「若き知」
99.6.28「生物探検隊」
長女が学校で「いきもの探検隊」というのをするので、グループ毎に決められた虫を捕ってくるように言われたとか。長女の班の担当は「蝶」。日曜日は雨の予報だったために、土曜日に取ることにした。上の二人はそれぞれ虫取り網を持ち、それに虫かごを三女に持たせ出発。近くの畑に行ったが、シジミ蝶を三羽捕まえただけ。大物はいなかった。しかたなく家に戻ろうとすると、次女が「いた!」と叫んで、走り出した。どこだ!と怒鳴ると「おうち!」。えっ?、なんと家の庭に、アゲハチョウが二匹いたのである。灯台もと暗し。なんとか一羽をゲット。すると今度は紋白蝶が。こちらは子供達が捕まえた。なんてことはない。庭でじっと待っていればよかったのである。とにかく、三種類の蝶を捕まえられて、長女は満足のようである。しかし、短時間のうちに捕まえられるとは、やはりここは田舎なのであろうか。クワガタやカブトムシを捕まえる班もあるとか。さすがに難しいとは思うが、我が家にはすでに、コクワがいる。他に沢ガニが三匹と金魚が三匹いる。世話が結構たいへんなのである。それでなくても娘も三人いるし・・・。
99.6.25「ダブルインパクトの懸念」
先週の10年国債の入札では、中央の投資家の買いはほとんど見られなかった。地方の投資家がかなり購入したと見られているものの、今回は都銀の一角の大量落札がなければかなりシビアーな結果となっていたとも思われる。セカンダリーでは一部投資家の買いも入ったと思われるが、相場を下支えしているとも思われ、肝心の中央の投資家は大手生保が多少買った以外は今回も購入を見送ったものと思われる。7月以降も10年債は当初予定の1兆8千億円から1兆4千億円に減額した。その分、1年TBや2年中期国債に振り分けられた。にも関わらず、10年債への積極応札の動きは見られない。4〜6月のGDPの発表後、投資家は景気回復シナリオも選択肢として置きつつあると思われる。このため長期ゾーンの投資は嫌気され、また割高となっていた中期ゾーンにも売りが入ってきている。ここに来ての中期ゾーンの金利上昇は、政府・大蔵省にとっても頭の痛いところでもあると思われる。なんといっても、今後の増発に対しての切り札は5年国債なのである。今後は、景気回復と二次補正というダブルインパクトを市場は恐れてきている。「良い金利上昇」と「悪い金利上昇」のミックスである。大蔵省や日銀は、景気回復を持続させるために為替市場で円売りドル買い介入を実施している。となると、当然ながら長期金利上昇に対しても何らかの抑制策を採ってきているとも思われる。しかし、それにも限度がある。事実、先週末は長期ゾーンに買いが入っても、しっかり叩かれ直近の安値を更新した。大蔵省としても発行予定の発表等矢継ぎ早に策を出しているが、どうしても小手先となってしまい、根本策とはなりえない。そうなると自然と浮かび上がってくるのが、日銀引受である。22日の日銀総裁講演では、「日銀はすでに十分な量的緩和を行っている」「金融緩和の量的ターゲットは、かえって危険なことがある」「長期金利抑制のための国債引受・買入増額は、断固応じられない」「買入オペ増額も、つきつめれば国債引受と同じ」と速水総裁は発言され、実際に量的緩和は実施されていること。ただし、量的緩和という目的の名の下に国債引受や買入増額は断固応じられないむね改めて宣言した。私も日銀引受は断固反対である。それはともかく、この頑なに拒否している態度をみてか、先週には日銀総裁の辞任説まで出るありさま。今後はこの債券相場に対するダブルインパクトにより、ますます日銀引受を期待する声も強まる可能性もある。
99.6.24「カネを出すなら知恵も出せ」
