業、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業等による。
基調判断は「総じてみれば、生産は急速に低下している」とし据え置きに。(以上、経済産業省HPより http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html)
3月の生産予測が実現すれば、1〜3月期の生産は前期比マイナス23.2%となる。生産は底との判断はまだできないとの経済産業省によるコメントも(ロイター)。
生産は底との判断はまだできないとの経済産業省によるコメントはあったが、1〜3月期に比べ4〜6月期はやや回復との予想ともなっており、目先は底打ち観測が出てくる可能性もある。しかし、生産や出荷を押し下げている輸送機械工業、一般機械工業、電気機械工業等、日本の輸出を支えてきた業種の回復が望めない限りは本格的な底打ちが見えてこないことも確かか。
新年度入り後の銀行の動きが注目される。期初の買いが入るのか、期初から益出しの売りが入るのか。見方は分かれている。銀行は決算期末に向けて末に向けてある程度のキャッシュが積み上がっているとみられ、国債への買い余力はある。しかし、株価が上昇基調を強めていることもあり、買いが入るとしても押し目買いか。生保なども引き続き慎重姿勢で臨むとみられ、海外投資家による買いも期待しづらい。今後の国債増発の行方も気がかり材料となり、国債需給への懸念が上値を押さえ、株価の動向次第では債券は先物主導で思わぬ下げとなる局面があるかもしれない。しかし、このまま債券相場が下落トレンド入りすることも考えづらい。4月1日には日銀短観が発表されるが、大企業製造業DIはマイナス55近辺の予想となっており、場合によるとオイルショック以来の悪化を示す可能性がある。米国では経済指標に一部景気回復の兆しを示す指標が出ていることが好感されているが、日本の経済指標は今だにかなりの悪化を示すものが多く、ファンダメンタルズ要因からは、債券は積極的には売りづらい。ただし市場を取り巻くマインドが好転しているのも確かであり、先行き予想がやや回復の兆しを示すものとなれば材料視される可能性もある。
25日の米債券市場は5日続落となっていたが、この売りはいくつかの要因が重なった。ひとつは、2月の米耐久財受注や2月の米新築住宅販売件数が市場予想を上回ったこと。2月の米耐久財受注(輸送用機器除く)は、前月比+3.9%とマイナスの市場予想がプラスとなり、2月の米新築住宅販売件数も33.7万戸、前月比+4.7%と7か月ぶりに前月比プラスとなった。オバマ大統領はホワイトハウスでの会見で、米経済について改善の兆しが見えつつある、と表明していたが、こういった数字を意識しての発言だった可能性もある。
そして、昨日実施された米5年債の入札は、落札利回りが市場実勢を上回った上に応札倍率が2.02倍と前回の2.21倍を下回ったことで、結果は低調と受け止められた。
また昨日、初めてニューヨーク連銀による長期国債の買い切りが実施された。219.37億ドルの応札に対して、落札額は75億ドルとなり、購入の額が予想よりは多いと、この結果自体は好感されたが、ニューヨーク連銀の国債買い切りオペの効果に対する警戒感もあったようである。
そして、欧州でやや気になる動きがあった。25日に実施された英国40年債の17.5億ポンドの入札において、応札額が発行予定額を100万ポンド超下回り、2002年のインフレ連動債入札以来の未達が発生し、これも米債の売り要因とされたのである。
ただし、英国債入札に続いて行われたイングランド銀行の35億ポンドのリバース・オークションの結果からはも2014〜2019年償還の英国債の売りには慎重と動きが広がったようだ(ロイター)。
いずれにせよ日本を含めて、米国や英国も大量の国債を発行せねばならず、こういった未達という事態はありうると考えておく必要もありそうだ。
朝方発表された2月の貿易収支は824億円の黒字となった、2月の輸出は前年比マイナス49.4%となり、輸入も同マイナス43.0%に、それぞれ過去最悪の落ち込み幅となった。地域別では、アジア向けが輸出マイナス46.3%、輸入マイナス41.5%、北米向けが輸出マイナス57.7%、輸入マイナス35.1%、西欧向けが輸出マイナス52.9%、輸入マイナス30.0%となった。
輸出の主要品目別では、一般機械の建設用・鉱山用機械(マイナス66.6%)とともに、テレビ受像機(マイナス63.0%)、音響機器(マイナス63.1%)、輸送用機器の乗用車(マイナス72.9%)、自動車の部品(マイナス60.8%)などの減少幅が目立った。
中東向けは輸出マイナス43.4%、輸入マイナス61.7%と輸入が大幅に減少していたが、輸入の主要品目別でも非鉄金属鉱(マイナス69.4%)や非鉄金属(マイナス70.8%)とともに、原油・租油(マイナス64.7%)、石油製品の揮発油(マイナス75.7%)の減少幅が目立っていた。(データ出所 財務省 http://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/2009/2009024.pdf)
