ゼロ金利解除の是非を問う
ゼロ金利解除の是非に関してさっそくご意見をいただきました。
公表の許可をいただいた方のご意見を掲載させていただきます。
******************************
こんにちは。
金曜日の夕方はわたくしもロイターを見守っておりました。いつまでたっても結果の発表が出ず、おかしいな、とは思いましたが。
やはり、政府が伝家の宝刀を抜くとは。
結論的には、日銀がこれ以上ゼロ金利の解除を見送れば、タイミングを相当期間後倒しせざるを得ない状況証拠はあり、今回の
決定はやむを得ない、と思います。FT等にはかなり辛らつに批判されていましたが、80年代バブルの発生状況を考えれば、海外
政府あるいはマスメディアの意見必ずしも正しからず。
しかし、多数が指摘しているように、市場関係者としては−政府、というよりは自民党の露骨な政治介入が見られる中での−今回の
日銀の決定を支持せざるをえない、とは思いますが、大事なのはそこに至る過程ではないでしょうか?やはりこれも中銀バッシングをして
経済政策のせめを中銀におしつけるが如き議論と言うのは、欧米諸国でも見られるのであって、新日銀法でその独立性が保障されている、
政府大蔵省とは立場を異にし、その庇護は得られない以上、日銀の独立性は自ら得る、即ちアカウンタビリティーによって担保され、
勝ち得られねばならないのではないでしょうか?世の日銀バッシングはあまりに強かったとはいえ、そごう問題以後の1ヶ月足らずの間の
あっという間のゼロ金利解除へ、との印象はぬぐえません。先月見送ったときに、そごう問題の影響の注視を示唆したにもかかわらず、
日銀副総裁の発言以来、急速に速水総裁が信念からタカ派姿勢を強めた様に見えます。
今後、大事なこと。
@市場との対話に努めること。FRBの信認は一朝にしてなったものではなく、特に金利の上昇局面入りするこれからの日本の金融政策においては
より一層十分にじならしをすることが肝要でしょう。とりわけ、グリーンスパン議長が海の向こうで達成しつつあるかに見える経済のソフトランディングを
この債券バブル日本で、98年末のような金利乱高下なく、金利上昇局面入りさせるのは難しい事業でしょう。
Aアカウンタビリィテイを果たすこと。これは市場に自らの経済・金融情勢の見方を単に伝えるだけではなく、ブラックボックスでない政策の方向観が
わかりやすいということもあげられましょう。先月のステートメントから、速水総裁参院発言前に8月利上げを100%確信できた日銀ウォッチャーは少ないと
思います。
今後、日銀の立場はますます対 政界において難しいものがありますよね。今回の如く、子供のけんかに追い込まれることのないよう日銀さんが、今回の
教訓を学習されんことを(でもそれって日本においてはかなり難しいことかもしれませんね、やはり)。
******************************
依然としてゼロ金利解除はしてもかまわないが、やはり時期尚早と考えている。
理由1 年末に向けて企業倒産が増加し、雇用に関する指標が再び悪化し始めたらど
うするつもりなのか?
当然マインドが冷え込むため、個人消費にも影響が有りそうだ。
理由2 では、いま解除する明確な理由はなんなのか?
理由3 市中には膨大な流動性の滞留があり、そう簡単に金利上昇とはならないので
はないか。(だから、長期金利の水準云々を気にしているようであれば、どうぞ速水
総裁やってください。しかし、理由1をきにしているようであれば、時期尚早)
******************************
はじめましてこんにちは。
もうあと半日ですが、ゼロ金利解除について、メールします。
皆さんのご意見では賛成派が多数なのですね。
ところで去年の株式市場における過剰流動性相場の一時的大復活
及びその後の転落は金利がほとんど無いことと関係あるんでしょうか?