23日の日経新聞に日経主催の景気討論会の記事が載っていた。エコノミストの方々の討論であるが、気になったのは、各人ともに公共投資中心の追加財政政策を望んでいたことである。「公共事業が下期に息切れするのを防ぐには、今すぐにでも補正予算を組む必要がある」「公共投資は情報化関連中心に真水で5兆円以上、速やかに実施すべきだ」「失業を吸収するには6〜8兆円の追加の公共投資が必要だ」。ここまでエコノミストの方の意見が一致するというのはおもしろい。ここでエコノミスト批判をするわけではないが、彼らの意見が一致を見るとき、実際はまったく違う状況になるというケースがままある。先日のGDPの例を持ち出すまでもなく、彼らの予測は絶対ではない。それよりも、本当にそのような大型補正が必要なのであろうか。景気の見通しについて楽観視はできないが、これまでの財政政策に加え日銀によるゼロ金利政策でここにきて底入れの兆しは見えてきた。確かにさらなる梃子入れも必要となるかもしれないが、例えそうなったとしても、なぜそれがまた公共投資でなければいけないのか。サミットで賞賛されたという雇用対策もわずかに5000億円の補正でしかない。にもかかわらず景気落ち込みに備えて、数兆円のカネを建設会社中心にばらまくというのは、どうも腑に落ちない。「情報関連中心に」と言われても、では情報関連の何に数兆円使えばよいのか。すべての家庭にパソコンを支給して無料でインターネットを使用できるようでもしてくれるのであろうか。これだけでも、道路や高級でピックな公共の建物を造るよりは、よほど景気にインパクトがあると思うのだが(6〜8兆円あれば、例えば子供のいる全世帯数に10万円程度のパソコン支給ぐらいできると思うが)。エコノミストも政治家も真水いくらとかの数字の遊びをするよりも(本当にデフレギャップは公的資金で埋めなければならないのですか?)、景気回復に直結しうる対策を真剣に考えていただけまいか。過去に事例がないとか、それがGDPに及ぼす程度を計算できないとか、なんて言い訳はまさかされないかと思うが。時代は急速に変化しているのである。何に投資すればよいのか。ここはひとつソフトバンクの孫さんにでも、聞いてみてもいいかもしれない。
99.6.23「藪そば」
昼休みに始めて神田の「藪そば」に入った。実は予備校生時代はお茶の水に通っていたので、ときおりこの「藪そば」の近くを通っていた。老舗で有名な店なので、入ってみたいけど学生なんか入るところじゃないんだろうなと、これまでは入ったことはなかった。たまたま、同業の方のところへおじゃましたついでに案内してもらったのである。店に入り実際、学生の姿はお客のなかにはいなかった。どちらかというと年輩が方が多く、11時半に開店してまもなく店は一杯になってしまった。なんと、ちゃんと待合室まで用意されている、さすがである。定員さんが注文を取って、レジ近くのおかみさんにその注文のメモを渡す。すると、その女将さんが節をつけて、厨房に連絡するのである。その節回しが何とも言えず、老舗らしい伝統を感じさせる。盛りを二枚頼んだのだが、さすがにおいしいそばであった。つゆも意外に濃くてこれもうまい。量こそ少なかったが、しっかり味わっていただいた。そば湯もおいしい。これだけのお客が入るはずである。やはりたまにはこういう老舗の味というものを味わってみることも必要かと思う。私は残念ながら舌はこえてないが、さすがにおいしいものはわかるような気がする。
99.6.22「今年の夏は暑いぞ!」
去年の夏は散々。気温は低く土日には雨が降り、海どころかプールにも行けませんでした。夏休みも那須高原に行ったのですが、これも雨にたたられてしまいました。今年はどうやら長期予報によると暑い夏になるようです。ここにきて梅雨も本格化し、その分、梅雨明け後には期待したいところです。家の近くでは、すでにクワガタムシも出てきたとか。どうやら本格的な夏到来もまもなくとなりそうです。あじさいもだいぶいい色になってきました。鎌倉のあじさい寺も多くの観光客で賑わっているのでしょうね。なんとか1999年7の月を乗り切って、今年の夏をエンジョイしましょう。夏休みといえば、なんといっても海ですよね。私が生まれ育ったのは神奈川県の横須賀と横浜。夏休みには、京浜急行で逗子や三浦海岸に連れていってもらいました。当時はエレキブームの初期のころでしょうか。ワイルドワンズのような(?)グループが海岸のステージで歌っていたとか。当時ですから、若大将もいたかもしれません。今でもグループサウンズや加山雄三の曲を良く聞くのも、こういったことが潜在意識の中に組み込まれていたのが原因かもしれません。でも、海・若大将・エレキ・・・歳がばれる。サザンやチューブも海&夏のグループですが、これも古くなりつつありますね。今、夏といったらどんな歌がイメージされるのでしょうか。