日銀が発表された2008年10〜12月資金循環勘定速報によると、日本における家計の金融資産は9月末の1467兆208億円から、12月末は1433兆5167億円に減少した。このうち株式は9月末の67兆4077億円から、55兆963億円に減少し、投資信託については9月末の58兆7692億円から、47兆8527億円に減少した。リーマン・ショック後の株価の下落から2008年9月末の日経平均が11259円86銭に対して2008年12月末は7863円69銭と株式市場が大幅に下落したことが要因か。
この資金循環勘定速報をもとに 2008年9月末現在日本における国債所有別内訳を算出してみた。国債の残高そのものは2008年9月末比16兆7860億円増の699兆6478億円となった。海外投資家のシェアは6.8%と6月末の7.9%から下落し金額ベースでは6兆5147億円の減少となった。海外投資家が金融危機によりポジション解消の動きを強めた結果とか。6月末から9月末にかけて海外投資家は残高を5兆6568億円増加させていたことでその反動とも見れる。家計の全体に占めるシェアは5.2%と9月末と変化はなかった。
個別で見ると9月の速報値に比べ残高を大きく増加させたのが、大手銀行などの民間金融機関で13兆333億円の増加となった。投資信託が4兆4406億円の増加、民間の保険年金も3兆8964億円の増加となった。
全体に占めるシェアとしては、民間預金取扱機関が252兆6646億円で36.1%、民間の保険年金が162兆158億円で23.2%、公的年金が82兆1639億円で11.7%、日本銀行が58兆1662億円で8.3%、海外が47兆2337億円で6.8%、家計が36兆6758億円で5.2%、投信など金融仲介機関が33兆1297億円で4.7%、財政融資資金が6兆7610億円で1.0%、その他が20兆8371億円で3.0%となった。
ガイトナー米財務長官は日本時間昨夜昨、官民投資プログラムと呼ぶ不良資産買い取り計画を正式に発表した。不良資産買取の複数ファンドを設立し、投資家の出資額に応じて財務省が最大1千億ドルの資本を出し、FRBと米連邦預金保険機構(FDIC)が融資・保証を提供し、5千億から1兆ドルの不良資産を金融システムから分離する。ローン債権の場合は、買取価格は投資家の入札で決定する。購入した不良資産で損失が生じた際には、政府と民間投資家が分担して処理することになる。
昨日の米国市場では、不透明感が強いとみられていた政府のバッドバンク構想の具体策の正式発表を好感し、発表された2月中古住宅販売が予想外の増加となったことも好感したことで、金融や不動産関連株などを主体に株価を押し上げ、ダウは前日比497.48ドル高の7775.86ドルと今年最大の上げ幅となった。
東証は本日3月23日より長期国債先物取引において「ミニ取引」(ミニJGB)を開始した。初値は10時21分につけた6月限の139円56銭となった。
長期国債先物取引(ラージ)とミニ長期国債先物取引(ミニ)についての相違点を東証ホームページの「長期国債先物取引におけるミニ取引の導入について」を参考に確認しておきたい。(http://www.jscc.co.jp/news/2008/33/参考.pdf)
取引時間に関しては、9時から11時(前場)、12時30分から15時(後場)、15時30分から18時(イブニングセッション)。TosNet(電子取引システムを使った立会外取引)でも、8時20分から15時10分、15時30分から18時20分と取引時間帯はラージ・ミニともに同じとなる。
ミニ・ラージともに限月は3月限、6月限、9月限、12月限。取引可能な限月数は3限月であり、このため取引最長期間は9か月となる。
最低取引単位はラージが額面1億円だが、ミニが額面1000万円となりラージの10分の1となる。
基準値段はラージが前取引日の清算値段だが、同一限月の長期国債先物取引(つまりラージ)の基準値段となる。
値幅制限はラージ・ミニともに基準値段の上下3円。
更新値幅も両方ともに10銭。この更新値幅とは気配値の値幅で買い気配や売り気配となった際に動く値幅となる。
呼び値の単位は、ラージが額面100円につき1銭、ミニは額面100円につき5厘(0.5銭)となり、ミニはラージに比べて刻み幅が小さくなる。
取引最終日は、ラージが各限月の20日の7取引日前の日に終了する取引日に対し、ミニは各限月の20日の8取引日前の日に終了する取引日となる。参考までに2009年6月限については、ラージが6月11日、ミニが6月10日となる。
取引開始日はラージが取引最終日の翌取引日の前場、ミニが取引最終日の翌々取引日の前場。
最終決済はラージが受渡適格銘柄による受渡決済に対し、ミニは差金決済となるが最終清算値段は長期国債先物取引(ラージ)の取引最終日の始値。
最終決済期日はラージが各限月の20日、ミニが取引最終日の翌々営業日。
取引の一時中断は、ラージが基準値段の上下2円超となり、ミニはラージの発動時に同時に発動する。
限月間スプレッド取引はラージ、ミニとも行なわれるが、呼び値の単位はラージが額面100円につき1銭、ミニは額面100円につき5厘(0.5銭)となる。
証拠金制度に関しては、日本証券クリアリング機構によりSPAN(R)により計算される。参考までに2009年3月23日から27日までの単一商品の単一限月取引において1単位買い(売り)建てた場合の証拠金に相当するプライス・スキャンレンジは126万円となる。ミニに関してはこの10分の1となるため12.6万円となる。(参考、日本証券クリアリング機構トップページにあるSPANリスク・パラメーター・ファイルより http://www.jscc.co.jp/)