そうならやっぱりそろそろ潮時なのかな、と思います。
ただ、あれも異様に局地的なものにお金が集中した感はありますね。
思えば89年暮れの利上げの際、日銀内部ではそのずっと以前から、
ふつーのインフレと資産価格の異常な状態をかなり憂慮していたわけです。
今の状態をみると物価は前年比マイナスで、金利というものがなんのために
あるのかを考えると、物の値段が下がっているのに、お金にプレミアムなんか
つけていいのか?と思います。素朴な考え方ですが。
この場合、当初ゼロ金利決定時の目的とか微調整とか正常化、ということは
無視したシンプルすぎる発想です。
利下げにちゃんとした目的があるように、利上げにも目的があっていいように思うのです。
90年代後半に、公定歩合がまだ2.5%だったころ、(すごい高金利)この水準が
国内史上で最低金利だから、という理由でそれ以下の公定歩合水準は異常だ
みたいに発言していた方々も沢山いらしたように思うのですが・・
話がとびますが、日銀さんがあまりにも利上げしたがっているので、もしかして
どこかの資産マーケットで熱狂的な相場になっているのか、もしかして、
どこぞの労働市場で失業率が最低水準を更新しているのか、ほんとにそうなら
良いなあ。と思います。
まとまりなくて申し訳ありません。お読み捨て下さい。
******************************
ゼロ金利政策の解除の是非は現状では分かりません。
ゼロ金利政策導入時にその効果についてはっきりとした議論ができなかったように、
解除についても半年以上経たないとその影響をはかることはできないのではないかと思います。
ただ、いままで日銀は「デフレ懸念の払拭」を解除の条件としてきました。
現状の経済指標などを見ると、
鉱工業生産指数が改善の動きをしていること、
機械受注の増加が下半期の設備投資にも明るい見通しを与えていること、
1-3月のGDPの大きな伸びにもかかわらず、
4-6月期もプラス成長が見込まれていることなどから、
デフレスパイラルのような経済縮小は考えにくくなっていると思います。
日銀は解除の条件をあいまいながらも示してきていたので、
解除すべきときは迫っていると思います。
しかし、そごう問題をきっかけに株価は大きく下げてしまいました。
日債銀の譲渡は決着しそうですが、
株価が示していると思われる市場心理はあまり良くないようです。
わたしは夏のボーナスの動向やGDPを見ることができる9月まで待ってもいいのではないかと考えています。
それにしても政治家サイドからの圧力はすごいですね。
林自民党金問調会長の昨日の恫喝には驚かされました。
日銀法の改正なんて発言は政治家としての見識を疑わざるを得ない。
意地のぶつかり合いみたいに見えてしまうのは、
非常に悲しい事態だと思います。
実際問題として解除するにせよ、しないにせよ、
速水日銀総裁がクビになるような話が持ち上がったとしたら、
そのときの海外からの冷たい視線は想像したくありません。
******************************
久保田さん。こんにちは。
今回は強烈でしたね。ヘッドラインが伝えられるたび社内に失笑が広がってました。
で、何が混乱の原因かとつらつら考えるに、以下の三点が切り分けられていない
ためではないかと愚考しました。
○金融政策としてのゼロ金利政策の位置付け
○今、ゼロ金利政策を解除することの妥当性
○日銀と政府(あるいは金融政策と財政政策)のあるべき姿
速水総裁と多くの議員が記者を通じてレスを重ねるうちに、どんどん本題から逸れて、
しかも話が拡散してどうにもならない>まさに「ネット上の荒れた掲示板」の様相でした。
【ゼロ金利政策を巡る諸問題について】
当初、緊急避難として導入されたゼロ金利政策の目標はデフレスパイラル阻止
でしたが、であれば「デフレ」と「スパイラル」は明確に定義付ける(そして広く公表する)
ことが不可欠だったのではないでしょうか。
しかし現実には「日銀が(裁量確保のために?)解除の要件を明確にさせなかった
(=従って目的がぼやけた)」ことに加え、「緊急避難行為の割には政策が採用された
期間が長期に渡ったこと」から、その目的が非常にあいまいなものになりました。
実際、私の同僚のなかにも「ゼロ金利政策は導入時点では緊急避難であったが、
現在では(財政政策の自由度低下もあり)既に通常の金融政策として組み込まれて
いる」と主張する者もあります。
目的と位置付けが不明では、本来解除時期など探りようがありません。ところが、
その時期を7月と示唆したのは他でもない日銀でした。7月解除論は市場からの催促
ではなく、審議委員の相次ぐ「地均し発言」がその根拠だった訳です。
にもかかわらず、7月に据え置きを発表したばかりか、その根拠(のひとつ)として