99.6.21「缶けり」
昨日、「こち亀」(注、こちら亀有公園前派出所というデレビアニメ)を見ていたら「缶けり」がテーマであった。昭和30年代生まれの人間にとって小学生時代に経験した遊びのひとつであるはず。果たして日本全国に広まっていたかはわからないが私もかなり熱中した。円を書いて缶をおき、それをけ飛ばして鬼が取りに行くことでゲームが開始される。鬼は全員を見つければ勝ち。鬼は隠れているメンバーを見つけると缶のところに戻り、缶を踏む。その間にその見つけられた人間か、さもなくばまだ見つかっていない人間が缶を鬼より先に蹴れば捕まっていた全員が逃げられるのである。とにかく鬼は悲惨である。人一倍仕事をしなければいけない。なんといっても多対一なのである。それでも結構遊んでいたのは、全部を捕まえた時の鬼の快感というのが忘れならないためであろうか。当時はポピュラーなかくれんぼや鬼ごっこに加え、缶けり、陣取り、泥棒巡査などという遊びがあったような気がする。今の子供達は知っているのであろうか。それより、今度「牛熊友の会」缶けり大会でも催します?。
99.6.18「今後の債券相場のシナリオ?」
平成11年7月から9月における国債の入札予定日(大蔵省)が発表された。また発行額にも若干の変動があったことも前述の通りである。運用部の買い切りも当面続けられる見通しである。短期の発行を厚めにして長期の増額を抑えている。10月以降は補正予算の動向をみながら5年国債を発行しその発行額で調整するものと思われる。とにかく大量発行はまだまだ続く。問題なのは1〜3月期のGDPの発表後の地合の変化である。地合というか市場参加者のマインドにやや変化が生じてきている。これまでは、とうてい景気の回復見通しなどまったくたたず、大型補正の思惑から債券は急落する場面もあったが、需給ではトレンドは変化しない。実際、日銀は「ゼロ金利政策」を維持し余剰資金は結局、安全な国債などに向かわざるをえず長期金利の上昇も限られたものとなっていたのも確かである。しかし、万が一(?)景気が回復してくるとなると、負の歯車が回りだし予想外の債券急落も想定される。日銀が仮にゼロ金利政策を変更し(短期金利上昇)、また企業の借り入れ等が増加し(運用が債券一辺倒でなくなる)、株価が上昇し(アロケーションの変更)、物価が上昇(金利上昇)等の懸念が出た場合には、これまでのような国債の大量発行の受け皿自体が大きく縮小する懸念が生じる。市場はそういったリスクを少しづつ感じとってきているようである。7月5日の短観次第では日銀の政策に若干の変化が生じることも考えられる。また、4〜6月期の景気についても政治家中心に強きの発言もみられている。もちろん、4〜6月の数値については1〜3月の反動も十分に考えられるため予断を許さないが。しかし万が一ということも考えておかなければならない。アジア経済も回復の兆しが見えだしており悲観的すぎる見方も危険ではある。投資家もデュレーションをなるべく短くしていると思われ、特に超長期国債などを外す動きが先週も強かった。また、ここ2カ月ぐらいの長期国債入札に関しても予想外に投資家のニーズは少なかったとも思われる。今週22日の長期国債入札に関しても業者中心の応札となりそうである。ただし利率の引き上げが予想されるため、前回よりはニーズが出ているとの見方もなくはない。この長期国債の入札をなんとかこなしたとしても7月1日の20年国債の入札はさすがにシビアーなものとなりそうである。景況感のかすかながらの改善が果たして本格回復の兆しとなっているのかは現状ではわからない。しかし、市場参加者がそのリスクに対して敏感になりつつあるのも確かである。まさかないとは思うが、景気回復の兆しが少しずつ強まり、総選挙等を睨んで、だめ押しの大型補正とかが仮に組まれるようなことがあると最悪のシナリオとなる。ただし、政府自民党や大蔵省、日銀など長期金利の上昇に対してはかなり敏感になっている。GDP発表と当時に円売りドル買い介入するなど、だいぶ市場の動向を先読みしての政策もここのところ見えてきた。果たして長期金利上昇抑制のためにどのような手段で対処してくるのであろうか。