ギブアップ制度はラージ、ミニともに適用される。ちなみにギブアップ制度とは、成立した取引の清算・決済を、注文を発注した証券会社ではなく、他の証券会社にて行うことができる制度である。
昨日、日銀が国債買入の額を毎月1.4兆円から1.8兆円と大幅に引き上げたことに続き、18日のFOMCで政策金利は現状維持としたものの、向こう半年間に最大3000億ドルの長期国債を購入することを決定した。
バーナンキ議長は昨年12月1日の講演で長期国債を買い取る可能性を示唆していたが、イングランド銀行の国債買い入れの成功に触発され、FRBも米国債買い入れに向けて踏み込んだ協議を行う可能性があるとの報道もあった。イングランド銀行は、量的緩和策として英国債を買い入れる方針を発表し、それを受けて10年物の英国債利回りは3.6%前後から3.1%前後に低下し、11日には、一時、約7年ぶりに英国10年物の利回りがドイツ連邦債10年物の利回りを下回った。
しかし、ニューヨーク連銀のダドリー総裁は国債買い入れについて消極的な姿勢を示しており、バーナンキ議長もそれほど積極的ではないのではとの見方もあった。このため、今回のFRBによる国債買入の発表は市場に大きな影響を与える結果となり、昨日、一時3.00%まで上昇していた10年債利回りは、一時2.47%にまで急低下し、1987年以降で最大の利回り低下となった。
今回のFOMCでは、政策金利であるフェデラルファンド金利の誘導目標は年0〜0.25%に据え置くことを決定し、向こう半年間に最大3000億ドルの長期国債を購入することも決定したが、FRBによる長期国債買入は1960年代の「ツイスト・オペレーション」以来となる。
FOMC後の声明文で、住宅ローンと住宅市場へのさらなる支援策を供給するため、FRBのバランスシートをさらに拡大すると表明し、最大7500億ドルのモーゲージ担保証券(MBS)と最大1000億ドルの政府機関債を年内に買い取ることも決定した、さらにTALFの適格担保も、他の金融資産に拡大する見通しも伝えられた。
ニューヨーク連銀は米国債買い入れについて、2〜10年債に焦点を当て、インフレ連動債(TIPS0)も含むことを明らかにした(ロイター)。
FRBによる国債買入の発表で長期金利は大幅に低下し、MBSや政府機関債買い入れ規模拡大を受けて、住宅ローン金利は一段と低下し、今回の金融危機の発端となった住宅市場梃入れ策としても、かなりインパクトのある内容とも言えた。
イングランド銀行の国債買入に続き、日銀は国債買入を大幅に増加させ、FRBも国債買入を再開した。欧米の中銀が連携して危機対応を行なう姿勢を鮮明にしたが、この背景には先日のG20での協議なども影響していた可能性もある。
日銀の金融政策決定会合が後場スタート前に終了し、政策金利に関しては全員一致での現状維持を決定したが、長期国債の買い入れを月1.4兆円から1.8兆円に大きく引き上げた。期間別では残存1年以下が年5.52兆円から7.44兆円に、残存1年超10年以下が年9.6兆円から12兆円にも残存10年超から30年以下は年9000億円から1.2兆円に増額される。15年変動利付債は年6000億円から7200億円に、物価連動国債は年1800億円から2400億円に増額される。
決定会合終了後の声明文では、この買い入れ増額の理由について下記のように表明している。 「厳しい金融経済情勢を背景に、市場の緊張が続く可能性が高い。このような状況下、日本銀行は、金融市場の安定を確保するため、引き続き、積極的な資金供給を行っていくことが重要であると判断した。こうした観点から、長期の資金供給手段を一層活用し、円滑な金融調節を行っていくため、長期国債の買入れを以下の通り増額することとした。」
今年度の税収不足や来年度補正予算の編成などによる国債増発も予想されることで、長期金利は国債需給悪化により上昇してくる可能性もある。国債増発額がある程度はっきりしてから、日銀は国債買い取りの増額に動くのではないかと個人的には予想していた。しかし、これにタイミングを合わせると白川総裁の言うところの財政ファイナンスを目的として長期国債を買い入れるかたちになってしまうことも確かである。このため、やや苦しい部分はあるが、長期金利に働きかけることを目的とせずに、金融調節の必要性という名目により、今回の決定会合で決定されたものとみられる。
拙著10冊目の本となる「金融のことがスラスラわかる本」の出版社である秀和システムさんのサイトに本の案内がアップされました。
紹介ページ
http://www.shuwasystem.co.jp/products/7980html/2219.html
<本の概要>
長い年月をかけて構築されてきた金融システムの基礎と歴史を解説した入門書です。サブプライムローン問題をきっかけとした世界的な金融危機が起きていますが、これまでも金融システムは歴史の中で進化し、その過程で恐慌が何度も繰り返されてきました。本書では、経済への影響が大きく、生活に多大な影響を与える金融がどのように確立し発展してきたのか、世界史と日本史両方の観点からわかりすく解説しています。貨幣の誕生から、日本おける金利、金融機関の誕生、世界初のバブル事件、金本位制への復帰、円の誕生、アジア通貨危機、現代金融の世界的フレーム、グローバル金融危機の到来まで金融史がスラスラ読めます!