(あれだけ「構造問題と金融政策は別」と言っていたのに)「そごう問題」を挙げました。
更に「誤りなきを期したい」と裁量の余地を広く取ったことも不透明感を増す要因と
なりました。
加えて、選挙が終わって態度を豹変させた政治家が、政権の支持率や財政政策との
関連からその態度を硬化させており、結果「日銀は政府の圧力に負けた」との観測が
高まったことも混乱に拍車をかけました。
【FRBになりたかった?日銀】
審議委員は「市場との対話」を理想として、7月、短期金融市場が「織り込まぬなら
織り込ませようゼロ解除」という姿勢で地均し発言を断続的に行いました。結果論です
が、ちょっと焦ったのでしょうね。あるいはFRBの長年の努力を過小評価していたの
かもしれません。
政策変更の際には必ず事前にウォーニングする。この姿勢を堅持していれば(何年
か後には)市場が日銀に敬意を払うようになる=「織り込むまで気長に待とう金融政策」
という姿勢がベストだったのでしょう。既に後の祭りではありますが。
【8月決定会合について】
結局、市場参加者のロジックは以下の二つに分類できるようです。
○ゼロ金利解除観測は金融市場に織り込まれていないため、政策変更は
サプライズを招く。これは日銀の本意ではないはず。だから無い。
●ゼロ金利政策を解除できなかった場合、日銀の独立性が損なわれると
ともに、速水総裁の責任論が浮上する。だから強行突破する。
非常に残念なことですが、「何のためのゼロ金利政策か」「今が解除のタイミングか」
を論じる環境には既になく、市場参加者の関心は「ゼロ金利政策を解除できるか
否か?」の一点に絞られました。もっと狭義に言えば「速水総裁はこの環境下で議長
提案を行なえるか」「それに5人以上が賛成できるか(=速水総裁を守りきれるか)」
しか論点がない訳です。もはや分析でもBOJウオッチでもありません。
参考になるのは昨年の9月に「非不胎化」圧力が高まったときでしょうか。この時は
審議委員は団結してこれを拒否しました。今回はどうなるのでしょう?
【さいごに】
何年かしてゼロ金利政策の是非と功罪を論じるためには、日銀事務局が個人名で
作成する「ワーキングペーパー」を待たなければならないようです。BOJウオッチャー
としては非常に残念です。でも、考え方を換えれば悪いことばっかりでもないかと。
というのも、今まで多くの「BOJウオッチ」名のレポートには、純粋に日銀の動向を
ウオッチするのではなくて、ウオッチャーの景気判断や「べき論」が混在しているものが
散見されました。今回は「まさにウオッチするしかない」のですから。成長していくのは
日銀だけではなくて、私も含めBOJウオッチャーもまたそうなのでしょう。
******************************
現在世界中を見渡して、最も警戒しなければならないバブルは、日本の債券市場でしょ
う。ゼロ金利を解除を先延ばしするほど、バブルが成長し、あとのショックが大きくなる
ことが懸念されています。徐々にでもガス抜きをしていく方が世の中のためと市場関係者
は考えるべきです。日銀の苦労にも理解を示してあげなくちゃ。それだけ10年以上かけ
て育てた債券バブルの後始末は大変と認識した方がいいんじゃないでしょうか。年金、財
政の危機的状況、少子化、働かない若者、こんな条件で、金余り=日本の国債買いという
構造が続くのが不思議なくらい。
******************************
週末の日銀の決定会合を控えて永田町が喧しい。政府内の主力閣僚から時期尚早との声が高まるや日
銀出身の政治家が日銀擁護の発言を発するなど、外から見ていると肝心の状況判断などどこかへ行っ
てしまい政争の如くである。全くもって見苦しいばかりである。
時期尚早派はマーケット重視を掲げるが、マーケットは論理だけでは動かないものである。市場任せ
というのは政治の怠慢ではないだろうか。市場はサインを送るが、常に行きすぎはあるものである。
政策当局は、政治屋の声に耳を傾けて政策を誤ったのは、ほんの10年前と一緒ではないか。政策が遅
れてその後修正するエネルギーの大きさを考えると、今のゼロ金利の中で麻薬を打ちつづけることは
、結局基礎体力を落とすだけである。努力するものが認められなくなれば、この国のあり方が問われ
るのではないか。長期間の入院で完全に治る病気はない。外に出て普通の空気を吸う勇気を持たない
と病気は治らない。
******************************
賛成:
ゼロ金利政策は劇薬であり、劇薬の効能は短期であるべき。
あまり長く使い続けると副作用が大きい。
日本の景気回復には、小手先の処方では効果がないことがよく分かってきたはず。
構造改革に本腰をいれるべきで、それによって長期的に見て初めて日本が復活