99.6.16「メダカ」
メダカが絶滅の危機に瀕しているという。以前はいたるところにいたメダカも確かに最近見なくなった。というより、大人になると目先の仕事や人間関係ばかりに気を取られ、自然なんかに目を向ける余裕すらなくなっているので気が付きもしなかったと言うのが正しいのか。私も子供のころよくザリガニ釣りやオタマジャクシ、カエル、そしてメダカなどを取りに小川に行った。横須賀、横浜ですら自然は残っており、こういった生き物はあちこちにいたのである。そんな話をすると、先日の土曜日に我が家の三人娘も「ザリガニ」を釣りたいと言ってきた。ならばと家にあったシノにタコ糸をつけ、餌の「さきいか」をセブンイレブンで買ってきて先に結んで、簡単な釣り竿を三本製作した。果たして、ザリガニはいるのであろうか。車でちょいと走るとそこは田んぼである。なにせ環境だけはいいところに住んでいる。そして田んぼの間に小川を発見。良く見ると、いるいる、ザリガニ。さっそく釣り糸を垂らす。最初はザリガニも警戒している。しかし、そのうち臭いにつられてか、警戒しながら近寄ってくる。よしっとばかり竿を上げると残念ながらポトン。それを繰り返しているうちに、なんとか掛かるようになる。最初の一匹目は私。おやじの威厳は保たれた。そのうち子供達もつれるようになる。こわごわバケツに放り込む。あれよあれよと20匹以上かかるようになった。その日は釣ったザリガニは全部リリースして帰宅した。我が家にはすでに、沢ガニが3匹、金魚が3匹いる。これ以上は飼えない。そして翌日曜日にも、子供達は味をしめたのかザリガニ釣りに行くと騒ぎ出す。釣りとはこれほど魅力的なものなのであろうか。日曜日は家人も同行。竿も4本作った。子供達は慣れたもので、ほいほいと釣りだした。我々大人はボーと川面を眺めていると、何かいた。魚?、でも小さい。まさか、良く見て見ろ。むこにいる、やはり、そうだ、メダカだ。しかも生まれたばかりの。いたのである。実際、捕まえてみると間違いなくメダカであった。うむ、やはりすごいところに住んでいたということか。しかし、この田んぼももうすぐヘリコプターで農薬が散布される。果たして生き残れるかどうか。子供達にも見せて、ザリガニともども逃がした。とにかくまだメダカはいたのである。
99.6.14「牛熊友の会」
6月11日(金)に屋形船にて「牛熊友の会」を開催させていただきました。最終的には55名の方にお集まりいただきました。おかげさまで盛大な会となったこと参加いただいた皆様に感謝いたします。何故か天気も良く(最近私は雨男?)お台場の夜景も昨年同様にたいへん綺麗でした。料理も揚げたてのアナゴの天ぷらや深川めしなど最高でした。今回もいきあたりばったりの議事進行で、みなさんに楽しんでいただけたかどうか不安でしたが、いただいたメールなどからは予想以上に喜んでいただけたようでした。会の席上でも大和SBCMチーフストラテジストの佐野一彦さんからご紹介いただきましたように、ついに「牛熊友の会」が全国紙に紹介されました。昨日の「マンデー日経」(今日が休刊日のため)の裏面に、会の方々と撮った写真とともに「牛熊友の会」が大きく紹介されています。なんと右手にジョージ・ルーカス、下には首相や蔵相が・・・。うれしいやらはずかしいやら。「牛熊友の会」とは記事にもありましたように「債券ディーリングルーム」を見ていただいている方々にお集まりいただいているオフ会組織です。現在の会員数は140名を超しています。大きなオフ会は先日の屋形船を加えて4回ほど開かせていただきました。会員の募集はこれまでホームページ上で不定期ながら行って参りました。常に募集しているわけではないということもあり、ホームページ上では特に牛熊友の会の専用ページは設けておりません。もし参加してみたいという方は、今後表紙のお知らせや「若き知」にて参加募集のお知らせをする予定ですので注意してご覧いただけたらと思います。ただ、興味のある方はとりあえずメールを出してみるというのもいい手段ではあるかもしれませんが。