<目次>
第1章 古代における金融(世界編)
1.貨幣の誕生 2.金利の起源
第2章 古代における金融(日本編)
1.日本における貨幣と金利
第3章 中世・近世における金融(世界編)
1.金融機関はこうして誕生した 2.世界を結びつけた金と銀 3.三大バブル事件の発生 4.イギリスにおける市場の発達
第4章 中世・近世における金融(日本編)
1.中世日本は金融先進国だった 2.幕府、金融と格闘する 3.デリバティブのルーツは日本にあった
第5章 近代における金融(世界編)
1.金融大国イギリスの誕生 2.アメリカの発展と苦悩 3.二十世紀の金融世界
第6章 近代における金融(日本編)
1.「円」の誕生 2.進む金融の近代化 3.金融の「一等国」へ 4.恐慌と戦争に翻弄される金融
第7章 現代における金融(世界編)
1.現代金融の世界的フレーム 2.ドル基軸通貨体制の亀裂 3.発達する金融技術
4.金融政策と金融危機の連鎖反応 5.世界で続発する金融危機 6.一体化する市場と世界同時危機
第8章 現代における金融(日本編)
1.経済大国へのゼロからの出発 2.危機下の経済と金融 3.こうしてバブルは起こった 4.「失われた一五年」の時代へ
5.金融市場の希望と絶望 6.非常事態の金融環境へ 7.グローバル金融危機の到来
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日銀は2001年3月に無担保コールレートから日銀当座預金残高に操作目標を変更することで、量的緩和政策を導入した。この際に日銀は長めに使える資金の供給を実施することにし、国債買い切りの額を4千億円から増額することにした。しかし、これは歯止めがなければ擬似的な日銀による国債引き受けともなりうるために「日銀券の発行残高」というキャップをつけた。
2001年8月14日に日本銀行当座預金残高を5兆円程度から6兆円程度に増額した際に、月4千億円ペースで行ってきた長期国債の買入を月6千億円に増額した。9月14日には残高目標を6兆円を「上回る」としたがこの際には国債買入は変更なし。12月19日には当座預金残高を10〜15兆円程度とし、国債買入も月8千億円に増額した。
2002年2月28日に、「年度末に向けて金融市場の安定確保に万全を期すため」との理由から、残高目標は変更せずに長期国債の買入を月1兆円に増額した。10月30日には当座預金残高を15〜20兆円程度とし、国債の買入を月1兆2千億円に増額した。
総裁が福井氏に代わった2003年3月25日の決定会合からは、当座預金残高目標は引き上げられたが国債買入については変更されなかった。
4月1日以後は日本郵政公社の発足に伴い、日本銀行当座預金残高が17〜22兆円程度となるよう金融市場調節を行うとし、4月30日も当座預金残高目標を22〜27兆円程度に引き上げた。5月20日には27〜30兆円程度し、10月10日には27〜32兆円程度に引き上げた。2004年1月20日には当座預金残高目標を30〜35兆円程度としたが、国債買入の変更はなく、これ以降、残高目標の引き上げも見送られた。
2006年3月9日の金融政策決定会合で、日本銀行は量的緩和政策を解除し、2006年7月14日の金融政策決定会合においてゼロ金利政策も解除した。2007年2月21日には追加利上げが決定され、無担保コール翌日物の誘導目標値は0.25%から0.5%に引き上げられた。
2008年4月に日銀総裁が白川氏に代わったが、9月のリーマン・ショック後の金融危機に対処するため、米欧はじめ新興国も含めて、各国中央銀行は金融緩和策を進め、日銀も10月31日に政策金利である無担保コール翌日物金利を0.5%から0.3%に引き下げた。
さらに12月19日に日銀は金融政策決定会合において、無担保コール翌日物金利誘導目標値を0.2%引き下げ0.1%に引き下げ、長期国債買入を現行の毎月1.2兆円から1.4兆円に2000億円増額することも決定されたのである。
日銀の白川方明総裁は3月12日の参院予算委員会で、長期国債買い入れについての質問に対し、「金融調節の必要性から離れて、財政ファイナンスを目的として長期国債を買い入れると長期金利に悪影響を与える」と指摘していた。そして「買い入れ額は必要性や先行きの日銀の資産、負債の状況を踏まえて決定している」とも説明していた。
3月14日の日経新聞の一面には「国債買い取り増額へ」との記事があった。日銀は長期国債の買い取りを増額する方向で検討に入り、17日から18日にかけて開催される金融政策決定会合で議論されるという。
日銀は12月の会合で、長期国債の買い取り額をそれまでの毎月1兆2千億円から1兆4千億円に拡大した。それをさらに1千億円から2千億円増加する方向で議論するとか。 日銀は銀行券の発行残高を長期国債の保有上限としているが、日銀券の発行残高は2009年2月末(日本銀行勘定より)で76兆9222億円に対し、保有長期国債は43兆6067億円と、差し引きで33兆3155億円の買い入れ余力がある。
すでに政策金利は0.1%まで引き下げられ、これ以上引き下げることは難しい。もちろんゼロ金利やマイナス金利にするという方法もないとは言えないが、白川日銀は金利をこれ以上引き下げることは現時点では考えていないとみられ、今後の政策については金利以外での手段を講じてくると予想される。