するのではないか。
最近のそごう・間など モラルハザードへの世論も厳しい。新たな護送船団行政の
復活は許されないと考える。
******************************
こんにちは。
意見というか金融考察をかなぐり捨てて常識を盾に言えば金利ゼロ
なんていうのは不自然きわまりないので解除されてすごく当たり前な
ことだと思います。
******************************
私は利上げ賛成派です。
そもそも、日銀がゼロ金利政策を実行に移した最大の目的は、金融システム破綻のリ
スク(いわゆるシステミックリスク)を回避するために十分な流動性を確保すること
にあったわけであり、その意味ではゼロ金利の政策目的はほぼ達せられたと考えられ
るのではないでしょうか。(その意味では、そごう問題を受けて判断を保留した日銀
の判断はこの政策目標と整合的だと思います。そごうが理由であるかどうかは置いて
も、銀行も含め社債のスプレッドは確かに拡大していましたし)
昨日の緊急提言も含め、もっとも日銀に対する反論は「デフレ懸念の払拭」を説明し
きれていない、そもそもデフレ懸念という言葉の定義があいまいである、という部分
を根幹として、株式など資産価格へのインパクトに言及するものが多いと思います。
しかし、そもそも物価とは相当に曖昧なものです。特に現状のように「物価が上がり
かけているか、下がりかけているか」を明確に判断し、予測するのは極めて困難であ
る以上、「物価が今後上昇するリスク」と「下落するリスク」を秤にかけて、上昇す
るリスクの方が大きいと判断した時点で金融政策を変更するしかないと思えます。
万人が物価の上昇に同意できる状況では、既に期待インフレ率は相当程度加速してい
ると考えられます。その際には日銀は政策判断の遅れを非難されるでしょうし、誰よ
りも日銀自身がインフレ局面で政策判断を遅らせることの危険性は承知しているはず
です。
私も日々統計を眺めて過ごしていますが、統計からインフレの兆候を感じることは出
来ません。しかし、目先1〜2年を見たときにインフレのリスクとデフレのリスクのど
ちらが大きいかと言えば、やはり現状の金利ではインフレリスクの方が高いと思えま
す。
それにしても、昨日の政治家の一連の発言にはあきれるしかありません。ただ目立と
うとしている若手政治家と、商工会議所等の票田に向けてしゃべっているとしか思え
ないベテラン政治家が、日銀の退路をむしろ塞いでしまったように思えます。自らの
発言では市場を動かせず、政治家の反応を通してしか市場に影響を与えられない中銀
総裁の責任も大だと思いますが…彼の信用の無さは少なからずマーケットを歪めまし
た。
******************************
日銀としては「危機回避措置または非常事態宣言の解除」という位置づけをはっきりと説明し、サク
ッ、とゼロ金利解除を行えば良かっただけのことと思います(これだけで誰しも納得でき、十分説明
責任は果たせると思うのですが…)。藤原副総裁が「10年来続いた緩和政策の反転」という表現をし
たことが説明を困難にしています。実際は裏にそういう意図があったとしても、非常事態宣言の解除
という形で一旦、ゼロ金利を解除しておけば、日銀は時間的猶予をかなり確保でき、その間に経済状
況をゆっくりと見定めることができるはずです。そして必要があれば追加利上げを断行すればよいだ
けのことです。また、マーケットとの対話というのはマーケット参加者と言葉で話し合うということ
ではなくイールドカーブなどマーケットの動向から政策判断をするということだと思うのですが、日
ではどうも理解はされていないようで・・・
******************************
債券ほどではないでしょうが株の世界でもゼロ金利の行方は
かなり関心が高くなっています。
一般的にはゼロ金利が解除されると外人の売りが増え、株式
市場にとって良くないとの意見が多いようですが、私としては
ここで解除しなかった(出来なかった)ほうが海外における
不信感、不透明感が強まると考えています。このことは先日の
瑕疵担保条項の見直し云々でもはっきりしているのではないで
しょうか。ゼロ金利を解除してもしなくても株式相場にとって
はマイナス方向に働く可能性は高いと思います。ただ、後者の
方がその期間は長くなると思われます。また、今の株式相場は
何か大きな悪材料で一度ショックを与えられたほうが灰汁抜けし
てその後の反発に勢いがつくのではないかと考えております。
日銀と政府の意地の張り合いになっていて後味の悪いものに
なってしましそうですが、日銀には是非解除してもらいたい
と思います。
******************************