99.6.10「先物異常事態」
予想されていたとはいえ、これほどまでに市場が混乱するとは・・・。9日の債券市場は7年ゾーン中心の国債が買われていた反面、先物は中心限月が移行した9月限が大きく下落するといったこれまで見たことがないような事態となった。これに関して私の理解の及ぶ範囲で解説を試みてみたい。まず、混乱の原因は超長期国債の2回にあることは以前にも指摘したが、あらためて何故超長期国債が波乱要因になっているのかまとめてみたい。債券先物は現物の受け渡しが可能である。もちろん国債先物であるため国債に限られているが、この受渡適格銘柄にはほかにも条件がある。長期国債先物に関しては、「残存期間が7年以上11年未満の上場国債」でなければいけないのである。ただこれは長期国債に限ってはいない。つまり上場されている超長期国債(20国債)も、時間がたてば残存が11年未満となって受渡適格銘柄となりうるのである。そして先物の現渡しに使われるのは、その適格銘柄のうち先物に換算して(むずかしい計算式はここでは除きます)最も割安なものとなる。現在の先物の価格形成からは残存がもっとも短いもの、つまり残存7年ゾーンの国債が使われる可能性が強い。このため、この最割安銘柄(チーペスト銘柄)の価格の動きが先物の価格形成に大きく影響を与えているのである。さて、問題の超長期国債の2回債であるが、これは利率が5.7%で償還が2007年3月20日。つまり2000年3月限で残存がちょうど7年となる。このため、東証では超長期国債が先物の価格形成に混乱を生じさせる可能性を踏まえ会員にアンケートをとるなどした結果、2000年3月限以降は長期国債先物の受渡適格銘柄から超長期国債を除外することとしたのである。では、何故、超長期国債が先物の価格形成に波乱を生じさせるのであろうか。それは発行量と保有者の問題が大きい。つまり超長期国債は一回あたりの発行量が長期国債に比べ極端に少ない。3カ月に一回の発行。一回あたり3〜6千億円づつ完全競争入札形式で発行されてきた。加えて20年という長期の残存ということから保有者が限定されている。かなりの部分、日本の生命保険会社が保有していると言われている。これに対して長期国債(10年)はシ団引受もあるため、保有者も分散されている。以上のように発行量が少なく、なおかつ保有者が限定されている超長期国債がチーペストとなり先物価格形成に大きな影響を与えるということに対して危惧された結果、東証は超長期国債を受渡適格銘柄から外したのである。ところがこの超長期国債にはもうひとつ大きな特徴がある。それはクーポン、利率である。超長期の2回債が発行されたは今から12年前の金利がまだ高い時代。しかもただでさえ残存の関係で国債に比べて利率は高めに設定されるため、この2回債の利率はなんと5.7%もある。これがあらたな波乱要因となったのであった。現引き現渡しをする際にはなんらかの基準で先物と現物の価値を同一となるような比率を使い調整しなければならない。この際用いられるのが交換比率(コンバージョンファクター)である。詳しい計算式はこれも除くが(説明できないんじゃないかって・・・まあまあ)、現在の先物標準物の条件(利率6%)でなおかつ現在の金利体系から、この交換比率を用いた場合には、実は受渡適格銘柄の利率が高いものがより割安となるのである(わかりづいですよね・・・)。つまりまったく他が同条件で利率だけ違いがあった場合には利率が高いほうがチーペストとなる。超長期国債の2回債はこのハイクーポンが影響してなんと2000年3月を待たずに1999年9月からチーペストとなる懸念が生じていたのである。実際にこの超長期国債の2回債(今後SL2と呼ぶ)は、1999年9月と12月限のチーペストとなり、また課税玉懸念というあらたな材料も加わったことでさらに嫌気され、なんと1999年6月限のチーペストにもなってしまったのである。