16日の日経新聞では日銀が銀行の資本増強を後押しするため、劣後ローンなどを引き受ける新たな金融危機対策を検討していると伝えているが、これは金融政策ではなくプルーデンス政策と呼ばれる金融システムの健全性や安定性を維持するための政策であるため、金融政策決定会合ではなく通常の政策委員会で議論されるものである。
今後の決定会合で議論されるものとしては、国債の買い取り増額が有力とみられていたが、今年度の税収不足や来年度補正予算の編成などによる国債増発も予想されることで、長期金利は国債需給悪化により上昇してくる可能性もある。国債増発額がある程度はっきりしてから、日銀は国債買い取りの増額に動くのではないかと予想していた。
しかし、これにタイミングを合わせると白川総裁の言うところの財政ファイナンスを目的として長期国債を買い入れるかたちになってしまうことも確かである。このため、やや苦しい部分はあるが、長期金利に働きかけることを目的とせずに、あくまで金融調節の必要性という名目により、今回の決定会合で議論される可能性もありそうである。
16日の日経新聞が伝えたところによると、日銀が銀行の資本増強を後押しするため、劣後ローンなどを引き受ける新たな金融危機対策を検討しているそうである。すでに日銀は行内で銀行の資本支援策の取りまとめを始めており、月内にも新制度の詳細をまとめ通常の政策委員会に諮られるとみられる。
ただし、中央銀行が民間金融機関の資本の一部を引き受けるのは極めて異例となり、劣後ローンなどの引き受けの実現にあたっては損失リスクを回避するため、政府保証を付けることも必要となるとみられる。政府の金融安定化策を補完するかたちともなることで、政府側もこの日銀の動きについては歓迎するのではないかと思われる。
12日の外為市場では、スイス国立銀行が追加緩和と合わせ、外貨介入を実施すると発表したことがサプライズとなった。12日にスイスの中央銀行であるスイス国立銀行は政策金利の誘導目標上限の0.25%の切り下げを行なった。これは市場予想通りだが、その後の声明文で、今後3年間に物価がマイナスになるリスクがあるとし、その上で、スイスフランがユーロに対し一段と上昇するのを防ぐため、追加利下げに踏み切ったと表明。デフレリスクを認めそれに対応するため為替政策、つまり為替介入に踏み切る方針を明らかにした。これを受けて、スイスフランは対ユーロ、対ドルともに一時昨年12月以来の安値をつけたが、そして、これに連想されたのが日本の財務省による円売り介入の実施だとか。過去の日本の為替介入も思い起こされたのか、このため12日の日本時間の昼頃に一時96円を割り込んでいたドル円は、昨日のニューヨーク外為市場では、一時98円50銭近辺まで円安ドル高が進行した。
WSJは、イングランド銀行の国債買い入れの成功に触発され、FRBも米国債買い入れに向けて踏み込んだ協議を行う可能性があると伝えた。イングランド銀行は、量的緩和策として英国債を買い入れる方針を発表し、それを受けて10年物の英国債利回りは3.6%前後から3.1%前後に低下し、11日には、一時、約7年ぶりに英国10年物の利回りがドイツ連邦債10年物の利回りを下回った。バーナンキ議長は昨年12月1日の講演で長期国債を買い取る可能性を示唆したものの、実際にはバーナンキFRB議長はあまり国債買入については積極的ではないとも見られているだけに、今後FRBが国債買入に踏み込むかどうかは引き続き不透明とみられる。
私の10冊目となる本が、3月19日に発売予定です。本のタイトルは「金融のことがスラスラわかる本」(秀和システム)、1365円(税込み)です。内容は、金融のことを歴史から探る本で、世界の金融の歴史と日本の金融の歴史を時代とともに探って行きます。
お金を融通し合う「金融」というシステムは、歴史とともに進化してきており、その進化の過程で「恐慌」が何度も繰り返されてきました。
人は歴史に学ぶ必要はあるものの、似たような恐慌は繰り返されており、それを防ぐことはできないと言うのが過去の歴史からわかります。金融そのものの進化により、金融を取り巻く環境に変化があることや、恐慌を招く要因ともなる投機の動きなどはそれが起きている際にはブレーキをかけることがたいへん難しいということも防げない理由かと思います。
その恐慌による危機をどう乗り切ったら良いのかは、過去の歴史に学ぶことは重要です2007年からの金融危機に際しても、日本のバブル崩壊後の状況などを各国の政策担当者はかなり研究を進めてきました。それでも的確な処方箋を見出し、それを実行に移すことは並々ならぬ努力も必要とされます。
ただし、この本は過去の金融の歴史から金融危機の処方箋を見出そうということが目的の本ではありません。金融は私たちにとり大変身近なものであり、金融危機により経済への影響も大きく、私たちの生活に大きく関わっているにも関わらず、金融そのものの知識はまだそれほど広まっていないことも確かなのです。
世界の金融史だけでなく同時代の日本の金融史も並列して書いており、日本人にとってより身近に金融を感じられるように書き進めました。この本により金融の世界のことを少しでも多くの方に知っていただければ幸いです。(「はじめに」より)
3月10日の日経新聞によると、財務省は需要が低迷し現在新規の発行を停止している物価連動国債に対し、その商品性を見直す検討に入ったと伝えている。物価が下落しても元本を保証する制度を2009年度にも導入する見込みとのこと。
これまでの物価連動国債は、元金額が物価の動向に連動して増減する。つまり、償還額は償還時点での想定元金額となり、表面利率は一定だが、利子の額は利払時の想定元金額に対して表面利率を掛け算したものとなるため、物価上昇により想定元金額が増加すれば利子の額も増加するといった仕組みになっている。
2004年3月から日本でも発行された物価連動国債の購入者は、主にヘッジファンドなどの海外投資家となっていた。国内投資家が物価連動国債の購入に慎重になっていたのは、そもそも国内投資家がインフレに連動する負債を持っていないことに加え、元本が保証されていないことにより、より満期保有ができないという商品性によるところが大きいかった。
ところが、海外投資家がサブプライム問題などによる金融市場の混乱により、保有していた物価連動国債を売却したことにより価格が急落し、買い手が不在となったことで流動性そのものが欠如する状況となり、財務省は2008年9月以降、物価連動国債の新規発行を凍結するという事態となったのである。
物価連動国債は欧米などでは広く普及している。アメリカやドイツ、フランスでは価格下落時に元本を保証する「フロア」の設定といった元本保証を導入していることで、市場参加者からは元本保証など商品性を変更した上での発行再開を望む声も強い。
ただし、国内投資家に潜在的なニーズがなければ、これまで同様に海外投資家主体の保有となりかねない。さらに今後の日本におけるデフレ観測も強く、インフレヘッジのための商品に対するニーズそのものも強まるかどうかは不透明とみられる。
財務省は、将来、個人向けの物価連動国債発行も視野に入れているようである。しかし、日本の個人投資家は、さほどインフレリスクを意識しての資金シフトはあまり行なってきていない。さらに債券投資において、個人向け国債の10年変動タイプの売れ行きなどを見ても、個人は変動利付を嫌う傾向にあるように思われる。個人への物価連動国債の普及も、そのメリットが強く認識されない限りは現実としてはかなり難しいのではないかと思われる。
3月10日の日経新聞によると、財務省は需要が低迷し現在新規の発行を停止している物価連動国債に対し、その商品性を見直す検討に入ったと伝えている。物価が下落しても元本を保証する制度を2009年度にも導入する見込みとのこと。
これまでの物価連動国債は、元金額が物価の動向に連動して増減する。つまり、償還額は償還時点での想定元金額となり、表面利率は一定だが、利子の額は利払時の想定元金額に対して表面利率を掛け算したものとなるため、物価上昇により想定元金額が増加すれば利子の額も増加するといった仕組みになっている。
2004年3月から日本でも発行された物価連動国債の購入者は、主にヘッジファンドなどの海外投資家となっていた。国内投資家が物価連動国債の購入に慎重になっていたのは、そもそも国内投資家がインフレに連動する負債を持っていないことに加え、元本が保証されていないことにより、より満期保有ができないという商品性にとところが大きいかった。
ところが、海外投資家がサブプライム問題などによる金融市場の混乱により、保有していた物価連動国債を売却したことにより、価格が急落し、買い手が不在となったことで流動性そのものが欠如する状況となり、財務省は2008年9月以降、物価連動国債の新規発行を凍結するという事態となったのである。
物価連動国債は欧米などでは広く普及している。アメリカやドイツ、フランスでは価格下落時に元本を保証する「フロア」の設定といった元本保証を導入していることで、市場参加者からは元本保証など商品性を変更した上での発行再開を望む声も強い。
ただし、国内投資家に潜在的なニーズがなければ、これまで同様に海外投資家主体の保有となりかねない。さらに今後の日本におけるデフレ観測も強く、インフレヘッジのための商品に対するニーズそのものも強まるかどうかは不透明とみられる。
財務省は、将来、個人向けの物価連動国債発行も視野に入れているようである。しかし、日本の個人投資家はそれほどインフレリスクを意識しての資金シフトはあまり行なってきていないように思われる。さらに債券投資において個人は変動利付に対して、個人向け国債の10年変動タイプの売れ行きなどを見ても嫌う傾向にあるように思われる。個人への物価連動国債の普及も、そりメリットが強く認識されない限りは現実としてはかなり難しいのではないかと思われる。
毎日新聞は、政府は昨年末に税収見通しを7兆円余り下方修正したが、法人税を中心に最終的な税収不足が兆円単位に膨らむおそれがあると伝えている。リーマンショックにより、さらに景気の急速な落ち込みが続いており、国の2008年度税収が見積もりを下回る可能性が強まっている。政府は今年度当初予算で一般会計税収を約53.6兆円と見積もっていてたが、すでに昨年末の2次補正予算で約46.4兆円に減額した。しかし、その後の景気の急速な落ち込みにより、昨年12月と今年1月分の法人税収は前年水準の約7割に落ち込んでいる。2008年度税収が判明するのは5月から6月頃となるが、2次補正予算の見通しを兆円単位で下回る可能性がある。政府与党は25兆円規模の追加経済対策を検討しているが、これに税収不足も加わると数兆円単位での国債の増発の可能性もありうる。
日本経済新聞の生活経済部の次長をされている田村正之氏より新刊を送っていただいた。題名は「世界金融危機でわかった しぶとい分散投資術」(日本経済新聞出版社、1545円)