この課税の問題とは、SL2を保有していたと見られる生保が一部売りに出し、それを外資系金融機関が買ったとの観測が原因している。ここでもうひとつ付け加えておくが、このSL2は実は5千億円づつ発行されたものが銘柄統合され市中消化額は約1兆円である。当時は資金運用部の引受がありこちらも1兆円を保有。都合2兆円の残存があった。資金運用部の保有玉に関しては、売り現先で放出するという新たな案も出されたようだが、通常「売りオペ」等がない限り市中には出回らない。ということで市中に出回っているのは1兆円。まあ1兆円もあればチーペストとしてもなんとかなるというものではないのは前述したとおり。ただ、日銀の買いオペとかで半分程度吸い上げられているとも見られ、実際には5千億円程度しか出回っていないとも観測されている。その大部分を保有している生保が外資系に売却したことで、今度は課税という問題が発生した。つまり、外人などが現渡しする場合には、その現物は課税となり、たとえ現引きするのが非課税法人だとしても、手元にくるのは課税玉となってしまう懸念が生じるのである。6月限では価格に引き直すと30銭程度のロスとなってしまう。このために当初6月限を買って、チーペストと見られていた187回国債を現引きしようとしていた投資家が、なんと課税のSL2が来てしまうことを恐れて持っていた6月限を売却し、187回を直接手当するという行動に出た。加えて、現物売り先物買い、つまりショートベーシスを組んで、先物の売りを6月から9月にロール(先送り)していた投資家が、ベーシスでもストップロスが生じるほど拡大してしまったために、これを閉じる動き、つまり9月限を売り現物を買い戻す動きに出た(けっこう大口であったようである)。これが昨日、現物がしっかりしていたにも関わらず先物が大きく下落していた理由である。また、この9月限が中心限月となったものの、SL2の問題から外資系中心に売り仕掛ける動きも強まった。2000年3月限が上場される6月11日から2000年3月を中心限月にとの声も強くなっており、相対的にSL2がまるでトランプのババ抜きの「ババ」ような役割となってしまった。9月が短命で12月がスキップされると現渡しに使えないために、余計にSL2を保有することが嫌気される。仕掛け的な売りによりさらに9月の買い方がパニック的にポジションを外す動きが強まったことで6月限と9月限のスプレッドが拡大し、また先物と現物の理論価格差であるベーシスも異常に拡大してしまったのが昨日の動きであった。しかし、このパニック的な売りで、実は大きな裁定チャンスが生じた。つまりSL2をレポで手当して6月限を売り現渡しする。また9月を買ってSL2を現引くということでだまって83銭も取れてしまうのである(ただし、レポ費用の問題や9月のチーペストがSL2でなくなる可能性を無視しての話であるが)。これはあまりに異常事態。今日の9月限反発はまさにこういった裁定が効くぐらいまで9月が売られてしまった反動が出ているものと思われるのである。さて、今回の波乱はこのような説明で良いのであろうか。ご意見等ぜひメールにてお寄せいただきたい。
99.6.8「証券三田会」
証券三田会の総会というのに顔を出してきた。「三田会」とは、ご存じの方もいらっしゃるかと思うが「若き血」を歌った学生が卒業後も各所で集う会合である。各地域毎、各業種、また場合によって各企業毎に××三田会というのが存在している。証券三田会の会長は元大和証券会長の千野宜時氏である。会長と廊下ですれ違ったとき会釈をすると片手を上げて「おうっ」と言ってくださったが、直接お話したのはかなり昔。覚えてはいらっしゃらないとは思うのだが。とにかくお元気である。また、たいへんにダンディーな方でもある。会長は当日の朝には、なんとか会というのに出席され石原都知事や豊田会長と朝食をともにされたとか。その際に都知事より、債券市場開設に関してのコメントを求められたとか。ふむふむ。原稿を無視されてのお話であったが、たいへん面白かった。パソコンに関しても使えるぐらいで大きな顔をするなとおっしゃっていた。使いこなしてこそのコンピュータと。私よりも年次が上の方は総じてパソコン拒絶症の方が多いが耳が痛かったであろう。千野会長のあいさつのあと、法学部の小此木教授のお話を聞いた。実は私は小此木先生が助教授時代に授業を受けていた。たいへん懐かしかった。ただ、20年ぶりに授業を受けた(?)も関わらず当時のように寝てしまいそうになってしまったのは、我ながら全然進歩がないことを痛感した(先生すみません)。朝鮮半島情勢に関しての講演であったが、こんなに近い国ながら政治情勢や経済情勢に関して意外に知られていない事も多くたいへん勉強になった。うむ、そういえば、なんか私の出身学部までばれてしまったようである。私が入っていたのは生田ゼミ。なんとマスコミ専攻だったりする。えっ、なんで債券ディーリングなんかしているんだって。そういえばどうしてだろう・・・。
99.6.7「限月移行」
11日から上場される2000年3月限を中心限月にとの声がだいぶ強まっている。9月限と12月限の使い勝手の悪さは先日指摘したとおりである。ただ、債券先物は過去このように限月を飛び越えて中心限月が移行したケースはない。また円債先物は過去に一度中心限月が移行してしまうと出来高が再逆転したというケースもない。ほぼ3カ月毎に几帳面に交代し続けてきた。円債先物の中心限月交代に関しては出来高が逆転した日とするという暗黙の法則が成立していた。ただ、ここ数年この中心限月の移行は次第次第に遅れてきており、最終売買日近くなってから交代するようになってきた、今回も10日の売買最終日を前にして7日現在まだ交代していない。とにかく今回はこういった慣例を崩すことができるかどうか債券市場の参加者は興味を持って推移を見守っている。小渕首相は「前例は」との問いはしたことがないと聞くが、債券先物市場もいよいよ前例のないことをやろうとしているのであろうか。もし、2000年3月が上場したのちに中心限月となるようなことがあれば一時的な混乱は避けられない。建て玉の移行がスムーズにいくのか。また売買に関して9月限派と3月限派と分かれる可能性もある。ユーロ円金先のようにいくつかの銘柄に渡って出来高が分散されるのか。もしそうなればこれまであまり機能していなかった東証における限月間スプレッド取引がスムーズに行えるかもしれない。前例は崩すためにある。しかし、債券先物は頑なにこれまでの体制を守り続けてきた。システムの変更も、再見直しにより旧システムにやや近づく。こういったある意味で保守的な体制が崩れるのかどうか。市場は「補正」以上に(?)注目している。
99.6.4「チーペスト」
来週始めにも先物の中心限月が移行する。先週末はかなりロールの動きが強まったが、先物6月限と9月限のスプレッドが急拡大している。9月限は時期的に「補正」も絡むことから、どうしてもヘッジが入りやすくなるという見方も強いが、ここで大きな問題となっているのがチーペストである。東証に上場されている国債先物は現引き現渡しが可能である。つまり先物を買った人は反対売買せずに現物を引き取ることができるのである。売ったひとは現物を渡せば良い。その現物国債は残存7年以上の国債が対象となる。売り方はこの現物を渡すことになるのだが、なかでも計算上相対的に割安となる銘柄を渡すというのは当然であり、それは現在の先物から現物価格を算出する際に用いられる計算式からは最も残存の短いものとなる。つまり10年国債の先物といえど実質は7年の先物と言われるのはこのためである。そして9月限と12月限の際割安銘柄に実は超長期国債の2回債が該当してしまうのである。発行額も少なく流通量も限られている超長期国債を先物の受渡適格銘柄に入れると言うことに対してはこれまでいろいろと議論されてきた。結局、東証は来年から超長期国債を適格から外すことを決定したが、今年の9月限と12月限ではこの2回債が該当してしまうのである。つまり、流動玉の少なさから相場操縦も可能と見られるこの銘柄が先物を動かすこととなってしまうというリスクが発生する。なおかつこの2回は2000年3月から先物の受渡適格から外れるため投資家にとっては非常に扱いづらい銘柄となる。以上のようなことから限月移行後の9月限の売買に対して参加者はかなり慎重にならざるを得なくなっている。投資家によってはこのチーペストの問題で9月限ではヘッジがしにくいために現物国債やスワップを使ってのヘッジに乗り換えているのではといった観測すらあった。一部には9月限、12月限を飛び越し、いきなり2000年の3月限を中心限月に持ってきたらという声も出ている。まさに債券版2000年問題である。今回の中心限月の移行はかなり波乱を呼びそうである。