内容は個人投資家に向けて、今回の金融危機の経験も踏まえて、じっくり構えた投資の方法をわかりやすく説明されている。特に長期の分散投資が効果的であることを実例を示しながら解説している。また、今回の危機で大きな痛手を受けた株式や外貨資産、REITなどについて、何故これほどまでに価格が下落したのか、その要因の解説とともに、今後、これらを購入する際の注意点や上手な投資の手法などについて解説している。特に一般投資家の方にお勧めの一冊と言える。読み物としても面白く、金融関係者にもお勧めである。
財務省が発表した2008年10〜12月期の法人企業統計調査によると、金融・保険業をのぞく全産業(金融持ち株会社は含む)の設備投資額は、10兆7692億円となり前年同期17.3%のマイナスとなった。記録が残る1955年4〜6月期以降、過去最大の落ち込み幅となった。内訳は製造業が前年同期比11.3%のマイナスに。情報通信機械、食料品、輸送用機械などの落ち込みが目立った。非製造業分野の設備投資は同21.0%の減となった。こちらはサービス業、卸売・小売業、運輸業などが減少した。ソフトウェア投資額を除いた設備投資額は9兆9954億円と18.1%の減少となった。
4日に初めて実施された日銀による社債の買取は、449億円分に止まり、日銀が予定していた買い取り枠の1500億円分の約3分の1となり、低調な結果となった。買い取り対象が、格付がA格相当以上のものと高格付けで、償還までの残存期間1年以内の社債に限ったが、この条件の社債は市場ニーズもあることで、金融機関も売却したい銘柄も少なかったとみられる。買取の条件に変化がない限りは、今後も買取額には限度があるとみられる。
ダーリング英財務相は、イングランド銀行による量的緩和措置を2月5日に承認する見通しと関係筋が明らかにしたとロイターが報じた。ただし、実行の是非や時期は中銀の裁量に任せる模様。
イングランド銀行のキング総裁は、ダーリング財務相に文書で量的緩和政策の承認を要請しており、ダーリング財務相はデーリー・テレグラフ紙でのインタビューの中で、イングランド銀行が3月中に新たな資金で資産買い取りを開始する可能性を示していた。
イングランド銀行はすでに広義の量的緩和の枠組みとして、CP、社債、国債を買い入れる制度を導入しているが、量的緩和措置をダーリング財務相が承認すれば、イングランド銀行はこの制度の原資として英国債を銀行に売却する必要がなくなる(以上、ロイターより)。
早ければ3月4日から5日のMPCで利下げとともに、量的緩和措置が実行される可能性がある。
明日、3月4日に日銀による社債の買取がスタートする。もう一度概要を整理してみたい(日銀HPの「社債買入れの概要」より http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc09/un0902c.pdf)。
買入対象は、担保適格社債のうち格付がA格相当以上のものであって、買入日の属する月の月末日において残存期間が1年以内であるもの。明日の買い入れ対象は3月31日において残存期間が1年以内りものとなる。
買入対象先は、日銀本店管下の共通担保オペ先(本店オペ先および全店オペ先のうち本店管下先)のうち希望する先となる。
買入方式は、コンベンショナル方式による入札。下限利回りを設け当該利回りからの利回り較差(ゼロ以上)を入札する。下限利回りは、残存期間6か月以内が無担保コールレートの誘導目標+40bps、残存期間6か月超が無担保コールレートの誘導目標+60bpsとなる(下限利回りは状況に応じて変更がありうる)。
買入総額の残高上限は1兆円、発行体別の買入残高の上限は500億円。ただし、買入残高が、20年7月から21年1月の各月末の発行残高のうち最大の残高の25%を超えた発行体については、償還により買入残高が当該金額を下回るまで、買入れ対象から除外。
買入実施の期限は2009年9月30日までとする
1回当りのオファー額は1500億円とする予定。
オファー日程は、第1回が3 月4日、第2回が4月6日、第3回が5 月11日。第4回以降のオファー日程等は先行き改めて公表の予定。
明日の買入については、オリックス発行の社債などが持ち込まれ、銘柄が集中するために札割れとなる可能性も高いとみられている。
2月16日に発表された2008年10〜12月期GDP一次速報値は、前期比マイナス3.3%、年率でマイナス12.7%となった。1974年1〜3月期のマイナス13.1%を下回ることはなかったものの、それ以来のマイナス幅となった。
寄与度は内需マイナス0.3%、外需マイナス3.0%となり、外需のGDP押し下げ寄与度は過去最大となった。リーマン・ショックなどによる金融危機の影響で世界的に経済が後退し、実質輸出が前期比マイナス13.9%と過去最大の落ち込みとなった。品目別では自動車、半導体等電子部品、建設機械などの落ち込みが目立った。
25日に発表された1月の貿易統計では輸出額は前年同月比45.7%減となり、貿易赤字額は9526億円と過去最大の赤字幅となった。
27日発表された1月の鉱工業生産速報値は、前月比10.0%低下の76.0となり、これまで最大だった2008年12月のマイナス9.8%を超え、初めての前月比二桁のマイナスとなった。製造工業生産予測調査では、2月が前月比-8.3%、3月は同+2.8%の予測となった。2月、3月の生産予測が実現すれば、1−3月期は前期比-22.4%になるとの経済産業省からのコメントも伝わった。