99.6.2「相場急落」
債券相場は調整局面入りした。きっかけは補正予算の具体化である。「消費税の凍結」といった観測も流れたものの、市場参加者の多くは消費税の凍結に関しては可能性は薄いと認識しているはずである。しかし、加藤紘一氏の出馬表明もあり自民党の総裁選は無投票はなくなった。これにより総裁選のスケジュールも繰り上げられる可能性も強まった。そして臨時国会召集のスケジュールも具体化し、これにともなって雇用対策を柱とした補正予算を編成する方針を固めた。市場では100%補正ありとの認識は持っていたものの、具体化するまでは売りも手控えられていた。むしろゼロ金利政策により債券に中期ゾーン主体に銀行中心とした買いが入ってきており、相場は堅調地合となっていた。しかしそれでも10年ゾーンは相対的に買われず、イールドカーブは中期がへこみ7年より上がスティープ化するという歪な形を形成していた。25日の長期国債入札は10年ゾーンのニーズのなさから業者が抱えざるをえなくなり、6月1日の4年国債の入札に関しても投資家ニーズが予想外に減少。ここにきてついに中期ゾーンも重くなってきたのである。こういった需給の変化により、相場はいつ崩れてもおかしくない状況になりつつあった。そのきっかけが6月1日の消費税凍結や野中官房長官の補正に絡んだ発言であり、また新規国債発行を臭わせた蔵相発言であった。野中氏の発言で「補正」が確実視され、あとは金額の問題となってきた。蔵相や財務官のおっしゃる5兆、10兆は5年国債の発行とかでなんとかしのげるという認識は残念ながら現在の環境下ではむずかしい。市場は大量の国債増発に怯えるとともに、政府の長期金利上昇抑制手段が5年債発行程度に限られているという認識を持ち始めた。これまで最大の買い手のプレーヤーであった都銀もさすがに残高を落とさざるを得なくなってきたようである。生保や年金といった買い手もさすがに相場が大きく下落しこの水準からは買いやすくなってきたものの、さらなる下落リスクに手を出しづらくなっている。債券の調整は始まったばかりかもしれない。需給で売られるにも限度はある。しかし、今度の対策次第では景気が回復に向かう可能性も十分に考えられる。そこまで見越しての売りではないだろうが、債券の下落要因が需給からファンダメンタルズに変化したときの下げは、あまり想像したくない。これからの債券運用はまさに担当者の手腕が求められるのではなかろうか。
99.6.1「牛熊友の会」
ある程度予想していたとはいえ、さすがに下げのピッチは早かったですね。というわけで今日もさすがに疲れました。日誌を書くにもあたまが回らない状況で・・・。えっ、あたま使って書いているにしてはこんなもんなのかって?。まあまあ、これでもないあたま絞っていろいろと考えているんですから。そうそう、ひとつ業務連絡させていただきます。6月11日の屋形船への参加希望をいただいた方々への連絡です。まもなく参加者等をお知らせするメールを送付いたしますが、もしご都合が悪くなった方がいらっしゃいましたら、今週末までにご連絡ください。よろしくお願いいたします。現在のところ予定人数に達しております関係で追加の募集はやっておりません。ただ、牛熊友の会への入会は受付ております。入会金・年会費などいりません。条件といえば今回の屋形船のようなオフ会に参加していただくということだけです。現在130名以上の方々にご参加いただいております。金融関係者が多いのも事実ですが、もちろん金融市場に関係無い方の参加も大歓迎です。