これらにより、1〜3月期GDPについても前期比二桁のマイナスとなる可能性が強まったといえる。27日に発表された米国の2008年10〜12月期GDP改定値は、前期比年率マイナス6.2%と速報の3.8%減から大幅な落ち込みとなり、市場予想も下回ったものの、それでも日本のように二桁減ということはなく、日本経済の外需依存度の高さの影響がうかがえる。しかし、製造工業生産予測調査で3月は前月比プラスが予想されるなど、いったん1〜3月期が底となり、4〜6月期についてはやや持ち直すのではないかとも見られている。ただし、これで完全に底入れすることも考えづらい。
1月の全国の消費者物価指数(除く生鮮)は100.5となり前年同月と同水準となった。前年同月比で上昇しなかったのは、2007年9月以来となる。石油製品の値下がりや、景気悪化による販売不振による電化製品などの値下げが影響した。デフレ懸念がやや強まりつつある。
26日にオバマ米大統領が発表した予算教書では、2009年度の財政赤字は史上最大の1兆7520億ドル(約171兆円)となり、2010年度も1兆ドル超の赤字となる見込みとなった。米国債券市場では今後の国債増発懸念も強く、需給悪化懸念により10年債利回りは2月末に3%台に上昇した。
日本でも、政府与党は来年度補正予算を編成し、2008年10〜12月期の需給ギャップの不足分20兆円規模を意識してか、20〜30兆円大規模な追加経済対策を実施する方向で検討していると報じられている。また、トヨタやパナソニック、ソニーといった大手企業を含め2008年度の企業決算は軒並み大幅な赤字が予想されるなど、法人税収入など税収がさらに落ち込むことも考えられる。
ファンダメンタルズからは債券相場にはプラス材料が多いものの、引き続国債への需給懸念が債券市場の上値を抑えそうである。3月末決算を睨んでの銀行などによる株安に伴う債券の益出し売りが引き続き入ることも考えられ、これも現物の中長期ゾーンの上値を重くさせよう。ただし、投資家の押し目買い意欲も強いとみられ、10年債利回りでの1.3%台では買いが入りやすい。このため利回りの上昇にも限度があり、結局は10年債利回りで1.25%から1.35%、債券先物で138円から140円の間での動きが今年に入り続いている。このレンジ内での方向感に乏しい展開が3月も予想される。
平成21年2月分 平成21年1月分 平成20年12月分 平成20年11月分 平成20年10月分 平成20年9月分 平成20年8月分 平成20年7月分 平成20年6月分 平成20年5月分 平成20年4月分 平成20年3月分 平成20年2月分 平成20年1月分 平成19年12月分 平成19年11月分 平成19年10月分 平成19年9月分 平成19年8月分 平成19年7月分 平成19年6月分 平成19年5月分 平成19年4月分 平成19年3月分 平成19年2月分 平成19年1月分 平成18年12月分 平成18年11月分 平成18年10月分 平成18年9月分 平成18年8月分 平成18年7月分 平成18年6月分 平成18年5月分 平成18年4月分 平成18年3月分 平成18年2月分 平成18年1月分 平成17年12月分 平成17年11月分 平成17年10月分 平成17年9月分 平成17年8月分 平成17年7月分 平成17年6月分 平成17年5月分 平成17年4月分 平成17年3月分 平成17年2月分 平成17年1月分 平成16年12月分 平成16年11月分 平成16年10月分 平成16年9月分 平成16年8月分 平成16年7月分 平成16年6月分 平成16年5月分 平成16年4月分 平成16年3月分 平成16年2月分 平成16年1月分 平成15年12月分 平成15年11月分 平成15年10月分 平成15年9月分 平成15年8月分 平成15年7月分 平成15年6月分 平成15年5月分 平成15年4月分 平成15年3月分 平成15年2月分 平成15年1月分 平成14年12月分 平成14年11月分 平成14年10月分 平成14年9月分 平成14年8月分 平成14年7月分 平成14年6月分 平成14年5月分 平成14年4月分 平成14年3月分 平成14年2月分 平成14年1月分 平成13年12月分 平成13年11月分 平成13年10月分 平成13年9月分 平成13年8月分 平成13年7月分 平成13年6月分 平成13年5月分 平成13年4月分 平成13年3月分 平成13年2月分 平成13年1月分 平成12年12月分 平成12年11月分 平成12年10月分 平成12年9月分 平成12年8月分 平成12年7月分 平成12年6月分 平成12年5月分 平成12年4月分 平成12年3月分 平成12年2月分 平成12年1月分 平成11年12月分 平成11年11月分 平成11年10月分 平成11年9月分 平成11年8月分 平成11年7月分 平成11年6月分 平成11年5月分 平成11年4月分 平成11年3月分 平成11年2月分 平成11年1月分 平成10年12月分 平成10年11月分 平成10年10月分 平成10年9月分 平成10年8月分 平成10年7月分 平成10年6月分 平成10年5月分 平成10年4月分 平成10年3月分 平成10年2月分(その2) 平成10年2月分(その1) 平成10年1月分(その2) 平成10年1月分(その1) 平成9年12月分 平成9年11月分 平成9年10月分 平成9年9月分 平成9年8月分